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HIBIYA CENTRAL MARKET CS 第二原稿 CENTRAL MARKET 器。売れるたびに什器が入れ替わり、店の様子も有機的に変わっていきます。全体のコンセプトにも共通しますが、「Library」で扱う商品に関しても、

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HIBIYA CENTR AL MARKET CONCEPT

" HIBIYA CENTRAL MARKET " は、クリエイティブディレクター南貴之と老舗書店の 「有隣堂」 が出会って生まれた、

小さな街のような複合型店舗。食事や酒、本や衣服などが揃えられ、誰もが郷愁や親近感を抱き、居場所を見つけられるように編集されている。

売り手と買い手が出会う場所、「マーケット」。食事をしたり、買い物をしたり、ただ行き交う人を眺めているだけでも良い。

見知らぬ土地で市場を訪れると、その地で生きる人々の日常を覗き見するようでワクワクする。南が、世界中で拾い集めたそんな 「市場」 や 「街角」、「路地」 の記憶を、237 坪のフロアで表現した。

どこの国とも時代ともつかない、小さな街のような複合型店舗

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書店の再定義が必要な時代に改めて考える " 面白い店 "

日比谷公会堂や東京宝塚劇場、帝国劇場がある日比谷は芸術・文化を育んできた街です。そして、「東京ミッドタウン日比谷」 は、この街に訪れる高感度な人々の心を躍らせ、華やかな気持ちにしようという新たな商業施設です。この場所で 「今までにないお店をやりませんか」 と声をかけて頂き、「日本で一番新しくてかっこいい書店を作る」 という思いで出店申し込みを決断しました。有隣堂はこれまでにさまざまな地域で、その地域特性を活かした新しい

書店を提案してきました。「東京ミッドタウン日比谷」 にどんな書店を作るか、コンセプトを練っている時期に、南貴之さんに出会い、初めてお話をさせて頂きました。南さんが考えるおもしろいお店とは、「いままでにない店」 という、シンプルで、しかし本質を鋭くついた、その考え方に共感し、感銘を覚えました。そして、この店を、南さんにプロデュースして頂きたいと決めました。この時、僕の仕事は 「日本で一番新しくてかっこいい書店を作る」ことから「南貴之の世界観を存分に出してもらうためのサポート」

に代わったわけです。ただ、一つ悩んだのは本の扱いです。当初は書店での出店を考えていたため、108 年に亘って本を売ってきた当社が本を扱わない店を作ることは勇気のいることでした。しかし、南さんの世界観を100%出すために、こちらからの注文はなるべく少なくしたかった。悩んだ後、南さんに 「本は売らなくてよいです」 と言いました。有隣堂は 「本」という 「モノ」だけではなく、「モノ」を通じて 「情報」や 「娯

楽」、あるいは 「夢」 を売ってきたと考えています。書籍が売れなくなってきて 「書店」 を再定義しなければならない時期でもあり、あえて本にこだわることもない、それよりも南さんの世界を存分に発揮して頂きたい、と思いました。しかし、南さんは 「本は必要だから売ります」 と言ってくれた。これは嬉しかったですね。"HIBIYA CENTRAL MARKET" は今までにない店を目指しているから実際にどんな場所になるかはできてみないと分からない。できてからも変わり続ける。そんな店だと思っています。僕も楽しみにしています。

HIBIYA CENTR AL MARKET Store Operat ion

Creat ive Direct ion

松信健太郎 / Kentaro Matsunobu / 株式会社 有隣堂 専務取締役1972 年小倉生まれ横浜育ち。2007 年 入社、2009 年店売事業部長、2012 年店売事業本部長、2015 年より現職。108 年続く有隣堂の創業家 4 世代目として、入社以来、有隣堂初のブックカフェ 「STORY STORY」 ( 新宿 ) や、地域コミュニティを生み出す店舗 「有隣堂藤沢本町トレアージュ白旗店」 ( 藤沢 ) など、革新的な店づくりの先頭に立ち続けている。

有隣堂 / Yurindo1909 年、横浜・伊勢佐木町に書店として創業。現在は神奈川、東京、千葉の 3 都県に 36 店舗を構える。書籍だけでなく、文房具や雑貨の販売、カフェの併設など新時代に対応した店作りを積極的に進めると同時に、オフィスや学校、職場をサポートする外商事業や受託業務、カルチャースクール運営など多様な事業を展開している。

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目的がなくても 1 日中過ごせる老若男女の居場所を作る

ありたい。「店」 はサービスや商品を得る場所ですが、その前に 「人が集まる場所」 であるべきだと思っているからです。海外のマーケットを訪れると、通路にまで人や店がせり出して、勝手に

椅子やソファーを引っ張り出してきておじさんたちが昼間からダベっていたりします。それが彼らの日常で、市場の活気に繋がっている。色々な物や人が入り混じっている様が興味深かったんです。日本の公道は整備されていて、なかなかそういった景色は生まれないので、"HIBIYA CENTRAL MARKET"の “私道 ”を生かして、そんな 「目的がなくてもいられる居場所」を作りたいと思っています。

「東京ミッドタウン日比谷」 という巨大な商業施設の、さらに中にある複合施設 "HIBIYA CENTRAL MARKET" は、カオティックな市場や街のような場所になりました。商業施設はあまりにコントロールしすぎると、どこも似たような風景になってしまいます。だからあえてコントロールしすぎることなく、「そこに行かないと体験できないようなもの」 を作らないといけないと思いました。

"HIBIYA CENTRAL MARKET" は、僕がこれまで国内外で見てきた色々な記憶の集積やつぎはぎです。何か用事がないと来られない・買い物をしないといけない、というわけではなく 「目的がなくてもいられる居場所」 で

南貴之 / Takayuki Minami

1976 年、名古屋生まれ。1996 年に H.P.FRANCE に入社、CANNABIS, FACTORY, Sleeping Forest を立ち上げ、全てのバイイングやディレクションに携わる。2008 年、株式会社 alpha を設立。同年、中目黒の 1LDK を皮切りに、続々と青山の 1LDK aoyama heights、名古屋 1LDK annex、熊谷 1LDK for NEW LAND、中目黒 1LDK apartments. 1LDK/DEPOT.( 表参道 GYRE)をプロデュース。2015 年にはキュレーションショップ Graphpaper を、翌年には FreshService の実店舗を OPEN する。また 2015 年に Need Supply Co. のジャパンディレクターに就任し、店舗デザインから仕入れまでを手掛けるなど、ショップのディレクションのみならず、ブランドのコンサルティング、空間デザイン、イベントのオーガナイズ等、ジャンルにとらわれない活動に範囲を広げる。

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HIBIYA CENTR AL MARKET MAP

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ENTRANCE

ENTR

ANCE

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HIBIYA CENTR AL MARKET

器。売れるたびに什器が入れ替わり、店の様子も有機的に変わっていきます。全体のコンセプトにも共通しますが、「Library」 で扱う商品に関しても、

「トリートメントしすぎないこと」 は特に意識しました。僕自身が買い付けに行ったサンフランシスコや LA だけでなく、国も時代も、実用性のありなしも関係なく、意図的にカテゴライズせずにありとあらゆるものを並べます。訪れるタイミングによって、「洋服ばかりの日」 や 「椅子ばかりの日」があるかもしれません。本に囲まれ、「トリートメントしすぎないこと」 に注力したラインナップのこの店が "HIBIYA CENTRAL MARKET"の中心にあることで、人の流れや活気あるムードが生まれることを意図しています。(南氏 )

"HIBIYA CENTRAL MARKET" が有隣堂とのプロジェクトだということもあり、僕なりに 「本屋の再定義」 について考えていたことをこの店で表現しました。本屋は知識を得られる場所ですが、それだけではありません。本と現実の世界がリンクする広がりのある場所です。

"HIBIYA CENTRAL MARKET" を象徴するこのスペースを区切る壁になっているのは、海外の博物館や図書館をイメージした大きな本棚。"HIBIYA CENTRAL MARKET"の入り口すぐに位置し、フロアの共有部とも繋がっている印象的なスペースです。その本棚の壁に囲まれた内側は、海外のバザールのように、世界中の洋服や雑貨、ヨーロッパで集めたアノニマスなヴィンテージが並びます。ヴィンテージの家具は販売中の商品であり什

本と現実世界がリンクする、バザールのようにカオスな空間

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HIBIYA CENTR AL MARKET

コンセプトは、「40% Black」。ウェアからシューズまで一貫して、このコンセプトでラインナップします。意識したのは、一号店のある神宮前とも価値観の異なる日比谷というエリアです。日比谷に生まれるこの 「Graphpaper」 では、「アート性」、「活動性」、「ク

ラシックであること」 が核になります。この核を表現するために、40% のブラック、そして残りの 60% に花柄などの色柄物を大胆に取り入れます。家具やアートに関しても、統一するコンセプトは 「40% Black」 です。(アドバイザー・二村氏 )

ギャラリーともショップともつかない、ユニークなプレゼンテーションそのものがコンセプトの 「Graphpaper」。2015 年に神宮前にオープンした一号店のコンセプトは引き継ぎ、さらに深淵を進み、品揃えを拡張させた二号店として日比谷店がオープンします。全てを並列化する可動式のクローゼットがギミックになった神宮前に対し、日比谷店は 「余計なことは一切しない」 ということがデザインになった空間になります。豊かなバリエーションを見せるのではなく、選び抜いたクオリティの高

いものをストイックに連続して並べるという 「Graphpaper」 のスタイルは、日比谷店でも踏襲します。より作家性やコンテンポラリーなアート性の強いラインナップになる予定です。(南氏 )

二村毅 / Tsuyoshi Nimura / アドバイサー1970 年愛知県出身 大学在学中から雑誌を中心にスタイリストとして活動を開始。現在は雑誌 •広告 •アーティスト衣裳の他、セレクトショップのバイイングディレクターなどでも活躍中。

「余計なことは一切しない」 ということ自体が、デザインギミックになった空間

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毎日立ち寄るコーヒースタンドに、あったらうれしい本、日用品・お土産

山根洋輔 / Yousuke Yamane ( AND COFFEE ROASTERS )

1987年東京都生まれ。大学在学中のNY短期留学をきっかけにカフェ文化に魅了される。2013年に熊本に移住し 「AND COFFEE ROASTERS」 をオープン。 2016 年には、コーヒースタンド" AND COFFEE BREWERS "を オープン。九州のみならず日本全国のカフェにローストしたコーヒー豆を卸している。http://www.andcoffeeroasters.com

AND COFFEE ROASTERS もともとは、熊本の僕のお店に南さんが毎日コーヒーを飲みに来てくれるようになったことが出会いのきっかけでした。最初に "HIBIYA CENTRAL MARKET"への出店についてお声がけいただいたときには、「たくさんコーヒー屋があるなかで、うちで大丈夫なのかな?」 という思いでしたが、選んでいただいたからにはおいしいコーヒーを出したいです。僕たちは豆の生産者になるべく近いところまで行って、自分たちのコーヒーの味を作ることを目指しています。スペシャリティーコーヒーには 「From seed to cup(コーヒーの種からお

客様のカップまで)」 という考えがあり、僕たちも生豆のセレクトからこだわっているんです。コーヒーって本当に色々な味があるんですよ。でも焙煎の仕方によって 「ただ苦いだけ」 のコーヒーになってしまうことだってあるんです。僕たちは、それぞれの豆のもつ繊細なフレーバーが壊れないように、丁寧な焙煎を心がけています。また同じように焙煎した豆を使っていても、使う水によって味が大きく変化します。熊本と東京では水も違うので、実際にお店ができたら、味の調整は繊細にやっていきたいと思っています。今回のキオスクのイメージは、コーヒー屋だけで考えても思いつかない

アイデア。コーヒーは、飲み物としてのおいしさや奥深さはもちろん「人と繋がるツール」 にもなり得ます。活気がある場所にはスタンドが似合うので、どんなお店に育っていくか楽しみです。この新しい場所で、熊本と同じように一杯ずつハンドドリップで提供する

本当においしいコーヒーを楽しんでいってください。(山根氏 )

有隣堂駅のキオスクに並んでいるような、人々が習慣として手に取る週刊誌や週刊漫画などが揃う店。上層階や周辺で働くオフィスワーカーも視野に入れて、毎日買うコーヒーと一緒に手にとってもらえるようなラインナップになる予定です。

FreshService世界中で作られているものを、「FreshService」 の視点で再構築してお届けします。雑貨や土産物、日用品など、「日常的に利用するコンビニエンスストアを僕らがやってみたらこうなる」 という店です。今回はコーヒースタンドに並列するので、毎日コーヒーを飲むルーティンに馴染むものも並べる予定です。

HIBIYA CENTR AL MARKET

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パリならビストロ、日比谷なら 「一角」 で、肩の力を抜いて食事と酒を楽しむ

丸山智博 / Chihiro Maruyama

1981 年長野県安曇野生まれ。かつて神宮前にあったフレンチ 「ラミ・デュ・ヴァン・エノ」 勤務後、代々木上原にビストロ 「メゾン サンカントサンク (MAISON CINQUANTECINQ)」 を出店。以降、「グリ (Gris)」 「ランタン (Lanterne)」 「9STORIES」 「Bar à vin MAISON CINQUANTECINQ」を展開。2017 年 3月 4 日にはギャラリーとレストランの複合ショップ「AELU( アエル )」をオープン。レセプションパーティのケータリング、フードコーディネーター、メニュープランニング等、様々な活動も行う。

 南さんとは、これまでにも 「AELU」 を一緒に作ったり、度々お仕事でご一緒してきました。もともと「MAISON CINQUANTECINQ」や「Lanterne」を気に入って通ってくれていたこともあり、僕の料理の味については信頼してくれていると思っています。今回の "HIBIYA CENTRAL MARKET" での 「一角」 プロジェクトは、こ

れまでインディペンデントなやり方で路面店しか作ってこなかった僕にとっては新しい試み。商業施設の中の、さらにショップが複合したマーケットの中。他のショップと飲食のスペースが共存するために、ワイワイ・ガヤガヤと楽しんでもらえるようなパブリックな場所を目指しています。「食堂」 や 「和」 というキーワードは、僕と南さんの中で共通していたことです。料理の味が美味しいことは前提で、そのうえでどうプレゼンテーションしていくかをすり合わせました。リラックスして食事とお酒を楽しんでもらうには、親しみやすいメニュー

が重要です。パッと見てイメージのつかない料理を頼んで 「これはどんな

料理なんだろう」 と新しい出会いを楽しむ食事も良いけれど、肩の力を抜いて、ワイワイ・ガヤガヤしながら楽しむなら、「唐揚げにハイボール」 が似合います。そして締めには、蕎麦。僕は、長野・安曇野の蕎麦どころ出身。昔から「いつかは蕎麦をやってみたい」と考えていて、今回ついに蕎麦にチャレンジすることにしました。しっかりと出汁を引き、それだけでも美味しい蕎麦に、僕がこれまでやってきたフレンチのエッセンスをほんの少しだけ加える。例えば、鴨南蛮蕎麦にオレンジの香りを添える。鴨とオレンジは、フレンチでは定番の組み合わせです。そうすることによって日本酒はもちろん、ワインやクラフトジンにも合うメニューになるんです。昼からちょこちょこ酒肴をつまみながら、リラックスして飲む。パリな

らビストロ、東京なら蕎麦屋で見ることができる光景です。僕はそんな光景が好きで、"HIBIYA CENTRAL MARKET"にそんな場所を作りたいと思っています。「一角」 の周りには、テイクアウトできるベンダーフードのコーナーを作って、さらにこのマーケットを盛り上げていきます。

HIBIYA CENTR AL MARKET

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HIBIYA CENTR AL MARKET

岩間恵美 / Emi Iwama

「Hair&Esthe Salon TRIM」 オーナー。フローシェービング講師。1974 年から続く理容室で、理容業務全般はもちろん、女性のお顔そりエステ、男性の癒やしシェービング、ヘッドスパなど、リラクゼーションメニューに力を入れる。

日本最高峰の衛生管理で、生涯付き合える “ 日本品質の理容店 ” に

藤井実 / Minoru Fujii

埼玉県川越市 「理容室 FUJII」 三代目店主。一般社団法人日本衛生管理協会代表理事。著書には、日々のメンテナンスにおけるアドバイスから、より高度なヒゲの手入れとデザインを詳しく解説した 「ヒゲデザイン論」 がある。「FREEMANS SPORTING CLUB TOKYO」 のバーバーでは設立時から関わり BEARD DESIGN を施術する。

 私は三代目として 「理容室 FUJII」 で理容業を営みながら、日本衛生管理協会の代表理事を務めています。OPEN から関わる 「FREEMANS SPORTING CLUB TOKYO」 を通して南さんと出会い、今回この場所に日本の古き良き理容室を作ることになりました。私たちが目指す理容室は、現在のアメリカンバーバーブームに留まらな

い、地域と共に生きる 「日本品質の理容店」。そのベースには 「日本最高レベルの衛生管理・感染症対策」 を欠かすことはできません。理容業は公衆衛生業です。薬剤メーカーと一緒に作った次世代の複合洗浄消毒システムを使って感染予防を徹底していきます。また、日比谷という地域は昔ながらの個人商店が残る 「東京らしさ」 のある街。私たちの理容室でも、廃業した昭和の理容室から什器を引き継ぐなどして、その 「東京らしさ」 を表現したいと思っています。その個人商店の個性のひとつでもあると思うので

すが、「お客様との世間話」 を大切にしたいです。月に 1 度の理容室でのメンテナンスは、生涯続けていただくものです。そのなかで、例えば野球の話、旅行の話、飲み屋の話……といったたわいもない 「床屋談義」 ができる、末長くお付き合いしていただける店を作ろうと思っています。(藤井氏 )

月に 1 度、女性向けの 「お顔そり」 を行います。肌の状態を健康に保つために、余計なうぶ毛や角質を落とし、肌に必要な 「皮膚常在菌」 のバランスを整えることを意識した、フローシェービングを体験していただける機会を作ります。フローシェービングとは、理容業界で注目されている肌にもっとも負担が少ないと言われる 「お顔そり」 です。私自身が講師として日本全国で講演会を行なっており、全国でその注目が高まっていることを感じています。(岩間氏 )

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フランスのヴィンテージが揃う眼鏡店で、丁寧に作られたものを丁寧に選ぶ

 僕が札幌でやっている眼鏡店 「Fre'quence」 に南さんが来店されて、眼鏡を購入していただいたのをきっかけに、今回この "HIBIYA CENTRAL MARKET" に出店するお話をいただきました。この眼鏡店に並んでいるのは、デッドストックのヴィンテージフレーム。メインになるのは、1940 年代 ~1950 年代にフランスで作られたものです。その時代のフランス、特に山岳地帯のジュラ地方では、農作業ができなくなる冬場に産業として眼鏡作りが政府から推奨されていたと言います。今では作ることができない素材や、高い技術で手間をかけて丁寧に作られたフレームは、他の国や時代のものには代えられない魅力があります。 注目していただきたいのは、店では表現しきれない圧巻のラインナップ。眼鏡史のアーカイブとして考え

ても貴重なミュージアムピースまでが集まっています。日本随一、さらに海外から来た方が見ても驚くようなクオリティの眼鏡店に仕上がるのではないでしょうか。また今回のお店は購入していただいた眼鏡のメンテナンス、眼の検査も

しっかりとできることで、お客様に安心してお買い物をしていただけるまさにプロフェッショナルストアになります。丁寧に物が作られた時代のバックボーンを、この店で丁寧に表現してい

くこと。店では、お客様ひとりひとりとお話するなかで、その眼鏡のバックボーンを聞いていただき、ゆっくりと大切な 1 本を選んでいただければと思っています。

HIBIYA CENTR AL MARKET

柳原一樹 / Kazuki Yanagihara

株式会社 Remnant 代表取締役、Fre’quence. 代表。1981 年北海道生まれ。大学在学中より金子眼鏡 (株 ) にてアルバイトを始め、約10年金子眼鏡の札幌、関東の店舗にて勤務後、札幌に戻り独立。2013 年 1 月札幌のセレクトショップの名店 Arch の地下にてデッドストックのヴィンテージアイウェアショップ 「Fre’quence.」 を展開し、トゥモローランド渋谷本店など様々なセレクトショップにてトランクショーを開催、大好評を博す。特にフランスの 40~50 年代のヴィンテージアイウェアに造詣が深く 2015 年には書籍 「Frame France」 を自費出版。2016 年にはオリジナルブランド 「gue’pard( ギュパール )」 をリリースし、国内主要アパレルセレクトショップにて取り扱いされている。現在はオリジナルブランドや眼鏡にまつわる業務ディレクションを行いながら Fre’quence. の店頭にも立ち続けている。

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展示によって縦横無尽に変化するギャラリースペース

不定期でイベントが開催されるギャラリー。軍用のテントを用いることで、展示内容に合わせて拡張したり、縮小したり、自由自在に変化させることができます。

可動可能なギャラリーという特性を生かして、ジャンルに囚われずに様々なイベントを企画中。OPEN まで楽しみにお待ちください。

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HIBIYA CENTR AL MARKET

Graphpaperコンセプトは踏襲しつつ、他の Graphpaperともまた異なる店舗になります。

Library背の高い本棚自体が外壁になり、その内側に売り場があるという空間です。内側に置かれるヴィンテージの家具は、什器となり、そのまま販売もする予定です。

一角暖簾の奥に、短冊のメニューがたくさんかかっているカウンター席があり、カウンターの上にはおばんざいが並ぶ。それを取り囲んで、お客さんがワイワイ・ガヤガヤしている賑わいのある店を目指しました。路上に畳とちゃぶ台が並んでいるような屋台の街並みのイメージで、靴を脱いでがっつり座るのも良い、靴を履いたまま隅に腰掛けるのも良いといった可動式の小上がりを用意します。

AND COFFEE ROASTERS / 有隣堂 / FreshService僕の幼少期からの記憶にある、バスターミナルの売店がデザインイメージです。コーヒースタンドであり、提供口の下は棚になっていて日用品を売っている。さっと立ち寄って買い物ができるデイリーに使えるキオスクです。

Tent gallery軍用テントを用いたギャラリー。テントを使うことで、展示の規模によって使い方をフレキシブルに変え

られるという利点もあります。

カオスを作り出すために、大きな紙に道を描くところから始まった

"HIBIYA CENTRAL MARKET"の内装デザインは、通路まで人が溢れてごちゃごちゃとした、統制されきっていない市場や蚤の市の構成を目指しました。今回はまず大きな白図を南さんと囲んで、フリーハンドで図面のような、

道のようなものを描きながら考えていく、という方法で進めていったんです。通常はまず全体面積から個々の売り場の売上と規模を計算して区画を作るというやり方が多いところ、今回は区画を作ったあとにお店を決めるという逆の順番。入り口から入っていくと、クラシックな眼鏡屋さんがあって、突き当たりには昭和のノスタルジーを感じる理容室がある……、という一つの街の風景を一緒に思い描きながら進めました。それぞれの店舗が並んだときに統一感が出ないように注意しました。デ

ザインをコントロールすることは、無秩序でカオスな空間を作るのと逆のことになるので、それは特に気を配った部分です。

CONVEX 柳原さんとの話の中で、眼鏡をお買い求めいただくにはお客さんと対面してきちんと言葉と商品のやりとりをできる場所が必要と思ったので、そこから銀行の窓口をイメージしました。もちろん陳列棚もあるのですが、接客をしながら、奥からお客さんに合った眼鏡を取り出してきて……という所作も想定しています。

理容ヒビヤ藤井さんに紹介いただいた廃業される理容室を訪ねて、什器や備品、サインポールなどを譲ってもらいました。内装イメージは 1970、80 年代の昭和の理容室の記憶を大切にしながらも、衛生面は最新の仕様にしたいため、消毒に関わる棚はオールステンレスで製作しています。全体を通して基本的な機能を真面目に作るということを意識しています。理容椅子も 70 年代に使用されていたものを探してきました。レザーを張り替えて、金属部分は磨いてもらい、再利用します。

佐々木一也 / Kazuya Sasaki

1977 年、岩手県生まれ。インテリアデザイナー。SMALLCLONE co.,ltd. 代表。「EXIT METAL WORK SUPPLY」 「LINE-INC.」 「c:hord」 を経て独立。「UNDERCOVER」や「ユナイテッドアローズ」など、人気ショップの内装を手がけている。最近の仕事として、GINZA SIX内「MACKINTOSH 」、「Barbour」、「Alexander de Paris」、「UNDERCOVER」 などがある。

Photo_MASAYA TAKAGI

Space Design

SMALLCLONE co.,ltd.

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HIBIYA CENTR AL MARKET

今回、"HIBIYA CENTRAL MARKET" 内の新規店舗のロゴデザインを担当しました。このマーケットがカオスであるために、ロゴデザインも、全体を通してひとつのデザインチームが制作しているように見せないように気を配りました。

HIBIYA CENTRAL MARKET老若男女、様々な国の人たち、誰が見ても読めるという豊かな可読性と、昭和感や現代感などあらゆるイメージが交差するようなロゴを目指しました。英語・カタカナ・漢字の3パターンのロゴタイプがあり、それらはすべ

て同列で、組み合わせて使用されます。時代感を左右させることを意識したので、角を取るなど少しアナログに見えるよう製作しました。全て異なるフォントをベースにしているのですが、全てが同じ書体で均一に見えるように、どの言語のロゴタイプを使用しても同一なデザインに見えるようにしています。

CONVEX日本国内と海外では、視力検査で使う記号が異なります。日本ではランドルト環という 「C 」 のような穴の空いた方向を答えさせるための記号ですが、海外ではスネレン指標というアルファベットが使用されているんです。その両方を合わせて、ロゴタイプを作成しました。

理容ヒビヤ昭和の理容店がコンセプトなので、昭和に見せながらモダンな表現も取り入れるということを意識しました。"HIBIYA CENTRAL MARKET" 内で店

名に 「日比谷」 というワードが入っているのがこの店だけなので、ロゴでもそのことを生かしたく、また諸説ありますが、元々 「日比谷」 は入江で「比々谷」 と言われていたこともあったらしく「比」 という文字をロゴタイプに落とし込めればと思い、デザインしました。英字のロゴタイプは、漢字のロゴタイプに合わせてフォントにテンションを付けてデザインしています。

Library歴史の長い図書館やビルなどは石碑のように石に文字が掘ってあることをベースに、架空の図書館をイメージしてデザインしています。これから長い歴史を歩んでいくという予感を表現しました。

一角店名の通り、奥の角にある立地と、L 字のカウンターがキーになる店なので、ロゴも直角を意識しました。四角と三角のみ、また限界まで 45 度と 90 度で形成しています。オーセンティックな日本料理とはまた異なる海外にあるジャパニーズレストランのようなムードもありながら、「ハイボールがうまそうな店」 を予感させるロゴタイプになるようにデザインしています。

Tent gallery展示物によりギャラリーが前に出ない、おいしい料理の白い器のようなイメージで製作しました。手をかけたように見えない、シンプルにロゴタイプを作ることに注力して、コーポレートフォントでよく使用されているフォントをベースにしています。フォントはそのまま使うと、ただベタ打ちしているだけに見えてしまうので、ディテールにこだわってデザインを仕上げています。

カオスなマーケットを形成する、多種多様なロゴデザイン。

2015 年設立。グラフィックデザイン、アートディレクションをはじめブランドや企業のブランディング等、平面的、立体的なデザインを担うクリエイティブエイジェンシー。多岐にわたる業種のデザインやディレクションを行う。www.officeroom.jp

Art Direct ion

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HIBIYA CENTRAL MARKET / ヒビヤ セントラル マーケット〒 100-0006

東京都千代田区有楽町 1-1-2

東京ミッドタウン日比谷 3 階電話番号 TBA

オープン日 2018 年 3月 29日

<事業の概要に関して >株式会社有隣堂

店売事業本部 企画開発部鈴木 由美子  [email protected]

渡邉 郁   [email protected]

〒 231-0046

横浜市中区末広町 2-3-2 有隣堂本店別館 4 階 TEL : 045 261 8367

< PR に関して >株式会社 alpha

alpha PR

霜降 高明 [email protected]

〒 150-0001

東京都渋谷区神宮前 2-6-7 神宮前ファッションビル 4 階 TEL : 03 5413 3546

HIBIYA CENTR AL MARKET Informat ion

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