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Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
SPARC M10 / Oracle VM Server for SPARC設計のポイント
2016年 6月(第1.1版)富士通株式会社
1 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
はじめに
目的 SPARC M10 は、サーバ仮想化機能 Oracle VM Server for SPARC を使用できます。
Oracle VM Server for SPARC は豊富な機能を有しておりますが、本書では特に有用な機能と当社がお勧めする仮想化設計の方式を解説します。
対象読者 SPARC M10とOracle VM Server for SPARC の導入を検討されている方
Oracle Solaris, Oracle VM Server for SPARC の基礎知識を有している方
対象環境 サーバ : SPARC M10 (SPARC M10-1, SPARC M10-4)
Oracle VM Server for SPARC のバージョン : 3.1
OS : Oracle Solaris 11.1 / 11.2※この環境以外では一部の機能や設計方法が使用できない場合があります。ご注意ください。
留意事項 本書では、Oracle Solaris を 「Solaris」、Oracle VM Server for SPARC を「Oracle VM」 と省略して表記する場合があります。
参考情報 Oracle VM Server for SPARC を使ってみよう
• http://jp.fujitsu.com/platform/server/sparc/technical/document/#ovm-use-11
Oracle VM Server for SPARC Documentation (オラクル社)• http://www.oracle.com/technetwork/documentation/vm-sparc-194287.html
2 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
目次
1. Oracle VM の基礎知識 Oracle VM Server for SPARC の概要
Oracle VM を構成するドメイン
2. Oracle VM の構築パターン パターン1. 基本パターン
パターン2. 独立性重視パターン
3. リソース設計のポイント リソース割り当ての基礎知識
CPUの割り当て
メモリの割り当て
物理I/Oの割り当て
仮想I/O(ネットワーク)の割り当て
仮想I/O(ディスク)の割り当て
仮想コンソールの割り当て
4. 設計サンプル パターン1. 基本パターン
パターン2. 独立性重視パターン
パターン3. 応用パターン
5. ライブマイグレーション ライブマイグレーションの概要
留意事項
設計のポイント
4 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
Oracle VM Server for SPARC の概要
ハードウェア
ファームウェア
ドメインA
Solaris
ドメイン=仮想マシン
Solaris
Solaris
Solaris
仮想化集約(Oracle VM)
Oracle VM Server for SPARC の構造Oracle VMは、ファームウェア層でサーバを論理的に分割する仮想化機能です。筐体内に、「ドメイン」と呼ばれる仮想マシンを構築し、各ドメインで独立したSolaris(Solaris 10 or Solaris 11)環境を実現できます。
ドメインの管理
各ドメインには、CPU・メモリ・(仮想)I/Oを自由に割り当てることができます。また、ドメインは個々に起動・停止することができます。
ドメインの操作性ドメイン(仮想環境)のOSの設定や操作方法は、従来(物理環境)とほとんど変わりません。既存の物理環境を仮想環境に移行しても、同等の運用・管理が可能です。
ドメインB
Solaris
ドメインC
Solaris
5 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
Oracle VM を構成するドメイン
制御ドメインOracle VMの管理(ドメインの作成やリソースの割り当てなど)を行うドメインです。
ハードウェア
ファームウェア
制御ドメイン(サービスドメイン)
ゲストドメイン
Solaris
仮想サービス
ゲストドメイン
Solaris Solaris
I/Oルートドメイン
Solaris OS
Oracle VM Server for SPARC を構成するドメインは大きく分けて4種類です。
I/Oルートドメイン物理I/Oデバイス(PCIカードやディスクなど)に直接アクセスできるドメインです。
ゲストドメイン仮想サービス(※)を利用し、業務アプリケーションを動作させるドメインです。
※仮想サービスについて物理I/Oデバイスより仮想サービスを作成し、他のドメインに仮想的なI/Oデバイスを割り当てることができます。これにより、1つの物理NICや物理ディスクを元に、複数の仮想環境(ゲストドメイン)のI/Oを構築することができます。
物理I/O 物理I/O
仮想I/O 仮想I/O
サービスドメイン仮想ディスクや仮想スイッチなどの仮想サービス(※)を提供するドメインです。基本的に制御ドメインまたはI/Oルートドメインがサービスドメインとなります。
物理I/O
6 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
制御ドメイン / サービスドメイン
制御ドメイン
サービスドメイン
ハードウェア
ファームウェア
制御ドメイン (サービスドメイン) ゲストドメイン
SolarisSolaris
Oracle VM Software
仮想ディスクサービス
仮想スイッチサービス
物理NIC 物理ディスク
仮想NIC 仮想ディスク
他のドメインに仮想I/Oを提供
• Oracle VM 環境の管理(ドメインの作成やリソースの割り当てなど)を行うドメインです。• サーバごと(ハードウェアパーティションごと)に必ず1つ構築されます。
• 仮想ディスクや仮想ネットワークなどの仮想デバイスを他のドメインに提供するドメインです。
※ 通常、制御ドメインやI/Oルートドメインがサービスドメインの役割を兼ねています。
7 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
ゲストドメイン
I/Oルートドメイン
• 物理I/Oデバイス(PCIカードやディスクなど)を割り当てられたドメインです。• サービスドメインとして、他のドメインに仮想I/Oを提供することもできます。
• 物理I/Oデバイスの代わりとして、サービスドメイン(制御ドメインもしくは、I/Oルートドメイン)から提供される仮想I/Oデバイスを使用するドメインです。
• Oracle VMでは通常、ゲストドメインを複数構築して、仮想化集約を実現します。
ハードウェア
ファームウェア
I/Oルートドメイン(サービスドメイン)
Solaris
制御ドメイン(サービスドメイン)
Solaris
Oracle VM Software
仮想サービス
物理I/O 物理I/O
I/OルートドメインはI/Oデバイスを直接使用
仮想サービス
ゲストドメイン
Solaris
仮想I/O
ゲストドメイン
Solaris
仮想I/O
ゲストドメインは仮想化された
I/Oデバイスを使用
ゲストドメイン
Solaris
仮想I/O
I/Oルートドメイン / ゲストドメイン
8 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
2. Oracle VMの構築パターン
Oracle VM には様々な種類のドメインがありますが、それらを複雑に使いこなして、設計する必要はありません。本章では、代表的な2つの構築パターンを解説します。
9 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
構築パターンの概要
本書では2種類のOracle VM構築パターンを紹介します。
次ページより各構築パターンの詳細を解説します。
パターン1. 基本パターン
仮想化構成図
構築概要
制御ドメインとゲストドメインのみで構成されます。
制御ドメインはサービスドメインとして、
ゲストドメインに仮想I/Oを提供します。
特長
全てのサーバで構築可能で、
柔軟性の高い構成です。
パターン2. 独立性重視パターン
仮想化構成図
構築概要
ゲストドメインは使用せず、
I/Oルートドメインのみを構築する構成です。
特長
仮想環境間の障害隔離性が高い構成です。
制御ドメイン
I/Oルートドメイン
I/Oルートドメイン
I/Oルートドメイン
制御ドメイン(サービスドメイン)
ゲストドメイン
ゲストドメイン
ゲストドメイン
10 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
概要 ゲストドメインで業務を稼動させる、Oracle VMの基本構成です。
I/Oルートドメインを作成せず、制御ドメインに全ての物理I/Oを割り当てます。
制御ドメインがサービスドメインとなり、全ての仮想I/Oを提供します。
構成イメージ
パターン1. 基本パターン (1/2)
制御ドメイン(サービスドメイン)
ゲストドメイン1
仮想ディスク
仮想LAN
業務A
HDD HDD HDD ・・・
物理ディスク
NIC NIC NIC ・・・
物理ネットワークデバイス
仮想サービス (仮想ディスクサービス / 仮想スイッチサービス)
ゲストドメイン2
仮想ディスク
仮想LAN
業務B
ゲストドメイン3
仮想ディスク
仮想LAN
業務C
ゲストドメインに業務を集約
11 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
パターン1. 基本パターン (2/2)
特長 Oracle VM に対応した全てのサーバで構成できます。
柔軟性が高く、業務稼動中の環境変更が可能です。• CPU, メモリ, 仮想 I/Oリソースの追加
•他サーバへの業務システムの移動(ライブマイグレーション)
留意事項 制御ドメイン(サービスドメイン)に障害が発生した場合は、仮想I/Oが使用不可となり、全ての業務システムが停止します。
本事象の対策としては、以下のいずれかを導入する必要があります。•パターン2. 独立性重視パターンを導入(次ページ以降を参照)
•ゲストドメインを含めたクラスタ環境を構築(PRIMECLUSTER, Oracle Solaris Cluster など)
物理サーバと比較して、ゲストドメインのI/O(ネットワーク, ディスク)の性能が低下する場合があります。(下記理由)• I/Oのアクセスはサービスドメインを経由するため、オーバーヘッドが発生する。
• I/Oを複数のゲストドメインで共有するため、あるゲストドメインのI/Oの負荷が他のゲストドメインのI/O性能に影響を与える。
制御ドメイン
仮想サービス 障害発生
ゲストドメイン
仮想 I/O
ゲストドメイン
仮想 I/O
ゲストドメイン
仮想 I/O業務停止
業務停止
業務停止
12 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
概要 I/Oルートドメインで、業務システムを稼動させます。
ゲストドメイン・仮想I/Oは使用しません。
構成イメージ
パターン2. 独立性重視パターン (1/2)
I/Oルートドメイン2
NICHDD
業務B制御ドメイン
I/Oルートドメイン3
NICHDD
業務C
I/Oルートドメイン1
NICHDD
業務A
I/Oルートドメインに業務を集約
13 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
パターン2. 独立性重視パターン (2/2)
特長 独立性・障害隔離性の高い設計パターンです。
• I/Oが各ドメインで独立しているため、物理サーバと同等のI/O性能を確保できます。
•どのドメインが停止しても他のドメインには影響を与えません。• 制御ドメインが停止した場合も、業務継続可能です。
I/Oの構成がシンプルな仮想化環境を構築できます。•ディスクやポート(LAN/FC)を各I/Oルートドメインで占有させるため、構成が分かりやすく、保守性に優れています。
CPU ・ メモリリソースを有効活用できます。•仮想I/O用のサービスドメインを構築しないため、
CPU・メモリリソースを業務システムへ集中させることができます。
留意事項 多数の業務システム(OS)を集約することはできません。
• SPARC M10-4(2CPUモデル) : 2~3 環境程度の集約
• SPARC M10-4(4CPUモデル) : 2~6 環境程度の集約
業務稼動中の構成変更には一部の制限があります。•業務システムのライブマイグレーション不可
•業務システムへの物理I/O(ルートコンプレックス)の動的追加・削除不可(3章 「物理I/Oの割り当て (2/4)」 参照 )
PCIeバスを意識した、物理I/O設計が必要です。(3章 「物理I/Oの割り当て」 参照)
14 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
各構築パターンの特長比較
パターン1.
基本パターンパターン2.
独立性重視パターン
対象サーバ SPARC M10-1 / M10-4 SPARC M10-4
耐障害性(障害隔離性)
制御ドメイン障害時、全業務システム停止
仮想環境障害時は、他の環境に影響なし
性能I/Oの性能オーバーヘッド
が生じる場合がある(※1)
CPU・メモリ・I/Oの
オーバーヘッド無し
柔
軟
性
ドメインの数(※2)ほぼ制限なし
( 2~256 ドメイン)
多数の集約は不可
( 2~6 ドメイン程度)
業務システムのリソース変更
CPU・メモリ・仮想I/Oの動的変更可能
CPU・メモリの動的変更可能
業務システムの
ライブマイグレーション可能 不可
△
◎
◎
◎
◎
○
△
×
(※1) CPU・メモリの性能オーバーヘッドはありません。(※2) 制御ドメインなどのサービスドメインを含めた、構築可能なドメインの数を記述しています。
○ ◎
15 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
3. リソース設計のポイント
各ドメインには、CPU・メモリ・物理I/O・仮想I/Oなどのリソースを割り当てる必要があります。本章ではリソース割り当てに関する、基本的なルールと推奨する設計指針を解説します。
16 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
リソース割り当ての基礎知識
CPU・メモリ 各ドメインに占有させて割り当てます。
• リソースプール化・ドメイン間で共用させることはありません。 (例:Oracle Solaris ゾーン)
各ドメインに割り当てるメモリ容量の合計は、物理的に搭載しているメモリ容量よりも2GB小さくする必要があります。
割り当ての変更は、動的(ドメインが起動した状態)に実行可能です。
サーバ仮想化による性能オーバーヘッドはありません。
•業務稼動用のドメインに割り当てるリソースの量(CPUコア数 / メモリ容量)は、従来の物理サーバと同様に見積もり・決定します。
(サービスドメインのCPU・メモリリソースは別途確保しておく必要があります)
オーバーコミット機能(物理搭載以上のCPUやメモリを擬似的に割り当てる機能)はありません。•各ドメインに必要となるリソース、拡張予定のリソースを満たす、
CPU・メモリが搭載されたサーバを導入します。
I/O(物理I/O・仮想I/O) I/Oの割り当てには以下の2種類があります。
• 「物理」I/Oの割り当て : ドメインにI/Oを「占有」させる(I/Oルートドメイン)
• 「仮想」I/Oの割り当て : 複数のドメインでI/Oを「共有」させる(ゲストドメイン)
動的に割り当てを変更できるのは、「仮想」I/Oのみです。
•物理I/Oの構成を変更する場合、事前にドメインを停止させる必要があります。
パターン 1 & 2
本章では各ページの右上に、関連する構築パターン(パターン1, パターン2, パターン1 & 2) を表示しています。
17 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
CPUは各ドメインに割り当てる量を 「コア単位 or スレッド単位」 で指定します。
3種類の割り当て方式があり、ドメイン毎に選択することができます。
① コア数 指定(コア単位) : CPUのコア数を指定
② コアID 指定(コア単位) : CPUのコアID(物理的な位置)を指定
③ スレッド数 指定(スレッド単位) : CPUのスレッド数を指定
割り当てるCPUコアやスレッドの数は動的に変更可能です。
CPUの割り当て (1/2)
① コア数 指定
SPARC64 X+ (1CPU / 16core)
③ スレッド数 指定
:スレッド
:コア
CPUチップ
・ ・ ・
0 1 2 3
4 5 6 7
8 9
制御ドメイン(CPU : 2コア)
ゲストドメイン(CPU : 3スレッド)
0 1 20 1 2 3
パターン 1 & 2
18 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
CPUの割り当て (2/2)
CPUの割り当ては、 「 ① コア数指定 」 を推奨します。
以下の表の通り、性能・信頼性・柔軟性に優れた割り当て方式です。
より細かい粒度でCPUを割り当てる場合は、「 ③ スレッド数指定 」 を使用します。
未使用のCPUコア(ライセンス購入・有効化していないコア)を1コア以上確保します。
「CPUコアの自動交替機能(次ページ参照)」を有効にするためです。
① コア数指定 ② コアID指定 ③ スレッド数指定
性能 問題なし・問題なし・最適割当可(※1)
性能が低下する可能性(※2)
CPUコアの自動交替機能
対応 非対応 対応
動的構成変更(柔軟性)
可能 不可 可能
割り当ての粒度 CPUコア単位 CPUコア単位 CPUスレッド単位
(※1) ドメインの各CPUコアの位置を指定することで、より性能に優れた環境を構築可能です。(高度な設計のため、本書ではその詳細について記述していません。)
(※2)同一コア内のCPUスレッドを別々のドメインに割り当てた場合、片方のドメインの負荷が高くなると、もう片方のドメインの性能に影響を与えることがあります。
○ △
○
○
× ○
○ × ○
△ △ ○
パターン 1 & 2
19 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
【ご参考】 交替コアによる性能確保と運用継続
SPARC M10 のCPUコアの自動交替機能により、CPUコアに異常が生じても、ドメインの性能を維持したまま業務を継続できます。
制御ドメイン ゲストドメイン1 ゲストドメイン2
未使用のCPUコア(ライセンス購入なし)
CPU CPU CPU CPU CPU CPU
CPUコア
CPU CPU CPU CPU
CPU CPU
CPU CPU
CPU CPU
CPU
異常
ドメインのCPUコアに異常が発生
当該のCPUが動的に縮退
未使用のCPUコアを自動的に割り当て
CPUリソースを維持して、業務継続
・このときに自動で割り当てられる分のCPUコアアクティベーション(CPUのライセンス)を購入しておく必要はありません。 ※上図の場合、10CPUコア分の購入でOKです。
・「未使用のCPUコア(CPUコア アクティベーションで有効化していないコア)」を用意しておく必要があります。・詳細は、以下をご参照ください。[初期投資を抑制しつつ、業務拡張や異常時にも柔軟に対応するCPUコア アクティベーション]http://jp.fujitsu.com/platform/server/sparc/technology/scalability/cod/
SPARC M10-1(16CPUコア搭載)
自動割り当て
※SPARC M10のみ、有効な機能です。
20 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
メモリの割り当て (1/2)
メモリは各ドメインに割り当てる容量を 「MB単位 or GB単位」 で指定します。
メモリ容量は、「4MB」の倍数で指定します。
ドメインを停止させずに割り当て容量を変更(追加 or 削減)したい場合は、
メモリの変動サイズが 「256MB単位」 となるように、指定します。
ドメインを停止させる場合は、256MB単位である必要はありません。
各ドメインに、割り当てるメモリ容量のみを指定
動的に追加・削減する場合は、256MB単位で容量を指定
ハードウェア
制御ドメイン ゲストドメイン1
メモリ 8GB 16GB512MB
ゲストドメイン2
12GB
パターン 1 & 2
21 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
メモリの割り当て (2/2)
各ドメインには、「4GB」以上のメモリを割り当てます。(①)
トータルで、「2GB」以上の余裕を確保します。(②)
SPARC M10-1 / M10-4 では、ファームウェアが「約2GB」のメモリを消費します。
例えば「64GB」のメモリが搭載されたサーバの場合、
ドメインに割り当てたメモリの合計が「62GB」以下になるように、設計します。
業務稼動中のメモリ追加を想定する場合は、さらに余裕を確保します。
業務稼動中のメモリ削減は実行できないケースがあります。ご注意ください。
ドメインのOSやミドルウェアなどがメモリを大量に使用している場合、
動的な削減ができない、もしくは少ない容量のメモリしか削減できないことがあります。
ドメインを一度停止させれば、自由にメモリを削減させることができます。
ハードウェア
制御ドメイン ゲストドメイン
メモリ 8GB 20GB
ゲストドメイン
16GB
SPARC M10-1 (64GBメモリ搭載)① 4GB以上のメモリ割り当て② 2GB以上の余裕(この場合は、約20GB)
パターン 1 & 2
22 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
物理I/Oの割り当て (1/4)
物理I/OはPCI Express のバス単位(以下、PCIeバス)でドメインに割り当てます。
PCIeバスは、ルートコンプレックス(Root Complex)と呼ばれることもあります。
PCIeバスを割り当てられたドメインがI/Oルートドメインです。
PCIeバスとI/Oデバイス(オンボードデバイスやPCIスロットなど)の関係は、
サーバの種類やそのハードウェア構成によって異なります。
SPARC M10-1では2つのPCIeバス, SPARC M10-4では4つまたは8つの
PCIeバスがあります。 (詳細は 物理I/Oの割り当て (3/4) 以降を参照)
SPARC M10-4 (2CPU / PCIeバス×4)
ハードウェア
I/Oルートドメイン1
PCIeバス#1
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
I/Oルートドメイン2
PCIeバス#2
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
PCIeバス#3
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
制御ドメイン
PCIeバス#0
内蔵ディスク・ポート
物理I/OはPCIeバス単位で割り当て
PCIeバスごとに使用できるI/Oデバイスは異なる
パターン 2
23 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
物理I/Oの割り当て (2/4)
PCIeバス#0(内蔵ディスクや内蔵LANポートを含む)は
基本的に制御ドメインへ割り当て、残りのPCIeバスを任意のドメインに割り当てます。
I/OルートドメインにPCIカードを追加搭載するときなど、
PCIeバスの割り当てを変更する場合は、
事前に当該のドメインを停止(制御ドメインの場合はリブート)させる必要があります。
上図のような割り当て変更を実施する場合は、
I/Oルートドメイン1, I/Oルートドメイン2 を両方停止させます。
ハードウェア
I/Oルートドメイン1 I/Oルートドメイン2
物理I/Oの割り当て変更
PCIeバス#1
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
PCIeバス#2
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
PCIeバス#3
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
制御ドメイン
PCIeバス#0
PCIeバス#3
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
PCI
slot
パターン 2
24 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
物理I/Oの割り当て (3/4)
PCIeバス#0
内蔵ディスク(#0~#7)
・・・
SAS
USB
USB
USB
内蔵SAS・USBポート
SPARC M10-4 (2CPU / PCIeバス×4)
内蔵LANポート(#0~#3)
PCIeバス#1
PCIスロット
#0
PCIスロット
#1
PCIスロット
#2
PCIeバス#2
PCIスロット
#3
PCIスロット
#4
PCIスロット
#5
PCIスロット
#6
PCIeバス#3
PCIスロット
#7
PCIスロット
#8
PCIスロット
#9
PCIスロット
#1
0 SPARC M10-4 (2CPUモデル) の物理I/O構成 合計4個のPCIeバスが存在します。
• I/Oルートドメインは3つまで構築可能です。(1つのPCIeバスは制御ドメインに割り当て)
PCIeバス#0には、内蔵(オンボード)のI/Oデバイスが全て含まれます。• PCI Expressのスロットは含まれません。
PCIeバス#1~#3には、3~4個のPCI Expressのスロットが含まれます。
パターン 2
25 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
物理I/Oの割り当て (4/4)
PCIeバス#0
内蔵ディスク(#0~#7)
・・・
SAS
USB
USB
USB
内蔵SAS・USBポート
内蔵LANポート
(#0~#1)
PCIeバス#1
PCIスロット
#0
PCIeバス#2
PCIスロット
#3
PCIスロット
#4
PCIeバス#4
内蔵LANポート
(#2~#3)
PCIeバス#3
PCIスロット
#7
PCIスロット
#8
PCIeバス#5
PCIスロット
#1
PCIスロット
#2
PCIeバス#6
PCIスロット
#5
PCIスロット
#6
PCIeバス#7
PCIスロット
#9
PCIスロット
#1
0
SPARC M10-4 (4CPU / PCIeバス×8)
SPARC M10-4 (4CPUモデル) の物理I/O構成 合計8個のPCIeバスが存在します。
•通常、I/Oルートドメインは6ドメインまで作成します。(以下理由)• PCIeバス#0は制御ドメインに割り当て
• PCIeバス#1(PCIスロット×1)やPCIeバス#4(内蔵LANポート×2)は、他のPCIeバスと合わせて割り当て
PCIeバス#0および#4には、内蔵(オンボード)のI/Oデバイスのみが含まれます。
PCIeバスの番号とPCI Expressのスロット番号の順番が異なるため、注意が必要です。
パターン 2
26 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
【ご参考】 SPARC M10-1の物理I/O構成
SPARC M10-1 (1CPU / PCIeバス×2)
SPARC M10-1 の物理I/O構成 合計2個のPCIeバスが存在します。
•本書では、制御ドメインに全てのPCIeバスを割り当て、I/Oルートドメインは構築せず、ゲストドメインのみ構築することを推奨します。(基本パターン)
PCIeバス#0には、全ての内蔵ディスク・内蔵SAS,USBポートが含まれます。• SPARC M10-4 でも同様です。
PCIeバス#1
PCIスロット
#1
PCIスロット
#2
内蔵LANポート
(#2~#3)
PCIeバス#0
内蔵ディスク(#0~#7)
・・・
SAS
USB
USB
内蔵SAS・USBポート
PCIスロット
#0
内蔵LANポート
(#0~#1)
27 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
仮想I/O(ネットワーク)の割り当て (1/5)
サービスドメイン(制御ドメイン or I/Oルートドメイン)の
物理LANポートを1つ指定して、仮想スイッチ(vsw)を構築します。
仮想スイッチを元に仮想LANポート(vnet)を作成し、ゲストドメインに割り当てます。
vnet は物理LANポートと同様に、ゲストドメインのOS上で設定・使用できます。
デバイスの有効化, IPアドレスの設定
ネットワークの冗長化設定 (IPMP, PRIMECLUSTER GLS)
1つのvswから複数のvnetを作成して、別々のドメインに割り当てることができます。
(物理LANポートの共用)
ファームウェア
ハードウェア
制御ドメイン(サービスドメイン)
ゲストドメイン1 ゲストドメイン2
仮想LAN(vnet0)
仮想スイッチ(vsw0)
物理LAN(NIC0)
物理LAN(NIC1)
仮想LAN(vnet1)
仮想LAN(vnet0)
仮想スイッチ(vsw1)
本書では、物理LANポートを「NIC」と表記します。
パターン 1
28 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
仮想I/O(ネットワーク)の割り当て (2/5)
vnet は物理LANと同様、冗長化設計が可能です。以下2種類の方法があります。
2つの物理LANポートより、vsw と vnet をそれぞれ構築して、ゲストドメインで冗長化
※Solaris標準のIPMP や PRIMECLUSTER GLSなどを使用
複数の物理LANポートをLink Aggregation で集約させて、仮想スイッチを構築
※Solaris標準のLink Aggregationを使用
制御ドメイン
vsw0 vsw1
NIC0 NIC1 NIC2
vsw2
NIC3
ゲストドメイン1
vnet0 vnet1
ゲストドメイン2
vnet0
NIC4
IPMP
aggr0Link Aggregation
パターン 1
29 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
仮想I/O(ネットワーク)の割り当て (3/5)
ゲストドメインのネットワーク性能を
を優先して構築する場合は、
物理ネットワークデバイスを
1つのゲストドメインで
占有させることを推奨します。
(下記いずれかの設計)
物理LANポートを占有
(ゲストドメイン1)
Link Aggregation で作成した
デバイスを占有
(ゲストドメイン2)
制御ドメイン
vsw0
NIC0
vsw1
ゲストドメイン1
vnet0
ゲストドメイン2
aggr0
NIC1 NIC2 NIC3
vnet0
パターン 1
30 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
仮想I/O(ネットワーク)の割り当て (4/5)
使用する物理LANポートの数を削減し、
柔軟な仮想ネットワーク環境を
構築する場合は、複数のゲストドメインで
ネットワークデバイスを共有させます。
このとき、「帯域制御」 と 「VLAN」の
機能の併用が有効です。
帯域制御機能により、各vnetの帯域を
Mbps, Gbps 単位で指定(※)できます。
VLAN機能により、サブネットの
異なるネットワーク集約が可能です。
ポートVLAN(タグ無し)とタグVLAN
の片方または両方の設定が可能です。
制御ドメイン vsw0 vsw1
NIC0
ゲストドメイン1 ゲストドメイン2
NIC1
VLAN ID:20
vnet0 vnet1
50Mbps
vnet0 vnet1
200Mbps
VLAN ID:10
VLAN対応スイッチ
VLAN 10(ゲストドメイン1)
VLAN 20(ゲストドメイン2)
※物理NICの帯域を越えない範囲の値を指定する必要があります。
パターン 1
IPMP IPMP
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仮想I/O(ネットワーク)の割り当て (5/5)
ドメイン間の通信には、仮想スイッチの内部ネットワーク機能が有効です。
物理LANポート無しで通信を確立することができます。
サーバ外部を経由しない通信のため、性能・セキュリティの両方で優れています。
本機能はゲストドメインだけでなく、制御ドメインやI/Oルートドメインなどの
全てのドメイン間で適用可能です。
パターン 1 & 2
制御ドメイン
NIC0 NIC1
ゲストドメイン1
vnet2
ゲストドメイン2
vnet2
NICx
vsw3ゲストドメイン間の内部通信
I/Oルートドメイン1
vnet2
I/Oルートドメインとの通信にも使用可能
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仮想I/O(ディスク)の割り当て (1/2)
サービスドメイン(制御ドメイン or I/Oルートドメイン)に仮想ディスクの元となる
デバイス(バックエンド)を用意します。バックエンドには以下を推奨します。
物理ディスク・外部ストレージのLUN ( /dev/dsk/cXtXdXs2 )
イメージファイル (mkfile コマンドで作成した領域)
バックエンドを仮想ディスクサービス(vds)に登録し、ゲストドメインに割り当てます。
仮想ディスク(vdisk)は、通常の物理ディスクと同様にゲストドメインで使用できます。
仮想ディスクにはターゲットIDがありません。( cXtXdXsX ⇒ cXdXsX )
バックエンドのマルチパスはゲストドメインではなく、サービスドメインで構築します。
(詳細は次ページ参照)
FC FC
ファームウェア
ハードウェア
制御ドメイン(サービスドメイン)
ゲストドメイン1 ゲストドメイン2
仮想ディスクサービス(vds)
DISK0 DISK1 DISK2 DISK3
vdisk0 vdisk1 vdisk0
ZFS pool
外部ストレージ(FC)SPARC M10
パターン 1
イメージファイル
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仮想I/O(ディスク)の割り当て (2/2)
仮想ディスクの元となるディスクのミラーリングや
FC(ファイバーチャネル)のパスの冗長化は
サービスドメインに構築します。
ミラーリングは2種類の方法があります。
ディスク装置のハードRAID機能を使用する
場合は、ハードRAIDを適用したディスク・LUNを
そのままゲストドメインに割り当てます。(①)
ソフトRAID機能(OS標準のZFSなど)を使用
する場合は、ソフトRAIDによって生成された
デバイスやイメージファイルをゲストドメインに
割り当てます。(②)
FCのパスの冗長化はSolaris標準のMPxIOや
ETERNUSマルチパスドライバを使用します。
制御ドメイン
ゲストドメイン1 ゲストドメイン2
vdisk0
FC 接続ストレージ(ETERNUS DXシリーズなど)
DISK0 DISK1 DISK2 DISK3
DISK4 DISK5
DISK0 DISK1
vdisk0 vdisk1
DISK4 DISK5
DISK2 DISK3
ZFS pool(RAID)
FC FC
FC FC
MPxIO
①
②
パターン 1
イメージファイル
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サービスドメイン(制御ドメイン or I/Oルートドメイン)に
仮想コンソールサービス(vcc)を構築します。
vcc には仮想コンソール接続に使用するポート番号の範囲を指定できます。
(5000~6000 など)
vcc より、他のドメインに仮想コンソールポート(vcons)を割り当てます。
仮想コンソール接続には、telnet コマンド(プロトコル)を使用します。
各ドメインのポート番号を指定することで、
物理サーバと同様にtelnetによるコンソール接続ができます。
SSHによる仮想コンソール接続はできません。
仮想コンソールの割り当て (1/2)
サービスドメイン経由で各ドメインにコンソール接続
ハードウェア
ファームウェア
制御ドメイン ゲストドメイン1 ゲストドメイン2
仮想コンソールサービス(vcc)
vcons vcons
5000~6000
5000 5001
各ドメインのポート番号は一意の値が設定
パターン 1 & 2
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仮想コンソールの割り当て (2/2)
仮想コンソール接続方法は、以下の2種類を設定できます。
制御ドメインにログインした後に接続 (デフォルト)
外部ネットワークから直接接続
仮想コンソール接続方法の変更は、サービスドメインの
SMF(Service Management Facility)のプロパティを設定します。
SMFサービス : svc:/ldoms/vntsd
プロパティ : vntsd/listen_addr
制御ドメイン
vcc
ゲストドメイン
vcons
制御ドメイン
vcc
ゲストドメイン
vcons
制御ドメインからコンソール接続 (デフォルト)[ vntsd/listen_addr = localhost ]
外部ネットワークから直接コンソール接続[ vntsd/listen_addr = “制御ドメインのIPアドレス” ]
パターン 1 & 2
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4. 設計サンプル
2章~3章ではOracle VMの2つの構築パターンとリソース設計について、解説しました。本章ではそれらのノウハウを活用した、各構築パターンとさらに応用的な構成の設計の一例をご紹介します。
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パターン1. 基本パターン~CPU・メモリ・物理I/O~
SPARC M10-1 (CPU:16core / メモリ:64GB)に3つのゲストドメインを構築
未使用のCPUは2コア(CPUコアの自動交替機能用)
どのドメインにも割り当てていないメモリは4GB(ファームウェアのメモリ使用容量以上)
制御ドメインに全てのI/O(PCIe バス)を割り当て
仮想I/Oサービスに必要なPCIカード(FC, LAN)を搭載
制御ドメイン PCIeバス#1
FCカード(2port )
内蔵LANポート
(#2~#3)
LANカード(4port )
PCIeバス#0
内蔵ディスク(#0~#7)
・・・
SAS
USB
USB
内蔵SAS・USBポート
内蔵LANポート
(#0~#1)
FCカード(2port )
メモリ16GB
CPU4core
ゲストドメイン1
メモリ10GB
CPU2core
ゲストドメイン2
メモリ10GB
CPU2core
ゲストドメイン3
メモリ24GB
CPU6core
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パターン1. 基本パターン~仮想ネットワーク~
管理LAN(vnet0)は各ゲストドメインで1つの物理LANポートを共有
業務用の外部ネットワーク(vnet1)はLink Aggregation によるvswを使用
VLAN機能を併用して、異なるサブネットのネットワーク環境を集約
外部ネットワークが不要なゲストドメインは、
ゲストドメイン間の通信に内部ネットワーク機能を使用(vnet2)
制御ドメイン(サービスドメイン)
NIC2 NIC3
vsw0
NIC0 NIC1 NIC4 NIC5 NIC6 NIC7内蔵LAN(#2~#3)
内蔵LAN(#0~#1)
増設LANカード
ゲストドメイン1 ゲストドメイン2 ゲストドメイン3
vnet0 vnet2
vsw2
vnet0 vnet1 vnet2
管理LAN
vnet0 vnet1
aggr0
vsw1
VLAN ID:10 VLAN ID:20
業務LAN(外部)
業務LAN(内部)
※内蔵LANポートの表記順序(NICx)を変更しています。
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パターン1. 基本パターン~仮想ディスク~
制御ドメイン(サービスドメイン)
FC 接続ストレージ(ETERNUS DXシリーズなど)
FC
FC
FC
FC
制御ドメインのシステムディスクは内蔵HDDを使用
OS 標準のZFSによるミラーリングを構築
ゲストドメインの仮想ディスクには、ストレージ装置のディスク(LUN)を使用
ゲストドメイン上の冗長化設定は不要(ストレージ装置のハードRAID機能を使用)
FC のパスの冗長化はOS標準のMPxIOを使用
内蔵HDD0
内蔵HDD1
ZFSミラー
MPxIO
DISK0 DISK1 DISK2 DISK3
DISK4 DISK5
ゲストドメイン1
vdisk0(システム)
vdisk1(データ)
ゲストドメイン2
vdisk0(システム)
vdisk1(データ)
ゲストドメイン3
vdisk0(システム)
vdisk1(データ)
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パターン2. 独立性重視パターン
SPARC M10-4(2CPUモデル, CPU:32core / メモリ:128GB)
に3つのI/Oルートドメインを構築
I/Oルートドメインは全てSAN Boot構成(PCIeバスを1つずつ割り当て)
各業務に必要なI/O(PCIカード)を搭載
制御ドメイン
PCIeバス#0
内蔵ディスク(#0~#7)
・・・
SAS
USB
USB
USB
内蔵SAS・USBポート
内蔵LANポート(#0~#3)
I/Oルートドメイン1 I/Oルートドメイン3I/Oルートドメイン2
PCIeバス#1
LANカード(4port )
FCカード(2port )
FCカード(2port )
PCIeバス#2
LANカード(4port )
FCカード(2port )
LANカード(4port )
FCカード(2port )
PCIeバス#3
LANカード(4port )
FCカード(2port )
LANカード(4port )
FCカード(2port )
メモリ6GB
CPU2core メモリ
30GB
CPU6core メモリ
40GB
CPU8core メモリ
40GB
CPU8core
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パターン3. 応用パターン(基本+独立性重視)
基本パターンと独立性重視パターンを併用して、設計することも可能です。
仮想化構成概要 ゲストドメイン
• WebサーバやAPサーバなどの柔軟なスケールアップ(リソース変更)やスケールアウト(ドメイン追加)を
必要とするシステムは柔軟性の高いゲストドメインに構築しています。
I/Oルートドメイン
• DBサーバなどの信頼性・I/O性能を重視するシステムは、
他ドメインの影響を受けにくく、独立性に優れたI/Oルートドメインに構築しています。
制御ドメイン(サービスドメイン)
ゲストドメイン1
仮想ディスク
仮想LAN
業務A
HDD HDD HDD ・・・
物理ディスク
NIC NIC NIC ・・・
物理ネットワークデバイス
仮想サービス (仮想ディスクサービス / 仮想スイッチサービス)
ゲストドメイン2
仮想ディスク
仮想LAN
業務B
ゲストドメイン3
仮想ディスク
仮想LAN
業務C
I/Oルートドメイン1
業務D
NICHDD
物理ディスク/物理NIC
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パターン3. 応用パターン~CPU・メモリ・物理I/O~
SPARC M10-4 (4CPUモデル, CPU:64core / メモリ:256GB)を使用
制御ドメインには仮想サービスに必要となるPCIeバスを割り当て
PCIスロット#8, PCIeバス#4は、ゲストドメイン追加用として用意
I/Oルートドメインには業務システム要件を満たす、PCIeバスを割り当て
制御ドメイン
ゲストドメイン1 ゲストドメイン2 ゲストドメイン3
I/Oルートドメイン1
PCIeバス#0
内蔵ディスク(#0~#7)
・・・
SAS
USB
USB
USB
内蔵SAS・USBポート
内蔵LANポート
(#0~#1)
PCIeバス#1
PCIeバス#2
PCIeバス#4
内蔵LANポート
(#2~#3)
PCIeバス#3
PCIスロット
#8PCIeバス
#5PCIeバス
#6PCIeバス
#7
メモリ32GB
CPU8core
メモリ80GB
CPU24core
メモリ16GB
CPU4core
メモリ40GB
CPU8core
メモリ40GB
CPU8core
LANカード(4port )
FCカード(2port )
FCカード(2port )
LANカード(4port )
FCカード(2port )
LANカード(4port )
FCカード(2port )
LANカード(4port )
PCIスロット
#1
0
PCIスロット
#6
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パターン3. 応用パターン~仮想ネットワーク~
制御ドメイン(サービスドメイン)
NIC0 NIC1
vsw0
NIC4 NIC5内蔵LAN(#0~#1)
増設LANカード
ゲストドメイン1 ゲストドメイン2 ゲストドメイン3
vnet0 vnet2
vsw2_0
vnet0vnet1_1
vnet1_0
管理LAN
vnet0
vsw1_0
業務LAN(外部)
※仮想I/Oに使用しない物理LANポートは省略しています。
NIC8 NIC9
増設LANカード
I/Oルートドメイン1
vnet2
vsw2_1vsw1_1
vnet1_1
vnet1_0 vnet2
vsw3
管理LAN(vnet0)は各ゲストドメインで1つの物理LANポートを共有
外部ネットワークとして、ゲストドメインで物理LANポートを占有(vnet1_0, vnet1_1)
2つのLANポートを割り当て、ゲストドメイン上でIPMPによる冗長化
ドメイン間の通信には、内部ネットワーク機能を使用(vnet2)
NICx
IPMP IPMP
業務LAN(内部)
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パターン3. 応用パターン~仮想ディスク~
制御ドメイン(サービスドメイン)
FC 接続ストレージ(ETERNUS DXシリーズなど)
内蔵HDD0
内蔵HDD1
ZFSミラー
MPxIO
ゲストドメイン1
vdisk0(システム)
vdisk1(データ)
I/Oルートドメイン1
MPxIO
FCFC
DISK0 DISK1
システムボリューム
データボリューム
FC FC
ゲストドメイン2
vdisk0(システム)
vdisk1(データ)
ゲストドメイン3
vdisk0(システム)
vdisk1(データ)
DISK1
DISK0
DISK3
DISK2
DISK5
DISK4
制御ドメイン, ゲストドメインはパターン1. の構成例と同様
制御ドメインの起動ディスクは内蔵ディスク, 仮想ディスクは外部ストレージのLUNを使用
I/Oルートドメインは外部ストレージによるSAN Boot 構成
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5. ライブマイグレーション
Oracle VM には起動中の仮想環境を他のサーバへ移動させる、ライブマイグレーション機能を備えております。本章ではライブマイグレーションを使用するための設計指針と留意事項を解説します。
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ライブマイグレーションの概要
ゲストドメイン1
業務A
制御ドメイン(サービスドメイン)
ゲストドメイン2
業務B
ゲストドメイン4
業務D
制御ドメイン(サービスドメイン)
Livemigration
ライブマイグレーションにより、ゲストドメインの業務・アプリケーションを動作させたまま、他のサーバへ移動させることができます。
ゲストドメインのリソース(CPU・メモリ・仮想I/O)はそのままで移動します。 ライブマイグレーションは主に以下の用途で、使用することができます。
・ 業務システム稼動中のサーバの保守・メンテナンス・ハードウェアリソースの最適化(CPU・メモリリソースが余っているサーバへゲストドメインを移動させる、など)
移行元サーバ 移行先サーバ
ゲストドメイン3
業務C
ゲストドメイン3
業務C
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留意事項
ライブマイグレーションは「クラスタ」に該当する機能ではありません。 ライブマイグレーションは 「移行元サーバの制御ドメイン」 で実行させる機能です。
そのため、サーバ全体もしくは制御ドメインに障害が発生した場合は、ライブマイグレーションが実行できません。
ライブマイグレーションは「ゲストドメイン」に対する機能です。 ドメインに割り当てるI/Oは、全て「仮想I/O」にする必要があります。
SPARC M10 の CPUコア アクティベーション機能との併用は、以下の資料をご参照ください。 一時的にゲストドメインのCPUリソースを減らすことで、
CPUコア アクティベーションも移行先のサーバへ移動させることができます。• ご参考 : Technical Park 「ビジネスの変化にスピーディに対応するSPARC M10」
http://jp.fujitsu.com/platform/server/sparc/technical/document/#server-resource
予め各ミドルウェアのライセンス形態をご確認ください。 移行元サーバと移行先サーバの両方のライセンス費用が必要となるミドルウェアもあります。
仮想コンソールのポート番号が変わることがあります。 ライブマイグレーションされたゲストドメインには自動で仮想コンソールの再設定が実行されます。そのため、仮想コンソールサービス・ポート番号が変更されることがあります。
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設計のポイント (1/4)
移行元サーバ
共有ストレージ装置
移行先サーバDISK
制御ドメイン ゲストドメイン
vsw vds
NIC DISK
vdiskvnet
制御ドメイン ゲストドメイン
vsw vds
NIC DISK
vdiskvnet
MEMCPU ①
②
③ ③
④
設計のポイントは以下の4つです。(詳細は次ページ以降)
① 移行先サーバでCPU・メモリリソースを確保② 仮想ディスクのバックエンドを共有ストレージに配置③ 同一の仮想I/Oサービスの定義④ 移行先サーバに対応した「cpu-arch」プロパティの設定
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設計のポイント (2/4)
① 移行先サーバでCPU・メモリリソースを確保 移行先サーバ における注意事項です。
移行先サーバにゲストドメインのリソースを余らせておく必要があります。 CPUはゲストドメインに割り当てたリソースと同数のCPUコア
(スレッド単位の割り当ての場合はCPUスレッド)を余らせておきます。
メモリはゲストドメインと同容量以上のメモリを余らせておきます。さらに、同じ構成のメモリーブロックを作成するための十分な空き容量が必要です。詳細はオラクル社のマニュアル 「 Oracle VM Server for SPARC 3.1 管理ガイド 」を参照してください。
② 仮想ディスクのバックエンドを共有ストレージに配置 移行元サーバ・移行先サーバ の両方における注意事項です。
移行元サーバと移行先サーバの両方の制御ドメイン(サービスドメイン)に、共有ストレージのディスクを認識させておきます。 FC接続のストレージ装置を使用するのが一般的です。
バックエンドにはディスク(LUN)を指定します。
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設計のポイント (3/4)
③ 同一の仮想I/Oサービスの定義 移行元サーバ・移行先サーバ の両方における、サービスドメインの注意事項です。
移行元サーバと移行先サーバで、以下の名称を一致させておく必要があります。 仮想スイッチ(vsw)
仮想ディスクサービス(vds)
仮想ディスクボリューム(vol) (※)
仮想ディスクは、同一のバックエンド(ディスク)を同一のvds, volに登録します。
制御ドメイン
ゲストドメイン
vsw0
vds
DISK0
vdisk0vnet0
NIC0 NIC1
vsw1
DISK1
vol0 vol1
NIC2
vsw2
vnet1vdisk1
制御ドメイン
vds
DISK0NIC5 NIC6 DISK1
vol0 vol1
移行元 サーバ 移行先 サーバ
vsw0 vsw1
vsw,vds,vol の名称を一致
ゲストドメインが使用していない仮想I/Oサービスは移行先に用意する必要はありません 物理LANポートの位置・デバイス名は、
同一にする必要はありません
※仮想ディスクボリューム(vol)仮想ディスクのバックエンドをvdsに登録する際の定義名です。
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設計のポイント (4/4)
④ 移行先サーバに対応した「cpu-arch」プロパティの設定 移行する ゲストドメイン の注意事項です。
通常、ライブマイグレーションは「CPUが同じ名称・同じタイプのサーバ間」で実行します。
ただし、ゲストドメインに「cpu-arch」パラメータを設定することで、CPUが異なるサーバにおいてもライブマイグレーションが可能となります。 以下の3種類のパラメータを設定することができます。
cpu-arch の設定を変更するためには、一度ゲストドメインを停止させる必要があるため、予め適切なパラメータでゲストドメインを起動させておく必要があります。
native
ライブマイグレーション対象
CPUが同タイプのサーバ(※)
CPU機能
CPU固有の機能・命令セットを
全て使用可能
sparc64-class1
ライブマイグレーション対象
SPARC M10サーバ
CPU機能
SPARC64 Xの機能・命令を使用(SPARC64 X+ 固有のものは不可)
generic
ライブマイグレーション対象
全てのSPARCサーバ
CPU機能
全てのCPUで使用できる機能・命令のみを使用
M10(SPARC 64X+)
M10(SPARC 64X+)
M10(SPARC 64X)
M10(SPARC 64X+)
M10(SPARC 64X+)
T4
M10(SPARC 64X+)
M10(SPARC 64X)
※SPARC M10 には、SPARC64 X と SPARC64 X+ のいずれかのCPUが搭載されています。同じCPUが搭載されたモデル同士であれば、SPARC M10-1とSPARC M10-4などの異なる機種間でライブマイグレーションができます。
52 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
技術情報 Technical Park
SPARC/Solarisの構築に役立つドキュメントが満載• ハイパーバイザーベースの仮想化:
Oracle VM Server for SPARC
• Solarisベースの仮想化:Oracle Solaris ゾーン
• 最新ファイルシステム:ZFS(Zetta-byte File System)
• Solaris 8/9環境をそのままSolaris 10へ:Oracle Solaris Legacy Containers
など
今すぐクリック!! http://www.fujitsu.com/jp/sparc-technical/
53 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
改版履歴
版数 更新日時 更新内容
初版 2014年12月 新規作成
1.1版 2016年6月 仮想ディスクのバックエンドデバイスの設計方針を更新
53
54 Copyright 2014-2016 FUJITSU LIMITED
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