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1 InfoCom Research, Inc. ココココココココココココ ココココココココココココ コココココココココココココココ コココココココココココココココ コココココココ ココココココ ココココ ・・ コココココココ ココココココ ココココ ・・ 年年 年 年年 年 年 20021127 年年年年 年年年年年年年年年

コンテンツビジネスの現況 コンテンツビジネスの基本構造と ブロードバンド・コンテンツ・ビジネス

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コンテンツビジネスの現況 コンテンツビジネスの基本構造と ブロードバンド・コンテンツ・ビジネス. 2002年11月27日 株式会社 情報通信総合研究所. 内 容. A. コンテンツビジネスの概要 1 . コンテンツとは 2. 市場の概況 1)市場国内 2)国際市場 3. ビジネスモデル 1) 広告 2) 有料 4. 財としての特性 1)リスクの分散の必要性 2)マルチウィンドウ B. ブロードバンド・コンテンツ市場 1. 流通構造の変化 1)サプライチェーンデジタル化によるボトルネックの解消 2)二次利用拡大促進 - PowerPoint PPT Presentation

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1

InfoCom Research, Inc.

コンテンツビジネスの現況コンテンツビジネスの現況コンテンツビジネスの基本構造とコンテンツビジネスの基本構造と

ブロードバンド・コンテンツ・ビジネスブロードバンド・コンテンツ・ビジネス

2002年11月27日株式会社 情報通信総合研究所

Page 2: コンテンツビジネスの現況 コンテンツビジネスの基本構造と ブロードバンド・コンテンツ・ビジネス

2InfoCom Research, Inc.

内 容A. コンテンツビジネスの概要

1. コンテンツとは 2. 市場の概況

1)市場国内2)国際市場

3. ビジネスモデル1)広告2)有料

4. 財としての特性1)リスクの分散の必要性2)マルチウィンドウ

B. ブロードバンド・コンテンツ市場1. 流通構造の変化

1)サプライチェーンデジタル化によるボトルネックの解消2)二次利用拡大促進

2. ブロードバンド市場の現況1)市場の概況2)今後の課題

目 的

A. コンテンツ市場の現状およびビジネスの基本構造を理解する

B. ブロードバンド・コンテンツ・ビジネスの現状と課題を理解する

目 的

A. コンテンツ市場の現状およびビジネスの基本構造を理解する

B. ブロードバンド・コンテンツ・ビジネスの現状と課題を理解する

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3InfoCom Research, Inc.

サマリーA. コンテンツビジネスの概要

国内コンテンツ市場 既存コンテンツ市場は飽和状態であるが、携帯電話やインターネットは成長 放送、映画では流通部門による寡占状態

海外市場 日本はアニメ、ゲームに競争力を持つ 米国系メガメディアが形成される 韓国の伸び

ビジネスモデル 基本は広告と有料

財としての特性 高いコンテンツ製作費のリスク分散の工夫 マルチウィンドウ戦略

B. ブロードバンド・コンテンツ市場伝送路の能力アップでコンテンツが不足

複数の課題が存在 著作権処理ルールの確立、課金・暗号化を含む著作権処理システム、公正な競争、ファイナン

ス テレビ番組の二次利用に向けてのとりくみが民間、行政でなされている

ブロードバンド期待は集まるがまだまだ ブロードバンドに適したコンテンツとは

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4InfoCom Research, Inc.

コンテンツというコンセプト

メディアソフトソフト情報メディア

コンテンツ

80年代~90年代前半 90年代後半~

コンテンツと伝達手段(メディア)が一体化その両方を含むコンセプト

コンテンツと伝達手段が分離

メディア

「コンテンツ( contents )」は、英語で「中身、内容」を意味する デジタル化により急速にその能力を拡大した伝達手段に対して「中身、内容」が必要という発想に基づいたコンセプト「コンテンツ ビジネス」という場合は、デジタルネットワークでのコンテン・ツの提供を念頭においている場合が多い 定まった定義はないため、議論においては確認が必要

A-1 コンテンツとは

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5InfoCom Research, Inc.

コンテンツとはエンタテインメントが主流パッケージ系、ネットワーク系、空間系に分けられるパッケージ系および空間系のコンテンツのネットワーク系への移行がある(完全移行ではない、むしろ多様化)

書籍・雑誌新聞レコードビデオ

ビデオ・ゲーム写真・ビデオ郵便

映画カラオケ

アーケードゲームイベント

地上放送衛星放送

ケーブルテレビデータベースインターネット

電話携帯電話

ネットワーク系

パッケージ系

空間系

A-1 コンテンツとは

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6InfoCom Research, Inc.

市場規模:国内市場

110,385 112,572 109,286 106,629 105,769

出所:「コンテンツ産業の現状と課題」 2002 年 8 月、経済産業省

国内コンテンツ市場規模推移

27,503 28,562 27,785 28,312 29,977

24,256 25,029 25,293 24,848 24,688

26,564 26,374 25,415 24,607 23,966

21,379 21,167 19,626 18,350 17,082

5,390 5,607 6,030 5,661 5,925

5,293 5,833 5,137 4,851 4,131

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

1996 1997 1998 1999 2000

億円

ゲーム映画音楽出版新聞放送

主要コンテンツ産業の合計は、 10兆円規模。国内市場は、成熟しており、市場規模は横ばい個別市場では、放送はのびたが、ゲーム・音楽・出版は縮小傾向にある

A-2 市場の概況

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7InfoCom Research, Inc.

生活における主要コンテンツの利用時間コンテンツは個人の時間のなかでシェアを奪い合っている

       → 隙間時間を活用できる携帯電話が伸びる  → ほかの余暇活動との競争も視野に入れる必要がある

携帯電話やインターネットなどの新しいメディアの伸びが目立つ。特に自宅外での利用が伸びている

主なコンテンツ利用行動における 1 日あたりの消費時間<個人全体平均:平日>(時間:分)

出所:「情報メディア白書 2002 」電通総研編を基に作成

行動内容 1998年 1999年 2000年 2001年 1999 /2001年 年趣味・遊び・レジャー・スポーツ 0:28 0:37 0:32 0:30 81.1%音楽鑑賞 0:05 0:13 0:12 0:12 92.3%雑誌・本・単行本 0:12 0:11 0:12 0:11 100.0%新聞 0:21 0:25 0:27 0:24 96.0%テレビ視聴 2:53 2:56 3:12 3:12 109.1%VTR・DVDの再生視聴 0:05 0:05 0:05 0:05 100.0%電話 0:08 0:07 0:13 0:13 185.7%        うち自宅外 0:03 0:02 0:06 0:07 350.0%

eインターネット・メール 0:02 0:07 0:19 0:29 414.3%        うち自宅外   0:04 0:11 0:17 425.0%ゲーム・ファミコン 0:05 0:05 0:05 0:05 100.0%

A-2 市場の概況

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8InfoCom Research, Inc.

産業構造の特徴動画コンテンツ産業(放送および映画)の流通部門が寡占的な傾向にある。(23頁を参照)

特に法的に参入規制のある放送に顕著

流通部門の寡占により生産部門であるコンテンツ製作者が下請け的位置づけとなっている。ビジネスの主体性を持たないため、ビジネス機会を行かせず、自主的なクリエイティビティを発揮しにくい状況にある

多種のコンテンツの種別横断的なコングロマリットは存在しない

A-2 市場の概況

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9InfoCom Research, Inc.

国際競争力

ゲーム: 2000 年値(輸入は関係者推測値)音楽: 2000 年値(通関統計)出版: 2000 年値(通関統計)放送: 1996 年値(通信白書)映画: 2001 年値( 1 ドル 133 円で換算)(輸入額は米国映画興行収入)アニメは映画・放送に含む

出所:「コンテンツ産業の現状と課題」 2002 年 8 月、経済産業省

■ 家庭用ゲーム機向けソフトの生産額は、米国とならび世界のトップであり、その約65%が輸出されている 

■ アニメーションは、世界の放映量の6割を占めるといわれる。最近は、「千と千尋の神隠し」、「ポケモン」などがヒット 

■ 映画・音楽・TVドラマは、東アジアを中心として流通しているが、多くは、海賊版による非合法な取引による

コンテンツ産業の輸出入

2847.7

53 33.5179.2

30

1220.1

248 230.7

467.4

107.5

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

ゲーム(ソフト) 映画 放送 音楽 出版

金額

(億円

輸出輸入

A-2 市場の概況

億円

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10InfoCom Research, Inc.

世界の映画興行市場のシェア

単位:百万ドル

出所: Screen Digest 2001.10  p.314-5

■ 米国が世界市場のシェアの半分近くを占め、1位。日本は、国別興行収入でいうと世界第 2位の市場である。しかし、アメリカの 5分の1程度に過ぎない。

EU      4,289

順位 国名 市場規模1 US 7,6612 日本 1,5853 英国 9464 フランス 8255 ドイツ 7616 イタリア 5237 スペイン 4958 インド 4689 カナダ 44010 メキシコ 36611 韓国 36012 そのほか 3,051

合計 17,481

2000世界の興行収入市場規模( 年)

US44%

日本9%

英国5%

フランス5%

ドイツ4%

イタリア3%

スペイン3%

そのほか17%

カナダ3%

インド3%

メキシコ2%

韓国2%

EU :オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ポルトガル、スペイン、スエーデン、イギリス

A-2 市場の概況

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11InfoCom Research, Inc.

EU と米国の視聴覚作品に関する貿易収支■  EUの域内コンテンツ産業の育成政策にかかわらず米国コンテンツは強く、 EUと米国の視聴覚作品に関して EUの赤字は一貫して拡大を続けている

     -EUでは、政策上、テレビおよび映画を視聴覚作品として包括的に扱っている

EUと米国の視聴覚作品に関する貿易収支

3,133 3,2803,947 4,106

4,642 4,886 5,3316,262 6,645

7,3138,117

404 464 279 300 429 566 517 613 668 706 853

- 2,729 - 2,816- 3,668 - 3,806 - 4,213 - 4,320

- 4,814- 5,649 - 5,977

- 6,607- 7,264

- 10,000

- 8,000

- 6,000

- 4,000

- 2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99

EU米ー>EU->米EUの輸入超過

出所 :“Challenges in European Cinema and Film Policy “ (www.obs.coe.int/)EU を構成する国名については、記述なし

単位:百万ドル

A-2 市場の概況

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12InfoCom Research, Inc.

メガメディア欧米を中心にメガメディアといわれるコンテンツの各分野で力をもつ複数のコングロマリットが存在している

AOLタイムワーナー(米)AOLタイムワーナー(米) ワーナーミュージックグループワーナーブラザーズ

ウォルト・ディズニー・カンパニー(米)

ウォルト・ディズニー・カンパニー(米) ブエナビスタ

ビベンディ・ユニバーサル(仏)ビベンディ・ユニバーサル(仏) ユニバーサル・ミュージックグループユニバーサル・ピクチャーズ

バイアコム(米)バイアコム(米) パラマウント・ピクチャーズ

ソニー(日)ソニー(日) ソニー・ミュージックエンターテインメント

ソニー・ピクチャーズエンターテインメント

ニューズ・コーポレーション(豪)ニューズ・コーポレーション(豪) 20 世紀フォックス

映画 音楽

出所:「情報メディア白書 2002 」電通総研編 p.231

主要メディアグループ親会社

A-2 市場の概況

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13InfoCom Research, Inc.

韓国の成長現在ブロードバンド普及率世界一、コンテンツ産業の育成を国家目標として定めるアジア地域をはじめとして海外への輸出にも積極的に取り組み著作権の未整備など、他国ではそのままは応用不可しかし、その積極性に学ぶところは大

1999 年 サイバーコリア 韓国映画「シュリ」の大ヒット2000 年  文化産業育成基本法を制定、コンテンツ投資促進策がとられる2001 年 韓国文化コンテンツ振興院の海外事務所東京、北京に開設

• アニメ、音楽、漫画出版、キャラクター、ゲームなどの産業を支援• 韓国文化観光部(日本の文部省)は 21 世紀の基幹産業として国際競争力を持つ文化コン

テンツ産業の育成を目指す現在 テレビ番組のブロードバンド配信も積極的に実施

• テレビ局の力が強く出演者なども反対しにくい• 現在は、著作権処理は行っていない

A-2 市場の概況

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14InfoCom Research, Inc.

ビジネスモデル

基本モデルは2つ広告モデル地上放送(エンドユーザは、直接的にコンテンツの視聴に対して料金などを支払う必要はない。広告メディアが、広告主に対して広告枠など販売する)

有料モデルエンドユーザがコンテンツの視聴に対して料金などを支払う。

A-3 ビジネスモデル

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15InfoCom Research, Inc.

広告モデルエンドユーザは、直接的にコンテンツの視聴に対して料金などを支払う必要はない。広告メディアが、広告主に対して広告枠など販売する

代表例:地上民間放送

広告主広告主

消費者消費者 広告メディア広告メディア

コンテンツおよび広告提供に  関する経費  製作費および伝送費

広告およびコンテンツ

広告の視聴

商品の購入(商品価格に広告費も含まれる)

A-3 ビジネスモデル

間接的に広告およびコンテンツ代金を負担

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16InfoCom Research, Inc.

有料モデルエンドユーザがコンテンツの視聴に対して料金などを支払う代表例:書籍、映画

広告も採用して価格を下げる工夫もされている代表例:新聞、雑誌、CS放送

消費者消費者 コンテンツコンテンツ

コンテンツ

コンテンツの購入

A-3 ビジネスモデル

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17InfoCom Research, Inc.

コンテンツのビジネス的特性ー映画の例より

少数のヒット作が多数の赤字作のコストを補っている

ヒットするかどうか予測が難しい

少数のヒット作が多数の赤字作のコストを補っている

ヒットするかどうか予測が難しい

A-3 財としての特性

有名俳優などに頼る傾向  → 費用の高騰  → リスクの拡大(悪循環)

シリーズもの、他のメディアでのヒット作の映画化など実績に頼った作品づくり  (→ テーマの陳腐化?)

有名俳優などに頼る傾向  → 費用の高騰  → リスクの拡大(悪循環)

シリーズもの、他のメディアでのヒット作の映画化など実績に頼った作品づくり  (→ テーマの陳腐化?)

時間の経過に従い価値が低減する  → 異なる価格帯の市場が存在

最初の一つ目のコピーの製作費が高いが後のコピーの費用は比較的安価  → できるだけ多くの機会を利用し     て流通させたい

時間の経過に従い価値が低減する  → 異なる価格帯の市場が存在

最初の一つ目のコピーの製作費が高いが後のコピーの費用は比較的安価  → できるだけ多くの機会を利用し     て流通させたい

マルチウィンドウ戦略マルチウィンドウ戦略

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18InfoCom Research, Inc.

映画の平均生産費用の高騰有名俳優などに頼る傾向 → 費用の高騰 1980年に比べ 2000年の製作費用は、 5倍以上、広告費用も7倍程度にも膨れ上がっている

* 製作には、映画製作費用のほかにスタジオの一般管理費なども含まれる。  2000年2001年には、途中で製作中止となった作品の費用は含まれていない。

出所: www.mpaa.org (全米映画協会)

9.40.79

3.54

16.8

1.21

5.24

26.8

1.73

10.24

36.4

2.35

15.38

39.8

2.63

17.21

53.4

3.02

19.24

52.7

3.25

22.07

51.5

3.13

21.4

54.8

3.3

24.0

47.7

3.73

27.28

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

百万ドル

メジャー映画平均費用

広告 3.54 5.24 10.24 15.38 17.21 19.24 22.07 21.4 24.0  27.28

プリント 0.79 1.21 1.73 2.35 2.63 3.02 3.25 3.13 3.3  3.73

製作 9.4 16.8 26.8 36.4 39.8 53.4 52.7 51.5 54.8 47.7

1980 1985 1990 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001

A-3 財としての特性

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19InfoCom Research, Inc.

シリーズものなどの多用シリーズもの、リメイク、他のメディアでのヒット作の映画化など

上位 20位までにシリーズもの( 4位、 5位、 6位、 10位、 13位)他のメディアのヒット作品の映画化( 1位、 8位、 12位)

出所 :www.variety.com  *興行収入額は、2001年に計上されたもの

単位:百万ドル順位 タイトル 製作国 興行収入1 ハリーポッターと賢者の石 US 750.43 シュレック US 465.72 パール・ハーバー US 450.24  ハムナプトラ II US 429.45 IIIジュラシック・パーク US 363.56 猿の惑星 US 358.27 ハンニバル US 349.98 ロード・オブ・リング US/  NZ 339.19 キャスト・アウェイ US 316.710  ラッシュ・アワー 2 US 311.211 ブリジット・ジョーンズの日記 UK/US 278.212 -ツゥム・レーダー US 274.513 American Pie 2 US 271.314 モンスターズ・インク US 267.415 ハート・オブ・ウーマン US 258.016 A.I.  US 235.017 千と千尋の神隠し J P 226.018 トラフィック US 207.119 ワイルド・スピード US 206.520 キャッツ&ドッグス US 200.4

2001年興行収入世界ランキング

A-3 財としての特性

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20InfoCom Research, Inc.

時間の経過に伴う異なる価格帯市場の発掘当初、高い価格で販売し、その需要が一巡した後に、安い価格で新たな需要を掘り起こしていくため、初リリースから、時間を経るにしたがって、視聴のための価格は下がっていく 

価 格

供給量(利用者など)時間の経過

Q1      Q2      Q3     Q4      Q5      Q6     

Q1   劇場Q2   ホームビデオQ3   PPVQ4    プレミアム・チャンネルQ5  ネットワークQ6  シンジケーション

消費者が映画を鑑賞ために利用するサービスのために支払う金額

出所:” The Motion Picture Mega Industry”, Littman, B., p.74,1998

A-3 財としての特性

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21InfoCom Research, Inc.

マルチウィンドウ展開各種メディアで時差を設けて、映画を提供していくマルチウィンドウ展開とはハリウッドの映画製作配給会社が決めて世界的に通用しているビジネスモデル一つのコンテンツからの利潤を最大化するという点において合理的なシステム時間を通じての価格差別の典型例

出所:放送経済学序説、 1998 年

*収入源としては、この他にフィギャーの販売などのマーチャンダイジングがある

劇場公開後 2~3ヶ月 2~6ヵ月 1年 2年 3年目以降劇場

ホームビデオ

CATV・衛星放送

  PPV・

  ・フ レ゚ミア ム ・チャンネ ル  ・ヘ ゙ー シック・チャンネ ル

TV地上波

ロート ジョウ 拡大上映

クロース ド ・゙サ ーキ ット

レンタル・セル用2第 次ヒ デ オ゙販売

PPV

フ レ゚ミアムベー シック

ネットワーク

シンシ ゲーション

A-3 財としての特性

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22InfoCom Research, Inc.

マルチウィンドウによる収入の確保映画配給による売上げは、過去に VCRと多チャンネル放送の出現で大きく拡大し、現在では、映画制作のコスト回収の収入源として組み込まれている興行収入の比率は、長期下落傾向にあり収入全体の 4分の 1以下になっているが、興行成績がビデオの売上げなどに影響するため、依然として重要

出所:Kagan Media Trends 2001 p.147 (2000Hollywood.com 推定 )

30.3 24.3 23.8

27.430

40

35.5 38.429.7

6.8 6.5 6.5

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1990 2000 2010

マーチャンダイジングなど

ビデオなどのパッケージによる流通テレビなどのネットワークによる流通劇場での興行

A-3 財としての特性

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23InfoCom Research, Inc.

利 用生 産

コンテンツのサプライチェーン(国内)■ 従来、コンテンツとメディアの対応は固定されていた■ 大手のコンテンツ事業者が流通部分に影響力を持つことで、プロダクション

やアーティストに対し、独占的力を及ぼす例が見られる(例:地上放送)

流 通

素材原作素材原作 商品化商品化 卸売り卸売り 小売小売 端末端末

放送局(在京5局)放送局(在京5局)プロダクションなどプロダクションなど テレビテレビ

レコード会社(大手16社)レコード会社

(大手16社)アーティストなどアーティストなど プレーヤープレーヤー卸卸 小売店小売店

ゲーム製作会社(210社)

ゲーム製作会社(210社)プロダクションなどプロダクションなど ゲーム機

(3社)ゲーム機(3社)卸卸 小売店小売店

出版社(4391社)

出版社(4391社)プロダクションなどプロダクションなど 卸卸 小売店小売店

放送

レコード

映画会社(邦画系4社)映画会社(邦画系4社)プロダクションなどプロダクションなど 系列映画館系列映画館映画

ゲーム

出版

系列局系列局

B-1 流通構造の変化

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24InfoCom Research, Inc.

デジタル化によるサプライチェーンの変容

デジタル化以前

コンテンツとメディアの対応が固定的

流通市場が寡占的

流通に影響力を持つ事業者(流通事業者または、流通事業者に影響を及ぼすことができる大手生産事業者)がボトルネックとなっている

デジタル化以前

コンテンツとメディアの対応が固定的

流通市場が寡占的

流通に影響力を持つ事業者(流通事業者または、流通事業者に影響を及ぼすことができる大手生産事業者)がボトルネックとなっている

デジタル化以後

コンテンツとメディアの対応が柔軟

流通市場が競争的

コンテンツ・ホルダーが優位な立場となる

デジタル化以後

コンテンツとメディアの対応が柔軟

流通市場が競争的

コンテンツ・ホルダーが優位な立場となる

デジタル化

コピーが容易

伝送路の能力が飛躍的に拡大し、伝送路の能力とコンテンツの供給のバランスが急速に崩れる

■ デジタル化により、従来存在していて流通におけるボトルネックが解消されることで、生産者と流通事業者のバランスが大きく変わろうとしている。

B-1 流通構造の変化

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25InfoCom Research, Inc.

コンテンツの二次利用の拡大が求められる

1年間に国内コンテンツの製作量の何倍のコンテンツ流通量があったかを示す拡大率では、コンテンツによって大きく異なる。ビデオ化などが進む映画では、二次拡大率が他を大きく引き離している動画の配信も可能となるブロードバンドでは特に主要なコンテンツであるテレビ番組の二次利用の促進が期待されている

拡大率は、1次流通量および二次流通量をコンテンツの製作量で割ったものである

映画 テレ

ビ番

音楽 ゲー

新聞 雑誌

一次拡大率

二次拡大率

256.2

0.132.7

0 0.218.349.1

1.8 10.8

48.3

8.5

0

50

100

150

200

250

300

万倍主要コンテンツの拡大率

出所:「メディア・ソフトの制作および流通実態に関する調査報告書」郵政研究所、 2002 年

B-1 流通構造の変化

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26InfoCom Research, Inc.

テレビ番組などの流通拡大のための各種の課題

著作権処理ルールの確立各種権利を持つ事業者の間でブロードバンドに配信する場合の料率などの決定

料率などはビジネスに直結することであり、関係者が非常に多いので、交渉が困難

番組制作時には、二次利用分までの権利買取はリスクの面から不可能

インターネットなどの新しいメディアについての権利処理ルールが未整備

著作権処理ルールの確立各種権利を持つ事業者の間でブロードバンドに配信する場合の料率などの決定

料率などはビジネスに直結することであり、関係者が非常に多いので、交渉が困難

番組制作時には、二次利用分までの権利買取はリスクの面から不可能

インターネットなどの新しいメディアについての権利処理ルールが未整備

著作権処理システムの実用化コンテンツの不正コピー防止

米国のNAPSTAR問題など、ブロードバンドで提供することで不正コピーの流通を招くのではという強い懸念

課金処理 カスタマイズされた利用に対する個々の課金システムが必要

コンテンツのデータベース 権利処理情報、コンテンツの中身に関する情報などメタデータなどを利用したコンテンツ管理システムが求められる

著作権処理システムの実用化コンテンツの不正コピー防止

米国のNAPSTAR問題など、ブロードバンドで提供することで不正コピーの流通を招くのではという強い懸念

課金処理 カスタマイズされた利用に対する個々の課金システムが必要

コンテンツのデータベース 権利処理情報、コンテンツの中身に関する情報などメタデータなどを利用したコンテンツ管理システムが求められる

ファイナンスシステムの確立これまで、二次利用市場がなかったために、二次利用を前提としたファイナンスシステムが確立していなかった。もともとコンテンツは、リスクが高いビジネスであり、資金のないクリエーターがリスクを分散できるとともに、流通させる際に意志決定が円滑に行えるファイナンスシステムが必要

ファイナンスシステムの確立これまで、二次利用市場がなかったために、二次利用を前提としたファイナンスシステムが確立していなかった。もともとコンテンツは、リスクが高いビジネスであり、資金のないクリエーターがリスクを分散できるとともに、流通させる際に意志決定が円滑に行えるファイナンスシステムが必要

公正な競争の確保流通を独占的に担っていた地上波放送局が番組制作会社に対して優越的な地位をもっていることが、番組制作会社に著作権者としての主張を妨げたり、自主的な番組流通を妨げていた

公正な競争の確保流通を独占的に担っていた地上波放送局が番組制作会社に対して優越的な地位をもっていることが、番組制作会社に著作権者としての主張を妨げたり、自主的な番組流通を妨げていた

B-1 流通構造の変化

人材の育成コンテンツのマルチユースまでの見越したプロデューサや CGなどの新しい技術をもった人材の育成が重要

人材の育成コンテンツのマルチユースまでの見越したプロデューサや CGなどの新しい技術をもった人材の育成が重要

■ 既存コンテンツの流通拡大および新たなコンテンツの生産拡大のための視点

Page 27: コンテンツビジネスの現況 コンテンツビジネスの基本構造と ブロードバンド・コンテンツ・ビジネス

27InfoCom Research, Inc.

テレビ番組などの流通拡大のための動き<民間の動き>

○著作権の処理ルールおよびシステムの確立への動き

日本テレビ、NTT-ME、NTT東日本「コンテンツ保護・管理システム」、「課金・収入分配システム」、「コンテンツ権利許諾情報システム」で、B-BATの設立( 2000 年)

電通音楽著作権許諾情報管理システム「メロディーズ」とメロディーズの考え方を音楽以外の全てのコンテンツに拡大するシステム「メモリーズ」を目的に「メロディーズ アンド メモリーズ グローバル」を設立 ( 2001 年)

コンテンツ著作権保有者および利用者の関係 15団体「ブロードバンドコンテンツ流通研究会」にて2002年2月より、テレビ番組の二次利用における料率などの処理ルール確立のために検討中

フジテレビ、テレビ朝日、TBS合弁事業「トレソーラ」テレビ番組のブロードバンド配信における実証実験を 2002 年9~11月の予定で実施中「ブロードバンドコンテンツ流通研究会」の決定結果にそった料率を適用することを前提に実験開始

B-1 流通構造の変化

Page 28: コンテンツビジネスの現況 コンテンツビジネスの基本構造と ブロードバンド・コンテンツ・ビジネス

28InfoCom Research, Inc.

テレビ番組などの流通拡大のための動き(続き)

<行政の主な動き>○ 著作権処理のルールおよび処理システムづくり

総務省放送事業者が持つ映像コンテンツのインターネット配信を促進するために著作権の処理方法や収入の分配方法の実証実験( 2002年度中に実施)、これ以前に「デジタルコンテンツのネットワーク流通市場形成に向けた研究会」(2001年7月終了)ほか、複数の研究会などで検討が進められた

経済産業省インターネット上のコンテンツ(情報の内容)の著作権情報を示す「コンテンツID」を使ったコンテンツ EDI実証実験 ( 2002年度中に実施)

文化庁ネット上の「バーチャル著作物マーケット」N対Nの著作物契約・流通システムの実証実験( 2002年度より研究開発)

○公正な競争の確保など経済産業省

「メディア・コンテンツ産業活性化研究会」( 2002年3月終了)や「コンテンツ流通促進検討会」( 2002年7月終了)にて、公正取引の確保、海外での不正コピー対策、人材育成について検討

公正取引委員会「デジタルコンテンツと競争政策に関する研究会」不公正な契約関係などの改善をはかることを目的( 2002年度に実施)

B-1 流通構造の変化

Page 29: コンテンツビジネスの現況 コンテンツビジネスの基本構造と ブロードバンド・コンテンツ・ビジネス

29InfoCom Research, Inc.

ブロードバンド:パッケージ、ネットワーク

デジタルコンテンツ市場の推移

13,264

12,013

11,866

11,810

2,840

2,787

2,666

2,462

1,673

1,154

1,095

407

47

873

750

514

0 5,000 10,000 15,000 20,000

2002年予測

2001年推計

2000年推計

1999年推計

億円

パッケージ

インターネット

携帯電話

放送

出所:「デジタルコンテンツ白書 2002 」(財)デジタルコンテンツ協会編を修正同書では、ネットワークと表現されていたものをここでは、「インターネット」と修正インターネット、携帯電話、放送をあわせてネットワークと考える

デジタルコンテンツにおいては、まだ、パッケージ系が主な部分を占めているが、その比率は下げつつある 

1999年推計では、パッケージ系の比率がデジタルコンテンツの 79.6%であったが、 2002年予測では 70.3%まで低下 

ネットワーク系で放送系、携帯電話の伸びが大きい 

14,833

15,689

16,828

18,872

B-2 ブロードバンド市場の現況

Page 30: コンテンツビジネスの現況 コンテンツビジネスの基本構造と ブロードバンド・コンテンツ・ビジネス

30InfoCom Research, Inc.

インターネットなどのネットワークによる市場

出所:「デジタルコンテンツ白書 2002 」(財)デジタルコンテンツ協会編を修正

主な部分を占める出版系のほとんどが、オンライン・データベースによるものである 音楽系の主要部分は、カラオケによる 伸びては来ているものの期待の映像配信や音楽配信、ゲームなどもまだまだ小さい市場である

インターネット・コンテンツ配信市場の推移

360

348

340

329

2,426

2,415

2,311

2,126

21

10

7

2 4

9

33

14

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

2002年予測

2001年推計

2000年推計

1999年推計

億円

映像系音楽系ゲーム系出版系

B-2 ブロードバンド市場の現況

Page 31: コンテンツビジネスの現況 コンテンツビジネスの基本構造と ブロードバンド・コンテンツ・ビジネス

31InfoCom Research, Inc.

利用の現状

%出所: 博報堂広報資料( 2002年 10 月) http://www.hakuhodo.co.jp/news/pdf/20021011.pdf

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0インス タントメッセンシ ャ゙ー

映画予告編インターネットラジオ

インターネット放送局フォトアルバムサービス

オ ンラインス トレーシ ザ ーヒ ズショートフィル ムCMサイト

音楽タ ヴンロート ザ ーヒ ズフ ロ゙ート バ ン゙ト 番゙組表サイト

ブロードバンド型サーヒ ズ利用体験

2002 年 8 月 10~ 60代のブロードバンドユーザに調査(有効回答9917名)

現在、利用が多いのはインスタントメッセンジャーや映画予告編、インターネットラジオなど有料のサービスも含まれると思われるショートフィルムや音楽ダウンロードは、まだまだ小さい実際にお金になるビジネスモデルを模索中ブロードバンドに適するコンテンツは、既存のメディアと同じではないのでは?

B-2 ブロードバンド市場の現況

Page 32: コンテンツビジネスの現況 コンテンツビジネスの基本構造と ブロードバンド・コンテンツ・ビジネス

32InfoCom Research, Inc.

ブロードバンド:利用意向

利用したいコンテ(%)ンツ

有料でも利用した(%)いコンテンツ

映画 47.5 20.2音楽ライブ 41.6 16.6スポーツライブ 28.9 8.2音楽・音楽情報 26.2 4.3アニメ 18.7 4.0教育・語学情報 10.3 3.8カラオケ 9.8 3.3経済・金融・投資向け情報 9.8 3.3アニメ・ゲーム情報 16.7 3.0ドラマ 13.3 2.4テレビ番組 30.5 2.0ニュース・天気・時事情報 19.2 1.4映画・ビデオの予告編 21.2 0.9

出所: ビデオリサーチネットコム のデータを基に作成 http://www.vrnetcom.co.jp/webm/web8/bmr5.html

ブロードバンドユーザに対する調査では、映画については、約 5分の 1が映画を有料でも利用したいという意向を示しているほか、音楽ライブも 16.6%が利用しても良いと考えており、やはりエンタテインメント系のコンテンツの人気が高い 

2001年 12 月~ 2 月に実施

B-2 ブロードバンド市場の現況

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33InfoCom Research, Inc.

ブロードバンドコンテンツ市場成長の課題

ビジネスモデルの確立市場におけるニーズの把握と発掘テレビ番組などの流通拡大に向けて流通のための体制整備人材育成を含めた新たなコンテンツ製作能力の拡大

B-2 ブロードバンド市場の現況