New DRAGONFORCE - gekirock · 2012. 4. 3. ·...

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  • Marc Hudson (Vo) Herman Li (Gt)  インタビュアー:米沢 彰

    -ニュー・アルバム『The Power Within』の完成おめでとうございます。全世界が待ち望んだ 5 枚目のリリースとなりますが、リリースを前にしてのお気持ちを教えて下さい。

    Herman Li(以下 H):かなり制作に時間が掛かったアルバムで、2 年も前から作業をしているから、それをやっとリリース出来るというのはとても嬉しいよ。アルバムの出来にも満足しているので早くみんなに聴いてもらいたいね。

    -前任ヴォーカリストの ZP Theart が脱退し、ヴォーカル不在の中で制作を開始したと聞いています。今回のアルバム制作は相当大変だったのではないでしょうか?

    H:やっぱりどんなバンドにとってもメンバー・チェンジというのは、バンドにとって劇的な変化だし、ましてやヴォーカルが居なくなるというのは大きな変化ではあったんだけど、曲作りに関してはいつも通り Sam(Gt) が作っているから問題は無かったよ。ただ、曲を書いたはいいけど誰が歌うんだ、ヴォーカルが見つからなかったらどうしようという不安はあったよ(笑)。

    -『The Power Within』というアルバム・タイトルにはどういった意味が込められているのでしょうか?

    H:アルバム・タイトルに関してはとにかく全員がアイディアを出すということで、みんな色々考えてきてたから、リストそのものは色々あったんだけどやっぱり今ひとつ決めかねていたんだ。それがもうアルバムがほぼ完成した頃で大体曲がどんなものか分かる状態で、だから音楽を聴いてそこからインスピレーションを得ようということで色々考えたんだ。そんな時に今の世界情勢だとか、経済に対する不安とか色々あったし、それからアルバムの曲の中で歌われている題材のことを考えても、この『The Power Within』が一番合っているんじゃないかと思って決めたんだ。

    『The Power Within』は元々のリストの中にあったんだよ。

    -本作を聴かせて頂きましたが、DRAGONFORCE 史上、最高にメロディアスな作品となったのではないでしょうか?メロディについては相当意識されたのですか?

    H:新ヴォーカリストのMarcの加入はとても大きいよ。Marcの加入によって全体のアプローチそのものもすごく変わったよ。まず Marcの声域はとても広くて、低音にも魅力があるしそういう部分を生かそうという意識はしたよ。Track.6の「Seasons」はエレアコな感じで一方 Track.4 の「Give Me The Night」はアグレッシヴな感じだしね。Track.1の「Holding On」はいかにもDRAGONFORCEという感じでの曲だし、Track.3 の「Cry Thunder」は新しい感覚だし、とにかく色々な要素が詰まっていて音楽全体にも緩急が付けられていると思うんだ。それはMarcのヴォーカルがダイナミクスがあって緩急が付けられるからこそ、音楽全体もそれに伴って緩急が付いたと思うんだ。

    Marc Hudson(以下 M):ひとつひとつの曲を吟味して、歌詞の意味というものもすごく考えてそれを表現するような歌い方をしたよ。すごく感情を込めて歌ったから、それがよりメロディックになったということなのかな。単に音を辿るんではなくて、言葉のフレージングをすごく意識したんだ。その辺りがメロディックになったという要因なんじゃないかと思うよ。

    -メロディアスになった一方で、以前と比べるとややソロ・パートが短くなって、その分展開が凝縮されたように感じます。楽曲の構成についてはどういった方向性を持って制作されたのでしょうか?

    H: 以前は確かに長いギター・ソロがあって、ただそのギター・ソロを入れたいから入れていたという部分もあったんだけど、今度は全体のバランスをとても大切にしているんだ。展開が色々変わるというのは、音楽の情景がコロコロと目まぐるしく変化していく感じなんだ。だから 1 つ 1 つのパートが短いんだけど、短いからこそキッチリと良いものじゃなければいけないんだ。ギター・ソロも例えばギターとキーボードでハモリを付けてバッチリ決めて、ちょこっとやってまた次のパートという感じだね。例えば Track.7 の「Heart Of The Storm」は割とこのアルバムの中では長い方なんだけど、ダラダラしないで、もうある程度で区切りをつけてヴォーカルに戻して曲全体のバランスを取っているんだ。あとは曲の作り方自体も今回は違って、以前はそれぞれがスタジオで 1 人 1 人作業をするというスタイルだったんだけど、今回はみんなでジャムって曲を作ったんだ。こういう曲の作り方は 10 年振りだったんだよ。そういうところも含めて、曲の出来方も変わったんじゃないかな。

    -ここで、Marc Hudson のことを伺いたいのですが、今回、オーディションに参加してヴォーカリストの座を獲得したそうですね。オーディションに参加するまでの経歴を簡単に教えて頂けますでしょうか?

    M:DRAGONFORCE に入る前は地元オックスフォードの小さいロック・バンドを転々としてたよ。それよりも前は BMW に勤めていてエレクトロニック・エンジ

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    ニアをしてたんだけど、その仕事柄色んな所を回っていて、その傍らで大学で電子工学を勉強してたんだ。

    -オックスフォード大学で学んでいたんですか?

    M:いや、オックスフォード“にある”大学だよ(笑)。

    -オーディションはどのようなものでしたか?オーディションに応募したきっかけも併せて教えて下さい。

    M: そもそものきっかけというのがオックスフォードの前にいたバンドのギターから“DRAGONFORCEがヴォーカルを探しているらしい”という話を聞いて、半分冗談でビデオを送ったんだよ。そうしたらHermanからメールが来て、興味があるからもう少し聴かせて欲しいと言われて、「The Last Journey Home」を歌ったものを送ったんだ。Herman がオックスフォードで俺のライヴを観に来てくれて、その後にパブで飲みながら話し合って、その後 Herman の家にも行って、その時に出来ていた新曲を歌ってみたりしたんだ。それから2、3ヵ月後に君に決めたよって連絡を貰ったんだ。

    -Marc の第一印象はどうだったのでしょうか?

    H:最初は Marc を西ロンドンのハーローという場所に呼んで、そこに俺と Sam(Gt)、Vadim(Key) が居る前で 2 曲歌ってもらってたんだ。歌がとても良かったのはもちろんだけど、歌唱力だけではなくバンドのファミリーになる訳だし、2 年間ツアーをする上で性格も合わないといけないから、コミュニケーション能力の部分もすごく見てたんだ。その上で更に話をして、俺たちが 10 年間やってきたことを一気に覚えなければならないから、当然頭も切れる奴じゃなければならなかったんだ。それで、Marc の職業を聞いて“こいつなら大丈夫だ”って思ったんだ。

    -既に Marc とのライヴもやられているそうですが、初めてオーディエンスの前で新生 DRAGONFORCE を披露してみて手応えはどうでしたか?

    M:ウォームアップ・ショウとして、300 人ぐらいのライヴ・ハウスで 1 回ライヴをした後、いきなり 1 万人を超える規模での IRON MAIDEN のサポートをするなんてとてつもないステップ・アップだったしもちろん初めてだったから、それだけ大勢のオーディエンスをコントロールしなきゃいけないというのは大変だったんだけど、同時にすごく楽しかったし忘れられない思い出になったよ。

    H:実はウォームアップ・ショウのことは言わないで、いきなり IRON MAIDENのライヴでデビューなんだぞってプレッシャーを掛けてやったんだ。おかげで上手くいったね(笑)。

    -やはり Herman は厳しいんですね!

    M:そうだよ(笑)。

    一同:(笑)

    M:最初に聞いた時は本当にどうしようかと思ったんだけど、結果的には良かったと思ってるよ。

    -リリースも楽しみですが、新ラインナップでの来日の予定はいかがでしょうか?日本のファンは熱烈に待ち望んでいるはずです。

    H:出来るだけすぐに戻ってきたいし、LOUD PARK にも随分長い間出演出来ていないから、LOUD PARK に出れたらいいなって思ってるよ。どっちにしても早く戻って来たいけどね(笑)。

    デビュー以来フロントマンを務めてきたZP Theart が突如脱退し、ヴォーカル不在のまま制作がスタートするという異例の事態に、その作品の仕上がりが心配された今作だが、DRAGONFORCEは DRAGONFORCEであり続け、また、自身の進化を止めないことを見事証明する作品となった。いきなりTrack.1「Holding On」から彼ららしいスピード感と高揚感に溢れるサウンドを聴かせ、更にTrack.2「Fallen World」ではイントロからバンド史上最速・最高難易度のフレーズで畳み掛けてくる。この展開にヤラれないメロスピ・ファンはもう音楽を聴くのをやめた 方がいいかも知れない。そして、お約束のバラードの他にミドル・テンポのトラックも織り交ぜられ、新ヴォーカリストMarc Hudson の声域の広さ、表現力の豊かさが一際目立つような作風となっている。今作では異様に長いギター・ソロはほとんどなくなったが、その分ギュッと凝縮されたソロ・パートが随所に配置され、作曲面での進化も伺える。米沢 彰

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