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院内ラウンドを考える 東京医科大学八王子医療センター 山田陽子

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院内ラウンドを考える東京医科大学八王子医療センター

山田陽子

ICC

当院のICTの役割

ICT

医師看護師薬剤師臨牀検査技師事務職員

ICC

副病院長診療部門の責任者看護部門の責任者薬剤部門の責任者検査部門の責任者事務部門の責任者

感染制御部

病院長

診療科医師

看護部門

検査部門

薬剤部門

栄養管理部門

放射線部門

手術部門

透析部門

事務部門

感染対策組織ICTは感染対策活動を具体的に実践・検討するワーキンググループ、院内で横断的に職務を遂行

〈職務〉①感染対策実務計画②感染対策に関わる予算作成③マニュアル作成・整備

④病院内の巡視および現場への介入・指導⑤交差感染予防対策⑥職業感染防止策の実施⑦感染症サーベイランスの実施アウトブレイク発生の防止と発生時における早期対応・・・・

ICTラウンドの目的

• パトロール?監視?巡視?

• 平成25年8月に総務省よりの勧告で「ICT等による病棟ラウンドの実施」が義務化?

ICTラウンドの目的は感染対策の加算をとることではなく

●日々の感染対策の遵守状況を定期的に観察し管理上の問題を明らかにすること

●病院職員への感染対策の意識を引き上げること 目的を明確に!

ラウンドの実際

それらの情報から医師が電子カルテ上で患者を把握し、それぞれにコメントします

Ex.)○○の使用が長期になります。××の使用をご検討ください。等

その後病棟に感染経路別予防策の実施状況を確認に行きます。

ラウンドの実際

• その後ICTメンバーは患者の管理状況(経路別感染予防策の実践)を確認に各病棟へ出向きます。

• そのほかに、環境ラウンドを

行い、チェックシートに○、 ×を記入していきます。

• 手指衛生の遵守状況を観察し本人へはその場でフィードバックします。

ラウンドの方法

• 「誰が」ラウンドするのか

• 「いつ」行うのか

• 「どこに」行くのか

• 「何を」見るのか

• 「どのように」行うのか

まさに5W1H!!

部署名

それぞれの場所

結果は○できている×できていないNA該当なし

で記入

点数化(数値化)して評価・・・競争意識!?

×の箇所はデジカメで撮影→フィードバック時参照!

ICTラウンドチェックリスト

チェックリスト作成時のポイント

• 手指衛生や個人防御具(PPE)の徹底などの感染対策の実施状況

• 物品・患者療養環境・診療環境の管理状況

「状況」「状態」を評価するためには、一定の基準が必要である。

評価のツールがチェックリストである。チェック項目は他施設の例や文献を参考に施設で実現可能かどうかを考慮して決める。チェックリスト内には評価の視点を加えておくことも一定化するために重要である。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/index.html

実施時の注意

• ラウンドにはデジタルカメラを持参する・・よい点、改善すべき点の証拠となる

• チェックリストの項目はICTの皆が理解していること・・評価が人によって異なることは問題

• データに基づくラウンドの場合は、事前に患者データを収集する・・抗菌薬ラウンドのような場合デバイスは?培養検査は?

• 予告なし・・ありのままの現場が確認できる

予告あり・・ラウンドがあることを伝えておくと、改善を行う

チェックだけでなく、ヒアリングなどさまざまな方法がある

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/index.html

ICTラウンドの実際

PPEの中でゴーグルも一緒に置きましょう

シンク内は水はねなく管理されています

スポンジの期日が守られています。

後日に対策が維持できているかどうかを確認に行きます管理者に改善報告書を

提出してもらいます。

手指衛生・マスク直接観察法

ICTのメンバーが各病棟に出向き直にコメディカルの行動をチェックし、記

載します

内容

部署毎に手指衛生の結果をフィード

バック

部署名

フィードバック時の注意

• フィードバックはできるだけ早くに行う・・対応者や現場スタッフの記憶が残っているうち

• フィードバックの記録は残す

• チェックリストを用いたラウンドでは結果を数値化して客観的に伝える。・・改善の評価もしやすい

• デジカメの写真等も生かしてフィードバック時添付する・・どのような改善が必要か、誰が見てもわかりやすい

• スタッフのモチベーションを落とさないような工夫をする。・・「ここをこうすればさらによくなる」など

020406080100120

A3E A3W A4W B2W B2E B3W B3E B4W B4E

部署別環境ラウンド点数比較

フィードバック時の注意

ICT

診療部門手術部

検査部門

材料部

看護部門給食部門

施設・設備

患者・家族

管理部門

清掃業者

各部門・各職種自らが感染対策で果たす役割を自覚、

行動する姿勢

そしてPDCAサイクル

• Do

• 指導訓練を行う

• 実行(手順どおりに行う)

• Check

• 目標が達成できたか

• ほかにふぐあいはないか

• Plan• 目的を明確にする

• 項目を決める

• 目標を決める

• 実行手順を決める

• Action

• 応急対策:現症を取り除く

• 再発防止策:根本原因を除去する A P

DC

加算による医療連携の評価

• 「地域における感染対策」のさらなる推進が加算のねらい

実際は・・・

☑病院の連携がとれている。

☑統一してインフルエンザの面会制限ができた

☑各病院の感染管理担当者以外のスタッフが変化した

☑他の病院の指摘・アドバイスにより改善が進んだ

☑地域の対策の動きがわかる

☑同じグループのICNに相談できる

☑院内のICTの活動が活発になったhttp://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/pmph/shinshu-kouei/zassi2014_9_1/4.pdf

• 一方課題としては・・・

☑5回のカンファレンスが大変

☑加算2ではコストが難しい

☑地域連携に参加している病院とそうでない病院の乖離がみられる

☑介護施設からの持ち込み・・・等々http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/pmph/shinshu-kouei/zassi2014_9_1/4.pdf

質の高い医療は「地域」から発信していきましょう

加算による医療連携の評価

参考文献

• 感染対策のための院内ラウンド強力サポートブック

インフェクションコントロール 2014年春季増刊

• 当院のICTラウンドにおける指摘事項の解析

日本環境感染学会誌 、川村英樹、 2013年 28巻 1号 25-28頁• 感染対策マネージメント向上を目的としたICTラウンド評価(会議録)

日本環境感染学会誌 27巻Suppl. Page162(2012.01)• 手洗い衛生改善のための手引き-医療従事者の実務改善のための手引書

2010.満田年宏訳