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1 海外企業のFacebookファンページ利用事例 検討資料 (株)メンバーズ

20100801 企業のfacebook利用ver1.0

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海外企業のFacebookファンページ利用事例検討資料

(株)メンバーズ

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アウトライン(機能別の利用パターンのまとめ)1. 顧客コミュニケーション全般:

– ほとんどの場合、基本的には自社情報発信と、基本情報(+連携拡大)としての利用である。– 顧客コミュニケーション(ダイアログ)は成立していない。現実的に数百万ファンのコントロールは困難。

2. ディフォルト・タブと独自タブ:– 積極的かつ強制的に最優先施策に誘導するケースと、掲示板など意図がみられないものと両極端。

新規獲得か、リピート喚起かの違いといえる。– また、多数の独自タブ(商品や施策)がある一方、ほとんど基本タブのみの場合もある。

3. シンプルなアプリが多数:– 診断モノ、アンケート風、ゲーム風のものなど、多数見られるがアイデアは非常に他愛ない。

(コカコーラ:How Happy?、オレオ:Dumk or Don't?)

– 基本情報取得とユーザー連携確保が目的のため、ディフォルトタブでほぼ強制的に誘導するパターンが多い。(ユーザーの写真を吸い上げるものもある。)

4. 割引クーポンなどの配布:– クーポン等のインセンティブは店舗誘導告知で用いられる。いずれも期間限定のリアルタイム性を活かしている。

5. 「掲示板」の使い方に非常に温度差– ①完全に自社発信のみ、②自社発信+コメント喚起、③グループページ的なユーザー任せ、のパターンがある。

– Twitter連携で、刻々とタイムラインを流すケースもみられる。

6. Youtubeなど動画連携:– 魅力・話題性のあるイメージ動画自体についてのクチコミ喚起。ファッションなどイメージ重視の場合で目立つ。

7. UGCは写真程度:– シュチュエーションやコスプレなどの企画はあるものの、基本的には商品の写っている「写真投稿」のみ。– ネスレの炎上では、「ユーザーアイコン」という手法も登場。「テキスト以外」が意味を持つ。– コカコーラのファンページは「炎上させないためユーザーが制作したものを採用」という話がある。(真偽は未確認)

8. 「放置」もひとつの手法・戦略?– ユーザー任せの掲示板や写真投稿など、Zaraのように発信情報が皆無でも多くのファンを得ているケースがある。– クーポン・アプリによる実弾戦だけが、獲得手法とはいえない面がある。

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ブランドページのファン数TOP50

• SMエージェンシー http://www.ignitesocialmedia.com/による。

• この中から業種別の事例を抽出。(順位、ファン数は下記6/28時点のものを記載。)

菓子

懸賞系

外食

飲料

ゲーム

外食

エンタメ

外食

シューズ

Web

外食

外食

Web

ファッション

飲料

外食

飲料

菓子

ハブラシ

エンタメ

外食

ピンクリボン

ゲーム

外食

ゲーム

Web

外食

飲料

Web

菓子

菓子

飲料

Web

ファッション

Web

エンタメ

シューズ

菓子

シューズ

ファッション

菓子

シューズ

ファッション

懸賞系

菓子

外食

エンタメ

菓子

ファッション

エンタメ

ゲーム

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ファン数上位の概況

上位50サイト(前ページリスト)の業種内訳

• 「外食・お菓子・飲料・スポーツシューズ」が、各社こぞって対抗的に活用している。

• ファン数においては、業種や商品が若年層向けのプロモーションに非常に偏っているといえる。

Facebook全体でのファン数上位

• 上位はおおむね、ゲームとセレブであり、軒並み1千万レベルが「普通」である。

• なお、下記は7月時点になり、スタバ(9位)が1

千万越えとなる。

• しかし、依然として企業ブランドはごく一部。

10

8

65 5 5

4 4

2 2

23,68725,382

27,386

15,50113,608

11,49411,138

6,5354,834

2,776

0

2

4

6

8

10

12

外食

菓子

Web

飲料

ァッシ

ョン

エンタ

ュー

ゲー

懸賞系

その他

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

ブランド数

ファン数合計(千)

(15.5位があるのでブランド数は51)

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外食:Starbucks(2位 8,410,175ファン)

• ディフォルト・タブはポイントカード。

• アプリによる販促が中心で、コミュニティは放置されている印象。

抽選キャンペーン:

• アイスが当たる抽選アプリ。はずれは1$引き券。

• 7/19で終了。同種施策の積み重

ねとグローバルでの話題性がファン数のポイント化?

フラペチーノの商品ページ:独立した商品ページ。写真共有アプリがある。

掲示板・写真:自社発信がみられず、ほぼ放置運営と思われる。

※Flicer炎上事件:

• 2010年年初、店内で写真を撮っていたら「店員に怒られた」ことでFlicer内が炎上。

• 最近、店内撮影不可との公式見解があった模様。

Around The World:

施策等も実質米国向け。日本の施策・情報ともなし。

6

外食(その他):

McDonalds:

• 20位 2,456,372ファン。•自社発信のみの掲示板が、ディフォルタブ。

•独自タブはごく普通の商品紹介のみ。•意外なほど控えめ。

Chick-fil-a:

• 31位 1,748,747ファン。•キャラクターのコスプレ写真コンテストを展開。

•ただし、実質的にそれだけである。

Subway:

• 33位 1,684,997ファン。•自社サイトとキャラクターのTwitterへのリンクのみ。

•他の独自タブがまったくない。

参入例は多いが、内容的にはシンプルに絞り込んでいるケースが多い。

7

ファッション:Victoria's Secret: 9位 4,022,959ファン

• クーポン配布で、早期から若年層のファン獲得をはかっている。

• 期間限定配布の割引クーポン「シークレットリワードカード」の告知が、クチコミ喚起に寄与したとされる。

Victoria's Secret Pink:•学生向けシリーズのPINKは独立した別ページ。17位 2,810,032ファン。

•独自の学生向けプロモーション。(学校対抗イベント、EC送客など)を展開。

掲示板:•水着シーズンということで新モデルカタログ発信が主。

•動画カタログ(イメージビデオ)が豊富である。

•ユーザーは、クーポン配布時に盛り上がるとされる。

写真:

ユーザー投稿写真も話題性のひとつ。(一部にはある様子・・・。)

8

ファッション(その他): スタイルは違うが、いずれも動画を多用しているのが特徴。

Zara:

• 15位 2,998,555ファン。•淡々としたイメージ動画以外に、発信もユーザー参加も「完全に何もない」。

•意図的に飢餓感をあおっているとみられる。

H&M:

• 23位 2,276,637ファン。•ディフォルトタブ「Your

H&M」では、ユーザーポータル的にあらゆるメニューを網羅。

Lacoste:

• 39位: 1,500,169ファン。•実質下記イメージビデオのみである。(非常に抽象的な内容で、仕掛けは不明。)

Diesel:•現状449,533ファンで、決して多くない。• Diesel camが話題。(店舗カメラを設置。試着した様子をFacebook

Connectで投稿し、購入するか共有させるもの。現在終了。)

9

シューズ各社:

Converse:

• Converse All Stars(12位 3,494,266、Converse 16

位 2,825,424)の2つを展開。•いずれも、特に目立つ独自タブや仕掛けはみられない。•掲示板では、淡々とユーザーの商品自慢が語られる。ほとんど男性だけなのが面白い。

adidas Originals:

• 14位 3,137,072ファン。•本格的SFXで話題となったスターウォーズのタイアップCMがメイン。Live Stream、MEGAのタブも各種の動画がメイン。

•掲示板は自社発信のみ。

Puma:

• 34位 1,681,144ファン。•掲示板は自社発信情報のみ。

•やはりYoutube動画のタブがある。

横ノリ系動画が目立つが、コンバースはユーザーが積極的に掲示板参加。

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お菓子各社:

Skittles: 5位 5,349,198ファン

• Facebook内外で、参加型のイベントや面白動画を常に仕掛けている。

• 掲示板(ディフォルト)でも、その経過を刻々と発信しており、コメントの食いつきも多い。

Oreo: 6位 5,087,795ファン

• Dunk or Don't Dunk?(浸す派・浸さない派?)は、他愛のないお遊びアプリの典型的な例といえる。

番外「ネスレの炎上事件」:• 3月にNestleのファンページ(現状:108,350ファン)がGreenpeaceにより炎上。

• パーム油採取への抗議行動の一環で、ユーザーアイコンに抗議用アイコンを作成。ネスレは「ロゴを変えて投稿されたコメントは削除」とし、炎上が加速。

• なお、現状の掲示板は、「自社広報的なもの」がほとんど。

• 他も、ほぼ同様の展開。

Starburst:(15.5位 2,906,936ファン)Pringles:(13位 3,475,110ファン)

「掲示板での発信+お遊びアプリ」が定型となっている。

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飲料各社: コカコーラだけが突出して充実。

Coca Cola: 3位 6,041,340ファン

• 独自タブが多く、それぞれがプロモーション企画。

アプリから企画モノや商品情報まで、施策の充実感は企業ページ唯一である。

• ディフォルトタブの上部アプリの出口はIphoneアプリへの誘導もある。• 「EXPDITION206」は、企画モノのひとつ。「幸せ大使」と呼ぶ若者3人が

世界を旅して生中継と応援メッセージを共有する、リアリティ番組風の企画。

• また、投稿・写真も各国の容器や味の違いを語っているなど、グローバルブランドならではの印象。

Red Bull: 7位 4,670,514ファン

• Athletsは、栄養飲料としてのスポーツ支援企画。ただし連携するtwitterを掲載しているのみ。

• ディフォルトタブが画像だけのただの表紙なのも特異。

Dr. Pepper: 29位 1,827,828ファン

• これといったアプリ等が無く、掲示板も年配風が目立つ。他社が若年層向けのお遊びが多い中で、クラシカルなムードは特異。

• 往年のバンドKISSのスポンサードも、年齢層を示す?

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ヒューストンのケーキ屋さんの事例

• 顧客との密なコミュニケーションは、中小規模でなければ困難とみられる。

• また、Facebook自体も、中小企業やローカルでの販促活用が有効とし、今後拡大を狙うとしている。

「ぐるなび+食べログ」のような、こじんまりしたやりとりであり、まさに街のケーキ屋さんである。

ハーバードビジネスレビュー掲載の事例レポート(以下一部を引用)

One Café Chain's Facebook Experiment - Harvard Business Review (2010年3月号)

• Dessert Gallery (以下,DGと略)は米国ヒューストンにあるケーキショップ。

• DG管理者からの書込みは週に数回程度だが,今日はたまたまDGがテレビでとりあげられたようで,かなり多くのファンが「おいしかった!」などと感想を書き込んでいた。またその声には丁寧に一件ずつDGから感謝のコメントが返されている。

• ファンページ開設から3ヵ月後に,顧客サーベイを実施した結果。(※来店行動を指数化したとみられる。)

1.Facebookでファン登録している顧客 ... 75ポイント2.Facebookユーザーだがファン登録をしていない顧客 ... 66ポイント3.Facebookを利用していない顧客 ... 53ポイント

• 彼等はDGに他の顧客より20%多く足を運び,使った総額も当然最も多かった。さらにFacebook上で友人にDGに関するポジティブなクチコミを多く発信しており,顧客サーベイの総合スコア差は歴然としていた。またDGに対する愛情度スコアも3.4点(4点満点)と,他の顧客の平均3.0点を大きく上回っていることがわかった。

「Facebookファン登録者は来店利用が多い」という記事