発注コンサルティング - 自営型テレワーク(在宅ワーク)に...

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発注コンサルティング

報告書

平成27年度 厚生労働省「在宅就業者総合支援事業」

【Step1. 募集】

無料相談に関心を持った 企業や団体を選定。

【Step2. 説明】

最初に、在宅ワーク(含 クラウドソーシング)の概念や業界動向、代表的な業務とサービス形態などを説明し、疑問点について回答。

【Step3. ニーズ把握と対応策】

各社の業務内容や進め方について聞き取り、ニーズの把握を行う。その上で、仲介機関やクラウドソーシングなどの活用について対応策を提案、 必要に応じてフォローアップ。

発注コンサルティングのフロー

1

【参考】 発注コンサルティングで使用した 主な資料

『在宅ワーク&クラウドソーシング活用のポイント』 【参考資料1】

『在宅ワーカーへの発注企業事例集』 【参考資料2】

『在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン』

『在宅ワーカーのためのハンドブック』 等

2

※参考資料1と2は、本資料に添付。

全体の傾向-1

【実施方針、対象組織について】

在宅ワークの活用を広める活動の一環として、「発注コンサルティング」の広報活動は、民間企業に加えて、各種団体や大学等も対象とした。

関心を示した組織の殆どが、「在宅ワーク」や「クラウドソーシング」の用語は聞いたことがあるが、具体的にどのようなものかは知らなかった。

ただし、一部の企業では、直接請負型で在宅ワーカーを活用している例もみられた。

3

全体の傾向-2

【発注における課題】

各組織の大半は、在宅ワークを説明して理解を深めていく中で、何らかの発注ニーズがあることはわかった。

しかし、そこで実際に活用をする上での課題もいくつかあがった。例えば、 • 在宅ワーカーのスキルや人柄がわからないので、信頼できるかど

うか不安。

• 人材不足の場合は派遣会社などを使って乗り切ってきたので、コストが下がるとはいえ、わざわざアウトソーシングの手段を変えるまでには踏み切れない。

• まだ活用したことがないので、社内手続きが煩雑そうに思える。

【今後の方針】

在宅ワークの具体的な内容を説明し、在宅ワークを活用するニーズは潜在的にあることはわかった。しかし、在宅ワークというアウトソーシング手法は十分には知られておらず、地道な情報提供が必要だと思われる。

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発注コンサルティング

事 例 集

5

組織概要

業種: インターネット・ビジネス 主な事業:インターネットのコンテン

ツの企画・制作・運営・管理 所在地: 東京都

在宅ワークのニーズ

複数のサイト制作や、掲載コンテンツの作成のために、既にクラウドソーシングを活用している。

長期にわたって在宅ワーカーを活用しているが、その都度、クラウドソーシングサイト上で依頼せねばならず、手続きが煩雑で、また手数料もかなりかかっている。ただ、サイトを経由せずに直接契約するのは規約違反になるので、避けたい。

対応策の提案

最近では、クラウドソーシングを多用する企業の中には同様の声が増えおり、クラウドソーシング企業の中には、簡易な依頼内容の場合は手数料を無料化したり、長期で仕事を依頼したい企業向けに人材紹介業に参入した企業もある。

他に、新たにクラウドソーシング事業を開始した異業種からの参入企業では、実験的に無料の人材マッチングサイトを始めた企業もある。

一般の人材紹介業よりは安価で人選もしやすいので、意向にあうと思われる。

今後の意向

上記の対応案の情報を基に、各社のサービスの詳細を基に、具体化を検討する。

6

No.1

組織概要

業種: 出版 主な事業:社会科学や人文科学分

野の書籍の出版 所在地: 東京都

在宅ワークのニーズ

書籍の作成過程で、文章の校正業務などは、場合によっては、在宅で校正のプロフェッショナルに依頼することがある。この業務を至急仕上げないといけない場合などは、人手が足りなくなる可能性がある。ただし、守秘義務の懸念から、信頼関係がある人にしか依頼しにくい。

書籍の表紙のデザインや図表等の作成などは、従来、専門の企業に依頼しているが、これも在宅ワーカーに依頼する可能性のある分野。

対応策の提案

在宅ワークの仲介機関の中には、出版物の校正関係の業務を主要な業務として行っているところがある。また、仲介機関に登録している在宅ワーカーの中には、校正を得意とする人は見受けられる。

クラウドソーシングの登録者の中にも、同様の人がいると思われる。

ただし、依頼する人との信頼関係を重視するということなので、機密性の低い内容のものなどを試験的に依頼して、スキルレベルと信頼度を確認するのが良いと思われる。

今後の意向

まだ使ったことがないので、繁閑期の状況を見ながら、利用を検討する。

7

No.2

組織概要

業種: 映像制作 主な事業:ビデオ撮影・編集、デジタ

ルコンテンツの制作等 所在地: 東京都

在宅ワークのニーズ

結婚式の撮影などは大安吉日に集中するので、どの撮影会社も忙しく、人手不足になることがある。

映像制作の業界では、カメラマンやディレクターはフリーランスが少なくなく、繁忙期に依頼することもある。

映像に組み込む文字おこし等は、元社員などで主婦数名に在宅で仕事を依頼している。

地方撮影の場合に、現地の撮影スタッフを探すが、手間がかかる。

やはり信頼できる人かがポイント。

対応策の提案

在宅ワークの仲介機関の中には、撮影関係の仕事を請け負うところがある。

同分野はフリーランスが多く、クラウドソーシングの登録者の中にも、同様の人がいると思われる。

文字おこしなどは、在宅ワーカーに依頼できる場合が多い。

従って在宅ワークの活用を増やす可能性はあると思われる。

繁忙期に試験的に活用してみたり、地方での撮影の補助として活用してみることが考えられる。

今後の意向

まず、当人の実績などを把握した上で、地方の撮影スタッフの不足時に活用することを検討する。

8

No.3

組織概要

業種: 生命保険 主な事業:中小企業経営者向けの生

命保険等のサービスの提供等 所在地: 大阪府

在宅ワークのニーズ

中小企業経営者に生命保険の提供などを行っている。

その際に、各社の事業活動の相談になることがあるが、チラシの作成やアンケートの作成・集計などの点で要望を聞くことがある。

これまでは、要望にそった企業を知っていれば、紹介を試みたことがあるが、現実にはなかなかそのような企業とのつながりはなかなか無かった。

No.4

対応策の提案

顧客で飲食業の場合は、ウェブサイトの更新やチラシの作成のニーズがあるように思う。

その他、地元の中小製造業であれば、BtoCビジネスを検討しているなら在宅ワーカーのアイデアを募集するなども考えられる。

ただし、実際に利用することを想定すると、中小企業経営者の多くが必ずしもIT利用に慣れているわけではないので、少なくとも最初の段階で何らかのサポートが必要だと思われる。

今後の意向

まず、顧客企業のニーズなどを あらためて確認した上で、要望にあわせてこのような在宅ワークの活用方法を紹介していきたい。

9

組織概要

業種: 製造業 主な事業: 情報通信機器・アプリケー

ション等の開発、製造、販売 等 所在地: 大阪府

在宅ワークのニーズ

情報通信機器に搭載するアプリケーション等の設計・開発の際に、必要とする技術的スキルや緊急度に応じて、外部の技術者派遣サービスを利用することがある。

ただし、技術者の派遣要請を出しても、繁忙期だとなかなか希望する技術者が来なかったりする。

また、当社の業務に関わることが初めての技術者で即戦力にならないこともある。

No.5

対応策の提案

在宅ワーカーの中には、アプリケーションの開発などができる技術者は、かなり豊富にいる。

クラウドソーシングでも、このような分野は、特に人材が豊富である。

開発するアプリケーションの分野にもよるが、主にチャット、電話、無料遠隔会議サービスなどで開発を依頼・支援できるなら、試してはいかがか。その過程で、ニーズにあった在宅ワーカーを複数見つけておけば、いざというときの戦力として期待できる。

今後の意向

まず、遠隔で依頼しやすい開発分野を選定し、試験的に活用して自社にあった在宅ワーカーを確保してみるのが良いと思われる。

10

組織概要

業種: 公益法人 主な事業:海外の企業人の訓練など

を提供等 所在地: 東京都

在宅ワークのニーズ

海外の企業人のトレーニングなどを日本で提供している。

英語だけでなく、他の言語でトレーニングを提供していることも多く、多様な言語の通訳や翻訳会社を利用することが多い。

外部講師に作成を依頼したトレーニング資料の提供が期限ぎりぎりになったり、量が想定よりも多い場合もある。そのような時に迅速に対応出来、かつコストをある程度抑えたいというニーズがある。

No.6

対応策の提案

在宅ワークの仲介機関やクラウドソーシング事業者の中には、翻訳に力を入れているところがある。

一般的な翻訳会社でもフリーの翻訳者を使っている例は少なくない。翻訳者に直接依頼することで、スピードが上がると共に、費用的にもおさえられると思われる。

ただし、翻訳の品質についてはきわめて重要なので、当初依頼する際にワーカーの実績・力量をしっかりと確かめる必要はある。

今後の意向

まず、簡易なもので活用し、良好であれば、急ぎの翻訳や、翻訳者を見つけるのが難しい外国語の場合に活用することが考えられる。

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組織概要

業種: 公益法人 主な事業:個人や中小企業の発明・

開発の推進や特許などの権利化・事業化の支援等

所在地: 東京都

在宅ワークのニーズ

現代社会においてニーズが多様化する中で、創造的なアイデアから商品開発を目指す個人やベンチャー企業が増えている。

しかし、そのような取組をする者は、個人や小規模企業のため、開発に伴う各種事務作業や商品の宣伝を行うるスタッフが不足している。また、費用的に余裕があるわけではない。

そのため、在宅ワークを活用する余地がある。

対応策の提案

発明や開発に注力する個人や小規模企業の場合、費用を抑えて多様な作業を依頼する先として、在宅ワークはとても合致している。

事務作業の支援以外にも、必要と思われる発明・開発商品の使用案や、試作品の試験的な利用、ネーミング案の募集、チラシ等の作成など、依頼できることは多い。

ただし、目的に合致した在宅ワーカーを見つけるには、発注する側もある程度の慣れが必要であろう。

今後の意向

まず、発明・開発した試作品への利用案やネーミング案を募集して、「売っていく」ための支援手段として使ってみたい。

12

No.7

組織概要

業種: 業界団体 主な事業:地元のものづくり中小企業

の事業改善、情報収集・提供、研修会、広報活動等

所在地: 福岡

在宅ワークのニーズ

会員企業の中には、取引先の海外移転などで取引量を減らしている企業がある。

なかなか新規の取引企業を開拓することは容易ではなく、一つの対応方法として、BtoC事業を検討している企業もある。

ただし、現在のものづくりの技術・ノウハウでどのようなBtoCビジネスに取り組むか、具体的なアイデアが不足している。

対応策の提案

BtoCビジネスのアイデアを、比較的安価かつ迅速に募集するには、在宅ワークやクラウドソーシングが適している。

第1段階では、現在持っている技術・ノウハウをわかりやすく動画などで紹介し、どのようなBtoC商品が考えられるのか、広くアイデアを募っているのが良い。

第2段階として、その中で有望なものを試作して、改良点や用途案を募ってみると良いだろう。

今後の意向

在宅ワーク自体、ほとんどの中小企業はよくは知らないので、業界団体として研修会などを開くことを検討したい。

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No.8

【 参 考 資 料 1】

14

企業・大学・NPO等向け 在宅ワーク&クラウドソーシング活用の

ポイント

15

厚生労働省「在宅就業者総合支援事業」事務局

【お問合せ先】 在宅ワークに関する総合支援サイト 「ホームワーカーズウェブ(HWW)」 http://www.homeworkers.jp/

在宅ワーク&クラウドソーシング活用推進「無料相談(無料コンサルティング)」

在宅ワーク&クラウドソーシング活用の

メリットと実例

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在宅ワークは、ITを活用した働き方です!

在宅ワークとは、パソコンなどの情報通信機器を使って、請負契約に基づいてサービスの提供などを主に在宅で行う仕事(働き方)をいいます。

※いわゆる「家内労働」「内職」とは異なります。

在宅ワークは、2000年頃から普及がはじまりました。直接個人に発注する場合と、仕事を仲介する「仲介機関」を介して発注する場合があります。

さらに、近年、発注者と在宅ワーカーをインターネット上でマッチングする「クラウドソーシング」の登場で、改めて注目されています。

※クラウドソーシングは在宅ワークの一形態です。

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在宅ワーク活用のメリット!

ITの普及と進化により、発注者と在宅ワーカーをマッチン

グするクラウドソーシングも広まり、在宅ワークはますます

活用しやすくなっています。

発注企業と在宅ワーカーの双方に様々なメリットがあります。

自社の戦略遂行のために、多様な人材を迅速・柔軟に活用で

きる、在宅ワークを活用してみましょう!

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育児等の自分の都合に応じて働ける

スキルや興味をいかした仕事が可能

通勤時間の削減が可能

再就職するまで、仕事の切れ目なく

キャリアを磨ける 等

在宅ワーカーのメリット

多様な人材を確保

短期間に様々なアイデアを募集

繁忙期への対応

オフィスコストの削減 等

発注企業のメリット

こんな仕事を在宅ワーカーへ発注しています

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C社では、業務委託や契約社員など、多様な契約形態の人材で仕事を行っています。その一環で、 Webシステムの開発に、在宅ワーカーを活用しています。活用する人材に幅をもたせることで、社内だけでは得られない新しいアイデアを取り入れて、システム開発の面でも大いに役立っています。

事例3

B社では、これまでは自社製品のデザインをデザイン事務所に発注していました。しかし、期待した成果が見られなかったため、クラウドソーシングを通じて在宅ワーカーに発注したところ、数多くの優れたデザイン案が集まり、その中から納得のいくものを選ぶことができました。現在も継続してそのデザイナーに発注を行っています。

事例2

A社(中小企業)では、自社のホームページを持っていませんでした。企業に委託してホームページの作成・運営をするとかなり費用がかさんでしまいます。そこで、在宅ワーカーへ自社のホームページ作成を発注したところ、当初見込んでいた費用をかなり抑えて作成することができました。

事例1

在宅ワークの主な業務

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文書入力 データ入力 テープ起こし 取引文書作成 伝票整理 添削・採点 等

事務関連

メルマガ・公告メールの作成 Webデザイン・グラフィック DTP(編集) 音楽制作・編集 映像制作・編集、フォトグラフィング アニメ制作、イラスト制作 Webコンテンツ制作 ライター 等

デザイン・映像関連

Webサイト作成 情報検索、計算処理 Webサイト上の情報更新等の業務 ネットショップのシステム運営・管理 システム設計・開発、プログラミング ソフトウェアのバグチェック オンライン上で行うPCインストラクター 電話・ネット上でのオペレーター業務等

IT 関連

比較的多い「在宅ワーク」の仕事

設計、製図(CADなど) 翻訳 調査、 マーケティング 等

専門サービス関連

発注方法は3形態

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在宅ワークの主な発注方法

22 在宅ワーカーへ求めるスキル、業務内容や納期などから

最適な方法を選びましょう。

これまでに発注したことのある在宅ワーカー、つながりのある在宅ワーカー(元社員、社員の紹介など)等に直接発注する。

募集にかかるコストはほとんどなく、過去に発注したことがある場合は在宅ワーカーのスキルなどが分かっているため、安心感がある。

直接発注

業務を仲介機関に委託し、仲介機関は登録している在宅ワーカーに発注する。

仲介機関は、業務の進捗管理を行うため、納品物の品質や納期のリスクが軽減する。

仲介機関を利用

不特定多数の人に募集を見てもらうことで、数多くのデザインやアイデアを募集することができる。

これまで接点の無かった専門性の高い人材を見つけることができる。

クラウドソーシングを利用

発注者

業務を包括して 受ける側

アウトソーサー

仲介機関

在宅ワーカー

在宅ワークのステークフォルダー ~発注者、仲介、在宅ワーカーの関係~

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直接請負

マッチングサイト (クラウドソーシング)

【仲介】 新しい動き

在宅ワークの新形態である

「クラウドソーシング」

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クラウドソーシングの仕組み

25 データ入力 出所:大嶋淳俊(2013)「クラウドソーシング: IT活用で始まった働き方革命」『2014年日本はこうなる』東洋経済新報社より抜粋

Web制作

商品アイデアの提供

デザイン

クラウドソーシング会社の Webサイトが「場」を提供

成果物 業務委託

クラウド ソーシング

多数の企業が多様な業務を募集

多様なスキルを持ったワーカーが多数存在

時間や場所の制約が少なく、スキルやニーズに応じた働き方を実現!

仕事内容 仕事内容の一例

1.ウェブ開発関連 ウェブ開発、スマホアプリ開発、ソフトウェア開発、ECサイト開発等

2.ウェブデザイン関連 ホームページ制作、バナー制作、ウェブデザイン等

3.サーバー・システム開発関連

サーバー構築、基幹システム開発等

4.デザイン関連 ロゴ作成、キャラクター作成、イラスト作成、名刺作成、チラシ作成等

5.ライティング関連 記事作成、ブログ記事作成、キャッチコピー、ネーミング等

6.画像・動画加工関連 画像加工、写真加工、動画作成等

7.作業関連 データ入力、テキスト入力、データ収集、テープ起こし等

8.その他 上記にない他の業務(例:スマホで特定物の撮影・送付 等)

出所: 中小企業庁(2014)『中小企業白書 2014』p371に加筆修正

クラウドソーシングの主な業務

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クラウドソーシングの主な発注方式

■プロジェクト形式 特徴 案件例 1案件あたりの金額等

受発注者間で報酬などの条件を交渉、契約締結後に作業を開始 チームで取組む場合もある 本格的な業務で、長期案件もある

中~大規模 報酬制または時給制 比較的長期 スキルが必要

・Webサイト開発 ・プログラム開発 ・アプリ開発 ・記事執筆

数千円~数百万円超 一案件の所要時間は数日から数ヶ月程度

■コンペ形式 特徴 案件例 1案件あたりの金額等

複数の受注者がデザイン案やアイデアを提案。 採用案件にのみ報酬が支払われる アイデアやデザイン募集が多い

小~大規模 報酬制 比較的中期 比較的スキルが必要

・ロゴ作成 ・バナー作成 ・キャラクター作成 ・ネーミング ・アイデア募集

数千円~数十万円超 一案件の所要時間は数分~数時間程度

■タスク形式 特徴 案件例 1案件あたりの金額等

アンケート等の簡単な作業を、多数の受注者に分散して依頼 大量作業を短時間に実施

小規模 報酬制 ごく短期 スキル不問のものもある

・データ入力 ・アンケート ・短文記事の作成

数十円~数百円 1案件の所要時間は数分程度など短時間

出所: 総務省(2014)『情報通信白書平成26年』p210に加筆修正 27

在宅ワーク発注のステップと

留意事項

28

在宅ワークの発注の流れの基本

29

•在宅ワークとして発注する業務内容を決定し、募集を行う。

1. 発注業務の決定、募集

•応募者のスキルや経験などから、業務を発注する在宅ワーカーを選ぶ。

2. 在宅ワーカーの選定

•在宅ワーカーに見積書の提出を依頼し、合意後に業務委託契約書を交わして業務を発注する。

3. 契約・発注

•業務期間中、在宅ワーカーに連絡をとりながら、作業の進捗状況を尋ねるなど、継続してコミュニケーションをとって状況を確認する。納品後は、成果物を検収する。

4. 業務管理、納品・検収

•検収終了後、在宅ワーカーに請求書の発行を依頼し、契約時に決定した支払期日までに支払う。

5. 支払

受発注においては、業務委託契約書を文書で作成するほか、 やりとりをメールで行って一連の流れを残すなど、

「言った」「言わない」のトラブルが発生しないように留意しましょう。

募集時の注意事項

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募集を行う前に、まず、その業務についての内容や求める条件等を明らかにし、誰が読んでもわかる「仕様書」を作成しましょう。

業務内容詳細

必要なスキルや資格

標準的な作業時間・期間

納期

納品方法

報酬額

業務にあたって必要なソフトや機器類

その他求める条件

募集スケジュール(締め切りや通知予定日など)

「仕様書」に記載すべき項目(例)

在宅ワーカー選定時のポイント

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信頼して業務を依頼できるかという点にも留意することが大切です。在宅ワーカーから提出された応募内容をよく確認しましょう。

業務を遂行できるスキルを持っているか

仕事の経験、特に過去に同種の仕事経験

所持している資格

業務に必要なソフトや機器類を持っているか

1日の作業時間帯

作業環境

コミュニケーション能力

チェックポイント(例)

契約手続きの流れ

1 •在宅ワーカーに見積書を依頼

2 •見積の内容を確認

3 •見積書を受理後、業務委託契約書を作成し、在宅ワーカーに提示

4 •業務委託契約書の内容について合意後、双方が記名捺印を行った契約書2通を作成し、各々1通を保有

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発注する在宅ワーカーを決定したら、業務委託契約書を交わして契約を結びます。在宅ワークの契約書は、雇用契約書とは異なり、仕事の

発注ごとに作成します。

契約書に記載する項目

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契約書は、在宅ワーカーとの契約条件をめぐる紛争を防止するため、3年間保存しましょう。また、在宅ワーカーから文書の交付

を求められたときには、速やかに文書を交付しましょう。

発注者の氏名、所在地、連絡先、担当者

発注年月日

仕事の内容

報酬額、支払い期日、支払い方法

仕事にかかる諸経費の取扱い

成果物の納期、納品先、納品方法

契約条件を変更する場合の取扱い

成果物が不完全であった場合、納入が遅れた場合の取扱い

成果物に係る知的財産権の取扱い

在宅ワーカーが業務上知り得た個人情報の取扱い

「契約書」には、以下の内容を含むようにしましょう

報酬の決定について

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報酬の支払いなどに関するトラブルが少なくないため、 報酬額は明確にしましょう。

仕事の難易度

在宅ワーカーの実績・能力

納品までの期間(急ぎかどうか)

継続して発生する仕事かどうか

業務分野ごとの相場感 等

在宅ワーカーへの報酬の決定時に参考になる事項

在宅ワーカーとのコミュニケーション

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発注者と在宅ワーカーとの意思の疎通がとれていない場合、業務の遂行に支障をきたす場合があります。確認事項については、 きちんと履歴として残るよう、メールや文書で行いましょう。

発注者の連絡先や担当者名を明確にする

在宅ワーカーがすぐに相談できる体制を整備する

在宅ワーカーの連絡先を把握する

業務の進捗など、状況に応じて発注者から在宅ワーカーに連絡する

インターネットを使ったコミュニケーションツールが充実しているため、メールやWeb会議なども必要に応じて利用する

コミュニケーションを取る上での注意点

在宅ワーカーに求めるセキュリティ対策

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重要なデータはパスワードを設定したり、メディアなどに移して鍵のついた場所に保管する

IDやパスワードなどは、他人の目に触れないようにする

パスワードは、定期的に変更する

不審なサイトへアクセスしない

不審なソフトウェアなどをダウンロードしない

追加で依頼したいセキュリティ対策

パソコンにウイルス対策ソフトをインストールし、常に最新の状態にしておく

不審なeメールに添付されているファイルは開いたり、保存したりしない

ファイル共有ソフトはインストールしない

自分専用のeメールアドレスやアクセス情報を持つ

パソコンは最新の状態にする

最低限必要なセキュリティ対策

トラブル防止と対処法

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トラブル防止のために

仕様書はわかりやすく作成する

在宅ワーカーの実績や評価をよく調べる

仕事の発注には契約書を作成し、双方とも内容をしっかり理解する

業務内容の変更については、事前に取り決めておく

発注後も在宅ワーカーと継続的にコミュニケーションを取り、業務を円滑に進められるよう、進捗状況を把握する

納品・検収後は、支払期限を忘れずに対応する

38

トラブル対処法

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今後、同様のトラブルが起きないように 「失敗から学ぶ」ことが大切です。

業務の途中でトラブルが起きた場合は、問題点をはっきりさせ、対応策を早急に考える

同じようなトラブルを繰り返さないよう、問題発生と対処法を記録する

トラブルの原因を突き止めて、対応内容とともに記録する

発注業務量や業務体制の見直しなどが必要かどうかも検討する

トラブルに対処する際の注意点

さらに詳しく知るために!

40

【参考情報】 詳しくは下記資料を参照!

41

厚生労働省「在宅ワークを知ろう!」

•在宅ワークとはどういう働き方なのか、在宅ワークの基本を解説

•http://www.homeworkers.jp/homework/mhlw_homework.html

厚生労働省「在宅ワーカーのためのハンドブック」

•在宅ワークの実態から仕事の流れ、キャリアデザイン、トラブル対策など、安心して在宅ワークをするために必要な基礎知識を詳しく解説

•http://www.homeworkers.jp/handbook.html

厚生労働省「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」

•発注者が在宅ワーカーとの契約を結ぶ際に守るべき最低限のルールを解説

•http://www.homeworkers.jp/guideline.html

厚生労働省「データでわかる在宅ワーク」

•在宅ワークに関するアンケート結果等のデータから具体的に解説

•URL(http://www.homeworkers.jp/homework/research-h24.html)

在宅ワークの指針としてご活用ください!

『在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン』 (厚生労働省)について

I. 在宅ワークの実態 •在宅就業者の実態 •発注者・委託者の実態

II. 在宅ワークの適正な実施のための ガイドライン

III. 契約書の参考例 •基本契約 •個別契約

IV. 在宅就業者総合支援事業

V. 在宅ワークに関連する法律

■参考:VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン

都道府県労働局雇用均等室所在地一覧

42

在宅ワークに関する総合支援サイト

「ホームワーカーズウェブ」からもリンク

しています!

在宅ワークに関する総合支援サイト 「ホームワーカーズウェブ(HWW)」 ( http://www.homeworkers.jp/ )

【事例集】在宅ワーカーへの 発注企業事例集 (投稿フォームあり)

【事例集】在宅就業サポーター モデル事例

【調査レポート】データでわかる 発注の状況

【FAQ】よくある質問 (発注企業向け)

【SNS】 Twitter, Facebook

主な掲載内容

43

【 参 考 資 料 2】

44

『在宅ワーカーへの発注企業事例集』の概要

株式会社ヒラカワコーポレーション

株式会社エス・エム・エス

株式会社リブセンス

パナソニック コンシューマーマーケティング株式会社

ヤマハ株式会社

株式会社フリーセル

ミズハラゴム株式会社

gCストーリー株式会社

株式会社プロスぺクト

有限会社岸本工業

株式会社タウ

株式会社ウィズハート

ジャスト株式会社 ※掲載順 45

「在宅ワーカーへの発注企業事例集」として、在宅ワーカーを積極的に活用している企業の代表及び担当者の方からの情報やインタビューをふまえ、下記のような企業をまとめています。 在宅ワーカーへ仕事を発注するようになった背景、在宅ワーカーに発注・活用する上でのメリット、さらに在宅ワーカーへの発注を検討している企業へのアドバイスなどを記載しています。詳しくは、ホームワーカーズウェブ(HWW)をご覧ください。

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