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Robert Bosch GmbH Postfach 10 60 50 70049 Stuttgart Corporate Communications E-Mail [email protected] Telefon: +49 5121 49- 4612 Telefax: +49 5121 49- 4154 Leitung: Uta-Micaela Dürig Presse-Forum: www.bosch-presse.de 2011 6 RF 00115-d Si HMI – 人間と技術をつなぐヒューマンマシーンインターフェース Dr. Michael Bolle(ミヒャエル・ボッレ) カー・マルチメディア事業部開発部長 ロバート・ボッシュ GmbH 本稿は、実際の講演内容と異なる場合があります。

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Robert Bosch GmbH Postfach 10 60 50 70049 Stuttgart Corporate Communications E-Mail [email protected] Telefon: +49 5121 49- 4612 Telefax: +49 5121 49- 4154 Leitung: Uta-Micaela Dürig Presse-Forum: www.bosch-presse.de

2011 年 6 月 RF 00115-d Si

HMI – 人間と技術をつなぐヒューマンマシーンインターフェース

Dr. Michael Bolle(ミヒャエル・ボッレ)

カー・マルチメディア事業部開発部長

ロバート・ボッシュ GmbH

本稿は、実際の講演内容と異なる場合があります。

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ご来場の皆さま、

車内でドライバーが受け取る情報量は、この数年で飛躍的に増加しました。

これは、数々の新しいインフォテイメントシステム、ドライバーアシスタンス

システム、その他の新機能が搭載されるようになったことに起因します。こ

うした新しい機能は運転席に座るドライバーの負担を軽減するためのもの

であり、その操作がドライバーを煩わすようなことになってはなりません。

そこで、交通量の増加とともに、機能の多様性も今後さらに増大することに

より、カーメーカーやサプライヤーは技術的に大きな課題に直面すること

になります。

一方では、アプリケーションストアソリューション、インターネットベースのア

プリケーションやサービスを利用できるモバイル機器が、人間と車両間の

インターフェース(車両用ヒューマンマシーンインターフェース、HMI)として

組み込まれるようになります。また他方では、最新のインフォテイメントシス

テムをオープンプラットフォーム化することによって納車後もカーメーカー

の専用ソフトウェアを提供でき、さまざまな新しいアプリケーションを統合で

きるようになります。これは、現在すでに確立されているパソコンやスマー

トフォンのコンセプトと同じです。

IT やマルチメディア分野の新しいアプリケーションに加え、より多くのドライ

バー支援機能や車両機能が車両用 HMI に統合されるようになりますが、

これはまた、信頼性、走行安全性、操作性、明瞭性などの点でドライバー

/車両のインターフェースに新たな要求を課すことにもなります。アプリ

ケーションが提供する情報、危険警告、推奨ルートにより、走行安全性、

走行快適性、燃費が向上し、将来的には完全自動化されたパーキングや

自律制動など、一部または完全な自律走行機能が加わります。ドライバー

はこれらのシステムの作動状態を常に把握しなければなりません。そこで、

どの自律機能がなぜ作動しているか、そしてそれが走行にどのような影響

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を与えるかをドライバーに情報として伝えることが HMI の重要な役割にな

ります。

より安全で快適な運転

複雑な車両の新機能を自在に扱えるようにするだけでなく、ドライビングエ

クスペリエンスも向上できるよう、ボッシュ・カー・マルチメディア事業部はす

でに今から未来の HMI ソリューションに取り組んでいます。ボッシュはお

客さまに、車両や車両機能ネットワークにうまく組み込むことのできるソ

リューションを順次拡大して提供していますが、これに関してボッシュが打

ち立てたビジョンが「Driving Convenience(ドライビングの利便性)」です。

私たちは、インテリジェントな入力/出力コンセプトを活用してドライバーの

負担を軽減し、ドライバーにより高い安全性と快適性を提供したいと考えて

います。ボッシュの革新的かつ高品質な HMI 製品やインフォテイメント製

品によってユーザーエルゴノミクスを改善、ドライバーのドライビングエクス

ペリエンスを向上させることが、私たちの顧客の自動車の魅力アップにつ

ながるのです。

オープンソースのインフォテイメントシステム

ボッシュはフレキシブルに、あるいはカーメーカーの個別の条件や要望に

応じて、インストルメントパネル、ヘッドアップディスプレイ、センターディス

プレイ、多機能なインフォテイメントコントロールユニットなど各種 HMI 製品

に組み込むことのできる、より高性能な入力/出力技術の開発に取り組ん

でいます。また、オープンソースのオペレーティングシステムをベースとし

た新世代インフォテイメントシステムも現在開発を進めており、来年には量

産がスタートする予定です。これには、最新のネットブックやモバイルイン

ターネット機器ですでに用いられているモバイル Linux ディストリビューショ

ンが採用されます。このアプローチにより、私たちは既存の Linux ベース

のアプリケーションを活用し、自動車用アプリケーション向けにマルチメ

ディア機能を迅速に適応させることができます。

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新しいディスプレイと HMI ソリューション

新しいディスプレイと表示技術により、機械式な指針をまったく使用しない

インストルメントパネルの開発が可能になりました。これにより、たとえばビ

デオカメラで撮影した画像や動画を利用するなど、ドライバーに必要な情

報をさまざまな方法で表示する可能性が広がりました。そこでボッシュは

来年より、あるカーメーカーにこうしたインストルメントパネルの供給をス

タートさせます。

ボッシュは 3D ディスプレイと 3D HMI ソリューションの開発にも着手して

います。立体効果を用いたこの最新の表示方法によって、ドライビングエク

スペリエンスは大幅に向上します。ヘッドアップディスプレイの場合、フロン

トウィンドウに重要な情報を投影できるため、ドライバーは走行車線から視

線を外さずにいられます。これには、ヘッドアップディスプレイと「拡張現実

(Augmented Reality)技術」をベースにしたボッシュの新しい可視化手法

が組み合わされています。これは、走行状況に関して目やカメラが捕捉し

た画像を正確な位置に情報を重ねて表示させるためには最適な方法です。

これにより、適切な方法で正しい位置に情報が適時表示されるため、ドラ

イバーはより早期に走行状況を把握でき、安全性が高まります。たとえば、

車間距離や車線情報、ルート案内や危険警告などを現実に近い形で表示

できます。情報量を抑えて重要なものだけに絞った、安全性を第一に考慮

した表示技術は交通事故の防止に大いに寄与します。ドイツのカーメー

カーが 2014 年に発売するコンパクトクラスの車両には、ボッシュのこの新

しい「拡張現実」技術が搭載される予定です。

任意の言葉で音声制御

ボッシュは視覚的な相互作用のほか、特別な順番でコマンド用語を使用せ

ず、任意の言葉でドライバーが車内のインフォテイメントシステムを操作で

きる音声制御技術の開発に成功しています。このほかにもさまざまな入力

コマンドを任意に組み合わせることができますが、これは人間の自然な動

作に対応しています。こうした多様な入力技術を用いて、たとえばナビゲー

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ションシステムで目的地周辺を地図でマークし、音声入力で具体的な目的

地の場所を指定するなどして目的地を設定することができます。また、タッ

チパネル画面を指で触れるだけで、好きな音楽タイトルをよりスピーディか

つ容易に選択できます。こうしたことからもわかるように、ボッシュのシステ

ムは「同時に話す」「表示する」「触れる」といった人間の動作をますます反

映できるものになります。この入力システムの量産は来年からスタートする

予定です。

ボッシュはスマートフォンアプリをフレキシブルに統合するためのブラウザ

技術を開発しており、これにより好きなアプリをインフォテイメントシステム

にシームレスに取り込むことができます。スマートフォンアプリの操作と表

示機能は車両用 HMI に合わせて最適化されており、走行中でも車内で安

全に使用できるようになっています。同様に、車両用 HMI に任意のイン

ターネットアプリケーションやインターネットサービスをフレキシブルに組み

込むことができ、スマートフォンやインターネットのアプリケーションは表示

方法を変更せずに車両個別の環境に統合できます。

クロスドメイン機能

ボッシュ・カー・マルチメディア事業部は、新しい HMI 技術の開発に加え、

異なる車両領域の機能を包括的な車両用 HMI に統合する試みを進めて

います。これが実現すれば、駐車支援システムの周囲情報、CO2 排出量

の削減や燃費向上のための新しい走行支援機能、予測的な縦/横方向

の車両ガイド支援機能などがボッシュ HMI のディスプレイシステムやイン

フォテイメントシステムに組み込まれるようになります。

製品ラインナップとサービス

将来的に、ボッシュはカーメーカーが独自の複雑な車両用 HMI システム

を製造できるよう前述の技術を提供するだけでなく、製品ラインナップの拡

充につながる概念的なサービスも併せて提供していく予定です。そのため、

私たちはより安全で直観的に操作できる相互作用コンセプトを開発すべく

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努めています。これには、ボッシュの心理学者、人間工学の専門家、設計

担当者が考案し、ユーザーに焦点を合わせた HMI システム開発の手法

が用いられます。また、さまざまな専門能力を車両用 HMI ソリューション

のコンピテンスセンターに集約させ、ボッシュ全社の効果的なネットワーク

化、全事業部門間の迅速なノウハウの交換を可能にしたことにより、あら

ゆるボッシュ製品にメリットが反映されます。

私たちは、革新的なシステムソリューションに焦点を絞っており、メディアを

統合するという初期の開発段階からカーメーカーにインテリジェントなアプ

リケーションを提供しています。HMI システムが一層複雑化し、開発速度

もますますスピードアップしている中で、今、そして特に将来においても数

多くのアプリケーションやシステム機能の進歩に遅れを取らず、これを信

頼性の高い車両用 HMI に統合してお客さまに提供するには、自動車全般

だけでなく、それ以外にも幅広い技術ノウハウが必要になります。そうした

ものをシングルソースで提供できる数少ない HMI システムサプライヤーと

して、私たちはお客さまにボッシュの自動車機器テクノロジーセクターで集

約した専門能力を提供していきます。さまざまな車両領域で使用されるす

べてのアプリケーション、システムインターフェースや作動方法を理解し、

同時に最新の入力/出力技術を採用してユーザー志向の HMI トータル

システムを統合できない限り、カーメーカーの将来の要望やドライバーの

ニーズに応えることはできないのです。