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Linked Open Data(LOD)を用いた オープンデータの活用事例と今後の展望 大阪大学 産業科学研究所/ LODチャレンジ実行委員会 関西支部長 古崎 晃司 [email protected] オープンデータフォーラム in橋本,2016/3/24

Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

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Page 1: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Linked Open Data(LOD)を用いた

オープンデータの活用事例と今後の展望

大阪大学 産業科学研究所/LODチャレンジ実行委員会 関西支部長

古崎 晃司

[email protected]

オープンデータフォーラムin橋本,2016/3/24

Page 2: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

自己紹介

オープンデータに関わる活動

LODチャレンジ実行委員会(2011~) 関西支部長

→LOD(Linked Open Data)を技術普及させたい

「LODチャレンジ」(コンテスト)への応募作品を増やしたい

特に,地元「関西・大阪」でのコミュニティを大きくしたい

神戸市オープンデータ推進会議,大阪市市民活動推進審議会

研究成果として

公開中のソフト

古崎(こざき)晃司@koujikozaki 本職: 大阪大学の研究者

専門: 情報科学(オントロジー工学)

=“かしこい”コンピュータ(ソフトウェア)を作る→学問にとどまらず,

世の中で使われる技術を作りたい

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 2

Page 3: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

はじめに,質問

「オープンデータ」について話を聞いたことが

ある方?

「LOD(Linked Open Data)」

という言葉を聞いたことがある方?

Webページを作ったことがある方?

Web(インターネット)を使ったことある方?

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 3

Page 4: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

開催年度\応募部門 データセット アイデア

アプリケー

ション

ビジュアライ

ゼーション

基盤技術

2015年度(290作品)

2014年度(245作品)

2013年度(321作品)

2012年度(205作品)

2011年度( 73作品)

67

87

101

87

21

97

51

67

50

34

83

69

122

44

18

26

20

18

24

17

18

13

Linked Open Data(LOD)

チャレンジ

LODの技術普及を目的として開催している日本初の

オープンデータに関するコンテスト(2011年度より毎年開催)

これまでの応募状況 http://lodc.jp

年々,応募作品数の増加/質の向上が見られる=LOD利用の広がり2013年度以降には,オープンデータのコンテストが多数開催される

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 4

Page 5: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

アーバンデータチャレンジ

2013年より毎年開催

課題解決型のコンテスト2015年度

・地域拠点20か所

・158作品応募

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

http://urbandata-challenge.jp/

古崎は,

・大阪ブロックの代表(2014-)→拠点イベント:2回開催(2015)

・1次審査通過者(2013,2015)

として参加

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Page 6: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

LODハッカソン関西

大阪イノベーションハブ(OIH)を

中心に開催(2013-,計7回)LODの技術資料の公開にも注力

http://wp.lodosaka.jp

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 6

Page 7: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

本日の講演概要

講演のテーマ

LOD(Linked Open Data)とは?

オープンデータをLODとして公開すると,

何がうれしいのか?

講演概要

LOD(Linked Open Data)の基本的な考え方

LODを支える基礎技術

LODの活用事例~関西(大阪)の事例を中心に~

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 7

Page 8: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Linked Open Data (LOD)=Linked Data + Open Data(オープンデータ)

=Linked Dataとして公開されたOpen Data※Linked Data:

Webの仕組みを用いて相互に“リンクされた”データ

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 8

Page 9: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

オープンデータとは

オープンデータとは

誰でも自由に使える形で公開されているデータ

オープンデータの定義(Open Definition)

“Open data and content can be freely used, modified, and shared by anyone for any purpose”(http://opendefinition.org/)

オープンデータでない例

改変や再配布が禁止されている

利用者を限定 例)学術機関のみ,個人利用不可

利用目的を限定 例)商用利用不可,コンテスト応募目的のみ

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 9

Page 10: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

オープンデータの2つの観点

ライセンス(cf.クリエイティブコモンズ)

使用目的を限定せず(例:商用も可),再配布,改変も可

「作成者のクレジットの表示」の義務付け程度の制限はOK→“まじめな人”(※)が,安心して使える

=より多くの人の利用が見込まれる

(※悪いことをする人は,ライセンスを気にせず勝手に使う)

機械可読な形式

プログラムで処理しやすいフォーマットが望まれる

→“使いたい人”が,簡単に使える

=低コストで多くのアプリ(活用事例)が作れる

LOD(Linked Open Data)は,「オープンデータの5つの段階」

で「5つ星」と言われている公開方法

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 10

Page 11: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

5 ★ オープンデータ

http://5stardata.info/ より

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

オープン

ライセンス

(形式問わず)

機械可読な

フォーマット

オープンな

フォーマット

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Page 12: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Linked Open Data(LOD)

Linked Data:Web上のデータを,つなぐ(linkする)ことで,新しい価値

を生み出そうとする取り組み.Webの創始者Tim Berners-Lee氏が提唱

※ Linked Open Data(LOD):オープンな形で公開されたLinked Datahttp://linkeddata.org/

Web上に公開された膨大なデータを

統合した1つのデータベースとして利用できる.

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 12

Page 13: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

TED Talk by Tim Berrners Lee (1) 2009/2

~Raw Data Now!~

http://www.ted.com/talks/tim_berners_lee_on_the_next_web.html

データを抱え込むのでは無く,

誰もが使えるように(オープンに)

することを呼びかける

=Raw Data Now!

(生データをすぐに!)

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 13

Page 14: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

TED Talk by Tim Berrners Lee (1) 2010/2

~LODの活用事例~

http://www.ted.com/talks/tim_berners_lee_the_year_open_data_went_worldwide.html

オープンデータの活用事例を紹介

・白人/黒人の住む家と水道管の整備状況

の相関を見える化→裁判で勝利へ

・Where does my money go?(税金はどこへ行った?)

(英国) http://wheredoesmymoneygo.org/(横浜市) http://spending.jp/

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 14

Page 15: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Linked Dataが目指すこと

WWW(World Wide Web) 文書を公開し,相互に接続(ハイパーリンク

でつなぐ)ための革命的な仕組みを提供し

たことで,今日のWebの発展につながった.

Linked Data データを共有(公開)し,相互につなぐ仕組

みを提供する.

Linked Dataの原理

データの構造化

構造化されたデータはより洗練された処理を可能にする

分散したデータをつなぐハイパーリンク

文書単位では無く,データ単位のリンクを可能にする.

データの島々から一つのグローバルデータ空間へ

分散されたデータ群を1つのグローバルなデータ空間へ統合する

参考:『Linked Data-Webをグローバルな

データ空間にする仕組み(Tom Heath, Christian Bizer(武田英明監訳),丸善,2013)』 1章.

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 15

Page 16: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

データが“つながる”メリットの例

Google Knowledge Graph

2016/3/24

※注:Google Knowledge Graphは,Linked Dataの技術を一部利用していると思われていますが,LODそのものではありません.

• Knowledge Graph (知識グラフ)

と呼ばれる,知識の“つながり”を

活用した様々なサービスの開発が,Google,Yahoo!,Facebookなど多

くのネット企業で進められている.→Google Knowledge Graphは2012年サービス開始

• LODが普及すると,誰でも,同様

のサービスが,作れるようになる.

https://www.google.com/intl/es419/insidesearch/features/search/knowledge.htmlオープンデータフォーラムin橋本 16

Page 17: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Knowledge Graphの検索例

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 17

Page 18: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

既に公開・リンクされているLOD

~LODクラウド~

2007/5/12007/10/82008/9/182009/7/142010/9/222011/9/19時点

Linking Open Data cloud diagram 2014, by Max Schmachtenberg, Christian Bizer, Anja Jentzschand Richard Cyganiak. http://lod-cloud.net/

1つの丸が個別に公開

されたDBを表す.

2014/08/30時点

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 18

Page 19: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

既に公開・リンクされているLOD

~LODクラウド~

Domains # of dataset % Government 183 18.05 Publications 96 9.47 Life sciences 83 8.19 User-generated content 48 4.73 Cross-domain 41 4.04 Media 22 2.17 Geographic 21 2.07 Social web 520 51.28 Total 1014

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 19

Page 20: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

既に公開・リンクされているLOD

~LODクラウド~

Linking Open Data cloud diagram 2014, by Max Schmachtenberg, Christian Bizer, Anja Jentzschand Richard Cyganiak. http://lod-cloud.net/

2014/08/30

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

DBpedia

公開したオープンデータが

他のオープンデータと「つながる」ことで「新たな価値」

が生まれる

20

Page 21: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

DBPedia

Wikipediaの各記事のインフォボックスの情報を抽出して自動生成

されるLOD様々なデータをつなぐLODのハブ的な存在となっている.

http://dbpedia.org/

日本語版のDBPediaはhttp://jp.dbpedia.org/ インフォボックスの例

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 21

Page 22: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

DBpediaのデータ例(和歌山県)

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

すべてのWikipediaの記事がhttp://ja.dbpedia.org/resource/和歌山県

のようなURL(IRI)でデータ化されている

22

Page 23: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

DBpediaの元データ(和歌山県)

主にこの部分

がLODに変換

されている

23

ウィキペディアタウンで編集した

情報もいずれ,DBpediaに反映

されます!

Page 24: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

検索API(SPARQLエンドポイント)

によるLinked Dataへのアクセス

http://jp.dbpedia.org/SPARQL Endpoint(Linked Data用の標準検索API)※ここから,検索可能

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 24

Page 25: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

DBpedia Japaneseの

SPARQL Endpoint

サンプルクエリ集http://wp.lodosaka.jp/tool/sparqlquery/

http://ja.dbpedia.org/sparql ここに,クエリを入れる※プログラムからのクエリ

+結果取得も可能

VirtuosoというRDF-DBを利用

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

「橋本市」のデータを取得するクエリ例select distinct * where {<http://ja.dbpedia.org/resource/橋本市> ?p ?o . }

25

Page 26: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

DBpedia Japaneseの検索例

「各都道府県で生まれた政治家の数」を調べる

PREFIX rdfs: <http://www.w3.org/2000/01/rdf-schema#>PREFIX dbpedia-owl: <http://dbpedia.org/ontology/>PREFIX dcterms: <http://purl.org/dc/terms/>PREFIX rdf: <http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#>PREFIX dbpedia-ja: <http://ja.dbpedia.org/resource/>PREFIX category-ja: <http://ja.dbpedia.org/resource/Category:>select distinct ?pref (count(?s) AS ?c) where {?pref rdf:type dbpedia-owl:Place.?pref dcterms:subject category-ja:日本の都道府県.?s rdf:type dbpedia-owl:Politician;dbpedia-owl:birthPlace ?pref.}GROUP BY ?prefORDER BY ?c

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 26

(解説)Qiita:DBpediaを使った都道府県別ランキングhttp://qiita.com/koujikozaki/items/439fa7ce3e28b738fe10

Page 27: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

DBpedia Japaneseの検索例

「各都道府県で生まれた芸人の数」を調べる

PREFIX rdfs: <http://www.w3.org/2000/01/rdf-schema#>PREFIX dbpedia-owl: <http://dbpedia.org/ontology/>PREFIX dcterms: <http://purl.org/dc/terms/>PREFIX rdf: <http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#>PREFIX dbpedia-ja: <http://ja.dbpedia.org/resource/>PREFIX category-ja: <http://ja.dbpedia.org/resource/Category:>select distinct ?pref (count(?s) AS ?c) where {?pref rdf:type dbpedia-owl:Place.?pref dcterms:subject category-ja:日本の都道府県.?s rdf:type dbpedia-owl:Comedian;dbpedia-owl:birthPlace ?pref.}GROUP BY ?prefORDER BY ?c

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

ここを,Politician→Comedianに変えるだけ!

27

Page 28: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

まとめ①:Linked Open Data• Linked Dataは,Web上で公開されたデータを

“つなぐ”仕組み

• Web上に公開された様々なデータを“つなげて”,

1つの大きなデータベースへとする

• LOD(Linked Open Data)

=Linked Dataとして公開されたオープンデータ

• データを“つなげる”ことで新たな価値が生まれる

ことが期待される

• いろんなデータをつなぐことで,

「おもろい」組み合わせが見つかるかも!?

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 28

Page 29: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Linked Data 技術の概要Linked Dataは,“Webの仕組み”を用いることで,

データを相互に“リンク”する

→Webページがハイパーリンクでつながっている

仕組みを,データ用に拡張.

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 29

Page 30: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

5 ★ オープンデータ

★ (どんな形式でも良いので) あなたのデータをオープンライセンスでWeb上に公

開しましょう

★★ データを構造化データとして公開しましょう

★★★ 非独占の形式を使いましょう

★★★★ 物事を示すのにURIを使いましょう,そうすることで他の人々があなたのデータ

にリンクすることができます

★★★★★ あなたのデータのコンテキストを提供するために他のデータへリンクしましょう

http://5stardata.info/ja/より引用

(図および原文はhttp://5stardata.info/ )

ライセンスについて

フォーマットについて

Webの発明者でありLinked Dataの創始者でもあ

るティム・バーナーズ=リーがオープンデータのた

めに提案したスキーム※注:図中のPDF,エクセル,CSVのアイコンは,

あくまでも例示であって,そのフォーマットを推奨

している訳ではない. LOD

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 30

Page 31: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

5★オープンデータにおけるLOD

★★★★ (RDF)

物事を示すのにURL(IRI)を使いましょう,そうすることで

他の人々があなたのデータにリンクすることができます

★★★★★ (LOD)

あなたのデータのコンテキストを提供するために

他のデータへリンクしましょう

→LOD(Linked Open Data)

=Web上で相互にリンクされたOpen Data※リンクする際には「Webの仕組み」を利用する

データ(物事)を示すのにURL(正確にはIRI)を用いる

データ間を(名前付き)Hyper-linkでリンクする

http://5stardata.info/ja/ より引用

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 31

Page 32: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Webの仕組み

URLを指定することで,Webページにアクセス

例)http://wida.jp/2016/02/18/openhashimoto/「オープンデータフォーラムin橋本」のページ

URLは,世界中“すべて”のWebページの場所(ID)

を一意に特定できる仕組み

ハイパーリンクにより,Webページを“つなげる”

リンク先のURLを指定することで,好きなWebページ

と自由に“リンク”できる

リンクを辿って,様々な情報にたどり着ける

リンクを解析による様々なビジネス

例)Googleなどの検索エンジン

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 32

Page 33: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Webの仕組み→Linked Data

URLを指定することで,Webページにアクセス

例) http://wida.jp/2016/02/18/openhashimoto/「オープンデータフォーラムin橋本」のページ

URLは,世界中“すべて”のWebページの場所(ID)

を一意に特定できる仕組み

ハイパーリンクにより,Webページを“つなげる”

リンク先のURLを指定することで,好きなWebページ

と自由に“リンク”できる

リンクを辿って,様々な情報にたどり着ける

リンクを解析による様々なビジネス

例)Googleなどの検索エンジン

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

データ

データ

Linked DataWebと同じ仕組みでデータを“公開”し,

相互に“つなぐ”(リンクする)

33

Page 34: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Linked Dataの基本原則

1. Use URIs as names for things全てのモノやコトにURIをつけましょう

2. Use HTTP URIs so that people can lookup those names.それらのURIをhttp(Webブラウザと同じ方法)

で参照(アクセス)できるようにしましょう

3. When someone looks up a URI, provide useful information, using the standards (RDF, SPARQL)そのURIを参照したら,標準の技術(RDFやSPARQL)を使用し

て,役に立つ情報を提供するように

4. Include links to other URIs. so that they can discover more things.多くのモノ・コトを発見できるように,外部へのリンクを含めよう.

原文引用元 http://www.w3.org/DesignIssues/LinkedData.html日本語訳参考 http://www.slideshare.net/takeda/lod-5163454

5★オープンデータ

で言及

5★オープンデータ

で言及

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 34

Page 35: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Linked Data (RDF)の例

大阪府

大阪市

都道府県 223㎢

2,687,287人

面積

人口

吹田市

豊中市

…バラ科

市の木

隣接自治体

隣接自治体

http://ja.dbpedia.org/resource/大阪市 というURIから得られる情報

サクラ

Cherry blossom英名

リソース:URIで表される

モノ・コト

プロパティ:

リソース間の関

係を表す

リテラル

:文字列

主語述語 目的語

トリプル※RDF(Linked Dataのデータ

モデル)は,「トリプルの組み

合わせ」で表される

(DBpedia Japaneseより)

目的語が他のリソースのとき,トリプル

を辿って更なる情報が得られる

※実際のリソースとプロパティは,すべてURIで表される.2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 35

Page 36: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Linked Data (RDF)の例

http://ja.dbpedia.org/resource/大阪府

http://ja.dbpedia.org/resource/大阪市

http://ja.dbpedia.org/resource/都道府県 223㎢

2,687,287人

http://ja.dbpedia.org/resource/面積

http://ja.dbpedia.org/resource/人口

http://ja.dbpedia.org/resource/吹田市

http://ja.dbpedia.org/resource/豊中市

… http://ja.dbpedia.org/resource/バラ科

http://ja.dbpedia.org/resource/市の木

http://ja.dbpedia.org/resource/隣接自治体

http://ja.dbpedia.org/resource/隣接自治体

http://ja.dbpedia.org/resource/大阪市 というURIから得られる情報

http://ja.dbpedia.org/resource/サクラ

http://ja.dbpedia.org/resource/科

Cherry blossomhttp://ja.dbpedia.org/resource/英名

(DBpedia Japaneseより)

※実際のリソースとプロパティは,すべてURIで表される.2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 36

Page 37: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

データを「つなげる」仕組み

「3つ組(トリプル)」により様々な構造のデータの

“つながりを柔軟に表現”できる

Webサイトのリンクを辿るのと同様に,プロパティ(リンク)を辿る

ことで関連するデータの情報を辿ることが出来る.

RDFのプロパティは,“関係の意味”を定義できる.

cf. Webのハイパーリンクは単に“つながり”を表すのみ

データ(リソース)をURIで表すことで,“外部のデータと

つなげる”ことができる.

URIは,グローバルに一意のIDを表す.

WebサイトのURLと同じ仕組み.

cf.単なる数字をIDとすると,異なるDBが同じIDを使っている可能性

がある

Linked Data = 外部のデータとつながったデータ≠ RDFフォーマットのデータ

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 37

Page 38: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Linked Dataの基本原則

1. Use URIs as names for things全てのモノやコトにURIをつけましょう

2. Use HTTP URIs so that people can lookup those names.それらのURIをhttp(Webブラウザと同じ方法)

で参照(アクセス)できるようにしましょう

3. When someone looks up a URI, provide useful information, using the standards (RDF, SPARQL)そのURIを参照したら,標準の技術(RDFやSPARQL)を使用し

て,役に立つ情報を提供するように

4. Include links to other URIs. so that they can discover more things.多くのモノ・コトを発見できるように,外部へのリンクを含めよう.

原文引用元 http://www.w3.org/DesignIssues/LinkedData.html日本語訳参考 http://www.slideshare.net/takeda/lod-5163454

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 38

LODの公開方法

について

Page 39: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

LODの公開方法

参照解決可能なhttp URIsを用いた公開(原則2,3)

URIでデータにアクセスが可能

通常のWebページと同様に,データのURIを用いて「つながり」を辿る

ことが出来る=システムによる処理(リンク解析等)が可能

コンテントネゴシエーションに対応している場合,

Webブラウザからのアクセス→HTMLファイルを返す

Linked Dataブラウザからのアクセス→RDFを返す

.html,.rdf,.ttlなど拡張子に合わせた形式のファイルを返す

などの要求に応じたデータ形式で返す→Linked Dataブラウザなど汎用のアプリの開発が可能に!

その他のLOD公開方法

RDFファイルのダンプ(全データ)をダウンロードできるところに置く

SPARQLエンドポイント(LODを検索可能なAPI)を公開する→これだけではLinked Dataの基本原則を満たしていない!

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 39

Page 40: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Linked Dataへのアクセス

アクセスする方法・ツールに応じて適切な形式

でデータを取得することができる

(Content Negotiation)

例:DBpedia Japaneseにおける和歌山県

事物(非情報リソース)http://ja.dbpedia.org/resource/和歌山県

HTML表現(情報リソース)http://ja.dbpedia.org/page/和歌山県

N3/Turtle表現(情報リソース)http://ja.dbpedia.org/data/和歌山県.n3 RDF/XML表現(情報リソース)http://ja.dbpedia.org/data/和歌山県.rdf RDF/JOSN表現(情報リソース)http://ja.dbpedia.org/data/和歌山県.json

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

Webブラウザ用

各種

アプリ向け

40

Page 41: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

LODの公開例(和歌山県のオープンデータ)

Webブラウザでのアクセス

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

http://data.lodosaka.jp/kod/wakayama/list-of-public-facilities#30200といったURL(IRI)でアクセス可能

今回は,RDF/Turtle形式

のみで公開

41

橋本市のオープンデータを使ったサンプルhttp://data.lodosaka.jp/hasimoto.ttl

Page 42: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

LODの公開例(和歌山県のオープンデータ)

Linked Dataブラウザでのアクセス

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

http://www.kanzaki.com/works/2014/pub/ld-browserを利用

データの可視化

42

Page 43: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

LOD公開から活用のSTEP①

STEP1 オープンデータをLODの形式(RDF)に変換する

CSV2LOD http://lodosaka.jp/tool/CSV2LOD/ LinkData.org http://linkdata.org など

STEP2 RDFデータベース(トリプルストア)にLODを格納し,SPARQLエンドポイント(LOD検索用API)を使えるよう

にする

DyDra.com http://Dydra.com SPARQL EPUC http://lodcu.cs.chubu.ac.jp/SparqlEPCU/ など

(解説) http://www.slideshare.net/siramatu/sparqlmashup22016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 43

Page 44: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Dydra

2016/3/24

こちらから

の登録も可

~LODを公開できる

クラウドサービス~

ここから

登録

オープンデータフォーラムin橋本 44

Page 45: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

LOD公開から活用のSTEP②

STEP3 データ取得に必要な「SPARQLクエリ」を作る

(解説)http://wp.lodosaka.jp/tool/searchdata/ STEP4

取得したデータを処理するアプリを作る

同じデータ構造のLODであれば,

SPARQLエンドポイントの情報

SPARQLクエリ

を書き換えることで再利用が可能

(解説) http://uedayou.net/sparql-mashup/#app STEP5

作成したアプリを公開する.

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 45

Page 46: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

SPARQLを使った簡単アプリ

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 46

「第4回LODハッカソン関西」SPARQLでマッシュアップ-LOD活用のための技術紹介-にて,上田洋さんが紹介された

「SPARQLを使った簡単アプリ」→半日のイベントで,このような

データの可視化アプリが作れ

ます.

http://uedayou.net/sparql-mashup

Page 47: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

まとめ②:LODの基礎技術• Linked Dataは,Web上で公開されたデータを

「つなぐ」仕組み

• URL(IRI)を用いたグローバルに一意なデータの識別

• データ間の“リンク”

• Webと同じ仕組みを用いたデータのアクセス

• URIによる直接アクセス

• SPARQLエンドポイント(API)によるアクセス

• これらの仕組みが標準化されているため,

オープンデータを利用したアプリが簡単に作れる.

• SPARQLエンドポイントが提供されていれば,クエリを書き換え

るだけで簡単な可視化が可能.

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 47

Page 48: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Linked Open Data (LOD)の活用事例

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本

• 大阪市におけるオープンデータ活動の動向

~コミュニティ活動の観点から~

• LOD技術を用いたオープンデータの活動事例

• 大阪市のオープンデータ活用事例

• LODチャレンジの受賞作品より(時間があれば)

48

Page 49: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

大阪におけるオープンデータ活動

2011- Linked Open Dataチャレンジ2011の開催

国内初の「オープンデータ活用に関するコンテスト」

古崎は実行委員として活動,大阪でもイベントを開催

鯖江市や横浜市が受賞

2012- Linked Open Dataチャレンジ2012の開催

鯖江市や横浜市が会津若松市などが受賞

2013- 日本各地で「インターナショナル・オープンデータデイ」(2月)が開催

関西での開催が無かったため,古崎は名古屋に参加… 大阪でも「オープンデータ(やLOD)の取り組み」を進めたいと,勉強会を開催

同じような考えのLinked Open Data Initiative(LODI)/ ATR Creativeの高橋さんと,

「オープンデータ(LOD)のイベント」を大阪イノベーションハブ(OIH)で開催するように… Linked Open Dataチャレンジ2013の開催

大阪市さんが,イベント+LODチャレンジ向けに「オープンデータ」を提供して下される!

2014- 大阪イノベーションハブ(OIH)が,オープンデータの先進国であるイギリスのThe Open Data Institute (ODI) のアジア初のCity Nodeに!(2/17)

大阪(関西)初の「インターナショナル・オープンデータデイ」

LODチャレンジ2013にて,大阪市が「LODチャレンジデー賞」を受賞

2016/3/24 49

オープンデータフォーラムin橋本

Page 50: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

大阪市からご提供いただいたデータ①

:マップナビおおさか

2016/3/24 50

施設情報および防災関連情報

ファイル形式:CSVおよびKML 提供方法:USBメモリにて

オープンデータフォーラムin橋本

Page 51: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

大阪市からご提供いただいたデータ②

:統計情報

2016/3/24 51

統計情報(エクセルファイル:約2000件)

文章やグラフを描画したものは除く

提供方法:HPよりダウンロード

オープンデータフォーラムin橋本

Page 52: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

大阪市の施設情報・防災情報の

LOD+簡易検索システム

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 52

大阪市の施設(9,238件)・防災設備(4,694件),標高(18,780地点)の情報のLODです.約3万地点の緯度・経度情報がLOD化され,

検索用API(SPAQRLエンドポイント)・簡易検索システムと共に公開.

SPARQL(RDF用検索言語)を使わずに,

簡単なキーワードによる検索が可能

http://lodosaka.hozo.jp/OsakaCityMapLOD.htm

LODチャレンジ2013「チャレンジデー賞」を受賞!

他のアプリを開発するときに,直接,利用できる仕組み

Page 53: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

大阪市の工業推移(統計データ)

のLOD化+可視化

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 53

大阪市の統計データをLinkData.orgでLOD化し,

App.LinkData.orgで可視化

アプリを開発

http://app.linkdata.org/app/app1s536i

LODチャレンジ2013「アプリクリエータ賞」を受賞!

他のデータについても同様の可視化が可能→後日のイベントで他のデータ(4~6事例)にも適用

Page 54: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

大阪におけるオープンデータ活動の

特徴を表すキーワード

2016/3/24 54

Linked Open Dataリンクト・オープンデータ

Osaka Innovation Hub 大阪イノベーションハブ

Open DataInstituteODI City Node Osaka

Civic Tech Osaka大阪から考えるCivicTech

活動拠点

活動の

こだわり

大阪市

の活動

オープンデータフォーラムin橋本

Page 55: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Osaka Innovation Hub

2016/3/24 55

• 世界市場に挑戦する起業家や技術

者が集まるビジネス創出支援拠点

• 「大阪から世界へ」をテーマに

年間約200回のプログラムを展開

• オープンデータ推進もOIHを拠点とし

て実施

http://www.innovation-osaka.jp/ja/オープンデータフォーラムin橋本

Page 56: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Osaka Innovation Hub = ODI Osaka

2016/3/24 56

http://theodi.jp/ODI Osakaは、イギリスODIに認定(2014/2/17)されたアジア初のCity Nodeとしてオープン

データによるイノベーションを推進する組織です。ビジネスインキュベーションを核とし、

オープンデータのスタートアップ支援を行います。ハッカソンやイベントを通じて、ハブとして

日本と世界をつなぐ役割を担います。( http://theodi.jp/about/ より)

オープンデータフォーラムin橋本

Page 57: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Civic Tech Osaka -大阪から考えるCivicTech-

2016/3/24 57https://www.facebook.com/civictechosaka

2014年度

アイデアソン,ハッカソン,

アプリコンテスト,等を開催

2015年度

• NPOと連携したアイデアソン・

ハッカソン

• アプリコンテスト受賞作品を

利用した街歩きイベント

大阪市・市民局を中心とした取り組み

オープンデータフォーラムin橋本

Page 58: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

大阪市

オープンデータポータルサイト

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 58

2016年3月17日

オープン

https://data.city.osaka.lg.jp/

• SPARQLエンドポイント

(API)を提供予定

• 活用事例にはLODを利用

したアプリ(=大阪市のア

プリコンテスト優秀作品)

を掲載

Page 59: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

大阪もよりなび

施設情報+標高情報により,洪水時

の避難場所をナビゲーションhttp://moyori.lodosaka.jp/

これまでのイベントの成果「施設・防災情報のLOD+SPARQLエン

ドポイント(API)」を活用することで,1日のハッカソンで開発!

2016/3/24

大阪から考えるCivic Techアプリコンテスト(2015年3月)

準優勝(優秀賞)

オープンデータフォーラムin橋本 59

Page 60: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

大阪市の警察署・交番と犯罪発生地点の

重ね合わせ

2016/3/24

LODチャレンジ2014ビジュアライゼーション部門 優秀賞

http://uedayou.net/osakacrimemap/大阪から考えるCivic Techアプリコンテスト(2015年3月)

特別賞(オープンデータ活用賞)

オープンデータフォーラムin橋本 60

Page 61: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

Civic Hack OSAKA 2014〜行政といっしょにまちの未来をHack!〜2014年:8/24(日)アイデアソン,8/30(日)ハッカソン

→技術者(3名)+公務員(2名)で「PUSH大阪」開発Teamを結成

→イベント後も開発を継続,アプリ公開へ

大阪から考えるCivic Techアプリコンテスト(大阪市主催)

にてWebサービス・アプリ部門の

「グランプリ」を受賞!(2015/3/21)

2016/3/24 61オープンデータフォーラムin橋本

「PUSH 大阪」開発の経緯

メンバー

・磯村 克彦

・上田 洋(Web版アプリ開発)※

・大西 裕子(iPhoneアプリ開発,

デザイン担当)

・木村 満秀(Web版アプリ開発)

・古崎 晃司(サーバアプリ開発)

・松村 亮平(iPhoneアプリ開発)※

・吉廣 之晴

※後に開発Teamに参加

Page 62: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

背景:「PUSH大阪」の開発

解決したい問題:行政情報の有効活用

1. 行政が発信する「価値」のある情報が,

必要な人になかなか届かない.

2. 新しい仕組みの導入に,コストをかけたくない.

→既存の情報・仕組みを,

うまく活用することで解決したい.

解決のアプローチ

1. すべての情報を一律に提供するのではなく,利用者が

「関心のある/必要な」情報のみを配信する

2. 自治体のHPで既に配信されているRSS(ホームページの新着情

報のデータ)を利用することで,低コストでサービスを実現

→「PUSH大阪」の開発

2016/3/24 62オープンデータフォーラムin橋本

市民が広報誌

やHPを読まない

業務は増や

したくない

Page 63: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

「PUSH 大阪」とは

行政が発信する情報が,なかなか市民に届かない という課題を,

ユーザが関心のある情報のみを,簡単に取得できる仕組み

で解決しよう!というアプリ( iOS・Androidアプリ版/Web版を提供)

2016/3/24 63

カテゴリ

で絞込

地域(区)

や対象者

で絞込

記事の閲覧

(大阪市HPへ)

「PUSH大阪」の特徴

• 大阪市HPの最新情報が,

スーマートフォン等で簡単に閲

覧できる

• 興味があるカテゴリ,地域を登

録しておくと,「興味がある情報」

のみが届く

• Android版では配信された情報

を定期的に通知バーに表示す

ることで,普段見落としがちな

情報に気づかせる工夫.

• 大阪市HPの更新情報(RSS)

を利用するので,導入に際し

自治体での追加作業は不要

http://push.jp.net

オープンデータフォーラムin橋本

Page 64: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

「PUSH大阪」の仕組み

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 64

大阪市,24区がそれぞれ

配信しているRSSを自動収集

メタデータ RSSの内容を解析し,

各記事の想定対象

者などのメタデータ

を自動付与

RDFデータ

ベースに格納

ユーザが登録した

属情報に応じた

情報を配信

Linked Open Data(LOD)として公開(※)

スマートフォン

アプリ &Webアプリ

により配信

HPの新着情報(RSS)を自動収集

追加情報の自動付与

※開発当初(2014年8月)はオープンデータで無かった

大阪市のRSSが,2015年11月からオープンデータ(CC BY)に!

Page 65: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

「PUSH大阪」の技術的優位性(1/2)

1.今あるHPの最新情報を“そのまま”活用できる!

→サービス導入の“追加コストがほとんど不要”

→既に“多くの情報”がある (大阪市では約40件/日)

2.RSSがあれば,対象データを“簡単に”拡大できる!

→ブログ,Faecbookページにも対応可能

100以上の

自治体に対応

「PUSH広報」

(他都市版)

大阪市のHP 地域コミュニティ

のブログ, Facebook地域コミュニティ発の情報を

同時に配信!(2015/3/2開始)→地域活動の活性化ツールへ

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 65

橋本市の情報にも対応http://push.jp.net/koho/index.html?area=Hashimoto-city

Page 66: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

「PUSH大阪」の技術的優位性(2/2)

3.RDFを用いた拡張性の高い仕組みでDBを実装しているため,

「PUSH大阪のDBを用いた,様々なシステム(機能)」が実現できる

→Web版では,その一部を拡張機能してテスト中

2016/3/24 66

取得データの統計 各記事に関連するデータの表示(β版)

地域情報の分析に利用可能

利用者の関心に応じた,

関連情報の推薦に活用可能

オープンデータフォーラムin橋本

Page 67: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

「地域課題分析基盤」に向けた展開

収集した情報をLOD化(オープンデータとして公開)すること

で,自治体が発信する広報情報を比較・分析する基盤化

データ公開サイト http://push.jp.net/data.html• 80自治体を対象に,1年間収集した情報をLOD化

• SPARQLエンドポイント(LOD用標準検索API)を提供

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 67

自治体毎の比較が

できる簡易分析ツール

SPARQLクエリによる

詳細な検索・分析

Page 68: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

ある“キーワード”をよく使う自治体

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 68

キーワードを

指定して比較

Page 69: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

各自治体でよく使われるキーワード

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 69

キーワード 件数

施設 166

地域 159

福祉 154

住宅 149

介護 91

環境 86

消防 84

保育所 84

教育 81

法人 80

大阪市

キーワード 件数

障害 50

保育所 50

アルバイト 41

福祉 38

企業 35

介護 30

大学 30

市営 28

地下鉄 24

生活 20

横浜市

キーワード 件数

気象 167

牛 118

科学 55

美術 52

美術館 40

議会 37

大学 32

文化 32

乳幼児 22

感染症 19

金沢市

キーワード 件数

臨時職員 89

建設 83

定時 77

水道 60

空き家 41

保育所 31

住宅 29

議会 22

購入 22

市営 20

室蘭市

記事(タイトル)に含まれるキーワードTOP10

自治体毎に特徴のあるキーワードが現れている.

※「事業」など一般的なキーワードは除外しています.

Page 70: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

特徴的な(おもろい)キーワード

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 70

“いちばん”多く現れたキーワードが特徴的な自治体

さいたま市

動物

金沢市

気象 糸魚川市

神戸市

美術

千葉市

動物

奈良市

プラネタリウム

南越前町

CATV

詳細な分析を進めると,いろいろなことが見えてきそう!

Page 71: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

月ごとの配信記事数の傾向

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 71

4-5月は

配信記事数

が少ない

Page 72: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

SNS上でのシェア数ランキング(β版)

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 72http://push.jp.net/BBT/fb-ranking.html

• Twitterでのシェア(ツィート)数

はFacebookの2倍以上?

• Twitterは犬・猫・動物関係の

記事が多い(上位20の半数)

http://push.jp.net/BBT/tw-ranking.html

Page 73: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

PUSH大阪の今後の展開

• PUSH大阪&PUSH広報

• 自治体がHPで公開している広報情報(新着情報のRSS)を,

利用者のニーズ合わせて配信するアプリ・サービス

• “RSSという自治体HPに広く普及している形式”を活用するこ

とで,地域横断的な展開が可能(100以上の自治体に対応)→今後,“オープンデータが自治体のCMS等に組み込まれた

際に可能となる仕組み”を先取りした事例!

• 「地域課題分析基盤」に向けた展開

• 80自治体を対象に1年間収集したデータをオープンデータ

(LOD)として公開(http://push.jp.net/data.html)• いくつかの事例を通して,地域毎の特徴・時系列に沿った傾

向などを分析する為に,有用な情報源となり得ることを確認

• 今後,対象自治体の拡大・データ収集の継続と共に,他の

オープンデータなどと組み合わせることで,地域課題の分析

基盤として発展させていく予定2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 73

Page 74: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

LODチャレンジ受賞作品

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 74

公式サイトhttp://lodc.jpの下の方に各年度の

受賞作品一覧への

リンクがあります.

Page 75: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

隣の町から町へ列島プチ横断クイズ

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 75

LODチャレンジ2015アプリケーション部門優秀賞

応募情報http://idea.linkdata.org/idea/idea1s1536i作品URLhttp://okabatu.github.io/lodc2015_trans/index.html

Page 76: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

プラネタリウムなび

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 76http://museums-info.net/planetarium/navi/

LODチャレンジ2014アプリケーション部門

最優秀賞

Page 77: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

京都が出てくる本のデータ

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 77

LODチャレンジ2014データセット部門

最優秀賞

応募情報http://lod.sfc.keio.ac.jp/challenge2014/show_status.php?id=d001作品URLhttp://libmaro.kyoto.jp/?p=72

Page 78: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

疾患コンパス

「疾患連鎖LOD」(LODチャレンジ2013「ライフサイエンス賞」)を,

他のデータセットと“つなげる”ことで,「疾患に関する様々な情報

を統合的に閲覧」できるサービスです.

古崎 晃司,山縣友紀,加藤 敦丈(大阪大学)今井 健,

大江 和彦(東京大学)溝口 理一郎(北陸先端科学技術大学院大学)

※本システムは「医療情報システムのための医療知識基盤データベース研究開発事業

(2010-2012,2013-2015年度,厚生労働省委託事業)」の助成を受け開発されたものです.→詳細 http://www.med-ontology.jp/

LODチャレンジJapan 2013:a105

DBpedia(日/英)

http://lifesciencedb.jp/bp3d/

疾患が「どのような原因/メカニズムで起こるか?」

疾患が「どのような症状を引き起こすか?」

といった疾患知識(オントロジー)をLOD化したもの.

(※各診療科の臨床医が記述)

疾患連鎖LODBodyParts3D(DBCLSにて公開)

http://ja.dbpedia.org/ http://dbpedia.org/…

臓器,器官等

の3D画像

疾患の概要

LODチャレンジ2013アプリケーション部門優秀賞

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 78

Page 79: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

「疾患コンパス」の利用方法

公開ページ http://lodc.med-ontology.jp/表示する疾患の「選択」or「検索」

(疾患名or含まれる症状などで検索可能)

疾患連鎖(≒「原因」から

「主な病態」「症状」に至る

「因果連鎖」)を表示

(疾患連鎖LODから生成)

疾患の主な影響範囲を

3D画像で可視化

(BodyParts3Dを利用)

疾患の概要を表示

(DBpediaを利用)

疾患定義

因果関係

異常状態

(病態,症状など)

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 79

Page 80: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

「ソウルフード」を選んで「地元率」を調

べるWebサービスです.

選んだ料理の「材料」と「産地」のデータ

から,その料理に占める各食材の産地

毎の比率(=地元率)を表示します.

「地元率」の計算

「地元」(都道府県)と「ソウルフード」

を選択して,ボタンを押すと,「地元

率」を計算し,結果を表示します.

選択した料理の「地元率」と合わせて,

• 「元としたデータの詳細(材料の地元率)」

• その地域(「地元」)で「地元率が高い料理

のランキング」

• 「地元率」を高めるための参考情報

が提示されます.

http://mij.hozo.jp/メイド・イン「地元」

LODチャレンジ2013アイデア部門「最優秀賞」

Page 81: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

SPARQL Timeliner

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 81

例)水都大阪の橋

大阪市HPの橋の情報をRDF化し, SPARQL Timelinerで可視化.

http://uedayou.net/osakabridge/

LODチャレンジ2013基盤技術部門優秀賞

http://uedayou.net/SPARQLTimeliner/

Page 82: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 82

LODチャレンジ2012公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団賞

横浜Maps上田洋、小林巌生、高橋徹、中川貴滋

https://itunes.apple.com/jp/app/id454685074

Page 83: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 83

LODチャレンジ2012シティデータ賞

さばえぶらり

上田洋,高橋徹,松村冬子,加藤文彦,藤田実紀,中川貴滋

https://itunes.apple.com/jp/app/id595859507

Page 84: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

まとめ:LODの公開と活用• オープンデータをLODとして公開することのメリット

• 既存のLODと「つなげる」ことで,相互にデータを補完

することが出来る

• Webの標準技術を用いたデータアクセス

• URL(IRI)によるグローバルなIDの提供

• URL(IRI)によるデータアクセス(=Webと同じ)

• 標準化されたAPIとしてのSPARQLエンドポイント

• これらに基づく「共通アプリの開発」が簡単

• デメリット

• なれないと,少し複雑に感じる?

→行政でLODとしての公開が難しい場合は,コミュニティで

サポートするなどの分担が重要と思われる2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 84

Page 85: Linked Open Data(LOD)を用いたオープンデータの活用事例と今後の展望

参考資料

• LODハッカソン関西 http://wp.lodosaka.jp/※過去のイベントの資料,LODの技術解説等を掲載

• LODの公開http://wp.lodosaka.jp/other/lod20150912kobe/• LODへのクエリ(SPARQL)http://wp.lodosaka.jp/other/lod20151123/

• LODチャレンジ http://lodc.jp/• リンクト・オープン・データ・イニシアティブ(LODI)による

「Linked Open Data連続講義」 http://linkedopendata.jp/?cat=17• 書籍:Linked Data-Webをグローバルなデータ空間にする仕組み,Tom Heath, Christian Bizer(武田英明監訳),丸善,2013• 書籍:オープンデータ時代の標準Web API SPARQL,加藤文彦, 川

島秀一, 岡別府陽子, 山本泰智, 片山俊明,http://sparqlbook.jp/2016/3/24 オープンデータフォーラムin橋本 85