日中技術協力プロジェクト 中国持続的農業技術研究開発計 …...2009-2014...

Preview:

Citation preview

日中技術協力プロジェクト 中国持続的農業技術研究開発計画Ⅱ

2009-2014

2012年8月号

日本国際協力機構

中国と地球の未来のために

中国農業科学院

日中農業技術研究開発センター

寧夏回族自治区霊武市において、モデル農家である10農家の圃場20ムーで側条施肥田植機による田植え研修会を開催しました。

当日は、農業科学院日中農業技術研究開発センター・寧夏農林科学院・モデル農家及び近隣農家・現地農業局及び農業技術普及中心・現地竜頭企業の寧夏正鑫源現代農業発展有限公司・湖南省岳陽市農業科学研究所及び農業局・日本人専門家、メディアの総勢54人が参加しました。

側条施肥田植機による田植え技術は、伝統農業に比べて約30%の肥料削減、効率の良い田植により大幅な労働時間の削減が可能になります。

参加者からは、「コスト面・生態負荷軽減など多くのメリットがあり、更に収穫量が増量すればと大変期待している」と話がありました。

今回は、同じ機材及び技術を導

入している湖南省岳陽市の岳陽市農業科学研究所及び岳陽市農業局の関係者が参加し、気候や土壌は異なりますが、機材及び技術の導入後の効果、機械の操作、その他の課題について意見交換が行われました。今後も継続して情報交換を行う事となりました。

モデル農家圃場では、継続して圃場管理及び水質調査を行うと共に農家への指導を行います。近隣農家に対しては、自由にモデル圃場を見学ができようにしております。

現地では、当プロジェクト及び側条施肥田植技術が注目されており、寧夏公共テレビ局で研修会及びプロジェクトについて放映されました。

次回の研修会は、11月頃に予定しており、内容は「側条施肥田植機における播種・育苗・田植え技術」「収量に与える影響」「農家の農業記録(日記)」などについ

て、また技術マニュアルや資料(DVD)などの正式版を現地の農家・農業関係機関に配布し、来年度の普及拡大を進めます。

活動報告(2012年5月~8月) 1、「寧夏回族自治区霊武市 側条施肥田植機による田植え研修会開催」(寧夏:5月17日)

2、「第3回合同調整委員会」(北京:6月14日)

3、「屋代短期専門家によるうね内部分施肥機の現地指導」(北京:6月18日~29日)

4、「側条施肥稲作の中間現地検討を実施」 (湖南:6月21日~22日、寧夏:7月5日~6日)

5、「日本大使館 草の根無償資金協力 養豚ゼロエミッション竣工式」 (湖南:6月21日)

6、「岳陽市湘陰県東塘鎮 側条施肥田植機用播種・育苗研修会」(湖南:6月25日)

7、「伊藤博通短期専門家による生産環境工学の指導」(北京:6月25日~29日)

8、「農業工学シンポジウム」(北京:6月26日)

9、「豚糞とメタン発酵消化液の利用技術について現地検討」(寧夏:7月6日、北京:7月13日)

10、「岳陽市湘陰県東塘鎮 側条施肥田植機による田植え研修会」(湖南:7月17日)

11、「湖南省長沙県双江鎮と殺場視察及び調査」 (湖南:7月19日)

12、「新藤短期専門家による窒素流出モデルの指導」 (北京、山東:8月6日~11日)

13、今後の予定

「寧夏回族自治区霊武市 側条施肥田植機による田植え研修会開催」 (5月17日)

側条施肥田植機の導入と特徴について説明する寧夏農林科学院の李友宏処長

続々と研修会に集まってくる農家

側条施肥田植機用の苗に興味を持つ 農業局局長

側条施肥田植機用の育苗状況 側条施肥田植機の説明を受ける農家

「屋代短期専門家によるうね内部分施肥機の現地指導」 (北京:6月18日~29日)

うね内部分施肥機は、蔬菜栽培における施肥量の大幅な削減を目指して、日本の中央農業総合研究センターの屋代幹雄博士と井関農機が共同開発した農業機械です。この機械は畝を立てながら、畝の野菜苗を定植する部分にだけ施肥するように設計されており、肥料の利用効率が高く、施肥量を半減することができると言われています。また、必要に応じて、農薬散布も全自動で行うことが出来ます。

プロジェクトでは、今年3月に日本からこの機械を導入しました。開発者の屋代幹雄博士を短期専門家として招聘し、6月19日から3日間、北京市順義区の試験圃場で、うね内部分施肥機を使用した施肥試験とレタスの定植を実施しました。試験区には、慣行の施肥量区、25%削減区、50%削減区、無肥料区を設定しました。さらに通常の肥料と緩効性肥料との比較も可能な試験設計をしました。試験結果を楽しみにしています。

「側条施肥稲作の中間現地検討を実施」 (湖南:6月21日~22日、寧夏:7月5日~6日)

6月21、22日に湖南省、7月5、6日に寧夏において側条施肥した水稲の生育状況を調査し、意見交換をしました。

湖南省では、在中華人民共和国日本大使館の松本書記官にも参加いただき、岳陽農業科学研究所の李平所長や農業科学院日中農業技術研究開発センターの段然CP、永井専門家らが現地検討を行いました。田植え後の気温や日照時間が少なく全般に茎数が不足気味でしたが、側条施肥区の生育が勝っていました。活着や初期生育が良い側条施肥田植技術は、とくに生育期間が短い二期作栽培で

は大変有効であると考えられます。岳陽では、晩稲でも更に規模を拡大し試験を実施する予定です。

寧夏では寧夏農業科学院の劉汝亮CPと永井専門家が調査検討を行いま

した。ここでもやや茎数が少ない状況でしたが、側条施肥区の方が茎数で勝っているようです。さらに茎が太く、これから大きな穂が出ることが期待でき、8月には再度出穂後の観察を行います。

6月14日にJICA中国事務所において、日中双方のプロジェクト関係者が集まり第3回合同調整委員会が開催されました。

最初に、JICA中国事務所の魚屋次長より「中国側の積極的な参加によりプロジェクト運営は順調で、一定の成果が出ている」と挨拶されました。次に、中国農業科学院国際合作司の貢処長より「日中双方の信頼関係がしっかりできており、プロジェクト運営は順調

に進んでいると理解している」と挨拶されました。

中国農業科学院日中農業技術研究開発センター常任副理事であり中国側プロジェクト実施責任者でもある梅環発所所長より、2011年度の報告及び2012年度の活動内容について説明があり、特に去年から本格的に行われている普及活動に対して、今後強化すると強い意思表示を示されました。

「第3回合同調整委員会」(北京:6月14日)

畝内部分施肥機による畝立て同時施肥 レタス苗の定植作業

畝内部分施肥機により、苗定植部分に部分的に施肥された様子

機材設置指導を行う屋代短期専門家

現地(岳陽)の状況を確認する松本書記官

寧夏モデル農家圃場の様子

湖南、寧夏の両サイトに共通していることは、側条施肥して稲体の窒素濃度を高めても分げつが顕著に増加しないことで、品種の特性と推察されます。しかしながら圃場では株あたり穂数が12本から20本以上まで変化しており、分げつを抑制または促進する要因の存在を示唆しています。この

ため、岳陽市農業科学研究所と段然CPと協力し、関係する因子を組み合わせたポット栽培実験を行い、多肥に頼らない分げつ促進方法に関する基礎的情報を得て、中国の品種に適した側条施肥技術を完成させたいと考えています。

「日本大使館 草の根無償資金協力 養豚ゼロエミッション竣工式」 (湖南:6月21日)

湖南省長沙県星沙開発区及び開慧鎮において、日本大使館「草の根」無償資金協力による「養豚ゼロエミッション」竣工式が行われました。

当日は、日本大使館、日本国際協力機構(JICA)、JICA中国持続的農業技術研究開発計画Ⅱ、滋賀県湖南省駐在所、湖南省商務庁、湖南省科技庁、農業科学院日中農業技術開発センター、湖南農業科学院土壌肥料研究所、開慧鎮政府、開慧鎮農家代表、そして平和堂実業有限公司と農業資材企業数社など多くの方が参加されました。

「日本国草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「湖南省長沙県環境保全型養豚施設建設計画」は、長沙県開慧郷に於いて、環境に優しい養豚施設を建設するというものです。これまでの成果が、長沙県、湖南省全土、そして中国全土の模範となる事が期待される新たな試みです。

中国は、我が国にとり極めて重要な隣国であり、中国各地における問題解決に向けた努力を様々な形で支援してきました。日本政府は、1973年に中国への政府開発援助を開始し、本件のような案件は1990年以来今日まで、中国各地(主に内陸部)において累計1220件、金額にして約7億6千万元の供与を行い、大きな成果をあげるとともに高い評価をいただいて

おります。

本年は、日中国交正常化40周年という記念すべき年です。これまで築いてきた日中友好及び戦略的互恵関係の絆をより一層強め、今後、更なる交流を進めていくことを呼びかけたいと思います。本件の実施を通じ、新たな友情が育まれ、両国の相互理解と協力関係が一層促進されることを祈念いたします。」と挨拶されました。

「日本大使館及び商務庁に対し感謝いたします。「草の根」無償資金協力により10の豚舎が改修され、その影響により開慧鎮政府からも資金投入し多くの豚舎を改修しました。養豚ゼロエミッションにより農村環境汚染の改善が図られ、村民からも感謝されています。これから日中友好関係が続きますよう願っております。」と挨拶されました。

気候変動をはじめ地球規模での環境問題は各国で大きな問題になっています。その中で農業分野における環境問題は避けて通れません。現在実施されている養豚ゼロエミッションは、JICAと中国農業科学院が技術協力を行っている「持続的農業技術研究開発計画Ⅱ」プロジェクトの重要な課題の一つです。今後も関係機関が

協力し、より効果的に活動し環境保全、地域発展、そして農家の生活向上に結び付け、更なる発展を期待しております。

日中の各界各層の市民が継続的な交流を行っていく事に期待しております。

「日本大使館「草の根」無償資金協力を用いて10の豚舎の改修及び敷料・微生物の投入と技術支援により無臭・無排出などの効果が明らかであった。この為、近隣農家より開慧鎮政府へ対し導入の要請があり、開慧鎮政府が新たに35農家を対象に資金投入し、政府と農家が協力し普及が進められている。環境意識の高い開慧鎮では、敷料・微生物や生活廃棄物を原料とした堆肥を、耕地に還元する循環利用を目指している」と報告がありました。

ポット試験の様子

在中国日本大使館の松本書記官

開慧鎮政府の葉照君鎮長

開慧鎮政府の張留輝環境保全主任

日本大使館の松本書記官

開慧鎮政府の葉照君鎮長

JICA中国事務所の王莉所長助理

JICA中国事務所の王莉所長助理

開慧鎮政府の張留輝環境保全主任

プロジェクトの説明と今後の展望について説明がありました。特に、養豚ゼロエミッションの更なる普及には、ブランド化と流通を考慮した組織つくりが必要であると説明がありました。

全国の養豚における汚染と改善について詳しく説明され、また養豚ゼロエミッションの効果と今後の発展について説明がありました。更に、現在計画をしている畜産廃棄物と生活廃棄物のリサイクルを考慮した循環型の町つくりについて説明がありました。

「関係者の努力によりモデル的な良い成果が出ている。中国の農業はここ十数年大きな発展をしているが、施肥や養殖は環境に対して一定の影響を与えている。今後も日中双方の協力のもと、よい成果が出ることを信じている。」と話されました。

「日本大使館、開慧鎮政府、日中の農業専門家に対し感謝している。この長沙県では「資源集約型」と「環境モデル型」とを融合したモデル社会区を建設している。養豚ゼロエミッションは

この地域に欠かせない技術であり、環境改善がされ、農家の生活向上に繋がるものである。湖南省人民と日本国民との友好が更に発展することに期待している。」と話されました。

「日本大使館と開慧鎮政府、そして日中の農業専門家に感謝します。現在注目されている食品安全において、養豚ゼロエミッションはよい影響を与えると考えている。今後とも政府そして日中の農業専門家が協力し発展し、将来的に湖南省全体に普及することを期待します。」と話されました。

養豚ゼロエミッションの成果が報告され、今回参加された方の多くは、今後の住民参加型普及活動に協力していく事を表明されました。

農家の生活向上と環境負荷軽減に大きな期待が持て楽しみです。

当日の様子は、星沙テレビ局にて放映されました。

http://www.csxnews.com/xingshaxinwenwang/ShiBinXinWen/20956.html

(10分48秒~11分38秒)

JICA中国持続的農業技術研究開発計画Ⅱプロジェクトの土岐典広専門家

農業科学院日中農業技術開発センターの朱昌雄博士

湖南省農業科学院土壌肥料研究所の羅尊長所長

湖南省商務庁の楊一帆調研員

湖南省科技庁の黎培芝調研員

土岐典広専門家

農業科学院の朱昌雄博士 湖南省商務庁の楊一帆調研員

湖南省農科院土肥研の羅尊長所長

湖南省科技庁の黎培芝調研員

改修前の豚舎 改修後の豚舎 改修後の豚舎を視察

「岳陽市湘陰県東塘鎮 側条施肥機用播種・育苗研修会」(湖南:6月25日)

湖南省岳陽市湘陰県東塘鎮において、側条施肥田植機用の播種・育苗研修会が行われました。

これまで、岳陽市内にある岳陽市農業科学研究所及び研究所近隣モデル農家で、側条施肥田植機による実験・実証・普及を行ってきました。

今回、これまでの成果に興味を示しておりました多くの農業関係機関から、湘陰県東塘鎮に技術を導入したいと依頼があり、2012年度2期作目で10農家約20ムーの導入を決め、研修会を開催いたしました。当日は、現地政府及び農業関係機関、農家など総勢40名が参加しました。

研修会では、側条施肥田植機の技術と側条施肥田植機用の播種・育苗の技術、そして効果について中国農

業科学院日中農業技術研究開発センターの段然氏と岳陽農業科学研究所の湯月豊氏から説明が行われました。また参加者で播種・育苗を行いました。

研修会後に、農家や東塘鎮政府の方から、側条施肥田植機や必要な資

材の価格などについて質問を受け、

生産量の確保と環境負荷軽減について真剣に考え行動をしようとしていることが確認できました。

今後もこのように真剣に取り組んでいる農家や政府機関と共に、普及活動を進めていく予定です。

モデル農家が積極的に参加

神戸大学の伊藤博通教授を短期専門家として招聘し、生産環境工学(画像処理/硝酸イオン非破壊計測)について指導をして頂きました。 2012年6月27日、中国農業科学院

日中農業技術研究開発センターおいてシンポジウムを開催し、非破壊計測技術を用いた植物葉片NO3

-濃度、株高と土壌粒径推定に関する研究、ハイパースペクトルカメラによるデジタル画像の情報と実際測定した作物、土壌のパラメー ターを用いた定量モデ

ルを作成、そのシミュレーション結果について講義を行いました。

伊藤短期専門家と担当課題チームのカウンターパートは、作物、土壌養分非破壊計測技術についての研究状況と今後必要になる情報、NO3

-濃度など養分パラメーターのスペクトル測定について議論を行うと共に、敏感なウエーブ・バンドの選択、モデル構築、結果検証や試験設計などに至るまで熱心に議論しました。

担当課題チームからの感想として

は、シンポジウムでの講義から伊藤短期専門家は深く考察され的確に技術を応用している事などがよく理解でき、研究中に生じる問題の解決手法について習得できたほか、今後の試験方法の計画や技術改善について大変参考になったと述べています。

今後、この難しい研究課題が一歩でも二歩でも前進し、良い成果が出る事に期待します。

「伊藤博通短期専門家による生産環境工学の指導」(北京:6月25日から29日)

「農業工学シンポジウム」(北京:6月26日)

農業工学シンポジウムを農業環境及び持続発展研究所報告庁で実施しました。

1.日本における稲作の機械化と政策を山下市二チーフアドバイザー、2.畝内部分施用技術を屋代幹雄短期専門家、3.圃場環境リアルタイムモニタリングを武永峰CP、4.植物生産における非破壊計測を伊藤博通短期専門家が講義を行いました。

山下チーフアドバイザーは、「農業機械化促進法」や「所得倍増計画」、「農業基本法」などの政策の背景や制度が農業機械の普及や稲作労働時間、農業就業人口に与えた影響などについて、具体的な数値を示した図表を使って説明しました。また、農業機械の普及には、圃場整備や区画整

理など圃場の大規模化が欠かせないことを説明し、中国における農業機械化の促進に期待を表明しました。

屋代短期専門家は、当プロジェクトが北京市順義区の圃場に日本から導入した畝内部分施肥機について、その構成や大幅な減肥と環境負荷低減

の可能性、日本国内での普及実績などを、動画をまじえて講演しました。また、日本で開発中のITを駆使したロボット田植機など精密農業用機械の開発動向も紹介しました。

講義を行う山下チーフアドバイザイー 講義を行う屋代短期専門家

「豚糞とメタン発酵消化液の利用技術について現地検討」(寧夏:7月6日、北京:7月13日)

7月6日には寧夏でメタン発酵消化液を使ったトマト栽培について、額尓何花CPと永井専門家が現地検討を行いました。トマトの基肥には担当農家の慣行方法である有機肥料を施用し、追肥を施用する際に灌漑水に化学肥料を混入する区と消化液を使用する区を設定しています。生育は旺盛で処理区の間には大きな差はありませんでしたが、消化液を混入した区では茎葉の生長、果実の肥大が良い傾向がありました。栽培現場での観察結果や印象が大変重要ですから、これらを数値データで表現できるように調査を進めていくように指導しました。

7月13日には北京市密雲で豚糞を施用したトマト栽培について、黄宏坤CPと山下専門家、永井専門家、土岐専門家の4人が現地で生育状況を検討しました。施設土壌への豚糞の連続施用に伴う栄養塩類や重金属類の土壌への蓄積過程を追跡し、適切な施

用方法を作物栽培と土壌管理の両面から明らかにすることを目的としており、時間をかけて試験を継続していく予定です。現時点では生育に大きな処理間差がなく、化学肥料を豚糞に代替えした区の生育と収量がわずかに勝っているように感じられました。

武永峰CPは、圃場の気温、湿度、降水量、日射量、土壌温度や植物体の生育状況、病害虫の発生状況などをリアルタイムで収集するシステムと、訪日研修で修得したフィールドサーバーによる計測について講演しました。

伊藤短期専門家は、画像処理による植物体の生育計測、近赤外非破壊測定器による野菜の硝酸イオン濃度の測定、ハイパースペクトルカメラによる葉野菜中の硝酸イオンの分布状態の可視化、ロータリー耕耘機で破砕した土壌の破砕度の画像解析など、

幅広い計測工学的な内容の講演をしました。

このような講演は、本プロジェクトの

これまでの取組とは少し切り口の異なった内容で、興味深い物でした。講師各位に感謝致します。

講義を行う伊藤短期専門家 講義を行う武永峰CP

メタン発酵消化液を使用したトマト栽培

現場検討する日中の専門家

「岳陽市湘陰県東塘鎮 側条施肥田植機による田植え研修会」(湖南:7月17日)

湖南省岳陽市湘陰県東塘鎮において、側条施肥田植機による田植え研修会を開催しました。

当日は、湖南省科技庁・商務庁、岳陽市農業局・農業機械局・財務局・科技局、湘陰政府、平和堂実業有限公司、滋賀県湖南駐在所、常州亜美柯機械設備有限公司、農業科学院日中農業技術研究開発センター、岳陽市農業科学研究所、JIC中国A持続的農業技術研究開発計画Ⅱ及び現地農家、総勢200名が参加しました。

当日は、前日からの大雨で研修会の開催が心配されましたが、研修会を行った2時間だけ雨が止み、参加者の多くの方が「普段から良いことを行っているので、天が味方してくれた。」「天が味方になっているのでしっかり行わなければ」と語っていました。

研修会では、中国農業科学院日中農業技術研究開発センターの段然CPと岳陽農業科学研究所の李宇翔CPが説明及び実演しました。その後、参加者から「機械導入の方法」「機械導入後の生産コスト」「環境負荷の軽減」など多くの質問が出され、それぞれに対し回答を行いました。

側条施肥田植機の説明をする段然CP

熱心に聴く参加者

開会のあいさつを行う関係者

11月頃には、この一年間の総括として「播種から収穫までの技術」「経済評価」「本年度の収量や水質などの分析」「来年度の参加者募集」などの内

容について研修会を行う予定です。

これまでの活動の成果により、現地では側条施肥田植機の注目度が高く、現地メディアが数社駆けつけ、研修会

翌日7月18日にテレビ報道され、更に現地新聞のトップページの真ん中に掲載をされました。

湖南省長沙県開慧鎮で行っている養豚ゼロエミッションの普及には、農家の収入増が必須であるため、現在関係者で生産された豚肉のブランド化を進めています。ブランド化には販路及び物流の確保が必須です。湖南省に販売拠点を持っている平和堂実業有限公司よりご紹介頂いた湖南天府生態農業有限公司を視察しました。

現在、長沙県では衛生面と環境面を考慮したと殺場の規制強化を進めています。湖南天府生態農業有限公司の施設は最近湖南省での登記を取

得されました。

同公司は、開慧鎮の養豚ゼロエミッションで生産さている豚に大変興味を示しおり、物流においての課題などを解決する為に、今後連携していくことになりました。

開慧鎮政府、農業科学院、JICA中国持続的農業技術研究発展計画Ⅱ、民間企業である湖南省平和堂実業有限公司と湖南天府生態農業有限公司が連携し、生産から販売までの一連の流れができることを期待したいと思います。

「湖南省長沙県双江鎮と殺場視察及び調査」 (湖南:7月19日)

側条施肥田植機の実演を行う李宇翔CP 側条施肥田植機の実演を手伝う参加者 側条施肥田植機に興味を持つ参加者

研修会翌日の7月18日、湖南省岳陽日報 湖南省岳陽日報のトップページで取り扱われるほど、 現地では期待されている技術です。

と殺場経営以外に生産している黒豚

今後の予定 10月 ・湖南省岳陽市及び寧夏回族自治区において、側条施肥田植機及び緑肥で生産された稲の収穫 ・水と土壌の汚染防止及び修復シンポジウム 11月 ・湖南省岳陽市において、側条施肥田植機に関する研修会 ・寧夏回族自治区において、側条施肥田植機に関する研修会 ・各課題のマニュアル最終版が完成予定 ・HPリニューアル予定

編集後記:

湖南省長沙県で行われている養豚ゼロエミッションで生産された豚肉や湖南省岳陽市で側条施肥田植機によって生産されているお米を、湖南省平和堂実業有限公司との連携で消費者にまで届けることができるかもしれません。今後、商談が順調に進めば、新しいブランドとしてお米を、年末には平和堂での販売が実現する可能性が出てきました。技術指導のみならず販路確保までを、農家・政府・民間で連携し、農家の収入向上と消費者へ安心感が与えられ、更に環境負荷を軽減できることから、まさに官民連携の新しい成果が生まれるのではないかと期待しています。

また、寧夏回族自治区では、側条施肥田植機技術において龍頭企業との連携が既に始まり、来年度は大型圃場での導入の可能性が考えらます。農家・政府・農機企業・龍頭企業の官民連携が期待されます。

上記の成果以外でも、プロジェクト後半に入り、各課題のこれまでの成果が少しずつ目に見える形で出てきています。これらをより良い成果にするため、日中双方の関係者で協力していきます。 プロジェクト所在地 中国持続的農業技術研究開発計画フェーズ2 〒100081 北京市海淀区中関村南大街12号 中国農業科学院日中農業技術研究開発センター2F T E L:+86-10-8210-6002 F A X:+86-10-8210-6004 E-mail:cjac@ieda.org.cn http://www.jica.go.jp/china/activities/project/01.html http://data.ieda.org.cn/templates/jiaoyu_001_1/second$6_6.html 過去のニュースレター http://data.ieda.org.cn/templates/jiaoyu_001_1/second$6.aspx?nodeid=96 担当:土岐 典広

「新藤純子短期専門家による窒素流出モデルの指導」 (北京、山東:8月6日~11日)

山梨大学の新藤純子教授に短期専門家として来中頂き、窒素流出モデルについて指導をして頂きました。

8月7日、中国農業科学院日中農業技術研究開発センターにおいて、「東アジアの食料生産・消費に伴う窒素による環境影響」と題して講義を行い、参加者と農業環境や窒素管理の問題に

ついて意見交換が行われました。

山東省淄博市桓台県での集約化農業実験基地で、華北平原のトウモロコシ、冬小麦の輪作と管理方式について、また、北京昌平区基地でのFACE試験プラットフォームについて、現地指導を行いました。

Recommended