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“化粧”を基盤とした作業療法プログラム共同開発の一環 東京工科大学・カネボウ化粧品美容研究所による特別授業を実施 2012 年6月 19 株式会社カネボウ化粧品 株式会社カネボウ化粧品・美容研究所は、 5 29 日(火)と 6 5 日(火)の2回にわたり、 東京工科大学医療保健学部作業療法学科の石橋仁美助教とともに、同校作業療法学科の学生に 向けた「基礎作業療法技法実習Ⅱ」で、特別授業を担当しました。 これは、東京工科大学・首都大学東京・ カネボウ化粧品による、“化粧”を基盤と した作業療法プログラム共同開発の一環 として行われたものです。授業では、担当 教員による「作業療法に化粧を取り入れる 意義」についての講義の後、カネボウ化粧 品美容研究所の講師の指導により、学生が 基本的なスキンケアとメイクを実際に体 験、またクライエント役と作業療法士役に わかれ、化粧を用いたロールプレイやディ スカッションを行いました。 実施の経緯 カネボウ化粧品は、東京工科大学(医療保健学部作業療法学科 石橋仁美助教)、首都大学東 京(健康福祉学部作業療法学科 石井良和教授、石橋裕助教)とともに、現在はまだ確立されて いない、「“化粧”を基盤とした作業療法プログラム(SSPC)」の共同開発に着手しています。 化粧の専門知識のない作業療法士でも運営でき、クライエントの負担にならないプログラムを 目指し、東京工科大学、首都大学東京は、作業療法プログラム自体の開発・改良を図っていま す。一方でカネボウ化粧品は、自然でより簡単に仕上がる工程を厳選し、クライエントが満足 できるような化粧方法や教材などの部分を担当し、開発を進めています。 この取り組みの一環として、カネボウ化粧品・美容研究所は、東京工科大学において、5月 29 日(火)と6月5日(火)の2回にわたって、担当教員である石橋仁美助教とともに、同校 作業療法学科の学生に向けた「基礎作業療法技法実習Ⅱ」で特別授業を担当しました。 授業の様子 ◆ 5月 29 担当教員である石橋先生が「作業療法に化粧を取り入れる 意義」について説明された後、非常勤講師として美容研究所 の高田夕美、下田美香が、作業療法士をめざす東京工科大学 の生徒 38 名に授業を行いました。高田講師は、スキンケアや メイクの各アイテムについて、カネボウ化粧品のノウハウに 基づき、使用目的や使い方をデモンストレーションを交えて 指導。受講した学生たちは、自分の顔に実際に化粧を試しま した。初めて化粧品に触れる男子学生も興味津々で積極的に 取り組み、自分の力でフルメイクを完成させました。

“化粧”を基盤とした作業療法プログラム共同開発の …„ない、「“化粧”を基盤とした作業療法プログラム(SSPC ※)」の共同開発に着手しています。

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Page 1: “化粧”を基盤とした作業療法プログラム共同開発の …„ない、「“化粧”を基盤とした作業療法プログラム(SSPC ※)」の共同開発に着手しています。

“化粧”を基盤とした作業療法プログラム共同開発の一環

東京工科大学・カネボウ化粧品美容研究所による特別授業を実施

2012 年6月 19 日 株式会社カネボウ化粧品

株式会社カネボウ化粧品・美容研究所は、5 月 29 日(火)と 6 月 5 日(火)の2回にわたり、

東京工科大学医療保健学部作業療法学科の石橋仁美助教とともに、同校作業療法学科の学生に

向けた「基礎作業療法技法実習Ⅱ」で、特別授業を担当しました。 これは、東京工科大学・首都大学東京・

カネボウ化粧品による、“化粧”を基盤と

した作業療法プログラム共同開発の一環

として行われたものです。授業では、担当

教員による「作業療法に化粧を取り入れる

意義」についての講義の後、カネボウ化粧

品美容研究所の講師の指導により、学生が

基本的なスキンケアとメイクを実際に体

験、またクライエント役と作業療法士役に

わかれ、化粧を用いたロールプレイやディ

スカッションを行いました。

実施の経緯

カネボウ化粧品は、東京工科大学(医療保健学部作業療法学科 石橋仁美助教)、首都大学東

京(健康福祉学部作業療法学科 石井良和教授、石橋裕助教)とともに、現在はまだ確立されて

いない、「“化粧”を基盤とした作業療法プログラム(SSPC※)」の共同開発に着手しています。

化粧の専門知識のない作業療法士でも運営でき、クライエントの負担にならないプログラムを

目指し、東京工科大学、首都大学東京は、作業療法プログラム自体の開発・改良を図っていま

す。一方でカネボウ化粧品は、自然でより簡単に仕上がる工程を厳選し、クライエントが満足

できるような化粧方法や教材などの部分を担当し、開発を進めています。 この取り組みの一環として、カネボウ化粧品・美容研究所は、東京工科大学において、5月

29 日(火)と6月5日(火)の2回にわたって、担当教員である石橋仁美助教とともに、同校

作業療法学科の学生に向けた「基礎作業療法技法実習Ⅱ」で特別授業を担当しました。

授業の様子

◆ 5月 29 日 担当教員である石橋先生が「作業療法に化粧を取り入れる

意義」について説明された後、非常勤講師として美容研究所

の高田夕美、下田美香が、作業療法士をめざす東京工科大学

の生徒 38 名に授業を行いました。高田講師は、スキンケアや

メイクの各アイテムについて、カネボウ化粧品のノウハウに

基づき、使用目的や使い方をデモンストレーションを交えて

指導。受講した学生たちは、自分の顔に実際に化粧を試しま

した。初めて化粧品に触れる男子学生も興味津々で積極的に

取り組み、自分の力でフルメイクを完成させました。

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◆ 6月5日 特別授業2回目となる今回は、37 名の生徒が作業療法士役

とクライエント役にわかれ、化粧を用いた作業療法のグルー

プ体験を行いました。基礎的な化粧方法を学んだとはいえ、

実際作業療法士役となってメイクを助けるとなると、クライ

エントによってさまざまな課題があることに学生たちも気付

き、ディスカッションでは「道具や方法をクライエントにあ

わせることが必要」などの前向きな意見が上がりました。

東京工科大学 石橋仁美助教のコメント

授業を受ける前には、化粧に対して不安そうな学生もいましたが、終わ

ってみると女子学生も男子学生も全員がキレイになっていたのには驚きま

した。昨年度、私が化粧技術を教授した際には、男子学生は“女装・仮装”

したような仕上がりでした。しかし今年度は、カネボウ化粧品の講師から

ポイントを的確に教えていただいたことでキレイになり、その姿を友人同

士で褒めあい、嬉しそうにしている様子は興味深かったです。

2日目のロールプレイでは、男子学生が作業療法士役をやったグループ

もありましたが、初めて学んだ化粧技術をクライエント役に伝えることが

できていたことが印象に残っています。

今回の授業によって「化粧を用いた作業療法」に興味を持った学生は多く、今後の授業の中

でも学生たちが治療プログラムの一つとして“化粧”を選択することが予想されます。現在開

発しているSSPCを広めるためにも、まずは学生に授業を通して「化粧を用いた作業療法」の重

要性を伝えていく必要があると感じました。

実施概要

日 時:5 月 29 日(火)13 時 10 分~18 時 6月 5日(火)13 時 10 分~18 時 場 所:東京工科大学 蒲田キャンパス 対 象:同大学作業療法学科の学生 講 座:基礎作業療法技法実習Ⅱ 講 師:東京工科大学 医療保健学部作業療法学科 石橋仁美助教 カネボウ化粧品美容研究所 高田夕美・下田美香

主な内容

5月 29 日 講義:作業療法に化粧を取り入れる意義

講義:化粧の概要/演習:基本的化粧方法

6月 5日 グループディスカッション(内容の検討・振り返り)

グループセラピー①②