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“弟子入り”ゲーム
〜開発者 / デザイナーのためのUXインタビュー入門講座〜
<EM ZERO & アジャイルUCD研究会>
Tech Fielders セミナー東京 [Agile Day 3]
2010年6月24日(木)
本日の講師
• 樽本徹也 TARUMOTO Tetsuya– 利用品質ラボ代表
– ユーザビリティエンジニア/認定HCD専門家
– NPO 人間中心設計推進機構理事
– アジャイルUCD研究会 共同代表
• 野口隆史 NOGUCHI Takafumi– 株式会社マナスリンク代表取締役
– EM ZERO編集長
はじめに
UX
• User eXperience ≒ UI– 見た目(Interface) + 振る舞い(Interaction)
アジャイルUX
• アジャイルUX = アジャイル+ UX
今、もっとも“ホット”な分野の1つ
ユーザ中心設計(UCD)
「ユーザ中心なんて当たり前!」――それが事実ならば喜ばしいことなのですが…
UCDの第一法則
ユーザの声、
聞くべからず
ユーザの声の正体
)(xfV =voice of user:ユーザの声 experience:体験
• ユーザの声とは、『自分の体験を“自己流”に分析した結果』に過ぎない!
自己流分析
そもそも「設計者」とは…
• ユーザから解決案を提案してもらう人?
• ユーザに解決案を提案する人?
医者(ヤブ医者除く)は患者の言うことを決して“鵜呑み”にはしない。慎重に診察して正確な診断を下してから、治療法(解決案)を提案する
技術指向
なぜ作るのか?
何を作るのか?
どう作るのか?
ユーザ指向
なぜ作るのか?何を作るのか?
どう作るのか?
師匠と弟子
ユーザが師匠、設計者が弟子。設計者は“弟子入り”するつもりでインタビューする
Contextual Inquiry
• 迷(?)訳すると
– 状況的質問
– 文脈における質問
– コンテキスト調査法 etc…
『現地現物』(現場に行って)先入観を持たず、白紙になって観察せよ。
五回の「なぜ」を繰り返せ(by 大野耐一)
Contextual Design: Defining Customer-Centered Systems
そのココロは
弟子入りゲーム
シナリオXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
ゲーム概要
• チーム対抗「インタビュー」合戦– 師匠チームと弟子チームに分かれる– 師匠役はシナリオの人物になりきる
– “弟子”チームは「インタビュー」で“師匠”チームのシナリオの内容を明らかにしていく
– 前半戦+アドバイス+後半戦
インタビュー
回答
“師匠”
“弟子”
対戦組み合わせ
• 各テーブルの人数に応じて
2対2
バディ
2対1
バディ
1対1
役作り
• シナリオ配布~読み込み
– 各テーブルにシナリオAとBを配布
– 各バディはいずれかのシナリオを選択
– 各バディはシナリオの人物に(なるべく)成りきることができるように読み込む
• 相手チームにシナリオの内容がバレないように注意!
制限時間:10分
先攻後攻を決める
師匠役の心得
• シナリオの人物になったつもりで答える
• 聞かれたことには誠実に答える
– シナリオの内容に反するウソは言わない
• ただし、自分からペラペラ喋りすぎるとゲームにならないので注意
• シナリオに書かれていない内容については、“文脈に沿って”想像して答えて構わない
前半戦 – 表
• まずは挨拶
• 師匠チームはシナリオの1枚目「イントロ」だけを弟子チームに見せる
• 弟子チームは自由にインタビューする
– なるべくメモを取りながら話を聞こう!
制限時間:5分
前半戦 – 裏
制限時間:5分
• 攻守交代する
ストーリーカード作成
• 各チームはインタビューの結果から、対戦相手のシナリオの内容を推定する
• 推定した内容をカードに書き出す– 1つの事実は1枚のカードに書く– 1チーム当たり5枚以上、10枚以下
制限時間:5分
○○さんは犬を飼っている
犬の名前は「ゴン太」であ
る
○○さんは
毎朝ゴン太と散歩する
その散歩で、
だいたい5キロ歩く
そのお陰で○○さんは5キロ減量できた
採点
• 師匠チームにストーリーカードを渡して採点してもらう(採点が終わったらカードを返す)
– 1枚ずつ採点する
– 三段階評価
制限時間:5分
○ シナリオに書かれている事実と一致する場合
△ シナリオに書かれている事実とは少し異なるが、文脈的にはそれほど間違っていない場合
× 事実とは異なる場合
弟子の心得
• 占い師ではない
• 点でなく線で
• 根掘り葉掘り
後半戦 – 表
• 同じ相手と引き続き対戦
制限時間:15分
相手が苦戦しているようならば、今回は、師匠役は少し「ヒント」をあげよう!
後半戦 – 裏
制限時間:15分
• 攻守交代する
相手が苦戦しているようならば、今回は、師匠役は少し「ヒント」をあげよう!
ストーリーカード作成
• 相手のシナリオの中で、なるべく「重要」と思われる内容を中心にカードを作成する。
– カードの枚数に制約無し
– ただし、枚数よりもポイントを押さえていることのほうが大切
制限時間:10分
答え合わせ
• 互いにシナリオを公開する(相手にシナリオを見せてあげる)
• シナリオと照らし合わせてストーリーカードを採点する(自分のカードを自分で採点)
制限時間:5分
おわりに
UXの5つの要素
J.J Garrettが提唱した『The Elements of User Experience』
Surface(表層)
Skeleton(骨格)
Structure(構造)
Scope(要件)
Strategy(戦略)
UCDのプロセス
1. 調査:ユーザの“利用状況”を把握する。
2. 分析:利用状況から“ユーザニーズ”を探索する。
3. 設計:
ユーザニーズを満たすような“解決案”を作る。
4. 評価:解決案を“評価”する。
5. 改善:
評価結果をフィードバックして、解決案を“改善”する。
6. 反復:評価と改善を“繰り返す”。
UCDのチーム例
UCDの手法例
もうちょっと詳しく知りたい
EM ZERO予告
EM ZERO Vol.6 ・・・2010年8月下旬予定
EM ZERO Vol.7 スクラム特集号 ・・・2010年9月下旬予定
◎EM ZERO “無料”お取り寄せ http://www.manaslink.com/em/
さらに詳しく知りたい
• 拙著…『ユーザビリティエンジニアリングユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック』(樽本徹也(著)、オーム社 2005年)
おわり• EM ZERO
http://www.manaslink.com/• アジャイルUCD研究会
http://groups.google.co.jp/group/agileucdja
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