「高専生と取り組むScrum」 AgileJapan2014 仙台サテライト

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AgileJapan2014 仙台サテライト(2014/06/27)でのスライド #agilejapan #ajsendai http://tohoku-dev.jp/modules/eguide/event.php?eid=262

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高専生と取り組む Scrum

仙台高等専門学校

力武 克彰

Agile Japan 2014 仙台サテライト  2014 年 6 月 27 日

自己紹介

仙台高等専門学校情報システム工学科 教員

http://hirose.sendai-nct.ac.jp/is

大学→大学院→ポスドク→高専教員企業などでの勤務経験無し

高専とは

高等専門学校

5 年一貫教育 + 専攻科 (2 年 )

実験・実習を重視した専門教育

卒業生には産業界からの高い評価

実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関

文部科学省 HP より

何を学んでるの?

2年 専攻研究

1年 組込み PBL

5 年 卒業研究

4 年 マイコン

3 年 Verilog HDL, Linux 実習

2 年 論理回路

1 年 プログラミング入門

専攻科

情報システム工学科

理論と実習の

スパイラル

私の担当科目

プロジェクト型実習

Scrum との出会い

AgileJapan2011 サテライト in 仙台

研究室の学生 ( 当時 5 年生 ) と参加

3 年間一緒に Scrum に取り組む

現在は大学院修士課程進学

■ キーノートセッション1:リンダ・ライジング 氏「 Fearless Change - 不安を乗り越えて組織改革を推進するには」

■ キーノートセッション2:當仲 寛哲 氏  USP 研究所代表取締役所長「立ち上がれ、「義理・人情プログラマ」」

■ 仙台セッション1:西村 直人 氏 永和システムマネジメント「アジャイル開発が上手くなるための 4 つのステップ」

■仙台セッション2 : 石井 力重 氏 アイデアプラント代表「仙台を活性化しそうなアプリ・サービスを発想するワークショップ」

■仙台セッション3:玉川 憲 氏  Amazon Data Services Japan「アジリティからリジリエンス(再起力)へ  - 東北ディベロッパーへの応援メッセージ - 」

http://tohoku-dev.jp/modules/eguide/event.php?eid=66

なぜ Scrum か?

要求・要件

設計

実装

検証

受け入れ

高専生得意

あまり得意ではない (?)

価値を生み出すまでの方法論 ( プロセス )を

身に付けてほしい!

実装だけでは価値が生じない

課題・仕様 実験・実装 レポート

授業での実験実習の流れ

何とか頑張って動くものを作ってレポート書いたらおしまい

PDCA を回したい!

高専生 + 方法論PDCA

= 価値を生み出せる創造的技術者

Scrum にヒントを期待

Scrum で取り組んできたこと

組込み系開発のプロジェクト

自走型ロボットによるレース大会開発対象:ロボットの制御プログラム

チーム:専攻科本科混成 10名程度

ET ロボコンへの参加 (H23, 24, 25 年度 )

システム開発

チーム作り(4 月 )

大会 (10 月 )

勉強会

ふりかえり

Web アプリ開発のプロジェクト

児童向け物語創作支援システムの開発 チーム:専攻科生、 5 年生、 ( 力武 ) 開発対象: Web アプリケーション (ゲーム )

卒業研究・専攻研究 (H25,26 年度 )

チーム作り (4月 )

評価 ( 出前授業 )

調査・開発

成果発表 (3月 )

Scrum をどう実践しているのか

本年度の取り組みの紹介

卒業研究・専攻研究開発対象: muphic-online (Web アプリ )

チーム:専攻科生 2名、 5 年生 2名、力武

スプリント期間: 2週間

児童向けものがたり創作支援システムの開発

開発対象ものがたり創作支援システム muphic-online

ユーザーとして小学校 3-4 年生を想定

直観的操作による紙芝居の創作

イラスト作成

メロディ作曲

スクラムチーム

プロダクトオーナー

スクラムマスター

チーム

プロダクトオーナー:•専攻科 2 年生の専攻研究として取り組む•Web アプリケーションのユーザー体験向上•共同研究者 ( 北九州市立大 佐藤貴之准教授 ) と協力

チーム: (3名 )•専攻科 1 年、本科 5 年生の研究として取り組む•アプリケーション開発の技術面

スクラムマスター:•力武が担当

チーム外の人

ステークホルダ

ステークホルダ:•共同研究者:北九州市立大 佐藤貴之准教授•ゲーミフィケーションの教育効果の研究と実践•製品の顧客としての役割を依頼

•出前授業先の教諭

成果物

プロダクトバックログ

スプリントバックログ インクリメント

プロダクトバックログ:優先順位が付けられた製品の機能一覧

プロダクトの使われ方

優先度

児童は作成したメロディを再生し、聴くことができる

•各機能はストーリー形式で記述•ストーリーマッピング

スプリントバックログ:各スプリントで取り組む機能と課題の一覧

•課題・問題点を随時タスクとして明示•タスクボード

インクリメント:各スプリントで作られた製品の増分

•スプリントレビューで PO が受け入れ基準に達しているかを確認する

児童はメロディを作曲することができる。

児童は作曲したメロディを再生して聴くこ

とができる

イベント

スプリント計画ミーティング

デイリースクラム

レトロスペクティブ

スプリントレビュー

スプリント

スプリント固定された開発の反復期間

•1 スプリント 2週間

スプリント計画ミーティング:スプリントのゴールを共有するスプリント開始時に実施

•開発に取り組む機能について合意を取る•プランニングポーカーでの見積もり

昼会(デイリースクラム)毎日チームが次の 3 つの質問に答える

•昨日からこれまでにやったこと•これから今日やること•困っていること

•昼休み中の 15分で実施

デモ(スプリントレビュー)スプリントゴールが達成されたかを確認スプリント最終日に実施

ふりかえり ( レトロスペクティブ ) :改善事項を話し合い次につなげるスプリント最終日に実施

• KPT+グルーピング• 次のスプリントの TODO を決定

スプリントバックログの見直し

ユーザビリティテスト:•共同研究者 (顧客役 ) のもとで、プロダクトオーナーが計画・実施•被験者:小学 2 年生の児童 5名•内容: muphic-online を使用した課題を与え、 課題に取り組む様子を観察・分析

分析結果よりプロダクトバックログを見直す

Scrum に取り組んでみて

チームが”現在地”を確認できる場ふりかえりと計画ミーティング

止まったままのタスク

進捗どうですか?

できていないこと、に自ら気付く

率直な思いが出る:不安・焦り・不信感・達成感

2週間で要求→受け入れまでを

行うのは本質的に難しい

スプリント

開発対象についての理解不足 技術や知識の不足 環境の不備

これらの問題・課題に気付くことができるのが大事

問題・課題への取り組み

第1回 「マイクロインタラクション講座」プロダクトオーナーが、学んだことをチームに向けて展開

「 Github Issue 」の翻訳スクラムマスター ( 学生 ) が研究室の学生向けに作成

学生自ら自発的に勉強会などを開催

Scrum マスターのお仕事サーバントリーダーシップ• 自律的なチームを維持するためのサポート• 環境整備、対外・チーム内調整、教育など

もっぱらお菓子の買い出し係

開発と研究のバランスが難しい• 卒業研究・専攻研究の一環として実施

お困りごと

試行:スプリント中に論文執筆を行う日を設定

楽しい開発

めんどい卒論

⇒ 論文・成果報告がおろそかになりがち

お困りごと

時間割が合わず、スクラムチームがそろう時間がほとんど取れない

 ⇒ Scrum イベントの時間確保が難しい

( とある ) スクラムマスターがサボる⇒ チームが簡単に崩壊する

解決案???

環境とツール

壁とふせん

基本はアナログツールで

コミュニケーション

Facebook

非公開グループ機能を利用会話内容はグループ内だけで公開・共有

共同研究者、 OBOGもグループに参加

気軽なコミュニケーションからディスカッションまで

ソースコードの共同所有

Github Education プログラムにて

プライベートレポジトリ取得・利用

Github

バージョン管理

ソースコードレビュー

サーバー構築

AWS in Education 助成プログラム

(Teaching Grant) より助成

環境構築・ツール導入にあたって

コミュニケーションコストを下げる⇒ アナログツール重要

メンテナンスコストを下げる⇒ 出来るだけ外部サービスを利用

学習コストを下げる⇒ 学生の力に見合った技術・ツールの導

教育機関向けの助成・支援制度を活用

Scrum への取り組みのまとめ

2011年より高専生とともに Scrum に取り組んできた

Scrum は現在地の把握や問題・課題への気づきには非常に有効

問題・課題に気付いて、じゃあどうするか、ここが重要

高専生 + Scrum = 価値を生み出せる創造的技術者

となるといいなあ

高専生がこの先生きのこるには

Agile Japan 2014 仙台サテライト 「ひとりぼっちは、寂しいもんな」

「頼れる仲間」を「きちんと頼る」ことができれば、もう何も怖くない。

高専生には出会いが必要だ

若手技術者との出会い

若手技術者と専攻科生混成チームによる組込み PBL の実施

スーパーエンジニアとの出会い

スクラムトレーナー 江端 一将氏による講演「世界中で注目されている AGILE とか SCRUM の実

話」

地域 IT コミュニティとの出会い

一部の学生は IT コミュニティ主催の勉強会に参加しはじめている

「仙台ソフトウェアテスト勉強会」「すくすく仙台」「 Agile Japan 仙台サテライト」 etc.

http://www.slideshare.net/shunyamashita40/ss-29095209

高専生が将来みなさんの「頼れる仲間」

として活躍できるようになるには

彼らにどのような出会いの場をどのように提供すればよい

でしょうか?

一緒に考えてもらえるとうれしいです

ご清聴ありがとうございます

求人募集

2015 年卒業生4 年生向けインターンシップ募集中

高専生が将来みなさんの「頼れる仲間」

として活躍できるようになるには

彼らにどのような出会いの場をどのように提供すればよい

でしょうか?

一緒に取り組んでもらえると嬉しいです

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