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2015/5/23
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ローソク足チャートの合成による
類似株価パターンの検索と株価変動予測
東京工芸大学工学部コンピュータ応用学科
木村 元紀 宇田川 佳久
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目 次
1. 研究の背景と概要
2.ローソク足チャート合成の計算原理
3.ローソク足チャートの統計
4.ローソク足合成アルゴリズムと実験結果
5.前日比、5日平均との差、25日平均との差に基づく類似検索
6.おわりに
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1. 研究の背景と概要
株価の予測方法
1. ファンダメンタルズ分析
企業を取り巻く要因に基づき、企業の株価の割安・割高を算出する。
短期的な予想には向かない。
2. テクニカル分析(チャート分析)
過去に発生した株価の変化から将来の株価を予測する。
短期の投資に適している。
肯定的・懐疑的な結論が交錯している。
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1. 研究の背景と概要
• 本研究の目的は、テクニカル分析の一つである「ローソク足チャート」に着目し、データ分析の観点から予測精度を検証すること。
• この研究では、重要な経済指標が無いときに発生する小さな値動き(ノイズ)を除去する方法に関する。
• 除去の方法としては、ローソク足の合成を採用した。
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2.ローソク足チャート合成の計算モデル
• 株価の迷いの例
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• ローソク足とは、ヒゲとロウソク本体で表現される。
• 白抜きの陽線と黒塗りの陰線がある。
• ローソク足本体の属性としては、上ヒゲ、ロウソク本体、下ヒゲ。
陽線 陰線
2.ローソク足チャート合成の計算モデル
2015/5/23
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• ローソク足合成の原理
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① 合成期間の開始日の始値を合成後の始値とする.② 合成期間の最終日の終値を合成後の終値とする.③ 合成期間の最高値を合成後の高値とする.④ 合成期間の最安値を合成後の安値とする.
2.ローソク足チャート合成の計算モデル
• ギャップとローソク足合成
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2.ローソク足チャート合成の計算モデル
ギャップ(Gap: 窓)とは、隣接するロウソク足が重なり合わずにチャートを形成している状態を示す。
欧米では,ローソク足のギャップ(Gap: 窓)に着目した株価変動予測が行われている。
ギャップから次のギャップまでが連続する株価変動であり,ギャップを契機に,株価の方向性が変わる。
一定の大きさ以上のギャップの出現がローソク足の合成の終了条件とする。
• ギャップの計算方法
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2.ローソク足チャート合成の計算モデル
右肩上がり(L0 - U-1)/ L0
右肩下がり(L-1 - U0)/ U0
ローソク足の合成は,隣接するローソク足の
重なりが大きい場合に適用する。
大きいとは、どの程度かを決めるためにローソク足チャートの統計を計算した。
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3.ローソク足チャートの統計
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3.ローソク足チャートの統計
日経平均株価を特徴付ける属性の統計4.ローソク足合成アルゴリズムと実験結果
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2015/5/23
3
4.ローソク足合成アルゴリズムと実験結果
最大のローソク足の合成本数
合成後/合成前のローソク足の本数の比率
ギャップの平均からのずれ
圧縮されたチャートに関する考察
ギャップ条件を25%、最大合成本数を3本
圧縮されたチャートに関する考察
ギャップ条件を 25%、最大合成本数を 3本
ギャップ条件を 2%、最大合成本数を 7本
5.前日比、5日平均との差、25日平均との差に基づく類似検索
A) | CloseP[j] − CloseP[x+j] | < TH,B) | 5AvP[j] − 5AvP[x+j] | < TH5Av,C) | 25AvP[j] − 25AvP[x+j] | < TH5Av,D) (CloseP[j] − OpenP[j]) *
(CloseP[x+j] − OpenP[x+j]) > 0,
• TH5Av = TH / √4 = TH / 2• TH25Av = TH / √24 = TH / 4.899
初日のローソク足の色が同じ
検索された類似パターンの数
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THが0.55%で検索された11営業日20171013, 20161215, 20151106, 20151030,20150320, 20150218, 20121203, 20121122, 20110629, 20100401, 20080421
5.前日比、5日平均との差、25日平均との差に基づく類似検索
2018年4月23日に類似した株価の重な合わせ表示
2015/5/23
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2018年4月18日近辺の株価変動“5日平均バウンス”パターン
2016/8/26 19
検索された類似パターンに対する平均株価の変動率(%)
2016/8/26 20
6.おわりに
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謝辞
本研究は,JSPS科研費 基盤研究(C)一般 JP16K00161 の助成を受けたものです.
1. ローソク足の合成は,従来から提唱されていたが、実際の株価データに適用した事例は見当たらない.
2. 本研究ではギャップ条件と最大合成本数をパラメータとするローソク足の合成アルゴリズムを開発した.
3. 合成後のローソク足は、ノイズが除去されているため 1本のローソク足と 5日平均で上昇するパターンを見出せた.
4. 今後は,パターンを増やして、予測精度を検証する。
5. 海外市場を含めた実験を行い有効性を確認する.