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1 まず、ダイオード 1 個と抵抗1個からなるクリップ回路のシミュレーションを行ないます。 うことで、OrCAD PSpice のシミュレーションの概要を学んでいきます。OrCAD PSpice では 様々なシミュレーションが可能ですが、ここでは、入力を変化させ出力が時間とともにどのよ うに変化するかをシミュレーションする過渡解析(トランジェント解析)を行ないます。 1.1 起動とプロジェクトの新規作成 OrCAD PSpice を使って回路をシミュレーションする場合、ネットリストというファイルをエ ディタで作成してもよいのですが、OrCAD Capture というソフトウェアで回路図を描いてシミ ュレーションを行なうのが一般的です。そこで、先ず OrCAD Capture を起動します。 ①[スタート]をクリックします。 ②[全てのプログラム]をポイントします。 ③[OrCAD 15.7 Demo]をポイントします。 ④[OrCAD Capture CIS Demo]をクリックします。 第1章 初めての PSpice ①クリック ②ポイント ③ポイント ④クリック 1.1 Capture の起動

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まず、ダイオード 1 個と抵抗1個からなるクリップ回路のシミュレーションを行ないます。うことで、OrCAD PSpice のシミュレーションの概要を学んでいきます。OrCAD PSpiceでは様々なシミュレーションが可能ですが、ここでは、入力を変化させ出力が時間とともにどのよ

うに変化するかをシミュレーションする過渡解析(トランジェント解析)を行ないます。

1.1 起動とプロジェクトの新規作成

OrCAD PSpice を使って回路をシミュレーションする場合、ネットリストというファイルをエディタで作成してもよいのですが、OrCAD Capture というソフトウェアで回路図を描いてシミュレーションを行なうのが一般的です。そこで、先ず OrCAD Capture を起動します。 ①[スタート]をクリックします。 ②[全てのプログラム]をポイントします。 ③[OrCAD 15.7 Demo]をポイントします。 ④[OrCAD Capture CIS Demo]をクリックします。

第1章

初めての PSpice

①クリック ②ポイント ③ポイント ④クリック

図 1.1 Captureの起動

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OrCAD Capture が起動し、図 1.2 のようなウインドウが表示されます。

図 1.2 OrCAD Captureの起動画面

次に、プロジェクトの作成を行ないます。

⑤[File]をクリックします。 ⑥[New]をポイントします。 ⑦[Project]をクリックします。

図 1.3 Projectの作成

⑤クリック ⑥ポイント ⑦クリック

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New Projectダイアログボックスが表示されます。

図 1.4 New Projectダイアログボックス

⑧プロジェクト名を入力します。ここでは、「clip1」という名前にしますので、「clip1」と入力してください。 ⑨[Analog or Mixed A/D] をクリックにより選択します。PSpiceのシミュレーシの場合、これを選択します。 ⑩[Browse]ボタンをクリックすると保存場所を指定するためのダイアログボックスが表示されますので、プロジェクトを保存する場所を指定してください。 ⑪[OK]ボタンをクリックします。

図 1.5 New Projectダイアログボックス

⑧プロジェクト名の入力

⑥[Analog or Mixed A/D] をクリック

⑦クリックにより表示さ

れたダイアログボックス

で、プロジェクトの保存

場所を指定

⑪クリック

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Create PSpice Project ダイアログボックスが表示されます。 ⑫[Create a blank project] をクリックにより選択します。 ⑬[OK]ボタンをクリックします。

図 1.6 New Projectダイアログボックス

Clip1という新しいプロジェクトが生成され、Captureの画面が図 1.7のようになります。

図 1.7 プロジェクト作成後の Capture の画面

⑫クリック

⑬クリック

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1.2 回路図の作成

1.2.1 ダイオードの配置 まず、ダイオードを配置します。 ①Place Partボタン ボタンをクリックします。(または、メニューバーの[Place]→[Part])

図 1.8 Place Partボタン ②[Add Library]ボタンをクリックします。

図 1.9 Place Partダイアログボックス

②クリック

①クリック

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ダイオードは、breakout.olb というライブラリーに入っていますので、このライブラリーを追加し、その中のダイオード Dbreak を選択します。 ③breakout.olbをクリックします。 ④[開く]ボタンをクリックします。

図 1.10 breakoutライブラリーの追加

⑤Part List の中の Dbreakをクリックにより選択します。 ⑥[OK]ボタンをクリックします。

図 1.11 ダイオードの選択

③クリック

④クリック

⑤クリック

⑥クリック

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⑦クリックによりダイオードを回路図上に配置します。 ⑧[Esc]キーを押して配置モードを終了します。 (または、マウスの右ボタンをクリックし、[End Mode] を選択します。) ⑨[R]キーを押して部品を回転します。 (または、マウスの右ボタンをクリックし、[Rotate] を選択します。)

図 1.12 ダイオードの配置

部品を配置した時、または部品をクリックにより選択した時に表 1.1 の操作を行なうと、部品を回転または反転することができます。

表 1.1 部品の回転反転操作 機能 キー操作 マウス操作 回転 Rキー マウスの右ボタンをクリックし、

[Rotate]をクリックする 上下反転 Vキー マウスの右ボタンをクリックし、

[Mirror Vertically]をクリックする 左右反転

H キー マウスの右ボタンをクリックし、

[Millor Horizontally]をクリックする

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1.2.2 抵抗の配置

次に、抵抗を配置します。 ①Place Partボタン をクリックします。(または、メニューバーの[Place]→[Part])

図 1.13 Place Partボタン

②[Add Library]ボタンをクリックします。

図 1.14 Place Partダイアログボックス

①クリック

②クリック

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抵抗は、analog.olb というライブラリーに入っていますので、このライブラリーを追加し、その中のダイオード R を選択します。 ③analog.olbをクリックします。 ④[開く]ボタンをクリックします。

図 1.15 analog ライブラリーの追加

⑤Part List の中の R をクリックにより選択します。 ⑥[OK]ボタンをクリックします。

図 1.16 抵抗の選択

③クリック

④クリック

⑤クリック

⑥クリック

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⑦クリックによりダイオードを回路図上に配置します。 ⑧[Esc]キーを押して配置モードを終了します。 (または、マウスの右ボタンをクリックし、[End Mode] を選択します。)

図 1.17 抵抗の配置

1.2.3 交流電圧源の配置 次に、交流電圧源を配置します。 ①Place Partボタン をクリックします。(または、メニューバーの[Place]→[Part])

図 1.18 Place Partボタン

①クリック

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②[Add Library]ボタンをクリックします。

図 1.19 Place Partダイアログボックス

交流電圧源は、source.olb というライブラリーに入っていますので、このライブラリーを追加し、その中の交流電圧源 vsin を選択します。 ③source.olbをクリックします。 ④[開く]ボタンをクリックします。

図 1.20 source ライブラリーの追加

②クリック

③クリック ④クリック

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⑤Part List の中の R をクリックにより選択します。 ⑥[OK]ボタンをクリックします。

図 1.21 抵抗の選択

⑦クリックにより交流電圧源を回路図上に配置します。 ⑧[Esc]キーを押して配置モードを終了します。 (または、マウスの右ボタンをクリックし、[End Mode] を選択します。)

図 1.22 交流電圧源の配置

⑤クリック

⑥クリック

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1.2.4 グランドの配置 次に、グランドを配置します。

①Place groundボタン をクリックします。(または、メニューバーの[Place]→[Ground])

図 1.23 Groundボタン

②0/SOURCEをクリックにより選択します。 ③[OK]ボタンをクリックします。

図 1.24 グランドの選択

④クリックによりグランドを回路図上に配置します。

①クリック

②クリック

③クリック

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⑤[Esc]キーを押して配置モードを終了します。 (または、マウスの右ボタンをクリックし、[End Mode] を選択します。)

図 1.25 交流電圧源の配置

1.2.5 配線

①Place Wireボタン をクリックします。(または、メニューバーの[Place]→[Wire])

図 1.23 Place Wireボタン

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交流電圧源と抵抗を接続します。 ①交流電圧源の上の接続点でクリックします。 ②抵抗の左の接続点でクリックします。

図 1.24 交流電圧源と抵抗の接続

抵抗とダイオードを接続します。 ③抵抗の右の接続点でクリックします。 ④ダイオードの上の接続点でクリックします。

図 1.25 抵抗とダイオードの接続

①クリック ②クリック

③クリック ④クリック

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ダイオードとグランドを接続します。 ⑤抵抗の右の接続点でクリックします。 ⑥ダイオードの上の接続点でクリックします。

図 1.26 ダイオードとグランドの接続

交流電圧源とグランドの接続を接続します。 ⑤交流電圧源の下の接続点でクリックします。 ⑥ダイオードとグランドをつないだ配線の上でクリックします。

図 1.25 交流電圧源とグランドの接続

⑦クリック

⑧クリック

⑤クリック

⑥クリック

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1.2.6 部品の値の設定 交流電圧源のオフセット電圧 VOFF=0V、振幅 VAMPL=5V、周波数 FREQ=50Hzに設定します。まず、オフセット電圧 VOFFから設定していきます。オフセット電圧とは、交流電圧源の直流成分です。ここでは、0V に設定します。 ①交流電圧源の横の VOFF という文字をダブルクリックします。

図 1.26 交流電圧源の値の設定

パーツの値を設定するためのダイアログボックスが表示されます。 ②Value に 0 と入力します。 ③[OK]ボタンをクリックします。

図 1.27 VOFFの設定

①ダブルクリック

③クリック

②入力

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振幅を5V に設定します。 ④VAMPLをダブルクリックします。 パーツの値を設定するためのダイアログボックスが表示されます。 ⑤Value に5と入力します。 ⑥[OK]ボタンをクリックします。 周波数を 50Hzに設定します。 ⑦FREQ をダブルクリックします。 パーツの値を設定するためのダイアログボックスが表示されます。 ⑧Value に 50と入力します。 ⑨[OK]ボタンをクリックします。

図 1.28のように各値が回路図上に表示されていれば交流電圧源の設定は完了です。

図 1.28 交流電圧源の値の設定終了

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1.3 シミュレーション

1.3.1 シミュレーション設定

PSpiceのシミュレーションには種々の種類がありますが、ここでは、過渡解析を行なうための設定を行ないます。1 つの回路に対して複数のシミュレーションを行なうことができるため、各シミュレーションに名前をつける必要があります。 ①New Simulation Profile ボタン をクリックします。(または、メニューバーの[PSpice]→[New Simulation Profile])

図 1.29 New Simulation Profile ボタン

New Simulation ダイアログボックスが表示されます。 ②シミュレーション名を入力します。どのような名前をつけてもよいのですが、ここでは、

「tran」と入力することにします。 ③[Create]ボタンをクリックします。

図 1.30 New Simulation ダイアログボックス

③クリック ③シミュレーション名

の入力

①クリック

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Simulation Settingsダイアログボックスが表示されます。 ④Run to timeに 100m と入力します。 ⑤Maximum step sizeに 0.1m と入力します。 ⑥[OK]ボタンをクリックします。

図 1.31 Simulation Settingsダイアログボックス Run to timeは、シミュレーション時間です。あまり大きく設定すると解析時間が長くなります。Maximum step sizeは、シミュレーションに利用される内部時間間隔の最大値で、出力波形が滑らかでない場合に指定します。小さく設定しすぎると、解析時間が長くなります。

1.3.2 波形表示ポイントの指定

入力電圧と出力電圧を表示しましょう。 ①Voltage/Level Marker ボタン をクリックします。 ②交流電圧源の上端とダイオードの左端を接続している配線上でクリックします。 ③ダイオードの右端と抵抗の上端を接続している配線上でクリックします。

図 1.31 波形表示ポイントの指定

④Run to timeの入力

⑤Maximum step sizeの入力

⑥クリック

①クリック ②クリック ③クリック

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1.3.3 シミュレーションの実行

シミュレーションを実行しましょう。 ①Run PSpice ボタン をクリックします。(または、メニューバーの[PSpice]→[Run]) 図 1.33 のようなウインドウが表示され結果が表示されます。

図 1.32 シミュレーションの実行

図 1.33 シミュレーション結果

①クリック

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1.4 シミュレーション結果の加工

1.4.1 グラフの分割 入力波形と出力波形を別のグラフに表示されています。 ①または、メニューバーの[Plot]→[Add Plot to Window]をクリックします。

図 1.33 グラフの追加

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②移動したいグラフの凡例をクリックにより指定します。

図 1.34 移動したいグラフの指定

③[Ctrl]キーを押した状態で、[X]キーを押し選択しているグラフを消去します。 (または、メニューバーの[Edit]→[Delete])

図 1.35 移動したいグラフの削除

①クリック

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④上のグラフ領域をクリックにより指定します。 ⑤[Ctrl]キーを押した状態で、[P]キーを押し選択して今削除したグラフを貼り付けます。 (または、メニューバーの[Edit]→[Past])

図 1.36 移動したいグラフの貼り付け

1.4.2 シミュレーション結果のワープロ等へのコピー ①メニューバーの[Windows]→[Copy to Clipboard]をクリックします。 ②ダイアログボックスが表示されますので、[OK]をクリックします。 ③ワープロ等のソフトに移動し、[Ctrl]キーを押した状態で、[P]キーを押し貼り付けます。

図 1.37 シミュレーション結果のワープロ等へのコピー

④グラフ領域内でクリック

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1.4.3 軸の設定変更 X 軸の設定を変更し、60msから 80msの部分を表示するようにします。 ①メニューバーの[Plot]→[Axis Settings]をクリックすます。

図 1.38 軸の設定変更

②User Definedをクリックにより選択します。 ③テキストボックスにx軸の範囲の 60msと 80ms 入力します。 ④[OK]ボタンをクリックします。

図 1.39 Axis Setting ダイアログボックス

②クリック

④クリック

③X 軸の範囲を入力

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図 1.40 のように X 軸の設定が変更され、60ms から 80msの部分のみが表示されるようになります。

図 1.40 X 軸の設定変更終了

Y 軸の設定変更も同様です。 ①メニューバーの[Plot]→[Axis Settings]をクリックすます。 ②Y Axis というタブをクリックします。 ③User Definedをクリックにより選択します。 ④テキストボックスに Y 軸の範囲を入力します。 ⑤[OK]ボタンをクリックします。

図 1.41 Y 軸の設定変更

③クリック

⑤クリック

④Y 軸の範囲を入力

②クリック

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終了 プロジェクトの読込み

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ダイオードの基本的な性質を知ると共に、ダイオードの静特性のシミュレーションを行ない

ます。次に、ダイオードを用いた波形整形回路、交流信号から直流信号を作り出す整流回路の

シミュレーションを行ないます。

2.1 ダイオードの性質

図 2.1 は、ダイオードの回路記号です。ダイオードは、アノード、カソードと呼ばれる 2 つの端子を持っており、アノードからカソードの向きには電流をよく流すが、カソードからアノ

ードの向きには電流をほとんど流しません。電流をよく流す方向を順方向、流さない方向を逆

方向と言います。このように、一方向しか電流を流さない性質を整流作用と言います。

図 2.1 ダイオードの回路記号 ダイオードは、順方向のときオン、逆方向のときオフするスイッチと考えることもできます。 順方向 オン 逆方向 オフ

図 2.2 ダイオードのスイッチモデル 実際のダイオードでは、オンさせるために 0.7V の電圧が必要であり、そのためオン状態のときにアノードとカソードの間に 0.7V の電位差が常に発生します。この電圧をダイオードの順方向電圧といいます。これを考慮したダイオードのモデルが図 2.3です。 順方向 オン 逆方向 オフ

図 2.3 順方向電圧を考慮したダイオードのモデル

第2章

ダイオード

アノード

カソード

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2.2 ダイオードの静特性

ダイオードに付加を接続しない状態、つまりダイオード単体の電圧-電流特性を静特性といい

ます。1章では、時間と共に入力が変化し、そのときの出力の様子を解析する過渡解析という

シミュレーションを行ないました。ここでは、直流的な性質を調べる DC解析を行ないます。 2.2.1 回路図の作成 図 2.4 の回路が、ダイオードの静特性を解析するための回路図です。ダイオードとこれに印加する直流電圧源のみのシンプルな回路です。なお、 V1の直流電圧源は、sourceというライブラリー内の VDCという部品です。

図 2.4 ダイオードの静特性の解析用回路

2.2.2 波形表示ポイントの指定

図 2.5のように波形表示ポイントを設定します。なお、電流を表示させるためには、 ①Current Markerボタン をクリックします。 ②ダイオードの上端でクリックします。Current Marker は接続端子に付ける事ができません。

図 2.5 波形表示ポイントの設定

②クリック ①クリック

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2.2.3 シミュレーション New Simulation Profile ボタン をクリックし、シミュレーション名をつけた後、図 2.6のようにシミュレーションの設定を行ないます。 ①Analysis typeで DC Sweepを設定します。 ②Voltage source Name で電圧を変化させたい電圧源を指定します。 ③Start valueと End valeで変化させる電圧の範囲を指定します。ここでは、-1 と 1 とします。 ④Increment で電圧の増分を指定します。ここでは、0.01とします。 ⑤[OK]ボタンをクリックします。

図 2.6 DC解析のシミュレーション設定

Run PSpice ボタン をクリックすると、図 2.7の結果が表示されます。 これより、ダイオードは、負の電圧を印加した時は電流が流れず、正の電圧が 0.7V を越えた付近から急激に電流が流れ出すことが分かります。

図 2.7 DC解析のシミュレーション設定

①DC Sweepを選択

②電圧源名を

入力

③変化させる

範囲を入力

⑤クリック

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2.3 波形整形回路

ある基準電圧より高い部分や低い部分をカットしたり取り出したりする回路をクリップ回路

(クリッパ)といいます。ダイオードと抵抗を使った 4 種類のクリッパ回路のシミュレーショ

ンを示します。

2.3.1 ダイオード並列形クリップ回路(正の電圧をカット) この回路は、第 1 章でシミュレーションした回路です。入力電圧が負のときは、ダイオードがオフ状態なので交流電圧源の電圧がそのまま出力されます。、入力電圧が 0.7V を超えるとダイオードがオン状態になり出力は常に 0.7Vが出力されます。つまり、この回路は 0.7V より高い電圧をカットすることができます。

図 2.8 ダイオード並列形クリップ回路(正の電圧をカット)

図 2.9 図 2.8の回路のシミュレーション設定

Time

0s 20ms 40ms 60ms 80ms 100msV(R1:1)

-5.0V

0V

5.0VV(R1:2)

-5.0V

0V

5.0V

SEL>>

V(R1:2)

図 2.10 図 2.8の回路のシミュレーション結果

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2.3.2 ダイオード並列形クリップ回路(負の電圧をカット) 入力電圧が正のときは、ダイオードがオフ状態なので交流電圧源の電圧がそのまま出力され

ます。また、入力電圧が-0.7V より低くなるとダイオードがオン状態になり常に-0.7V を出力します。つまり、この回路は-0.7V より低い電圧をカットすることができます。

図 2.11 ダイオード直列形クリップ回路(正の電圧をカット)の回路図

図 2.12 図 2.11の回路のシミュレーション設定

Time

0s 20ms 40ms 60ms 80ms 100msV(R1:1)

-5.0V

0V

5.0V

SEL>>

V(R1:1)

V(R1:2)-5.0V

0V

5.0V

図 2.13 図 2.11の回路のシミュレーション結果

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2.3.3 ダイオード直列形クリップ回路(負の電圧をカット) 入力電圧が正のときは、ダイオードがオン状態なので交流電圧源の電圧より、ダイオードの

順方向電圧 0.7V だけ低い電圧が出力されます。また、入力電圧が負になるダイオードがオフ状態になり常に 0V を出力します。つまり、この回路は 0V より低い電圧をカットすることができます。

図 2.14 ダイオード直列形クリップ回路(正の電圧をカット)の回路図

図 2.15 図 2.14の回路のシミュレーション設定

Time

0s 20ms 40ms 60ms 80ms 100msV(D1:2)

-5.0V

0V

5.0V

V(D1:2)

V(V1:+)-5.0V

0V

5.0V

SEL>>

図 2.16 図 2.14の回路のシミュレーション結果

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2.3.4 ダイオード直列形クリップ回路(正の電圧をカット) 入力電圧が負のときは、ダイオードがオン状態なので交流電圧源の電圧より、ダイオードの

順方向電圧 0.7V だけ高い電圧が出力されます。また、入力電圧が正になるダイオードがオフ状態になり常に 0V を出力します。つまり、この回路は 0V より高い電圧をカットすることができます。

図 2.17 ダイオード直列形クリップ回路(負の電圧をカット)の回路図

図 2.18 図 2.17の回路のシミュレーション設定

Time

0s 20ms 40ms 60ms 80ms 100msV(D1:1)

-5.0V

0V

5.0V

SEL>>

V(D1:1)

V(V1:+)-5.0V

0V

5.0V

図 2.19 図 2.17の回路のシミュレーション結果

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2.4 整流回路

交流電圧から直流電圧を生成する回路を整流回路といいます。ここでは、半波整流回路とブ

リッジ型全波整流回路の2つのシミュレーションを示します。 2.4.1 半波整流回路 正の電圧が印加されると、ダイオードがオン状態となりコンデンサに電荷が充電されます。

入力電圧がコンデンサの電圧より下がると、ダイオードはオフ状態となり、その間はコンデン

サから電流が供給され抵抗 R1に流れます。

図 2.20 半波整流回路の回路図

図 2.21 図 2.20の回路のシミュレーション設定

Time

0s 20ms 40ms 60ms 80ms 100msV(R1:1)

-200V

0V

200V

V(R1:1)

V(D1:1)-200V

0V

200V

SEL>>

図 2.22 図 2.20の回路のシミュレーション結果

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2.4.2 ブリッジ型全波整流回路 正の電圧が印加されると、ダイオードが D2 と D4 がオン状態となりコンデンサは右側プラス、左側マイナスに充電されます。負の電圧が印加されると、D1 と D3がオン状態となり、先ほどと同様、コンデンサは右側プラス、左側マイナスに充電されます。半波整流回路と比べて、

半周期ごとに充電が行なわれるためリップル(揺れ)が少ないことが分かります。出力は、コ

ンデンサ両端から取り出します。2点間の電圧を表示させるには、Voltage Differential Markerボタン をクリックし、回路図上の 2 点をクリックにより指定します。

図 2.23 ブリッジ型全波整流回路の回路図

図 2.24 図 2.23の回路のシミュレーション設定

Time

0s 20ms 40ms 60ms 80ms 100msV(D3:2,R1:1)

-200V

0V

200V

SEL>>

V(D3:2,R1:1)

V(V1:+)-200V

0V

200V

図 2.25 図 2.23の回路のシミュレーション結果

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バイポーラトランジスタの基本的な性質を知ると共に、トランジスタの静特性のシミュレー

ションを行ないます。次に、バイポーラトランジスタを用いた増幅回路のシミュレーションを

行ないます。

2.1 トランジスタの性質

図 2.1 は、ダイオードの回路記号です。ダイオードは、アノード、カソードと呼ばれる 2 つの端子を持っており、アノードからカソードの向きには電流をよく流すが、カソードからアノ

ードの向きには電流をほとんど流しません。電流をよく流す方向を順方向、流さない方向を逆

方向と言います。このように、一方向しか電流を流さない性質を整流作用と言います。

第3章

バイポーラトランジスタ

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入力特性

V_V1

0V 200mV 400mV 600mV 800mVIB(Q1) IB(Q1)

0A

10uA

20uA

30uA

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電流伝達特性

I_I1

0A 5uA 10uA 15uA 20uA 25uA 30uAIC(Q1)

0A

1.0mA

2.0mA

3.0mA

IC(Q1)

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出力特性

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V_V1

0V 1.0V 2.0V 3.0V 4.0V 5.0VIC(Q1)

0A

1.0mA

2.0mA

3.0mA

4.0mA

IC(Q1)

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基本的な増幅回路

Time

0s 1.0ms 2.0ms 3.0ms 4.0ms 5.0msIC(Q1)

0A

2.0mA

4.0mA

SEL>>

IB(Q1)0A

20uA

40uA