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包装の定義第1節
個装とは、物品個別の包装のことである。小さいものではボタン電池
の包装から、大きいものでは冷蔵庫の包装まで、非常に広い範囲を表し
ている。
外装とは、物流作業単位の包装のことである。ある程度の大きさを備
えており、段ボール箱や、袋、樽などで包装されているものが一般的だ
が、箱などに入れずロープなどで結束しただけのものも、包装と呼ぶこ
とになっている。
また、冷蔵庫や洗濯機などの包装は個装がそのまま輸送に供されるの
で、このような包装は個装であって外装でもあるということになる。
内装とは、個装と外装の中間の包装である。菓子類や雑貨などの業界
では、いくつかの個装をまとめて別の容器に収納し、中間の容器をより
大型の容器に入れて輸送に供するのが一般的である。この中間に位置す
る容器を内装と呼んでいる。この場合、内装は個装の外側に置かれるこ
とになる。→図表1-1-1
ところが家電品などの業界では、付属部品を1つにまとめて製品の内
部に収納したものを個装と呼んでいる。たとえば電子レンジの包装の場
合、ターンテーブルなどの付属部品を1つにまとめて付属品ケースに収
納し、付属品ケースをオーブン内に収納するのだが、この付属品ケース
のことを内装と呼んでいるのである。この場合、内装は個装の内側に置
包装という言葉は、JIS Z 0108で次のように定義されている。
包装(packaging)─ 物品の輸送・保管・取引・使用などに当たって、その価値及び状態
を維持するために適切な材料、容器などに物品を収納すること及びそ
れらを施す技術、又は施した状態。これを個装、内装及び外装の3
種類に大別する。パッケージングともいう。─
この定義のうち個装、内装、外装については、さらに詳細な定義がな
されている。
個装(individual─packaging)
物品個々の包装で、物品の商品価値を高めるため、又は物品個々を
保護するために適切な材料、容器などを物品に施す技術、又は施した
状態。
又、商品として表示などの情報伝達の媒体にすることもできる。
内装(inner─packaging)
包装貨物の内部の包装で、物品に対する水、湿気、光、熱、衝撃な
どを考慮して、適切な材料、容器などを物品に施す技術、又は施した
状態。
外装(outer─packaging、packing)
包装貨物の外部の包装で、物品又は包装物品を箱、袋、たる、缶な
どの容器に入れ、若しくは無容器のまま結束し、記号、荷印などを施
す技術、又は施した状態。パッキングともいう。
学習のポイント
◆「包装」「個装」「内装」「外装」という言葉の意味を理解する。
◆「内装」という言葉の定義は、対象製品の業界によって異な
った意味をもっていることを理解する。
包装の定義第1節