High Flow Nasal Cannula (HFNC)治療における鼻カニュラの ......High Flow Nasal Cannula...

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High Flow Nasal Cannula 酸素療法における

鼻カニュラの最適形状

産業医科大学病院 臨床工学部 臨床工学技士 濵本 達矩

平成30年12月11日

※未公開特許情報を含んだ発表ですので、当日の発表内容の一部を削除しています。

従来技術

空気、酸素をミキシングするための専用ブレンダ・回路・加温加湿器・鼻

カニューラを用いる事で、加温加湿された最大60L/minの混合ガスを鼻腔

から投与する事ができる酸素療法。

High Flow Nasal Cannula (HFNC)とは

治療効果1 安定した酸素濃度を供給フェイスマスクによる酸素投与 HFNCによる酸素投与

従来技術

治療効果2 気道内 呼気終末陽圧効果

一方的に流れてくる混合ガスと

患者の呼気が衝突する事で、気

道内が陽圧になり肺を膨らませ

酸素化を改善する効果がある。

従来技術

治療効果3 CO2ウォッシュアウト効果

一方的に流れてくる混合ガスが

上気道内のCO2を洗い出し、

CO2の再吸入を軽減させる。

従来技術

治療効果4 気道の粘膜繊毛クリアランス最適化

HFNC治療では高流量の混合ガ

スを加温加湿できるため、通常

の酸素療法に比べ気道粘膜のク

リアランスを最適化できる。こ

れにより排痰効果、感染リスク

軽減効果がある。

【乾いた線毛】 【正常な線毛】

従来技術

治療効果5 患者快適性の向上

• マスク換気(NPPV)と比較し、ADL(日常生活動作)の向上

• 食事

• 飲料摂取

• 口腔内ケア

• 会話/意志伝達

• 眼鏡使用

従来技術

HFNC治療位置付け • 人工呼吸器離脱後

• 通常の酸素療法で酸素化が維持できない場合

• マスク換気や挿管治療に同意を得られない場合

HFNC

従来技術

図:F&P社提供 一部変更

HFNC治療の問題点

• 大量の酸素を使用するため、診療点数加算(ハイフローセラピー加算

192点/日)が付いても病院が負担する金額が大きい

• 病院負担額

当院2014年7月~12月間のHFNC装着後、死亡退院患者5名の酸素消

費量から病院の1日あたりの負担額は酸素代(約1200円)+回路・鼻

カニュラ代(約300円)

従来技術

HFNC専用鼻カニュラの問題点

鼻カニュラには、プロング径を細くし先端からの混合ガスの流速を上

昇させ、PEEP様効果よりもCO2ウォッシュアウトに特化させたデバ

イスもあり、カニュラの形状により治療効果に偏りがある。

図:F&P社提供

PEEP様効果

CO2

ウォッシュアウト効果

どちらの効果を優先する??

従来技術

Ventilator

TTL model lungGas flow rate analyzer

CO2 bottleMicro flowmeter

Simulated trachea

Cannula

Right lung compliance:0.15L/cmH2OLeft lung compliance:0.15L/cmH2O

EtCO2 monitor

人工的な健常者モデル(鼻孔部10mm)に3種類のカニュラを用いてHFNCを施行

新技術

新技術

B.C間の比較では10L/minから50L/minまで有意差なし

新技術

実用化に向けた課題

•塩化ビニル又はシリコン素材での鼻カニュラ作成

•臨床実験にて従来品との治療効果を比較し、最適なガ

ス流量の検討

企業への期待

カニュラ製造、認可、販売が可能な企業を希望。

本技術に関する知的財産権

• 発明の名称:鼻カニューレ

• 発明者:濵本 達矩

• 出願人:産業医科大学

• 出願番号:特願2018-115472

お問い合わせ先

産業医科大学 産学連携・知的財産本部

産学連携・知的財産担当教員 橋本 正浩

TEL 093-603-1611

FAX 093-691-7518

e-mail m-hashi@med.uoeh-u.ac.jp

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