国際クリーン交通委員会意見書(和訳)

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Formal comments to the Japanese Ministry of Economy, Trade, and Industry and the Ministry of Land, Infrastructure and Transport concerning proposed 2020 fuel economy standards for light-duty vehicles.

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2011年9月22日 〒100-8931 東京都 千代田区霞が関1-3-1 経済産業省資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 省エネルギー対策課 〒100-8910 東京都 千代田区霞が関2-1-3 国土交通省自動車局 自動車環境政策課 ご担当者様 International Council on Clean Transportation(国際クリーン交通委員会)(以下「ICCT」)は、経済産業省ならびに国土交通省(以下「省庁」)に対し、日本が提案した 2020年乗用自動車の燃費基準について意見を提供する機会を与えられたことに感謝します。ICCTのミッションは、個人・公共交通、および貨物輸送によって排出される従来の汚染や温室効果ガスの排出を

大幅に削減することにより、大気環境の改善や健康の増進、および気候変動を緩和することで

す。ICCTは、大気環境および交通問題において経験豊富で著名な官僚の方々や専門家たちが個人として世界中から参加し構成されています。ICCT は、自動車の排ガスや燃費向上のほか、燃料品質や代替燃料の持続性の向上、使用過程車から排出される汚染の低減、国際物流からの

排ガス抑制のためのベストプラクティスや包括的なソリューションを推進しています。 ICCTは、貴省庁がより燃費効率の良い乗用車を続けて推進される努力を評価します。日本は世界で最も燃費の良い多くの自動車メーカーの本拠地であることに加え、1998年以降、区分別燃費基準のほか、長い標準リードタイムの確立、世界初の重量自動車燃費基準などの革新を含

め、車両燃費を推進する政策の策定で先駆けとなりました。さらに日本には、車両重量や原動

機の排気量による自動車税および自動車重量税を課すなど、車両の効率向上に報いる経済的イ

ンセンティブを適用する昔からの歴史があります。日本の自動車メーカーの革新に加え、これ

らの政策によって、日本は世界で最も燃費の良い乗用車を持つ国の一つとなっています。 これに関連し、ICCTは、8月19日に貴省庁が提案した2020年乗用自動車燃費基準に対しての見解を示します。ここでは、貴提案の以下の側面に絞って意見を提供します。

1) 提案数値目標のEUおよび米国の基準との比較

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2) 規制構造には車両質量ベースを継続する点

3) 重量車両に大幅な削減を課すため基準値の傾きを軽減している点

4) 従来の区分別基準構造に代わり企業平均化アプローチを採用している点

5) 本基準における電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)の扱いについて

以下でこれらの各点を簡潔に検討し、必要に応じて技術補足資料にて詳細に説明します。

提案数値目標の EUおよび米国の基準との比較 ICCTの試算によると、貴省庁が提案している2020年基準20.3km/L、すなわちMY2020年車両について2009年比で効率24%増という数値は、欧州(NEDC)の試験方法でキロメートルあたり二酸化炭素(CO2)約105グラムに換算されます(車両の質量と平均馬力の差異は未調整)。これを、同じくNEDCの試験方法にて算出した欧州乗用車(2020年)の95g/km、および米国乗用車(2025年)の93g/kmと比較します。車両サイズや、質量、出力重量比で平均化すると、ICCTの試算では、このEUの予想目標値は2009年型日本車に対し89g/kmに換算される一方で、米国提案の2025年乗用車の目標値は日本車に対し76~86g/kmになります(代替燃料車両がなく、省エネエアコンへの優遇の度合が変動する場合)。技術面から見ると(3つの地域間で一定の車両サイズ、質量、および出力重量比を使用した場合)、日本の2020年の目標値はEUや米国の予想基準よりも緩い基準となりそうです。 基準の厳しさを評価するには、燃費の年間増加率に注目する方法もあります。提案のMY2020年車両について2009年比で24%増という数値は、年間約2%の燃料消費量の削減となります。比較すると、米国の2012~16年の基準では、乗用車において年間約4.6%の燃料消費量の削減が必要です。米国の2025年基準では、様々な優遇措置により調整した場合も、その後引き続き年間約4.1%の燃料消費量の削減が必要です。EUの場合、2010年平均消費量142g/kmから2020年には平均95g/kmまで削減するとしており、これは年間約3.9%の燃料消費量削減(燃費の年間4.1%増)を表します。このように、年間の燃費向上を基準にした場合も、日本の提案基準値は米国やEUの予想基準よりもはるかに消極的な数値となっています。 規制構造には車両質量ベースを継続する点 複数のICCTの研究論文1が強調するように、乗用自動車の燃費効率目標値の充て方に車両の質

量を使用するのには問題があります。車両質量を使用する場合、基準に沿うには、燃費向上の

1 German, J. と N. Lutsey 著、2010 年。サイズまたは質量? 燃費基準の属性としてサイズを選択する技術上の

論拠、ICCT ホワイトペーパー第 9号。次のオンラインのリンクから利用可能:

http://www.theicct.org/2010/08/size-or-mass/、

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最重要手段の一つである質量の削減が除外されることになるか、少なくともあまり評価されな

いことになります。加えて、質量は車両の実用性においては重要な要素とは言えません。他の

すべての条件が等しいと仮定すると、同等の機能(サイズ、馬力、安全性など)を備えた2つの車両から選択できる場合、消費者はより軽量かつ燃費の良い車両を選択する可能性が高いで

しょう。これとは対照的に、サイズに基づく基準は、メーカーが、技術面で制約を受ける事な

く、車両燃費を上げるためにコスト効率の高い戦略を考案できると同時に、燃費基準が与えう

る影響力を維持することが出来ます。

燃費基準目標値の傾きを軽減する ICCTは、上述の質量に基づく基準で提起された問題がある程度緩和できる点において、日本の2020年基準で示された傾きを評価します。軽量化技術に対する低い評価や、今後、平均車両質量が増加する場合に自動車全体の燃費目標値がはっきりしないことなど、質量に基づく基準

の欠点は、基準の傾きを少なくすることでいくらか低減できます。以前は、日本の乗用車の燃

費基準は、たいへん大きな傾きがあることが注目されていました。特に、2015年基準は世界中の質量に基づく基準のうち最も大きな傾きがありました。提案目標の傾きをEUや韓国の目標と比較すると、同じ提案平均基準の目標値を維持したまま、さらに低減することができます。

もちろん、傾きが少ない場合でも、質量に基づく基準においては、車両質量の軽減による燃費

の向上はあまり評価されません。サイズに基づく基準は、その潜在的な影響力を維持しながら、

軽量材料の使用を高く評価することができます。

企業平均化アプローチの採用 貴省庁は、すべての区分に適用できる企業平均化アプローチを介して、日本の2020年目標を施行すると提案しています。これにより、柔軟かつ特化したコンプライアンスソリューションを

メーカーが策定でき、一層コスト効率の高い基準を実現できるはずです。過去に使用されてい

た区分別の平均化アプローチにより、日本の燃費規制は、メーカーが基準よりも燃費効率の高

い車両の販売から得たクレジットを、基準を満たすのによりコストのかかる他の車両に適用す

ることを制限してきました。メーカーが最大限の柔軟性を持って、厳しい環境基準を順守する

ためコスト効率の高い方法を考案できるよう、ABT (車両ごとではなく企業内の全車両による平均化、各年ではなく複数年間に渡る期間内での達成、複数企業間での燃費値取引)などの

柔軟なメカニズムが世界中で広く使用されています。ICCTは、そのような柔軟なメカニズムの導入を支持します。

Mock P.、2011 年。EU のパラメータに基づく自動車の排ガス目標値の評価:規定の設計で 2020 年の CO2 目標が

どうしたら達成できるか、ICCT ホワイトペーパー第 10 号。次のオンラインのリンクから利用可能:

http://www.theicct.org/2011/07/evaluating-parameter-based-vehicle-standards-in-the-eu/

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先進技術の扱いについて 2015年目標値とは対照的に、今回の提案は、各質量クラスにおけるガソリンと電気のハイブリッド車(以下「HEV」)がトップランナー車と指定され、相対的販売率と平準化で2020年目標値が設定されました。このなかで貴省庁は、HEVの売上は、2010年現在の約10%の市場占有率比であるのに対し、2020年には18%になると想定しています。HEVの市場浸透率においては日本がマーケットリーダーであるために、トップランナー車両としてHEVを使用することは適切です。EUおよび米国との比較では、2020年のHEVの市場占有率の想定は、明らかに控えめであると思われます(補足資料を参照)。現在の市場占有率や、予想されるハイブリッド技

術の進歩、バッテリーコストの低減に基づくと、2020年には日本のHEVの売上は25%を超えることが見込まれます。HEVの市場浸透率をもっと適切に想定できると、より厳しい燃費基準が可能になるでしょう。 短期、中期的には、内燃機関が乗用車の動力手段として引き続き最も利用されると予想される

一方、過去10年間、より低燃費が見込まれるプラグインハイブリッド車(以下「PHEV」)および電気自動車(以下「BEV」)を含む、様々な電動パワートレインの開発と展開が行われてきました。貴省庁は、車両に見込まれる燃費に比例し、PHEVやBEV車を販売するメーカーにクレジットを与える規定を設けている一方、現在の売上がまだ少ないことを理由に、PHEVとBEVを2020年目標値から除外すると提案しています。ICCTは、適切なエネルギー換算係数(電気には3.6 MJ/kWh、ガソリンには32.9 MJ/L)を適用し、JC08モードで見込まれる燃費に比例した、先進のBEVとPHEVの販売に対し自動車メーカーにクレジットを与える日本の提案を評価します。ICCTは、このアプローチは当面は適切であると考えますが、将来の燃費基準では、電気自動車に対し油井から車輪まで(WTW)の排出計算の使用を薦めます。

2025年基準における検討事項 上述のとおり、日本は、長いリードタイムの燃費基準の策定におけるリーダーです。他の国々、

特に米国は、2020 年だけでなく 2025 年向けの基準を現在策定中です。ICCT は、燃料消費量と潜在的なコスト削減のための車両技術の選択肢について長期的見通しと検討を独自の取り組

みで行っています。これらの取り組みにおいては、2020~2025 年の期間中に市場に出ると期待される様々な技術に関する車両技術のシミュレーションや、部品ごとに細分化した分析を通

しこれら技術の潜在的なコスト評価などを行っています。この取組みにより、2025 年の乗用車と軽商車用の厳しい燃費基準設定において公正で典型となる基盤を提供できると考えます。

貴省庁が、日本における交通部門からの燃料消費量および CO2 排出を削減するよう引き続き

取り組んで行くにあたり、ICCTはこれらの分析結果を喜んで提供したいと考えています。 要約すると、ICCTは、貴省庁の2020年目標提案により、日本における乗用車の燃費向上が推進されると確信しています。軽量原料の低評価を改善するため目標値の傾きを軽減しているほ

か、企業平均化アプローチを介して基準を施行すること、JC08モードによる基本効率に比例して先進技術車のBEVとPHEVの販売に対し自動車メーカーにクレジットを与えることなど、

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すべて素晴らしい提案だと考えます。その一方で、技術面では、2020年燃費目標値はあまり厳しい規制とは言えず、EUおよび米国で検討されている排出基準に比べると、大きな努力を要さず達成できるものと考えます。この提案にはさらに微調整する余地も残っています。ICCTは、乗用自動車の燃費向上を推進する世界的リーダーとしての地位を日本が維持できるように、

現在の目標値をEUや米国の目標値に沿った値に近づけることをお薦めします。 2020 年基準提案に意見を提供する機会をいただいたことにあらためて感謝いたします。本件に関する貴省庁の最終決定を伺うこと、また日本で設定された基準に対し国際的な視点を再び

述べる機会があることを楽しみにしております。ご質問、コメント、またご提案がおありの場

合は、ICCT の日本担当 Dr. Daniel Rutherford(dan@theicct.org)、または乗用自動車プログラム担当 Dr. Anup Bandivadekar(anup@theicct.org)までご遠慮なくお問い合わせください。 敬具

国際クリーン交通委員会 エグゼキュティブ・ディレクター Drew Kodjak

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技術補足資料 提案基準の厳しさについて 図 1は、世界の乗用自動車の燃費基準の比較を示しており、New European Driving Cycle(新

欧州走行サイクル)(以下「NEDC」モード)での測定により、キロメートル当たりの CO2 のグ

ラムに標準化されたものです。(この図は、米国とカナダの軽量トラックの影響を含んでいま

す。)この図のとおり、2015 年の日本の値は世界で最も厳しい基準の一つですが、これは他の経済協力開発機構(以下「OECD」)加盟国と比較して、日本ではエンジンのサイズとパワーが小さい小型軽量車の占有率が高いことが要因の一つです。その後は、EU の 2020 年基準の提案内容は、日本の 2020 年の提案よりもより厳しくなるとみられ、また米国と中国が提案する政策目標では、2020年までに日本との差が飛躍的に縮まると推定されます。 図 1:採用および提案された国別乗用車燃費基準および、排出規制NEDCモード

質量軽減技術の可能性および質量に基づく基準における質量軽減の低評価 車両効率は、パワートレインの効率向上または自動車荷重の低減によって向上させることが可

能です。パワートレインの効率向上は、サイズまたは質量のいずれに基づく基準においても等

しく奨励できます。しかし、慣性損失、タイヤ転がり抵抗の損失、付属品荷重などを含め、自

動車荷重の低減の多くは、質量の軽減によって実現されます。これと対照的に、車両サイズは、

空力的損失に間接的に関係しているにすぎず、その他の要因と比較して燃料効率に与える影響

は少なくなります。 基準の主な目的は、より効率的な車両を開発・販売するためのインセンティブを与えることで

す。サイズに基づく基準によってのみ、消費者にとって非常に大切な実用性のパラメータであ

る車両サイズを変更することなく、技術を改善し、損失(慣性損失、またその他の要因による

損失)を低減するメーカーを高く評価することができます。質量に基づく規定は、自動車メー

カーが車両軽量化へ向かうインセンティブを妨げるか、もしくは差し引くことになります。自

動車メーカーが質量ベースの燃費基準のもとで軽量技術を展開した場合、こうした技術はます

ます厳しい基準の対象となります(図 2)。結局、質量指標基準においては、車両効率を向上するために重要な技術的方向性が正当に扱われなくなります。

中国

2020:117

米国

2025:107

日本

2020:105

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図2。同じ効率と軽量化技術の影響をサイズに基づくCO2排出基準および質量に基づく

CO2排出基準で比較した場合 多くの工学研究では、軽量原料、質量を最適化した包括的な車両構造設計、先進の軽量接着お

よび組立て技術を展開することで、車両サイズや機能を損なうことなく、また部品コストをわ

ずかに増やすだけで、車両の質量を最大 30%削減できることがわかっています。2 表 1 は、2010 年のロータス・エンジニアリングの調査を基に、MY2010 年トヨタヴェンザを基準車両として使用し、複数の車両部品の質量軽減の可能性と、コスト増について要約したものです。

この調査では多目的車を基準車両として使用しましたが、検討した技術は、他の乗用車や軽ト

ラックにも適用できます。

2 Geck, P. J. Goff、R. Sohmshetty、K. Laurin, G. Prater、V. Furman、2007年。影響フェーズII - ピックア

ップトラックの重量を25%軽くする調査。ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ。2007-01-

1727、Goede, M.、M. Stehlin、L. Rafflenbeul、G. Kopp、E. Beeh、2009年。超軽量車 ‒ 複数材料設計および

機能の統合による軽量製造。欧州輸送リサーチ・レビュー。1:5-10、ロータス・エンジニアリング、2010年。

2017-2020モデル・イヤーの車両プログラムにおける質量の低減機会の評価。次のオンラインのリンクから利用

可能:http://www.theicct.org/2010/03/lightweight-future/

GH

G排出率(

g C

O2/

mi)

トヨタ車モデル(MY2008) トヨタ車平均(MY2008)

2016年の米国自動車の基準 パワートレイン効率化 (-8% CO2) 質量の最適化(-8% 質量)

トヨタ車モデル(MY2008) トヨタ車平均(MY2008) 質量指数基準 パワートレイン効率化(-8% CO2) 質量の最適化(-8% 質量)

GH

G排出率(

g C

O2/

mi)

カローラ カローラ

トヨタ

車平均

トヨタ

車平均

カムリ

カムリ

車両のフットプリント (ft2) 車両の質量(kg)

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表 1:質量の軽減の可能性 基準:トヨタヴェンザ ロータス・エンジニアリングの設計 システム 重量(kg) 2020ヴェンザ 2017ヴェンザ

%質量の低減 %コスト要因 %質量の低減 %コスト要因 本体 383 42% 135% 15% 98% クロージャー/フェンダー 143 41% 76% 25% 102% バンパー 18.0 11% 103% 11% 103% サーマル 9.25 0% 100% 0% 100% 電気系統 23.6 36% 96% 29% 95% インテリア 252 39% 96% 27% 97% 照明 9.90 0% 100% 0% 100% サスペンション/シャーシ 379 43% 95% 26% 100% グレージング 43.7 0% 100% 0% 100% その他 30.1 24% 99% 24% 99% 合計 1290 38% 103% 21% 98% 日本メーカーを含め多くの自動車メーカーは、将来の燃費および CO2 排出基準を満たすため

に、技術戦略全体の核として車両の質量軽減を取り入れる予定であるか、または計画中です。

フォードは、2011~2020 年の期間、モデルあたり 250~750 lbs の車両重量の削減を予定していると述べています。3 この数値は平均で、現在米国で販売されているフォードの新車両質量の 12%減に相当します。同様に、日産は 2015 年までに車体あたり 15%の質量軽減を目指しており、これは同社の 2008 年新車両から平均で 500 lbs の軽減にあたります。4 マツダは車両あたり 220 lbsの削減を目標としており、これは同社の現在のフリートの 6%減に相当します。また、同社は 2016年までにさらに 220 lbsを削減すると表明しています。5 トヨタは、2015年の期間までにカローラの質量を 30%、中型モデルについては 10%削減する可能性があるとしています。6 質量に基づく基準では、これらの車両質量の削減と効率向上のための取り組みを全くあるいは部分的にしか評価しないことになります。

3 フォード・モーター、2009。サスティナビリティのためのブループリント:当社の将来の取り組み、フォー

ド・モーター、2009。フォード・モーターの事業計画。上院銀行委員会に提出。

4 Keith, D.、2010年。『自動車の重量削減競争におけるHSS、AHSSおよびアルミニウム・ジョッキー。』アメリ

カン・メタル・マーケット・マンスリー。2月1日。

5 Lago, C.、2009年。『マツダ:ハイブリッドはノー、重量削減はイエス、現在のテクノロジーのアップグレー

ド。』http://wot.motortrend.com/6503256/green/mazda-no-to-hybrids-yes-to-weight-reduction-upgrading

-current-tech/index.html。3月30日。2010年4月5日の調査、グリーンカー大会、2008年。『マツダ、2015年ま

でに全車両の燃料消費量の平均30%を削減目標に。』http://www.greencarcongress.com/2008/06/mazda-

targeting.html。2010年4月5日の調査、米国環境保護局(U.S. EPA)、2009b。規制影響分析の草稿:乗用車温

室効果ガスの排出基準、および企業の平均燃費基準を確立するために提案された規則の制定。9月。EPA-420-D-

09-003。 6 Ibid.

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燃費目標値の傾きを軽減する 理論上、販売車両の種類に拘らず、一定の燃料効率目標値の達成をメーカーに要求する「フラ

ットな」燃料効率基準とは、傾きが全くない特性ベースの基準であると考えることができます。

軽量化技術の低評価に加え、平均車両重量が増加した場合フリート全体の効率目標値がはっき

りしなくなる点など、重量に基づく基準の欠点は、より傾きの少ない基準を採用することで緩

和できます。表 2で示すとおり、日本の乗用自動車の燃費基準は、現在のところ最も傾きが急であり、重量に基づく基準が与えうる問題点をより深刻にしています。7 一方、2020 年の提案目標値は前期よりも傾きが少ないため、重量に基づく基準によって生じる問題をいくらか緩和

する方向へ向かっています。ICCT は、メーカー間での高い競争力を大幅に悪化させることなく、基準の傾きをさらに 10%削減することが可能であると考えます。

表 2:質量に基づく乗用車の燃費/GHG基準の傾き(L/100 km)

国 基準 勾配(L/100km vs 質量)

日本 2015 0.0039 2020 0.0024

EU 2015 0.0020 中国 2015 0.0036 韓国 2015 0.0021

先進車両の扱いについて 2017~2025年MY乗用車GHG排出規制および燃費基準に関する米国の追加公示(SNOI)では、2つの車両カテゴリー(乗用車と小型トラック)において年間約4%の向上が提案されました。2010年9月に米国環境保護局(以下「EPA」)および運輸省(以下「DOT」)が発行した共同技術評価暫定報告では、年間4%の向上を達成するために、両省とも、将来の技術の浸透について異なる強調点と試算を基に4つの技術的方向性について検討しました。8 4つ全ての方向性で検討されている主要技術の1つとして、ハイブリッド車の浸透率は、他の主要技術の浸透レ

ベルに応じてMY2025年フリートにおいては3%~41%の範囲となります。(表3) HEVの市場占有率が2025年までに34~41%になるとした上で、シナリオAとDは、米国の全ての新乗用車両で15%の質量軽減が達成されるとしています。

7 基準の傾きは、NEDCの同等の l/100kmの期間のすべての基準を変換して計算されました。基準の直線回帰は次

のように表します:燃料消費量(l/100km単位) = (傾き) x (質量) + 定数。

8 次のオンラインのリンクから利用可能:http://www.epa.gov/otaq/climate/regulations/ldv-ghg-tar.pdf

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表 3 年間4%の向上率達成に向けた技術的方向性

MY2025年全車両向け新車への技術の浸透

質量の軽減 ガソリンとデ

ィーゼル車両 HEV PHEV EV

コース A 15% 65% 34% 0% 0% コース B 20% 82% 18% 0% 0% コース C 25% 97% 3% 0% 0% コース D 15% 55% 41% 0% 4%

今から2025年までのハイブリッド乗用車の販売が直線的に増加すると仮定すると(2010年の新車HEVの市場占有率は4.3%)、MY2020年までにHEVの市場占有率が17%~19%になる必要があると推定しています。この浸透率は、日本の基準提案で予測しているのと近い値です。ただ

し、日本の現在の軽量HEVの浸透率が米国の浸透率よりかなり高い事実を踏まえると、2020年の市場占有率が18%という値はあまりに控えめかもしれません。日本におけるハイブリッド車の市場占有率と同じ増加率を適用すると、2020年のHEV市場占有率は25%~30%の範囲になることが予想されます。このようにHEVの市場浸透率が増加すると、より厳しい燃費基準が可能となり、2020年EU基準予想と日本の基準提案の差が縮まるものと考えられます。

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