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GE Healthcare Instructions Amersham TM Amersham ECL Prime Western Blotting Detection Reagents RPN 2232 71-3410-31

Amersham ECL Prime Western Blotting Detection …...Instructions 71-3410-31 3 1 概要 GE ヘルスケア製Amersham ECL Primeウェスタンブロッティング検出試薬は、西洋ワサビペルオキシ

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GE Healthcare

Instructions AmershamTM

Amersham ECL Prime Western Blotting Detection Reagents

RPN 2232

71-3410-31

Instructions 71-3410-31 2

Table of contents 1 概要............................................................................................................................................................................... 3

2 ユーザー向けの重要情報 .................................................................................................................................... 5

3 取扱い .......................................................................................................................................................................... 6

4 コンポーネントと他の必要な材料...................................................................................................................... 7

5 ウェスタンブロッティングの改善方法 ................................................................................................................ 9

6 品質管理...................................................................................................................................................................13

7 プロトコール...............................................................................................................................................................14

8 追加情報...................................................................................................................................................................20

9 トラブルシューティングガイド ..............................................................................................................................23

10 関連製品...................................................................................................................................................................25

11 参考文献...................................................................................................................................................................30

Instructions 71-3410-31 3

1 概要

GE ヘルスケア製 Amersham ECL Prime ウェスタンブロッティング検出試薬は、西洋ワサビペルオキシ

ダーゼ(HRP)標識抗体が結合したタンパク質抗原を検出するための改良型高感度化学発光試薬

です。

はじめに

ルミノールが過酸化物によって触媒され酸化されると、425 nm の弱い化学発光が生じます。ECL

Prime 検出試薬で用いられている新技術では、酸化還元メディエーターすなわちエンハンサーをバッ

ファーに加えることで酵素のターンオーバーが向上し、ルミノールラジカルアニオンの平衡濃度が上

昇し、これによってシグナルの強度と持続時間が大幅に増加します(1,2)。触媒を添加することで発

光シグナルがさらに増強されます(3)。エンハンサー存在下で HRP を触媒するルミノールの酸化は、

複雑で複数のステップを踏む反応です。

ルミノール

過酸化物

HRP、エンハンサー

ルミノールラジカルアニオン

過酸化物

ルミノールエンドペルオキシド

アミノフタレート + N2

+ 発光

Instructions 71-3410-31 4

デザインおよび特長

ECL Prime 検出試薬は、シグナルの持続時間を長くし(24 時間)、感度を向上(ピコレベル)させるよ

うにデザインされています。発光強度が高いということは、他の化学発光基質を使用する場合より

も、抗体の希釈倍率をずっと上げることができることを意味し(推奨希釈倍率については 22 ページ

の「至適抗体濃度の決定」を参照)、CCD カメラ(GE ヘルスケア製 ImageQuantTM LAS 4000 など)で

の検出を至適化できます。発光はオートラジオグラフィーフィルム(Amersham HyperfilmTM ECL)を

用いても検出できます。

メンブレンの適合性

ECL Prime 検出試薬は、Amersham HybondTM-P PVDF メンブレンとの使用に至適化されており、標

準的な化学発光基質と比較した性能はこのメンブレンで最高となりますが、Amersham Hybond

ECL ニトロセルロースメンブレンもご利用いただけます。

Instructions 71-3410-31 5

2 重要情報

用途

ECL Prime 検出試薬の用途は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識抗体を用いたウエスタンブ

ロッティングの検出試薬です。

ECL Prime 検出試薬は、研究のための使用のみを目的としており、いかなる臨床処置においても、ま

たは診断目的にも使用しないでください。

安全に関する注意事項

このユーザーマニュアルには、ECL Prime 検出試薬を安全に使用するための注意が記載されていま

す。下記の定義を参照してください。

注意

注意

注意は、これを避けなかった場合、軽度または中等度の傷害が

発生する可能性がある、危険な状況を示しています。すべての

記載された条件が満たされ明確に理解されるまで先に進まな

いことが重要です。

Instructions 71-3410-31 6

3 取扱い

安全注意事項

注意

有害物質。有害化学物質を使用するときは、使用物質に耐性

のある防護メガネや手袋の着用などあらゆる適切な防護手段

を講じてください。安全な操作のために地域および/または国の

規制に従ってください。

ECL Prime 検出試薬を使用する前に化学物質安全性データシート(MSDS)を読むことを推奨します。

保存

製品を受取り次第、すべてのコンポーネントを 2~8 ℃で冷蔵保存してください。ECL Prime 検出試

薬は長時間の光曝露で劣化します。個々の試薬は必ず、元の遮光容器で保存してください。

有効期限

コンポーネントは推奨条件下で保存した場合、少なくとも 3 ヶ月間安定です。パッケージの有効期限

を確認してください。

Instructions 71-3410-31 7

4 コンポーネントと他の必要な材料

キットコンポーネント

ECL Prime 検出試薬キットには以下のコンポーネントが含まれています。

Product Content

RPN2232 • Solution A: Luminol solution, 50 ml.

• Solution B: Peroxide solution, 50 ml. (1000 cm2 membrane 分)

溶液

メンブレンの洗浄、抗体希釈には、一般的に PBS もしくは TBS、あるいは Tween20 を含む PBS-T、

TBS-T が使用されます。

これらの溶液作製に必要な化学試薬を以下に挙げてあります。

溶液 調製法

リン酸緩衝生理食塩水

(PBS)、pH 7.5 1 11.5 g の無水オルトリン酸水素二ナトリウム(80 mM)、2.96 g

のオルトリン酸二水素ナトリウム(20 mM)、5.84 g の塩化ナトリ

ウム(100 mM)を準備します。

2 蒸留水で 1000 ml に希釈します。

3 pH をチェックします。

トリス緩衝生理食塩水

(TBS)、pH 7.6 1 8 g の塩化ナトリウム、20 ml の 1 M Tris HCl、pH 7.6 を準備しま

す。

2 蒸留水で 1000 ml に希釈します。

3 pH をチェックします。

希釈および洗浄バッファー

PBS Tween(PBS-T)および

TBS Tween(TBS-T)

対応するバッファーで必要量の Tween 20 を希釈します。Tween 20の濃度は 0.1%が大部分のブロッティングアプリケーションに適して

います。

バッファーの保存

すべてのバッファーは、前もって調製して室温で保存した場合、少なくとも 3 ヶ月間安定ですが、微生

物腐敗を防ぐために冷蔵保存が必要なことがあります。殺菌剤としてアジ化ナトリウムを使用しない

でください。

Instructions 71-3410-31 8

ウェスタンブロットメンブレンの準備

タンパク質を電気泳動で分離し PVDF メンブレンまたはニトロセルロースメンブレンに転写するための

適切なプロトコールを使用してください。

ブロッキング試薬

ブロッキング試薬は、通常、PBS バッファーまたは TBS バッファーで 2~5%(v/v)に希釈します。

以下のブロッキング試薬を推奨します。

• Amersham ECL Prime Blocking Agent(RPN418)

• Amersham ECL Blocking Agent(RPN2125)

• スキムミルク

• ウシ血清アルブミン(BSA)

抗体

• 目的タンパク質に特異的な一次抗体

• 一次抗体に特異的に結合する HRP 標識二次抗体。31 ページの「Amersham ECL HRP 標識

二次抗体」を参照してください。

22 ページの「希釈範囲」の推奨に従って抗体を希釈してください。

Instructions 71-3410-31 9

5 ウェスタンブロッティングのコツ

はじめに

S/N 比が高く、感度および直線性が最良の至適なウェスタンブロッティング結果を得るためには、方

法の至適化と適合性製品の選択が重要です。

実験を最大限に生かすために以下を考慮してください。

• サンプルの品質およびローディング量-サンプルの品質が良好なこと、目的タンパク質の量が

検出レベルにあることが重要です。

• メンブレンおよびブロッキング-サンプルおよび抗体に適合性のあるメンブレンおよびブロッキ

ング剤を選択してください。

• 一次抗体および二次抗体-必ず高品質の特異的抗体を選択し、時間をかけて抗体の希釈を

至適化してください。

• 検出およびイメージング-アプリケーションのニーズに合った検出試薬を選択してください。

CCD イメージャーは、高感度で幅広いダイナミックレンジを備え、X 線フィルムより優れた定量

を実現します。

この章では、ECL Prime 検出試薬および GE ヘルスケア製の他のあらゆる Amersham ECL ウェスタン

ブロッティングシステムとともに使用する際の推奨製品を説明します。これらの製品についての詳細

は、www.gelifesciences.com/ecl.を参照してください。

Instructions 71-3410-31 10

Amersham RainbowTM マーカー

Amersham Rainbow マーカーは分子量の決定のほかに転写の確認(着色バンドがメンブレンに転写

されるため)に適しています。

• Amersham RainbowMarkers:Full-range 用(Mr 12,000~225,000、10 種類のタンパク質)、

High-range 用(Mr 12,000~225,000、8 種類のタンパク質)、および Low-Range 用(Mr 3,500

~38,000)があります。Rainbow マーカーは Amersham ECL および Amersham ECL Prime 検

出試薬に適しています。

• Amersham ECL DualVueMarkeers:Amersham ECL および Amersham ECL Prime 検出試薬

とともに使用するのに至適化され、ウェスタンブロッティングの至適なポジティブコントロールで

す。着色バンドは、ゲルおよび転写後のメンブレン上で目視でき、電気泳動の進行を示し、メン

ブレンへのタンパク質転写を確認できます。また、ユーザーがメンブレンの表裏(転写面)を確

認するのに役立ちます。さらに、バンドは、化学発光基質でも検出され、フィルムやデジタルイ

メージ上に現れますので、検出システムのコントロールとして使用できます。

メンブレン

• Amersham Hybond-P は、すべての化学発光ウエスタンブロッティングキットに適した PVDF メ

ンブレンです。このメンブレンは、丈夫で耐久性がありストリッピングおよびリプロービングに適

し、ECL Prime 検出試薬とともに使用するのに最適です。

• Amersham Hybond-ECL は、すべての化学発光ウェスタンブロッティング基質に適合性のニト

ロセルロースメンブレンです。

転写

• ウェット(タンク式)トランスファー(Transfer Unit TE 62)は、よく用いられる転写方法で、特に高

分子タンパク質に対して高効率です。

• セミドライトランスファー(Transfer Unit TE 70 および TE 77)は、ウェットトランスファーよりも高速

で、使用バッファー量が少量です。セミドライトランスファーは、大部分のタンパク質に対して威

力を発揮しますが、高分子タンパク質に対しては効率が低いことがあります。また、極めて少量

のタンパク質に対しても感度が低下する場合があります。

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ブロッキング剤

一次抗体が原因となる非特異的結合およびそれによるバックグラウンドは、最良のブロッキング剤を

選択することによって最低限に抑えることができます。ブロッキング剤と検出システムとの適合性が、

バックグラウンドに影響を与えるので重要です。以下のブロッキング剤を推奨します。

• Amersham ECL Prime Blocking Agent

• Amersham ECL Membrane Blocking Agent

• BSA Blocking Agent

• スキムミルク

イメージャーおよびフィルム

ImageQuant イメージャーシリーズ(ImageQuant LAS 4000/4010 および ImageQuant LAS 4000

mini)は、広範囲のイメージングアプリケーション(Amersham ECL、ECL Prime 検出試薬、ECL Plex

の定量的イメージングなど)をカバーするフレキシブルなシステムです。これらの CCD ベースのイメー

ジャーは、高感度を保ちつつ、フィルムよりも定量性が高いデータが得られます。データはすぐに発表

資料に使用できるデジタルデータをして保存されます。

Amersham Hyperfilm ECL は、ウェスタンブロット化学発光検出用のオートラジオグラフィーフィルム

です。

Instructions 71-3410-31 12

Amersham Western Blotting Website

弊社 Web サイトは、実験デザインに関する長年の専門知識を集積しています。GE の科学者や技術

者がサポートするユーザーフォーラムもあります。定量的タンパク質検出における技術的な助言、ヒン

ト、ベストプラクティスを参照するには、www.gelifesciences.com/western にアクセスください。

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6 品質管理

Amersham ECL Prime ウェスタンブロッティング検出試薬は、当社の ISO 9001 認証品質管理システ

ムに準拠して製造され、この試薬について設定された合格基準に合致しています。

Instructions 71-3410-31 14

7 プロトコール

プロトコールの概要

以下にウェスタンブロッティング検出プロトコールの概要を示します。

電気泳動

転写

ブロッキング反応

一次抗体反応

二次抗体反応

検出試薬との反応

検出

Instructions 71-3410-31 15

電気泳動および転写プロトコール

ステップ 操作 注意

1 標準プロトコールに従って電気泳動および転

写を行います。

至適な結果を得るためには、タンパク質の転

写に Amersham Hybond-P を使用します。

Amersham Hybond ECL メンブレンも使用で

きます。転写後のメンブレンは直ちに使用する

ことも、デシケーター中に 2~8 ℃で最長 3 ヶ

月間保存することもできます。

Amersham Hybond-P は、転写前に、100% メタノールで湿らせ、蒸留水で 5 分間洗浄し、転

写バッファー中で 10 分間以上平衡化します。

Amersham Hybond ECL は、転写前に、蒸留

水で湿らせ、転写バッファー中で 10 分間以上

平衡化します。

メンブレンのブロッキングプロトコール

ステップ 操作 注意

1 メンブレンを適切なブロッキング溶液に浸漬

することにより非特異結合部位をブロックしま

す(8 ページの「ブロッキング試薬」を参照)。

大部分のアプリケーションに対してはスキムミ

ルクと Tween の組み合わせで十分です。

Tween の至適濃度は個々の実験に合わせる

ため異なりますが、大部分の転写メンブレンに

対して Tween 20 の濃度は 0.1%が適していま

す。

2 オービタルシェーカー等を使用して室温で 1時間インキュベートします。または、メンブレン

をブロッキング溶液に入れたまま 2~8 ℃の

冷蔵庫に一晩置くこともできます。

3 洗浄バッファーを 2 回交換してメンブレンを軽

くすすぎます(7 ページの「溶液」を参照)。 洗浄している間、希釈した一次抗体を準備しま

す(16 ページの「一次抗体インキュベーションプロトコール」ステップ 1 を参照)。

一次抗体インキュベーションプロトコール

ステップ 操作 注意

1 一次抗体を PBS-T または TBS-T で希釈しま

す。希釈率は抗体ごとに至適化します。 抗体希釈の至適化はドットブロット法で行うこ

とができます(22 ページの「至適抗体濃度の決定」を参照)。フィルムで検出する場合、CCD検出に比べてシグナル強度が高いため、シグ

ナル飽和を避けるためにさらに希釈する必要

な場合があります。

Instructions 71-3410-31 16

ステップ 操作 注意

2 メンブレンを希釈した一次抗体溶液中でオー

ビタルシェーカー等を使用して室温で 1 時

間、または 2~8 ℃で一晩、インキュベートしま

す。

インキュベーションの時間および温度は、各抗

体により異なるため、至適化する必要がありま

す。示した条件は開始時点での推奨です。

3

4

洗浄バッファーを 2 回交換してメンブレンを軽

くすすぎます。

メンブレンを洗浄バッファーに入れ、室温で 5分間振盪します。洗浄バッファーを 4~6 回以

上交換します。

洗浄している間、希釈した二次抗体を準備しま

す(16 ページの「ニ次抗体インキュベーションプロトコール」ステップ 1 を参照)。

ニ次抗体インキュベーションプロトコール

ステップ 操作 注意

1 HRP 標識二次抗体またはビオチン化抗体を

PBS-T または TBS-T で希釈します。希釈率は

抗体ごとに至適化します(22 ページの「至適抗体濃度の決定」を参照)。

適切な HRP 標識二次抗体またはビオチン化

二次抗体のいずれかと HRP 標識ストレプトア

ビジンブリッジシステムを使用します。

2 オービタルシェーカー等を使用してメンブレン

を希釈した二次抗体中で、室温で 1 時間イン

キュベートします。

インキュベーションの時間および温度は、各抗

体により異なるため、至適化する必要がありま

す。示した条件は開始時点での推奨です。

3 洗浄バッファーを 2 回交換してメンブレンを軽

くすすぎます。

4 メンブレンを覆うのに十分な洗浄バッファーに

メンブレンを入れ、室温で 5 分間振盪します。

洗浄バッファーを 4~6 回以上交換します。

HRP 標識二次抗体を使用する場合、この洗浄

手順の後に直接 18 ページの「検出プロトコール」に進みます。ビオチン化抗体を使用する場

合、洗浄している間に、希釈したストレプトアビ

ジン HRP コンジュゲートまたはコンプレックスを

準備します(17 ページの「ストレプトアビジンインキュベーションプロトコール」)。

ストレプトアビジンインキュベーションプロトコール

HRP 標識二次抗体を使用する場合、直接 18 ページの「検出プロトコール」に進んでください。

ステップ 操作 注意

1 ストレプトアビジン HRP コンジュゲートまたはス

トレプトアビジンビオチン化 HRP コンプレック

スを PBS-T または TBS-T で希釈します。

希釈率は至適化します(22 ページの「至適抗体濃度の決定」)。

Instructions 71-3410-31 17

ステップ 操作 注意

2 オービタルシェーカー等を使用してメンブレン

を希釈溶液中で、室温で 45~60 分間イン

キュベートします。

3 洗浄バッファーを 2 回交換してメンブレンを軽

くすすぎます。

4 メンブレンを覆うのに十分な洗浄バッファーに

メンブレンを入れ、室温で 5 分間振盪します。

洗浄バッファーを 4~6 回以上交換します。

検出プロトコール

このセクションでは二つの検出プロトコールを示します。一つは ECL Prime 検出試薬に最適な CCD カ

メラを用いたプロトコールで、もう一つはオートラジオグラフィーフィルムを用いたプロトコールです。

CCD カメラプロトコール

ステップ 操作 注意

1 検出溶液を、開封する前に室温にもどします。

2 検出溶液 A と B を 1:1 で混合してワーキン

グ溶液を作製します。必要とする検出試薬の

最終量はメンブレン 1 cm2 あたり 0.1 ml です。

混合試薬を直ちに使用する予定がない場合、

ホイルで包むか暗所に保管するかして遮光し

ます。

3 洗浄したメンブレンから余分な洗浄バッファー

を取り除き、プラスチックラップまたは適切な

清浄な表面にタンパク質側を上にして置きま

す。メンブレンに混合試薬を添加します。

メンブレンの表面に表面張力で保持されてい

る試薬が、メンブレンの表面全体を覆う必要

があります。

4 室温で 5 分間インキュベートします。

5 ピンセットで静かにメンブレンを持ち上げて、

端をティッシュペーペーに触れさせて、余分な

検出試薬を取り除きます。

Instructions 71-3410-31 18

ステップ 操作 注意

6 メンブレンはタンパク質側を上にしてサンプル

トレー上に置きます。

サンプルトレー上でフィルムを簡単に動かせる

ようにするため、ブロットをプラスチックラップや

OHP シートの上にタンパク質側を上にして置く

ことができます。メンブレンの乾燥を防ぐため

にラップでメンブレンを覆います。この時、ラッ

プにしわが寄らないようにしてください。

7 サンプルトレーを CCD カメラコンポーネントに

入れます。カメラに付属するユーザーマニュア

ルに従ってカメラを操作します。メンブレンを

60 秒間露出させます。

至適な結果を得るために露出時間を至適化

できます。条件検討開始時の推奨露出時間は

60 秒です。

Instructions 71-3410-31 19

オートグラフィーフィルムプロトコール

ステップ 操作 注意

1-4 前述の CCD カメラプロトコールのステップ 1~4 と同じです。

5 ピンセットで静かにメンブレンを保持し、端を

ティッシュペーペーに触れて、余分な検出試薬

を取り除きます。メンブレンはタンパク質側を

下にして未使用のプラスチックラップの上に

置き、メンブレンを包み、静かに気泡を取り除

きます。

6 包んだメンブレンはタンパク質側を上にして X線フィルムカセットに入れます。

カセット内が、検出試薬で濡れないようにしま

す。フィルムを濡らさないでください。

7 メンブレンの上に 1 枚のオートグラフィーフィ

ルム(例えば、Amersham Hyperfilm ECL)を置きます。カセットを閉め、15 秒間露出しま

す。

このステップは暗室中で赤色安全光の下に行

います。露出中のフィルムは動かさないでくだ

さい。

8 フィルムを取り出し、2 枚目の未露出のフィル

ムと取替えます。直ちに最初のフィルムを現

像します。その結果を基に 2 枚目のフィルム

の露出時間を推定します。至適露出は 1 分

から 1 時間までサンプルによって異なります。

Instructions 71-3410-31 20

8 追加情報

メンブレンのストリッピングとリプロービング

下記に概要を示したプロトコールに従うことにより、メンブレンから一次抗体および二次抗体を取り除

くことができます。メンブレンは、結合抗体のストリッピングとリプロービングを数回行えます。メンブレ

ンは、各免疫検出後、湿らせた状態のままプラスチックラップで包んで冷蔵庫(2~8 ℃)に保管して

ください。

ステップ 操作 注意

1 メンブレンをストリッピングバッファー(100 mM 2-メルカプトエタノール、2% SDS、62.5 mM Tris-HCl、pH 6.7)に浸漬し、時折振盪しながら

30 分間 50 ℃でインキュベートします。

より厳しい条件が必要である場合、インキュ

ベーションを 70 ℃で行うか、より長い時間行

うことができます。

2 メンブレンを大量の洗浄バッファーPBS-T また

は TBS-T を使用して室温で 10 分間×2 回洗

浄します。

メンブレンは ECL Prime 検出試薬とインキュ

ベートし、フィルムに露出して抗体の除去を確

認することができます。

3 メンブレンを適切なブロッキング溶液中、室

温で 1 時間ブロッキングします。

4 第 7 章の「一次抗体インキュベーションプロトコール」から「検出プロトコール」を繰り返しま

す。

Instructions 71-3410-31 21

至適抗体濃度の決定

ECL Prime 検出試薬は感度が高いため、最良の結果を得るために抗体濃度の至適化を推奨します。

一般的に、ECL Prime 検出試薬の使用では、特に PVDF メンブレンを使用する場合、必要とする一次

抗体と二次抗体の濃度は標準的な化学発光基質に比べて低くなります。至適抗体濃度の決定の

ためのプロトコールを下記に概説します。

希釈範囲

下記の希釈範囲を推奨します。

抗体 1 mg/ml 濃度抗体の希釈率

一次抗体 1:1000 - 1:50000

二次抗体 1:50000 - 1:250000

一次抗体濃度至適化

ドットブロットは、濃度が不明である一次抗体の至適希釈倍率を決定するための効果的な方法です。

ドットブロットが難しい場合は、メンブレンに転写した後、メンブレンを数枚の短冊に切り、各希釈濃度

の抗体との反応に利用する方法もあります。抗体によっては下記に示したステップに代わるブロッキ

ングと洗浄のステップが必要なことがあります。

ステップ 操作

1 適切な量のタンパク質サンプルを PVDF メンブレンまたはニトロセルロースメンブレン

にスポットし、風乾させます。テストする一次抗体希釈液ごとに 1 枚のブロットを用意

します。PVDF メンブレンは次のステップに進む前に再度親水処理を行ってください。

2 ブロッキング溶液中で振盪しながら室温で 1 時間インキュベートします。

3 洗浄バッファーを 2 回交換してメンブレンを軽くすすぎます。

4 推奨抗体希釈範囲内の溶液を複数調製します。希釈液ごとに 1 枚のブロットを振盪

しながら室温で 1 時間インキュベートします。

5 洗浄バッファーを 2 回交換してメンブレンを軽くすすぎます。メンブレンを洗浄バッ

ファーに入れ、室温で 5 分間振盪します。洗浄バッファーを 4~6 回以上交換します。

6 二次抗体(1 種類の濃度のみを使用)を希釈し、メンブレンを振盪しながら室温で 1時間インキュベートします。

7 洗浄バッファーを 2 回交換してブロットをすすぎ、次に 15 分間×1 回、および 5 分間

×3 回、新しく交換した洗浄バッファーで洗浄します。

8 プロトコールの 18 ページの「検出プロトコール」に詳述されている ECL Prime 検出試

薬を使用して検出します。バックグラウンドが最小で、シグナルが最良になる抗体希

釈倍率を選択します。

Instructions 71-3410-31 22

二次抗体濃度至適化

ステップ 操作

1 適切な量のタンパク質サンプルを PVDF メンブレンまたはニトロセルロースメンブレン

にスポットし、風乾させます。テストする二次抗体希釈液ごとに 1 枚のブロットを用意

します。PVDF メンブレンは次のステップに進む前に再度親水処理をします。

2 ブロッキング溶液中で振盪しながら室温で 1 時間インキュベートします。

3 希釈した一次抗体溶液(1 種類の濃度のみ)中で振盪しながら室温で 1 時間イン

キュベートします。

4 洗浄バッファーを 2 回交換してメンブレンを軽くすすぎます。メンブレンを洗浄バッ

ファーに入れ、室温で 5 分間振盪します。洗浄バッファーを 4~6 回以上交換します。

5 推奨抗体希釈範囲内の二次抗体溶液を複数調製します。希釈液ごとに 1 枚のブ

ロットを振盪しながら室温で 1 時間インキュベートします。

6 洗浄バッファーを 2 回交換してメンブレンを軽くすすぎます。メンブレンを洗浄バッ

ファーに入れ、室温で 5 分間振盪します。洗浄バッファーを 4~6 以上回交換します。

7 プロトコールの 18 ページの「検出プロトコール」に詳述されている ECL Prime 検出試

薬を使用して検出します。バックグラウンドが最小で、シグナルが最良になる抗体希

釈倍率を選択します。

Instructions 71-3410-31 23

9 トラブルシューティングガイド

問題 考えられる原因/解決策

シグナルが見え

ない • 使用した二次抗体の種類が不適切。

• PVDF メンブレンを前もってメタノールで湿らせていない。

• 転写装置が適切に作動していること、正しい手順に従っていることをチェックして

ください。

• ゲルおよび/またはメンブレンの染色によりタンパク質の転写をチェックしてくださ

い。

• 着色済み Rainbow マーカーを使用して転写効率を確認してください。

• 一部の抗原は、電気泳動に必要な処理によって影響を受けることがあります。

• ブロットの保存が適切でない場合、目的タンパク質の劣化が起こることがありま

す。

• 検出試薬が汚染されてしまっている可能性。

– 検出試薬の活性をテストするために、暗室で透明な試験管に 1~2 ml の検出

試薬ワーキング溶液を調製します。1 µl の未希釈 HRP 標識抗体溶液を添加

します。この溶液は目に見える青色光を直ちに放出し、数秒で消えます。

• ECL Prime 検出試薬の保存が不適切な場合、シグナルが低下することがありま

す。

• 低品質でかつ/または非特異的な一次抗体。

シグナルが弱い • 転写効率が低かった可能性。

• ゲルにロードしたタンパク質量が不十分。

• 一次抗体および二次抗体の濃度が低すぎた可能性。至適化が必要です。

• 低品質でかつ/または非特異的な一次抗体。

• 露出時間が短すぎた可能性。

シグナルの拡散

が激しい • ゲルにロードしたタンパク質量が多すぎた。

• 電気泳動および転写のプロトコールを至適化する必要があります。

• 一次抗体および二次抗体の濃度が高すぎた可能性。至適化が必要です。

フィルムに白い

(ネガティブ)バン

ドが見える

• ネガティブバンドは通常、目的タンパク質が過剰で抗体濃度が高すぎる場合に発

生します。これは基質の枯渇によって生じます。

不均一でまだら

なバックグラウン

• ブロッティング操作の至適化が必要です。

• ブロットの領域がインキュベーションの間に乾燥してしまった可能性。

• 不適切な取扱いによりメンブレンの汚染および/またはメンブレンの損傷が起こ

り、これによって非特異的シグナルが生じることがあります。

• ブロッキング剤がバッファーに完全に溶解していない。

Instructions 71-3410-31 24

問題 考えられる原因/解決策

バックグラウンド

が高い • 一次抗体および二次抗体の濃度が高すぎた可能性。至適化が必要です。

• 電気泳動、および転写の調製に使用される関連機器からの汚染がブロットに移る

ことがあります。

• 転写バッファーおよびインキュベーションバッファーが汚染されていた可能性があ

り、交換が必要です。

• ブロッキングが不十分。

• 使用したブロッキング剤が、新しく調製されたものでなかったか、希釈し過ぎてい

たか、またはそのアプリケーションに適合性でなかった。

• ブロッキング剤で使用した Tween の濃度が、実施したアプリケーションに十分で

なかった。

• メンブレンを、いずれかのインキュベーション中に乾燥させてしまった。

• 低品質のゲル。

• 非特異的で低品質の抗体。

• 不十分な洗浄。

– 洗浄時間または洗浄バッファー量が不十分。

– 洗浄バッファー中の Tween が不十分。

– 洗浄バッファーの交換が不十分。

• シグナルのフィルム検出での露出が長過ぎた。

• シグナル強度が高すぎるためフィルムが完全にオーバーロードになっていた。

• 非適合性の製品。

Instructions 71-3410-31 25

10 関連製品

Sample preparation

Product Quantity Code no.

Mammalian Protein Extraction Buffer 1 x for 500 ml 28-9412-79

Yeast Protein Extraction Buffer Kit 1 28-9440-45

2-D Quant Kit 500 assays 80-6483-56

VivaspinTM sample concentrators with 30000 molecular weight cut off1 (MWCO)

Vivaspin 500 25 x 500 μl 28-9322-35

Vivaspin 2 25 x 2 ml 28-9322-48

Vivaspin 6 25 x 6 ml 28-9323-17

Vivaspin 20 12 x 20 ml 28-9323-61

1 MWCO (3000, 5000, 10000, 50000 and 100000) are available for all Vivaspin volumes.

Amersham Markers

Product Quantity Code no.

Low-Range Rainbow Molecular Weight Markers 250 μl RPN755E

High-Range Rainbow Molecular Weight Markers 250 μl RPN756E

Full-Range Rainbow Molecular Weight Markers 250 μl RPN800E

ECL DualVue Western Blotting Markers 1 pack (25 loadings)

RPN810

ECL Plex Fluorescent Rainbow Markers 120 μl RPN850E

ECL Plex Fluorescent Rainbow Markers 500 μl RPN851E

Amersham ECL Western Blotting Molecular Weight Markers

1 pack (25 loadings)

RPN2107

Instructions 71-3410-31 26

Gel electrophoresis equipment

Product Quantity Code no.

Electrophoresis Systems

miniVE Vertical Electrophoresis System 1 80-6418-77

miniVE Blot Module 1 80-6418-96

SE 260 Mini-Vertical Unit for two slab gels 1 80-6149-35

SE 600 Ruby Standard Dual Cooled Vertical Unit 1 80-6479-57

Power Supplies

EPS 301 Power Supply 1 18-1130-01

EPS 2A201 Power Supply 1 28-9202-14

Transfer equipment

Product Quantity Code no.

Amersham ECL Semidry Blotters

TE 70 Semi-Dry Transfer Unit, 14 x 16 cm 1 80-6210-34

TE 70 PWR Semi-Dry Transfer Unit, 14 x 16 cm1 1 11-0013-41

TE 77 Semi-Dry Transfer Unit, 21 x 26 cm 1 80-6211-86

TE 77 PWR Semi-Dry Transfer Unit, 21 x 26 cm 1 11-0013-42

TE 62 Transfer Cooled Unit 1 80-6209-58

1 Including Power Supply

Instructions 71-3410-31 27

Blotting membranes

Product Quantity Code no.

Amersham blotting membranes

Hybond ECL (20 x 20 cm) 10 sheets RPN2020D

Hybond-C Extra (20 x 20 cm) 10 sheets RPN2020E

Hybond-P (20 x 20 cm) 10 sheets RPN2020F

Hybond-LFP (20 x 20 cm) 10 sheets RPN2020LFP

Hybond Blotting Paper (20 x 20 cm) 100 sheets RPN6101M

Whatman. blotting membranes

ProtranTM - BA85, 0.45 μm pore size 20 x 20 cm

25 sheets 10401191

Protran - BA83, 0.2 μm pore size 20 x 20 cm

25 sheets 10401391

Protran - BA79, 0.1 μm pore size 20 x 20 cm

25 sheets 10402091

OptitranTM - BA-S 85, 0.45 μm pore size 20 x 20 cm

25 sheets 10439191

Optitran - BA-S 83, 0.2 μm pore size 20 x 20 cm

25 sheets 10439391

Whatman blotting papers

3MM Chr 20 x 20 cm 100 sheets 3030-861

Amersham Blocking Reagents

Product Quantity Code no.

ECL Prime Blocking Agent 40 g RPN418

ECL Blocking Agent 1 RPN2125

Instructions 71-3410-31 28

Amersham ECL HRP-linked Secondary Antibodies

Product Quantity Code no.

ECL Mouse IgG, HRP-Linked Whole Ab (from sheep) 100 μl NA931-100UL

ECL Mouse IgG, HRP-Linked Whole Ab (from sheep) 1 ml NA931-1ML

ECL Human IgG, HRP-Linked Whole Ab (from sheep) 1 ml NA933-1ML

ECL Rabbit IgG, HRP-Linked Whole Ab (from donkey) 100 μl NA934-100UL

ECL Rabbit IgG, HRP-Linked Whole Ab (from donkey) 1 ml NA934-1ML

ECL Rat IgG, HRP-Linked Whole Antibody (from goat) 1 ml NA935

ECL Mouse IgG, HRP-Linked F(ab´)2 Fragment (from sheep) 1 ml NA9310-1ML

ECL Rabbit IgG, HRP-Linked F(ab´)2 Fragment (from donkey) 1 ml NA9340-1ML

ECL Rat IgG, HRP-Linked F(ab´)2 Fragment (from goat) 1 ml NA9350

Kits and Reagent Packs

Product Quantity Code no.

Amersham ECL Western Blotting Detection Reagents for 4000 cm2 membrane

RPN2106

Amersham ECL Western Blotting System 1 kit RPN2108

Amersham ECL Western Blotting Detection Reagents for 1000 cm2 membrane

RPN2109

Amersham ECL Western Blotting Detection Reagents for 6000 cm2 membrane

RPN2134

Amersham ECL Prime Western Blotting Detection Reagents for 1000 cm2 membrane

RPN2232

Amersham ECL Plex CyDye conjugated Antibodies

Product Quantity Code no.

Amersham ECL Plex Western Blotting Combination Pack (Cy3, Cy5, Hybond ECL)

1 RPN998

Amersham ECL Plex Western Blotting Combination Pack (Cy3, Cy5, Hybond LFP) for two slab gels

1 RPN999

Instructions 71-3410-31 29

Autoradiography Films

Product Quantity Code no.

Amersham Hyperfilm ECL (5 x 7 inches) 50 sheets 28-9068-35

Amersham Hyperfilm ECL (18 x 24 cm) 50 sheets 28-9068-36

Amersham Hyperfilm ECL (8 x 10 inches) 50 sheets 28-9068-38

Amersham Hyperfilm ECL (24 x 30 cm) 50 sheets 28-9068-40

Amersham Hyperfilm ECL (35 x 43 cm) 50 sheets 28-9068-41

Imaging Systems

Product Quantity Code no.

ImageQuant LAS 4000 1 28-9558-10

ImageQuant LAS 4010 1 28-9558-11

ImageQuant LAS 4000 mini 1 28-9558-13

Software and Accessories

Product Quantity Code no.

CD and getting started:

ImageQuant TL 7.0 and IQTL SecurITy 8.0 Software package (with Getting Started Guide)

28-9380-94

Licenses for ImageQuant TL only:

ImageQuant TL, single user license 28-9236-62

Licenses for ImageQuant TL v7.01 and IQTL SecurITy v8.0:

ImageQuant TL 7.01 and ImageQuant TL SecurI-Ty 8.0 1-user 28-9332-73

Instructions 71-3410-31 30

11 参考文献

No. 参考文献

1 Kricka,L.J.,MethodsEnzymol.305,370-390,(2000).

2 Heindl,D.andJosel,H.P.Non-radioactiveAnalysisofBiomolecules,258-261,(1997).

3 Marzocci,E.,Grilli.S.,DellaCiana,L.,Prodi,L.,Roda,A.andMirasoli,M.,Anal.Biochem.,377,189-194,(2008).

Instructions 71-3410-31 31

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