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ホワイトペーパー 2011 7 CA ARCserve Backup による SAP 環境のデータ保護 CA Technologies 富士通株式会社

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ホワイトペーパー

2011 年 7 月

CA ARCserve Backup による

SAP 環境のデータ保護

CA Technologies

富士通株式会社

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本書は、CA ARCserve Backup による SAP 環境のデータ保護に関する技術情報を提供するものであり、

本書に記載されている内容は改善のため、予告無く変更することがあります。 CA Technologies と富士通株式会社は、本書の内容に関して、いかなる保証もいたしません。 また、本書の内容に関連した、いかなる損害についてもその責任は負いません。 本書に掲載された全ての製品名、サービス名、商号およびロゴは各社のそれぞれの商標またはサービス

マークです。商標、サービスマークには、必ずしも商標表示(™、®)を付記しておりません。 •ARCserve は CA Inc.又はその関連会社の登録商標です。 •SAP、R/3、SAP NetWeaver、Duet、PartnerEdge、ByDesign、SAP BusinessObjects Explorer、StreamWork、および本サイトに記載されたその他の SAP 製品、サービス、ならびにそれぞれのロゴ

は、ドイツおよびその他の国々における SAP AG の商標または登録商標です。 •Microsoft、Windows、Windows NT、Windows Server、SQL Server は、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。

•Oracle は米国 Oracle Corporation の登録商標です。 •その他名称については、各社の登録商標または商標です。

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はじめに SAP はソフトウェアコンポーネント毎に開発/検証/本番の各環境のシステムを有します。 基幹システムである SAP は、バックアップのための業務停止が困難であり、特に本番環境ではオンライ

ンバックアップの要件が強く求められています。 またディスクアレイ装置や仮想環境の利用有無など、システム環境の違いによっても様々なバックアッ

プの手法が存在します。 このように SAP では複数のシステムが集まり、かつ異なるバックアップ要件が存在するため、バックア

ップ運用が複雑化しています。 統合的なインターフェース上からさまざまなシステム環境に対応したバックアップを実現できる CA ARCserve Backup(以下 ARCserve Backup)は上記の課題を解決いたします。 富士通と CA Technologies(以下 CA)は共同体制を組み、ARCserve Backup を活用した SAP バックアッ

プの検討を行いました。 本書は、複数のシステムが稼動する SAP でのバックアップ/リストアの概要、ARCserve Backup 活用

の優位性および代表的なバックアップパターンの紹介、導入ポイントについて記載します。 富士通は日本国内の ARCserve 製品において最大のシェアを占める、 CA の OEM パートナーです(*)。 10 年以上にわたり CA と強固な協力関係を築き、常に連携して、評価・プロモーション・サポートを実

施しています。その他に以下の取り組みも行っております。 ・PRIMERGY / ETERNUS をはじめとする富士通製品との整合性評価 ・お客様のニーズを製品へ反映 ・富士通 SupportDesk によるハードウェア・ソフトウェア統合サポート (*)CA が、OEM パートナーに関して設けている唯一の賞である「ベスト OEM パートナー」を 2009 年度に受賞

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目次 はじめに ....................................................................................................................................................... 2 第 1 章.SAP におけるバックアップ .......................................................................................................... 4

1-1. バックアップの必要性 .................................................................................................................... 4 1-2. SAP 概要 ......................................................................................................................................... 5

1-2-1. 各種システム............................................................................................................................ 5 1-2-2. 3 システムランドスケープ ...................................................................................................... 6 1-2-3. バックアップ対象 .................................................................................................................... 7

1-3. データベースバックアップ............................................................................................................. 8 1-4. OS ファイルシステムバックアップ ............................................................................................. 10 1-5. その他バックアップ要件 ...............................................................................................................11 1-6. リストア ........................................................................................................................................ 12

1-6-1. ディスク故障からのリストア ................................................................................................ 12 1-6-2. ユーザ過失からのリストア .................................................................................................... 13 1-6-3. データベース破損後のリストア ............................................................................................ 13

第 2 章.ARCserve Backup 活用メリット ................................................................................................ 14 第 3 章.ARCserve Backup を活用した SAP バックアップ .................................................................... 16

3-1. SQL Server 連携オンラインバックアップ .................................................................................. 17 3-2. 仮想環境バックアップ .................................................................................................................. 20

3-2-1. 仮想環境でのオフラインバックアップ ................................................................................. 20 3-2-2. 仮想環境でのオンラインバックアップ ................................................................................. 25

3-3. OPC データのテープバックアップ(D2D2T) ............................................................................... 27 3-4. ファイルシステムバックアップ ................................................................................................... 31

第 4 章.総括-SAP 環境での ARCserve Backup 活用例 ........................................................................ 34 参考文献 ..................................................................................................................................................... 38

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第 1 章.SAP におけるバックアップ

本章では SAP システムでのバックアップ要件について記載します。 1-1. バックアップの必要性 稼動中の SAP システムでは、以下の要因によるデータ損失のリスクが存在します。 - 物理的/技術的な要因・・・ハードディスク故障、ソフトウェア障害によるデータ破壊 - 人的ミス/外部からの侵入・・・データの誤削除、ウィルスによるデータ改竄や消去 - 地震/火災/台風など・・・災害による破壊や停電によるシステムダウン これらの要因によるデータ損失に備えてバックアップを取ることが重要です。

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1-2. SAP 概要 1-2-1. 各種システム SAPのソリューションの一つであるSAP Business Suiteには中核となるSAP ERPの他SAP CRM、SAP SCM など複数のアプリケーションが存在します。 また、その技術基盤である SAP NetWeaver は、アプリケーションプラットフォーム(AS ABAP,AS Java)、ポータル(EP)、プロセス統合(PI)など複数の利用タイプから構成されます。

SAP では上記アプリケーションや SAP NetWeaver利用タイプで必要となるSAPコンポーネントごとに、

データベースを所有する一つの SAP システムとして稼動させる必要があります。

SAP SRM SAP PLM

SAP CRM

SAP SCM

SAP NetWeaver

会計

コア基幹業務

コーポレートサービス 人事

People Integration (EP,,,)

Information Integration (BI,,,)

Process Integration (PI)

SAP Business Suite

SAP ERP

Application Platform (AS ABAP,Java)

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1-2-2. 3 システムランドスケープ SAP では本番環境の品質確保のため、開発/検証/本番機の 3 システムを用意します。 この「3 システムランドスケープ」は SAP 社が推奨しています。 また、SAP コンポーネントごとにシステムランドスケープが必要です。

これらの背景から SAP では多数のサーバやデータベースをバックアップ対象として扱うこととなり、バ

ックアップの運用管理が複雑化しています。

①開発 または 修正

・アドオンプログラムの開発

・単体テスト

・本番システムとしての利用

開発システム 検証システム 本番システム

・本番用の業務データでテスト

・プログラムの承認作業

②export

③import, テスト

④承認

⑤import, 本番機で利用

開発したプログラム

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1-2-3. バックアップ対象 SAP システムのバックアップ対象を大きく分けると以下の二つになります。 ・データベース ・OS ファイルシステム

SAP ソリューションの技術基盤である SAP NetWeaver では、業務データに加えて SAP の標準プログラ

ム、ユーザ開発のアドオンプログラムがデータベースに格納されています。

SAP提供の標準プログラム ユーザ開発のアドオンプログラム

トランザクションデータ

(伝票データ etc.) 1.データベース 2.OSファイルシステム

・OS、DBバイナリプログラム

・SAPカーネル(バイナリプログラム)

- OS/DBとのインターフェース

・SAPシステムプロファイル

- SAPインスタンスの起動パラメータ

(メモリ管理、プロセス数….)

・移送ディレクトリ

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1-3. データベースバックアップ データベースバックアップの目的はデータベースが破損した場合に、整合性のとれた正しい状態に確実

にリストアできるようにすることです。 Microsoft SQL Server(以下 SQL Server)と Oracle Database ではバックアップの手段に多少の差異はあ

りますが、バックアップの考え方は共通します。 これ以降、本書では Windows/SQL Server 環境での SAP バックアップに焦点を当てて記載いたします。 <リストア基本概念> データベースが破損した場合は、データベースおよびトランザクションログのバックアップからリロ

ードすることで、データベースをリストアすることができます。 また、整合性の取れた正しい以前の状態にリストアするためには、バックアップ/リストアの流れを

事前に検証する必要があります。 <バックアップ方針>

上記のようなリストアが正しく行われるために、バックアップ方針を確立する必要があります。 ・バックアップの頻度 ・バックアップ対象 ・使用する媒体

方針の策定にあたって以下の要素を考慮する必要があります。 ・トランザクションやバッチ処理への影響(もしくは許容される最大停止時間) ・利用可能なハードウェア ・使用可能な予算

SQL Server :SQL Server 標準機能によりオンラインバックアップ可能 Oracle Database:SAP が提供するバックアップツールの利用によりオンラインバックアップ可能

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<SQL Server バックアップ詳細>

SQL Server のバックアップは三つのタイプに分けられます。 ・データベースの完全なバックアップ ・差分バックアップ ・トランザクションログバックアップ

完全バックアップ:

使用されているすべてのデータページおよびバックアップ中に書き込まれたログファイルをバックア

ップします。 ディスク I/O の量が多くなるため、業務影響が少ない時間帯に実行する必要があります。 master、msdb などのシステムデータベースは単純復旧モデルのみに対応のため、この方式が唯一の

バックアップ方法となります。 SAP は完全なバックアップを毎日取得することを推奨しています。

差分バックアップ:

最後の完全バックアップ以降に変更されたデータページおよび差分バックアップ中に書き込まれたロ

グファイルをバックアップします。 バックアップサイズはデータベースの完全バックアップと比べると非常に小さくなります。完全バッ

クアップを週 1 回だけ実行し、差分バックアップを毎日実行するスケジュールは、バックアップ中の

業務影響やバックアップ許容時間を重要視する場合に有効な手段となります。ただしリカバリーにて

完全バックアップに続いて差分バックアップのリストアを行うため、リストア時間は長くなります。

トランザクションログバックアップ: データファイル、ログファイルが破損した場合、障害直前のログバックアップ実施タイミングがリカ

バリーポイントとなります。 「完全復旧モデル」においては、ログファイルの肥大化を防止するためにもログバックアップを実施

してログの切り詰めを行う必要があります。 SAP 本番環境では「完全復旧モデル」が推奨されています。

バックアップスケジュール例 フルバックアップ(完全) トランログバックアップ

取得対象 master、msdb、SAP データベー

ス SAP データベースのログファイ

実施間隔 毎日 1 時間毎

バックアップ先 テープ媒体(データ用) テープ媒体(ログ用)

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1-4. OS ファイルシステムバックアップ

ハードディスク故障や他のリスク要因のため、データベースのバックアップだけでなく OS ファイルシ

ステムのバックアップが必要です。 データベースバックアップと同様に方針の策定が必要ですが、目安として SAP システム変更のタイミ

ングでバックアップします。実施タイミング例を以下に示します。 ・OS のセキュリティパッチ適用 ・SAP サポートパッケージ適用 ・SAP システムプロファイル変更

本番環境のシステム変更は原則的には計画停止イベント時に限られます。そのため、リストア用途の

バックアップは計画作業内にてオフラインバックアップで行われるのが一般的です。 また、Windows システムでは多くの情報がレジストリに保存されているため、SAP ではデータやシス

テムの不整合を避けるためコンピュータ全体のバックアップデータからのリストアを推奨しています。 システムリストア以外の要件にてファイルシステム上のデータ保護が必要な場合は、別途個別ディレ

クトリやファイルの定期的なバックアップも検討します。個別バックアップ例を以下に示します。 ・SAP システムにアップロードされる外部連携データファイル ・開発環境の移送データを格納するディレクトリ(¥usr¥sap¥trans)

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1-5. その他バックアップ要件 以下の要件に応じたバックアップの考慮が必要です。 ・リモートバックアップ ・ディスクアレイ装置 ・仮想環境 リモートバックアップ

オンラインバックアップによるデータベースサーバの負荷軽減やバックアップ先のデバイス接続用と

して、バックアップ専用のサーバ(以下バックアップサーバ)を導入するのが一般的です。 リモートバックアップを行う場合、バックアップソフトウェアが必要となります。また、LAN 経由バ

ックアップによるネットワークボトルネックを回避するため、業務 LAN とは異なるセグメント上での

1Gbps データ転送を推奨します。 ディスクアレイ装置

富士通のディスクアレイ装置である ETERNUS DX に SAP データを格納している場合、データベース

のバックアップは ETERNUS DX 筐体内で実現するアドバンスト・コピー機能(*1) の 1 方式である

OPC(*2)によるオンラインバックアップとテープ媒体へのバックアップを併用した Disk to Disk to Tape(以下 D2D2T)方式が多く利用されています。 *1 アドバンスト・コピー機能・・・サーバの CPU を使用せずに ETERNUS DX 筐体内で高速にコピーを作成

する機能。 *2 OPC (One Point Copy) ・・・ある時点の業務ボリュームの全データを高速に複製ボリュームにコピーする

機能で、アドバンスト・コピー機能のうちの 1 方式。OPC では論理コピーの瞬間にのみダウンタイムが

発生し、続いて行われる物理コピー中は業務を継続できるため、バックアップのためのダウンタイムを

極小化できます。

仮想環境 VMware もしくは Hyper-V の仮想マシン上で稼動する SAP システムにおいても仮想環境を意識せず

にデータベース管理機能によるオンラインバックアップを実行できます。 ただし、バックアップサーバからリモートバックアップする場合、仮想環境対応のバックアップソフ

トウェアが必要となります。

Windows Server 2003 と特定 NIC の組み合わせにおいて、ネットワークパフォーマンスが劣

化する問題があります。 [リンク] http://support.microsoft.com/kb/942861/ja

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1-6. リストア 効果的なリストアの方法は発生したエラーのタイプによって異なります。 発生した事態を正確に把握することが重要です。 1-6-1. ディスク故障からのリストア SAP データベースのデータファイル用ディスク、ログファイル用ディスク、OS/SQL Server/SAP の

実行ファイルを含むシステムディスクの合計 3台のディスクにインストールされたSAP システムにおい

て、各ディスクがクラッシュした場合のリストアの流れを記載します。 データファイルもしくはログファイルのディスククラッシュ後のリストア

Step1 最新トランザクションログのバックアップ (ログファイルディスク故障時はトランザクションログバックアップできないため Step2 へ)

Step2 破損したディスクの交換 Step3 データベースおよびトランザクションログをバックアップデバイスからリストア ・データベースバックアップのリストア(データファイルが自動的に再登録される)

・トライザクションログのリストア(新規登録されたファイルにデータがコピーされる) ・障害発生時点で未完了のトランザクションがロールバックされる

SAP システム

差分バックアップが利用可能な場合、最新フルバックアップのリストア後に、最新の差分バ

ックアップをリストア、最後にトランザクションログを適用します。

データ ファイル ディスク

ログ ファイル ディスク

システム ディスク

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システムディスククラッシュ後のリストア

~データファイルおよびログファイルのディスクは問題ない場合~ Step1 破損したディスクの交換 Step2 一時的に Windows システムをインストール Step3 システムバックアップをバックアップデバイスからリストア Step4 再起動 1-6-2. ユーザ過失からのリストア ユーザの誤操作により、テーブルの削除や不正な移送データをインポートする場合があります。発生し

た事態により、対処方法は異なります。 有効な選択肢の一つは特定時点へのリカバリーです。 Step1 Windows の完全バックアップを実施。 Step2 特定日時の状態へデータベースをリストアする。 1-6-3. データベース破損後のリストア データベース内のデータの破損が判明した場合は、障害内容をより正確に把握する必要があります。サ

ポートの診断を利用した上で最も効果的な解決方法を検討する必要があります。 破損したデータベースの修復が可能な場合もありますが、必要に応じてデータベースおよびトランザク

ションログのリストアを行います。1-6-1 章をご参照ください。

システムディスクに格納される master、msdb などの SQL Server システムデータベースの

データファイルが最新でない可能性があります。 データベースの最新フルバックアップを使用して、master、msdb データベースをリストアす

ることをお奨めします。

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第 2 章.ARCserve Backup 活用メリット

CA ARCserve シリーズは、最新のバックアップ技術によって、高速で確実、さらにセキュアなデータ保

護機能を持ち、また運用管理の手間を省いたり、データ保護へのコストの削減も実現できるデータ保護

ソリューションです。 CA ARCserve シリーズには、バックアップソフトウェアで長年の実績がある「CA ARCserve Backup」と、遠隔地へのデータ複製、切り替え運用を実現する「CA ARCserve Replication」、簡単・お手軽なバ

ックアップ運用/システム復旧が可能な「CA ARCserve D2D」の 3 つの製品ラインアップが用意されて

います。

ARCserve Backup は、企業活動にとって重要な資産であるデータ、システムやアプリケーションまでト

ータルで柔軟なデータ保護の運用をお約束し、盗難や災害およびウィルスやワームなどによりデータ消

失が発生した場合でも、迅速にビジネスを再開する事を可能にする実績 No.1 (*3) のデータ保護ソリュー

ションです。 *3 【出典】株式会社ミック経済研究所「UNIX、Windows 対応ミドルウェアパッケージソフトの市場展望」

2009 年度版)

ARCserve Backup によって以下が実現できます。 1.各種プラットフォームへの対応と一元管理

Windows Server 2003/2008、Red Hat、Solaris など多くのオペレーティングシステムのバックアッ

プ/リストア、それに関わる業務を集中的に管理できます。

2.バックアップシステムの自動化および、Systemwalker Operation Manager (*4)との連携を実現 即実行のバックアップ、スケジュールバックアップ、およびコマンドラインを利用したバックアップ ジョブの作成など、バックアップ処理を自動化させる多くのオプションツールが用意されています。 ARCserve Backup で作成したバックアップジョブをSystemwalker Operation Manager側へ取り込

むことで、Systemwalker Operation Manager へのバックアップ運用管理の集約が可能です。 自動化の退避先として、ディスクドライブとテープドライブのどちらも利用できます。直近のバック

アップデータをディスク保管したい場合は前者を、バックアップの効率を最優先する場合は後者の利

用が有効です。 *4 Systemwalker Operation Manager・・・富士通のジョブ管理ソフトウェア

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3.豊富な標準機能によるバックアップ運用コスト削減

バックアップデータを削減する重複排除や、データの暗号化、および管理者の工数を減らすレポート

機能などが標準で備わっているため、バックアップへの投資コストや運用コストを削減できます。 4.多様なオプション製品によるバックアップ ソリューションの拡張

その他、それぞれの用途に応じた以下の製品があります。 - Microsoft SQL Server や Oracle Database などの無停止バックアップ - VMware や Hyper-V などの仮想環境のバックアップ - ETERNUS DX の OPC と連携したスナップショットボリューム バックアップ - サーバ障害などからの簡単迅速なシステム復旧 - オープン中のファイルや VSS(*5)と連携したバックアップ - ボリュームイメージ バックアップによる高速バックアップ - SAN 環境のバックアップ

*5 VSS (Volume Shadow Copy Service) ・・・Microsoft Windows Server 2003 以降に実装されたバック

アップ運用の基盤技術の一つ 5.富士通製品との高い親和性

10 年以上連続で ARCserve の国内販売実績 No.1 OEM パートナーである富士通との緊密な協業によ

り、PRIMERGY など富士通ハードウェアによる検証や富士通ビジネスニーズに応える機能の開発を

通し、富士通ビジネスに安心最適なバックアップソリューションを提供しています。 <主な CA ARCserve Backup r15 for Windows の製品>

本書で記載している製品を以下にまとめています。 製品名 主な用途 ベース製品 ARCserve Backup for Windows デバイス接続サーバへ導入 オプション 製品

Enterprise Module raw バックアップ Disaster Recovery Option OS 等の再インストール作業無しで

簡単/迅速にシステムを復旧 アプリケーシ

ョンエージェ

ント製品

Guest Based virtual Machines Agent Bundle 仮想環境のバックアップ/リストア VM Agent per Host License Agent for Open Files VSS 連携 Agent for Microsoft SQL SQL Server 連携

クライアント

エージェント

製品

Client Agent for Windows Windows ファイルシステムのバッ

クアップ/リストア

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第 3 章.ARCserve Backup を活用した SAP バックアップ

ARCserve Backup を活用した SAP データバックアップの代表的なバックアップパターンは以下の通り

です。 ・SQL Server 連携オンラインバックアップ ・仮想環境バックアップ ・OPC データのテープバックアップ(D2D2T) それぞれのパターンの特性を以下の表に示します。

表 バックアップパターン比較 SQL Server 連携 仮想環境 OPC 連携(D2D2T)

特長 SQL Server と連携した

バックアップ 仮想環境に対応したバ

ックアップ ETERNUS DXのOPCと連携

業務継続性 △ バックアップ中の性能考

慮が必要

× raw モード VM 停止 (△ SQL Server 連携)

○ 業務性能影響は最も小

さい

コスト ○ ARCserve Backup のみ

○ ARCserve Backup のみ

△ ETERNUS SF アドバ

ンストコピーと

ARCserve Backup

活用シーン データ容量が少ないシス

テム

例)検証環境

仮想環境かつデータ容

量が少ないシステム

例)開発環境

データ容量が多い or 業務の継続性が高いシ

ステム 例)本番環境

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3-1. SQL Server 連携オンラインバックアップ <要件> リモートのSQL Server を稼動させたままオンラインでテープへSQL Serverと連携してバックアップ

します。 また、オフラインでのシステムおよびデータバックアップの必要性も考慮して、ファイルとして

Windows サーバのリモートバックアップを行います <導入ポイント> SQL Server が稼動するリモート Windows サーバに Agent for Microsoft SQL を導入します。SAP で

は英語版 SQL Server が稼動しますが、日本語版 SQL Server と同様に扱えます。 OS のシステムファイルバックアップのために、別途 Client Agent for Windows も導入します。

表-図 1 の製品構成と必要ライセンス 製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows A 1

Agent for Microsoft SQL B 1

Client Agent for Windows B 1

MSSQL

(A)バックアップサーバ (Windows)

(B)業務サーバ (Windows)

テープ装置

図 1. SQL Server 連携オンラインバックアップ利用イメージ

LAN 経由 D2T

LAN 以下のバックアップに対応 ・SQL 連携バックアップ ・OS ファイルバックアップ

SAP

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<設計考慮点> ・本方式のバックアップ/リストア設計は SQL Server データベースの考慮点と共通します。 詳細については 1-3 章データベースバックアップをご参照ください。 ・本製品構成にて、D2D2T バックアップもできます。

※一つのバックアップジョブで実行できます。 ※D2D2T では、1 次退避先としてバックアップサーバが認識するローカルディスク、ネットワー

ク共有ドライブどちらも利用できます。

MSSQL

バックアップサーバ (Windows)

業務サーバ (Windows)

テープ装置

ディスクアレイ装置

LAN 経由 D2D

D2T

図 2. SQL Server 連携(D2D2T)オンラインバックアップ利用イメージ

LAN

Backup Volume

Step1

Step2

SAP

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<クラスタ化された SQL Server 環境での考慮点> ・Microsoft Failover Cluster でクラスタ化された SQL Server をサポートします。

・Agent for Microsoft SQL をクラスタの各ノードに対して導入します。

表-図 3 の製品構成と必要ライセンス 製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows C 1

Agent for Microsoft SQL A,B 2 (A,B)

(C)バックアップサーバ (Windows)

(A)業務サーバ Node1 (Windows)

テープ装置

ディスクアレイ装置

LAN 経由 D2T

LAN

MSSQL (B)業務サーバ Node2 (Windows)

図 3. クラスタ構成の SQL Server 連携オンラインバックアップ 利用イメージ

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3-2. 仮想環境バックアップ 3-2-1. 仮想環境でのオフラインバックアップ (1) VMware 環境 <要件>

VMware 環境上の仮想マシンを VDDK(*6)と連携してリモートから raw モードでオフラインバックア

ップします。 バックアップサーバと ESX サーバがディスクアレイ装置と SAN で接続されている場合、VDDK バッ

クアップは SAN 経由で行われます。 *6 VDDK(Virtual Disk Development Kit)・・・VMware 提供の仮想ハードディスク操作用開発キット

<導入ポイント> VDDKインストールマシンおよび各仮想マシンに対してVirtual Machines Agentライセンスが必要で

す。 VDDK 機能にて ESX サーバ上のディスクにリモートアクセスできるため、Virtual Machines Agentはバックアップサーバにインストールします。 raw モードの場合、仮想マシンへのインストールは不要です。

VM Volume

図 4. 仮想環境 VDDK 連携 raw モードバックアップ利用イメージ

(A)バックアップサーバ (Windows)

(B)ESX サーバ

テープ装置

ディスクアレイ装置

(C)仮想 マシン 1

スナップ ショット

SAN 経由 D2T

SAN(FC接続)

(D)仮想 マシン 2

VDDK機能

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表-図 4 の製品構成と必要ライセンス

製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows A 1

Guest Based Virtual Machines Agent Bundle A 3 (A,C,D)

※VDDK バックアップでは仮想マシン 3 台(4 ライセンス)以上の場合、VM Agent per Host License を選

択します。VM Agent per Host License は ESX サーバ上のバックアップ対象仮想マシン台数が無制限

です。

<設計考慮点> ・本方式はシステム全体のバックアップに相当します。バックアップ/リストア方針については 1-4

章をご参照ください。 ・VDDK バックアップでは ESX サーバが接続されるディスク領域にスナップショットが作成されるた

め、バックアップ対象仮想マシン(のうち最大 VMDK ファイルサイズ)以上の空きディスク容量を

VDDK バックアップ用として領域確保する必要があります。 ・raw モードでは仮想マシンを停止してバックアップすることを推奨します。

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<ESX サーバ 2 台構成での考慮点> ・ESX サーバ 1 台のときと同様に VDDK インストールマシン(バックアップサーバ)および各仮想マシ

ンに対して Virtual Machines Agent ライセンスが必要です。

表-図 5 の製品構成と必要ライセンス 製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows A 1

Guest Based Virtual Machines Agent Bundle A 3 (A,D,E)

※ESX サーバ 2 台での VDDK バックアップでは仮想マシン 7 台(8 ライセンス)以上から VM Agent per Host License を選択します。VM Agent per Host License は ESX サーバ台数分のライセンスが必要で

す。

VM Volume

図 5. ESX サーバ 2 台構成での VDDK 連携 raw モードバックアップ利用イメージ

(A)バックアップサーバ (Windows) (C)ESX サーバ 2

テープ装置

ディスクアレイ装置

(D)仮想 マシン 1

スナップ ショット

SAN 経由 D2T

SAN(FC接続)

(E)仮想 マシン 2

VDDK機能

(B)ESX サーバ 1

仮想マシン 1 は ESX サーバ 1 に登録 仮想マシン 2 は ESX サーバ 2 に登録

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(2) Hyper-V 環境 <要件>

Hyper-V環境上の仮想マシンをリモートからHyper-Vホストと連携して rawモードでオフラインバッ

クアップします。 <導入ポイント> Hyper-V ホストおよび各仮想マシンに対して Virtual Machines Agent ライセンスが必要です。

Hyper-V ホストの VSS 機能と連携してバックアップするため、Virtual Machines Agent は Hyper-Vホストにインストールします。 raw モードの場合、仮想マシンへのインストールは不要です。

表-図 6 の製品構成と必要ライセンス 製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows A 1

Guest Based Virtual Machines Agent Bundle B 3 (B,C,D)

※Hyper-V ホスト連携バックアップでは仮想マシン 3 台(4 ライセンス)以上の場合、VM Agent per Host License を選択します。VM Agent per Host License は Hyper-V ホスト上のバックアップ対象仮想マシ

ン台数が無制限です。

図 6. 仮想環境 Hyper-V ホスト連携 raw モードバックアップ利用イメージ

VM Volume

(A)バックアップサーバ (Windows)

(B)Hyper-V ホスト

テープ装置

ディスクアレイ 装置

LAN 経由 D2T LAN

(C)仮想 マシン 1

(D)仮想 マシン 2

SAP

SAP

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<設計考慮点> ・本方式はシステム全体のバックアップに相当します。バックアップ/リストア方針については 1-4

章をご参照ください。 ・raw モードでは仮想マシンを停止してバックアップすることを推奨します。 <Hyper-V ホストクラスタ環境での考慮点> ・Hyper-V ホストクラスタリング構成の場合、共有ディスク上の仮想マシンは Quick Migration/Live

Migration によりもう一方の Hyper-V ホストに移動できます。このような構成の場合、クラスタを

構成する Hyper-V ホストおよびバックアップ対象仮想マシン数分の Virtual Machines Agent ライ

センスが必要です。

表-図 7 の製品構成と必要ライセンス 製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows E 1

Guest Based Virtual Machines Agent Bundle A,B 4 (A,B,C,D)

※Hyper-V ホストクラスタ構成での Hyper-V ホスト連携バックアップでは仮想マシン 6 台(8 ライセンス)以上から VM Agent per Host License を選択します。VM Agent per Host License は Hyper-V ホスト台

数分のライセンスが必要です。

図 7. 仮想環境 Hyper-V ホストクラスタ構成 raw モードバックアップ利用イメージ

VM Volume

(A)Hyper-V ホスト(Node1) (B)Hyper-V ホスト(Node2)

テープ装置

ディスクアレイ装置

LAN

(C)仮想 マシン 1

(D)仮想 マシン 2

(E)バックアップサーバ (Windows)

LAN 経由 D2T

SAP

SAP

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3-2-2. 仮想環境でのオンラインバックアップ <要件> エージェント製品を利用して、VMware もしくは Hyper-V の仮想マシン(Windows)上で稼働する SQL Server データベースを物理マシンと同様にオンラインでリモートバックアップします。 また、オフラインでのシステムおよびデータバックアップの必要性も考慮して、ファイルとして仮想

マシン(Windows)のリモートバックアップを行います <導入ポイント> バックアップ対象の仮想マシン(Windows)へ Virtual Machines Agent と Agent for Microsoft SQL を

導入します。 Virtual Machines Agent を仮想マシンにインストールすると Client Agent for Windows も同時にイ

ンストールされます。

表-図 8 の製品構成と必要ライセンス 製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows A 1

Guest Based Virtual Machines Agent Bundle C,D 2 (C,D)

Agent for Microsoft SQL C,D 2 (C,D)

※仮想ホスト 1 台による仮想環境での SQL Server 連携バックアップでは仮想マシン 4 台(4 ライセンス)以上から VM Agent per Host License を選択します。

<設計考慮点> ・仮想環境固有の考慮点はありません。3-1 章 SQL Server 連携オンラインバックアップをご参照くだ

さい。

VM Volume

(A)バックアップサーバ (Windows)

(B)仮想環境ホスト

テープ装置

ディスクアレイ 装置

LAN 経由 D2T LAN

(C)仮想 マシン 1 (Windows)

(D)仮想 マシン 2 (Windows)

MSSQL

図 8. 仮想環境での SQL Server 連携オンラインバックアップ利用イメージ

MSSQL SAP

SAP

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《参考情報 1》仮想環境オフラインバックアップとオンラインバックアップの併用 VDDK 連携による raw モード仮想マシンバックアップと SQL Server 連携オンラインバックアップを

併用する場合、VDDK インストールマシン(バックアップサーバ)に対しても Virtual Machines Agentライセンスが必要です。 同様に、Hyper-V ホスト連携による raw モード仮想マシンバックアップと SQL Server 連携オンライ

ンバックアップを併用する場合、Hyper-V ホストに対しても Virtual Machines Agent ライセンスが必

要です。 《参考情報 2》Hyper-V 仮想環境上での VSS 連携オンラインバックアップ

Hyper-V の仮想マシン上で SQL Server が稼動する場合、VSS 機能と連携したリモートでのオンライ

ンバックアップが可能です。詳細は 3-4 章(2)設計考慮点 をご参照ください。

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3-3. OPC データのテープバックアップ(D2D2T) <要件>

ETERNUS DXのOPC で取得されたWindowsサーバのバックアップデータをファイルとしてテープ

へ二次バックアップします。LAN は経由しません。(D2D2T 方式) <導入ポイント>

ベース製品以外の導入は不要です。

表-図 9 の製品構成と必要ライセンス 製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows A 1

※OPC は別途、ETERNUS SF アドバンストコピーのライセンスが必要です。

図 9. OPC データのテープへのファイルバックアップ(D2D2T)利用イメージ

(A)バックアップサーバ (Windows)

(B)業務サーバ(Windows)

テープ装置

ETERNUS DX

業務

Volume

OPC Backup Volume

SAP

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<設計考慮点> ・本方式は D2D2T 方式の D2T 部分(二次バックアップ)に相当します。 ・OPC コピー元データが Windows から認識できるファイルシステムの場合、ファイルとしてのバッ

クアップが可能です。 ・業務サーバのシステムのバックアップは別途、Client Agent for Windows を導入して行います。 <留意事項> ・D2D の部分は ETERNUS DX および ETERNUS SF アドバンストコピーの導入・設計が前提となり

ます。 ・OPC されたデータは LUN to LUN 形式もしくは Partition to Partition 形式のどちらかで取得され

ている必要があります。

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《参考情報》OPC データのテープへの raw バックアップ <要件>

ETERNUS DXのOPC で取得されたバックアップデータがWindowsから認識できないファイルシス

テムの場合は、raw データとしてテープへ二次バックアップします。(D2D2T 方式) 例.UNIX、VMware、Oracle RAC など

<導入ポイント> バックアップサーバに Enterprise Module を導入します。

表-図 10 の製品構成と必要ライセンス 製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows A 1

Enterprise Module A 1

※OPC は別途、ETERNUS SF アドバンストコピーのライセンスが必要です。

図 10. OPC データのテープへの raw バックアップ(D2D2T)利用イメージ

(A)バックアップサーバ (Windows)

(B)業務サーバ

テープ装置

ETERNUS DX

業務

Volume

OPC Backup Volume

SAP

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<設計考慮点> ・本方式は D2D2T 方式の D2T 部分(二次バックアップ)に相当します。 ・OPC コピー元データが Windows から認識できないファイルシステムの場合、raw データとしてバ

ックアップします。 ・業務サーバのシステムバックアップは環境に応じて別途行います。 <留意事項> ・D2D の部分は ETERNUS DX および ETERNUS SF アドバンストコピーの導入・設計が前提となり

ます。 ・OPC されたデータは LUN to Partition 形式で取得されている必要があります。

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3-4. ファイルシステムバックアップ (1) Client Agent for Windows を利用したシステム全体バックアップ <要件> リモート Windows サーバのシステムおよびデータをネットワーク経由でバックアップし、かつ災害時

の迅速な復旧を可能にします。 <導入ポイント>

バックアップサーバに Disaster Recovery Option を導入します。 リモート Windows サーバには Client Agent for Windows を導入します。 Disaster Recovery Option の導入により、OS および ARCserve ソフトウェアの再インストールを行う

ことなく、迅速にサーバの復旧が可能となります。

表-図 11 の製品構成と必要ライセンス 製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows A 1

Disaster Recovery Option A 1

Client Agent for Windows B 1

<設計考慮点> ・システム全体のバックアップとして利用する場合、オフライン(業務やデータベースのサービス停止

状態)でのバックアップを推奨します。 ・本方式での設計考慮点については 1-4 章をご参照ください。

(A)バックアップサーバ (Windows)

(B)業務サーバ (Windows)

テープ装置

図 11. Client Agent for Windows によるシステム全体バックアップ利用イメージ

LAN 経由 D2T

LAN

MSSQL Volume

System Volume SAP

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(2) VSS 連携バックアップ <要件> リモートの Windows Server 2003/2008 を Windows Server の VSS 機能を使用してバックアップしま

す。SQL Server が稼動するサーバは VSS 連携によりオンラインでバックアップできます。

<導入ポイント> バックアップ対象のリモート Windows サーバに Client Agent for Windows と Agent for Open Files を導入します。 VSS 機能によるオンラインバックアップの場合、Agent for Microsoft SQL は不要です。

表-図 12 の製品構成と必要ライセンス 製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows A 1

Client Agent for Windows B 1

Agent for Open Files B 1

テープ装置

LAN 経由 D2T

MSSQL Volume

LAN

System Volume

図 12. VSS 連携バックアップの利用イメージ

(A)バックアップサーバ (Windows)

(B)業務サーバ (Windows)

SAP

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<設計考慮点> ・業務サーバを長期稼動したまま定期的にシステムバックアップを取得する要件がある場合は本方式

利用を検討します。 ・Hyper-V 仮想マシン上で SQL Server が稼動する場合、VSS 連携によるリモートでのオンラインバ

ックアップが可能です。 ※バックアップ対象仮想マシンへ Virtual Machines Agent と Agent for Open Files を導入します。 ※Agent for Open Files のライセンスは Guest Based virtual Machines Agent Bundle (もしくは

VM Agent per Host License)に同梱されます。

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第 4 章.総括-SAP 環境での ARCserve Backup 活用例

3 システムランドスケープで構成される SAP ERP と SAP BW のシステムでの ARCserve Backup 活用

例を紹介します。 <システム構成>

本番環境 ・SAP ERP、SAP BW の 2 台の Windows サーバが稼動。データベースはどちらも SQL Server。 ・データは ETERNUS DX に格納。

検証環境 ・検証環境は本番環境と同様のシステム構成。

開発環境

・VMware ESX サーバ上にSAP ERP, SAP BW, SAP Solution Managerの 3台の仮想マシンが稼動。 ・各仮想マシンを構成する物理ファイルは ETERNUS DX に格納。 <バックアップ要件> 本番環境 ・バックアップのための業務停止が最も困難な SAP ERP は、ETERNUS DX の OPC で取得された

バックアップデータをファイルとしてテープへ二次バックアップします。 ・SAP BW は、SQL Server との連携によりデータベースをオンラインでテープへバックアップしま

す。 ・各サーバの OS ファイルシステムをオフラインでテープへバックアップします。また、災害により

バックアップデータからサーバシステムを復旧させる際、OS 等の再インストール作業無しで迅速

に復旧できるようにします。

検証環境 ・本番環境と同様にバックアップします。

開発環境

・開発環境はシンプルにバックアップします。 ・VDDK 連携により仮想マシンを丸ごとオフライン(raw モード)でテープへバックアップします。

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<導入ポイント> 本番/検証環境 ・本番/検証の SAP ERP データの二次バックアップでは、ベース製品以外の導入は不要です。 ※一次バックアップ(OPC)は別途、ETERNUS SF アドバンストコピーのライセンスが必要

・本番/検証の SAP BW サーバに Agent for Microsoft SQL を導入します。 ・システムバックアップのため、本番/検証の各サーバに Client Agent for Windows を導入します。 ・バックアップサーバに Disaster Recovery Option を導入します。 開発環境

・VDDK インストールマシン(バックアップサーバ)と 3 台の仮想マシンに対して Virtual Machines Agent ライセンスが必要です。

・ESX サーバ 1 台かつ VDDK バックアップ対象の仮想マシン台数 3 台以上に該当するため、Virtual Machines Agent ライセンスは VM Agent per Host License を選択します。

・raw モードバックアップのため、3 台の仮想マシンへの Virtual Machines Agent インストールは

不要です。バックアップサーバに対してのみインストールします。 以降に利用イメージと活用効果を記載します。

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<利用イメージ>

表-図 13 の製品構成と必要ライセンス 製品名 製品インストール先 ライセンス必要数

ARCserve Backup for Windows A 1

Disaster Recovery Option A 1

Client Agent for Windows B,C,D,E 4 (B,C,D,E)

Agent for Microsoft SQL D,E 2 (D,E)

VM Agent per Host License A 1 (I)

SAN(FC接続)

(A)バックアップサーバ

(Windows) (E)検証BW (Windows)

テープ装置

ETERNUS DX

本番ERP

OPC 本番ERP

(C)検証ERP (Windows)

(D)本番BW (Windows)

(B)本番ERP (Windows)

検証ERP

検証ERP

本番BW

検証BW

ESXサーバ(I)

VMファイル群 (F) Solution Manager

(G) 開発 BW

(H) 開発 ERP

管管理理用用 LLAANN

開発環境はVMファイル をSAN経由でテープへ

ERPはOPC連携データ をテープへ(D2D2T)

BWはSQL Serverデータを

LAN経由でテープへ

図 13. 3 システムランドスケープでの利用イメージ

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<ARCserve Backup 活用効果> ・異なるバックアップ要件が存在する複数の SAP システムのデータを 1 台のバックアップサーバ上か

ら統合的にバックアップできます。 ・バックアップ運用の一元化と自動化により、バックアップ運用工数を削減できます。 ・業務を継続したまま、24 時間 365 日対応のオンラインバックアップを可能にします。

―以上―

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参考文献

SQL Server 環境での SAP バックアップ情報

タイトル 概要 備考

SAP with Microsoft SQL Server 2008/2005: Best Practices for High Availability, Maximum Performance, and Scalability

SAP 向けの SQL Server 構成に関する Microsoft 技術文書

以下 URL から入手

http://www.microsoft.com/sqlserver/2008/en/us/sap-technical.aspx

SAP 向けの SQL Server のメン

テナンスに関するベストプラクテ

ィス トップ 10

SAP 向けの SQL Server メンテナン

スに関する Microsoft 技術情報

以下 URL を参照

http://sqlcat.com/whitepapers_japanese/archive/2008/10/18/sap-sql-server-10.aspx

SAP ライブラリ ・SAP NetWeaver 7.0 EHP1

SAP 製品 オンライ

ンヘルプ 以下 URL を開き、順に選択

http://help.sap.com/ SAP NetWeaver →NetWeaver 7.0 including

Enhancement Package 1 (Japanese) →SAP NetWeaver ライブラリ

CA ARCserve Backup 製品情報

タイトル 概要 備考

Product Documentation Downloads

r15 ユーザーズガイ

ド 以下 URL から入手

http://www.casupport.jp/resources/bab15win/manuals/

CA ARCserve Backup r15 for Windows 最新技術情報一覧

技術情報 以下 URL を参照

http://www.casupport.jp/resources/bab15win/tec/

CA ARCserve r15 シリーズ ハン

ドブック ライセンス情報 以下 URL から入手

http://www.arcserve.com/~/media/Files/SupportingPieces/ARCserve/asbu_r15_03.pdf

仮想環境のデータ保護 ・簡単ガイド ・ホワイトペーパー

仮想環境での製品活

用ガイド 以下 URL から入手

http://arcserve.com/jp →仮想環境のデータ保護

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CA ARCserve Backup による

SAP 環境のデータ保護

2011 年 7 月

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