弱電離気体プラズマの解析(CXXX) INSTITUTE OF TECHNOLOGY Studies on weakly ionized gas...

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Studies on weakly ionized gas plasma (CXXX)

Observation of gaseous and liquid density variation induced

by DC corona discharge above water

○山口大地 脇坂尚吾 高橋一弘 佐藤孝紀 伊藤秀範 (室蘭工業大学)

○Daichi Yamaguchi, Shogo Wakisaka, Kazuhiro Takahashi, Kohki Satoh, and Hidenori Itoh

(Muroran Institute of Technology)

平成28年電気学会全国大会2016年3月17日(木) 東北大学 川内北キャンパス A202-B1 放電/プラズマ/パルスパワー液中・液体放電(Ⅰ) 1-145

弱電離気体プラズマの解析(CXXX)

水上コロナ放電による気相・液相の密度変化観測

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背景

[1] 宮崎他 :電気学会論文誌A 128, 172 (2008).

[2] A. Kojtari et al. : J. Nanomedine. Biotherapeutic Discov. 4, 1000120 (2013).

[3] H. Kuwahata et al. : Jpn. J. Appl. Phys. 54, 01AG08 (2015).

水上放電プラズマ

流れの発生メカニズムの理解が望まれる ・・・ 十分に解明されていない

水中の活性種

汚染物質処理

宮崎ら[1] ・・・ 水中の活性種がフェノールを分解

微生物の不活化

Kojtari et al.[2] ・・・ 水中の活性種が大腸菌を不活化

H2O分子由来の活性な種を生成(OH , H2O2 , etc.)

処理後処理前

大腸菌不活化[3]

活性種の効果的生成が処理効率の向上に寄与

Water

放電に伴う気・液相の流れ・相互作用が活性種の生成に影響

気相で生成された前駆体が水面まで輸送され,液相に溶解することで生成

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背景および目的

安定的な放電であり,密度変化の観測が比較的容易

目的

シュリーレン法を用いた,ストリーマコロナ放電および火花放電に伴う密度変化の観測

水上コロナ放電に伴う気・液相の密度変化を観測し,その特性を調査

[1] H. Kawamoto et al. : Journal of Electrostatics 64, 400 (2006).

パルス放電

比較により,観測結果の妥当性を確認

イオンが電界により加速

イオン風が発生

ガス分子に衝突し,エネルギーを移行

ガス分子が水面に向かって移動

流れ (イオン風)に関する先行研究[1]が報告されている

コロナ放電

活性種の生成に効果的であるが,密度変化の観測が困難

イオン+

ガス分子

イオン風

+

Water

流れの発生により,密度変化が生じることに着目 密度変化の観測

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実験装置および実験条件

Water

Aluminium foil

1.6 mm

15 mm

曲率半径 0.13 mm

針電極を1本配置

正極性ストリーマコロナ放電

電極間隔 : 15 mm

印加電圧 : 16 , 17 , 18 , 19 kV

イオン交換水

水量 : 135 mL 液厚 : 15 mm

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実験装置および実験条件

イオン交換水

水量 : 135 mL 液厚 : 15 mm

1.6 mm

15 mm

曲率半径 0.13 mm

針電極を1本配置

正極性ストリーマコロナ放電

電極間隔 : 15 mm

印加電圧 : 16 , 17 , 18 , 19 kV

19 kV

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実験装置および実験条件

イオン交換水

水量 : 135 mL 液厚 : 15 mm

1.6 mm

15 mm

曲率半径 0.13 mm

針電極を1本配置

火花放電

電極間隔 : 15 mm

印加電圧 : 約 20 kV

20 kV

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実験装置および実験条件

火花放電

電極間隔 : 15 mm

印加電圧 : 約 20 kV

イオン交換水

水量 : 135 mL 液厚 : 15 mm

高速度カメラ

露光時間 : 20 μs

フレームレート : 23,000 fps

20 kV

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ストリーマコロナ放電に伴う気・液相密度変化

19 kV

+

water

++

電界の向き

Kawamoto et al.[1]

イオン

イオン風

ガス分子

+

ガス分子が水面に向かい広がりながら移動する

液相

ガス分子の流れにより水面が窪む

気相

[1] H. Kawamoto et al. : Journal of Electrostatics 64, 400 (2006).

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ストリーマコロナ放電に伴う気・液相密度変化

針先と同軸上のガス分子の速度

電気力線の疎・密に伴い電界強度が変化

衝突時に正イオンからガス分子に移行するエネルギーが変化

正イオンが単位時間に得るエネルギーが変化

ガス分子の速度 針先近傍に最大値を持ち,針先から離れるとともに低下

19 kV12

10

8

6

4

2

0

gas

vel

oci

ty [

m/s

]

151050

distance from needle tip [mm]

流れの向き

8.02

7.41

6.68

5.47

7.02

6.25

6.20

6.81

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印加電圧を変化させたときの気・液相密度変化

18 kV17 kV16 kV 19 kV

印加電圧の増加

電界強度の増加により,

ガス分子の速度が大きくなる

気相の密度変化

水面からの窪み大きくなる

10

9

8

7

6

5

4

gas

vel

oci

ty [

m/s

]

151050

distance from needle tip [mm]

19 kV 18 kV 17 kV 16 kV

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火花放電に伴う気・液相密度変化

20 ms付近からプルーム状の大きな密度変化が生じる

液相

放電発生後に窪みが生じ,50 ms以降では反動で水面が凸状になる

気相

火花放電による橋絡( 0 ~ 20 ms )

( フレームレート : 1,000 fps )

通常撮影

シュリーレン撮影

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ストリーマコロナ放電および火花放電の比較

放電に伴うイオン風により,針先から水面に向かう密度変化が生じる

放電進展により,水面から上昇するプルーム状の大きな密度変化が生じる

一般的に,ストリーマコロナ放電より電流が大きくなる

火花放電では,放電のジュール加熱による水の蒸発で,気相の密度変化が生じることが示唆される

ストリーマコロナ放電 火花放電

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まとめ

水上でストリーマコロナ放電および火花放電を発生させ,シュリーレン法により気・液相の密度変化の特性を調査した

ストリーマコロナ放電では,ガス分子は水面に向かって広がりながら移動し,ガス分子の流れにより水面が窪む

• 針先近傍に最大値を持ち,針先から離れるとともに低下する

• 印加電圧の増加に伴い大きくなる

ガス分子の速度は,電界強度の影響を受ける

火花放電では,水面から上昇する大きな密度変化が生じたことから,放電のジュール加熱により水が蒸発したものであると考えられる

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