【ジャパンギビング 宮本さん】サマースクール資料 公開用

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一般財団法人ジャパンギビング理事/事務局長 宮本 聡

ファンドレイジングと価値

2016年8月16日(火)

日本財団CANPAN・NPOフォーラム「一日限りのサマースクール」

~共創社会だから、価値にこだわる!~

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ファンドレイジング

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認定ファンドレイザー® 必修テキスト

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ファンドレイジングとは?

『NPOが活動のための資金を個人、法人、政府などから集める行為の総称』

全体財源獲得

(事業収入、融資等を含む)

支援性資金の獲得

(会費助成金などを含む)

寄付集め

最広義

一般

狭義

ファンドレイジングの範囲 (出所:日本ファンドレイジング協会 認定ファンドレイザー® 必修テキスト)

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①会費・寄附金 ③自主事業収入

②助成金・補助金 ④受託事業収入

支援性 対価性

資金の自由度 <大>

<小>

NPOの財源の特徴

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事業収入の増

知名度、信用力・企画力の増

寄付・会費の増

助成・委託収入の増

「共感型」購入者層増販売経路増、品質向上

知名度、潜在的支援者増、支援メニュー増

新事業モデル化ネットワーク知名度の増加

信用力・場・知名度の増

信頼性・安定性・公共性のイメージ改善「紹介」の増

財源間の相乗効果 (出所:日本ファンドレイジング協会 認定ファンドレイザー® 必修テキスト)

NPOの財源間の相乗効果

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戦略的なファンドレイジング

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マーケティング

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マーケティングとは?

マーケティングとは、 顧客、クライアント、パートナー及び社会全体にとって価値を持つ提供物を創造し、情報伝達し、届け、交換するための活動であり、制度であり、プロセスである

AMA(全米マーケティング協会)

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マーケティングとは、どのような価値を提供すればターゲット 市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客 に届け、そこから利益を上げること。

Philip Kotler(1931 –)

マーケティングとは?(フィリップ・コトラー)

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セグメンテーション、ターゲティング、ペルソナの設定

内部環境分析、外部環境分析(SWOT、PEST、3C)

マーケティングのプロセス

真の課題の発見、目指すべき目標を再定義マーケティング目標の設定

環境分析

ターゲットの設定

ポジショニング(優位性や差別化要因の明確化)ポジショニング

4P・4Cに基づくマーケティング施策の立案マーケティングミックス

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ファンドレイジングとマーケティング

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マーケティングと戦略的なファンドレイジングのプロセス

マーケティング目標の設定

環境分析

ターゲットの設定

ポジショニング

マーケティングミックス

ミッションに基づいた目標の設定

計画策定、実行、管理

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NPOの顧客

第一の顧客 支援してくれる顧客

その活動によって生活が改善される人々

・ボランティア・メンバー・パートナー・資金提供者・委託先・職員・その他の人々

2種類の顧客

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NPOの経営課題

NPO経営課題

事業戦略 組織戦略 財源戦略

第一の顧客へのマーケティング

支援してくれる顧客へのマーケティング

支援してくれる顧客へのマーケティング

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価値とは何か

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Q P S 顧客価値

顧客にとっての「価値」とは?

Qualityクオリティ(品質)

Priceプライス(価格)

Serviceサービス(サービス)

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=「得たものや効果」

「払った犠牲や出費」

顧客が感じる「価値」の概念

価値

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製品とは?

顧客が製品に対して求めるものは、製品「モノ」そのものではなく、それを消費、利用することによって得られる「ベネフィット(便益・効用)」である。

<①中核(コア)>「顧客が製品やサービスの購入で手に入れたい価値」

<② 形態>「製品の特性を構成する価値」

<③ 付随機能>「製品の中核価値に直接的な影響は及ぼさないが、その存在によってより魅力が高まる価値」

Philip Kotler(1931 –)

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ベネフィット(便益)とは?

ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく穴である。

Theodore Levitt (1925 –2006)

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Product Price Promotion Place

価値の創造 価値の伝達 価値の提供

製品 販促 流通価格

Customer Value

Customer Cost

Communication

Convenience

顧客価値コミュニケーシ

ョン利便性顧客コスト

■マーケティングの4P (ジェローム・マッカーシー)

■マーケティングの4C (ロバート・ラウターボーン)

マーケティングの4Pと4C

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顧客を知る

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クラウドファンディングからの学び…人はなぜ寄付をするのか

「その活動を応援したい!」社会的意義、世界/日本初、革新的、挑戦「いくらあれば何ができる」

寄付者視点で「支援の実感」を

NPOの活動に共感

ギフト(お返し)が欲しい

「寄付の見返りが魅力的!」参加、名誉、おトク、レア、限定、著名人寄付の金額に応じた魅力的なギフト設計

寄付者視点で「支援のメリット」を

取組の主体、内容、必然性、背景└自分が前面に出る(人は人にしか共感しない)

伝わりやすいクリエイティブ表現└インパクトあるタイトル、画像、動画└わかりやすい成果(1000円でワクチン2人分)

コストに注意└制作原価、封入・発送工数、郵送料

ギフトアイデア└(例)活動報告をお届け、お名前をウェブ上に掲載、特製ポストカードで子どもたちからのお手紙、現地視察ツアーへご招待、代表が講演に伺います

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マズローの欲求5段階説

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顧客は自分のニーズを知らない

顧客のニーズ

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自分は知っている 自分は知らない

他人は知っている

開放の窓(OPEN SELF)

自分も他人も知っている自己

盲点の窓(BLIND SELF)

自分は気づいていないが他人には知られている自己

他人は知らない

秘密の窓(HIDDEN SELF)

自分は知っているが他人は知らない自己

未知の窓(UNKNOWN SELF)

自分も他人も知らない自己

ジョハリの窓

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感情的欲求

論理的必要性

人が意思決定する理由

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問題認識 購買決定代替製品の

評価情報探索

購買後の行動

■コトラー 5段階の購買決定プロセス

■AMTUL 長期的な購買行動モデル

■AIDMA 短期的な購買行動モデル

B to C の顧客購買行動

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寄付を集める

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日本における寄付・会費総額の推移 (出所:寄付白書2015)

<日本>(2014年)

個人寄付総額:7,409億円寄付者数:4,410万人(15歳以上人口の約43.6%に相当)

日本の寄付統計

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出所:日本ファンドレイジング協会「寄付白書2015」

日米英3カ国の個人寄付総額比較(2014年)

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個人寄付総額(寄附白書2015/現代経済研究院)

名目GDP(IMF統計)

名目GDP比(個人寄付/名目GDP)

人口(世界人口白書2014)

1人あたりの寄付(個人寄付/人口)

日本(2014)

7,409億円 46,023億ドル 0.2% 1億2,700万人 5,834円

米国(2014)

27兆3,504億円(2,585億ドル)

173,480億ドル 1.5% 3億2,260万人 84,781円

英国(2014)

1兆8,100億円(106億ポンド)

29,500億ドル 0.6% 6,350万人 28,503円

韓国(2013)

1兆1,137億円(12兆4859億ウォン)

14,103億ドル 0.87% 4,950万人 22,499円

<※換算レート>(米)1ドル = 105.8円、(英)1£ = 170.8円、(韓)1韓国ウォン = 0.0892円

日本の個人寄付は米英だけでなく韓国よりも低水準。「文化の違い」で片付けなければ、まだまだ伸びる!

個人寄付4カ国比較

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出所:内閣府「社会意識に関する世論調査」/平成27年1月

約66%が「社会のために役立ちたい」2015年の「社会意識に関する世論調査」によると、「社会のために役立ちたい」と思っている人は33年前と比べると22.8ポイント増えて、66.1%になっています。

社会意識の変化

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資金の確保 意識と行動を変える

寄付の意義

「1人からの100万円」と「1万人からの100万円」

寄付者数は、「心が動いた人の数」

寄りそい、付きそう

寄付の意義

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なぜ寄付をしないのか?

「NEVER ASK NEVER IN」(お願いをしない限り、寄付は入ってこない)

お金がない 資金使途が不明 頼まれない

寄付をしない主な理由

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寄付の依頼

機会の提供寄付の依頼 =

ファンドレイザーは 機会の提供者

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お礼を伝える

(thank)

1回の協力につき、7回の感謝を。

寄付集めで一番大切なこと

依頼する

(ask)

寄付集めは「社会を変えるきっかけ」

を提供すること。

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ありがとうございました。

miyamoto_satoru@japangiving.jp

ご質問があればご連絡ください。

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