2017/7/21

1

列 島 地 質

１３．日本列島の

形成過程の復元

日本列島中古生代横すべり運動史

時 代 センス 場 所

三畳紀～

ジュラ紀

ジュラ紀

白亜紀前期

白亜紀後期～

古第三紀

左？

右

左

左

舞鶴帯，秋吉帯

飛騨帯，飛騨外縁帯，

舞鶴帯，丹波帯北部

黒瀬川構造帯，

北上山地，西南日本内帯

中央構造線（和泉盆

地），棚倉構造線

ま と め…

ジュラ紀中～後期：右横すべりとほぼ同時

期に，多量の付加体（丹波−美濃−足尾帯

のものなど）が上昇

白亜紀前期：黒瀬川帯での左横すべり変位

＋北上山地～西南日本内帯での円錐状褶曲

白亜紀後期：中央構造線での左横すべり

新第三紀中新世：日本海の形成・日本弧の

形成

和 泉 層 群

MTL: 550 km 変位

白亜紀後期の変位復元

秋吉帯 ↓

沢谷ユニット

秋吉帯ペルム紀 付加体

沢 谷 ユニット

2000万年前

9000万年前 まだ複列分 布 →

ま と め…

ジュラ紀中～後期：右横すべりとほぼ同時

期に，多量の付加体（丹波−美濃−足尾帯

のものなど）が上昇

白亜紀前期：黒瀬川帯での左横すべり変位

＋北上山地～西南日本内帯での円錐状褶曲

白亜紀後期：中央構造線での左横すべり

新第三紀中新世：日本海の形成・日本弧の

形成

2017/7/21

2

大規模な変位＝

黒瀬川構造帯・

特にその北縁部

白亜紀前期

西南日本外帯

南部北上帯

下部白亜系の古生物地理

植物化石

手取型植物群

領石型植物群

二枚貝化石

物部川動物群

南海動物群

西南日本内帯

足尾帯 西南日本内帯？

北部秩父帯

黒瀬川帯 南部秩父帯

MTL MTL

白亜紀前期の左横すべり

物部川動物群

（北部秩父帯）

vs

南海動物群

（黒瀬川構造帯・

南部秩父帯）

西南日本外帯（三重町）の白亜系

小規模だが幅広い変位＝

東北日本・西南日本内帯

白亜紀前期 母体変成岩類

南部北上帯古生界

大鉢森角閃岩類

母体変成岩類

不整合

断 層

南部北上帯古生界

早池峰複合岩類

根田茂帯付加体

不整合

断 層

母体−長坂地域

早池峰−根田茂地域

2017/7/21

3

母体ｰ長坂地域の 左横すべり変位・変形の復元

中 生 界

３つの向斜それぞれで異なる層序

南部北上帯の中生界

近接する場所で，異なる層

序が形成されたのか？

→離れた場所で形成され左横

すべり運動で接近？

同様な非対称褶曲（犬山地域）

同様な非対称褶曲（栃木地域） 丹波－美濃帯と領家帯

☆丹波－美濃－足尾帯の褶曲（左横すべり

に伴う）を切って，領家変成帯が形

成・上昇

☆丹波－美濃－足尾帯と中央構造線の左横

すべり運動は同時期か？

１．丹波－美濃－足尾帯の褶曲

２．１を切って領家変成帯が形成

３．２を切って中央構造線が活動

後期白亜紀

前期白亜紀

2017/7/21

4

白亜紀前期の

左横すべり

変位復元

もっと痩せる

もっと太る

一列ずつに

白亜紀左横すべりの前後

白亜紀の変位復元 ジュラ紀の変位復元

日本列島中古生代横すべり運動史

時 代 センス 場 所

三畳紀～

ジュラ紀

ジュラ紀

白亜紀前期

白亜紀後期～

古第三紀

左？

右

左

左

舞鶴帯，秋吉帯

飛騨帯，飛騨外縁帯，

舞鶴帯，丹波帯北部

黒瀬川構造帯，

北上山地，西南日本内帯

中央構造線（和泉盆

地），棚倉構造線

ま と め…

ジュラ紀中～後期：右横すべりとほぼ同時

期に，多量の付加体（丹波−美濃−足尾帯

のものなど）が上昇

白亜紀前期：黒瀬川帯での左横すべり変位

＋北上山地～西南日本内帯での円錐状褶曲

白亜紀後期：中央構造線での左横すべり

新第三紀中新世：日本海の形成・日本弧の

形成

2017/7/21

5

古生物地理的位置づけの変化 韓国の 湖南剪断帯

(Honam shear zone)

飛騨外縁帯の異なる層序系列 異なる層序系列が剪断帯で接合

横すべりの反転：２回運動？ ジュラ紀末期（約 160 Ma）

2017/7/21

6

東アジアの地質構成要素

1) 大陸地塊

2) 衝突型造山帯

(E–W)

3) 太平洋型造山帯 (N–S)

アンガラ剛塊

タリム地塊 北中国地塊

中央アジア造山帯 アジア大陸東縁

中生代～新生代付加体群

秦嶺–大別衝突帯

南中国地塊 横ずれ断層群による種々の要素の混在化

地質学的にモンゴルは日本列島のふるさと？

根田茂帯 デボン紀チャート＋

石炭紀？砕屑岩類

モンゴルと古生物

地理的類縁性

枕 状 溶 岩 （くずれ） NNW SSE 赤色層状放散虫チャート層

NNW SSE

東アジア中期ペルム紀腕足類動物区 南部北上古陸の北進

2017/7/21

7

南部北上古陸の北進 古生代地質体の起源

モンゴルの同時代地質体との類似性

→多くは，ゴンドワナ大陸由来の地塊

→北中国地塊と癒合

→北中国地塊とアンガラ剛塊が衝突し

た際に，一部は間から絞り出される？

日本列島中古生代横すべり運動史

時 代 センス 場 所

三畳紀～

ジュラ紀

ジュラ紀

白亜紀前期

白亜紀後期～

古第三紀

左？

右

左

左

舞鶴帯，秋吉帯

飛騨帯，飛騨外縁帯，

舞鶴帯，丹波帯北部

黒瀬川構造帯，

北上山地，西南日本内帯

中央構造線（和泉盆

地），棚倉構造線

舞 鶴 帯 と 秋 吉 帯

なぜか秋吉帯（ペルム紀付加体）の

大洋側に舞鶴帯（ペルム紀陸棚型地

質体）が位置する

→元々，秋吉帯のペルム紀付加体は

舞鶴帯の大洋側に付加？

→三畳紀以降の横すべりで再配列？

舞鶴帯のジルコン学

秋吉帯 舞鶴帯 南部北上帯 黒瀬川帯

P2–3

T 1–2 R

T 3 R

ゴンドワナ～中央アジア 北中国

海洋性島弧？

京都府大江地域の舞鶴帯

左横すべりデュープレックス？

2017/7/21

8

三畳紀左横ずれ運動→再配列？ 模 式 地 で ２ つ の 出 来 事 を 識 別 可 能 秋吉“造山運動”

0

20

40

60

0 1000 2000 3000

254 Ma

0 %

N=46

秋吉帯 太田層群砂岩 （山口県）

0

20

40

60

0 1000 2000 3000

0%

253 Ma

N=58

秋吉帯 小滝ｺﾝﾌﾟﾚｯｸｽ（新潟県）

0

5

10

15

0 1000 2000 3000

73.2 %

213 Ma

N=56

上部三畳系 美禰層群 （山口県）

秋吉帯付加体のペルム系砂岩

（海溝充填堆積物）

被覆層

（挟炭層の粗粒砂岩）

ステージⅠ

石炭紀に形成された海山と

その上の石灰岩（石炭～中部ペルム系）が，後期ペル

ム紀に海洋性島弧へ付加

ステージⅡ

後期三畳紀までに，海洋性島弧が北中国地塊に衝突

模 式 地 で ２ つ の 出 来 事 を 識 別 可 能

秋吉“造山運動”

ステージⅠ：後期ペルム紀

ステージⅡ：三畳紀

海洋性島弧

海山の付加

海洋性島弧の

北中国地塊への衝突

北中国地塊

北中国地塊 海洋性島弧

「県の鉱物」十字石も， この衝突帯で作ればよい？

ゴンドワナから北中国へ

シルル−デボン紀 日本列島形成史 1/3

500–330 Ma：ゴンドワナの活動的大陸縁

330 Ma：ゴンドワナ縁辺部のリフティング

（さらばオーストラリア）

330–230 Ma：海洋性島弧として北上？

230–170 Ma：海洋性島弧が北中国地塊や，

ゴンドワナ大陸由来の地塊に順次癒合

2017/7/21

9

石炭−ペルム紀 ジュラ紀末期（約 160 Ma）

日本列島形成史 2/3

170–160 Ma：中型大陸が北上し，アンガラ

剛塊と衝突→右横すべり剪断運動＋日本海側

地帯と太平洋側地帯の古生物地理的分化

130–120 Ma：黒瀬川構造帯における大規模

左横すべり変位→陸棚型地質体及び古生代～

ジュラ紀付加体が複列に；北上山地及び西南

日本内帯で円錐状褶曲

日本列島形成史 3/3

90–70 Ma：中央構造線沿いの左横すべり変

位（550 km）と，和泉盆地の形成

80–60 Ma：四万十帯付加体が，三波川変成

岩類主部として地表付近まで上昇

20–15 Ma：日本海の形成→日本列島の形成

研究を始めるにあたって…

☆先入観に惑わされるな

☆多数派は，多くの場合間違っている

☆常に総合的に考えよう

☆学問の奥の深さを実感しよう

コア マントル 優れた人

宣伝マン 取り巻き

（移ろう人）

Fin

お わ り

一学期間ご清聴ありがとうございました。