ラボ用二軸スクリュ押出機 TEX25αⅢ±Ⅲ-52.5CW-4Vの主仕様 図3 TEX-FAN画面...

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ラボ用二軸スクリュ押出機 TEX25αⅢ

図1 TEX25αⅢの外観

図2 シリンダ分解図

2. 特 徴

特許番号:JP4192170

1. はじめに

製品・技術紹介

(129)

景気回復が見込まれプラスチック業界も徐々に活気を取り戻し始めている。業界において競争力強化のため、製品の高品質化、低コスト化を推し進めており、さまざまな複合化技術に対応するための製造プロセスの開発及び合理化が盛んに行われている。二軸スクリュ押出機は多くのプラスチックス材料の改質や高付加価値化に用いられ、その果たす役割は年々大きくなっている。これらを背景として、研究開発機への高性能化の要望が益々高まってきている。当社は、これら市場のニーズに対応するため、二軸スクリュ押出機TEXシリーズの改良に継続して取り組んできた。本稿では、研究開発機用として開発された最新鋭機TEX25αⅢの特徴について紹介する。図1にTEX25αⅢの外観を示す。

TEX25αⅢは、お客様の研究開発を迅速に進めるための最適な機能を搭載し、円滑な試験実施をサポートする。主な特徴を以下に述べる。

(1)世界最高レベルの高トルクを実現TEX25αⅢシリーズの開発コンセプトとして最も特徴的

な点は、TEX –α/αⅡシリーズからさらに高トルク化を実現し、世界最高レベルのトルク密度としたことである。これは高トルクを必要とするエンジニアリングプラスチックやスーパーエンプラをはじめとするあらゆる原料に対応することが可能であることを示す。 

また、高トルク化によって、従来のTEXでは得られなかった高能力および低樹脂温度での押出しと、それによる樹脂の高粘度領域での混練が可能となり、従来とは比較にならない高い混練分散性を得ることができる。

なお、TEX25αⅢには、トルクリミッターが標準装備されており、運転操作ミスなどによる減速機やスクリュへの損傷を最小限に抑える設計がなされている。

(2)組み換え作業時間の短縮研究開発機では、さまざまな種類の原料や添加剤を扱っ

た試験が行われるため、使用する原料に適したスクリュ/シリンダの組み合わせが要求される。そのため、スクリュやシリンダの組み換え作業は頻繁に行われ、特にシリンダ交換作業は長時間を要し、研究開発の効率化の妨げとなっていた。

TEX25αⅢのシリンダは、上下二つのクランプにより、シリンダ同士を締結している。図2にシリンダを取り外した場合の分解図を示す。シリンダ単体の重量は約4kgと軽量のため、一人でも容易にかつ短時間でシリンダ組み換え作業が可能となる。このことで作業に掛かる時間が短縮でき、押出試験や研究開発に時間を充当することができ、研究開発の効率化が図れる。

(3)解析ソフトウェアTEX- FANを標準装備かみ合い型同方向回転二軸スクリュ押出機の複雑な混練

挙動を予測することで、スクリュ形状やプロセス条件の開発を支援することができる。TEX25αⅢには、FAN(Flow Analysis Network)法を用いて独自に開発したシミュレーションソフトウェアTEX-FAN(図3)を標準装備している。

TEX25αⅢ - 52.5CW - 4Vの主仕様

図3 TEX- FAN画面

特許番号:JP3679392,JP3795852

【 標準シリンダ構成 】

【 主 仕 様 】

3. おわりに

製品・技術紹介

(130)日本製鋼所技報 No.65(2014.10)

TEX-FANを使用することにより、二軸スクリュ押出機を利用した新しいプロセスの開発を行う際に、スクリュ形状に代表されるハード面と運転条件に代表されるソフト面の両面で、開発時間短縮が可能となる。

本稿では、TEX25αⅢの特徴について概説した。本機は、当社の長年の実績とノウハウ、そして今までにない最新技術を盛り込み開発を行った。また、研究開発機に対するお客様要望を徹底的に調査し、お客様の視点に立った多くの機能を搭載した。

TEX25αⅢは、お客様のあらゆるニーズに対応するとともに、現状の課題を打破できるものと確信している。今後も時代の最先端をいく二軸スクリュ押出機TEXの開発に努力していく所存である。

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