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早稲田大学大学院 福山 佑樹

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早稲田大学大学院

福山 佑樹

福山佑樹 (Yuki Fukuyama)

【所属】

早稲田大学大学院人間科学研究科

博士課程1年

【研究】

ゲーム×学習に関する研究と実践

(環境学習ゲーム・組織市民行動ゲームの開発/デジタルゲームの教育効果の研究/WSの実施等)

組織や職場に関する研究

(職場学習と組織市民行動の調査/対話システムの研究)

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パン屋さんのポイントカード

ガリガリ君の“あたり”

罰ゲーム/ご褒美

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ガートナーのハイプサイクルに登場!

ソーシャルメディアとの相性が良い

ゲームという言葉の印象の変化

4

1. ゴール

2. ルール

3. フィードバックシステム

4. 自発的な参加

(McGonigal,2011)

5

ゲームではないアプリケーションやWebサ

イトなどにゲームのメカニズムを利用すること

⇒Zichermann’s ”Gamification”

現実の社会や未来をゲームを活用して良くしていくこと

⇒McGonigal’s ”Gamification”

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ゲームのデザイン手法や仕組みを用いて

問題の解決やユーザのエンゲージメント

を獲得すること

⇒製品やサービスをゲームの要素を盛り

込むことで楽しみながら、意図せずに

関わってもらう

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Achievements Appointments Behavioral Momentum Blissful Productivity Bonuses Cascading Information

Theory Combos Community Collaboration Countdown Discovery Epic Meaning Free Lunch

Infinite Gameplay Levels Loss Aversion Lottery Ownership Points Progression Quests Reward Schedules Status Urgent Optimism Virality

(Gamificationwikiより) 8

現実より夢中になれる代替手段を提供するのでなく、もっと夢中になれる現実そのものをゲームの仕組みを利用して作り出す

⇒現実の問題解決手段として,

ゲームを使うという考え方

(McGonigal,2011)

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1. 自ら達成したいと感じさせるための「しつこいまでの楽観性」

2. 負荷をかけずに新しい能力が得られていく「至福の生産性」

3. ユー ザー同士が自分の居場所を確かめ、次のモチベーションを生む「ソーシャル性」

4. 未来や世界といった壮大なスケールを持ち、関わるこ とが楽しくなる「ストーリー性」

(McGonigal,2011) 10

人はゲームをするとき没頭している

人はゲームで自信をつけている

人はゲームを自発的にしている

ゲームで人と人とは繋がっている

人はゲームによって幸せになる

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人はゲームをするとき没頭する

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○フローとは?

対象物にのめり込み、活動と意識が融合している状態 (ex.スポーツの”Zone”,読書での世界への没入)

⇒能力が最大限発揮されており、かつ難易度 が適切なときに起きる

(Csikszentmihalyi,1990)

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人はゲームで自信をつけている

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自己効力感とは…

個人がある状況において必要な行動を効果的に遂行できる可能性の認知

⇒効力予期/結果予期が共に+の場合、

人は自信を持って積極的に行動できる

(Bandura,1985)

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1.遂行行動の達成

→段階的な“目標達成”/フィードバック

2.代理的体験

→成功者の“モデリング”

3.言語的説得

→グループ学習/自己強化

4.情動的喚起

(Bandura,1977など)

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ゲームはみんな進んでやっている

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外発的動機づけ

外からの力によって動機づける。引き起こされる行動は目標に到達するための手段 (ex.賞罰)

⇒報酬/罰の与え方の研究(行動心理学)

内発的動機づけ

引き起こされる活動それ自体が目標であり

何かのためにするのではなく、したいからする

(ex.好奇心・興味)

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自己決定(自分の意志を実行するプロセス)を重視する考え方

人間行動の背後に,3つの内的で基本的な要求を仮定

有能さへの要求

自律性への要求

関係性への要求

内発的動機づけ=3つの要求の満足

(Deci, 1980, Deci & Ryan, 1991) 20

Challenge

中程度の困難さの課題は達成後に多くの有能感を伝達する.

Curiosity

既有知識とズレがあり,驚きを伴う活動.自信でそのズレに気づくことが重要

Control

選択の機会を与え、統制感を与えると動機づけは高まる.

Fantasy

実際には存在しないような状況を提供する,ゲームを通して,ファンタジーに関与する活動は,動機づけを促進

(Lepper & Hoddell,1989) 21

ゲームで人と人とは繋がっている

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脅威にさらされた時,ネガティブな感情を抑える

(テイラーら 2008)

刺激の厳しさの過大視を緩和する

(シュナールら 2008)

組織の規範に従い、組織をよりよい方向に変化させようとする (アイゼンバーガー 1986,1990)

職場でのバーンアウトを抑制する (浦 1991)

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多くのイノベーションは1人の天才によってではなく、相互に影響し合うグループから生まれている (ex.ライト兄弟/モールス信号)

(ソーヤー,2009)

⇒科学者が20年解けなかったタンパク質の

構造をゲーマーの集団が2週間で解析

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ゲームで人は幸せになっている

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“気軽で楽しい活動”は気分を回復させるが良くはしてくれない

(ex.ぼーっとする、TVを見る、甘いものを食べる)

⇒”Hard-Fun”な活動は気分を高揚させ、

“幸福感”や“満足感”に繋がる

(チクセントミハイ,2007など)

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満足のいく仕事

明確に定義されたレベルの高い活動で結果が目に見える

成功体験(成功への希望)

自分の影響力を感じ、成功のチャンスを楽観的に考える

社会的なつながり

経験を共有し、つながりを作り、他者と何かを達成する

意味(大きなものの一部になる機会)

壮大さへの好奇心、恐れ、疑問や、重大なものへの貢献

(セリグマンなど)

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ゲームの楽しみ方には違いがある

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MUDプレイヤーの4分類(Bartol,1996)

アチーバー(達成型)

エクスプローラー(探求型)

ソーシャライザー(社交型)

キラー(妨害型)

⇒MUD以外への適応と、調査方法に厳しい指

摘がある(Dixon,2011)

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達成

上達/ メカニズムの理解/ 競争

社会性

社会的なつきあい/関係性/チームワーク

没入

発見/ ロールプレイ/カスタム性/逃避

(Yee,2005)

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競争者

他のプレーヤーより良いプレイヤーになりたい人

調査者

他の人がまだ知らない何かを第1に発見したい人

収集者

ゲームによって最多のアイテムを得たい人

達成者

高いランクやチャンピオンを目指すために遊ぶ人

ジョーカー

社会性を楽しむ人

管理者

イベントを仕切りたい人

作家

その世界からのパラレルワールドや話を作成するために遊ぶ人

パフォーマー

彼が催すことができるショーのために遊ぶ人

職人

何かを作ったり、問題を解くためにプレーする人

(Klug & Schell ,2006) 31

ゲームの好みには男女差もある

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男性=「達成」を楽しむ人が多い

女性=「社会性」を楽しむ人が多い

○日本での大学生への調査

打倒型/クリア型/物語型/収集型/育成型/競争型/パズル/運動/音楽に分類

大学生300人に調査(男子104/女子195)

(西方,2011) 33

男性 女性

打倒 75.0%** 33.4%

クリア 81.8%* 66.2%

物語 77.5%** 41.0%

収集 73.1%* 60.0%

育成 47.1% 58.5%

競争 74.0% 63.6%

パズル 54.8% 78.0%**

運動 31.8% 57.5%**

音楽 45.2% 68.2%**

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クソゲーを作ってはいけない

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バグが多い。酷いときにはゲーム続行不能となる

ゲームバランスが悪い

ストーリーが理解不能

映像や音楽等がしょぼい

システム関係が酷い

ゲーム自体の中身がない

(ニコニコ大百科より)

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Gameには様々な“良さ”がある

⇒目的に合わせて理論にあったメカニズム

を選択する必要がある

⇒ただし、ゲームにすれば良いわけではな

く “クソゲーミフィケーション”になら

ないように留意する必要がある

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