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Sangyo2010 06a

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第第 22 部 第部 第 33 回回

情報財の流通特性情報財の流通特性

情報産業・職業論 六情報産業・職業論 六

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著作物は,個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(「私的使用」)を目的とするときは,使用する者が複製することができる( 著作権法第 30 条 )

CD , DVD などには適用除外が明記されている

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「まねき TV 」と「ロクラク」一審・二審 ( 知財高裁 ) は無罪判決。しかし,

最高裁は全判事一致で逆転有罪判決。損害賠償額確定などのため,知財高裁で再審理

ネットが介在すると,たとえ「私的利用」が推認されるケースでも,ただちに「自動公衆送信権」の侵害となり,テレビ局などの権利ビジネスの邪魔となる ?

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ロケーションフリー       「市販の記録機材の所有者

が自分に向けて送信する」行為ロケーションは家の中,移動中,外国の居

住場所などさまざま家の中は LAN だが,その他の場合はイン

ターネットという公衆回線を経由する「記録機材」を預かり,「記録機材の所有

者」の指示により,記録 送信行為を代行・するケースも

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最高裁判決著作権法を最も原理主義的に解釈すると,

この判決になるが,誰が得をするのか ?海外向けロケーションフリーはもともと

ニッチで,放送局が商用サービスを手掛けるとは思えない ( しかしニーズはある )

どんなケースも自動公衆送信権が認定されると,テレビ信号を誰もネットに流せなくなる ( たとえ強固なパスワードをかけてたとしても )

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原理主義と便宜主義著作権法の原理 ( 法理 ) に忠実に規正してい

くとしたら,「許諾せずに行動もしない権利者」が増大し,利用者のニーズは省みられない危険性が高くなる

権利侵害主体は利用者ではなく〈場の提供者〉という考え方もある ( カラオケの法理 )

利用者のニーズを認めて著作権法を弾力的に運用し,利用者の便宜を図っていくと,結果的に権利者の潜在利益は毀損される

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購入した音楽 CD をバックアップ目的でコピー

レンタルした音楽 CD をコピー購入した CD をクラスの友人から頼まれてコピーして手渡し

遠隔地に住む知人にプレゼントする目的でコピーして郵送する

店頭の高速ダビング機でコピー

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(1)1 年前発売の雑誌1ページ分をコンビニのコピー機で複写し,大学公認サークル部員12 人に配布する

(2)200ページの書籍 (絶版で入手困難 ) を丸ごとコピーし,教員が大学のゼミで配布する

(3)コピー・プロテクトがかかっている DVD をバックアップ目的で,パソコン・ソフトを用いて複製する 

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(1)~ (3) まで○△×で答えてください。△×の場合は理由も[email protected]締切 : 本日 17:35表題 (subject) に学籍番号・氏名を含むこと

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私的録音録画補償金制度私的使用による複製も,著作権

者・著作隣接権者 ( レコード会社 ) に遺失利益を与えているので,その損失を補償する

日本ではデジタルの録音・録画機器とメディアにのみ課金

iPod への課金は見送られる

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ダウンロード違法に著作権改正へ違法にアップロードされたこと

を認識している音楽・動画をダウンロードした行為を,私的複製の範囲から除外する

改正著作権法が 2010年1月 1日に施行

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情報財=無体物。ところが,流通するには有体物に固定する必要があった

①情報本来の価格決定メカニズムが喪失し,有体物としてモノに準ずる扱い (現状は「再販制度」による価格硬直性 )

②有体物→購入にともない所有権が移転。著作権者の排他的独占権でも対抗できない

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価値が不安定 ( 一物一価ではない )専有的・排他的ではないコピーしやすい返品がきかない (取引の非可逆性 )規格品ではない ( 一品〈作〉ごとに品質が変わっている可能性が高い )

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著作権者が有体物の流通を制御する権利 (right of distribution)

譲渡権:正規に一回目に売買された後は消滅 (first sell doctrine)

頒布権:消滅 (消尽 ) はない。流通形態は貸与の形をとることが多い

(貸与権 ):所有権が移転しない。すべての著作物に貸与権を付与 (日本 )

頒布権頒布権

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著作権者 (ディストリビューター )

販売店

ユーザー ユーザー ユーザー

中古売買店

使用権許諾 頒布権 譲渡権

所有権移転せず

PCソフト DVD , TVゲーム CD ,書籍

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DVD ・ゲームは「映画の著作物」なので,頒布権が存在し,厳密に言えば「中古市場での売買」は違法

しかし,厳密に取り締まると,新品市場に悪影響が及びかねないため,事実上は黙認状態 ( 一種の慣習 )

著作権者が権利行使する前に,中古市場が定着した ?

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○独占禁止法の適用除外 (薬品などが次々と対象外となり,残るは著作物のみ )

○発売元が「定価」販売を義務づけ,値引き販売する小売店とは契約解除しても構わない ( 法定再販:時限制も )

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時限再販  CD では「 2年間」,雑誌では「次号発売まで」など,再販制度が適用される期限を明記雑誌の場合,次号が発売されると,バックナンバーが店頭から消えるケースがほとんど

自由価格本 返本などを受け,出版社が「定価」を明示せずに再流通取扱う書店が大都市に限定される

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全国一物一価 (地域格差の是正 )権利者保護 ( 一定の報酬の確保 )多品種少量生産の維持 (嗜好品 )文化的生活の基盤 (少数者保護 )販売店の利益確保 (書籍=多くは委託販売〈返品を許容〉, CD=条件付き返品 )

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需給関係に応じた価格設定 (値引き販売 ) が不可 (競争原理の否定 )

公正取引委員会見直し議論→当面の間は存続の方針 (2001年 3月 )

ビデオ, DVD ,パソコン /ゲームソフトは著作物なのに「再販」が認められないという不合理も (新聞,書籍,雑誌,レコード,カセット,CD の 6品目のみが再販適用対象 )

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ビデオは頒布権の行使。店舗への貸与期間など条件を決めて契約

CD は貸与権。レンタルの可否,禁止期間など条件を決めて契約

コミックも貸与権。従来は権利行使してこなかったが,チェーン店に限って行使 ( 有限責任中間法人 出版物貸与権管理センター ) 。 06 年 12月1日スタート

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消費者が必要とする価格での取引(捨てるよりはマシな買い取り価格 )

中身を利用する限り,新品でも中古でも価値は不変 (書籍などでは品質劣化はあるが )

返品制度で新品がすぐに店頭から消える新刊書籍市場BOOK OFF, GEOなどは新古書店,

リサイクル・ブックストアと総称される

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① 中古がコミックスの市場を奪っている ( 中古がなければもっと売れた )

② 中古の存在によりコミックスの市場が下支えされている (相互依存関係で,コミックスが売れている )

③ プラス・マイナスの影響が相殺されて現在の市場が形成されている

④ 中古と新品の市場は無関係

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中古市場→新品市場を圧迫 ? 新品で売れた =販売機会の喪失 ?

中古で売却→得た資金で購入→接触機会・新品購入機会増 ?

中古・レンタル→プロモーション ( 販売促進 )効果が存在する ? 市場の破壊者 ?

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有体物である限り所有権は移転し,財産処分の自由 (禁止はできない )

前提は消尽しない譲渡権の創設 ?中古売買禁止期間を設定 ?中古販売の売上金の一部を出版元

( さらには著作権者 ) に分配して,機会損失を補填 ?

PCソフト同等の「使用権許諾」に ?