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『小児の検尿マニュアル』(日本小児腎臓病学会編集)
フローチャート(p.ⅲ-ⅳ)における尿糖に関しての補足
本書を御利用頂きありがとうございます。日常診療の御役にたっているでしょうか。
今回、本書の「3歳児検尿フローチャート」の記載内容が一部わかりにくいという御指摘を
頂きました。本書編集委員で検討した結果を、以下に御知らせ致します。
「学校検尿フローチャート」(p.ⅲ)の最上部では、※本書では尿糖を除いています と記
載され、一方で「3 歳児検尿フローチャート」(p.ⅳ)の最上部では、潜血、糖は必須とし
ない と記載されております。
本書の「はじめに」および本文を御読み頂くと、本書では尿糖に関して触れないという一
貫した方針が御理解頂けるかと思いますが、上記のように記載法が異なると意味が違うの
ではないかという疑問が出ることも当然です。
これは先の厚生労働科学研究「乳幼児の疾患疫学を踏まえたスクリーニング及び健康審査
の効果的実施に関する研究」(平成 25~26 年度)における「3 歳児検尿フローチャート」
の記載を本書でも踏襲したためで、こちらも本来腎臓病を対象としたスクリーニング方法
を記載したものです。
従いまして本書「3歳児検尿フローチャート」最上部の潜血、糖は必須としないという部分
においても、尿糖を除いています、3歳児検尿では潜血は必須としませんという主旨になり
ます。
次回改訂時には「学校検尿フローチャート」および「3歳児検尿フローチャート」で共通し
た、誤解のない記載に変更する予定です。それまでは上記につき御理解願えれば幸いに存
じます。
2017年 3月 2日
『小児の検尿マニュアル』編集委員会
この学校検尿フローチャートは,各地域の実状にあわせて適宜ご活用ください.それぞれの内容は,後述の各 Qに詳細を記してあります.吹き出しの「→Q××」を確認の上,ご参照ください.
•異常なし •無症候性血尿・蛋白尿,腎炎の疑い•無症候性蛋白尿 •白血球尿,尿路感染症の疑い•体位性蛋白尿 •その他(確定診断名がついている場合はそれを記入)•無症候性血尿
〈暫定診断名〉
暫定診断管理指導表作成
上記①を満たさない場合でも,下記②~⑥の所見がある場合は早期に小児腎臓病専門施設に紹介する②肉眼的血尿(遠心後肉眼的血尿を含む) ⑤高血圧③低蛋白血症(血清アルブミン<3.0g/dL) ⑥腎機能障害④低補体血症
①早朝第一尿の尿蛋白/尿クレアチニン比および尿蛋白定性がそれぞれ0.15~ 0.4g/gCr,1+程度の場合は6~12か月程度の持続がみられたもの0.5 ~ 0.9g/gCr,2+程度の場合は3~6か月程度の持続がみられたもの1.0 ~ 1.9g/gCr,3+程度の場合は1~3か月程度の持続がみられたもの
〈小児腎臓専門施設への紹介基準〉
次回学校検尿へ
異常なし 緊急受診
小児腎臓病専門施設受診
確定診断
かかりつけ医にて定期受診
一次検尿尿蛋白:1+以上 and/or尿潜血:1+以上(※本書では尿糖を除いています)
二次検尿尿蛋白:1+以上 and/or尿潜血:1+以上(※本書では尿糖を除いています)
精密検診(かかりつけ医または集団検診)
•診察,問診•尿 検 査:定性,沈渣,尿蛋白/尿クレアチニン比•採 血:蛋白,アルブミン,クレアチニン,尿素窒素,
補体(C3)•身体所見:身長,体重,血圧測定
緊急受診→Q10
検尿異常値→Q1
検尿異常値→Q1
精密検診→Q2, 3
検査項目,問診,検査値→ Q2,4,7クレアチニンの基準値→ Q33身長・体重→付録
紹介基準→Q8血圧→ Q35,36血清クレアチニン値→ Q33
管理指導表→Q6
暫定診断→Q5
腎生検の適応基準→Q27
尿蛋白3+以上
尿蛋白3+以上
紹介の適応あり
該当なし
該当なし
異常なし
該当
異常あり
該当
紹介の適応なし定期受診の方法→Q9食事・運動管理→ Q40,41
小児腎臓病専門施設→Q15
学校検尿フローチャート
かかりつけ医
養護教諭
小児の検尿マニュアル iii
@001-005_前付4C_FC資料.indd 3 15/03/12 18:04
©日本小児腎臓病学会<個人での閲覧利用に限ります。無断転載・複製・転用を禁じます>
この 3歳児検尿フローチャートは,各地域の実状にあわせて適宜ご活用ください.それぞれの内容は,後述の各Qに詳細を記してあります.吹き出しの「→Q××」を確認の上,ご参照ください.
3 歳児検尿フローチャートは,平成 25 年度厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)による(H25-次世代・一般-003)「乳幼児の疾患疫学を踏まえたスクリーニング及び健康審査の効果的実施に関する研究」の中の「3歳児検尿の効果的方法と腎尿路奇形の早期発見」(分担研究者本田雅敬)を一部改変して作成したものです.
3歳児検尿フローチャート
有所見者
異常なし
一次検尿 尿蛋白(±)以上(潜血,糖は必須としない)
該当なし
該当なし
該当
異常あり
異常あり
異常なし
異常なし
該当
小児腎臓病専門施設受診
二次検尿 尿蛋白(±)以上(潜血,糖は必須としない)
一次精密検診(かかりつけ医)•診察•尿 検 査:尿蛋白/尿クレアチニン比0.15g/gCr 以上
尿β2 ミクログロブリン/尿クレアチニン比0.50μg/ mgCr 以上
•血液検査:血清クレアチニン0.38mg/dL 以上•血圧測定:血圧 110/70mm Hg 以上(一次精密検診では血
圧測定は推奨検査とする.通常の体格の場合マンシェット幅は7cmを使用)
二次精密検診(地域中核病院,都道府県が指定)
*:地域によっては当初から二次精密検診施設で一次精密検診を行うこともある
検査項目→Q13超音波→Q39紹介基準→Q14
一次精密検診→Q12
二次精密検診→Q13
•診察•腎臓超音波:片側腎長径 5.7cm 未満,腎長径左右差 1.1cm
以上,水腎症 SFU分類3度以上•尿検査,血液検査,血圧測定*
地域によっては二次精密検診施設と小児腎臓病専門施設が同一のところもある
小児腎臓病専門施設→Q15
保健師
かかりつけ医
検尿異常値→Q11採尿時の注意点→次頁,Q21
検査項目→Q12クレアチ二ンの基準値→Q33
血圧→Q35,36
検尿異常値→Q11
iv 小児の検尿マニュアル
@001-005_前付4C_FC資料.indd 4 15/03/12 18:04
©日本小児腎臓病学会<個人での閲覧利用に限ります。無断転載・複製・転用を禁じます>