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Final Cut Studio ワークフロー

Final Cut Studio jp

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Final Cut Studioワークフロー

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本書には正確な情報を記載するように努めました。ただし、誤植や制作上の誤記がないことを保証するものではありま

せん。

Apple Computer, Inc.1 Infinite LoopCupertino, CA 95014-2084U.S.Aアップルコンピュータ株式会社〒 163-1480 東京都新宿区西新宿 3 丁目 20番 2号東京オペラシティ タワー http://www.apple.com/jp

AppleScript、 DVD Studio Pro、 Final Cut、 Final Cut Pro、 Logic、 QuickTime、 Shake、および Soundtrack、は、米国その他の国で登録された Apple Computer, Inc.の商標です。

Cinema Tools、 Finder、および LiveTypeは、 Apple Computer, Inc.の商標です。

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れらの製品の使用を強制あるいは推奨するものではありません。また、 Apple Computer, Inc.は他社商品の性能または使用につきましては一切の責任を負いません。

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1 目次

5 アップルのポストプロダクションアプリケーションの概要 6 アップルのポストプロダクションアプリケーションについて 10 このマニュアルの使い方 11 Final Cut Studioワークフローのサンプル 12 ムービーの編集 14 ムービーのエンコーディング 14

DVDのオーサリング

17 Final Cut Proプロジェクトに使うアップルアプリケーション 17 「 Final Cut Pro」と共に「 Soundtrack Pro」を使う 18 「 Final Cut Pro」にある 1つのクリップを編集する 21 「 Final Cut Pro」の複数のオーディオトラックを扱う 23 クリップやシーケンスを「 Final Cut Pro」から「 Soundtrack Pro」に書き出す 23 「 Final Cut Pro」と共に「 Motion」を使う 24 クリップやシーケンスを「 Final Cut Pro」から「 Motion」に書き出す 26

Motionプロジェクトを Final Cut Proプロジェクトに読み込む

27

Motionプロジェクトを「 Final Cut Pro」内から編集する 27 「 Final Cut Pro」と共に「 Compressor」を使う 27 「 Compressor」を使ってムービーを書き出す 28 ビデオクリップをほかのビデオ規格に変換する 29 「 Final Cut Pro」と共に「 LiveType」を使う 29

LiveTypeプロジェクトを Final Cut Proプロジェクトに読み込む

30

LiveTypeプロジェクトを「 Final Cut Pro」内から編集する 30 シーケンスの一部を「 LiveType」に書き出す 31 「 Final Cut Pro」と共に「 Shake」を使う 32 「 Shake」に読み込まれたクリップの配列について 33 「 Final Cut Pro」からクリップを送信する 34 メディアを「 Final Cut Pro」に戻す 34 「 Final Cut Pro」と共に「 Logic Pro」を使う 35

Final Cut Pro XMLファイルを「 Logic Pro」に読み込む

35

Final Cut Pro XMLファイルを「 Logic Pro」から書き出す

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37 アップルのアプリケーションを DVD Studio Proプロジェクトで使う 37 Final Cut Proプロジェクトを DVDにする 38

Final Cut Proプロジェクトを「 DVD Studio Pro」に読み込む

38

Final Cut Proプロジェクトから HDベースの DVDを作成する 39 「 Motion」を DVD Studio Proプロジェクトで利用する 40 モーションメニューに使う Motionプロジェクトを読み込む 40

Motionプロジェクトを「 DVD Studio Pro」内から編集する

41

Motionプロジェクトをアルファトランジションとして作成する/読み込む 45 「 Soundtrack Pro」を DVD Studio Proプロジェクトで使う 45

Soundtrack Proプロジェクトを「 DVD Studio Pro」用に保存する

46 「 Soundtrack Pro」を Motionプロジェクトで使う 47 「 Soundtrack Pro」から AIFFオーディオを書き出す 48 「 Soundtrack Pro」から「 Compressor」を使って書き出す 49 「 Compressor」を DVD Studio Proプロジェクトで利用する 50 「 Compressor」のワークフローメソッドについて 50

AC-3ファイルを作成する理由

51 「 Compressor」で AC-3ファイルを作成する 53 「 LiveType」を DVD Studio Proプロジェクトで利用する 53

LiveTypeプロジェクトを「 DVD Studio Pro」に読み込む

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LiveTypeプロジェクトを「 DVD Studio Pro」内から編集する

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5

1 アップルのポストプロダクションアプリケーションの概要

アップルが提供するプロフェッショナル向けオーディオおよびビデオアプリケーションのファミリーは、非常に高度なポストプロダクションのワークフローでも円滑な作業を実現します。

アップルのポストプロダクション用アプリケーションにより、強力な編集ツール、革命的なサウ

ンド操作、リアルタイム・モーショングラフィックス、次世代 DVDオーサリング、および定評ある合成ツールが手元にそろいました。このマニュアルを読んで、「 Final Cut Pro」でのムービープロダクション・プロセス、および「 DVD Studio Pro」での DVD オーサリングプロセスでの、各アプリケーションの役割を理解しましょう。

以上のアプリケーションのうち、「 Shake」と「 Logic Pro」以外は、包括的に統合されたポストプロダクションパッケージ「 Final Cut Studio」に含まれています。

ポストプロダクションでの機能 アプリケーション 説明

編集 Final Cut Pro

Cinema Tools

Â

DV、 SD、 HD、およびフィルム向けリアルタイム編集

 フィルムおよび 24p HD 用の高度なツール

オーディオ Soundtrack Pro

Logic Pro

 プロフェッショナルな品質のオーディオポストプロダクション

 高度な音楽制作およびオーディオプロダクション

グラフィックスの合成およびモーショングラフィックス

Motion

LiveType

Shake

 リアルタイムのモーショングラフィックス・デザイン

 ダイナミックなアニメーションによるタイトルエフェクトの制作

 高度なデジタルエフェクト合成

配布 DVD Studio Pro

Compressor

 SDおよび HDムービー向けの完備した DVD オーサリング

 多機能で高品質な SDおよび HDエンコーディング

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アップルのポストプロダクションアプリケーションについてアップルのポストプロダクション向けアプリケーションには、どんなに要求水準の高いプロジェ

クトでも完成させるパワーを備えた、業界をリードするポストプロダクションツールが用意され

ています。

Final Cut Proそのスケーラビリティとパフォーマンスにより、「 Final Cut Pro」は究極のムービー編集アプリケーションと言われています。たとえば、 DV および HDVだけでなく、 DVCPRO HD や非圧縮 10ビット HDビデオなど、事実上あらゆるフォーマットを扱うことができます。また、「 Final Cut Pro」の豊富なプロフェッショナル機能には、マルチカメラ編集ツール、高度なリアルタイムカラー補正およびイメージ加工フィルタ、およびオーディオコントロール・サー

フェスのサポートなどがあります。

「 Final Cut Pro」は、ムービーのすべての要素を結び付け、それらの中枢をなすアプリケーションです。「 Final Cut Pro」を使うと、次の作業を行うことができます:Â テープからビデオやオーディオを取り込む

Â

QuickTimeメディアファイルを読み込む

Â

HDVビデオのネイティブ編集をする

 シングルカメラプロジェクトおよびマルチカメラプロジェクトの両方を編集する

Â「 Cinema Tools」を使ってフィルムを編集するÂ「 Motion」のモーショングラフィックス・プロジェクトと「 LiveType」のタイトルをネイティブで結合する

Â「 Soundtrack Pro」との統合により、オーディオをミックス、編集、および修復する

ムービーが完成したら、プロジェクト全体を次のようにできます:

 幅広い種類の標準精細度( SD)および高精細度( HD)テープ形式で出力するÂ「 QuickTime」ムービーファイルで書き出す

Â「 Compressor」で H.264、 MPEG-2、または MPEG-1ファイルに変換し、「 DVD Studio Pro」を使った DVD配布に利用する

Â「 Compressor」で MPEG-1や MPEG4フォーマットに変換し、 Webでのオンライン配信に利用する

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Soundtrack Proムービーに使われるオーディオでは、映像の脇役として、磨き抜かれて完成したサウンドを用意

することが非常に重要です。「 Soundtrack Pro」では、サウンドトラック制作のすべての作業に対応して各種ツールが用意されています:

 強力な波形エディタで、オーディオファイルをグラフィカルに編集してから、破壊的または非

破壊的な操作で処理することができます。また、波形エディタでオーディオファイルを分析・

修復するだけでなく、 AppleScriptをサポートしているので、一般的な作業を自動にすることもできます。

 タイムラインにより、本格的なマルチトラック編集および編曲の機能が実現されています。

 コンソールスタイルのミキサーで、マルチトラックプロジェクトをミキシングできます。

Â「 Final Cut Pro」と「 Motion」の間でデータをやりとりできるので、プロジェクトのオーディオを扱いやすくなっています。

 プロフェッショナル向けオーディオエフェクトのプラグインのセットを使って、イコライザ、

コンプレッサ、リバーブなどのオーディオ操作ができます。

 充実した Apple Loopsライブラリを利用すれば、効果音およびミュージックキューも含めた、プロジェクト用サウンドトラックを構築できます。

 外部ビデオ表示もサポートしている統合ビデオ表示で、オーディオ作業中にビデオを簡単に参

照できます。

Motionリアルタイム・モーショングラフィックス用ソフトウェア「 Motion」を使えば、アーチストや編集者がテキスト、ムービー、およびグラフィックスのアニメーションを簡単に作成して、映画、

ビデオ、または DVD のモーションメニューに利用することができます。「 Motion」を使用して「 Final Cut Pro」ムービー用に、人目を引くモーショングラフィックスやアニメーション、およびタイトルシーケンスを簡単に作成できます。さらに、「 DVD Studio Pro」と「 Motion」の統合、および「 Soundtrack Pro」と「 Motion」の統合を利用すれば、 DVD プロジェクト用のモーションメニューおよびトランジションを簡単に作成できます。以下に、「 Motion」の機能の一部を示します:

 インパクトのあるエフェクトを作成できるリアルタイムデザイン機能では、複数のビデオスト

リーム、フィルタ、テキスト、およびパーティクルをレンダリングなしで利用できます。

 ビヘイビアを利用すれば、自然に流れる、キーフレームなしのアニメーションを作成できます。

 効果のある、カスタマイズされたパーティクルエフェクトとして、スモーク、ダスト、および

アニメーション動作などがあり、プロジェクトの要素に適用できます。

 レイヤーおよび合成の機能を使って、プロジェクトの要素をレイヤー(数は無制限)に配置で

きます。

Â

HDVをネイティブにサポートしており、別のフォーマットにトランスコードする必要がないので、 HDVフォーマットビデオの品質が保たれます。

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DVD Studio Pro「 DVD Studio Pro」は、 DVDビデオを作成するためのオーサリングソフトウエアです。「 Final Cut Pro」および「 Motion」で作成したビデオ、「 Soundtrack Pro」で作成したミュージックなどのオーディオ、そして Adobe社の「 Photoshop」などで作成した静止画を、簡単な作業で DVDにまとめることができます。作成した DVDは、 DVDプレーヤーや、必要な機器を備えたコンピュータで再生することができます。 DVD を、使用目的に合致する仕様にオーサリングできます:

 字幕と複数のカメラアングルを使用する長編映画

 結婚式やコンサート、試写会などの、特別なイベントに使うビデオ

 多大なメニュー案内や、 Webサイトの URLリンクを使った対話式のキオスク 編集用の下見フィルムやビデオ転送

 自動ループやランダムなシーンセレクションを使ったアート設定

「 DVD Studio Pro」に付属しているテンプレート、スタイル、およびトランジションを利用すれば、 DVD プロジェクトを素早くオーサリングできます。また、手動でオーサリングすることも選択して、プロジェクトのあらゆる部分を精密に制御することもできます。以下に、機能の一部

を示します:

 標準的な DVD、および HDコンテンツが入る DVDの両方のオーサリングをサポートしているので、配布の要件に最適なタイプの DVDを選択できます。

 必要に応じて設定できるスケーラブルなユーザインターフェイスにより、目的に合わせたツー

ルおよび表示を選ぶことができます。

 洗練されたハイエンド機能のサポート。たとえば、ビデオのマルチアングル、複数のオーディ

オストリームおよび字幕、そして複数言語の DVDを作成する機能などです。Â

VTSエディタなどの先進的なオーサリングツールでは、 DVDの構成を細かく指定できます。また、高度なスクリプティングがサポートされており、スクリプトが必要とするレジスタの数に

合わせて GPRMにパーティションを設定することもできます。Â「 Motion」および「 LiveType」との統合により、プロジェクトをオーサリングする作業の継ぎ目がなくなり、モーションメニューやアニメーションテキストの効果を複数試すことができ

ます。

Compressor「 Compressor」はビデオの圧縮処理(トランスコーディング)には必須であり、すばやく効率的にかつ簡単に圧縮できます。また、圧縮プリセット、設定、および出力形式をより多様に選択で

きます。

また、「 Compressor」には、以下の目的に使える高品質な変換機能があります:

 プロジェクトのシーケンスのフォーマットに合わせて、ビデオクリップのネイティブなフォー

マットから高品質なトランスコードバージョンを作成できます。たとえば、 PAL フォーマットのクリップを、 NTSCフォーマットのプロジェクトで使う必要があるとします。「 Compressor」を使えば、 PALクリップの高品質な NTSCバージョンを作成することが可能です。

 プロジェクトのバージョンを 2つ作成できます。たとえば、ムービーの編集に HDビデオソースを使った場合に、「 Compressor」で HD バージョンと SDバージョンを書き出して、 SD解像度 DVDおよび HD解像度 DVDの両方を作成することができます。

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「 DVD Studio Pro」または「 Final Cut Studio」がインストールされているコンピュータで「 Compressor」を使う場合は、 AC-3 エンコーディングおよび分散エンコーディングの機能も利用可能です。

Â

AC-3エンコーダは、各種のオーディオチャンネル構成、たとえばステレオや 5.1サラウンドサウンドを、「 DVD Studio Pro」での使用に適した Dolby Digital オーディオストリームにエンコードするために使われます。

 分散エンコーディングでは、エンコーディングの処理を複数のシステムに分配することで、エ

ンコーディングにかかる時間が短縮されます。

LiveType「 LiveType」を使用すると、「 Final Cut Pro」および「 DVD Studio Pro」のプロジェクトで使用できる、洗練されたプロ品質のタイトルを簡単に作成することができます。付属のプロジェクト

テンプレート、および使用料がかからない放送品質のアニメーションコンテンツをカスタマイズ

すれば、ダイナミックなテキストエフェクトを素早く簡単に作成できます。

「 LiveType」のプロジェクトファイルを直接「 DVD Studio Pro」および「 Final Cut Pro」に読み込むことができます。いったん LiveTypeプロジェクトを「 Final Cut Pro」および「 DVD Studio Pro」に読み込むと、プロジェクトを再度「 LiveType」で開いて変更を加えるたびに、「 Final Cut Pro」および「 DVD Studio Pro」も自動更新されて変更が反映されます。

Cinema Tools「 Cinema Tools」は、フィルムおよび 24p プロジェクトを「 Final Cut Pro」で編集するためのツールです。「 Cinema Tools」は「 Final Cut Pro」の機能を拡張し、従来ならばハイエンドの特殊な編集システムでだけ利用できた機能を提供しています。詳細については、「 Cinema Tools」のマニュアルを参照してください。テレシネログでの作業、クリップを取り込むときに 3:2プルダウンを削除する方法、およびフィルムリストの書き出しなどが説明されています。

Shake「 Shake」は、フィルムおよびビデオを扱うことができる、ノードベースの高品質な合成および視覚効果アプリケーションです。「 Shake」では、業界標準のグラフィックフォーマットの大部分がサポートされており、解像度とビット深度が高いイメージシーケンスおよび QuickTimeファイルも簡単に扱うことができます。

「 Shake」に付属するツールには、ブルースクリーンおよびグリーンスクリーンを引く業界標準のキーヤー、完備したカラー補正ツールのスイート、高品質のモーションリタイミングおよび

フォーマットリマスタリング、モーショントラッキング、スムージング、およびスタビライゼー

ション機能、統合された手順型ペイントツールなどがあり、ロトスコーピングおよびマスキング

の環境では、アニメーションマットおよび静止画マットを完全に制御する機能が提供されます。

「 Final Cut Pro」には、 1つまたは複数のクリップを「 Shake」に送信する機能があり、加工後にレンダリングされたクリップで「 Final Cut Pro」が更新されます。

参考:「 Shake」は別売で、「 Final Cut Studio」には含まれていません。

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Logic Pro「 Logic Pro」は、音楽プロジェクトを録音、編曲、ミキシング、および制作するための完備した音楽ワークステーションスタジオです。「 Logic Pro」を使えば、 MIDI 音源、ソフトウェア音源、楽器演奏およびボーカルのオーディオ録音、 Apple Loops、およびその他の録音済みオーディオファイルを利用して音楽をアレンジできます。

「 Logic Pro」では、多様なフォーマットのオーディオファイルの読み込みおよび書き出しができます。「 Final Cut Pro」も使用する複雑なプロジェクトに対応して、「 Logic Pro」にはオーディオクリップと関連情報を「 Final Cut Pro」の XML インターチェンジフォーマットで出力する機能があります。「 Final Cut Pro」の XML インターチェンジフォーマットでは、キーフレーム、マーカー、位置、フィルタ、および自動化データがサポートされています。

参考:「 Logic Pro」は別売で、「 Final Cut Studio」には含まれていません。

このマニュアルの使い方このマニュアルの目的は、アップルのポストプロダクションアプリケーションについての全般的

な情報と、複数のアプリケーションを連携して使う典型的な状況に固有の情報を提供すること

です。

Â

17 ページの「 Final Cut Proプロジェクトに使うアップルアプリケーション」 では、ムービーを制作するワークフローの例を説明します。

Â

37 ページの「アップルのアプリケーションを DVD Studio Proプロジェクトで使う」 では、ムービーの DVDを制作するワークフローの例を説明します。

参考:各アプリケーションのユーザーズマニュアルは、印刷版がないアプリケーションのマニュアルも含めて、インストールディスクの「書類」フォルダや、各アプリケーションの「ヘルプ」

メニューで参照できます。各アプリケーションの使い方の詳しい説明については、これらのマ

ニュアルを参照してください。

アプリケーションのオンスクリーン・ユーザーズマニュアルを参照するには:m 目的のアプリケーションで、「ヘルプ」メニューからアプリケーションのユーザーズマニュアル

を選択します。

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Final Cut Studioワークフローのサンプルこの節では、 DVD での配布を目的としたムービープロジェクトのワークフローのサンプルについて説明します。ここでは、実際に経験する可能性が最も高いと思われる状況を扱います。ワー

クフローの選択肢に関する詳細な情報については、後続の各章を参照してください。

アップルのポストプロダクションアプリケーションを使って、 DVD で配布させるムービーを作成するステップは、大きく 3つに区分されます:Â ムービーの編集:ムービーの作成には、多くのアプリケーションが使えます。

 Final Cut Pro:フッテージを取り込んでムービーを編集します。

 LiveType:オープニングのタイトルを作成します。

 Motion:合成のエフェクトを追加します。

 Soundtrack Pro:オーディオを仕上げ、効果音を追加します。

 Compressor:ビデオクリップのビデオ規格を変換します。

 ムービーのエンコード:「 Compressor」を使って、ビデオおよびオーディオを DVD準拠の素材にエンコードします。

 DVDのオーサリング:複数のアプリケーションを使って、ムービーを配布するための DVDをオーサリングできます。

 DVD Studio Pro:メニューおよびトラックを構成します。

 モーションメニューの背景を作成します。

 Soundtrack Pro:メニューのバックグラウンドオーディオを作成します。

プロジェクト間のデータのやり取りについてプロジェクト間のデータのやり取りとは、アプリケーションのプロジェクトファイルを、別の

アプリケーションでの作業中に埋め込んだり開いたりできる機能のことです。アップルのポス

トプロダクションアプリケーションの多くは、お互いのプロジェクトファイルを直に読み込む

ことができます。たとえば、「 LiveType」で作成したタイトルのプロジェクトを、「 Final Cut Pro」のプロジェクトに読み込むことができます。この方が、変更のたびに LiveType ムービーをレンダリングしてから QuickTime ムービーとして書き出すよりも、はるかに能率的です。 LiveTypeプロジェクトに変更が必要だと分かったときに「 Final Cut Pro」で作業中だったとしても、そのプロジェクトを「 LiveType」で開く処理を「 Final Cut Pro」から直接実行できます。 LiveType プロジェクトを保存すると、プロジェクトに加えた変更は、「 Final Cut Pro」に自動的に反映されます。

重要:アプリケーションのプロジェクトを別のアプリケーションで利用するには、コンピュータに双方のアプリケーションの最新版がインストールされている必要があります。

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ムービーの編集サンプルプロジェクト制作の最初のステップは、ムービーの編集です。「 Final Cut Pro」でムービーを編集するときにも、アップルのほかのポストプロダクションアプリケーションでプロジェ

クトに手を加えることができます。

手順 1:「 Final Cut Pro」で取り込みおよび編集をするプロジェクトに使うビデオとオーディオの取り込みおよび編集には、作業時間の大部分を使うこ

とになります。この処理を始める前にソースをよく把握しておくことで、取り込むビデオおよび

オーディオの無駄を減らし、作業時間とハードディスク容量を節約することができます。

手順 2:「 LiveType」でオープニングタイトルを作成する「 LiveType」を活用して、見栄えのするアニメーショングラフィックスでムービーのタイトルを作成します。

「 Final Cut Pro」のテキストツールでもムービーのオープニングタイトルは作成できますが、タイトルに何らかのアニメーションエフェクトを使いたい場合もあるでしょう。オープニングタイ

トルの作成に「 LiveType」を使えば、テキストに多彩なエフェクトを適用しつつ、タイトルの外観を思い通りに制御できます。

LiveTypeプロジェクトは、「 Final Cut Pro」にほかの素材と同じ方法で読み込むことができます。 LiveType プロジェクトの動作は、ほかのクリップとまったく同様です。 LiveTypeプロジェクトに変更が必要だと感じたときに「 Final Cut Pro」で作業中だった場合でも、「 LiveType」でプロジェクトを開いて変更を加え、そのプロジェクトを保存して「 Final Cut Pro」に戻ることができます。 LiveType プロジェクトクリップが自動的に更新され、 LiveTypeプロジェクトの変更が反映されます。

詳細については、 29 ページの「「 Final Cut Pro」と共に「 LiveType」を使う」を参照してください。

手順 3:「 Motion」で合成エフェクトを追加する「 Final Cut Pro」は、ムービーにさまざまなエフェクトを追加する機能を強力にサポートしています。しかし、複雑なマルチレイヤーエフェクトを思い通りに制御したい場合や、高度なアニ

メーションまたはパーティクルのエフェクトを追加したい場合には、「 Motion」を使って違いを出すことができます。

たとえば、ムービーのとあるセクションで、静止画のグループが背景と同期して画面から出たり

入ったりするように設定したい場合には、「 Motion」を使ってそうしたエフェクトを作成することができます。「 Final Cut Pro」のタイムラインでイン点とアウト点を設定してエフェクトが表示される領域を指定してから、シーケンスのそのセクションを「 Motion」に書き出して背景に利用します。「 Motion」では、レイヤーのあらゆる要素を簡単に追加・設定できます。パーティクルを追加して、それをリアルタイムで再生して確認することもできます。満足すべき結果が得られたら、

それを Motion プロジェクトとして背景なしで保存します。「 Final Cut Pro」に戻ったら、目的の Motionプロジェクトを読み込んで、「タイムライン」に配置することができます。その後で Motionプロジェクトに戻って変更を加えると、「 Final Cut Pro」でも自動的に更新されて変更が反映されます。

詳細については、 23 ページの「「 Final Cut Pro」と共に「 Motion」を使う」を参照してください。

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手順 4:「 Soundtrack Pro」でオーディオを仕上げ、効果音を追加する「 Soundtrack Pro」は、ムービー用にオリジナルのサウンドトラックを作成するだけでなく、既存のオーディオをさまざまな方法で加工する作業にも使えます。一般的な使い方としては、ク

リップのオーディオの仕上げ、およびシーケンスへのエフェクトの追加があります。

クリップのオーディオを仕上げる「 Soundtrack Pro」には、クリップのオーディオを加工できる波形エディタが含まれています。波形エディタにより、オーディオのソースファイルを変更して(または変更しないで)各種のアク

ションを適用することができ、オーディオクリップを簡単に修復または改良できます。アクショ

ンには、 EQ(イコライザ)、コンプレッサ、リバーブなどのエフェクトだけでなく、ノイズ低減、アンビエントノイズ追加、無音の挿入、あるいはステレオファイルからモノラルへの変換といっ

た処理もあります。

「 Soundtrack Pro」を使ってオーディオクリップを編集するときには、ソースファイルまで変更すること(破壊的)も、しないこと(非破壊的)も可能です。作業を繰り返す場合は、

「 Soundtrack Pro」に付属するスクリプトを利用するだけでなく、波形エディタで独自にスクリプトを作成することができます。

詳細については、 18 ページの「「 Final Cut Pro」にある 1つのクリップを編集する」を参照してください。

クリップやシーケンスにエフェクトを追加する「 Soundtrack Pro」は、ムービーに高度なオーディオエフェクトを追加する作業にも使えます。たとえば、ショットのアンビエントサウンドを強調したり、イコライザを調整したり、コンプ

レッサやリバーブを追加したりできます。作業の対象にするクリップとしては、「 Final Cut Pro」の「タイムライン」で、あるいはシーケンス全体を、単独で(または複数をセットで)選択する

ことができます。

「 Final Cut Pro」から選択された単一または複数のクリップやシーケンスを「 Soundtrack Pro」に渡して、タイムラインまたはミキサーでオーディオを加工することができます。作業を済ませ

たら、 Soundtrack Pro プロジェクトを保存した上でミックスを書き出して、元の書き出し済み Final Cut Proオーディオの代わりに使います。

詳細については、 21 ページの「「 Final Cut Pro」の複数のオーディオトラックを扱う」を参照してください。

手順 5:ビデオクリップのビデオ規格を変換する場合によっては、シーケンスとは異なるビデオ規格のビデオクリップを読み込む必要が生じま

す。たとえば、 HD 1080i のプロジェクトを編集していて、 NTSC 480iのクリップを使う必要があるときには、 NTSCのクリップを 1080iのフレームサイズに合わせる必要があります。このために、「 Final Cut Pro」を使ってシーケンスにクリップを追加してからレンダリングする方法もありますが、最も高い品質を得るには、「 Compressor」を使ってビデオのサイズを合わせます。

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「 Compressor」でビデオクリップのサイズを変更するには、 Compressorバッチにビデオクリップを追加してから、ビデオシーケンスの設定(ビデオのフレームサイズ、フレームレート、およ

びフォーマット)に合わせたプリセットを適用します。また、「 Compressor」のインスペクタの「フレームコントロール」パネルで、「 Compressor」がビデオに対して高品質なサイズ変更を実行するように設定する必要もあります。「 Compressor」での作業が完了したら、サイズを合わせたクリップを Final Cut Pro プロジェクトに書き出してシーケンスに追加すれば、レンダリングをする必要はありません。

詳細については、 28 ページの「ビデオクリップをほかのビデオ規格に変換する」を参照してください。

ムービーのエンコーディングムービーが完成したら、ムービーのビデオとオーディオを DVD 準拠のフォーマットにエンコードする必要があります。

「 Compressor」でムービーを書き出す方法をお勧めします。この方法が、最も多くのオプションと最高の品質を得られます。もう 1つ、「 Compressor」を書き出すことの利点は、先にシーケンスをレンダリングしておく必要がない点です。レンダリングは、書き出しでの必要に応じて自動

的に行われます。

「 Compressor」で書き出すときに大切なのは、適切なプリセットを選択および設定することです。プリセットによって、ビデオおよびオーディオがどのようにエンコードされるかが決まりま

す。「 Compressor」にはさまざまなプリセットが用意されていますが、独自のプリセットを作成したり、既存のプリセットの構成を変更したりもできます。

また、シーケンスに複数のプリセットを適用して、ビデオおよびオーディオの複数のバージョン

を出力することも可能です。たとえば、ムービーに HD素材を使用する場合でも、プリセットで SDの出力(標準 DVD 作成用)および HDの出力( HDビデオ解像度 DVD作成用)が得られるように選択できます。

詳細については、 27 ページの「「 Compressor」を使ってムービーを書き出す」を参照してください。

DVDのオーサリング DVDのオーサリングは、 DVDに入れる内容と、それを視聴者が再生する方式を検討することから始まります。「 Final Cut Pro」でムービーを書き出したら、すぐに簡単な DVDのオーサリングができます。メニューを入れる必要もありません。

しかし、 DVD プロジェクトのほとんどでは、少なくともオープニングメニューが必要とされ、ボーナストラックやスライドショーが追加されることも数多くあります。

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プロジェクトの SDバージョンと HDバージョンの両方をオーサリングするつもりならば、先に SDバージョンのオーサリングをした方がよいでしょう。 HDバージョンには SD素材を入れることができるので、 SDバージョンを HDバージョンとして保存してから、 SD素材の一部またはすべてを HD素材と入れ替えれば済みます。

DVD プロジェクトの要素は、好きな順番でオーサリングできます。ただし、最初にメニューを作成すると、さまざまな利点があります。メニューにはナビゲーションの選択肢(移動先)の大

部分が含まれるので、それらを先に作成しておけば、各トラック(ムービーを含んでいます)お

よびスライドショーにアクセスできることと、選択されたときに正しく動作することを確認しや

すくなります。

手順 1:「 Motion」でモーションメニューの背景を作成 DVD メニューの形態は、簡潔な静止イメージや、アクションがいっぱいのビデオのどちらにもできます。また、どちらの場合でも、メニューにオーディオを追加できます。メニューが満たす

必要がある条件はただ 1 つです。それは、 DVD に入っている各トラック、スライドショー、およびほかのメニューにアクセスする方法が簡単に分かるように、必要なボタンを備えていること

です。

たとえば、「 Motion」を使えば、ムービーの一部をモーションメニューの背景にすることができます。また、ぼかしやカラー化のエフェクトといったフィルタを追加したり、テキストおよびボ

タンのグラフィックスを追加したりできます。

一般的なアプローチとしては、メニューの導入部を用意して、たとえばボタンやテキストが画面

に飛び込んでくるようにしてから、それらの要素を定位置に付けて視聴者が選択できるようにし

ます。「 Motion」では、ループポイントを指定するマーカーを設定し、メニューの再生が終わったら先頭ではなく設定したポイントに戻るようにすれば、導入部分を再び再生することを回避で

きます。

「 Motion」で作成したモーションメニューは、 Motion プロジェクトとして DVD Studio Pro プロジェクトに読み込むことができます。プロジェクトは、ほかの素材とまったく同様に扱えます。

たとえば、プロジェクトをメニューにドラッグして背景にすることができます。 Motionプロジェクトを編集する必要が生じたら、「 DVD Studio Pro」内でダブルクリックすれば「 Motion」が開きます。編集を済ませてプロジェクトを保存すると、 DVD Studio Pro プロジェクトにも自動的に反映されます。

詳細については、 39 ページの「「 Motion」を DVD Studio Proプロジェクトで利用する」を参照してください。「 Motion」でアルファトランジションを作成する方法の詳細についても説明があります。

手順 2:「 DVD Studio Pro」でメイントラックを作成する「 DVD Studio Pro」でトラックを作る方法は、非常に簡単です。ビデオ素材およびオーディオ素材をプロジェクトに読み込んでからメニューまでドラッグします。メニューには、トラックにア

クセスするためのボタンが設定されます。「 DVD Studio Pro」では、トラックの作成、メニュー上のボタンの配置、およびボタンとトラックのリンクを自動的に行うことができます。

トラックには、多くの設定項目があります。たとえば、ナビゲーションに便利なチャプタマー

カーを追加したり、リモコンボタンが押されたときの動作を定義したりできます。

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手順 3:「 Soundtrack Pro」でメニューのオーディオを作成するメニューにオーディオを追加すると、たとえ背景が静止画のメニューでも、より楽しめる DVDになります。「 Soundtrack Pro」には充実した Apple Loopsのセットが付属しており、メニュー用オーディオにぴったりの、使用料がかからないオーディオクリップを素早く作成できます。ま

た、オーディオにエフェクトを追加することもできるので、モーションメニューでボタンが定位

置につくといったアクションとオーディオを一致させたい場合などに便利です。

使用するオーディオは、「 Soundtrack Pro」から直に AIFF オーディオファイルとして書き出したり、「 Compressor」を使って、 Dolby Digital AC-3ファイルとして書き出したりできます。また、「 Soundtrack Pro」と「 Motion」が統合されていることを利用して、メニューのオーディオとビデオが完全に補完するように調整することもできます。

詳細については、 45 ページの「「 Soundtrack Pro」を DVD Studio Proプロジェクトで使う」および 46 ページの「「 Soundtrack Pro」を Motionプロジェクトで使う」を参照してください。

手順 4:「 DVD Studio Pro」を使って DVDを作成するプロジェクトが完成したら、ディスクを作成する準備が整いました。オーサリングのどの時点で

も、各要素が意図したとおりに動作するかを確認するために、プロジェクトのシミュレーション

を実行することができます。しかしながら、実際にコンパイル済みのファイルを再生してみるこ

とが、プロジェクトをテストする最善の方法です。「 DVD Studio Pro」を使えば、実際にディスクを作成しなくともプロジェクトを構築して、アップル「 DVD プレーヤー」で再生テストができます。プロジェクトの仕上がりに満足したら、それを DVDにしましょう。

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Final Cut Proプロジェクトに使うアップルアプリケーション

アップルのポストプロダクションアプリケーションには、 Final Cut Pro プロジェクトを加工するための非常に便利なツールが用意されています。

「 Final Cut Pro」は、それ自体でも完備した編集ソリューションです。以下の機能を備えています:

 モーション機能で合成できるグラフィックス

 テキストタイトル作成

 オーディオ編集およびミキシング

しかし、アップルのポストプロダクションアプリケーションはこれらの機能を大幅に補強し、き

わめて洗練された特徴豊かなムービーを「 Final Cut Pro」で作成できるようにします。

「 Final Cut Pro」と共に「 Soundtrack Pro」を使う「 Soundtrack Pro」は、 Final Cut Proプロジェクトで主に 2通りに使えます:使い方の 1つはオーディオの作成で、もう 1つはオーディオの修復、改良、およびミキシングです。

「 Soundtrack Pro」は、録音から高度なオーディオ処理およびミキシングに至る、オーディオ作成のあらゆる側面で使うことができます。「 Soundtrack Pro」では、「 Final Cut Pro」のオーディオクリップを直接開くことができ、「 Soundtrack Pro」でオーディオの作業を済ませてプロジェクトを保存すると、「 Final Cut Pro」で自動的にプロジェクトが更新されます。これにより、データをやり取りしながらすばやく簡単に処理を行うことができます。

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Final Cut Pro プロジェクトにあるオーディオを「 Soundtrack Pro」で編集するには、複数の方法があります。状況に応じて選択してください:

 1 つのクリップについて作業する場合。「 Final Cut Pro」には、クリップを「 Soundtrack Pro」の波形エディタで開く方法が複数用意されています。さまざまなツールを使用して、オーディ

オの分析および処理が可能です。

 複数のトラックのオーディオについて作業する場合や、効果音またはボイスオーバーを追加する場合。 Final Cut Pro の単一クリップやクリップのグループ、またはシーケンスの全体を「 Soundtrack Pro」のタイムラインで開いて、トラックを追加します。追加のトラックは、効果音、フォーリー、ボイスオーバー、およびミュージックに使います。また、「 Final Cut Pro」のオーディオクリップを分析および処理することもできます。その後で、「 Soundtrack Pro」を使って最終ミックスを行います。

 複数のオーディオファイルに同じ処理を適用する必要がある場合。 1つまたは複数の Final Cut Proオーディオクリップを Soundtrack Proスクリプトに渡して、リバーブを追加したりポップ音やクリック音を除去したりといった、さまざまな操作をオーディオに対して実行

できます。

「 Final Cut Pro」にある 1つのクリップを編集する「 Soundtrack Pro」の波形エディタでクリップを開くには、主に 3つの方法があります:エディタに送信する、エディタで開く、および Soundtrack Proスクリプトに送信するといった方法です。Â クリップを「Soundtrack Pro」の波形エディタに送信すると、 Soundtrack Proプロジェクトが作成され、元々のファイルは変更せずに波形エディタでオーディオを編集することができ

ます。

 波形エディタでファイルを開いた場合、すべての変更は保存時にオーディオファイル自体の内容を変える形で適用されます。

 クリップを Soundtrack Proスクリプトに送信すると、クリップが波形エディタで開いて、スクリプトに記述されている操作が実行され、変更されたクリップが保存された後で、波形エ

ディタが背景に移って「 Final Cut Pro」で作業を継続できるようになります。この処理では、クリップが Soundtrack Proプロジェクトならば元のファイルは変更されず、クリップが通常のオーディオファイルの場合はファイルの内容が変更されます。

「 Final Cut Pro」から「 Soundtrack Pro」の波形エディタにクリップを送信する「 Final Cut Pro」から「 Soundtrack Pro」の波 形 エ デ ィ タ に クリ ッ プ を 送 信 す る と、 Soundtrack Pro オーディオファイルプロジェクトが作成されます。このプロジェクトの拡張子は「 .stap」で、オーディオに加えた変更がすべて格納されます。元々のオーディオクリップは、波形エディタでの操作の影響を受けません。

重要:このためには、コンピュータに「 Final Cut Pro」と「 Soundtrack Pro」の両方がインストールされている必要があります。

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波形エディタにクリップを送信するには: 1 「 Final Cut Pro」のブラウザまたはタイムラインで、 Controlキーを押しながらクリップをクリックし、ショートカットメニューから「送信」>「 Soundtrack Proオーディオファイル・プロジェクト」と選択します。

クリップを Soundtrack Proオーディオファイルプロジェクトとして保存するように指示するダイアログが表示されます。

2 名前を入力するかデフォルトの名前のままで、「保存」をクリックします。

プロジェクトが、「 Soundtrack Pro」の波形エディタで開きます。

3 必要に応じてオーディオを編集します。

4 「ファイル」>「保存」と選択し、編集したプロジェクトを保存します。

プロジェクトにソースオーディオクリップのコピーまたはソースオーディオクリップへの参照

を含めるかどうかを選択できるダイアログが表示されます。

 プロジェクトにソースオーディオクリップを含める場合、プロジェクトは元のソースオーディ

オクリップに依存しない独立再生形式になりますが、プロジェクトのファイルサイズが増加し

ます。

 プロジェクトにソースオーディオクリップへの参照を含める場合は、比較的サイズの小さいプ

ロジェクトファイルが作成されますが、元のソースファイルが移動または削除されると再生さ

れなくなる可能性があります。

5 ソースオーディオの使用方法を選択して、「 OK」をクリックします。

この Soundtrack Pro プロジェクトが「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」に表示されて、「タイムライン」にあるクリップ項目を置き換えます(タイムラインで事前に選択されている場合)。さらに

変更を加えるには、(すでに「 Soundtrack Pro」でプロジェクトを開いている場合でも) Controlキーを押しながらクリップをクリックし、ショートカットメニューから「送信」>「 Soundtrack Proオーディオファイル・プロジェクト」と選択します。 これにより、 Soundtrack Pro プロジェクトと Final Cut Proプロジェクトとの接続が維持されます。

重要:クリップにビデオとオーディオの両方が含まれている場合、使用している「 Final Cut Pro 」のバージョンが、追加の変更が可能かどうかに影響します。 Final Cut Pro 5.0および 5.0.1では、「 Soundtrack Proオーディオファイル・プロジェクトへ送信」コマンドを再び使用する前に、オーディオからビデオのリンクを解除する必要があります。 Final Cut Pro 5.0.2では、 Soundtrack Proオーディオファイル・プロジェクトへ送信」コマンドを使用した後でビデオとオーディオが自動的にリンク解除されます。

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Final Cut Proオーディオクリップを「 Soundtrack Pro」の波形エディタで直接開く「 Final Cut Pro」のオーディオクリップを「 Soundtrack Pro」の波形エディタで開くと(「エディタで開く」コマンドを使います)、元のオーディオクリップファイルが波形エディタで開きます。

ファイルを編集すると、保存するたびにファイルの内容が変更されます。

参考:「 Final Cut Pro」の「システム設定」ウインドウの「外部エディタ」タブにある「オーディオファイル」の設定で、「エディタで開く」コマンドを選択したときに開くアプリケーションを

指定することができます。以降のステップでは、この設定が「 Soundtrack Pro」になっている必要があります。また、クリップがビデオとオーディオの両方を含んでいる場合は、先にビデオと

オーディオのリンクを解除するか、「外部エディタ」の「ビデオファイル」の設定も

「 Soundtrack Pro」にします。

重要:このためには、コンピュータに「 Final Cut Pro」と「 Soundtrack Pro」の両方がインストールされている必要があります。

Final Cut Proオーディオクリップを波形エディタで直接開くには: 1 「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」または「タイムライン」で Controlキーを押しながらオーディオクリップをクリックし、ショートカットメニューから「エディタで開く」を選択します。

オーディオクリップが、「 Soundtrack Pro」の波形エディタで開きます。

2 必要に応じてオーディオを編集します。

3 「ファイル」>「保存」と選択し、編集したファイルを保存します .

「 Final Cut Pro」に戻ると、波形エディタでクリップに加えた編集が反映されています。

重要:これは、元のファイルを変更し、内容が変わる処理です。

Soundtrack Proスクリプトを「 Final Cut Pro」のクリップに適用する Soundtrack Proスクリプトは、「 Final Cut Pro」で作業の対象になっているオーディオクリップにも適用できます。クリップを Soundtrack Proスクリプトに送信すると、クリップが波形エディタで開き、スクリプトに記述されている操作が実行され、変更されたクリップが保存されます。

この処理では、クリップが Soundtrack Proプロジェクトならば元のファイルは変更されず、クリップが通常のオーディオファイルの場合はファイルの内容が変更されます。

「 Soundtrack Pro」の各スクリプトは、 AppleScriptドロップレットです。「 Soundtrack Pro」を使って作成してからスクリプトエディタで編集すれば、スクリプトの作成およびカスタマイズが

簡単にできます。

重要:このためには、コンピュータに「 Final Cut Pro」と「 Soundtrack Pro」の両方がインストールされている必要があります。

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Soundtrack Proスクリプトでクリップを編集するには:m 「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」または「タイムライン」で、 Controlキーを押しながらクリップをクリックし、ショートカットメニューから「送信」>「 Soundtrack Pro スクリプト」と選択し、サブメニューで目的のスクリプトを選択します。

「 Final Cut Pro」で複数のクリップを選択し、スクリプトで編集することができます。複数のクリップを Soundtrack Proスクリプトに渡すと、各クリップが順番に開かれて、編集、保存された上で閉じられていきます。

また、クリップの編集では直前に使用したスクリプトを繰り返せるので、同じ処理のセットを

使って複数のクリップを編集することも簡単にできます。

直前に使ったスクリプトでクリップを編集するには:m 「 Final Cut Pro」のタイムラインで、 Controlキーを押しながらオーディオクリップをクリックし、ショートカットメニューから「送信」>「最後の Soundtrack Proスクリプト」と選択します。

「 Final Cut Pro」の複数のオーディオトラックを扱うクリップのグループやシーケンスを「 Soundtrack Pro」のタイムラインに送ると、レベル、パン、およびエフェクトも自動で、マルチトラックのミックスを作成することができます。この処

理には、以下の操作が関係します:

Â「 Final Cut Pro」で、クリップのグループやシーケンスから「 Soundtrack Pro」のマルチトラックエディタのプロジェクトを作成します。

Â「 Soundtrack Pro」でプロジェクトを編集します。Â「 Soundtrack Pro」からオーディオクリップを書き出し、 Final Cut Proプロジェクトに読み込んで、元のクリップのグループやシーケンスの代わりに使用します。

参考:「 Final Cut Pro」のクリップまたはシーケンスのグループから「 Soundtrack Pro」のマルチトラックプロジェクトを作成する場合は、クリップと一緒に、クリップの音量レベルおよび

キーフレーム、またはクロスフェードが送信されます。モノラルクリップの場合は、パン位置も

同時に送信されます。「 Final Cut Pro」のクリップベースのエフェクト(フィルタ、速度変化のエンベロープなど)、および「 Final Cut Pro」のジェネレータは、 Soundtrack Proマルチトラックプロジェクトには含まれません。

重要:このためには、コンピュータに「 Final Cut Pro」と「 Soundtrack Pro」の両方がインストールされている必要があります。

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クリップのグループやシーケンスをマルチトラックエディタに送るには: 1 「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」でシーケンスを選択するか、「タイムライン」で複数のクリップを選択します。

2 選択したクリップを Controlキーを押しながらクリックし、ショートカットメニューから「送信」>「 Soundtrack Proマルチトラックプロジェクト」と選択します。

複数の設定項目があるダイアログが表示されます。

3 「 Soundtrack Proマルチトラックエディタで開く」を選択し、保存したプロジェクトを「 Soundtrack Pro」で開くようにします。

4 「背景ビデオを含む」を選択し、シーケンスの背景ビデオもプロジェクトに含めます。

5 プロジェクトの名前を入力するかデフォルトの名前のままで、「保存」をクリックします。

これにより、「 Soundtrack Pro」のマルチトラックプロジェクト・ファイルが、「 .stmp」という拡張子で保存されます。

参考:この小さなファイルは、「 Final Cut Pro」で使用されている素材を参照します。このファイルを「 Soundtrack Pro」で開くときには、これらの素材が利用可能である必要があります。

「 Soundtrack Proマルチトラックエディタで開く」を選択した場合、クリップなどは「 Soundtrack Pro」のタイムラインで開きます。

6 必要に応じてオーディオを編集します。

7 「ファイル」>「保存」と選択し、編集したプロジェクトを保存します。

次に、 Final Cut Proプロジェクトで使うオーディオクリップを書き出します。

8 「ファイル」>「書き出し」>「ミックスを書き出し」と選択します。

9 名前を入力してから、「書き出し」をクリックします。

これによりオーディオファイルが書き出されるので、 Final Cut Proプロジェクトに読み込み、選択したクリップまたはシーケンスの代わりに利用します。 Soundtrack Pro マルチトラックプロジェクトから書き出されたオーディオファイルは、書き出し元となったプロジェクトファイルを

参照します。これは、後でオーディオファイルに何らかの変更を加える必要が生じた場合に便利

です。

「 Final Cut Pro」からオーディオファイルに変更を加えるには: 1

Control キーを押しながらオーディオファイルをクリックし、ショートカットメニューから「エディタで開く」を選択します。

オーディオファイルを通常のオーディオファイルとして開くのか、そのオーディオファイルの書き出し元である「 Soundtrack Pro」のマルチトラックプロジェクトを開くのかを選択できるダイアログが表示されます。

参考:「 Final Cut Pro」の「システム設定」ウインドウの「外部エディタ」タブにある「オーディオファイル」の設定で、「エディタで開く」コマンドを選択したときに開くアプリケーションを

指定することができます。前のステップでは、この設定が「 Soundtrack Pro」になっている必要があります。

2 「プロジェクトを開く」を選択します。

これで、元の Soundtrack Proプロジェクトが開きます。

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変更を加えたら、プロジェクトを保存し、「ミックスを書き出し」コマンドを使って新しいオー

ディオクリップを書き出します( Final Cut Proプロジェクトで開いたクリップと同じ名前および場所を使います)。こうすることにより、この新しいオーディオファイルが Final Cut Pro プロジェクトで自動的に表示されるようになります。

クリップやシーケンスを「 Final Cut Pro」から「 Soundtrack Pro」に書き出す「 Final Cut Pro」には、クリップやシーケンスを「 Soundtrack Pro」用に書き出す機能もあります。この処理は、後でクリップやシーケンスを「 Final Cut Pro」で開くことがない場合に最も便利です。この方法で書き出すと、ビデオ(もしあれば)およびオーディオを含んだ QuickTimeムービーが作成されます。

「 Soundtrack Pro」で使う「 Final Cut Pro」のシーケンスまたはクリップを書き出すには: 1 「ブラウザ」または「タイムライン」で、「 Soundtrack Pro」に書き出すシーケンスまたはクリップを選択します。

2 「ファイル」>「書き出し」>「 Soundtrack用」と選択します。

3 保存先を選択してから、 QuickTimeムービーのファイル名を入力します。

デフォルトでは「 Soundtrack Pro」用に書き出す際には、シーケンスまたはクリップと共にスコアマーカーも書き出されます。「マーカー」ポップアップメニューから「なし」を選んで、マー

カーを書き出さないよう選択することもできます。ほかの種類のマーカーを書き出すよう選択す

ることもできます。ただし、「 Soundtrack Pro」でシーケンスまたはクリップを開いたときに表示できるのは、スコアマーカーだけです。

4 「保存」をクリックします。

「 Final Cut Pro」と共に「 Motion」を使う「 Final Cut Pro」は、「 Final Cut Pro」と「 Motion」間でのクリップやシーケンスの互換性をサポートしています。このようにアプリケーションは緊密に統合されているので、 1台のコンピュータで「 Motion」と「 Final Cut Pro」を使用していれば、ユーザは 2 つのアプリケーション間でファイルを移動する面倒にわずらわされず、 Motion プロジェクトを両方のアプリケーションで同時に使用できます。また、編集中にほかのユーザが高度なモーショングラフィックスを作成す

るために使用するクリップを書き出し、準備が整ったら「 Motion」プロジェクトをシーケンスに読み込むこともできます。

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クリップやシーケンスを「 Final Cut Pro」から「 Motion」に書き出す「 Final Cut Pro」のクリップとシーケンスは、「 Motion プロジェクトへ送信」という新しいコマンドを使用して Motionプロジェクトとして書き出せます。このコマンドは、以下のいずれかを実行したい場合に便利です:

 取り込んだメディアを「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」から「 Motion」に送る。

 アイテムやシーケンスを「 Final Cut Pro」プロジェクトから「 Motion」に送り、アニメーションを作成する。

「 Final Cut Pro」から Motionプロジェクトにクリップやシーケンスを渡すには: 1 以下のいずれかの方法で、「 Motion」に書き出したいアイテムやシーケンスを選択します:

 少なくとも 1つのクリップを含む、 1つまたは複数のアイテムを「ブラウザ」で選択します。Â「ブラウザ」でシーケンスを選びます。

Â「タイムライン」でアイテムを選択します(「タイムライン」がアクティブになっている必要が

あります)。

2 「ファイル」>「送信」>「 Motionプロジェクト」と選択します。

3 表示されるダイアログで、以下のいずれかを実行します:

a 新しい Motionプロジェクトの保存先を選択し、名前を入力します。 b 以下のオプションを選択することもできます:

 Motion を起動:このオプションを選択すると、書き出したクリップやシーケンスは「 Motion」でプロジェクトとして開かれます(「 Final Cut Pro」も開いたままになります)。

 Motionコンテンツを埋め込む:このオプションを選択していると、「 Final Cut Pro」は「 Motion」のプロジェクトを「 Final Cut Pro」のクリップとして作成します。このクリップは「 Final Cut Pro」内で「ライブ」の状態だと考えることができます。つまり、「 Motion」で操作を行うごとにクリップも更新されます。両方のアプリケーションが開いている場合で

も、「 Motion」クリップを「 Final Cut Pro」で確認すると、クリップは更新され「 Motion」で行った変更がすべて反映されているはずです。

参考: Motionプロジェクトが「 Final Cut Pro」に埋め込まれた場合、「 Final Cut Pro」ではその後「 Motion」で加えられた変更が反映されますが、「 Motion」では、「 Final Cut Pro」で Motionプロジェクトのクリップに加えられた変更(フィルタやタイトルなど)が一切反映されません。

4 「保存」をクリックします。

「 Motionコンテンツを埋め込む」を選択しなかった場合、書き出したアイテムはすべて「ブラウザ」内でネストされたシーケンスとして表示され、「タイムライン」内のアイテムは一切変更さ

れません。

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書き出される情報「 Motion」に渡すクリップを選択した場合、書き出されるプロジェクトでは以下の情報が保持されます。

「 Motion」へ書き出すとき、「 Final Cut Pro」では、上記のリストにないプロパティ、たとえばフィルタ、ジェネレータ、速度の変化、時間のリマップの変化、およびフリーズフレームなど

は渡されません。

書き出し後の「 Final Cut Pro」の動作「ブラウザ」では、「 Motion」に書き出されたシーケンスや項目のグループが、「 Motion」のファイル拡張子を持つ単一の Motionプロジェクトクリップに変換されます。

書き出し時に「タイムライン」で選択を行い、「 Motion コンテンツを埋め込む」が選択されていた場合は、「タイムライン」に新規の Motion プロジェクトクリップも表示されます。そして、 Motion プロジェクトクリップの内容は、変更が「 Motion」で保存されるたびに更新されます。「 Motionコンテンツを埋め込む」が選択されていない場合、「タイムライン」は変化しません。

Motion プロジェクトクリップと関連付けられているオーディオは、書き出し前と完全に同じ状態で保持されます。たとえば、「タイムライン」で選択したクリップを書き出した場合、オーディ

オは同じオーディオトラックに残されます。ムービー内のオーディオは必ず保持してください。「 Final Cut Pro」には Motionプロジェクトと一緒にオーディオが再度読み込まれないからです。

書き出される情報

ビデオ Â メディア

 フレームレートやイン/アウト点など、タイミングに関して必要なすべての情報

 マーカー 拡大/縮小、位置、回転、合成モード、および不透明度、ならびにこれ

らのパラメータの直線状またはスムージング化したキーフレームなど、モーションに関するあらゆる一般的な特性

オーディオ 1 Â メディアÂ マーカー

 キーフレーム

1「 Motion」に書き出したオーディオは、 Motion プロジェクトを「 Final Cut Pro」に戻した際には読み込まれません。「 Motion」ではオーディオは再生あるいはマーカー用として使用される前提となっています。このため、オーディオクリップは必ず保持するようにしてください。

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Motionプロジェクトを Final Cut Proプロジェクトに読み込む「 Motion」をインストールしているかどうかにかかわらず、 Motionプロジェクトをほかのメディアと同じように「 Final Cut Pro」に読み込むことができます。

「 Motion」のプロジェクトを「 Final Cut Pro」に読み込むには、以下のいずれかの操作を行います:m

Motionプロジェクトを「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」または「タイムライン」にドラッグします。

m 「ファイル」>「読み込み」>「ファイル」と選択し、次に表示されるダイアログで Motionプロジェクトを選択してから「選択」をクリックします。

参考:「 Motion コンテンツを埋め込む」を選択した状態で書き出した場合には、 Motion プロジェクトを「 Final Cut Pro」に再び読 み込む必要はありません。埋め込まれた場 合、「 Final Cut Pro」に表示される Motion プロジェクトは、「 Motion」で保存された変更を自動的に反映します。

読み込んだり埋め込んだりした Motionプロジェクトクリップを「 Final Cut Pro」で編集することはできませんが、再生してムービーでどう見えるか確認したり、シーケンスに配置したり、ト

ランジションを追加したり、フィルタやタイトルを適用することは可能です。

Motionプロジェクトを「 Final Cut Pro」に読み込んだり埋め込んだりした場合:Â「 Final Cut Pro」ではプロジェクトもクリップとして表示されるので、 Motionプロジェクトはすべてのレイヤーが合成された状態で表示されます。 Motionプロジェクトのクリップは、「ブラウザ」では Motionファイル名の拡張子が付いて表示されます。埋め込まれてすでに「タイムライン」にある場合、プロジェクトは「タイムライン」にも表示されます。

Â「 Motion」内のオーディオは「 Final Cut Pro」には読み込まれません。Â プロジェクトに関する情報(フレームの幅や高さなど)が「 Motion」で変更されていると、これらの情報は「 Final Cut Pro」の Motionプロジェクトで反映されます。

アニメーションコーデックについて「 Motion」を使ってアルファチャンネルのプロジェクトを作成する機会が多くなります。アニメーションコーデックは、コンピュータで生成したグラフィックスに使用するためのロスレス

コーデックですが、通常のビデオ素材にも使用できます。通常のビデオに使用した場合は、最

高の品質を得ることができますが、パフォーマンスは低下します(アニメーションコーデック

によるクリップがリアルタイムで再生されないことがあります)。アニメーションコーデック

の大きな利点としては、「 Final Cut Pro」でクリップの透明度の制御に利用可能なアルファチャンネルがサポートされています。

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Motionプロジェクトを「 Final Cut Pro」内から編集する「 Final Cut Pro」で作業中に、「ブラウザ」または「タイムライン」から Motionプロジェクトのクリップを開いて、「 Motion」で編集することができます。

重要:このためには、コンピュータに「 Final Cut Pro」と「 Motion」の両方がインストールされている必要があります。

Motionプロジェクトクリップを「 Motion」で編集するために「 Final Cut Pro」から開くには:m クリップを選択し、 Controlキーを押しながらクリックして、ショートカットメニューから「エディタで開く」を選択します。

Motionプロジェクトのクリップと、「 Final Cut Pro」で関連付けられているオーディオの両方が「 Motion」で開きます。「 Motion」でプロジェクトに変更を加え、それを保存すると、「 Final Cut Pro」では自動的にその変更されたプロジェクトが使用されます。

重要:上記以外の方法によって「 Motion」のプロジェクトを開くと、 Final Cut Proプロジェクトとの接続が失われます。

参考:「 Final Cut Pro」で「メディアマネージャ」を使用する場合、「メディアマネージャ」は Motionプロジェクトクリップが参照しているソースメディアを新しい場所に移動しないことに注意してください。

「 Final Cut Pro」と共に「 Compressor」を使う「 Compressor」が Final Cut Proプロジェクトで便利な場面は、いくつかあります:Â ムービーの書き出し:「 Compressor」では、ムービーの書き出しで各種のフォーマットを選択できます。 Webおよび DVDによる配布に目的を絞ったフォーマットも含まれます。

 ビデオフレームの拡大/縮小:「 Compressor」の高品質な拡大/縮小およびビデオ規格変換の機能を使えば、ビデオを変換してシーケンスに合わせることができます。

「 Compressor」を使ってムービーを書き出す「 Compressor」は QuickTimeムービーを以下の形式に変換します:

 DVD用: MPEG-1、 MPEG-2 SD および HD、 H.264、および AC-3(オーディオ) Web 用: H.264、 MPEG-1および MPEG-4 を使用した QuickTimeストリーミング

「 Compressor」を使って、高品質のビデオとオーディオ素材を生成し、「 DVD Studio Pro」に読み込むことができます。「 Final Cut Pro」のシーケンスで圧縮マーカーとチャプタマーカーを追加した場合、結果として得られる MPEG ファイルにそのマーカーを含めることができます。「 Compressor」内で、これらのマーカーを追加することもできます。「 DVD Studio Pro」に読み込むと、チャプタマーカーは「トラックエディタ」に自動的に表示されます。

重要:このためには、コンピュータに「 Final Cut Pro」と「 Compressor」の両方がインストールされている必要があります。

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「 Final Cut Pro」から「 Compressor」に書き出すには: 1 「ブラウザ」で、書き出すシーケンスを選択します。

2 「ファイル」>「書き出し」>「 Compressorを使う」と選択します。

「 Compressor」が開き、「バッチ」ウインドウには、ソースとして「 Final Cut Pro」から書き出したシーケンスが表示されます。

3 シーケンスに適用するプリセットを選択します。

場合によっては、必要な処理と完全に一致するプリセットを使えることもありますが、プリセッ

トを変更したり、カスタムプリセットを作成したりする必要がある場合もあります。プリセット

は、変換のすべての項目を定義したものです。また、シーケンスに複数のプリセットを割り当て

ることもできます。たとえば、オーディオの AIFFバージョンと AC-3バージョンが必要な場合などです。

4 保存先を設定します。

保存先をデフォルト(ソース)に設定すると、新しいファイルがシステムディスクの最上位階層

に保存されます。

5 デフォルトの名前以外を付けたい場合は、出力ファイルの名前を設定します。

6 「実行」をクリックします。

ビデオクリップをほかのビデオ規格に変換する場合によっては、シーケンスとは異なるビデオ規格のビデオクリップを読み込む必要が生じま

す。たとえば、 HD 1080i のプロジェクトを編集していて、 NTSC 480iのクリップを使う必要があるときには、 NTSCのクリップを 1080iのフレームサイズに合わせる必要があります。このために、「 Final Cut Pro」を使ってシーケンスにクリップを追加してからレンダリングする方法もありますが、最も高い品質を得るには、「 Compressor」を使ってビデオのサイズを合わせます。

「 Compressor」を使ってビデオクリップのサイズを合わせるには: 1 「 Compressor」を開きます。

2 クリップを「バッチ」ウインドウに読み込むには、以下のいずれかの操作を行います:

 ファイルを読み込むボタンをクリックし、選択ダイアログでファイルを選びます。

Â

Finderのウインドウから「バッチ」ウインドウにファイルをドラッグします。

3 クリップに適用するプリセットを選択します。

場合によっては、必要な処理と完全に一致するプリセットを使えることもありますが、プリセッ

トを変更したり、カスタムプリセットを作成したりする必要がある場合もあります。プリセットでは、変換で使用されるビデオフレーム・サイズ、フレームレート、およびエンコーディング

フォーマットを定義します。「 Compressor」のインスペクタには「フレームコントロール」パネルがあり、変換の品質レベルを指定することができます。

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4 保存先を設定します。

デフォルトでは、新規のファイルは元のファイルと同じ場所に保存されます。

5 デフォルトの名前以外を付けたい場合は、出力ファイルの名前を設定します。

6 「実行」をクリックします。

「 Compressor」での作業が完了したら、サイズを合わせたクリップを Final Cut Proプロジェクトに書き出してシーケンスに追加すれば、レンダリングをする必要はありません。

「 Final Cut Pro」と共に「 LiveType」を使う「 Motion」と「 Final Cut Pro」の場合と同様に、「 Final Cut Pro」と「 LiveType」との間でも、クリップおよびシーケンスをやりとりする機能がサポートされています。このようにアプリケー

ションは緊密に統合されているので、 1台のコンピュータで「 LiveType」と「 Final Cut Pro」を使用していれば、ユーザは 2つのアプリケーション間でファイルを移動する面倒にわずらわされず、「 LiveType」プロジェクトを両方のアプリケーションで同時に使用できます。また、編集中にほかのユーザが高度なモーショングラフィックスを作成するために使用するクリップを書き

出し、準備が整ったら「 LiveType」プロジェクトをシーケンスに読み込むこともできます。

LiveTypeプロジェクトを Final Cut Pro プロジェクトに読み込む LiveTypeプロジェクトのファイルを「 Final Cut Pro」に読み込んでおけば、 QuickTimeムービーにしてある LiveTypeタイトルを「 Final Cut Pro」で使いたいときに、その都度レンダリングをやり直す必要がなくなります。

「 LiveType」のプロジェクトを「 Final Cut Pro」に読み込むには、以下のいずれかの操作を行います:

m 「ファイル」>「読み込み」と選択し(またはコマンドキーを押したまま Iキーを押し)、「 Final Cut Pro」に読み込む LiveTypeプロジェクトを選択します。

m

Finderから、「 LiveType」のプロジェクトファイルを「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」にドラッグします。

「 LiveType」のプロジェクトファイルは「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」でクリップとして表示されます。

LiveTypeプロジェクトのファイルは、「 Final Cut Pro」のムービーにあるほかのクリップと同様に表示されます。必要ならば、メディア(この場合は、ディスク上にある実際の LiveTypeプロジェクトファイル)をムービー中の LiveType プロジェクトに再接続することができます。これも、ほかの Final Cut Proクリップの場合と同じです。 LiveTypeプロジェクトを「 Final Cut Pro」に読み込むと、「ブラウザ」で管理し、「ビューア」で開き、編集してシーケンスにすることも、

トリミング、コピー、およびペーストすることもできます。 LiveType プロジェクトでは、通常のマスタークリップと関連クリップの関係が保持されます。

LiveType プロジェクトは、ほかのクリップと同様に「 Final Cut Pro」で再生できます。ただし、編集してシーケンスになった場合は、「タイムライン」での LiveTypeプロジェクトの表示に赤色のレンダリングバーが付けられ、シーケンスのこの部分をレンダリングしないと再生することは

できません。

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LiveTypeプロジェクトを「 Final Cut Pro」内から編集する LiveType プロジェクトを「 Final Cut Pro」に読み込んで通常の編集作業に含めることはできますが、 LiveType タイトルの内容自体は「 Final Cut Pro」では変更できません。 LiveTypeタイトルの設定は、「 LiveType」アプリケーションでだけ変更できます。「 Final Cut Pro」には、 LiveTypeプロジェクトを「 LiveType」アプリケーションで開いてタイトル内容を変更できるようにするための、素早く簡単な方法が用意されています。

重要:このためには、コンピュータに「 Final Cut Pro」と「 LiveType」の両方がインストールされている必要があります。

LiveTypeプロジェクトを「 LiveType」で編集するために「 Final Cut Pro」から開くには: 1 「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」またはシーケンス内で、タイトルの設定を調整する LiveTypeプロジェクトクリップを、 Controlキーを押しながらクリックし、ショートカットメニューから「エディタで開く」を選択します。

LiveTypeプロジェクトファイルが「 LiveType」アプリケーションで開きます。

2 「 LiveType」で、「 LiveType」のタイトルに必要な変更を加えます。

3 「 LiveType」のプロジェクトファイルを保存します。

4 「 Final Cut Pro」に戻ります。

「 Final Cut Pro」では、変更された LiveType プロジェクトを参照している LiveTypeプロジェクトクリップが自動的に再リンクされます。「 Final Cut Pro」で、「 LiveType」のタイトルに加えられた変更をすぐに見ることができます。この方法を使えば、「 Final Cut Pro」を使わずに変更が加えられるたびに「 LiveType」のプロジェクトファイルを再接続する必要がありません。

参考:「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」の「クリエイター」列には、クリップのショートカットメニューで「エディタで開く」が選択されたときに、どのアプリケーションが開くかが示されて

います。(「クリエイター」列を表示するには、「ブラウザ」で「名前」列の右にある列見出しを、 Control キーを押しながらクリックし、ショートカットメニューから「表示 クリエイター」を選択します。)「 LiveType」のクリップでは、クリエイターは自動的に「 LiveType」に設定されます。

シーケンスの一部を「 LiveType」に書き出す「 LiveType」で作成したタイトルを、「 Final Cut Pro」でシーケンスの背景ビデオに重ねることができます。しかし、「 LiveType」でタイトルを作成するときに、タイトルと重ねる背景ビデオを参照できれば作業は大幅に楽になります。

イン点とアウト点で区切られている Final Cut Pro シーケンスの一部を書き出して、「 LiveType」でタイトルを作成するときの背景に使うことができます。

重要:このためには、コンピュータに「 Final Cut Pro」と「 LiveType」の両方がインストールされている必要があります。

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シーケンスの一部を「 LiveType」用に書き出してタイトル作成の背景にするには: 1 「 Final Cut Pro」の「タイムライン」でイン点とアウト点を設定して、 LiveTypeタイトルの背景にするビデオのセクションを区切ります。

2 「ファイル」>「書き出し」>「 LiveType用」と選択します。

3 書き出すシーケンス部分に名前を付けてから、「保存」をクリックします。

4 「 LiveType」で「ファイル」>「背景ムービーを配置」と選択し、「 Final Cut Pro」から書き出されたムービーを読み込んで第 2トラックに配置します。

5 「 LiveType」の「タイムライン」で、第 1トラックを選択してタイトルエフェクトを作成します。

6 エフェクトが完成したら、プロジェクトを保存します。

「プロジェクトの情報」ウインドウで「背景をレンダリングする」設定が選択されていないこと

を確認してから、 LiveTypeプロジェクトを保存してください。(デフォルトでは、この設定は選択されていません。これを確認するには、「編集」>「プロジェクトの情報」と選択します。)

7 この LiveTypeプロジェクトを元の Final Cut Proプロジェクトに読み込んで、「タイムライン」の V2トラックの、イン点とアウト点で区切られた場所に置きます。

タイトルと背景ビデオが重なる表示は、 LiveType プロジェクトで作成したときに確認したものと完全に同じになります。

「 Final Cut Pro」と共に「 Shake」を使う「 Shake」の強力な合成および視覚エフェクト機能を「 Final Cut Pro」でのムービー編集に活用すれば、キーイングが難しいビデオを扱う場合や、モーショントラッキングまたはロトスコーピン

グが必要な場合の作業が大幅に変わります。「 Final Cut Pro」には、クリップを「 Shake」に送る処理を効率的かつトラブルなく実行するための、専用に設計された方法が用意されています。

たとえば、「 Final Cut Pro」を使って、「 Shake」で 1つに合成する複数のクリップのグループをスーパーインポーズすることができます。「 Final Cut Pro」では、各クリップのイン点とアウト点を簡単に設定してクリップのオーバーラップを決めることができます。次に、そのメディアを

タイミング情報と共に「 Shake」へ送れば、「 Shake」でメディアの並べ替えをやり直す必要がなくなります。

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「 Shake」に読み込まれたクリップの配列について「 Final Cut Pro」のクリップを「 Shake」に移動した場合、新規に作成される Shakeスクリプトでクリップがどのようにアセンブルされるかは、移動の方法とは無関係に決まります。影響する

のは、クリップが単一のビデオトラック内でシーケンスとして配列されていたか、あるいは複数

のビデオトラックを使って縦にスーパーインポーズされていたかです。

読み込まれた Final Cut Proクリップは、「 Select」および「 MultiLayer」ノードを使って、ノードツリーで次のように並べられます:

Â

1つのビデオトラックでシーケンスとして編集されているクリップは、 1つの「 Select」ノードに接続されます。「 Select」ノードでは、各クリップのタイミングがメディアのイン点およびアウト点を含めて設定されて、「 Shake」の「 Timeline」に配置されます。

 複数のビデオトラックにスーパーインポーズされていたクリップの場合は、 Shake スクリプトによって、クリップがある各ビデオトラックに対応する「 Select」ノードが作成されます。

参考:「 Select」ノードに接続されている各「 FileIn」ノードの実際の編集点は、分岐パラメータに格納されます。このパラメータに格納されているデータは、編集されることを意図したも

のではありません。編集した場合は、予期せぬ結果が生じることになります。

 各「 Select」ノードは、 1つの「 MultiLayer」ノードに接続されます。これにより、どのクリップが合成の前景になり、どのクリップが背景になるかが決まります。

「 Final Cut Pro」から読み込まれたクリップの「 Shake」での時系列上の配置を変更したい場合は、「 Time View」タブを使う必要があります。

重要:元々の QuickTimeファイルによるオーディオクリップおよびトラックは、「 Shake」に読み込まれません。「 Shake」でタイミングを変更すると、影響を受けるクリップと、元の Final Cut Proプロジェクトファイルのオーディオとの同期が失われます。

サポートされないメディアおよびエフェクト QuickTime は、「 Final Cut Pro」と「 Shake」の間ですべてのメディア交換に使われるファイルフォーマットです。ただし、 QuickTime のすべてがサポートされている訳ではありません。「 Shake」では、以下のメディアおよび設定を「 Final Cut Pro」から読み込めません:

Â

QuickTimeオーディオトラック

 スタンドアロン・オーディオファイル

 静止画ファイル

 ジェネレータ

 合成モード

 モーションエフェクト

 フィルタ

 トランジション

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「 Final Cut Pro」からクリップを送信する 1つまたは複数のクリップを選択して(または 1つのシーケンスを)「 Final Cut Pro」から「 Shake」に送るには、「 Shakeに送信」コマンドを「 Final Cut Pro」で使います。

1つまたは複数のクリップまたはシーケンスを「 Final Cut Pro」から「 Shake」に送信するには: 1 プロジェクトのタイムラインを並べ替えて、送信するクリップのみを選択できるようにします。

2 以下のいずれかの操作を行います:

Â「タイムライン」で、書き出すクリップを 1つまたは複数選択します。Â「ブラウザ」でシーケンスを選びます。

3 以下のいずれかの操作を行います:

Â「ファイル」>「送信」>「 Shake」と選択します。Â 選択したクリップまたはシーケンスを Controlキーを押しながらクリックし、ショートカットメニューから「送信」>「 Shake」と選択します。

4 「 Shakeに送信」ダイアログが表示されたら、適切なオプションを選択します:

 操作結果のシーケンス名:新しいシーケンスの名前を入力します。このシーケンスは、「書き出し」をクリックしたときに、選択したメディアを格納するために Final Cut Proプロジェクトファイル内に作成されるものです。このオプションは、タイムラインで 1つまたは複数のクリップを選択した場合のみ有効です。ブラウザでシーケンスを選択しても、シーケンスは新規

に作成されません。

 Shakeスクリプトとして保存:作成する Shakeスクリプトの名前を入力し、場所を選択します。 プレースホルダのQuickTimeムービー(FileOut)を保存:プレースホルダ QuickTimeムービーの名前を入力し、場所を選択します。このムービーは、新規に作成される Shake スクリプトの「 FileOut」ノードと対応します。

5 新規に作成された Shake スクリプトを自動的に開いて作業を始めたい場合は、「 Shake を起動」チェックボックスを選択します。

重要:このためには、コンピュータに「 Final Cut Pro」と「 Shake」の両方がインストールされている必要があります。

6 「書き出し」をクリックします。

「書き出し」をクリックすると、以下のいくつかのことが起こります:

 タイムラインでクリップを 1つ(またはグループ単位で)選択した場合は、 Final Cut Proプロジェクトに新規のシーケンスが表示され、そこに選択したメディアの複製が格納されます。

 ディスク上に Shakeスクリプトが作成されます。

 プレースホルダ QuickTimeファイルがディスク上に作成されます。

 タイムラインでクリップを 1 つ(またはグループ単位で)選択した場合は、プレースホルダ QuickTime ファイルがクリップとして、シーケンスの最も上のトラックに新しく作成されるビデオトラックに表示されます(元のメディアが置かれている場所は変わりません)。

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プレースホルダ QuickTimeクリップが Final Cut Proプロジェクトにある場所は、「 Shake」からレンダリング出力されるメディアの場所と対応します。特に、生成される Shake スクリプトの末尾にある「 FileOut」ノードによってレンダリング出力されます。

メディアを「 Final Cut Pro」に戻す Shakeスクリプト(「 Final Cut Pro」から生成されたもの)での作業が完了したら、最初に作成されていた「 FileOut」ノードをレンダリングする必要があります。新規にレンダリングされたメディアファイルは、プレースホルダ QuickTimeファイルの場所に配置されて、元の Final Cut Proプロジェクトで使えるようになります。

Final Cut Proプロジェクトファイルを元のプレースホルダ QuickTimeファイルがある状態で再び開くときには、「メディアの再接続」コマンドを使って、シーケンス内のクリップと「 Shake」でレンダリングされたメディアとを再リンクする必要があります。

「 Final Cut Pro」と共に「 Logic Pro」を使う「 Logic Pro」には、 Final Cut Proプロジェクトのミュージックを制作する作業に使えるツールが数多く含まれています。「 Logic Pro」では、多様なフォーマットのオーディオファイルの読み込みおよび書き出しができます。ただし、より複雑なプロジェクトで「 Final Cut Pro」が関係する場合は、「 Final Cut Pro」の XML インターチェンジフォーマットを使えば、位置に関するリージョン情報、リージョン名、およびボリュームおよびパンのオートメーションデータをすべて保

持したままで、ソングの読み込みおよび書き出しができます。

「 Final Cut Pro」から生成されるスクリプトの timeRange「 Shakeに送信」コマンドで作成された Shakeスクリプトの timeRange Globalパラメータは、参照するメディアにあわせたフレーム範囲で自動的に設定されます。

重要:「 Auto」ボタンをクリックして timeRange を更新することは推奨しません。これを実行すると、ソースメディア・ファイル再生の総時間によっては、予想よりも多くのフレームが

参照されることがあります。

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Final Cut Pro XMLファイルを「 Logic Pro」に読み込む「 Final Cut Pro」からシーケンスやクリップのグループを XMLフォーマットのファイルとして書き出し、その XMLファイルを「 Logic Pro」で読み込むことができます。

Final Cut Proシーケンスを XMLファイルとして書き出すには: 1 「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」で、書き出すシーケンスを選択します。

2 「ファイル」>「書き出し」>「 XML」と選択します。

3 「形式」ポップアップメニューから XMLフォーマットを選択し、「 OK」をクリックします。

デフォルトでは、「 Apple XML Interchange Format、バージョン 2」が選択されています。

4 ファイルに名前を付け、保存先を指定してから「保存」をクリックします。

XMLファイルを「 Logic Pro」に読み込むには: 1 「 Logic Pro」で、「ファイル」>「インポート」と選択します。

2

XML ファイルを選択してから、「選択」をクリックします。

シーケンスのオーディオが「 Logic Pro」で開きます。

Final Cut Pro XMLファイルを「 Logic Pro」から書き出す現在の曲のオーディオを Final Cut Pro XMLインターチェンジフォーマットのファイルとして書き出して、 Final Cut Proプロジェクトに読み込むことができます。

「 Logic Pro」で現在の曲を XMLファイルに書き出すには: 1 「 Logic Pro」で、「ファイル」>「エクスポート」>「ソングを Final Cut Pro/ XML形式で」と選択します。

2 ファイルに名前を付け、保存先を指定してから「保存」をクリックします。

XMLファイルを「 Final Cut Pro」に読み込むには: 1 「 Final Cut Pro」で、「ファイル」>「読み込み」>「 XML」と選択します。

2

XML ファイルを選択してから、「選択」をクリックします。

書き出されたオーディオを含んだシーケンスが「 Final Cut Pro」の「ブラウザ」に表示されます。

参考:オーディオ音源トラックは、常にオーディオファイルにバウンスされます。 MIDI トラックは無視されます。必要ならば、バウンスは自動的にリアルタイムモードに切り替わります( I/Oまたは外部音源プラグインが使われている場合など)。

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1 アップルのアプリケーションを DVD Studio Proプロジェクトで使う

素晴らしいムービーを作ったら、それを誰にも見せないのはもったいない話です。アップルのポストプロダクションアプリケーションには、 DVD Studio Proプロジェクトのオーサリングを支援するための非常に便利なツールが用意されています。

「 DVD Studio Pro」を使用すると、さまざまなスタイルでプロフェッショナルな DVD をすばやく簡単に作成することができます。オーサリングの工程ごとにカスタマイズが可能ですが、急ぐ

ときには付属のテンプレートデザインから選んで修正すると、さらに速く DVDを完成できます。

Final Cut Proプロジェクトを DVDにする「 Final Cut Pro」でムービーの編集を終えたら、それを基にした DVDのオーサリングを開始できます。ムービーから簡単な DVD を作成するのは手早く簡単ですが、いくつかの点を考慮する必要があります:

 ムービーを DVD準拠の素材に変換する必要があります。 HDVベースのムービーの場合を除いて、ムービーのビデオおよびオーディオは DVD 準拠の素材にトランスコードされる必要があります。これには、複数のアプローチを選択できます。もっとも、ほとんどの場合に最善の方

法は、「 Final Cut Pro」から「 Compressor」を使って書き出すことです。これにより、ほとんどのオプションが利用できるだけでなく、処理を最も細かく制御できます。

 ムービーが HDの場合は、作成するDVDの規格を選択する必要があります。標準精細度( SD)の素材を使った従来の DVDを作成することも選択できますが、この場合はビデオを SDフレームの解像度に変換する必要があります。また、高精細度( HD)の素材を使って特殊な DVDを作成することもできます。 SD ベースの DVD を作成することの利点は、現行の DVD プレーヤーで再生できることです。 HDベースの DVDを作成することの利点は、 HDの品質を維持できることです。ただし、再生の方法は限られてしまいます(選択肢の 1つは、アップルの「 DVDプレーヤー」です)。 1つの回答は、「 Compressor」を使用して、両方の DVD規格でオーサリングできるように素材をエンコードすることです。

 DVDに入れるそのほかのコンテンツを決めます。シンプルな DVDでは、ディスクの再生を始めると最初にメニューを表示するのが通例です。また、削除したシーンなどのボーナスムー

ビーを追加する場合には、それらの編集をしてから DVDのオーサリングを開始することになります。

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Final Cut Proプロジェクトを「 DVD Studio Pro」に読み込むムービーを「 Final Cut Pro」から「 Compressor」に書き出して、高品質な DVD 準拠の素材を「 DVD Studio Pro」用に作成することにより( HDソースのダウンコンバートも含む)、ムービーを「 DVD Studio Pro」に直接読み込む場合よりも柔軟なエンコーディングが利用できます。「 Compressor」では、 SDおよび HD プロジェクト用の MPEG-2、 HDプロジェクト用の H.264ビデオ、および Dolby Digital AC-3オーディオを作成できます。

27 ページの「「 Compressor」を使ってムービーを書き出す」を参照して、「 Final Cut Pro」からの書き出しに「 Compressor」を使う方法の詳細を確認してください。ステレオおよび 5.1 サラウンドサウンド・オーディオの制作については、 52 ページの「「 Final Cut Pro」のオーディオから AC-3ファイルを作成する」を参照してください。

「 Compressor」を使ってムービーを書き出したら、エンコード済みファイルを DVD Studio Proプロジェクトに読み込むことができます。これには、さまざまな方法があります。以下に、最も

一般的な方法を説明します。

エンコード済みファイルを「 DVD Studio Pro」に読み込むには、以下のいずれかの操作を行います:

m

Finderのウインドウから「 DVD Studio Pro」の「素材」タブにファイルをドラッグします。

m 「 DVD Studio Pro」の「素材」タブで「読み込み」をクリックし、「素材を読み込む」ダイアログでファイルを選択します。

インポートしたファイルは、必要に応じてメニューおよびトラックに割り当てることができます。

Final Cut Proプロジェクトから HDベースの DVDを作成する HDプロジェクトの作業では、 3つの一般的な HD取り込みフォーマットが使用されます: DVCPROHD、非圧縮 HD、および HDVです。どのフォーマットを使うかが、プロジェクトを編集して配布するまでの流れに影響します。

DVCPRO HDまたは非圧縮のソースで開始する DVCPRO HDフォーマットおよび非圧縮 HDのビデオファイルはサイズが大きくなるので、これらのファイ ルを使う前に適切なフ ォーマットにエンコー ドする必要がありま す。

「 DVD Studio Pro」では、 HDプロジェクトで使えるフォーマットが 2つサポートされています: HD MPEG-2および H.264です。Â

HD MPEG-2フォーマットの基本的な構造は、 SDベースの DVDで使われる MPEG-2フォーマットと同様です。相違点は、より高いビットレート範囲を使うことと、 HDビデオフォーマットのフレームサイズをサポートしていることです。

Â

H.264フォーマットは、AVCまたはMPEG-4 Part 10とも呼ばれており、そのエンコーディング処理の効率は MPEG-2 のエンコーディング処理の 2 倍です。 MPEG-2エンコーディングと比較した場合、 H.264エンコーダの特徴は以下の通りです:

 より低いビットレートで同じ品質を得られるので、ファイルサイズが小さくなる

 ビットレートが同じならば、同じファイルサイズでより高い品質を得られる

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DVCPRO HDベースのプロジェクトを書き出すには、「 Final Cut Pro」から「 Compressor」で直接書き出すか( 27 ページの「「 Compressor」を使ってムービーを書き出す」を参照してください)、プロジェクトの QuickTimeムービーを書き出して、「 DVD Studio Pro」に直接読み込みます。

SDの Final Cut Proプロジェクトの場合と同様に、「 Compressor」を使う利点は、エンコーディングの処理をより細かく制御できることです。 HD MPEG-2ファイルや H.264ファイルの作成を選択できるだけでなく、分散エンコーディングを利用すれば、処理にかかる時間を短縮すること

も可能です。

重要:分散エンコーディングは、「 Final Cut Studio」、「 DVD Studio Pro」、または「 Shake」がインストールされているコンピュータでのみ利用できます。

DVCPRO HDベースの QuickTimeムービーを直接「 DVD Studio Pro」に読み込んだ場合は、組み込まれている MPEGエンコーダによって HD MPEG-2フォーマットにエンコードされます。

HDVソースで開始する HDVフォーマットは、「 DVD Studio Pro」でサポートされている MPEG-2フォーマットの設定をベースにしています。このため、ビデオを HDV フォーマットで取り込みおよび編集すれば、トランスコーディングをしなくとも HD プロジェクトに使用することができます。これで時間が節約されるだけでなく、トランスコーディングでビデオにアーティファクトが入るおそれも小さ

くなります。

「 Final Cut Pro」では HDV ソースをネイティブに編集できるので、 HD 素材を用いた DVDプロジェクトを作成するにはこのワークフローが便利です。

「 Motion」を DVD Studio Proプロジェクトで利用する「 Motion」で、「 DVD Studio Pro」用のクリップを簡単に作成することができます。 Motion プロジェクトの用途としては、複雑なモーションメニュー(メニューのループポイントを設定する

マーカーを含む)、ドロップゾーンに入れるアニメーショングラフィックス、およびトランジショ

ン(ボタンとそのターゲット間、あるいはスライドショーのスライド間)があります。

「 DVD Studio Pro」はレンダリングされていない Motionプロジェクトの読み込みとプレビューを行うことができます。いったん Motionプロジェクトを「 DVD Studio Pro」に読み込めば、プロジェクトを再度「 Motion」で開いて変更を加えると、「 DVD Studio Pro」では自動更新され、その変更が反映されます。

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モーションメニューに使う Motionプロジェクトを読み込む Motion プロジェクトを「 DVD Studio Pro」に読み込む方法は、ほかの素材を読み込む場合と同じです。

「 Motion」のプロジェクトを「 DVD Studio Pro」に読み込むには、以下のいずれかの操作を行います:

m

Motionプロジェクトを「 DVD Studio Pro」の「素材」タブまたは「メニューエディタ」にドラッグします。

Motionプロジェクトを「メニューエディタ」にドラッグすると、「ドロップパレット」が表示され、「 DVD Studio Pro」でプロジェクトをどのように使うかを選択できます。

m 「ファイル」>「読み込み」>「素材」と選択し、次に表示されるダイアログから Motion プロジェクトを選びます。

m

Motionプロジェクトの入ったフォルダを「 DVD Studio Pro」の「パレット」の「ビデオ」タブに追加します。「メニューエディタ」、「素材」タブ、またはタイムラインなど、目的に応じた場

所にドラッグしてプロジェクトを追加できるようになります。

Motionプロジェクトを「 DVD Studio Pro」内から編集する読み込んだ Motionプロジェクトを再び「 Motion」で開くには、「 DVD Studio Pro」の「素材」タブを使います。これによりすばやく簡単にプロジェクトに変更を加えられます。

重要:このためには、 1 台のコンピュータに「 DVD Studio Pro」と「 Motion」の両方がインストールされている必要があります。

「 Motion」の Motion プロジェクトを「 DVD Studio Pro」で開くには、以下のいずれかの操作を行います:

m 「素材」タブでプロジェクトを選び、「ファイル」>「素材」>「エディタで開く」と選択します。

m 「素材」タブのプロジェクトを Controlキーを押しながらクリックし、ショートカットメニューから「エディタで開く」を選択します。

m 「素材」タブのプロジェクトをダブルクリックします。

「 Motion」でプロジェクトに変更を加え、プロジェクトを保存すると、「 DVD Studio Pro」でも自動的に更新されて変更内容が反映されます。

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Motionプロジェクトをアルファトランジションとして作成する/読み込む「 DVD Studio Pro」には、アルファトランジション機能があります。アルファトランジションを利用すると、メニュー、トラック、そしてスライドショーで使用できるカスタマイズしたトラン

ジションの作成が可能になります。

すべてのトランジションには、トランジションが使用される位置に基づいた開始フレームと終了

フレームがあります。標準的なトランジションは開始および終了フレームのビデオを変換して、

回転やブラーといったさまざまなエフェクトを直接ビデオに適用することができます。アルファ

トランジションは開始および終了フレームのビデオを直接変換するのではなく、作成した QuickTimeムービーに基づいて開始から終了へのトランジションを行っています。

アルファトランジションを作成するには、作成したいトランジションのタイプに応じて 1つから 3つの QuickTimeムービーが必要です。

 トランジション中に開始および終了フレーム以外のビデオを表示させたい場合。たとえば、回転する DVD が画面を横切るエフェクトを作成したければ、その横切る DVD のイメージの素材ムービーが必要となります。

 トランジション中に開始および終了フレームを同時に表示したい場合。回転する DVDの例では、たとえば DVDの外枠部分に開始フレームを、 DVDの中心部分に終了フレームを表示させます。開始および終了フレームを同時に表示させるには、背景にマット処理したムービーが必要です。

 カスタムシェイプを使用したシンプルなワイプトランジションを作成したい場合。マット処理した背景のムービーを使用して、ソフトまたはハードなエッジを使ったワイプトランジション

を目的のシェイプで作成できます。

アルファトランジションにはいくつかのコンポーネントがあります:

 素材フォルダ

 素材ムービー

 素材マットムービー

 背景のマットムービー

各構成要素については、以下のセクションで説明しています。

この DVDの画像は素材ムービーからのもので、背景のビデオが表示

される部分を素材マットムービーが制御しています。

開始フレーム

(この例では赤)

終了フレーム

(この例では青)

背景のマットムービー

(不可視)は、背景に開始ビデオまたは終了ビデオを

表示するかを制御します。

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素材フォルダ「 DVD Studio Pro」でアルファトランジションとして使用される「 Motion」のプロジェクトおよびムービーは、メニューやトラックで使用される「 Motion」のプロジェクトやムービーとは異なる方法で処理されています。アプリケーションを開いたとき、「 DVD Studio Pro」はハードディスク内の特定の位置にあるトランジション素材フォルダを確認します。条件に合った Motion プロジェクトやムービーを含むフォルダは、すべて自動的にアルファトランジションとして追加され、オーサリングするすべての DVDプロジェクトで使用できるようになります。

アルファトランジションを構成するムービーを収める以外に、この素材フォルダの名前はトラン

ジションと同じ名前になります。また、このフォルダ内のすべてのファイルは、フォルダと同様

に命名される必要があります。ただし、素材マットムービーのファイル名には「 -matte」が付き、背景マットムービーには「 “-backgroundMatte」が付いて、両者が区別されます。

「 DVD Studio Pro」を開くと、アプリケーションは以下の 2 つの位置で素材フォルダを検索します:

 ディスクのルートでの位置: /ライブラリ /Application Support/DVD Studio Pro/Transitions/ ホームフォルダでの位置:ユーザ /[ ユーザ名 ] /ライブラリ /Application Support/DVD Studio Pro/Transitions/

参考:「 DVD Studio Pro」が開いているときに素材フォルダを追加した場合、次に「 DVD Studio Pro」を開くまでこのフォルダは無視されます。

素材ムービー

この素材ムービーは、トランジション中に開始および終了フレーム以外のビデオを使用したい

場合に必要です。たとえば、回転する DVD が画面を横切るエフェクトを作成したければ、横切る DVDの画像を表示する素材ムービーです。

素材ムービーは素材フォルダと同じ名前を持つ必要があり、拡張子も付与できます。たとえば、

素材フォルダの名前が「 Spinning DVD」の場合、素材ムービーの名前は「 Spinning DVD.mov」のようになります。

素材ムービーには、 2 つのオプション要素があります:アルファチャンネルと切り替えポイントです。

素材ムービーは、開始フレーム

および終了フレームのほかにトランジションビデオにも

使えます。

素材ムービーには、背景が表示される場所を制御する

アルファチャンネルを含めることができます。

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先に説明した回転しながら飛ぶ DVDの例で、 DVDの穴および周縁部分に開始フレームや終了フレームのビデオが見えるようにしたいと仮定します。このエフェクトのためには、

「 DVD Studio Pro」にアルファチャンネルを与えて素材ムービーのどの部分を表示させて、どの部分を無視させるのか伝える必要があります。

アルファチャンネルを追加するには 2つの方法があります:素材ムービーに埋め込むか、別個に素材マットムービーを用意します(後の “素材マットムービー ,”で説明します)。

重要:アルファチャンネルが素材ムービーに埋め込まれる場合、ビデオ出力は必ずプリマルチプライされているようにしてください。

トランジションで開始フレームのビデオと終了フレームのビデオを画面に同時に表示する必要

がない場合には、素材ムービーに切り替えポイントマーカーを追加して、トランジションが開

始フレームの表示から終了フレームの表示に切り替わる時点を制御することができます。開始

フレームのビデオと終了フレームのビデオを画面に同時に表示したい場合は、背景マットムー

ビーを使う必要があります( 44 ページの「背景のマットムービー」で説明します)。

トランジション素材フォルダに背景マットムービーがない場合、「 DVD Studio Pro」は以下の方法で切り替えポイントを設定します:

 最初に、「 DVD Studio Pro」は素材ムービーを調べ、 TransitionSwitchPointという名前のマーカーを探します。もしあれば、このマーカーが切り替えポイントとして使われます。このマー

カーを素材ムービーに追加するために「 Motion」を使う場合は、「マーカーの編集」の「種類」ポップアップメニューから「 DVDアルファトランジション」を選択します。

 ない場合、「 DVD Studio Pro」は素材ムービーに何らかのマーカーがあるかを調べます。もしあれば、最初のマーカーが切り替えポイントとして使われます。

 素材ムービーにマーカーがない場合、切り替えポイントは素材ムービーの中間点に設定され

ます。

素材マットムービー

白い領域は、素材ムービーのビデオが表示される場所を

定義します。

黒い領域は、背景ビデオ(開始または終了フレーム、

切り替えのポイントまたは背景のマットムービーに

よって決まります)の表示される場所を定義します。

灰色の領域は、素材ムービービデオが表示されるものの、

透明になる部分を定義します。

Page 44: Final Cut Studio jp

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素材マットムービーが必要となるのは、アルファチャンネルを含まない素材ムービーがトランジ

ションで使用される場合のみです。素材ムービーが普通のビデオ(つまりアニメーションではな

い)の場合、別に素材マットムービーがあると特に便利です。

素材マットムービーのファイル名は、素材フォルダと同じ名前に「 -matte」を付加したもので、拡張子を付けることもできます。たとえば、素材フォルダの名前が「 Spinning DVD」ならば、素材マットムービーの名前は「 Spinning DVD- matte.mov」のようになります。

素材マットムービーはモノクロでなければならず、白い部分は使用する素材ムービーを、黒い部

分は開始および終了フレームのビデオを表示させる位置を示します。また、白と黒の間に透明度

のレベルを設定して、ソフトエッジを追加することもできます。

背景のマットムービー

背景のマットムービーは、次の 2つの方法で使用できます:

 素材ムービーと関連付けて使用し、開始フレームのビデオを表示する画面の部分と、終了フレー

ムのビデオを表示する部分を制御します。

 トランジション素材フォルダに背景のマットムービーを 1つだけ入れて、ワイプトランジションのエフェクトを作成することもできます。素材ムービーと関連付けて使用する場合と同じ

く、背景のマットムービーは画面のどの部分に開始フレームのビデオを表示し、どの部分に終

了フレームのビデオを表示するか制御します。

背景のマットムービーにはトランジション素材フォルダと同じ名前を付け、ファイル名の最後に

「 -backgroundMatte」の文字列を追加する必要があります。拡張子も付与できます。たとえば、トランジション素材ムービーの名前が「 Spinning DVD」ならば、背景のマットムービーの名前は「 Spinning DVD- backgroundMatte.mov」のようになります。

背景のマットムービーはモノクロでなければならず、白い部分は表示する素材ムービーを、黒い

部分は開始および終了フレームのビデオを表示させる位置を示します。一般的に、背景のマット

ムービーは全体が真っ白な画面で始まり、全体が真っ黒な画面で終わる必要があります。また、

白と黒の間に透明度のレベルを設定して、ソフトエッジを追加することもできます。

白い領域は、開始フレーム背景ビデオが表示される

場所を定義します。

黒い領域は、終了フレーム背景ビデオが表示される

場所を定義します。

Page 45: Final Cut Studio jp

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「 Soundtrack Pro」を DVD Studio Proプロジェクトで使う DVDのオーサリングにはオーディオに関して特殊な要件がいくつかありますが、「 Soundtrack Pro」はそれらを十分にサポートしています:Â メニュー用のオーディオ: DVDのメニューを目立たせる簡単な方法は、オーディオを追加することです。すべてのモーションとほとんどの静止画メニューにオーディオを追加できます。

「 Motion」を使ってメニューを作成するときでも、「 Soundtrack Pro」と「 Motion」の連携を利用すれば、メニューでの動きに合ったメニューオーディオを、メニュー要素が通り過ぎたり

着陸したりするときの効果音も含めて簡単に作成することができます。

 スライドショー用のオーディオ:背景にオーディオを追加すると、スライドショーを面白くできます。スライドごとに個別のオーディオクリップを作成したり、スライドショー全体用に単

独のオーディオクリップを作成できます。

 DVD規格に準拠のオーディオ: DVDプロジェクトでは、オーディオに対して専用の条件が要求されます。「 Soundtrack Pro」では、加工をしなくても DVD プロジェクトで使用可能な、 DVD規格に準拠の非圧縮 AIFFオーディオファイルを作成できます。このファイルには、 48kHz(キロヘルツ)のサンプルレートと、 16 ビットまたは 24 ビットのサンプルサイズが必要になります。また、「 Soundtrack Pro」には「 Compressor」を利用して書き出す機能もあるので、シンプルなステレオから、 5.1サラウンドサウンドの Dolby Digital AC-3オーディオファイルまで、どれでも簡単に作成することができます。詳細については、 48 ページの

「「 Soundtrack Pro」から「 Compressor」を使って書き出す」を参照してください。

Soundtrack Proプロジェクトを「 DVD Studio Pro」で利用できるように保存するには、さまざまな方法が使えます。通常は、プロジェクトを保存するときに、プロジェクトを再び開いたり編

集したりする操作が容易になる埋め込みリンクとともにプロジェクトを保存するか、シンプルな

保存を実行するかを選択します。

Soundtrack Proプロジェクトを「 DVD Studio Pro」用に保存する以下に、 Soundtrack Pro マルチトラックプロジェクトを保存する方法を説明します。こうしておけば、後で編集する必要が生じたときにも簡単に元の Soundtrack Proプロジェクトに戻ることができます。

Soundtrack Proマルチトラックプロジェクトを保存して書き出すには: 1 オーディオを、タイムラインと「ミキサー」で設定します。

2 「ファイル」>「別名で保存」と選択します。

3 ファイルに付ける名前を入力します。

4 「保存」をクリックします。

これで、現在の設定が Soundtrack Proマルチトラックプロジェクトとして保存されます。拡張子は「 .stmp」です。次に、「 DVD Studio Pro」に読み込むためのオーディオファイルを書き出します。

Page 46: Final Cut Studio jp

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5 「ファイル」>「書き出し」>「ミックスを書き出し」と選択します。

6 ファイルに付ける名前を入力します。

7 「ビット数」を「 16ビット」または「 24ビット」に、「サンプルレート」を「 48kHz」に設定します。

8 「書き出し」をクリックします。

これにより、以前に保存されたプロジェクトファイルにリンクしているオーディオファイルが保

存されるので、後でオーディオファイルを編集する必要が生じた場合に便利です。

重要:以下の手順では、コンピュータに「 Soundtrack Pro」と「 Soundtrack Pro」の両方がインストールされている必要があります。

リンクされているオーディオファイルに「 DVD Studio Pro」から変更を加えるには: 1 「素材」タブでオーディオファイルを Control キーを押しながらクリックし、ショートカットメニューから「エディタで開く」を選択します。

オーディオファイルを通常のオーディオファイルとして開くのか、そのオーディオファイルの書

き出し元である Soundtrack Proマルチトラックプロジェクトファイルを開くのかを選択できるダイアログが表示されます。

2 「プロジェクトを開く」をクリックします。

これで、元の Soundtrack Proプロジェクトが開きます。

変更を加えたら、プロジェクトを保存し、「ミックスを書き出し」コマンドを使って新しいオー

ディオクリップを書き出します( DVD Studio Pro プロジェクトで開いたクリップと同じ名前および場所を使います)。これにより、この新しいオーディオファイルが DVD Studio Proプロジェクトで自動的に表示されるようになります。

「 Soundtrack Pro」を Motionプロジェクトで使う「 Soundtrack Pro」と「 Motion」の統合機能により、 Motionプロジェクトに追加されるエフェクトを補うオーディオを、簡単に作成することができます。こうしたデータやり取りの機能が特

に役立つのは、プロジェクトでエフェクトのタイミングを変更し、対応するオーディオも合わせ

て変更する必要がある場合です。

多くの場合、モーションメニューには、オーディオを含んだ背景ムービーが使われています。た

とえば、ムービー本編から採取された短いクリップなどです。

重要:このためには、 1台のコンピュータに「 Soundtrack Pro」と「 Motion」の両方がインストールされている必要があります。

Page 47: Final Cut Studio jp

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Motionプロジェクトのオーディオを「 Soundtrack Pro」に送信するには: 1 「 Motion」の「プロジェクト」パネルで「オーディオ」タブをクリックします。

2 「 Soundtrack Pro」に送信するオーディオを選択します。

3 「編集」>「オーディオを Soundtrackに送信」と選択します。

4 ファイル名を入力し、保存先を選択してから、「 Soundtrackオーディオとして保存」をクリックします。

これにより、 Soundtrack Pro オーディオプロジェクトがファイル拡張子「 .stap」で作成され、「 Soundtrack Pro」の波形エディタで Motionビデオとともに開くので、必要に応じて操作を適用したり効果音をペーストしたりできます。

オーディオが完成したら、そのオーディオプロジェクトを「 Soundtrack Pro」で保存するだけで済みます。「 Motion」に戻ると、オーディオが自動的に更新されて変更が反映されています。これは、ファイルを破壊しない処理です(元のオーディオファイルは変更されません)。

「 Soundtrack Pro」から AIFFオーディオを書き出すミュートされていないすべてのトラックのミックスを書き出すか、個別のステレオトラックを書

き出すか選択できます。

Soundtrack Proマルチトラックプロジェクトからミックスを書き出すには: 1 各トラックおよび「ミキサー」を設定します。これには、書き出さないトラックをミュートする作

業も含まれています。

2 「ファイル」>「書き出し」>「ミックスを書き出し」と選択します。

書き出したオーディオファイルの設定がダイアログに表示されます。

3 書き出し設定を選択します。

DVDで使用するためには、オーディオのビット数は 16 ビットまたは 24ビットを選択し、サンプルレートは 48kHzを選択します。

4 「書き出し」をクリックします。

単一の Soundtrack Proトラックを書き出すには: 1 書き出すトラックを選択します。

2 「ファイル」>「書き出し」>「選択したトラックを書き出し」と選択します。

書き出したオーディオファイルの設定がダイアログに表示されます。

3 書き出し設定を選択します。

DVDで使用するためには、オーディオのビット数は 16 ビットまたは 24ビットを選択し、サンプルレートは 48kHzを選択します。

4 「書き出し」をクリックします。

トラックが選択されていない場合には、すべてのトラック、バス、および出力を 1ステップで書き出すオプションが表示されます。

Page 48: Final Cut Studio jp

48

すべての Soundtrack Proトラック、バス、および出力を一度に書き出すには: 1 どのトラックも選択されていないことを確認します。

2 「ファイル」>「書き出し」>「すべてのミキサーオブジェクトを書き出し」と選択します。

書き出されるファイルの設定を示すダイアログが表示されます。

3 書き出し設定を選択します。

DVDで使用するためには、オーディオのビット数は 16 ビットまたは 24ビットを選択し、サンプルレートは 48kHzを選択します。

4 「書き出し」をクリックします。

ミュートされていない各トラックと「ミキサー」出力について、個別に AIFFファイルが書き出されます。

「 Soundtrack Pro」から「 Compressor」を使って書き出す「 Soundtrack Pro」からの書き出しに「 Compressor」を使うことで、 AC-3オーディオファイルの書き出しをはじめとする選択肢が増えます。 DVD プロジェクトで AC-3 フォーマットのオーディオファイルを使う利点については、 50 ページの「 AC-3ファイルを作成する理由」を参照してください。

「 Soundtrack Pro」を使って作成する AC-3ファイルには、一般に 2つのタイプがあります:ステレオおよび 5.1サラウンドサウンドです。

ステレオ AC-3ファイルは、通常は最も作成しやすいファイルです。すでに左右のチャンネルを設定済みならば、特に簡単です。この場合は、「 Compressor」のプリセットを利用するだけで済みます。チャンネルのマッピングは自動的に処理されます。

サラウンドサウンドの 5.1 オーディオファイルでは、「 Soundtrack Pro」の物理的な出力チャンネルをサラウンドサウンドの各チャンネルにマップする(対応させる)必要があります。まず、

適切な物理チャンネルに正しいオーディオが生成されるよう出力を設定する必要があります。

重要:このためには、 1台のコンピュータに「 Compressor」と「 Soundtrack Pro」の両方がインストールされている必要があります。

「 Soundtrack Pro」からの書き出しに「 Compressor」を使うには: 1 「ファイル」>「書き出し」>「 Compressorを使用」と選択します。

2 出力ファイルの名前を「別名で保存」フィールドに入力します。

3 「ビデオを保持」または「ビデオをエンコード」を選択します。

Â「ビデオを保持」を選択すると、ビデオはトランスコードされず、新規ファイルにコピーされるのみです。

Â「ビデオをエンコード」を選択すると、選択したプリセットでビデオがトランスコードされます。

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4 使用するプリセットを、「ビデオを保持」または「ビデオをエンコード」のうち、選択した方の

ポップアップメニューで指定します。

「プリセットを編集」をクリックすると、プリセットの内容を変更したり、新規にカスタムプリ

セットを作成したりできます。このとき、「 Compressor」が開きます。

5 マルチチャンネルのオーディオファイルを書き出す場合は、「チャンネルレイアウトを編集」を

クリックして「チャンネルレイアウト」ダイアログを開きます。次に、書き出されたファイルの

各チャンネルに対して物理的な出力チャンネルを選択し、「 OK」をクリックします。

6 「書き出し」をクリックします。

「 Compressor」を DVD Studio Proプロジェクトで利用する QuickTimeムービーを直接「 DVD Studio Pro」に読み込み、内蔵の MPEGエンコーダを使ってムービーから MPEG ビデオを作成することもできますが、「 Compressor」を使えばさらに柔軟なエンコード処理ができます。「 Compressor」を使って「 DVD Studio Pro」の素材をエンコードする場合のメリットには、以下のようなものがあります:

 エンコードの追加設定:「 Compressor」には、さまざまな GOP構造設定など、内蔵の MPEGエンコーダからは利用できない MPEGエンコード設定が複数用意されています。

 SDベースのDVDプロジェクト用に24pおよびHDのソースをエンコード:「 Compressor」は NTSC解像度の 24 fps MPEGストリームをエンコードできます。さらに「 Compressor」では、 HD ソースの高品質なダウンコンバートを実行することができ、 Final Cut Proムービーから高品質の従来型 DVDプロジェクトを容易に作成できます。

 HDベースのDVDプロジェクト用に HDのソースをエンコード:「 Compressor」では、非圧縮および DVCPROの HDビデオを、「 DVD Studio Pro」で必要な MPEG-2または H.264ビデオストリームにエンコードできます。

 AC-3 オーディオのエンコード:「 Compressor」では、オーディオを Dolby Digital AC-3オーディオストリームにエンコードできます。 DVDプロジェクトに圧縮オーディオを使うと、オーディオに必要なディスク空き容量が削減されます。 AC-3 ファイルは、「 DVD Studio Pro」に組み込まれているオーディオエンコーダが作成する AIFF オーディオファイルと比較して、大幅に低いビットレートしか必要としません。このため、ビデオ素材のビットレートをより高く

することができます。

 MPEG-1ビデオ: MPEG-2は SDベースの DVDプロジェクト用として最高のビデオ品質を提供しますが、より長時間のビデオを DVDに収める必要がある特殊なプロジェクトでは、 MPEG-1も選択肢になります。 MPEG-1 フォーマットの低い解像度とビットレートを使うと、 MPEG-2 エンコーダを使って得られるよりも非常に小さなファイルが作成されます。「 Compressor」では、「 DVD Studio Pro」が SDプロジェクトのトラックに素材として読み込んで使用できる、 MPEG-1ビデオファイルを作成することができます。

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「 Compressor」のワークフローメソッドについて「 Compressor」では、以下の 2つのワークフローを使用できます:Â 通常方式:「 Compressor」ウインドウを使って、エンコード処理をすべて設定できます。プリセットという既成の設定から選択するか、カスタム設定を作成します。また、エンコーディングするファイルのバッチを設定することもできます。複数のソースメディアファイルを含んだ

バッチや、複数の形式を使ってエンコードした出力による単独メディアファイルのバッチがあ

ります。この処理の詳細については、 27 ページの「「 Compressor」を使ってムービーを書き出す」を参照してください。

 ドロップレット方式:ドロップレットを作成できます。ドロップレットはショートカットとして動作し、エンコードを実行します。ドロップレットを使うと、手順の決まったエンコーディ

ングが非常に簡単にできます。エンコードするファイルをドロップレットのアイコンにドラッ

グするだけなので、「 Compressor」を開いておく必要もありません。ドロップレットのベースは、単独プリセット、またはプリセットのグループと保存先です。

これらのメソッドの詳細については、「 Compressor」のマニュアルを参照してください。

AC-3ファイルを作成する理由 DVDプロジェクトのオーサリングでは、プロジェクトに使う素材を集めると、最終的に DVDの容量を超えてしまうことがよくあります。 1つの解決策として、非圧縮の PCMオーディオや AIFFオーディオのかわりに圧縮オーディオを使用することがあります。圧縮オーディオを使用する

と、以下のことが可能になります:

 オーディオ素材に必要な DVDディスク空き容量を削減します。 オーディオに費やす DVD再生のビットレート帯域幅を下げ、ビデオにさらに高いビットレートを振り分けられる場合もあります。

 プロジェクトに Dolby Digitalサラウンドサウンドオーディオを含めることができます。

「 Compressor」には、 1 チャンネルから 6 チャンネル( 5.1 サラウンドサウンド)までを含んだオーディオファイルを作成できる Dolby Digital AC-3エンコーダが備えられています。 AC-3エンコーダには、非圧縮オーディオファイルから DVD準拠の AC-3オーディオを作成するために必要なコントロールがすべて含まれています。

重要: AC-3エンコーダで 5.1サラウンドサウンドのファイルを作成する場合は、適切なソースが必須です。ステレオソースからは 5.1サラウンドサウンドファイルは作成できません。

理想的なソースファイルは、たとえば AIFFや PCMオーディオのような非圧縮オーディオで、サンプルレートが 48kHz のものです。ただし、「 Compressor」はすでに圧縮されているオーディオファイルも扱うことができます。 5.1 エンコードではよく行われるように、チャンネルごとに個別のソースファイルを作成でき、また複数のオーディオチャンネルを含むソースファイルを使

用できます。

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「 Compressor」で AC-3ファイルを作成する AC-3ファイルをどのように作成するかは、ソースに単一のオーディオファイルを使うか、複数のオーディオファイルを使うか(サラウンドサウンド・オーディオの場合など)により異なります。

単一のオーディオファイルを使う場合単一のソースファイルから AC-3ストリームをエンコードするには、 50 ページの「「 Compressor」のワークフローメソッドについて」で説明する方法が使えます。「 Compressor」は自動的にオーディオチャンネルを割り当てます。

AC-3 プリセットを選択すると、「 Compressor」によって左チャンネルと右チャンネルが自動的にマップされます。

複数のソース・オーディオファイルを使う場合複数のオーディオファイルを元に AC-3ファイルをエンコードする場合は、単一のオーディオファイルを使う場合と少し異なります。それは、「 Compressor」では、どのファイルをどのチャンネルに割り当てるかを自動的に判別できないためです。また、 52 ページの「複数のソースファイルにチャンネル識別コードを使う」で説明する場合を除けば、複数のオーディオファイルを「バッ

チ」ウインドウにドラッグすると、「 Compressor」ではファイルごとに作業ファイルが作成されます。

複数のソースファイルから AC-3ファイルをエンコードするには: 1 「バッチ」ウインドウで、サラウンドソースボタンをクリックします。

オーディオをマッピングするダイアログが表示されます。

2 スピーカーアイコンをクリックするとファイルを選択するダイアログが開くので、オーディオ

チャンネルに割り当てるファイルを指定します。

3 ほかのスピーカーアイコンでも同じ作業を繰り返し、 AC-3ファイルで使う各チャンネルにファイルを割り当てるまで続けます。

4 「 OK」をクリックして、オーディオをマッピングするダイアログを閉じます。

5 インスペクタで AC-3の設定項目を指定します。

6 「バッチ」ウインドウで「実行」をクリックします。

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複数のソースファイルにチャンネル識別コードを使う「 Compressor」では、オーディオファイルをサラウンドサウンド・チャンネルに自動的に割り当てることもできます。ただし、その場合はファイル名にチャンネル識別コードが含まれている必

要があります。チャンネル識別コードは、ファイル拡張子があれば、その前に付けます。以下の

例を参照してください:

チャンネル識別コードがある複数のファイルを「 Compressor」の「バッチ」ウインドウにドラッグすると、サラウンドサウンドのエンコード時に各ファイルを適切なチャンネルにマップする単

一のバッチエントリが作成されます。

「 Final Cut Pro」のオーディオから AC-3ファイルを作成する DVD に使うオーディオを「 Final Cut Pro」からエンコードする必要がある場合には、オーディオを「 Compressor」に直接書き出すか、 AIFFオーディオファイルを書き出して「 Compressor」で開きます。

オーディオを「 Compressor」に直接書き出す処理は、ビデオを「 Compressor」に直接書き出す処理と同じです。相違点は、ビデオのプリセットの代わりに、あるいはビデオのプリセットに

加えて、 AC-3 プリセットを選択することです。この方法は、 AC-3 オーディオ用にオーディオファイルを 1つだけ使い、オーディオチャンネルの割り当ては「 Compressor」に任せる場合にのみ使えます。詳細については、 27 ページの「「 Final Cut Pro」と共に「 Compressor」を使う」を参照してください。

複数のファイルを各オーディオチャンネルに割り当てる場合、たとえばサラウンドサウンド( 5.1)オーディオなどでは、個別に AIFFオーディオファイルとして書き出す必要があります。

5.1 サラウンドのサウンドファイルへのエンコードに適した形でオーディオファイルを書き出すには、何回かの書き出し処理をする必要があります。たとえば、フロントの左右のチャンネルを

ステレオファイルで書き出し、 2 番目のファイルはリアの左右のチャンネル、 3 番目のファイルはセンターチャンネル、 4 番目のファイルは低音効果( LFE)チャンネルに書き出すといった形です。

ファイル名の例 チャンネル 識別コード MyMovie-L.aif 左 -L

MyMovie-R.aif 右 -R

MyMovie-C.aif センター -C

MyMovie-RL.aif 左サラウンド -RL

MyMovie-RR.aif 右サラウンド -RR

MyMovie-RC.aif センターサラウンド -RC

MyMovie-LFE.aif LFE(サブウーファー) -LFE

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複数の Final Cut Proオーディオファイルを AC-3エンコーディング用に書き出すには: 1 書き出すオーディオトラックを有効にします。

書き出さないトラックが無効になっていることを確認します。「 Final Cut Pro」では、有効になっているトラックすべてが単独のステレオファイルに結合されるからです。

2 「ファイル」>「書き出し」>「オーディオを AIFFに」と選択します。

3 出力ファイルを設定して「保存」をクリックします。

参考:必ず 48kHzサンプルレートを使って書き出すことを確認します。

「 LiveType」を DVD Studio Pro プロジェクトで利用する「 LiveType」を使って、モーションメニュー用に背景付きのテキストや、ドロップゾーンに配置するビデオタイトルを作成することができます。これにより、バウンス、ストレッチ、および急ブ

レーキなどの多彩なエフェクトを使って、エキサイティングなタイトルを簡単に作成できます。

「 DVD Studio Pro」では、 LiveTypeプロジェクトで透明な背景が使われている場合は、その背景が自動的に利用されます。これにより、「 DVD Studio Pro」でテキスト文字をほかのメニュー項目に重ねる処理と、 LiveType プロジェクトをドロップゾーンに追加する処理が両立します。ドロップゾーンをメニューのビデオフレーム・サイズと同じにすることもでき、その場合はテキス

トが「 LiveType」の通りに表示されます。

LiveTypeプロジェクトを「 DVD Studio Pro」に読み込む LiveTypeプロジェクトのファイルを「 DVD Studio Pro」に読み込んでおけば、 QuickTimeムービーにしてある LiveTypeタイトルを「 DVD Studio Pro」で使いたいときに、その都度レンダリングをやり直す必要がなくなります。

「 LiveType」のプロジェクトを「 DVD Studio Pro」に読み込むには、以下のいずれかの操作を行います:

m

LiveType プロジェクトを「 DVD Studio Pro」の「素材」タブまたは「メニューエディタ」にドラッグします。

LiveTypeプロジェクトを「メニューエディタ」にドラッグすると、「ドロップパレット」が表示され、「 DVD Studio Pro」でプロジェクトをどのように使うかを選択できます。

m 「ファイル」>「読み込み」>「素材」と選択し、次に表示されるダイアログで LiveTypeプロジェクトを選択してから「選択」をクリックします。

m

LiveType プロジェクトの入ったフォルダを「 DVD Studio Pro」の「パレット」の「ビデオ」タブに追加します。「メニューエディタ」、「素材」タブ、またはタイムラインなど、目的に応じた

場所にドラッグしてプロジェクトを追加できるようになります。

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LiveTypeプロジェクトを「 DVD Studio Pro」内から編集する LiveType プロジェクトを使って通常の DVD オーサリングはできますが、「 LiveType」で作成されたタイトルの内容を「 DVD Studio Pro」で編集することはできません。「 LiveType」のタイトル設定は「 LiveType」アプリケーションでしか変更できません。「 DVD Studio Pro」には、 LiveTypeプロジェクトを「 LiveType」アプリケーションで開いてタイトル内容を変更できるようにするための、素早く簡単な方法が用意されています。

重要:このためには、コンピュータに「 DVD Studio Pro」と「 LiveType」の両方がインストールされている必要があります。

LiveTypeプロジェクトを「 LiveType」で編集するために「 DVD Studio Pro」から開くには: 1 以下のいずれかの操作を行います:

Â「素材」タブで LiveTypeプロジェクトを選び、「ファイル」>「素材」>「エディタで開く」と選択します。

Â「素材」タブで LiveTypeプロジェクトを Controlキーを押しながらクリックし、ショートカットメニューから「エディタで開く」を選択します。

Â「素材」タブの LiveTypeプロジェクトをダブルクリックします。

2 「 LiveType」で、「 LiveType」のタイトルに必要な変更を加えます。

3 「 LiveType」のプロジェクトファイルを保存します。

4 「 DVD Studio Pro」に戻ります。

「 LiveType」でプロジェクトに変更を加えると、「 DVD Studio Pro」は自動的に更新され、これらの変更を反映します。