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1 生産者にとっての GAPの意味と JGAPの実践 顧客から信頼される 農場管理のために NPO法人日本GAP協会 理事長 田上 隆一 [email protected] 2 米国で腸管出血性大腸菌(O-157)による食中毒が発生 20州以上で数千人が感染、高齢者2人幼児1人が死亡 感染源はカリフォルニア州産のほうれん草 輸出先の台湾やメキシコ、カナダなどでも警戒態勢 食品医薬品局(FDA)と連邦捜査局(FBI)が捜査 O-157は通常、家畜や人間の腸内にいて糞尿として排泄 圃場や地下水などが汚染される可能性 不適切な収穫・出荷の取り扱い 農産物に付着・増殖 O-157事故を起こさないためには 「生産現場の安全意識」と「適切な農場管理」の実施が必要 「とちおとめ」から農薬 残留基準の9倍 栃木のJA出荷停止 1月15日新潟中央青果に出荷したイチゴから、保険所が検出1月31日に連絡。殺虫剤「ポスチアゼ」 0.44PPM(0.05PPM)、2月1日出荷分 41,310ケース廃棄、57万ケースは回収困難。 わが国では一連の農薬事故や無登録農薬事件などを受けて、 2003年に農薬取締法および食品衛生法が改正 残留農薬基準のポジティブリスト制(2006年5月29日に施行) 農薬の飛散(ドリフト)対策 しかし、農薬事件報道の多くは、 自らの適用外農薬の使用 ラベルの認識不十分、 使用後散布機の未洗浄、 家庭用殺虫剤による汚染など 「生産現場の安全意識」と「適切な農場管理」の実施が必要 なぜ今GAPなのか 42

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生産者にとってのGAPの意味とJGAPの実践

顧客から信頼される

農場管理のために

NPO法人日本GAP協会理事長 田 上 隆 一 [email protected]

2

米国で腸管出血性大腸菌(O-157)による食中毒が発生20州以上で数千人が感染、高齢者2人幼児1人が死亡 感染源はカリフォルニア州産のほうれん草輸出先の台湾やメキシコ、カナダなどでも警戒態勢 食品医薬品局(FDA)と連邦捜査局(FBI)が捜査

O-157は通常、家畜や人間の腸内にいて糞尿として排泄圃場や地下水などが汚染される可能性 不適切な収穫・出荷の取り扱い ⇒ 農産物に付着・増殖

O-157事故を起こさないためには

「生産現場の安全意識」と「適切な農場管理」の実施が必要

「とちおとめ」から農薬 残留基準の9倍 栃木のJA出荷停止1月15日新潟中央青果に出荷したイチゴから、保険所が検出1月31日に連絡。殺虫剤「ポスチアゼ」0.44PPM(0.05PPM)、2月1日出荷分 41,310ケース廃棄、57万ケースは回収困難。

わが国では一連の農薬事故や無登録農薬事件などを受けて、

2003年に農薬取締法および食品衛生法が改正残留農薬基準のポジティブリスト制(2006年5月29日に施行) ⇒ 農薬の飛散(ドリフト)対策しかし、農薬事件報道の多くは、 ⇒ 自らの適用外農薬の使用 ⇒ ラベルの認識不十分、

⇒ 使用後散布機の未洗浄、 ⇒ 家庭用殺虫剤による汚染など

「生産現場の安全意識」と「適切な農場管理」の実施が必要

なぜ今GAPなのか

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1. 農産物の安全に関する適切な農場の管理2. 環境への配慮に関する適切な場農の管理3. 農業者の安全と福祉に関する適切な農場の管理4. 農場経営と販売管理に関する適切な農場の管理

GAPとは、 Good Agricultural Practice

適切な農場管理とその実践

1~4を実現するために、押さえるべき農場管理のポイントを列挙したものがGAPである。「農場管理の改善」と同時に「農産物の取引基準」としても利用される「生産側と消費側が信頼関係を作るための枠組み」

(良い) (農業の) (やり方)

(注)農場=ほ場+施設

4

関係法令 農業の技術 JGAP 農場の管理

農業の規制 農業の工程と すべての生産活動の 地域の気象や土壌条件、農業技術 管理点と適合基準 経営体・作物などに応じ

産地や農場ごとに、農農薬取締法 作物 ・リスク検討 業の各工程ごとのリス毒物・劇物取締法 農作業 ・農薬の管理 クを検討し、リスク排除廃掃法 農業機械 ・肥料の管理 するための方法につい消防法 施設 ・土の安全 て、GAPに適合する農肥料取締法 資材 ・水の安全 作業や経営手法・手順食品安全基本法 ・種苗の安全 を決める。食品衛生法 計画 ・収穫と輸送JAS制度 調達 ・選別と保管 手法・手順をルール化カルタヘナ法 作付け ・調整・出荷 マニュアルにして農用地土壌汚染防止法 栽培 ・環境への配慮 作業者全員に周知地力増進法 収穫 ・作業者の安全 必要なトレーニング環境基本法 出荷 ・従業員の福祉水道法 販売 ・経営管理 手順に沿った作業水質汚濁防止法 ・記録の管理 実施・記録廃棄物処理法 IPM ・トレーサビリティ大気汚染防止法 ICM ・クレーム対応 点検・評価・見直し労働法 ・・・ ・・・ ・ 持続的な農業改善

農業におけるGAPの枠組み

GAPの 導入

反映

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GAPの究極の目的

人間(作る人と食べる人)と、

地球(農地や環境)と、

利潤(農業経営)の間に矛盾がない形で、

持続的な農業生産を確立していくこと。

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圃場(土)の安全・環境、重金属など水の安全・水質検査種や苗の安全・購入記録肥料や農薬の安全・購入記録施設や設備の安全・構造、レイアウト

圃場やハウスの安全・作物、環境、作業者への配慮:管理手順

作物の安全(農薬取扱)・IPM、責任ある選択、正しい取扱と保管飛散防止、残処分正確な記録

肥料取扱の安全・適切な使用と保管

収穫と輸送の安全・リスクの検討と削減の対策(手順実行)選別洗浄調整保管

・リスクの検討と削減の対策(手順実行)・適正な取扱と保管・トレーサビリティ商品の安全・残留農薬検査

JGAPで取組む3つの安全(リスク排除)

生産手段の安全 生産工程の安全 商品取扱の安全農業の手段 栽培する作物 商品としての農産物客観的保証 交錯汚染防御 衛生管理・第3者保証

リスクを受けない、持ち込まない、存在するリスクは排除する、リスク排除できない農産物は取り除く、販売しない。

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食品の安全性確保とトレーサビリティ適正農業規範(GAP)・適正製造規範(GMP)・適正流通規範(GDP)

生産者小売

外食・中食等

生産履歴栽培・飼育・農薬飼料・添加物 等

保管・取扱履歴(HACCP)検品結果ライン・倉庫データ

輸送履歴輸送温度保管温度 等

陳列履歴陳列日時温度管理 等

安心担保のための流通経路履歴

安全確保のための安全確認履歴

輸送・卸売(加工)会社 消

販売店卸売(加工)業

GAP GMP GDP輸送会社

生産者

GRP

トレーサビリティ

8

C1

A

B

A

B

a1

a2

b1

b2

C2

C1

C2

事業所C

農産物トレーサビリティの要件各段階における記録生産者から始る農産物のサプライヤーは、購入商品(製品や原料)とその仕入先、販売商品とその販売先とを対応づけ、それらの情報を記録することが必要である。

何時、誰から、何を、どれだけ受け取ったか【購入情報】

何時、誰から受け取ったものを、どのように分割し、どのように結合したか【処理情報】

何時、誰に、何を、どれだけ受け渡したか【販売情報】

加工段階「GMP」【購入情報】【処理情報】【販売情報】

流通段階「GDP」【購入情報】【処理情報】【販売情報】

小売段階「GRP」【購入情報】【処理情報】【販売情報】

消費者

遡及

追跡

種苗、農薬肥料など

圃場選別・包装・出荷

生産段階「適切な農場管理:GAP」のトレーサビリティ

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出荷先との間にトレーサビリティーのしくみがありますか。(18・2)

農場内にトレーサビリティーのしくみがありますか。(18・3)

農産物のトレーサビリティー記録は、二つの異なった側面から構成

① 最終生産物と出荷先の証明。何時、誰に、何を、どれだけ受け渡したか。(収穫記録、出荷票、荷受票)

② 生産段階で使用された投入物(種子、肥料、農薬、包装材)の証明。何時、誰から受け取ったものを、どのように分割し、どのように結合したか。(栽培記録、施肥記録、農薬散布記録、梱包記録など・・)

JGAPのトレーサビリティ要求事項

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安全と持続的農業のための地球的規模での提携(The Global Partnership for Safe and Sustainable Agriculture)

枠組の内容(食品の安全性に関する消費者の関心に応える)1 食品安全原則として一般的なHACCPの考え方に基づく

2 環境保護農業による環境へのマイナス影響を最小限にとどめようと考慮している

3 労働衛生・安全・福祉農場における社会的問題に関する認識と責任の世界共通の水準をめざす

4 動物福祉(摘要がある場合)農場における動物福祉に関する世界共通の水準をめざす

EUREPGAPは、包括的農場保証 (Integrated Farm Assurance)

商業的に利用できる農業保証計画である(農産物の安全性向上を経済ベースで達成しようという枠組み)

EUREPGAPの基礎概念

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EUREPGAPに関する最初の通知:2002年7月2日付書簡(片山りんご)

EUREPGAPの普及活動

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EurepGAPの普及認証件数(2006年10月現在)約5万(農家及び農家グループ)

EU域内 約33,000EU域外 約17,000

南アフリカ 約1400 トルコ 約700 ブラジル 約250チリ 約1000 ニュージランド 約500 アメリカ 約200アルゼンチン 約750 ケニア 約400インド 約750 オーストラリア 約250

EurepGAPとの

同等性の確認*同等性を確認された民間GAP認証は、EurepGAPの認証を受けたものとみなされる○同等性確認されたGAP・・・・・15(うち青果物は、11)オーストラリア、フランス、スペイン、ニュージーランド、イギリス、チリ、メキシコ、ドイツ、スイス、オランダ、ケニア

○申請中のGAP・・・日本、デンマーク、スウェーデン、ケニヤ、スイス、中国、ウルグアイ

JGAP認証農場は114農場、(2007年5月末)

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COSTS REDUCTION FOR PRODUCERS

National Scheme National Scheme

>= <=

Retailer 1 Retailer 2 Retailer 3 Retailer 4 Retailer 5

IntroductionEurepGAPのねらい

The aim was to agree on the development of harmonizedGood Agricultural Practices and Certification

14

2005年5月 EurepGAPベンチマークに関する覚書2005年10月 EurepGAP国際会議に参加し,中国の経過報告2006年1月 ChinaGAP国内発表2006年4月 EurepGAPベンチマーク申請2006年5月 第三者認証開始2006年9月末 1級認証10農場、2級認証20農場)2006年度内に100農場予定

所有機関(CNCA)認定機関(CNAS)認証機関(CCIC CQC BAC AQSIQ OFDC)

導入推進機関(国務院 農業部 商務部)GAP導入モデル14省を中心に導入推進対象は,農産物を輸出する農業生産会社

民間の導入指導機関(SINOFUDA)が導入コンサルティングGAP導入補助金「農業部優農センター」から、10,000元(経費15,000~18,000)

中国のGAPへの取り組み

JapanGAP、ChinaGAP 情報交換会 (2006年1月10日・・2006年10月18日)日本GAP協会中国国家認証認可監督管理委員会

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ChinaGAPと農産物表示の例 第四回中国国際農産物交易会2006年10月16-20日

輸出の伸び

農産物の認証表示

有機構成表

GAP1級認証標

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EUREPGAPの認証取得 片山りんご・木内農場

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種苗の安全性 土と水の安全性

農薬・肥料の使用

収穫 保管・選果包装

環境への配慮

労働者の安全と福祉

農業経営・販売管理 記録・トレーサビリティ

収穫後の農産物を取扱っていない場合、「該当外」の回答可

JGAPで審査を受ける生産の段階

5 3,4 1,2 6 7

8, 9, 10, 11, 12 , 13

14 ,15

16, 17,18

日本の生産現場に即したJGAP Version2公開性(だれでも) 透明性(第三者認証)国際性(EurepGAP同等性) を備えて

農業生産の工程 JGAPの項目番号

青果物穀 物

77

21

17

13

管理点

18

JGAP&EUREPGAP 同等性認証に向け契約

SecretarySecretary EurepGAPEurepGAP,,Dr.Dr. KristianKristian MoellerMoeller

The Chairman of JGAI, Mr. Hisanobu Katayama

JGAPの国際標準化GAP全国会議 2006年4月

JGAPパリ国際会議で紹介

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JGAP/EUREPGAP 同等性確認作業の進捗Benchmarking

・ 2005年2月 EUREPGAP本部(ドイツ)を訪ねBenchmarking希望伝達

・ 2005年10月 EUREPGAPパリ国際会議に参加しBenchmarking意思確認

• 2006年4月27日 Benchmarkingを行うための包括的な契約を締結

• 2006年8月-11月 EUREPGAP本部(ドイツ)にJGAPからスタッフを派遣し、BenchmarkingのプロセスであるEUREPGAP内部での対比作業を行う。

• 2006年11月27日 Peer Review開始(パブリックコメント収集と回答の作業)

• 2007年2月28日 Peer Review終了

• 2007年3月27日 Independent Technical Review(EUREPGAPによる内部でのペーパー上での同等性最終確認作業)終了

• 2007年4月20日 Independent Witness Assessment

農場:千葉県(和郷園) 石井農場、宮内農場

審査会社:MIC(審査員 内田氏、Anthony Liang)

• 2007年5月7日 EUREPGAP技術委員会にてTechnical Standard Committee Review開始

• 2007年5月25日 Technical Standard Committee Review

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EUREPGAPは基準を他国に押し付けるのではなく、それぞれの国で既に普及が進んでいる既存のGAPを自らの基準とすり合わせて同等性を確立することで間接的に基準の普及を進めている 。

EUREPGAPベンチマーキングは、同等性認証を行おうとするGAPが、EUREPGAPの要求条項を全て満たしていることだけが要件なので、基準の大きさ(広さ)を式で表せば次のようになる。

「同等性を申請するGAP ≧ EUREPGAP」

日本の実情に合った世界標準のGAP

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同等性認証が確認されれば、JGAP認証農場は、JGAP認証証とEUREPGAP認証証を受け取ることができる。

国際的な安全水準を満たしていることを国際社会に証明

①国内消費者・食品販売企業への信頼確保②農産物の輸出に当たって強力な安全証明③輸入農産物に対する国産品の対抗要件として力を発揮

日本農業の再生(持続的農業生産システム確立)

JGAPの世界標準化

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GAP普及センターの導入指導概要とイメージ

農家がグループで導入指導を受けることで、学習の効果を上げ、導入経費の削減、確実な導入と、継続的な実施を実現します。

○5~10農場(人)でグループを結成、その中の1~2農場をモデルとして、JGAP導入指導を行います。○参加者は研修で体験する検討項目を、それぞれ自分の農場に置き換えて身に付けます。

指導内容1 農場管理の基本概念を学ぶ2 リスク管理の実際を体験する3 現状の問題点を明らかにする4 改善すべき項目と方法を決める5 改善の実施と管理体制に組込む

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導入支援(生産者団体、組織)モデル

・講演

・工程管理手法、リスク検討、導入のポイント

・農場管理の現状分析、工程ごとのリスク検討、問題点の洗い出し

・農場の改善、記録の整備、農場管理マニュアルの作成

20~30人20~30人

3~8人3~8人

(講師による講演、概論)

(グループごとに開催、方法論や記録帳票の説明)

1人1人 1人1人

(メンバーの農場を互いに訪問して、実際にリスク分析を行い、問題点を洗い出す)(実際に現場を見て分析することで、リスク分析力を身に付けることが目的)

・・・

全体(産地、団体)

・・・

・・・

・・・

・・・

1.GAP研修会

2.GAP実施説明会・演習

3.GAP導入現地研修

4.GAP導入作業

5.是正結果の確認・再是正

JGAP認証審査(個別審査または団体審査)

・・・

(全体/半日)

(1グループ/1日)

(1グループ/ 2日~5日)

(3農場/1日)

(3農場/1日)

3.GAP導入現地研修にかかる日数目安3農場/2日 4農場/3日 5農場/3日6農場/4日 7農場/4日 8農場/5日

・自己チェックの演習 (→宿題として、全項目の自己チェックをする)

・是正計画書の作成 <GAPで求められる生産者像>自分の目で見る 自分の頭で考える自分の言葉で表現する 自分で実行する

(是正計画書に基づいて、各自、農場の改善(帳票等含む)を行う)

・専門家による是正計画書、農場管理マニュアルのチェック、指導

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食の安全:リスク概念の導入

食品中にハザード(危害要因)が存在する結果として,健康への悪影響が起こる可能性とその程度

リスク = 危害要因の重大さ

危害要因に出会う確率

×

予想される食品危害要因

生物的:病原微生物(O157,サルモネラ・)

自然毒(カビ毒,ソラニン・・・)

化学的:重金属(カドミューム,水銀・・)

残留農薬,硝酸態窒素

物理的:異物混入(ガラス,毛髪,昆虫・)

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JGAP第2版 管理点と適合基準 第1章項目番号 レベル 管 理 点 適 合 基 準

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農産物取扱施設リスク検討 事例

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農場における管理基準と実施基準

農場管理の状態が適切かどうかを判断するためのチェックシート

管理点適合基準

「農場のルールブック」

「農場管理実施規則」= 「農場管理マニュアル」をそれぞれの農場で作成する

産地のグループ内で共通する項目が多いため、部会共通部分と生産者個別部分で構成するとよい。

作業工程の洗出し

管理点と適合基準JGAP第2版

リスクの検討

リスク排除対策

ルールの作成

部会統一マニュアル 部会共通項目と農場独自 農場独自マニュアル

統一規則 共通部分 A農場

B農場

C農場

A農場

B農場

C農場

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農薬の使用時期(収穫前日数)と使用回数は守られていますか(1・2・9)

出展:PROMPEX PERU日本語訳:AGIC

30

農薬の空容器は適切に保管されていますか。(1・2・15)農薬の空容器は適切に処分していますか。(1・2・16)最終有効年月を過ぎた農薬や使用禁止となった農薬は安全に保管・識別され、公認のルートで処分されていますか。(1・2・17)

出展:PROMPEX PERU日本語訳:AGIC

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農薬使用後、残った農薬は適切に処理していますか。(1・2・10)使用後に散布機を洗浄していますか。(1・2・11)散布機を洗浄した排水を適切に処理していますか。(1・2・12)

出展:PROMPEX PERU日本語訳:AGIC

32

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継続的な業務改善 ⇒ 持続可能な農業生産の確立

JGAP管理点・適合基準

検証・必要項目記録

・実施マニュアル実行 ・栽培計画

・作業実施経営管理

リスク排除対策・

ルール作成

作業工程(内容)の洗出し

GAPの実践はリスク検討に基づき段階的に

リスク検討

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