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2011/04/05 ページ 1 (全 34 ページ) SAP ノート番号 62536 - 情報: 収益性分析での条件 ノート言語:日本語 バージョン:18 有効期間: 有効開始日 2002/03/21 サマリ 現象 収益性分析 (CO-PA) では、条件ツールを使用して付加原価を計算すること ができます。 当ノートでは、上述のツールの使用方法を説明します。初めに、使用される 専門用語と条件ツールの個別構成要素の相互作用について記載し、次に、収 益性分析における条件ツールを使用した業務上の条件を満たす方法を例を用 いて説明します。 このノートは、収益性分析における条件テクニックを習得し、オンラインマ ニュアルに加えて情報を希望するすべてのユーザ (エンドユーザ、コンサル タントなど) 向けに作成されました。 このノートは完全なものではありません。条件ツールは汎用性が高いため、 1つのノートで完全に説明することは困難です。しかし、このノートは収益 性分析で必須の条件テーブルの機能を詳細に解説することを目的としていま す。 このノートで解説されている、条件ツールを使用する概念的手順は、すべて のリリースに適用されます。カスタマイジング機能を参照する実際の例は、 リリース 3.0 で利用可能です。このため、リリース 2.1 および 2.2 では、 特定の例で相違が生じる可能性があります。 追加キーワード Valuation, conditions, actual data, planning, costing shee access sequence, condition table, SD/CO-PA interface, condition KE4U, KE44, KE47, KE45, KE48, KE4A, KE46, ZKPRS, MBEW 評価, 条件, 実績データ, 計画, 原価計算表, アクセス順序, 条件テーブル , SD/CO-PA インタフェース, 条件ノート 原因および前提条件 条件を使用した評価を使用しています。 解決方法 序説: 収益性分析での評価 収益性分析では、評価は、想定値の検出と計算に使用されます。また、実績 と計画データの両方を更新するために使用することができます。 以下の評価方法を利用することができます。 o 条件と原価計算表を使用する評価 条件テクニックを使用すると、実績転記の時点で不明なこれらの値も、 収益性分析の分析に必要な属性値を設定することができます。たとえ

62536 - 情報 収益性分析での条件

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SAP ノート番号 62536 - 情報: 収益性分析での条件

ノート言語: 日本語 バージョン: 18 有効期間: 有効開始日 2002/03/21

サマリ

現象

収益性分析 (CO-PA) では、条件ツールを使用して付加原価を計算することができます。

当ノートでは、上述のツールの使用方法を説明します。初めに、使用される専門用語と条件ツールの個別構成要素の相互作用について記載し、次に、収益性分析における条件ツールを使用した業務上の条件を満たす方法を例を用いて説明します。

このノートは、収益性分析における条件テクニックを習得し、オンラインマニュアルに加えて情報を希望するすべてのユーザ (エンドユーザ、コンサルタントなど) 向けに作成されました。

このノートは完全なものではありません。条件ツールは汎用性が高いため、1 つのノートで完全に説明することは困難です。しかし、このノートは収益性分析で必須の条件テーブルの機能を詳細に解説することを目的としています。

このノートで解説されている、条件ツールを使用する概念的手順は、すべてのリリースに適用されます。カスタマイジング機能を参照する実際の例は、リリース 3.0 で利用可能です。このため、リリース 2.1 および 2.2 では、特定の例で相違が生じる可能性があります。

追加キーワード

Valuation, conditions, actual data, planning, costing sheet, accesssequence, condition table, SD/CO-PA interface, condition note

KE4U, KE44, KE47, KE45, KE48, KE4A, KE46, ZKPRS, MBEW-ZKPRS

評価, 条件, 実績データ, 計画, 原価計算表, アクセス順序, 条件テーブル, SD/CO-PA インタフェース, 条件ノート

原因および前提条件

条件を使用した評価を使用しています。

解決方法

序説: 収益性分析での評価収益性分析では、評価は、想定値の検出と計算に使用されます。また、実績と計画データの両方を更新するために使用することができます。

以下の評価方法を利用することができます。

o 条件と原価計算表を使用する評価

条件テクニックを使用すると、実績転記の時点で不明なこれらの値も、収益性分析の分析に必要な属性値を設定することができます。たとえ

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ば、請求処理時点で未知の販売手数料、割引、または出荷費用を設定し、この情報を販売取引の分析に使用することができます。CO-PA 計画で SD 原価計算表を使用する情報については、セクション6.7 を参照してください。

o 原価積上を使用する評価

原価積上を使用して評価を行うと、販売取引を収益性分析に転記する際に、販売した製品に対する製造原価を認識することができます。たとえば、販売された製品に対する変動/固定原価構成要素を認識し、これらを、販売取引に対する請求伝票からコピーされた収益および売上控除と比較することができます。

o ユーザ定義評価手順を使用する評価

ユーザ定義評価手順では、先の 2 つの方法では決定できない付加原価を計算することができます。また、独自の評価ロジックをプログラミングすることができます。この詳細な情報については、CO-PA 評価方法を定義する際に (トランザクション KE4U、"評価方針 -> 詳細")項目 "Exit 番号" の F1 ヘルプで参照することができます。SAP 拡張 COPA0002 の文書も参照してください。リリース 3.0 では、トランザクション CMOD からこの文書にアクセスすることができます。

"評価方針" では、収益性分析における評価の実行方法が設定されます。ここでは、個別値項目の入力に使用される評価方針や、その方針が使用される順序が決定されます。

たとえば、代表的な評価方針には以下の構造があります。 評価方針 | x--------製品原価見積 | x--------原価計算表 (条件) | x--------ユーザ Exit

この評価方針を使用すると、最初に、評価中の伝票に指定された製品/品目タイプに対する製品原価見積が読み込まれます。次に、原価計算表を使用して、追加金額が計算されます。最後に、ユーザ定義の評価手順が読み込まれます。

このノートは、主に原価計算表を使用した評価についても記載されています。以下の章ではこれを詳細に説明します。

1. 条件テクニックの用語

条件ツールを使用する前に、収益性分析のカスタマイジングで使用されるいくつかの技術用語を理解する必要があります。この章では、これらの用語を説明します。初めはより専門的な見地から説明していきますが、あとから制御の重要性について具体的な例を用いて説明します (セクション 4 参照)。

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1.1 原価計算表

原価計算表が、付加原価計算に使用される条件、その条件が使用される順序、および個別条件間の依存対象関係を決定します。たとえば、販売手数料は販売収益を基に計算するべきであると決定することができます。要約すると、原価計算表のタスクは以下になります。

o 追加金額の計算に対する基準を指定する。

o 小計を定義する。

o 条件間の依存対象関係を (条件タイプをグループ化することで) 定義し、それらが原価計算で計算される順序を定義する。

1.2 条件タイプ、条件、および条件レコード

条件タイプは条件の特性を定義します。たとえば、条件タイプは異なる追加料金や控除 (つまり、追加料金パーセントと数量依存追加料金) を区別したり、または固定価格 (つまり、標準原価) を定義します。また、条件を使用して、原価計算表の他の条件で原価計算する基準を定義することができます。

一般的に、条件タイプは、値を計算する際に該当する数多くの条件を表します。たとえば、追加料金は、CO-PA 特性 "得意先" および "製品" の現在評価額や値項目 "販売数量" などの変数値に依存する可能性があります。これらの変数値の基準で計算された追加料金に関する情報は、"条件レコード"と呼ばれる書式で保存されます。

条件タイプの定義は以下で構成されます。

o 条件カテゴリ

o 計算タイプ

o 条件クラス

o スケール基準

さらに、それぞれの条件タイプに対して特殊制御フラグを設定することで、特定のパラメータが (条件分析時に) 変更可能かどうかを、または条件マスタレコードが更新可能かどうかを制御することができます。これらの用語の詳細については、以下のセクションを参照してください。

条件タイプに "検索順序" を割り当てることにより、評価に有効な条件レコードを検出するために読み込むべき条件テーブルが設定されます。異なる特性の組合せで定義されている条件レコードは、別の条件テーブルに保存されます。つまり、条件タイプに検索順序を割り当てることで、この条件タイプに対する条件レコード (% /固定額) に依存する特性が決定されます。すべての条件タイプに検索順序を割り当てる必要はありません (セクション 1.3参照)。

次のセクションでは、条件タイプの定義に該当する前述の項目を説明します。

1.2.1 条件カテゴリ-------------------条件カテゴリでは、事前定義された "消費税抜基準額" や "価格" な

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どに応じて条件が分類されます。

収益性分析では以下の条件カテゴリが使用されます。

E 現金割引 G 原価 K 消費税抜基準額 S 標準原価 T 移動原価 " " その他 (例: 追加料金/値引) (これらのカテゴリに属さないものは空白です。 これには、原価計算表で計算されるつい追加 料金と控除が含まれます。)

1.2.2 計算タイプ------------------計算タイプでは、条件に対する価格または追加料金/割引を計算する方法が定義されます。たとえば、数量や金額スケール別に割引を計算することができます。

収益性分析では以下の計算タイプが使用されます。

A % (パーセント) B 固定額 C 数量 D 総重量 E 正味重量 F 総数量

1.2.3 条件クラス------------------条件クラスは複数の条件タイプで構成されます。

収益性分析では以下の条件クラスが使用されます。

A 値引/追加料金 B 価格

1.2.4 スケール基準--------------------スケール基準では、条件のスケールを変換する方法が定義されます。スケールは、数量スケールの場合と金額スケールの場合があります。

収益性分析では以下のスケール基準が使用されます。

B 金額スケール C 数量スケール D 総重量スケール E 正味重量スケール F 容積スケール

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1.2.5 変更可能区分--------------------変更可能区分では、条件分析時に変更可能な条件タイプのパラメータを設定することができます。条件タイプの金額/パーセント、値、計算タイプ、または数量関連に対して、変更を許可するまたは変更を禁止することができます。さらに、伝票から条件タイプを削除することを許可または禁止することができます。

1.2.6 マスタレコード----------------------条件マスタレコードの更新時にスケールを確認するかどうかを定義することができます。たとえば、スケール率を常に昇順で更新しなければならないように設定することができます。また、条件タイプの +/-符号を固定することもできます。

1.2.7 検索順序と条件テーブル------------------------------検索順序は、条件カテゴリ K、G、S、T、または E 以外の条件タイプに割り当てる必要があります。これは、計算値に対する条件タイプとカテゴリ " " の固定金額に検索順序を割り当てる必要があるということです。検索順序により、条件タイプに対する条件レコードを更新できるようになります。

検索順序では、以下を定義します。

- 条件レコードを検索するために読み込む条件テーブル

- これらの条件テーブルが読み込まれる順番

- 読み込まれる項目内容

したがって、検索順序は一種の検索方針であり、特定の条件で有効なデータを検索するための条件テーブルが通知されます。条件テーブルの構造は、条件レコードに対する一種のキーを定義します。このキーには個別条件レコードを確実に識別するための特性値が含まれています。条件レコードには、特定の伝票の特性値が条件レコードに対するキーと一致する場合に伝票に適用される値が含まれています。たとえば、条件レコードには、特定の製品の固定価格、追加パーセント、または特定の得意先に対する控除が含まれている可能性があります。検索順序の条件テーブルの順序では、個別条件レコードが適用される順番が定義されます。

o [例]

特性 "製品グループ" に依存する追加料金パーセントを定義する必要があります。また、同時に、特定の個別製品に対して特別な追加料金パーセントを定義する必要があると仮定します。特殊な製品に家呂が定義されない場合は、対応する製品グループに対して追加料金が適用されます。つまり、個別製品の追加料金は、製品グループに対する追加料金よちも優先度が高くなります。これを行うためには、特性 "製品グループ" と特性 "製品" の 2 つ

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に対する条件テーブルを登録しなければなりません。そのあと、初めに条件テーブル "製品" を (このテーブルを優先させるため)、次に条件テーブル "製品グループ" を検索する検索順序 "ZZ01" を登録します。この検索順序を条件タイプに割り当てると、それ以降は対応する条件レコードで更新することができます。

概要: 検索順序 条件テーブル -------------------------------------- "ZZ01" 製品 製品グループ

1.3 収益性分析における条件タイプの定義前のセクションに記載された設定により、さまざまな条件タイプを数多く定義することができます。このセクションでは、収益性分析における条件タイプに対して可能なすべての組合せの設定に関する概要を記載しており、これらの組合せの使用方法を簡単な例を用いて説明します。以下の例は、条件タイプの定義に対するさまざまな可能性を示しており、これらの可能性が条件レコードの更新に及ぼす影響を説明することを目的としています。たとえば、ある例では割引率の定義方法を説明します。

収益基準での割引計算方法などの質問については、セクション 4 で回答します。

使用されている略称: Ctype 条件タイプ Calcr. 計算規則 C.cl. 条件クラス Ref. 参照基準 AccS. 検索順序

条件タイプ Ctype Calcr. C.cl. Ref. AccS. ------------------------------a) トレースファクタの定義 K B B - -

b) 品目マスタからの価格定義ba) 原価管理に応じた内部価格 G C B - -bb) 標準原価 S C B - -BC) 移動平均原価 T C B - -

c) 得意先マスタからの現金割引の定義 E A A - -

d) 追加料金/値引の % 定義da) スケールなし - A A - 真db) 金額スケール - A A B 真dc) 数量スケール - A A C 真

e) 数量依存追加料金/割引の定義ea) スケールなし - C A 真eb) 金額スケール - C A B 真ec) 数量スケール - C A C 真

f) 固定金額の定義fa) スケールなし - B B 真fb) 金額スケール - B B B 真fc) 数量スケール - B B C 真

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変更オプションと条件マスタ更新の設定は、上述のどの組合せでも定義することができます。

以下は、上述の条件タイプに対する例です。検索順序が使用可能な場合は、特性 "品目グループ" を使用する条件テーブルにアクセスすると想定しています。

o 例 (a)販売管理 (SD) から転送された収益に対する基準条件です。この条件タイプは、このあと、収益依存の追加料金/値引を計算する原価計算表で使用することができます。

o 例 (b)品目マスタから適切な価格が読み込まれます。たとえば、品目"M099312" の標準原価が 1 つ当たり 100,00 USD であるとします。この品目を 5 つ販売した場合、条件は値 500,00 USD となります。品目マスタで "次期標準原価" (会計ビューの項目 MBEW-ZKPRS) を定義している場合に、価格日付による評価を、この次期標準原価に属する "有効開始日付" (項目 MBEW-ZKDAT) より後に呼び出す場合は、この次期標準原価は CO-PA 評価に常に考慮されます。

o 例 (c)現金割引の割引率は、得意先マスタの支払条件から読み込まれます。支払条件が 14 日以内の支払で 3% の割引の場合は、割引率 3% と設定されます。

o 例 (da)品目グループ "312"、"313"、および "314" について、以下の条件レコードを更新することができます。

品目グループ 金額 数量単位 312 1 % (% は自動入力 313 2 % されます。) 314 1.5 % ....

これらの条件レコードは、たとえば、見込販売運賃の計算に使用されます。

o 例 (db)品目グループ "312" について、以下の金額スケールを定義することができます。

開始値 スケール通貨 金額 数量単位 10,000 USD 3 % 50,000 USD 3.5 %

これにより、発生する収益に応じた見込販売手数料を定義することができます。

o 例 (dc)品目グループ "312" について、以下の数量スケールを定義すること

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ができます。

開始数量 数量単位 金額 単位 10,000 USD 3 % 50,000 USD 3.5 %

これにより、販売数量に応じた見込割引を計算することができます。

o 例 (ea)品目グループ "312" に対して、以下の条件レコードを定義することができます。

品目グループ 金額 単位 個数 数量単位 312 1 USD 1 IT

これにより、梱包材に対する明細ごとに 1 USD を査定することができます。

o 例 (eb)品目グループ "312" に対して、以下の金額スケールを定義することができます。

開始値 通貨 金額 単位 個数 数量単位 100 USD 0.10 USD 1 IT 500 USD 0.20 USD 1 IT

o 例 (ec)品目グループ "312" について、以下の数量スケールを定義することができます。

開始数量 数量単位 金額 単位 個数 数量単位 1,000 PI 0.01 USD 1 IT 10,000 PI 0.03 USD 1 IT

o 例 (fa)品目グループ "312" に対して、以下の条件レコードを定義することができます。

品目グループ 金額 単位t 312 100 USD

o 例 (fb)品目グループ "312" について、以下の金額スケールを定義することができます。

開始値 スケール通貨 金額 数量単位 1000 USD 20 USD 5000 USD 30 USD

o 例 (fc)

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品目グループ "312" について、以下の数量スケールを定義することができます。

開始数量 数量単位 金額 単位 1,000 IT 50 USD 10,000 IT 70 USD

2. 条件ツールの個別構成要素間の関係これらの構成要素間の関係は、以下のように表すことができます。

原価計算表 | x----> 条件タイプ (N) | x----> 検索順序 (0 または 1) | x----> 条件テーブル (N) | x----> 条件レコード (N)

原価計算表は、条件を使用した評価の基本構造となります。これにより、条件を処理する順序が決定されます。1 つの検索順序を条件タイプに割り当てることができます。検索順序は、1 つ以上の条件テーブルを検索することができます。その一方で、条件テーブルは、1 つ以上の検索順序で使用されます。最終的に、各条件テーブルに対して任意の数 (N) の条件レコードを定義することができます。

3. 収益性分析のデータフローでの条件先に説明されているように、評価方針によって評価の実行方法が制御されます。これにより、条件を使用した評価も制御されます。この時点では、データが収益性分析で更新される際の、この評価方針 (およびその方針が含まれる原価計算表) が処理されるタイミングに関する疑問が残ります。

3.1 実績転記実績転記は CO-PA に転送される場合、最初にセンダ伝票 (受注または請求伝票) のデータがコピーされます。たとえば、収益性分析カスタマイジングで関連インタフェース (SD インタフェース) を定義した方法に応じて、販売組織または製品などの特性がセンダ伝票から CO-PA 明細にコピーされ、数量および金額は CO-PA 明細の数量および値項目に入力されます。次に、収益性分析にのみ関連する別の特性を追加するために誘導が行われます。そのあと、適切な評価方針が読み込まれ、そこで指定された評価方法(原価積上、原価計算表、またはユーザ Exit を使用した評価) が指定された順序で処理されます。最後に、新規明細が転記されます。

以下は、実績データが転記される過程を示した略図です。

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センダアプリケーションの伝票 | 特性のコピー | 金額/値のコピー | 誘導 | 評価 | 転記 | 収益性分析の明細

3.2 計画

計画の手順は、実績転記の手順と多少異なります。最初に、計画セッション時に計画レイアウトに入力されたデータが、計画明細にコピーされます。誘導も指定された特性に対して自動的に実行され、数量と金額が更新されます。しかし、計画での評価は、実績データとは異なり、自動的に実行されません。それをマニュアルで実行する必要があります。実行すると、対応する評価方針とプロセスが読み込まれ、そこに定義された評価ステップが処理されます。

計画におけるデータフローは、以下のように表されます。

計画セッションのデータ | 特性のコピー | 金額/値のコピー | 誘導 | 評価 (直接実行する場合) | 転記 | 収益性分析の計画明細

3.3 条件を使用した評価のデータ

この説明からわかるように、評価で使用される明細では、すべての特性と、すべての既知の数量および値を利用することができます。これにより、評価ではこの明細に追加値を追加することができます。評価時に、参照として利用可能な特性や値を検出するには (これは、分析対象のすべての特性に該当します)、実績転記に対して、関連インタフェースのカスタマイジングで設定された項目割当を分析する必要があります。計画では、計画レイアウトの項目を分析する必要があります。

4. "条件" テクニックを使用して管理条件を満たす方法

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前のセクションでは、主に "条件" テクニックの専門的な側面を説明しました。このセクションでは、収益性分析で、業務上および管理上の必要条件を満たす条件を使用する方法を説明します。

4.1 分析対象のグローバル設定

4.1.1 分析対象の項目

この例では、以下の項目を含む分析対象で作業します。

項目 内容説明 -------------------------- * 数量項目 VVIQT 販売単位の請求済数量 VVSQT 在庫単位の請求済数量 .... * 金額項目 VV010 収益 VV020 数量割引 VV030 得意先値引 VV040 品目値引 VV050 値引 VV060 その他割引 VV070 現金割引 VV110 見積運賃支払 VV120 梱包材 VV130 販売手数料 VV140 移転価格 .... * 特性 VKORG 販売組織 ARTNR 品目コード WERKS プラント ....

4.1.2 SD インタフェースの更新

以下の項目が請求伝票からコピーされます。

* SD 数量項目 -> CO-PA 数量項目 (トランザクション KE4M) ......................................................... FKIMG 請求済数量 -> VVIQT VME の請求済数量 FKLMG 請求済数量 LME -> VVSQT LME の請求済数量

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* SD 条件 --> CO-PA 値項目 (トランザクション KE4I) ......................................................... PR00 価格 VV010 収益 PI00 会社間請求価格 VV010 収益 KP00 パレット値引 VV020 数量割引 KP02 混合パレット割引 VV020 数量割引 BO03 得意先リベート VV030 得意先値引 K029 品目グループ VV040 品目値引 K004 品目 VV040 品目値引 K030 得意先/品目グループ VV050 値引 K020 価格グループ VV060 その他割引 SKTO 現金割引 VV070 現金割引 KF00 運賃 VV110 見積支払運賃 VPRS 費用 VV140 移転価格 ....

4.1.3 評価方針

評価方針 "001" を使用します。これは、原価積上を使用する評価に対して呼び出されます (トランザクション KE4U)。

順序番号 原価計算表 原価積上数量項目 Exit 番号 TP ------------------------------------------------------------ 10 X VVIQT

評価方針は、実際の請求伝票に対するレコードタイプ "F" に割り当てられます (トランザクション KE44)。

評価ポイント レコードTyp 計画ver. 評価方針 名称 ------------------------------------------------------------ 01 F 001 実績評価

4.2 条件を使用する評価の役割

内部振替価格は純売上から差し引かれます。純売上は、収益から得意先割引と値引を差し引いた金額になります。そのため、決定された金額は、販売手数料の計算基準となります。手数料は、異なる販売組織に応じて変更可能なパーセントである必要があります。また、個別販売組織内での特定の品目に対して手数料を個別に設定する必要があります。販売運賃は、内部振替価格のパーセントでプラントごとに個別に計算する必要があります。販売数量に応じて、出荷梱包費の付加原価もプラントごとに計算する必要があります。特定の状況では、出荷梱包費が販売された品目に依存する場合もあります。

上述の必要条件を満たす条件を使用した評価の概念

4.3.1 必要条件の分析

初めに、セクション 4.2 の一覧にある必要条件で、以下の 3 つを設定する必要があります。

* 手数料

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* 販売運賃 * 出荷梱包費

手数料は、純売上と内部振替価格間の差異に基づいている必要があります。純売上は、総売上から得意先割引と値引差し引いたものです。販売運賃および出荷梱包費は、それぞれ内部振替価格および販売数量に基づいている必要があります。

したがって、条件を使用して定義する必要のある論理式は、以下のようになります。

行 要素 --------------------------------------------------------- 10 収益 20 % 得意先割引 30 % 値引 ------------------------------------------ 40 純売上 ------------------------------------------ 50 % 内部振替価格 ------------------------------------------ 60 手数料の基準 ------------------------------------------ 100 手数料 = パーセント/100 * 行 60

300 出荷梱包費 = 金額 * 販売数量 310 販売運賃 = パーセント/100 * 行 50

請求伝票を登録する際に、収益、得意先割引、値引、および内部振替価格が販売管理 (SD) から収益性分析に転送されます。収益性分析では、上述の行40、60、100、300、および 310 が計算されて、行 100、300、および 310が関連値項目からコピーされなければなりません。

4.3.2 条件を使用した評価のコンセプト

条件を使用した上述の計算を定義可能にするため、各行に対して条件タイプを定義する必要があります。ただし、条件タイプなしで計算可能な合計行40 と 60 を除きます。先に説明されているように、原価計算表は条件を使用して処理する際のフレームワークとなります。原価計算表では、個別条件の計算方法や他の条件への関連方法などが設定されます。

したがって、個別計算行を条件タイプ別に表示する原価計算表を定義する必要があります。

以下は、上述の計算を定義する原価計算表 "ACT001" のレイアウトになります。

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Step カウンタ 条件タイプ 内容説明 開始 終了 ----------------------------------------------------------- 10 0 REVN 収益 0 0 20 0 DISC 得意先値引 0 0 30 0 DISP 値引 0 0 40 0 純売上 10 30 50 0 COGS 内部振替価格 0 0 60 0 手数料基準 40 50 110 0 PROV 手数料 60 0 300 0 OUPA 出荷梱包費 0 0 310 0 OUTF 販売運賃 50 0

必要条件に応じて、手数料は特性 "販売組織" と "品目"に基づいて決定されます。上述の特性に応じて、条件 PROV に対する条件レコードを更新可能にするために、検索順序 Z100 を定義する必要があります。条件レコードは、2 つの異なる組合せ "販売組織のみ" と "販売組織/品目" で設定しなければならないため、以下の A502 (特性 "販売組織" と "品目") および A503(特性 "販売組織") の 2 つの条件テーブルを定義する必要があります。

概要: 条件タイプ 検索順序 条件テーブル ---------------------------------------------- PROV Z100 A502 A503

出荷梱包費は、プラントまたはプラントと品目の組合せに応じて設定され、販売商品数量に依存している必要があります。ここでも 2 つの条件テーブル A505 (特性 "プラント/品目") および A506 (特性 "プラント") が必要になります。これらのテーブルは、検索順序 Z200 でアクセスされます。

概要: 条件タイプ 検索順序 条件テーブル ---------------------------------------------- OUPA Z200 A505 A506

出荷梱包費は、プラントごとに設定される必要があります。このため、特性"プラント" で条件テーブルを検索する検索順序 Z300 が必要になります。条件テーブルはさまざまな検索順序に使用される可能性があるので、前のステップで定義したテーブル A506 を使用することができます。

概要: 条件タイプ 検索順序 条件テーブル ---------------------------------------------- OUTF Z300 A506

条件 REVN、DISC、DISP、および COGS は、他の条件を計算する基準となるため、基本条件と呼ばれます。これらの条件に対して、検索順序は必要ありません。SD 請求伝票から転送される条件値がこれらの条件の基となります。

このため、これらの条件は、CO-PA 明細の対応する値項目を示す必要があります。したがって、条件は以下のように割り当てられます。

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SAP ノート番号 62536 - 情報: 収益性分析での条件

条件 (CO-PA) ----> 値項目 ----------------------------------------------------- COGS 内部振替価格 VV140 内部振替価格 DISC 得意先値引 VV030 得意先値引 DISP 値引 VV050 値引 OUPA 出荷梱包費 VV120 出荷梱包費 OUTF 販売運賃 VV110 見積販売運賃 PROV 手数料 VV130 販売手数料 REVN 収益 VV010 収益

条件 COGS、DISC、DISP、および REVN は、SD 条件と同様に値項目の収益、得意先値引、値引、および内部振替価格に割り当てられます (セクション4.1.2 参照)。請求伝票を転記する際、SD 条件値はこれらの CO-PA 値項目にコピーされます。CO-PA 条件は同じ値項目を参照するため、SD 条件値をCO-PA 原価計算表でも使用可能になります。つまり、請求伝票からの SD 条件と CO-PA で定義した条件は直接関係しています。

-----------------------------------------データフロー: SD 条件 ---> 値項目 ---> CO-PA 条件 ----------------------------------------- 例: PR00 ---> VV010 ---> REVN -----------------------------------------

条件 "OUPA" (出荷梱包費) は数量依存であり、販売単位の請求済数量として定義されます。この例では、数量項目 "VVIQT" になります (セクション4.1.2 参照)。

4.3.3 条件ツールを使用したコンセプトの認識

収益性分析のカスタマイジングには、条件ツールの個別要素を更新するための特殊な機能があります。セクション 2 で説明された原価計算表、条件タイプ、検索順序、および条件テーブル間の関係に注目してください。ここでは、必要な条件の確認時に "トップダウン式" に処理することをお奨めします。つまり、検索順序の前提条件である条件テーブルを最初に登録する必要があります。検索順序を定義してから条件タイプを定義し、そのあと、最終的にこれらを原価計算表でまとめることができます。

4.3.3.1 条件テーブルの定義----------------------------

IMG アクティビティ "更新: 条件テーブル" を使用して、以下のテーブルを登録してください。

テーブル 502 条件テーブル "販売組織/品目"

選択済項目 選択項目 (項目カタログ) ------------------------------------------------ キーワード (長) キーワード (長) 販売組織 ABC 区分 ---> 品目 ABC 分類 受注理由 数量リベートグループ ....

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テーブル 503 条件テーブル "販売組織"

選択済項目 選択項目 (項目カタログ) ------------------------------------------------ キーワード (長) キーワード (長) ---> 販売組織 ABC 区分 ABC 分類 受注理由 数量リベートグループ ....

テーブル 505 条件テーブル "プラント/品目"

選択済項目 選択項目 (項目カタログ) ------------------------------------------------ キーワード (長) キーワード (長) ---> プラント ABC 区分 ---> 品目 ABC 分類 受注理由 数量リベートグループ ....

テーブル 506 条件テーブル "プラント"

選択済項目 選択項目 (項目カタログ) ------------------------------------------------ キーワード (長) キーワード (長) ---> プラント ABC 区分 ABC 分類 受注理由 数量リベートグループ ....

4.3.3.2 検索順序の定義------------------------

IMG アクティビティ "定義: 検索順序" を使用して、必要な検索順序を登録することができます。

検索順序 Z100 内部販売手数料

番号 Tab テキスト 限定条件 検索中止 ------------------------------------------------------------ 1 502 販売組織/品目 X 2 503 販売組織

基本的には、検索条件は上から下にかけて緩くなります。言い換えると、多くの特性を指定するテーブルが、少ない特性を指定するテーブルより番号が小さくなります。検索条件をここで定義する必要はありません (セクション 6 参照)。

検索順序内の条件タイプに対し適切な条件レコードが検出されたあとで、それ以上レコードが選択されないようにするため、"検索中止"フラグを設定する必要があります。このため、指定された販売組織と品目の組合せに対する条件レコードが検出された場合は、このレコードが使用され、"販売組織" 条件テーブルの適切な条件レコードの検索が中止されます。フラグ "検索中止" を設定しない場

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合は、両方の条件テーブルで条件レコードが検索され、検出されたすべてのレコードが追加される可能性があります。これは、好ましい結果ではありません。

検索順序の名称を入力し、条件テーブルを選択したあとで、検索順序を保存してください。

この検索に対する項目は、次のようになります。

検索 Z100 1 内部販売手数料 テーブル 502

条件 伝票構成 伝票項目 項目テキスト (長) 定数のソース Init ----------------------------------------------------------------- VKORG KOMK VKORG 販売組織 MATNR KOMP MATNR 品目

検索 Z100 2 内部販売手数料 テーブル 503

条件 伝票構成 伝票項目 項目テキスト (長) 定数のソース Init ----------------------------------------------------------------- VKORG KOMK VKORG 販売組織

検索用の項目は、自動的に割り当てられます。したがって、これらを更新する必要はありません。条件テーブル 502 で選択した特性 "販売組織" と"品目" が 条件レコードのキー項目として使用されることを確認してください。

検索時に事前定義した値が項目に入力される場合、または項目が空白の状態でも条件テーブルで検索される必要がある場合は、項目 "特定値" および"初期値" にエントリを入力することができます。通常は、これらの項目を空白の状態にしておくことができます。

この例では、以下の検索順序も必要になります。

検索順序 Z200 出荷梱包費 -------------------------------------------------------------- 番 Tab テキスト 限定条件 検索中止 1 505 プラント/品目 X 2 506 プラント

検索順序 Z200 販売運賃 -------------------------------------------------------------- 番 Tab テキスト 限定条件 検索中止 1 506 プラント

4.3.3.3 条件タイプの定義--------------------------

条件タイプ "REVN"、"DISC"、および "DISP" は請求伝票からコピーされ、純売上計算の基準となります。このため、これらの条件に対して条件レコードを更新する必要はありません。代わりに、セクション 1.3 で説明されて

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いるとおり、これらを基準条件タイプとして定義する必要があります。条件タイプは、次のようになります。

o 条件タイプ REVN 収益検索順序

制御パラメータ:条件カテゴリ K 消費税抜基準額計算タイプ B 固定額条件クラス B 価格

スケール基準

変更可能区分/マスタデータ: (不要)

o 条件タイプ DISC 得意先値引検索順序

制御パラメータ:条件カテゴリ K 消費税抜基準額計算タイプ B 固定額条件クラス B 価格

スケール基準

変更可能区分: (不要)

マスタデータ:貸借フラグ X (否定的)

得意先値引 (DISC) は収益 (REVN) から差し引かれます。そのため、マイナス (否定的) でなければなりません。

o 条件タイプ DISP 値引検索順序

制御パラメータ:条件カテゴリ K 消費税抜基準額計算タイプ B 固定額条件クラス B 価格

スケール基準

変更可能区分: (不要)

マスタデータ:貸借フラグ X (否定的)

値引 (DISP) は収益 (REVN) から差し引かれます。そのため、マイナス (否定的) でなければなりません。

条件タイプ "COGS" (内部振替価格) は、手数料に使用される基準を

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決定する基準になります。内部振替価格は請求伝票から自動的にコピーされます。そのため、条件レコードを更新する必要はありません。代わりに、この条件タイプも基準条件タイプとして定義してください。

o 条件タイプ COGS 内部振替価格検索順序

制御パラメータ:条件カテゴリ K 消費税抜基準額計算タイプ B 固定額条件クラス B 価格

スケール基準

変更可能区分: (不要)

マスタデータ:貸借フラグ X (否定的)

内部振替価格 (COGS) は純売上から差し引かれます。そのため、マイナス (否定的) でなければなりません。

条件タイプ "PROV"、"OUPA"、および "OUTF" は、上述の条件か合計 (純売上または手数料の基準) のどちらかを基準として追加料金/割引を計算するために使用されます。そのため、これらの条件タイプを追加料金/割引条件として定義し、関連するレコードを登録できるように検索順序を入力する必要があります。

o 条件タイプ PROV 手数料検索順序

制御パラメータ:条件カテゴリ計算タイプ A %条件クラス A 値引/追加料金

スケール基準

変更可能区分/マスタデータ: (不要)

o 条件タイプ OUPA 出荷梱包費検索順序 Z200 出荷梱包費

制御パラメータ:条件カテゴリ計算タイプ C 数量条件クラス A 値引/追加料金

スケール基準

変更可能区分/マスタデータ: (不要)

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o 条件タイプ OUTF 販売運賃検索順序 Z300 販売運賃

制御パラメータ:条件カテゴリ計算タイプ A %条件クラス A 値引/追加料金

スケール基準:

変更可能区分/マスタデータ: (不要)

4.3.3.4 条件レコードの更新----------------------------

条件タイプを更新する際に、条件レコードを直接更新することができます。更新する条件レコードは、適切な検索順序に入力された条件テーブルに使用されます。

o 条件タイプ "PROV"

特性組合せ "販売組織/品目" の条件レコード(条件テーブル A502)

有効期間 12/09/1996

販売組織 品目 金額0001 CK-700 チョコレート 10.000 %0001 CK-710 バニラワッフル 12.000 %....

特性組合せ "販売組織" の条件レコード (条件テーブル A503)

有効期間 12/09/1996

販売組織 金額0001 販売組織 DE 2.000 %0001 販売組織 USA 4.000 %....

o 条件タイプ "OUPA"

特性組合せ "プラント/品目" の条件レコード(条件テーブル A505)

有効期間 12/09/1996

プラント 品目 金額 単位 個数 数量単位1000 CK-700 チョコレート 4.00 USD 1 PAC1000 CK-710 バニラワッフル 3.90 USD 1 PAC....

特性組合せ "プラント" の条件レコード (条件テーブル A506)

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有効期間 12/09/1996

プラント 金額 単位 個数 数量単位1000 ハンブルク 1.50 USD 1 PAC....

o 条件タイプ "OUTF"

特性組合せ "プラント/品目" の条件レコード(条件テーブル A505)

有効期間 12/09/1996

プラント 金額1000 ハンブルク 2.000 %1100 ベルリン 4.000 %1200 ドレスデン 8.000 %1300 カールスルーエ 5.000 %....

4.3.3.1 原価計算表の定義----------------------------

条件タイプと対応する条件レコードを更新すると、IMG アクティビティ "更新: 原価計算表" を使用して、原価計算表を登録することができます。ここでは、セクション 4.3.2 で説明された原価計算表をコピーすることができます。

原価計算表 "ACT001"

Step カウンタ 条件タイプ 内容説明 開始 終了 ----------------------------------------------------------- 10 0 REVN 収益 0 0 20 0 DISC 得意先値引 0 0 30 0 DISP 値引 0 0 40 0 純売上 10 30 50 0 COGS 内部振替価格 0 0 60 0 手数料基準 40 50 110 0 PROV 手数料 60 0 300 0 OUPA 出荷梱包費 0 0 310 0 OUTF 販売運賃 50 0

ステップ番号により、条件が読み込まれ、処理される順番が決定されます。1 つのステップで複数の条件を使用する必要がある場合は、列 "カウンタ"が必要となります。項目 "開始" および "終了" を使用して、指定されたステップの値を計算する基準として使用するステップを設定することができます。項目 "開始" および "終了" の値を入力すると、指定された 2 つのステップの条件値と、その間にあるすべてのステップの条件値が追加されます。この場合は、この合計がステップの値を計算する基準になります。

条件 "REVN"、"DISC"、および "DISP" は SD 請求伝票からの基本条件であるため (セクション 4.3.3.6 参照)、原価計算表の別のステップを参照する必要はありません。これは、条件 "売上原価" にも該当します。ステップ 40 では、純売上がステップ 10 から 30 までの合計として計算されます。条件タイプ "DISC" および "DISP" は - 符号で定義されるので、

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純売上は次のように計算されます。

REVN - DISC - DISP = 純売上

ステップ 50 には、- 符号の内部振替価格 ("COGS") があります。行 "手数料の基準" は、ステップ 40 と 50 の合計です。

純売上 - COGS = 手数料の基準

手数料 ("PROV") は、ステップ 60 に基づいて計算されます。たとえば、販売組織 "0001" と品目 "CK-700" の割合が 10% である場合、ステップ 110で次の金額が計算されます (セクション 4.3.3.4 参照)。

PROV = 手数料の基準 * 10/100

出荷梱包費 ("OUPA") は数量に応じて決定されます。条件値を計算する基準は、条件ではなく数量項目であるため、他のステップを参照する必要はありません。原価計算表を評価方針に割り当てる際に、数量依存条件値の計算の基準に使用する数量項目を指定する必要があります (セクション 4.3.3.7参照)。品目 "CK-700" のうち 2 PAC (梱包) のみがプラント "1000" から販売されると想定する場合は、金額 4 USD/PAC の条件レコードが使用されます。したがって、次の金額が計算されます。

OUPA = 2 PAC * 4 USD/PAC = 8 USD

販売運賃 ("OUTF") は、マイナスの内部振替価格 (ステップ 50) に基づいて計算されます。たとえば、プラント "1000" では次のように計算されます。

OUTF = ( - 内部振替価格) * 2/100

4.3.3.6 条件の値項目への割当------------------------------

請求伝票から基本条件に値をコピーし、計算した条件を CO-PA 明細の値項目にコピーできるようにするため、CO-PA 条件タイプを、対応する CO-PA値項目に割り当てる必要があります。CO-PA 条件が (SD インタフェースの)対応する SD 条件と同じ値項目に割り当てられるように、この割当を実行する必要があります。IMG アクティビティ "割当: 値項目" で、基準条件に対する元項目となる分析対象の値項目と、原価計算表で計算された値に対する対象項目を定義します。

この例に必要な割当は、セクション 4.3.2 に説明されています。これは、変更を行うことなくコピーすることができます。

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条件 (CO-PA) <----> 値項目 ----------------------------------------------------- COGS 内部振替価格 VV140 内部振替価格 DISC 得意先値引 VV030 得意先値引 DISP 値引 VV050 値引 OUPA 出荷梱包費 VV120 出荷梱包費 OUTF 販売運賃 VV110 見積販売運賃 PROV 手数料 VV130 販売手数料 REVN 収益 VV010 収益

4.3.3.7 評価方針に対する原価計算表の入力------------------------------------------

評価全体は、評価方針で制御されます。条件を使用する評価は、評価方針で原価計算表が入力されるまで有効化されません。

この例では、評価方針 001 で原価計算表 ACT001 のエントリを追加する必要があります。項目 VVIQT (販売単位の請求済数量) を数量項目として割り当てます。これにより、請求済数量を条件タイプ "OUPA" (出荷梱包費) の計算の基準として使用することができます。

順序番号 原価計算表 原価積上 数量項目 Exit 番号 TP ------------------------------------------------------------ 10 X VVIQT 20 ACT001 VVIQT

この評価方針に従って、製品原価見積が読み込まれたあとに、原価計算表ACT001 が処理されます。原価計算表で数量依存の条件タイプを使用する場合は、常に数量項目を原価計算表に割り当てる必要があります。

4.4 例のデータフローと評価

このセクションでは、SD 請求伝票からのデータが収益性分析で更新され評価される方法を具体的な例を用いて説明します。

請求伝票は、以下のように読み込まれます。

---------------------------------------------------------------------販売組織: 0001流通チャネル: 01部門 05---------------------------------------------------------------------

明細 10 には、次の条件値の品目 "CK-701" が 1 PCA (= 10 IT) あります。

---------------------------------------------------------------------Ctyp Name 金額 通貨 個数 UoM ConValPR00 価格 10.00 USD 1 IT 100.00 USD 総量 10.00 USD 1 ITK030 得意先/品目グループ 5.000- % 5.00- USDBO03 得意先リベート 6.000- % 6.00- USD....VPRS 原価 4.00 USD 1 IT 40.00 USD

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---------------------------------------------------------------------

ここに一覧表示された特性に加えて、SD インタフェースの値項目割当に応じて、以下の項目が収益性分析明細に転送されます。

評価前の CO-PA 明細---------------------

特性 名称 値 ----------------------------------------------- VRGAR レコードタイプ F VKORG 販売組織 0001 VTWEG 流通チャネル 01 SPART 部門 05 ARTNR 製品 CK-701 KNDNR 得意先 900687 WERKS プラントt 1000 ....

項目 名称 値 単位 --------------------------------------------------------- VVIQT VME の請求済数量 1 PAC VVSQT LME の請求済数量 10 IT

VV010 収益 100.00 USD VV030 得意先値引 6.00 USD VV050 値引き 5.00 USD .... VV110 得意先基準販売運賃 0.00 USD VV120 出荷梱包費 0.00 USD VV130 営業員手数料 0.00 USD VV140 内部振替価格 40.00 USD

CO-PA 条件タイプへ CO-PA 値項目を割り当てる行では、評価が実行される前に、個別条件は次の値で入力されます。

条件タイプ 名称 値項目 値 ------------------------------------------------------------ REVN 収益 <--- VV010 100.00 DISC 得意先値引 <--- VV030 6.00 DISP 値引 <--- VV050 5.00 COGS 内部振替価格 <--- VV140 40.00 PROV 手数料 <--- VV130 0.00 OUPA 出荷梱包費 <--- VV120 0.00 OUTF 販売運賃 <--- VV110 0.00

値 1 PAC を含む数量項目 VVIQT は、原価計算表 ACT001 に割り当てられます。

そのあと、以下の計算が原価計算表 ACT001 の個別ステップで行われます。

ステップ カウンタ 条件タイプ 名称 開始 終了 ステップ ステップ -------------------------------------------------------------- 10 0 REVN 収益 0 0

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1. 条件タイプ "REVN" は基準条件です。条件レコードの読込や計算は行われません。"REVN" には "VV010" から得た値 100.00 USD があります。

20 0 DISC 得意先値引 0 0

2. 条件タイプ "DISC" は基準条件です。条件レコードの読込や計算は行われません。"DISC" には "VV030" から得た値 -6.00 USD があります。条件タイプがマイナスで定義されているため、金額はマイナスです (セクション 4.3.3.3 参照)。

30 0 DISP 値引 0 0

3. 条件タイプ "DISP" は基準条件です。条件レコードの読込や計算は行われません。"DISP" には "VV050" から得た値 -5.00 USD があります。条件タイプがマイナスで定義されているため、金額はマイナスです (セクション 4.3.3.3 参照)。

40 0 純売上 10 30

4. 純収益はステップ 10 から 30 の合計です。したがって、ステップ 10から 30 までの値が追加されます。

+-----------------------------------+ ステップ 値 10 100.00 USD 20 6.00- USD 30 5.00- USD

合計 40 純売上 89.00 USD

+-----------------------------------+

50 0 COGS 内部振替価格 0 0

5. 条件タイプ "COGS" は基準条件です。条件レコードの読込や計算は行われません。"COGS" には "VV140" から得た値 -40.00 USD があります。条件タイプがマイナスで定義されているため、金額はマイナスです (セクション 4.3.3.3 参照)。

60 0 手数料の基準 40 50

6. 手数料の基準は、ステップ 40 と 50 の合計です。したがって、ステップ 40 から 50 までの値が追加されます。

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+-----------------------------------+ ステップ 値 40 89.00 USD 50 40.00- USD

合計 60 手数料の基準 49.00 USD

+-----------------------------------+

110 0 PROV 手数料 60 0

7. 条件タイプ "PROV" は追加料金です。条件レコードを検索するために検索順序 Z100 が読み込まれます。この明細には、特性 "販売組織" に対する値 0001 と品目に対する値 CK-701 が含まれています。検索順序 Z100 に従って、初めに条件テーブル A502 で条件レコードが検索されますが、販売組織 0001 と品目 CK-701 の組合せに対するエントリは存在しません。このため、検索順序の第二条件テーブル (A503)で有効な条件が検索されます。ここでは販売組織 0001 に対して 2.000%のパーセントが検出されるため、この値が使用されます (セクション4.3.3.4 参照)。条件タイプ "PROV" はステップ 60 の行 "手数料の基準" を参照します。このため、手数料の基準に条件レコードの値が採用され、次のように支払われます。

+----------------------------------------------------+ 手数料の基準 * パーセント = PROV 49.00 USD * 2/100 = 0.98 USD +----------------------------------------------------+

300 0 OUPA 出荷梱包費 0 0

8. 条件タイプ "OUPA" は数量依存の追加料金です。条件レコードの検索には検索順序 Z200 が使用されます。明細にはプラント 1000 と製品CK-701 が含まれています。検索順序 Z200 に従って、初めに条件テーブル A505 で条件レコードが検索され、プラント 1000 と製品 CK-701 に対して 3.90 USD/PAC が検出されます。検索順序の第二条件テーブル (A506) にもプラント 1000に対する条件レコードが存在するにもかかわらず、フラグ "検索中止"が有効化されているため、テーブルは検索されません (セクション4.3.3.2 参照)。条件タイプ "OUPA" には参照ステップがありません。条件タイプは数量に応じて定義されたため、数量項目 VVIQT は基準として使用されます。

+-----------------------------------------------------+ VME の請求済数量 * 金額 = OUPA 1 PAC * 3.90 USD/PAC 3.90 USD +-----------------------------------------------------+

310 0 OUTF 販売運賃 50 0

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9. 条件タイプ "OUTF" は追加料金です。条件レコードは検索順序 Z300 を使用して検索されます。明細にはプラント 1000 が含まれます。検索順序 Z300 に従って、初めに条件テーブル A506 で条件レコードが検索されます。プラント 1000 に対して値 2% が検出されます (セクション 4.3.3.4 参照)。条件タイプ "OUTF" では、ステップ 50 "COGS 内部振替価格" が参照ステップとして使用されます。これは、検出されるパーセントが条件タイプ COGS に使用されることを意味します。これにより、以下のように計算されます。

+---------------------------------------------------+ 内部振替価格 * パーセンテージ = OUTF 40.00- USD * 2/100 = 0.80- USD +---------------------------------------------------+

検索順序で条件レコードが検出されない場合は、自動的に値 "0" が使用されることに注意してください。エラーメッセージは表示されません。このため、例では内部振替価格が 0% で乗算され、"OUTF" の値が 0.00 USD となります。

すべての計算が実行されると、原価計算表には以下の値が含まれます。

Step カウンタ 条件タイプ 内容説明 値 ------------------------------------------------------------- 10 0 REVN 収益 100.00 USD 20 0 DISC 得意先値引 6.00- USD 30 0 DISP 値引 5.00- USD 40 0 純売上 89.00 USD 50 0 COGS 内部振替価格 40.00- USD 60 0 手数料の基準 49.00 USD 110 0 PROV 手数料 0.98 USD 300 0 OUPA 出荷梱包費 3.90 USD 310 0 OUTF 販売運賃 0.80- USD

条件が値項目に割り当てられる方法に従って、計算された条件値は明細に書き込まれます (セクション 4.3.3.6 参照)。基準条件 (この例では条件タイプ "REVN"、"DISC"、"DISP"、および "COGS") は明細に書き込まれないので注意してください。これらの条件タイプに対して、値項目割当によってそれらの値の書込元の項目が定義されます。

評価後の CO-PA 明細------------------------------------

特性 名称 値 -------------------------------------------- VRGAR レコードタイプ F VKORG 販売組織 0001 VTWEG 流通チャネル 01 SPART 部門 05 ARTNR 製品 CK-701 KNDNR 得意先 900687 WERKS プラントt 1000 ....

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項目 名称 値 単位 --------------------------------------------------------- VVIQT VME の請求済数量 1 PAC VVSQT LME の請求済数量 10 PI

VV010 収益 100.00 USD VV030 得意先値引 6.00 USD VV050 値引き 5.00 USD .... VV110 得意先基準販売運賃 0.80- USD VV120 出荷梱包費 3.90 USD VV130 営業員手数料 0.98 USD VV140 内部振替価格 40.00 USD

最終的に、明細は収益性分析に転記されます。

5. 条件ツールの使用方法: 推奨

セクション 4 に記載された例にあるように、収益性分析で条件を使用して評価を設定するために必要なカスタマイジングアクティビティを実行する方法については、以下の方法を推奨しています。

+------------------------------------------------------------------+

I. 条件テーブルの定義

II. 検索順序の定義

III. 条件タイプの定義

IV. 条件レコードの更新

V. (必要な条件タイプを任意の順番で入力して) 原価計算の定義

VI. 値項目への条件の割当

VII. 評価方針への原価計算表の登録

+------------------------------------------------------------------+

この順番は、経験の浅いユーザに対するオリエンテーションを目的とした推奨です。IMG アクティビティは必ずしも階層である必要はないため、条件ツールを使用して作業する方法を確立するのは最終的にユーザ次第になります。

6. 追加機能と特殊機能

このセクションでは、カスタマイジングで利用可能な、しかし例では不要な一部の機能と特殊機能について説明します。

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6.1 条件レコードの削除

不要な条件レコードを削除することができます。削除後、条件レコードは無効となり、評価の対象外となります。ただし、次の再編成が実行されるまで、条件レコードはシステム上に残ります。

o 条件レコードを削除方法

条件レコードを削除するには、IMG アクティビティ "更新: 条件タイプ" を使用して条件タイプの詳細画面にアクセスします。ここで "条件レコード" を選択すると、その条件タイプに対するすべての条件レコードが表示されます。機能 "編集 -> 削除" を使用して、個別レコードを削除します。画面に表示される "L" は、から条件レコードが無効になり、使用されなくなったことを表します。誤って条件レコードを削除してしまった場合は、"編集 -> 元に戻す" を選択して、そのレコードを復元させてください。ご使用のシステムで次の再編成が実行されるまでは、再有効化は可能です (実行後は不可能です)。

o 条件レコードの再編成方法

条件レコードを無効化した場合は、再編成を実行してこのレコードをシステムから削除することができます。これには、アーカイブ管理にあるアーカイブオブジェクト "SD_COND" を使用します (トランザクション "SARA")。収益性分析に対する条件レコードを再編成するためには、アーカイブファイルの生成時に、用途 "A" とアプリケーション "KE" の条件レコードを選択する必要があります。アーカイブに関する情報は、トランザクション "SARA" 用のオンライン文書を参照してください。

6.2 検索順序の条件

ここの "条件" では、特定の条件タイプが検索されない条件を決定します。

このような条件は、トランザクション VOFM でメニュー "限定条件-> 価格設定" を使用して定義します。収益性分析用のアプリケーション "KE" を入力します。このあと、ソースコードを更新することができます。

[例]ルーチン 602 を、販売組織 1000 の条件テーブルだけを検索しないように設定すると、次のようになります。

form kobev_602. sy-subrc = 4. check komk-vkorg ne '1000'. sy-subrc = 0.endform.

これにより、項目 VKORG = 値 "1000" の場合は Sy-Subrc <> 0 になるため、条件は検索されません。その他すべての値に対してはSy-Subrc = 0 になるので、検索は実行されます。

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SAP ノート番号 62536 - 情報: 収益性分析での条件

6.3 条件用レコード

機能 "条件用レコード" は、条件タイプの詳細画面で利用可能です。この機能により、検索順序に対するすべての条件レコードが一覧表示されます。

[例]"検索用レコード" は、第 4 章の例の条件タイプ "PROV" に対して一覧表示されます。

テーブル 502 ------------------------ 販売組織 品目 有効開始日 有効終了日 -------------------------------------------- 0001 CK-700 01/01/1996 12/31/9999 0001 CK-710 01/01/1996 12/31/9999 ....

テーブル 503 ------------------------ 販売組織 有効開始日 有効終了日 --------------------------------- 0001 01/01/1996 12/31/9999 0002 01/01/1996 12/31/9999 1000 08/01/1996 12/31/9999 ....

レコード "販売組織 = 0001" に関する詳細を条件テーブル "503" で検索すると、以下の追加情報が得られます。

販売組織 名称 0001 販売組織 DE ------------------------- 有効開始日 01/01/1996 有効終了日 12/31/9999 ---------------------------------------- 条件タイプ 金額 数量単位 L PROV 手数料 2.000 %

6.4 条件分析

収益性分析において、計画転記または実績転記に対してデータをマニュアルで入力する場合は、機能 "条件分析" を使用することができます。ここでは、有効なすべての条件の一覧と、条件値が検出される概要が表示されます。

特に、以下についての情報を得ることができます。

o 有効な条件レコードの有無

o 検索の実行の有無

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SAP ノート番号 62536 - 情報: 収益性分析での条件

o 前提条件に満たないため条件レコードが無視されたかどうか

[例]

次の例では、セクション 4 と同じデータが使用されます。請求伝票からの特性と値が、トランザクション KE21 (明細登録) にマニュアルで登録されています。画面 "値項目" から機能 "条件分析" を呼び出すと、以下が表示されます。

明細 1 USD 正味値 値項目 1 PAC 品目 CK-701

条件type 名称 金額 通貨 個数 UoM Con.value(USD) ---------------------------------------------------------------- REVN 収益 100.00 DISC 得意先値引 6.00- DISP 値引 5.00- 純売上 89.00 USD 1 PAC 89.00 COGS 内部振替価格 40.00- 手数料の基準 49.00 USD 1 PAC 49.00 PROV 手数料 2.000 % 0.98 OUPA 出荷梱包費 3.90 USD 1 PAC 3.90 OUTF 販売運賃 2.000 % 0.80-

機能 "分析" により、より詳細な情報が表示されます。

条件タイプ 注記 ---------------------------------------------------------------- REVN 収益 207 当該条件あり (条件レコードなし) DISC 得意先値引 207 当該条件あり (条件レコードなし) DISP 値引 207 当該条件あり (条件レコードなし) 純売上 200 小計 COGS 内部振替価格 207 当該条件あり (条件レコードなし) 手数料の基準 200 小計 PROV 手数料 208 当該条件レコードあり OUPA 出荷梱包費 208 当該条件レコードあり OUTF 販売運賃 208 当該条件レコードあり

これで、"PROV" などの個別条件の詳細を表示することができます。

番号 注記 ------------------------------------------------------------- 01 109 条件レコードなし 02 208 当該条件レコードあり

左側には検索番号が表示されます。例では、条件レコードは第二条件テーブルでのみ検出されました。番号 02 に対して機能 "詳細" を選択すると、条件テーブルで条件レコードの検索に使用された特性や項目が照会されます。

条件項目 伝票項目 値 ------------------------------------------------------------ A503-VKORG KOMK-VKORG 0001 KOMK-PRSDT 12/10/1996

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完了キーが使用されます。これにより、条件分析を使用して、条件レコードが検出された過程を参照することができます。

6.5 条件一覧

利用可能な条件レコードの概要を確認する必要がある場合は、条件一覧を登録することができます。条件一覧には、さまざまな基準に基づいた条件レコードからの情報が一覧表示されます。

たとえば、条件一覧で以下を確認することができます。

o 特定の国または地域において、特定の得意先グループおよび製品範囲に大して利用可能な条件レコード

o 運賃に対して存在する条件レコード

6.6 評価を使用した値項目の入力

6.6.1 複数の原価計算表

同じ評価方針で複数の原価計算表を使用することができます。条件値を値項目に転送する際、複数の条件タイプがすべて同じ値項目に割り当てられている場合は、それらの条件タイプは 1 つの値項目に合計されることに注意してください。これは、条件タイプが別の原価計算表から割り当てられる場合にも該当します。

6.6.2 複数の評価方法

評価ステップでは、値項目は空白の場合にのみ入力されます。そのため、評価を使用して請求伝票の値を上書きすることはできません。同様に、原価積上の値を原価計算表の値で上書きすることも、その逆も行うことはできません。原則として、値が "0" でない限り、センダ伝票の値またはマニュアルで入力された値は評価によって上書きされることはありません。ただし、計画は例外です。ここでは、評価された値は、マニュアルで入力された値よりも常に優先されます。異なる評価方法 (つまり、原価積上や条件) では、すでに入力された値項目(値 <> 0) が上書きされることも、またはそれらがすでに入力された値項目に追加されることもありません。値の追加は、同じ方法を使用する 2 つのステップ間、たとえば 2 つの原価計算表間でのみ可能となります。

6.7 SD の価格決定表を使用する計画評価

計画では、収益性分析で、販売管理 (SD) アプリケーションコンポーネントの価格設定表も使用することができます。これらは同じ技術構造を持ち、収益性分析の原価計算表と同様に機能します。価格設定表を使用するためには、評価方針でアプリケーションクラス "5" を入力してください。これにより、たとえば、品目価格を使用して (SD 条件タイプ "PR00")、CO-PA の計画データを評価することができます。これは、実績データには必要ありません。実績データには、SD インタフェー

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スの値項目割当に従って、条件値が請求伝票から直接コピーされるからです。

6.7.1 使用可能な SD 条件タイプ

SD で使用される検索順序は、収益性分析の特性とは異なる検索項目を含む条件テーブルを使用することがあるため、すべての SD 条件タイプを使用できるわけではありません。このため、SD 価格設定表を使用する前に、条件タイプに必要な項目が、使用する分析対象の特性でもあることを確認する必要があります。この条件が満たされなければ、これらが SD で定義されていても、条件レコードは検出されません。

6.7.2 値項目割当

SD インタフェースの実績データに対する値項目割当に従って、SD 条件はCO-PA 値項目に転送されます。

6.8 別の条件を参照する条件の登録別の条件を参照する条件を登録する場合は、参照条件の条件レコードが読み込まれ、その結果が生じるため、条件レコードが二度更新される必要はありません。条件と参照は同じ定義を持つ必要があります。検索順序のある条件に対する条件レコードへの検索を成功させるためには、以下の 2 つのケースを区別する必要があります。

6.8.1 参照条件が CO-PA 条件である場合

この場合は、参照条件の検索順序を新規条件の検索順序として入力してください。

6.8.2 参照条件が、たとえば SD 条件である場合

この場合は、SD 順序の検索順序はカスタマイズ不可であるため、SD 条件の検索順序を使用することはできません。これは、検索順序はアプリケーション依存するためです。ただし、カスタマイズが可能な場合は、対応する SD条件の検索順序と同じ定義の新規 CO-PA 検索順序を定義して、これを新規条件の検索順序として使用してください。

一般属性(ヘッダデータ)

リリースステータス: カスタマーリリースリリース日: 2002/03/21 13:37:03オリジナル言語: ドイツ語優先度: 推奨/追加情報カテゴリ: コンサルティングコンポーネント CO-PA 収益性分析

このノートはリリース非依存です。

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関連ノート

番号 タイトル420992 情報: CO-PA 条件の変更/レコードの削除420227 評価: 項目 'LAND1' と同じ条件タイプが入力されない354842 CO-PA valuation:problem for valuation w/ quantity 0354617 CO-PA: NTGEW、BRGEW、VOLUM に基づく評価330791 Performance of valuation with conditions323346 Valuation with conditions: Value not transferred168631 CO-PA: No valuation with price list type140056 No valuation with gross/net weight/volume II137067 No valuation with gross/net weight/volume I121675 CO-PA 評価: 条件レコードのコピー111232 情報: 分割評価品目に対する評価107284 条件にアクセスする時のパフォーマンスの改善84154 SD/CO PA: cash discnt from cust.master74486 INFO:CO-PA 用のコンサルティングノートの概要73477 計画評価: 価格設定条件が累計される70981 SD/CO-PA: SD 条件による計画評価68251 条件テーブルに項目がない62523 CO-PA: 製品階層による計画評価52849 INFO: +/- 符号を選択した条件の転送44766 Weight/volume-dependent condition records43882 原価計算表の条件値が加算されない