37
Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. モデルベース システムズエンジニアリング 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授 西村 秀和 http: lab.sdm.keio.ac.jp/nismlab/ 1 ISIT14回カーエレクトロニクス研究会 2014124()

ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

  • Upload
    dotruc

  • View
    215

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura.

モデルベース システムズエンジニアリング

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授 西村 秀和 http: lab.sdm.keio.ac.jp/nismlab/

1

ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24日(金)

Page 2: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

略歴と業績 略歴

1985年3月 慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業 1987年3月 同大学院理工学研究科機械工学専攻修士課程修了

1990年3月 同大学院理工学研究科機械工学専攻博士後期課程修了 工学博士

1990年4月より千葉大学工学部機械工学科助手 1995年より同助教授

2006年9月~10月 デルフト工科大学訪問研究員

2007年2月~3月 バージニア大学訪問准教授

2007年4月 慶應義塾大学先導研究センター教授 「SDM研究科設立準備」

2008年4月 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授

2011年4月~2012年3月 日本機械学会 機械力学・制御部門 部門長

2012年2月~2014年1月 計測自動制御学会 総務担当理事(2013年度副会長兼務)

著書

1998年『MATLABによる制御理論の基礎』 (共著) ,『MATLABによる制御系設計』(共著)

2007年『運動と振動の制御の最前線』 (共著)

2012年『システムズモデリング言語 SysML』 (監訳 A Practical Guide to SysML)

共同研究実績

車両衝突時の乗員保護制御,次世代車両運動統合制御,Adaptive Cruise Control,EPS,

エンジンベンチ制御,タワークレーンのアシスト制御,熱設計マネジメント,次世代プレス開発など

2

西村秀和

Page 3: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

System ?

システムとは何か? システム: 相互に関連し全体として機能するコンポーネントの集まり ハードウェア,ソフトウェア,人,設備など複数のドメインで構成

3

System of interest

境界:boundary

アクター actor:行為者 (人とは限らない)

Use Case1 Use Case 2

環境

System of interest 対象システム

Page 4: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

System of Systems 様々なシステムが複雑に関連する中で、対象とするシステムを設計することは極めて難しい。

システム System of interest

システム1

システム2 システム3

システム4

4

Page 5: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

オペレータが介在するシステムの設計 オペレータと対象システムはどのような相互作用を起こすか?

オペレータによる操作とコントローラによる制御の間に矛盾が生じないようにシステムを構築する必要がある。

Operator-in-the-loop Design

認知 判断 行動

オペレータ

外部システム,環境

コントローラ

5

プラント

対象システム

Page 6: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

コミュニケーションの失敗

このシステムは、●● と××から構成され、 △△の運用を考えた ときに、、、

6

Page 7: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

図を用いたコミュニケーション

このシステムは、●● と××から構成され、 △△の運用を考えた ときに、、、

7

Page 8: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

システムズエンジニアリングとは何か? システムズエンジニアリングの定義

システムを成功裏に実現するための複数の分野にまたがるアプローチおよび手段

システムズエンジニアリングでは、開発のライフサイクルの初期段階で顧客のニーズを明確化し、機能要求を定義し、関連する問題をすべて考慮しながら設計のための総合とシステムの妥当性確認を進める。

システムズエンジニアリングは、ユーザーニーズに合致した品質の製品を供給することを目的とし、ビジネスとすべての顧客の技術的要求の両者を考慮する。

INCOSE: International Council on Systems Engineering

8

Page 9: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

“モデルベースでシステムを考える”とは?

モデル*に基づくシステム開発 仕様書など文書だけではすぐに理解できないことが、図的に表現することで理解が容易になる。

協働してシステム開発をするには、共通言語が必要であり、それをサポートするには図的な言語が有効である。

モデルを再利用することにより開発の効率化が期待できる。 モデルを用いて抽象度を上げることにより革新に導く。

9

*注:実行可能ではないモデルを含む

Page 10: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

システムモデルの記述 システムモデル表記法:SysML(Systems Modeling Language) システムを構造,振る舞い,要求,パラメトリック制約の観点で図的に表現することができる。

図的表現により、開発者の思考を支援できる。 複数のドメインにまたがる開発、分業化された開発環境で、共通言語として利用できる。

システム開発プロセスの中で要求のトレーサビリティが確保される。

構成管理、変更管理が容易になる。ーあるサブシステムやコンポーネントの要求の変更や設計の変更が生じた際に、他のサブシステムやコンポーネントにどのような影響が及ぶかを判断できる。

10

Page 11: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

システムズエンジニアリング 「要求」と「アーキテクチャ」 要求の2つの鉄則

機能要求:“どのように要求を実現するか?”の前に

“それは何か?”,“なぜそれが必要か?”を明確にする。

要求は“測定可能”で“テスト可能”でなければならない。

アーキテクチャの3つのビュー

Operational view:システムの使い方、動かし方

Functional view:システムへ要求される機能

Physical view:機能を実現するハードウェア、ソフトウエア

11

抽象度

Architecting: the art and science of designing and building systems.

Page 12: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

エンティティV:ビューの位置づけ

利害関係者の要求

製作,コード化に向けた仕様

Entity要求の定義

概念設計,アーキテクチャの選定,設計に向けた仕様

購入,製作,コード化

検証 検査,テスト, 実証,分析

妥当性確認

妥当性確認の計画

要求の

抽出 概念設計 アーキテ

クチャ 詳細設計 試験,検証 製造,

運用

Customer Confirmation

Verification and Validation Planning

Verification Planning

検証 検査,テスト, 実証,分析

Cus

tom

er

Con

firm

atio

n

Cus

tom

er

Con

firm

atio

n

見込

み調

査,

リスク調

不具

合調

解決策の達成

② Functional view

③ Physical view MATLAB/Simulink

Mechanical CAD Electronic CAD Program code

SysML

① Operational view

12

Page 13: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

二元V字開発モデル (Dual Vee Model) Architecture Vee

Entity Vee

利害関係者 の要求

要求を満足する システムの完成

13

Page 14: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

二元V字モデルによるプロセスの理解 Architecture Vee

Entity Vee

利害関係者 の要求

要求を満足する システムの完成

アーキテクチャの検討,決定では,サブシステムやコンポーネントの実現可能性を検討しながら進めることがある.

14

早い段階での 手戻り

Page 15: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

二元V字モデルによるプロセスの理解 Architecture Vee

Entity Vee 利害関係者 の要求

要求を満足する システムの完成

コンポーネント, サブシステムの 検証,妥当性確認 を順序行い,システム としての検証,妥当性 確認を行って行く.

15

致命的な 手戻り

Page 16: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

利害関係者の要求

製作,コード化に向けた仕様

Entity要求の定義

アーキテクチャの 選定とシステム仕様

購入,製作,コード化

検証 検査,テスト, 実証,分析

妥当性確認

妥当性確認の 計画

要求の

抽出 概念設計 アーキテ

クチャ 詳細設計 試験,検証 製造,

運用

Customer Confirmation

Verification and Validation Planning

Verification Planning

検証 検査,テスト, 実証,分析

Cust

omer

Co

nfirm

atio

n

Cust

omer

Co

nfirm

atio

n

エンティティV : 検証と妥当性確認

ノミナル

オフノミナル HILS/SILS

Human in the Loop Simulation

シナリオ

16

Page 17: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

IEEE 1220 systems engineering process

6

要求と制約の矛盾

要求のトレードオフ と影響

分解割り当ての トレードオフと影響

分解と要求の割り当に関する候補

設計解の トレードオフと影響

設計解の要求と候補

要求の基準

確認された要求の基準

機能アーキテクチャ

検証済み機能アーキテクチャ

物理アーキテクチャ

検証済み物理アーキテクチャ

SEプロセスへの入力

SEプロセスの出力 統制

設計の検証

機能の検証

要求の分析

要求の 妥当性確認

要求の トレード分析

と評価

設計の トレード分析

と評価

総合

システム解析 機能の分析

機能の トレード分析

と評価

Page 18: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

モデルベースシステムズエンジニアリング の海外動向

MBSE Workshop at INCOSE IW 2013 in Jacksonville, Florida

http://www.omgwiki.org/MBSE/doku.php?id=mbse:incose_mbse_iw_2013

最新のMBSEアクティビティと応用 MBSE関係者とのネットワークづくり 複数分野にわたるエンジニアリング環境内でのシステムモデリング

SoS (System of Systems) modeling, Systems Modeling and Requirements Flowdown, Model Management, as well as Usability Considerations Associated with MBSE

18

Page 19: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

SysMLで何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振る舞いを把握できる。

設計変更があった場合にも、要求のトレースが可能なため、その影響を容易に把握できる。

SysMLを用いることで、開発者の思考を支援し、ドメインをまたがる協働作業が可能となる。

コンカレントデザインを促進するフレームワークが実現可能となる。ただし、組織の硬直化などが弊害となり得る。

参考資料:システムズモデリング言語 SysML (A Practical Guide to SysML翻訳本)

西村 秀和(監訳)

訳者:白坂成功,成川輝真,長谷川堯一,中島裕生,翁志強

著者:Sanford Friedenthal, Alan Moore, Rick Steiner

出版社:東京電機大学出版局(2012年5月10日)

19

Page 20: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

構造

要求

振る舞い

パラメトリック 制約 ・数式表現 ・運動方程式 ・パラメータによる 性能評価 など

SysMLのダイアグラムは,互いに関連している。 → 設計変更があった場合にもその影響を容易に把握できる。

ibd act

req par

20

Page 21: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

ダイナミクス解析 制御システム解析 1D-CAEなど

ハードウェア 設計モデル

電気回路 設計モデル

ソフトウェア 設計モデル

テスト方法 テストモデル

解析モデル 外部からの

要求

解析

性能 評価

システム 仕様書

システムモデル

コンカレントデザインを促進するフレームワーク

構造

要求

振る舞い

パラメトリック制約

トレーサビリティ 根拠

ビュー ポイント

21

製品データ管理 (PDM)

・部品表(BOM) ・物理設計(CAD)

Page 22: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

SysMLの活用で見えてくること システムのモデル表現 構造/振る舞い/要求/パラメトリック制約

- What – そもそも、何をしなければならないのか?

革新に導く。 オペレータや外部システムとの相互作用の明確化 サブシステム間のインタフェース 最適化“問題”やトレードオフ“問題”の設定・定義

アーキテクチャと仕様決定までの要求のトレース

22

Page 23: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

低速域でのバイクの不安定性

without control, 15 km/h in control, 15 km/h

検証試験: 操舵軸まわりからのインパルストルク外乱(10 Nm)に対する応答

Yutaka Kamata, Hidekazu Nishimura, Hidekuni Iida,System Identification and Front-Wheel Steering Control of Motorcycle, Trans. of the JSME, Series C, Vol.69, No.688, pp.3191-3197, (2003) Yutaka Kamata, Hidekazu Nishimura, System Identification and Attitude Control of Motorcycle by Computer-Aided Dynamics Analysis, JSAE Review, Vol.24, No.4, pp.411-416, (2003)

23

Page 24: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

二輪自動車の安定化制御 二輪自動車の安全な走行にはライダーによる適切な操作が必要.

突発的な外乱に対して,ライダーが瞬時に正確に二輪自動車を操縦できるとは限らない.

ライダーの操縦をアシストする方法はないか? ABS (Anti-lock Brake System) TCS (Traction Control System) … パワーステアリングのように 前輪操舵をアシストしてはどうか? FACS (Front-steering Assist Control System)

24

Page 25: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

Front-steering Assist Control System

ユースケース図 路面

ライダ

既存車両

前輪操舵 アシスト制御

手動停止

開発範囲

上体

下体

前輪フレーム

前輪

後輪 後輪フレーム

コンテクストレベルのユースケース分析

25

属性:

Page 26: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

1:車両を起動する

2:パワーを提供する

3:システムを開始する

4:レーンチェンジ操縦をする

5:ロールレートを検知する 4.1:路面状況の認識をする

6:外乱を受ける

5.1:車両を安定化させる

4.2:外乱を受けたことを認知する

5.1.1:ライダをアシストする

7:操縦を調整する

前輪操舵アシスト制御のシーケンス図

26

Page 27: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

要求図

27

req [Package] System requirements [ 前輪操舵アシスト制御]

Page 28: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

FACS

路面

ライダ

既存車両

インタフェース

インタフェース

インタフェース

車両起動、 路面状況の認識、

車両操縦、操縦補償 (操舵操作と体のリーン運動)

前輪操舵アシスト制御システム: FACSと外部関連システムとの相互作用

28

Page 29: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

O O

Z Z

Y Y

A

A

ZA

ZW

YA

YW

θwxθxW

ZA

ZW

YA

YW

a3 Kwx

Cwx

W

Rider'supper torso

Roll angleof motorcycle Lean angle

of upper torso

Rolling

wxτ

ACD

U

XA

XD

XU

ZAZD

ZU

XC

ZC

mA

mU

mD mCZ

OX rτ

XWW

ZW

mW

a1 a2

b1 b2

e1

f1

Rf Rr

c1

a3

Pf Pr

τf

hb

Kwz, CwzRider's

upper torso

ライダー二輪自動車モデル

低次元化モデルに基づく制御システム設計 ( 1) ( ) ( )

( ) ( ) ( )kd kd kd kd xd

fc kd kd kd xd

k k k

k k k

θ

τ θ

+ = + ∆

∆ = + ∆

x A x B

C x D

Side view Rear view arm

Steering torque

Lean torque

Δθx: roll rate, the feedback signal, Δτfc: control steering torque, control output.

何をモデル化するべきか? システム解析のための機能・物理モデルの構築

29

Page 30: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

ライダー操縦モデル

wxτ

frτ1( ) dT sP IK K e

s−+

( )y t

*( )py t t+*( )y t

221

2P

PTT s s+ +

dT sPLK e−

PT se

Dynamical model of rider-motorcycle system

( )Py t T+

+ -

Rider Driving Model Lean torque

Steering torque

Lateral displacement

Target

Time delay Td

Prediction time Tp

Proportional gain KP

Proportional gain KPL

Integral gain KI

Unskilled rider 0.2 s 1.2 s 8 1.6 5

Skilled rider 0.1 s 1.5 s 5.2 1.04 4.5

2nd order prediction model

delay

30

Page 31: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

ユースケース分析とテストケース

前輪操舵アシスト制御 手動停止

システム開始

ロールレートを 検知する

車両を安定化させる 停止命令を受ける

システム 停止

旋回運動中の アシスト

コンテクストレベル

アナリシスレベル

レーンチェンジ中のアシスト

タイヤのスリップを防ぐ

直進走行状態でのアシスト

31

Page 32: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

前輪操舵アシスト制御システム

FACS データ記録

サーボモータ作動 CPU処理

手動停止

D/A変換

A/D変換

制御器実行 ロールレート検知

インタフェース

インタフェース

インタフェース

インタフェース

インタフェース

インタフェース

インタフェース

前輪操舵軸

既存車両システム

機能アーキテクチャの例

外部システム

32

Page 33: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

実験用プロトタイプ

Servo motor Roll rate sensor Controller (PC)

Controller(PC)

Servo amp.

Roll rate

Steering torque

build by Real time workshop 33

Page 34: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

制御システム設計評価のためのパラメトリック図

外乱 操舵トルク

操舵 トルク リーン トルク

制御操舵 トルク

ロールレート

横変位

ロール角

制御操舵 トルク

横変位

34

Page 35: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

レーンチェンジ時の妥当性確認

0 2 4 6 8 100

2

3.64

Time [s]Lat

eral

dis

pla

cem

ent

[m]

0 1 2 4 6 8 10-30-20-10

0102030

Time [s]

Ro

ll a

ng

le [

deg

]

横変位 ロール角

転倒

:未熟練ライダー(制御あり) :未熟練ライダー(制御なし) :熟練ライダー(制御なし)

非線形モデルシミュレーション 横変位3.6 mのレーンチェンジ 車速:60 km/h インパルス外乱:25 Nm, 0.7 s~0.88 s アシスト制御開始:0.7 s以降 未熟練ライダーの補償動作は1.0 s以降

35

Page 36: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

最後に 複数のドメインで構成されるシステムや、オペレータの介在する複雑なシステム(System of Systems (SoS)の一つ)を設計するために、MBSE(モデルベースシステムズエンジニアリング)の活用が重要であることを述べた。

モデルを用いたシステム開発では、システムモデルの記述に際して、

構造/振る舞い/要求/パラメトリック制約 の4つの柱で考えることが重要である。SysMLはこれをサポートしている。

SysMLの活用例として、二輪自動車の前輪操舵アシスト制御システム設計を紹介した。MBSEで思考する過程でやるべきことが見えてくることを示した。

36

Page 37: ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会 2014年1月24 … · で何ができるのか? システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

Copyright©2014 Hidekazu Nishimura. ISIT第14回カーエレクトロニクス研究会

参考文献 Systems Engineering Handbook Ver.3.2, INCOSE, 2010 Visualizing Project Management, Third Edition

Kevin Forsberg, Hal Mooz, Howard Cotterman, John Wiley & Sons, Inc. IEEE 1220: For Practical Systems Engineering, Teresa Doran

http://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=1631953&userType=inst システムズモデリング言語 SysML(A Practical Guide to SysMLの翻訳本)

西村 秀和(監訳),白坂成功,成川輝真,長谷川堯一,中島裕生,翁志強,

東京電機大学出版局,2012

The Engineering Design of Systems, - Models and Methods -, 2nd Edition Dennis M. Buede, John Wiley & Sons, Inc.

西村秀和,二輪自動車のコーナリング特性と走行安定化制御,自動車技術会,Vol.64, No.12, (2010), pp.43-48

Shaopeng Zhu, Hidekazu Nishimura, Laurent Balmelli, Model-Based Design of Front-Steering Assist Control System for Motorcycles , 4th Asia-Pacific Conference on Systems Engineering (APCOSE 2010), Keelung, Taiwan October 4-6, 2010

37