危険品

●危険品とは

危険品とは、その物質または物品が燃焼性、爆発性、毒性などの特性を有し、社会に影響を及ぼす恐れが

あるものを指します｡

危険品はいろいろな法律によって規制されています｡ 海上輸送に関しては、危険物船舶運送及び貯蔵規則

（危規則）により規制されており、危規則には、規制対象となる正式品名(Proper Shipping Name）が記

載されています｡海上輸送においては、これらの品名に該当する輸送物が危険品と言えます。（国際航海に

ついては、IMDGコードに記載されている品名）

●危険物を本船に積むことが出来るか

SOLAS条約第 7章「危険物の輸送」第 1規則には、危険物の海上運送は「原則禁止」されています。

●どうすれば積めるか

荷送人及び運送人が運送規則を遵守することで危険物の運送が可能となります｡

運送規則：IMDGコード（個品危険物の海上輸送の際の容器、包装、標札、積載方法等詳細に規定）

国内法：危険物船舶運送及び貯蔵規則（危規則）

他に港則法、消防法等関係規則があります。

外地 ：米国の 49CFR、シンガポールの MPA等、積地、揚地及び通過港の規則にも従わなければなりま

せん。

荷送人、船長にそれぞれ遵守すべき義務事項があり、これらをクリアーすることにより、船積み可能とな

ります。

荷送人の義務・・・・容器、包装、表示、許容容量、許容質量、検査（容器検査、コンテナ収納検査）危

険物明細書

船長の義務 ・・・・積載方法、隔離方法、危険物積荷一覧書、事故時の対応

危険物明細書：英語で記載します｡日本語を使用する場合は、英語を併記します｡荷主のサインを取得。

危険物基本情報として次の事項を記載のこと。

・正式品名（Proper Shipping Name）

・正式品名にその他（N.O.S.）が付くものは、（）書きで専門的名称又は化学名を記載（商品名等を記載し

ないこと）

・クラス

・国連番号（UN Number）

・Packing Group

・そのほか必要記載事項（Flash Point、海洋汚染物質に該当の場合は「MARINE POLLUTANT」の文字

等を記載）

●分類

１．火薬類（Class 1, Explosives）

火薬、爆薬、弾薬、火工品、その他の爆発性を有する物質。

２．高圧ガス（Class 2, Gases）

摂氏 50度で圧力 0.30メガパスカルを超える蒸気圧を持つ物質、又は摂氏 20度で圧力 0.1013 メガパスカ

ルにおいて完全に気体となる物質。

引火性高圧ガス（Class 2.1）、非引火性非毒性高圧ガス（Class 2.2）、毒性高圧ガス（Class 2.3）に区分け

されている。

３．引火性液体（Class 3, Flammable Liquid）

Class 3.1,3.2,3.3 の区分は無くなり、一纏めとし Class3となったが、危規則上では下記の容器等級細区分

がある。

容器等級Ⅰ：初留点が 35℃以下の液体の物質。

容器等級Ⅱ：引火点が 23℃未満であって、初留点が 35℃を超える液体の物質。

容器等級Ⅲ：引火点が 23℃以上 60℃以下であって、初留点が 35℃を超える液体の物質及び加熱されて引

火性蒸気を発生する温度以上の温度で輸送される液体の物質。

４．可燃性物質（Class 4, Flammable Solid）

可燃性物質（Class 4.1）：火気等により容易に点火され、かつ、燃焼しやすい物質。

自然発火物質（Class 4.2）：自然発熱又は自然発火しやすい物質。

水反応可燃性物質（Class 4.3）：水と作用して引火性ガスを発生する物質。

５．酸化性物質（Class 5, Oxidizing Subastances and Organic Peroxide）

酸化性物質（Class 5.1）：他の物質を酸化させる性質を有する物質（有機過酸化物を除く）。

有機過酸化物（Class 5.2）：容易に活性酸素を放出し他の物質を酸化させる性質を有する有機物質。

６．毒物類（Class 6, Toxic and Infectious Substances）

毒物（Class 6.1）：人体に対して毒作用を及ぼす物質。

病毒を移しやすい物質（Class 6.2）：生きた病原体及び、生きた病原体を含有し、又は生きた病原体 が付

着していると認められる物質｡（船積み不可）

７．放射性物質（Class 7 Radioactive Materials）

放射性物質及び放射性物質によって汚染された物。

８．腐しょく性物質（Class 8 Corrosive Substances）

腐しょく性を有する物質。

９．有害性物質（Class 9 Miscellaneous Dangerous Substances and Articles）

１から８までに掲げる物質以外の物質であって人に危害を与え、又は他の物件を損傷する恐れのあるもの。