試作品製作における FUSION360とRhinocerosのモ...

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試作品製作における FUSION360とRhinocerosのモデリング比較

話題の3DCADをプロダクトデザイナーが

実際に使ってみての実践レビュー

自己紹介

今回ご縁がありましてO3Dでスピーチをさせていただくことになりました

Next Product 下岡 英司と申します

本業はフリーランスプロダクトデザイナーです

個人で起業して早8年・・・もちろん現役です

家庭用品から自動車部品、学習教材まで幅広く

デザイン・企画のお手伝いをさせてもらっています

こんなの作ってます

第1戦 工業部品で勝負

回転体とブーリアン演算で出来る簡素な試作部品 造形手順 ・図面から断面形状を作成、回転体でベースを作成、ボルト穴、切り込みを作成し、 ブーリアン演算「差」でくり抜き ・突起部も断面を作成し、角度を決めて回転、ブーリアン演算「和」で一体化

Rhinoceros

・Rhinocerosはサーフェスモデリングで有名ですが、このようなソリッド形状も難なくこなせます ・すべてが「コマンド」によって実行されるのでコマンド習得と、サーフェスの概念を理解するのが 最初のハードルです

FUSION360

・画面が4分割されていないワークスペース ・多用するオービットがキーボド必須なので常に両手が塞がるのが気になりました ・最大の特徴はパラメトリックCAD、データ作成後にも数値の変換が可能です

工業部品の結果

• 簡易な形状であればどちらも基本操作をマスターすれば試作〜最終製品の製作にも十分対応できると思います

• FUSION 360は線=スケッチという概念で設計されているため、ワークスペースを行ったり来たりで作業が煩雑になる

• さらにFUSION 360はスナップしていても線が閉じなかったり、トリムできなかったりとスケッチ機能に関してはまだまだ完成度が低いと言わざるを得ない

• 結果 ソフトの歴史の差でRhinoceros パラメトリックは造形要素が増えれば増える程その真価を発揮される機能であり、今回の作図程度では実際そこまでの恩恵に預かるほどではないです 履歴は動作も若干不安定です

• 対してRhinocerosの操作性は数々のバージョンアップで完成の域にあると思います。言うなればAdobeのPhotoshopのような、もう改良するとこないでしょ?的感覚です

第2戦 自由形状で勝負

それぞれTスプラインとNURBSを使って数値化しにくいキャラクター物を モデリングをしましょう お題はオバケのライト・・なのでゴーストライト 名前は「新○くん」w 造形手順 ・球体を変形させてオバケの体をつくります ・腕を作り、一体化させてシェル化 ・顔をオフセットさせて作成 ・LEDの部品と嵌合させる部分を造形し、一体化

Rhinoceros

・Rhinocerosの場合は回転体を作成し、次数を増やします 制御点を移動し、しっぽを作ります

FUSION360

・FUSION360の場合は「フォームを作成」で「球」から作成します この場合もしっぽを作りやすいように制御メッシュを増やします ・後はライノと同様の流れで造形します

自由形状の結果

• FUSION360のフォーム(Tスプライン)は造形の経験が無かったのですが、なんとか形にする事ができました これは結構すごいことなのかも知れません

• 一部シェル化で上手く出来なかった部分もありますが、造形の仕方に問題があったのかも知れません

• RhinocerosはNURBSの造形は次数やコントロールポイントの意味を理解するのにある程度の習得期間が必要に思います

• 左右対称に造形できないのも残念な部分です

• さらにNURBSはオフセットすると制御点が異常に増えてコントロールしにくい面が作成されたり、面の接合が上手くできなかったりします

• 結果 初めてでも作れたFUSION360 さらにはパラメトリックを活かし、造形後も変形等が出来ることも素晴らしいと思います

総合結果

• 今回の試作作成における両ソフトの比較という意味ではどちらも問題なく、作成および3Dプリント出力することができました

• それぞれ得手不得手、良い部分、不満に思う部分がそれぞれあるのは事実ですし、人によって好みは違うと思います・・・が、それでも個人使用であれば実質無料のFUSIO360のインパクトは絶大だと思います

• Rhinocerosは安いとは言えWin版で¥144000、Mac版で¥78000します 個人使用ではハードルは高いと言えます

• 個人使用に限ってはFUSION360のポテンシャルは相当なものであると断言できます インストールする価値はあると思います

• ただし、企業で有料で使用する場合は他のパラメトリック系ソフト、例えばSolidWorks等実績のあるソフトは多数あります その中での優位性はまだ未知数であるとも言えるのではないでしょうか

• また企業としてはRhinocerosは安価であるため導入しやすく、NURBSやデータ変換に特化した使い方もできると考えます

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