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医薬品の元素不純物ガイドライン(ICH-Q3D)に対応するための元素分析装置

サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社

キーワードICHQ3D、金属不純物、ICP-MS、ICP-OES

はじめにこのアプリケーションノートでは、平成27年9月30日付けで厚生労働省医薬食品局より発行された医薬品の元素不純物ガイドラインに対応するために必要な分析装置を紹介します。Q3D金属元素不純物は、このガイドラインにおいて平成29年4月1日以降に承認申請される新医薬品に対し適用される旨が記載されました。ICHQ3Dでは、製剤中の元素不純物を特定および評価し、管理方法を設定するためのリスクに基づくアセスメントの方法が定められています。これは、製剤中の潜在的元素不純物のアセスメントだけではなく製剤の各構成成分(原薬、添加剤、容器施栓系)から混入する潜在的元素不純物のアセスメント分に対しても実施が求められます。

ICHトピック、ガイドラインの流れICHQ3Dの進捗情報を以下に示します。

不純物元素の分類と管理要求される値Q3Dでは毒性の懸念がある元素について許容1日曝露量(permitted

daily exposure:PDE)の設定と製剤中に存在する可能性に基づいて3つのクラスに分類されています。クラス1、2Aに関しては、意図的に添加されない場合であってもリスクアセスメントにおいて管理すべき元素となります。

表1はQ3Dステップ5で設定されたクラス3までのPDE値を示しています。設定PDE値は1日あたりのマイクログラム(µg/day)であり、不純物評価のツールとしては濃度限度値への換算が有用です。表2はオプション1(1日摂取量10 g)として設定した際のクラス1、2A元素の最大許容濃度を示しています。

表1:元素不純物に関わる設定PDE値

表2:オプション1設定時におけるクラス1、2 Aの元素不純物最大許容濃度

日付 内容2009年11月 ICHトピック化決定2010年6月 EWG第1回会議2011年12月 pre-step2文章作成2012年11月 pre-step2文章修正2013年6月 Step22013年7-9月 翻訳作業2013年10-11月 パブリックコメント2014年2-5月 修正作業2014年6月 Step4 ほぼ完成2014年10月 合意2014年11月 Step4 到達2014年12月 ICHホームページWeb公開2015年9月 厚生労働省医薬食品局より通達2017年4月 新医薬品へ適用

元素 クラス 経口製剤(µg/day) 注射剤(µg/day) 吸入剤(µg/day)Cd 1 5 2 2

Pb 1 5 5 5

As 1 15 16 2

Hg 1 30 3 1

Co 2A 50 5 3

V 2A 100 10 1

Ni 2A 200 20 5

元素 クラス 経口製剤の濃度(µg/g)

注射剤の濃度(µg/g)

吸入剤の濃度(µg/g)

Cd 1 0.5 0.2 0.2

Pb 1 0.5 0.5 0.5

As 1 1.5 1.6 0.2

Hg 1 3 0.3 0.1

Co 2A 5 0.5 0.3

V 2A 10 1 0.1

Ni 2A 20 2 0.5

元素 クラス 経口製剤(µg/day) 注射剤(µg/day) 吸入剤(µg/day)Tl 2B 8 8 8

Au 2B 100 100 1

Pd 2B 100 10 1

Ir 2B 100 10 1

Os 2B 100 10 1

Rh 2B 100 10 1

Ru 2B 100 10 1

Se 2B 150 80 130

Ag 2B 150 10 7

Pt 2B 100 10 1

Li 3 550 250 25

Sb 3 1,200 90 20

Ba 3 1,400 700 300

Mo 3 3,000 1,500 10

Cu 3 3,000 300 30

Sn 3 6,000 600 60

Cr 3 11,000 1,100 3

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試料前処理許容濃度の要求オーダーはµg/g(ppm)ですが、試料前処理における希釈係数分を考慮する必要があります。原薬など水系溶媒や有機溶媒に溶解しやすい場合、希釈係数は概ね10~ 50倍となります(例えば、試料1 gを50 mLに溶解定容:50倍希釈)。しかし、最終製品のように、水系溶媒や有機溶媒では溶解が困難な場合は、密閉系加圧マイクロ波分解法を用います。この場合は、試料採取量に制限があることから希釈係数は概ね100~ 250倍となります(例えば、試料0.2 gを50 mLに溶解定容:250倍希釈)。また、溶解に使用した酸添加量・種類によっては、さらに希釈を必要とする場合もあります。

分析機器不純物元素を評価する分析機器として、ICP-MSや ICP-OESが挙げられます。これらは多元素を一斉に評価できるだけではなく、比色法や原子吸光法と比較すると高感度測定を可能とします。表3

に試料前処理50倍、250倍希釈時における経口製剤(クラス1、2A)の要求濃度と ICP-MS、ICP-OESの定量下限値を示します。

希釈倍率50倍であれば ICP-OESでも要求を満たすことが出来ますが、リスクアセスメントでは管理閾値を設定PDE値の30%と定義されているため、これらを満たすためには希釈倍率を抑える必要があります。ICP-MSは、希釈倍率250倍であっても優れた検出能力を有しているため、十分に要求を満たすことができます。以下に弊社機器の特長を挙げます。

誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS):Thermo Scientific™ iCAP™ RQ ICP-MS

●コリジョン・リアクションセル搭載Flatapole技術を採用したQcellにより、実績のあるHe KED(運動エネルギー)干渉低減性能と独自の低マスカットオフ機能を組み合わせて、信頼性の高いセルモード分析を実現します。

●簡易メンテナンスRAPIDレンズテクノロジー搭載により、質量分離部のメンテナンスが不要となります。インターフェイス、試料導入部へもアクセスしやすい設計となっておりメンテナンスが容易です(図1)。

誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES):Thermo Scientific iCAP 7000 Plusシリーズ

●高性能高効率なプラズマ、革新的な光学系設計、独自のCID検出器を搭載し、優れた検出感度と安定性を兼ね備えています。●簡易メンテナンス試料導入系は工具、治具不要の設計になっており分解、洗浄、組み立てが容易です。プラズマガスなどの配管接続やトーチ取り付け後の位置調整も不要で、分析初心者の方でも簡単に取り扱えます(図2)。

ソフトウェア:Thermo Scientific Qtegra™ ISDSソフトウェア

●IQ、OQバリデーション●21 CFR Part11準拠米国食品医薬品局(FDA)の基準に完全準拠する全機能(オーディットトレイル、電子署名および総合データ管理用のツールなど)が搭載されています。●QC機能

EPA、UPに対応した機能、例えばブランクテスト、検量線テスト、スパイクテスト、安定性テストなどが搭載されています(図3)。

表3:1日摂取量10g以下における経口製剤の要求濃度およびICP-MS、ICP-OESの定量下限値

図1:iCAP RQ ICP-MS 図2:iCAP 7000 Plusシリーズ

図3:Thermo Scientific Qualification kitおよびQtegra ISDSソフトウェア

元素 クラス経口製剤の要求濃度(µg/g)

50倍希釈時要求濃度(ng/mL)

250倍希釈時要求濃度(ng/mL)

iCAP RQICP-MS定量下限値(ng/mL)

iCAP7000ICP-OES定量下限値(ng/mL)

Cd 1 0.5 10 2 0.0001 0.5

Pb 1 0.5 10 2 0.0001 5

As 1 1.5 30 6 0.003 10

Hg 1 3 60 12 0.001 10

Co 2A 5 100 20 0.001 7

V 2A 10 200 40 0.005 4

Ni 2A 20 400 80 0.001 7