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病理診断科の主要業務&
今後の展望について
高松赤十字病院病理科部
林 俊哲
Date of Presentation: Jul 4th 2016
徳島大学第一病理講座(4.5年） Taipei Veteran General Hospital (4年）
香川大学病理部(5年)にて3回の病理研修を終えて
カナダのトロント大学病理部に一年臨床留学
2015年1月～高松赤十字病院病理科部:病理医3名+技師6名
病理部の風景（切り出し室および染色室）
病理部の風景（診断室）
Presentation Overview
① 細胞診断
② 生検組織や手術で摘出された臓器/組織の
病理診断
③ 手術中の迅速病理診断
④ 病理解剖
⑤ 臨床医との連携
(A) 病理診断科の主要業務
① 細胞診断 **体液（痰、尿、胸水、腹水など）の中にがん細胞や
疾患を顕微鏡で調べる。
**子宮がん検診：子宮頚部から細胞を綿棒などで
こすりとって調べます。口腔、乳房、肺など病変部に
しこりがあると、細い針を刺して吸引し、病変を診断する。
病理診断科の主要業務
検体不良
適切な検体
最適な検体
細胞診材料 遺伝子検索
検体の評価
EGFR, ALK
ROS-1, RET
PCR
Cell block
IHC
FISH
癌細胞の検出
細胞診材料から遺伝子や免疫染色などの追加検討
② 生検/手術標本の病理診断
病理診断科の主要業務
高松日赤病理科部の業務量
Small Cell Carcinoma
of the lung (20.0%)
LCNEC ( 3.0%)
CARCINOID (2.0%)
•大学とほぼ同様の業務量
•荻野先生の指導の下で、ほぼ全例double checkや
triple check(精度管理)
•暫定報告を活用し、報告時間を極端に短縮する、
臨床の治療方針の決定に重要(turn-around time)
高松日赤病理部の業務量/傾向
③術中迅速診断
病理診断科の主要業務
①腫瘍の良悪性診断
②病変の広がり、断端
③術中迅速診断
病理診断科の主要業務
④病理解剖：目的
病理診断科の主要業務
① 亡くなれた患者さんに行われた治療の検証:
臨床病理検討会（CPC）、組織バンク
② 病態の解明、病変の広がり、治療効果、医療訴訟
③ 病理医にとっては全身系統的な病理所見のまとめ、
日常業務と異なる疾患および所見 、training
④病理解剖：現状及び問題点
病理診断科の主要業務
① 1体：25万～40万円；保険適応外；病院負担
②病理解剖の数の減少、限界、画像診断（AI；Autopsy
Image）の進歩
③病理スタッフの数不足、業務の圧迫、日常業務量の激増
（新しい検査項目、規約分類、高齢化社会） ：
10年で1.5倍増
④病理診断：現状及び問題点
病理診断科の主要業務
高松日赤病理科部の切り出し風景
切り出しの風景（香川大学病理部）
トロント大学病理部の労働環境(世界基準?)
病理Staffの個室
病理部の廊下 研修医室/専攻医室
⑤臨床医との連携
病理診断科の主要業務
① 病理医：病理診断を専門にしている医師：治療方針
の決定に重要：正しい診断なくして正しい治療なし！
② 共同カンファレンス、学会/論文発表の助言、写真提供
③ 臨床医、研修医や医学生の研修
国内/国際学会活動＆国際交流
Presentation Overview
① 現在は知名度の高くない診療科ですが…
② 次世代の病理診断科
③ 世界の流れ
(B)病理診断科の今後の展望について
① 現在は知名度の高くない診療科ですが…
**現状：マッチング時の意向調査：0.7%
数十年前の欧米も同様でしたが、現在は超人気!!
**病理診断業務は、病理解剖と切り出し以外、
基本がデスクワークであり、高齢者でも働きやすい
職種です。90歳を超えてもOK、亡くなる直前までも??
Dr. K. Kovacs, University of Toronto (92）
(B)病理診断科の今後の展望について
②次世代の病理診断科
** 自動化、保険制度の変化や技術革新で、就業
形態が大きく変わる可能性はある（遠隔診断、
自動遺伝子診断の併用など）
** 人間の判断+責任+臨床との対話
(B)病理診断科の今後の展望について
③世界の流れ **病理施設の集約、(臓器別)専門化、業務の効率化
多職種の連携(Pathologist Assistant、病理検査技師、
細胞診検査士、 Clinical Clerkなど）
**世界共通の診断基準: WHO, Bethesda system,
Paris system, etc.
(B)病理診断科の今後の展望について
トロント大学病理部の労働環境（世界基準?）
病理Staffの個室
病理部の廊下 研修医室/専攻医室
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この物語はフィクションではありません！
