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あしたの郊外その前夜から 郊外の空き家問題の解決には、官民一体となって問題点を共有し、力を合わせて取り組ん でいかねばなりません。本提案は、問題点の共有、解決への進め方を提示し、 あしたの郊 を明るい未来へと繋げていこうとするものです。

"あしたの郊外" その前夜から

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“あしたの郊外” その前夜から郊外の空き家問題の解決には、官民一体となって問題点を共有し、力を合わせて取り組ん

でいかねばなりません。本提案は、問題点の共有、解決への進め方を提示し、 ”あしたの郊

外”を明るい未来へと繋げていこうとするものです。

1:「郊外」を考える

1-1:「郊外」の問題

人口減少に伴い空き家が増え、ゆっくりと衰退していると捉えら

れています。また、商業施設や公共交通の縮小により、より利

便性の低いエリアとなる事が予測されます。

1:「郊外」を考える

1-2:法制度の整備

『小規模住宅地区等改良事業制度』や『空家等対策の推進に

関する特別措置法』といった法整備が進んでいますが、個別の

建物に対する法制度のため、「郊外」全体そのものをどのように

していくかという視点においては明確な答えはありません。

1:「郊外」を考える

1-3:「郊外」の構成要素

個人所有の家・建物、土地と道路やインフラ設備が集まって「郊

外」を形成しており、「郊外」の問題は、関わっている皆で取り組

まなければ解決できません。

1:「郊外」を考える

1-4:明るいあした

みんなで「郊外」の問題に取り組み、将来のビジョンを考えま

す。このビジョンに向かって、「郊外」を”新陳代謝”させることで、

明るい「あしたの郊外」を迎えます。

また、官民共同により、公共サービスの維持も視野に入れて取

り組みます。

1:「郊外」を考える

1-5:暗いあした

個別に働きかけているのでは、空き家の大半は放置される可

能性が高く、実際に、地価やリセールバリューの低下、スラム化

を招いた例が出始めました。

2-1:それぞれの「郊外」

家・建物、土地を所有している方々は、どのように使っていくのか、いつまで住むのか、いつまで所有するの

かを決めなければなりません。その手掛かりとして、家・建物、土地に関する税制、修繕方法、転用方法、

解体方法を知る必要があります。

また、地方公共団体では、インフラの修繕管理に関わる人・税金の将来的な不足問題への対策を考える必

要があります。

2:いまできること、あしたにつなげること

2-2-1:家・建物のあした

税制面では固定資産税の存在があります。空き家は固定資産税の軽減措置適用外となり、家・建物に住人

が居る事が条件となりました。人が住んでいる状態が得であるという事から、地域によってはフリーレント

(家賃0)による賃貸方式が始まっています。ただし、無制限な人の流入は必ずしも好ましい結果になっては

おらず、実例に基づいたルール作りが必須となります。  (次頁へつづく)

2:いまできること、あしたにつなげること

2-2-1:家・建物のあした

解体については、国、地方公共団体からの補助制度があります。修繕・転用方法については、本コンペの

案、他の地域・外国の例を参照するなど、知識の共有が必要です。

こういったルールを勉強し、判断材料に組み込み、賃貸利用(青色)、公共空地化(緑色)といったものが生

まれます。

2:いまできること、あしたにつなげること

2-2-2:フリーレントのルール作り(例)

元住民の紹介制とした借家利用、取手アートプロジェクトオフィスによるアーティスト紹介制としたアトリエ利

用などを定め、フリーレントの条件に建物やまちの美観・性能維持活動を行うなど。

また、転用の一案として、行政の出張所や生活用品の販売店、アートギャラリーを点在させ、徒歩圏内に公

共・暮らしのサービスネットワークを構築し、「郊外」の魅力に繋げるなど。

2:いまできること、あしたにつなげること

2-2-3:空き地ではない扱いのもの(例)

市民農園(茶色)、公開空地(緑)とし、「郊外」の魅力づくりをしつつ、利益を得る選択肢があります。

また、この選択肢は固定資産税の節約にも繋がります。

2:いまできること、あしたにつなげること

2-3:インフラのあした

2-2による未来のビジョンの作成により、利用頻度の低いと判断できるインフラが発生します。これらは、

将来の公共負担軽減のために、廃止もしくは、民間管理によって維持可能な構造へと切り替えます。

2:いまできること、あしたにつなげること

2-4:アートのちから

イベント時には外部の人を呼び込み、平時はアーティストの制作の場として特徴のある賑わいがつくられま

す。また、取手アートプロジェクトオフィスにより、アートが「郊外」においてより役に立つ方法を模索、企画、

立案を進めます。

2:いまできること、あしたにつなげること

:アート作品など

2:いまできること、あしたにつなげること

2-5:別荘地のような「郊外」

着地点の一例として、人口減少により家・建物が減ったものの、緑地や農園の合間に、住居、アトリエ、公共

サービスが点在する、利便性の良い別荘地のような「郊外」となります。都心ほど広域の利便性はなくとも、

都心よりも遥かに良好な住環境で日常生活にはほどよい利便性を持った「あしたの郊外」です。

2:いまできること、あしたにつなげること

2-6:郊外の地区計画・建築協定

まちの環境をより良好なものとするため、また、維持するためのルールづくりを行います。具体的には、住環

境、景観に関する項目や、大規模開発への制限、アートの入り込める場所づくりといった仕組みを考える必

要があります。

3-1:みんなで話し合うために

参加メンバーは、住民、取手市役所担当課、取手アートプロジェ

クトオフィス、デザイン監修者、その他必要に応じたアーティスト

・専門家・ファシリテーターとなります。

私たちはデザイン監修者の一員として参加します。

3:”あしたの郊外”の進め方

3:”あしたの郊外”の進め方

3-2:ワークショップ形式

問題点の共有周知、知識の獲得、解決案の創造のプロセスを

科学性、民主性を維持しながら進めます。「郊外」の問題の根

幹は多岐に渡っており、それぞれの視点からはアマチュアで

あったりプロとして対応できるものと別れている事から、みんな

で問題を共有し、知識を合わせるというプロセスが必須になりま

す。

3-3:フロー(例)

1. 問題提起(当該公共団体関係窓口へ投稿など)

2. 取手アートプロジェクトオフィス、デザイン監修、

ファシリテーター、関連する専門家へ情報共有

3. 問題の事前調査

4. ワークショップ開催通知の交付

5. ワークショップ(3-2)の実施

6. 方針決定の後、地元民間業者の選定

7. アート、デザイン監修

8. 着手

9. 全体へ結果報告

3:”あしたの郊外”の進め方

4:デザイン監修者の役割と重要性

4-1:理念

個別に新陳代謝を続ける「郊外」に対し、常に全体を明確に把

握しながら、個別の更新に対し的確な整備方針を見出します。

4:デザイン監修者の役割と重要性

4-2:体制

情報発信の場の構築を提案します。

● webサービスを用いて、デザイン監修に関する現況の共有

と報告を行います

● 多世代を引き込める仕組みの提案に加わります

● 取手アートプロジェクトに積極的に関わり、楽しみながら参

加します

4:デザイン監修者の役割と重要性

4-3:官民、関係団体との報告・調整

立案された計画に対し、審査の段階において、理念に応じた助

言と具体性を持った提案を行います。これらの経緯、結果を公

開報告とし、ワークショップ開催の際には、定期報告と”あしたの

郊外”のビジョンについて、都度、意見を取り込み、より密度の

あるものへと進めます。