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安達:コミュニケーション符号理論 1
第03章
「通信路符号化方式の概要」
安達文幸
安達:コミュニケーション符号理論 2
目次通信路符号化の目的
2PSKのビット誤り率通信路符号化
符号と符号語符号の分類
誤りの検出と訂正誤り訂正符号化誤りパターン誤りの検出と訂正符号化の概念図符号化率
ユークリッド距離とハミング距離1ビット誤りを検出する符号
単一パリティ検査符号水平垂直パリティ検査符号
1ビット誤りを訂正する符号(7,4)ハミング符号
符号化データのインタリーブ
自動再送Stop-and-wait ARQGo-Back-N ARQSelective-repeat ARQ
安達:コミュニケーション符号理論 3
音声符号化しくみ音声はアナログ信号です.これをデジタル信号(0と1の符号系列)に変換して伝送しています.
では,どのように変換しているのでしょうか?
マイク
アナログ電気信号
音声符号器
1011010001101
音声符号系列( 1 秒 間 に お よ そ8000個の0と1からなる系列を伝送)
電波に乗せる
時間
もしもし
ディジタル被変調信号
安達:コミュニケーション符号理論 4
音声符号化技術の発展固定電話
波形符号化(64kbpsPCMや32kbps ADPCM)が用いられている.
移動通信低ビットレートで高品質のハイブリッド符号化である.6.7kbps VSELP(フルレート)や 3.75 kbps PSI-CELP(ハーフレート)が開発されている.
20001970 80 85 90 95年
2
4
8
16
32
64
GSMRPE-LTP
PDCVSELP
IS-54
移動通信網
固定電話網PCM(G.711)
ADPCM(G.721)
(誤り訂正を含まない)
符号
化レ
ート(k
bps)
LD-CELP
PSI-CELP(3.75kbps)
CS-CELP
8 16 32 64
主観
評価
値(平
均オ
ピニ
オン
スコ
ア)
悪い
1
普通
2
よい
3
非常によい
4
非常に悪い
0 0ビットレート(kbps)
単純な波形符号化
複雑な波形符号化
ハイブリッド
分析-合成
移動通信
安達:コミュニケーション符号理論 5
音声発生のモデル化
スペクトル情報
有声音源
音源の電力スペクトル密度
発声(のどの声帯)
調音(のどと口)
音声波形
電力スペクトル密度
周波数
電力
無声音源
+ 聞く
話す
周波数
もしもし
声帯と“のどと口” のモデル化のどの声帯は音源.これをパルス系列と雑音波形で表す.
人の声に特徴を与えているのが“のど”と“口”の形である.これを電気回路で表す.
安達:コミュニケーション符号理論 6
聞こえてくるのは合成音!携帯電話には,符号帳駆動線形予測(CELP)と呼ばれる最新の音声符号化技術の一種が使われている.
音源を表わす雑音波形が雑音符号帳に記憶されている.相手側も同じ雑音符号帳を持っている.
会話相手に送るのは,音源を表す符号帳番号と“のどと口”を表す電気回路のパラメータである.
つまり,聞こえてくるのは合成音である!
ピッチ再生
LPCフィルタ
-
LPC分析
聴覚的重み付け
自乗誤差最小化
#1
#232
#2
雑音符号帳
(音源)符号帳番号
(のどと口)LPCパラメータ
232回の符号帳サーチ
音声波形のどの声帯の震え(音源)を
表す雑音
“のどと口”を表す電気
回路
2PSKのビット誤り率
安達:コミュニケーション符号理論 7
10-6
10-5
10-4
10-3
10-2
10-1
0 2 4 6 8 10
2PSKの判定誤り率
Erro
r pro
babi
lity
Eb/N0 (dB)
ビッ
ト誤
り率
p
2PSKのビット誤り率
021
NE
erfcp b
安達:コミュニケーション符号理論 8
通信路符号化の目的
安達:コミュニケーション符号理論 9
通信路符号化
通信路は雑音や干渉などにより符号誤りが発生し,通信の信頼性が損なわれる場合がある.
そのような誤りを検出・訂正して通信の信頼性を高めるのが通信路符号化である.
誤り検出
誤り訂正
通信路符号化を用いても誤りを完全にはゼロにできない.誤りが検出された場合,誤りがなくなるまで同じデータパケットを再送する自動再送(Automatic Repeat Request:ARQ)がある.
誤りのあったデータパケットを再送する
誤り検出・訂正符号化と組み合わせて用いられる
安達:コミュニケーション符号理論10
通信路符号化では,送信情報に冗長な符号を付加し,誤りの検出,訂正を行う.ほとんどのディジタル伝送システムに採用されている.
最近はIPサービスがポピュラーになってきた.IPサービス
の基本はパケット伝送である.通信路符号化と自動再送の組み合わせが用いられている.
変調器 通信路 復調器情報源通信路復号器
通信路符号器
受信者
信号伝送系のモデル
雑音送信機 受信機
安達:コミュニケーション符号理論11
符号と符号語
安達:コミュニケーション符号理論12
符号器入力と出力の記号をともに{0, 1} で表わす.
長さ3ビットの系列の集合 {000, 001, 010, 011, 100, 101,110, 111} を考える.
長さ3ビットのすべての系列を用いて情報を伝送とすると,通信路で誤りが生じても,それを知ることができない.そこで,8つの系列のうち,{000}と{111}の2つの系列のみ用いる.
送信情報記号“0”符号化系列{000}送信情報記号“1”符号化系列{111}
上記の対応全体のことを符号(code),そして送信情報記号“0”と”1”に対応する符号化系列{000}と{111}を符号語(code word)という.
安達:コミュニケーション符号理論13
符号の分類
誤り検出と訂正による分類
誤り検出符号:誤りがあるかどうかを検出する符号
誤り訂正符号:誤りを検出し訂正する符号
訂正すべき誤りの種類による分類
ランダム性の誤りを訂正するランダム誤り訂正符号
バースト性の誤りを訂正するバースト誤り訂正符号
構造的分類
ブロック符号:誤り検出,訂正のために付け加えられる検査ビット(check bit)が,同じブロック内の情報ビットのみから決定される.
畳み込み符号:各検査ビットが,先行するいくつかの情報ビットの畳み込みで生成される.
連接符号:2つの符号を組み合わせた符号化
安達:コミュニケーション符号理論14
ブロック符号
BCH符号
リード・ソロモン符号
ハミング符号
畳み込み符号
連接符号 畳み込み符号+リード・ソロモン符号
岩垂符号
自己直交符号
最尤復号法(Viterbi-algorithm)を用いる符号
逐次復号法を用いる符号
Wyner-Ash符号
代数的復号法
安達:コミュニケーション符号理論15
誤りの検出と訂正
符号理論は代数学に基盤をおいていて高度な数学的な面をもつが,きわめて実用的な面を併せ持っている.
通信,計算機,録音・録画の高品質化,高信頼化に大きく貢献している.
ここでは,単一誤りの検出と訂正について解説する.
ここで解説するのは,情報ビットがそのまま現れる組織符号である.一つの例は,k個の情報ビットからn-k個の検査ビットを求めて付加することによって得られる符号長nの (n, k)ブロック誤り訂正符号である.
安達:コミュニケーション符号理論16
検査ビット生成
n-kビット
情報ビット
検査ビット
符号語
kビットk
ビット(n, k)ブロック誤り
訂正符号の符号器の構成
誤り訂正符号化kビットの情報系列をnビットの符号化系列に変換して送信する.R=k/n (<1)を符号化率 (code rate)と言う.
情報伝送速度一定の条件のもとでは,帯域幅はR-1 (>1)倍に拡大する.
誤り訂正符号化は,帯域幅を拡大することにより所要Eb/N0をシャノン限界(1.6dB)に近づける技術である.
送信電力一定という条件(これはEb/N0一定ということと同じ)のもとで,Ec/N0はR (<1)倍に低下する.
安達:コミュニケーション符号理論17
00
NER
NE
RETPERTTTPE
bc
bcc
bcbb
よりおよび Eb
Ec
情報ビット
符号化系列
符号化
Tb
Tc
t
P
R=1/3
安達:コミュニケーション符号理論18
誤りパターン
誤りの発生
符号化系列の中の01または10になる2通り
modulo 2 (mod 2の加法)で表わすと
誤りなし 1+ “0”=1, 0+ “0”=0誤り発生 1+ “1”=0, 0+ “1”=1つまり,誤りなしを“0” ,誤りを“1”で表わせる
誤りパターン
3ビットの符号語に発生する誤りパターンは23=8通り
{000},{001},{010},{011},{100},{101},{110},{111}
安達:コミュニケーション符号理論19
誤りの検出と訂正
通信路入力と出力の記号はともに集合A={0, 1}であるとする.Aの元からなる長さ3の系列の集合A3={000, 001, 010, 011, 100, 101, 110, 111} を考える.
A3のすべての系列を用いて情報を伝送しようと
すると,通信路で誤りが生じても,それを知ることができない.そこで,{000}と{111}の2つの系列のみ用いる.
符号化
情報ビット”0””000”情報ビット”1””111”
安達:コミュニケーション符号理論20
符号語W={000}を送信したときの受信符号語R={r0r1r2}を考える
1ビット誤りが発生した場合誤りパターンE={001},{010}または{100}
受信符号語は{001},{010}または{100}であり,誤りが発生したことを検出可能.
いずれも,0の数が1の数より多い.つまり,正しく復号することが可能.
{000}{001}{010}{100}
“0”復号
(多数決)
送信符号語W
受信符号語R
“0”符号化
通信路
雑音
送信情報 受信情報
安達:コミュニケーション符号理論21
2ビット誤りが発生した場合
誤りが発生したことは検出できるが,訂正は不可能
3ビット誤りが発生した場合
誤り検出不可能
{000} →{110} = {111} + {001}{101} = {111} + {010}{011} = {111} + {100}
送信符号語 誤りパターン受信
符号語
2ビット誤り
送信符号語
{000} → {111} =
受信符号語3ビット誤り
送信符号語 誤りパターン
{111} + {000} と同じ
送信符号語
安達:コミュニケーション符号理論22
復号の概念図
集合Anの中から集合C={W0, W1, W2,..} を選ぶ.送信情報系列の集合の全てを集合Cに対応させる.この対応関係を符号,各系列Wiを符号語とよぶ.
次の3つの場合がある.
①受信語RがWiの復号領域に入れ
ば,符号語Wiが送信されたと推定
できる.
②受信語Rがどの復号領域にも入
らなければ,送信符号語の推定
は不可能であるが,誤りが生じた
ことは分かる.
③受信語Rが送信符号語と異なる
符号語の復号領域に入ったとき
には,誤った復号がなされる.
W1
W0
R
R R
③誤った復号
①正しく復号
②誤り検出(誤り訂正不可能)
W2
復号領域
受信空間
安達:コミュニケーション符号理論23
誤りパターンで生ずる受信符号語の領域が重なっていなければ誤りを全て訂正できる.
しかし,誤りパターンで生ずる受信符号語の領域が一部でも重なっていれば,訂正できない誤りパターンがある.
送信符号語
受信符号語の領域
・誤りを全て訂正可能 ・訂正できない誤りパターンあり
安達:コミュニケーション符号理論24
誤りパターンで生ずる受信符号語の領域が一部でも重なっていれば訂正できない誤りパターンがあるが,誤りパターンで生ずる受信符号語の領域が他の符号語を含まなければ,誤りが発生したことを全て検出できる.
しかし,誤りパターンで生ずる受信符号語の領域が他の符号語を含むならば,誤りが発生したかどうか検出できない誤りパターンがある.
送信符号語
受信符号語の領域
・訂正できない誤りパターンあり・誤りを全て検出可能
・検出できない誤りパターンあり
符号語がW0={000}とW1={111}である
ときの例
安達:コミュニケーション符号理論25
受信空間
W0={000}の復号領域
{000}{001}
{010}
{100}
W1={111}の復号領域
{111}{110}
{101} {011} ・1ビット誤りの時の受信符号語の領域
1ビット誤りの時の受信符号語の領域には重なりがない送信符号語{000}→受信符号語{000}, {001}, {010}, {100}送信符号語{111}→受信符号語{111}, {110}, {101}, {011}
復号領域受信符号語{000}, {001}, {010}, {100} →{000}受信符号語{111}, {110}, {101}, {011} →{111}
1ビット誤りを訂正できるが,2ビット誤りになると他方の符号語に誤訂正してしまう
安達:コミュニケーション符号理論26
符号化率(code rate)符号語の長さをnビット,符号語の個数をM個とすると,1符号語あたりの情報ビット数kは
もし,集合Anに含まれる2n個の系列をすべて符号語として選べば,情報ビット数はnとなるが,誤りの検出も訂正もできない. k<nとすることによって,誤りの検出や訂正が可能となる.
を符号化率(code rate)という.
ビットMk 2log
nkR
安達:コミュニケーション符号理論27
ユークリッド距離とハミング距離
安達:コミュニケーション符号理論28
ユークリッド距離
3ビット符号語の例
各符号語を3次元ユーリッド空間の単位立方体の頂点の座標に対応づける.
符号語{000}と{111}との間のユークリッド距離=符号語{000}と{111} に対応する頂点間の距離110100
101111
011
010
001
000
安達:コミュニケーション符号理論29
ハミング距離
2つの頂点を結ぶ稜線の数をハミング距離という.{000},{111}の間のハミング距離=3{000},{001}の間のハミング距離=1{000},{000}の間のハミング距離=0
ハミング距離は2つの符号語の異なるビットの数に等しい.
110100
101 111
011
010
001
000{000},{111}の間のハミング距離=3
安達:コミュニケーション符号理論30
最小距離
最小距離(minimum distance of the code)あらゆる符号語の対の距離のうちで最小値をい
う.符号の誤り検出,訂正能力に関係する重要な概念.
最小ハミング距離
のハミング距離.とは符号語ここで jijiH
jiH
d
ddji
WWW,W
W,WWW
CjW,iW min
min
安達:コミュニケーション符号理論31
符号語間のハミング距離
重さ(weight)の概念符号語の中で0でない記号の数を,その符号語の重さという.
つまり,符号の最小ハミング距離を求めるためには,全て0の符号語0を除いた符号語の中から,最小の重みの符号語を探せばよい.
が最小距離になる.
の距離の最小値とそれ以外の符号語間●したがって,符号語
の符号語).の記号がである(つまり,全てところで,
ている.語になることが知られは同じ符号の中の符号●
の加法.はここで,
.との間の距離に等しいと間の距離は,と●
00WW
WW
WWWWWW
0
2mod"
ii
ij
ijiiji
"
安達:コミュニケーション符号理論32
1ビット誤りを検出する符号
安達:コミュニケーション符号理論33
単一パリティ検査符号
長さkの情報系列x0,x1,…,xk-1を送信するものとする.
系列に含まれる1の数が偶数になるように,1ビットc0を付け加えて送信する.
すなわち,長さn=k+1ビットの系列総数2k+1のうち,1の数が偶数となる2k個の符号語のみを用いることになる.
こうすると,誤りが1個発生したとき,1の数が奇数になるから,誤まりがあったと知ることができる.
送信符号語
情報ビットパリティ検査ビット
),,,,(),,,,( 1100110 kkk xxxcwwwwW
(+はmod2の加法)
の数が奇数) (
の数が偶数) (
1110
1100 kxxxc
安達:コミュニケーション符号理論34
受信空間
1の個数が偶数となる符号語
1の個数が奇数となる符号語
安達:コミュニケーション符号理論35
k=2の例
{000, 001, 010, 011, 100, 101, 110, 111}
単一パリティ検査符号C={000, 101, 110, 011}
110100
101 111
011
010
001
000
8個の系列のうち符号語になり得るのは4個
安達:コミュニケーション符号理論36
パリティ検査方程式
パリティ検査方程式
0
0
2mod
),..,,(),,..,,(1
110
1100
1100
0
100110
kk
k
k
kkk
wwww
xxxc
xxxcc
xxcwwwwkn
つまり
方程式を得る. 次式のパリティ検査
意して変形するとの加法であることに注が●これを,
である.
は の検査ビット
の符号語検査符号ビットの単一パリティ●長さ
WC
安達:コミュニケーション符号理論37
シンドローム
受信符号語
),,,(),..,,(
),,,,(
1100
10
10
kk
k
k
eweweweee
rrr
EWRE
RW
とすると誤りベクトルを
された受信語をを送信したときに受信符号語
+
誤りベクトル
E
W R送信符号語 受信符号語
安達:コミュニケーション符号理論38
シンドローム
検出できると言える.
ほとんどを的であるから,誤りの個の誤りの生起が支配●このうち,
誤りを検出できる.となるから,奇数個の
奇数個の誤り
個の誤り誤りなし,または偶数
とおくと
ドロームに代入した結果をシンをパリティ検査方程式●受信語
1
10
)()()()()(
10
1010
1100
10
k
kk
kk
k
eeeeeewww
ewewewrrrs
sR
安達:コミュニケーション符号理論39
奇数個の誤りは検出できるが,偶数個の誤りがあるとそれを検出できない.
しかし,1ビット誤り(奇数個の誤り)に比べて2ビット誤り(偶数個の誤り)が発生する確率は充分小さいから,誤りのほとんどを検出できる.
である.となり,
であるから,
が充分小さいとき●
る.はビット誤り確率であである.ここで,
る確率はビットの誤りが発生すビット符号語中に●
),2(),1(2
)1(),2(,),1(
),(
!)!(! ,)1(),(
2
nPnP
pnnnPnpnP
pmn
nmP
pp
mmnn
mn
ppmn
nmP
mn
m
mnm
安達:コミュニケーション符号理論40
誤り訂正符号(error correcting code)
誤りの検出と訂正に用いられる符号を誤り検出訂正符号と呼ぶが,単に誤り訂正符号(error correcting code)と呼ぶことが多い.
安達:コミュニケーション符号理論41
水平垂直パリティ検査符号
情 報 ビ ッ ト 数 k1k2 で 符 号 長 n=(k1+1)×(k2+1) の((k1+1)×(k2+1), k1k2)組織符号になっている.
検査ビットの検査ビット
k1
k2
列の検査ビット
行の検査ビット
k1=k2=2の場合の例
(9,4)パリティ検査方程式
安達:コミュニケーション符号理論42
222120
121110
020100
ccccxxcxx
120222
110121100020
111012010002
,,
cccxxcxxcxxcxxc
列の検査ビット
行の検査ビット
検査ビットの検査ビット
00,00,0
221202
211101201000
121110020100
ccccxxcxxcxxcxx
安達:コミュニケーション符号理論43
シンドローム計算
22120222
2111012120100020
1211101202010002
222120
12
02
222120
121110
020100
2221201202
222120
121110
020100
222120
121110
020100
222120
121110
020100
,,
),,,,(
,
rrrsrrrsrrrsrrrsrrrs
sss
ss
rrrrrrrrr
ssssseeeeeeeee
rrrrrrrrr
ccccxxcxx
を計算する.次のシンドローム
とする.をに対応した受信符号語送信符号語
R
WEWRW
RW
安達:コミュニケーション符号理論44
誤り訂正
111001001110010011100100
222120
121110
020100
ˆˆˆˆˆ
ˆ
eeeerrrrxxxx
eeeeeeeee
X
X
E
EE
を得る.号結果より,誤り訂正し,復
誤り行列を推定する.推定したり行列シンドロームより,誤
安達:コミュニケーション符号理論45
例題
,,,
,,
00,00,0
)4,9(
020202010101000000
22120222
2111012120100020
1211101202010002
221202
211101201000
121110020100
22002221201202
ecrexrexr
rrrsrrrsrrrsrrrsrrrs
ccccxxcxxcxxcxx
eesssss
受信符号語
シンドローム
パリティ検査方程式
(解答)
を用いて表せ.~を,,,,
安達:コミュニケーション符号理論46
22120222120222
21110121110121
20100020100020
12111012111012
020100020100020100
02020101000002010002
)()()()()(
eeerrrseeerrrseeerrrs
eeerrrseeeeeecxxecexexrrrs
したがって
22120222
21110121
20100020
12111012
02010002
222120
121110
020100
eeeseees
eees
eeeseees
eeeeeeeee
を推定する.これより
E
E
安達:コミュニケーション符号理論47
誤りの検出と訂正1ビット誤りなら訂正可能
2ビット誤りの場合,2通りの場合があるので誤り検出可能であるが訂正不可能
x
誤り訂正可能
x
2通りの場合があるので誤り検出可能であるが訂正不可能
x x
x
演習問題3.1
単一の奇数誤りを検出する長さ5ビットの単一パリティ検査符号W=(c0 x0x1x2x3)について以下の問いに答えよ.ただし,c0=x0+x1+x2+x3.
情報系列をX= (x0x1x2x3)=(0100)とするとき符号語W=(c0 x0x1x2x3)を求めよ.
誤りベクトルE=(e0e1e2e3e4)がE=(10000)と(10010)の2つの場合について受信符号語Rを求めよ.
上記(2)の2つの場合について,シンドロームsを求めよ.
安達:コミュニケーション符号理論48
解答3.1
安達:コミュニケーション符号理論49
のとき
のとき (3)
のとき
のとき (2)
(1)
10010,00110010000,100100
10010,00110100101010010000,001001000010100
)10100(
410 EE
EE
EWR
W
rrrs
安達:コミュニケーション符号理論56
1ビット誤りを訂正する符号
安達:コミュニケーション符号理論57
(7,4)ハミング符号
個である.ビットであるから
,情報が符号語となり得るのは個であるが,このうち
ビットの系列の個数はビットである.●この符号語は長さが
へ符号化する.を作り,符号語より検査ビット
に対し個の情報ビット●
164128
77)(
)(,,
,,,4
3210210
6543210
210
3212
2101
3200
3210
xxxxcccwwwwwww
ccc
xxxcxxxc
xxxcxxxx
WW
安達:コミュニケーション符号理論58
パリティ検査方程式
(7,4)ハミング符号のパリティ
検査方程式は次式のようになる.
0 0 0
3212
2101
3200
xxxcxxxc
xxxc
(7,4)ハミング符号
c0 c1 c2 x0 x1 x2 x3 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 1 1 0 1 0 0 1 0 1 1 1 0 0 1 1 1 0 0 1 0 0 1 1 1 0 1 0 1 0 0 0 1 1 0 0 1 0 1 1 1 0 1 0 1 0 0 0 1 0 1 1 1 0 0 1 1 1 0 0 1 0 1 0 0 0 1 1 0 1 0 1 0 0 0 1 1 1 0 0 1 0 1 1 0 0 1 0 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
安達:コミュニケーション符号理論59
シンドローム
65422
54311
65300
210
6543210
6543210
3210210
)(
)()(
)(
rrrrsrrrrsrrrrs
sss
rrrrrrreeeeeee
xxxxccc
を計算する.ーム●そして次のシンドロ
である.
は符号語
とすると受信誤りベクトルを
が送信されたとき,●符号語
S
EWRR
EW
安達:コミュニケーション符号理論60
65422
54311
65300
65422
54311
6530
65303200
635230000
)()()()()()(
eeeeseeeeseeees
eeeeseeees
eeeeeeeexxxc
exexexecs
●以上をまとめると
となる.
である.同様に
●ところで
安達:コミュニケーション符号理論61
誤りがなければ,シンドロームS=(s0s1s2)は(000).7種類の単一誤りベクトル
のシンドロームは全て異なる.
シンドロームから単一誤りの位置が判別でき,訂正可能.
誤りベクトル シンドローム
単一誤りに対するシンドローム
e0 e1 e2 e3 e4 e5 e6 s0 s1 s2 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 0 1 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
安達:コミュニケーション符号理論62
符号化データのインタリーブ
安達:コミュニケーション符号理論63
通信路では通信路状態が連続して悪化する場合がある.これは通信路に記憶があるからである.この場合,受信符号語の中に多くのビット誤りが発生してしまう.
こうなると,これまで述べた誤り訂正符号では誤りを訂正しきれない.符号語の中の数個のビット誤りしか訂正できないからである.
そこで,符号化データの時間的順番を入れ換えて通信路に送出し,受信側でもとの順番に戻すことにより,受信符号語の中に多くのビット誤りが発生してしまうことを避けることができる.これをインタリーブという.インタリーブは誤り訂正符号化と組み合せて用いられる.
誤り訂正符号化器
インタリーブ
誤り訂正復号器
デ・インタリーブ
通信路
ブロックインタリーバ
デ・インターリーバーは,連続して発生したビット誤りを時間的に離すことができる.これにより,1符号語の中に多数のビット誤りが含まれることがなくなって,誤り訂正符号の復号器で訂正できるようになる.
安達:コミュニケーション符号理論64
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
1 9 17 25 33 41 49 57 2 10 18 26 34 42 50 58 3 11 19 27 35 43 51 59
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
8×8インタリーバ入力
通信路
デ・インタリーバ出力
×× ×
×××雑音による誤り
書き込み
読み
出し
送信側 受信側
n x mブロック
インタリーバー
読み出し
書き
込み
n x mブロック
デ・インタリーバー
安達:コミュニケーション符号理論66
自動再送(Automatic repeat
request:ARQ)
安達:コミュニケーション符号理論67
誤り訂正符号だけでは,訂正能力に限界がある.受信誤りを目標品質に近づける実用的な技術がARQである.
送信データを短いパケットに分割し,順番に送信
誤り検出符号化を用いて受信パケットの誤りを検出
受信パケットに誤りがあると検出されたとき,そのパケットを再送するよう送信側に要求
誤りあり/なしを送信側に通知する帰還チャネルが必要(誤り訂正符号化では不要である).
最近のデータ伝送では,誤り訂正符号とARQとを組み合わせて用いるのが一般的
誤り訂正符号器
送信 受信誤り訂正復号器
通信路
ACK/NAK帰還チャネル
誤り検出器
誤り検出符号器
情報源 受信者
安達:コミュニケーション符号理論68
Stop-and-wait ARQもっとも単純なARQ
ラウンド・トリップ遅延が長いとスループットが大幅に低下する.
1 2
1 4
2
2誤り
3
2
4
3
送信側
受信側
再送
ラウンド・トリップ遅延
安達:コミュニケーション符号理論69
Go-Back-N ARQStop-and-wait ARQではラウンド・トリップ時間が長いとスループット
が大幅に低下してしまう.これを回避するため,送信側では連続で送信し続け,NAKが受信されたらNパケットだけ戻って再度送信する.
受信側では誤まったパケットに引き続くN-1個のパケットを廃棄する.
ラウンドトリップ遅延が与えられたとき,ビットレートが高くなるとスループットがやはり低下する.
パケットプロトコルのX.25のリンク制御プロトコルに使われている.
再送Go-back-N=4
再送Go-back-N=4
ラウンド・トリップ遅延
1 2 7
8
3 8
誤り
4 95
7
送信側
受信側
6 3 4 5 6
1 2 3 4 5 6 3 4 5 6
7 8 96
9 6 7 8 9
10
誤り
廃棄 廃棄
安達:コミュニケーション符号理論70
Selective-repeat ARQGo-back-N ARQでは誤まったパケットに引き続くN-1個のパケットを
廃棄することになるから,ラウンドトリップ遅延が与えられたとき,ビットレートが高くなるとスループットがやはり低下する.
そこで,スループットを高めるため誤まったパケットのみ再送する.
受信側に大きなバッファメモリが必要になる.
応用例:PDCパケットおよびPHS(PIAFS) のデータリンク層の誤り制御に使われている.
1 2 10
11
3 11
誤り
4 125
10
送信側
受信側
6 3 7 8 9
1 2 3 4 5 6 3 7 8 9
再送
13 14 159
12 9 13 14 15
16
再送
誤り
ラウンド・トリップ遅延
安達:コミュニケーション符号理論71
まとめ
誤り検出・誤り訂正符号
1ビット誤りを検出する符号
1ビット誤りを訂正する符号
符号化データのインタリーブ
自動再送Stop-and-wait ARQGo-Back-N ARQSelective-repeat ARQ
安達:コミュニケーション符号理論72
第04章「誤り検出・訂正の原理その1-ブロック符号の生成と復号-」
誤り訂正符号化を用いる伝送系
誤り検出・訂正符号(7,4)ハミング符号
(15,11)ハミング符号
生成行列,パリティ検査行列の一般形符号の生成行列
符号の生成行列とパリティ検査行列の関係
符号の訂正能力