19
第15回 森山グループ研修学会 プログラム・抄録集 平成25年2月9日() 13:4017:30 旭川グランドホテル 3階 瑞雲東西の間 旭川市6条通9丁目 ℡24-2111() : 森山 : 中島 副会長 : 松下 元夫 波岸 裕光 副会長 : 板谷 征一 齊藤 哲也 : 医療法人社団 元生会 社会福祉法人 敬生会 : 元生会企画広報学術委員会

¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

  • Upload
    others

  • View
    10

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

第15回 森山グループ研修学会

プログラム・抄録集

日 時 : 平成25年2月9日(土) 13:40~17:30

会 場 : 旭川グランドホテル

会 場 : 3階 瑞雲東西の間

会 場 : 旭川市6条通9丁目 ℡24-2111(代)

顧 問 : 森山 領

会 長 : 中島 進

副会長 : 松下 元夫 波岸 裕光

副会長 : 板谷 征一 齊藤 哲也

主 催 : 医療法人社団 元生会 社会福祉法人 敬生会

担 当 : 元生会企画広報学術委員会

Page 2: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

研修学会プログラム

司会進行 元生会企画広報学術委員会 委員長 石川 清隆

開会の挨拶 13:40

研修学会顧問 医療法人社団 元生会・社会福祉法人 敬生会 理事長 森山 領

研修学会会長 医療法人元生会 森山メモリアル病院 院 長 中島 進

一般演題Ⅰ(1~7) 13:50~14:50

座長:森山メモリアル病院 看護部副部長……………………遠 藤 美紀子

障害者支援施設敬愛園 主任サービス管理責任者……渡 邊 真由美

演題1.複数科受診患者の待ち時間に対する看護師の意識調査

~複数科受診患者受診状況の実態~

………………… 森山病院 外来

○ 酒谷 静香 渋谷 佑香 ○水野 香

演題2.在院日数短縮のための退院支援スクリーニング票導入による効果

………………… 森山病院 4階ナースステーション

○ 伊藤 香里 村田 真美 村山 あさ美

児玉 恵美子 土山 奈津江

演題3.転倒・転落防止策の検討

~対策表の作成・活用の試み、看護師の意識調査から~

………………… 森山病院 5階ナースステーション

○ 松原 真司 中美 早希 吉岡 ルミ

演題4.患者様への負担が少ない陰部保清を目指して

~ウォッシュクリームを使用しての試み~

………………… 森山メモリアル病院 2階ナースステーション

○ 阿部 美紀 森江 恵

演題5.新しい生活の場を求めて

~精神障害者支援の実践報告~

………………… 養護老人ホーム 敬心園

○ 篠木 こずえ

演題6.義務教育を受ける権利を応援して

~恒常的に移動支援を利用して通学できた事例~

………………… 旭川市障害総合相談支援センター あそーと

○ 紺野 あゆみ

Page 3: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題7.当院における救急搬送の現状についての考察

~主として入院について~

………………… 森山病院 事務部医事課

○ 田中 邦夫 奥田 崇文 田母神 貴子

休 憩 (14:50~15:00)

一般演題Ⅱ(8~14) 15:00~16:00

座長:森山メモリアル病院 リハビリテーション部部長……石 川 菜穂子

森山病院 副院長…………………………………………髙 野 勝 信

演題8.大腿骨近位部骨折患者様の歩行再獲得までの経過について

演題8.~股関節可動域と歩行レベルに着目して~

………………… 森山病院 リハビリテーション部

○ 石田 真弓 今野 真和 齋藤 壽美恵

森山病院 事務部医事課

新田 真奈美

演題9.当院における患者様のADL評価と現状について

~急性期リハビリテーションにおけるFIMの導入と結果・考察~

………………… 森山病院 リハビリテーション部

○ 西舘 潤 今野 真和

旭川医科大学病院 リハビリテーション科

大田 哲生

演題 10.病棟内移動レベル決定に影響を及ぼす評価について

演題 11.~森山グループ理学療法士の実態調査をもとに~

………………… 森山メモリアル病院 リハビリテーション部

○ 高山 拓也 春名 弘一 小川 隆平 長祖 雄司

村井 政俊

演題 11.病棟内移動レベル決定に影響を及ぼす評価について

演題 10.~BergBalanceScaleと病棟内移動レベルの相関性について~

………………… 森山メモリアル病院 リハビリテーション部

○ 村井 政俊 春名 弘一 小川 隆平 長祖 雄司

演題 12.薬剤の使用期限チェックに関する試み

演題 12.~廃棄額減少をめざして~

………………… 森山病院 薬剤部

○ 髙澤 敬子 安藤 和子 西口 和久 鈴木 久美子

中田 雅人 長谷川 愛子 小黒 朋佳

Page 4: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題 13.経皮的頸動脈ステント留置術前後において脳神経超音波検査が有用であった眼虚血症

候群の 1例

演題 13.~経頭蓋内ドプラー法を用いた中大脳動脈と眼動脈血流の評価~

………………… 森山病院 検査部検査室1) ME室2) 視能訓練室3)

森山病院 脳神経外科4) 循環器内科5) 眼 科6)

○ 茨木 康彦1) 石川 清隆2) 西原 智子3) 柴田 勝康3)

髙野 勝信4) 渡辺 剛助4) 櫻井 寿郎4)

山田 豊 5) 佐藤 慎 6)

演題 14.小児陳旧性環軸椎回旋位固定に対する保存的治療

演題 14. ~CTによる治療効果判定を用いて~

………………… 森山病院 整形外科

○ 青野 貴吉

旭川医科大学 整形外科

小林 徹也 熱田 裕司 神保 静夫

森山グループ特別研修 16:00~16:15

『 痙縮の病態と治療 ~ボツリヌクス毒素治療~ 』

森山メモリアル病院 リハビリテーション科 森泉 茂宏 先生

休 憩 (16:15~16:25)

特別講演 16:25~17:25 座長:森山メモリアル病院 院長 中島 進

『 ニューロサイエンス(脳神経科学)の応用による

脳神経外科の未来 』 旭川医科大学 脳神経外科学講座 教授 鎌田 恭輔 先生

閉会の挨拶 17:25~17:30

研修学会副会長 敬生会常務理事・敬愛園 園長 波岸 裕光

Page 5: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

森山グループ特別研修

痙 縮 の 病 態 と 治 療 ~ボツリヌクス毒素治療~

森山メモリアル病院 リハビリテーション科

○ 森泉 茂宏

痙縮(痙性)は、筋を他動的に伸張させたときに生じる抵抗が伸張速度に比

例して増大する筋緊張亢進状態である。脳卒中や脊髄損傷などの中枢性疾患に

よって生じ、運動機能の弊害となる。痙縮の治療法には、筋弛緩剤投与、神経

ブロック療法、髄腔内バクロフェン投与療法、機能的脳神経外科手術、整形外

科手術、リハビリテーションなどがあるが、病態に合わせての治療法が選択さ

れる。そのなかで、神経ブロック療法がリハビリテーション医学にて臨床上行

われているが、大きくフェノールブロック療法とボツリヌクス毒素治療に大別

される。そこで、今回はこのボツリヌクス毒素療法について概説を行う。

ボツリヌクス毒素は、ボツリヌクス菌より産生され、神経筋接合部などでア

セチルコリンの放出を妨げる働きをもつ。この毒素の作用は、一般的には末梢

性に限るとされており、筋弛緩作用や鎮痛作用に効果があることが確認されて

いて、近年各種疾患の治療に用いられるようになってきている。適応疾患も拡

大されてきており、特に痙縮の治療への適応拡大によって、運動機能障害の改

善目的で多用されてきている。通常、ボツリヌクス毒素の薬理作用は注射後 24

時間以内に発現されるが、臨床効果が確認されるまでは数日後で、1~2週間

以内で効果が安定されると言われている。但し、このボツリヌクス毒素治療は、

単一の治療法と考えるべきでなく、機能訓練などのリハビリテーションと併用

する必要がある。

Page 6: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題1

複数科受診患者の待ち時間に対する看護師の意識調査 ~複数科受診患者受診状況の実態~

森山病院 外来

○ 酒谷 静香 渋谷 佑香○水野 香

はじめに

近年、社会の高齢化に伴い、同時に複数の診療科を受診する患者が増加していると

考える。高齢者は身体機能の低下による障害や高血圧、糖尿病などの複数の疾患を持

っている場合が多い。そのため複数科を受診する患者の実態や傾向を把握していく事

は、外来看護や院内診療科連携の在り方を検討する為に重要な情報となる。

本研究では、当院における複数科受診患者の受診状況を明らかにするとともに、複

数科受診患者の待ち時間の負担に対して外来看護師がどのような意識を持ってどの

ような援助をしているのかを明らかにすることを目的とする。

Ⅰ 研究方法

1.研究デザイン:①実態調査型の量的記述的研究、②質的記述的研究

2.研究期間:①2009年 4月~2012年 3月、②2012年 9月 3日~9月 6日

3.研究対象:①当院に 2009年 4月~2012年 3月に受診した外来患者 41,033人

3.研究対象:②外来看護師 20名

4.研究方法:①医事システムデータから受診状況を調査

4.研究方法:②外来看護師に複数科受診患者の援助に関して自作の質問紙を用い

て調査

Ⅱ 結果

1.当院の複数科受診率は 2科が 17.8%で最も多く、全体では 24.7%であった。

2.当院の 64歳以下と 65歳以上の複数科受診率は P=0.00で有意差があり、65歳

以上の複数科受診率の方が高かった。

3.複数科受診患者の待ち時間が短くなるような援助を行っている看護師は 19 名、

無理に行わないが 1名であった。

4.複数科受診患者の待ち時間の負担が大きいと思う看護師は 12名、変わらないと

思うが 8名であった。

Ⅲ 結論

1.当院の複数科受診率は、全国と比較して高かった。

2.看護師によって患者への負担の認識が異なっていた。患者にとっての負担とは

『長い待ち時間』ということだけではないと考える。

3.看護師の持っている意識と援助内容を分析した結果、負担が変わらないと思っ

て行っている看護師より負担が大きいと思って行っている看護師の援助の方が

外来全体を考えて行う援助に繋がる内容であった。

Page 7: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題2

在院日数短縮のための退院支援スクリーニング票導入による効果 ~~

森山病院 4階ナースステーション

○ 伊藤 香里 村田 真美 村山 あさ美

○ 児玉 恵美子 土山 奈津江

近年、医療制度改革により在院日数短縮が余儀なくされ、退院支援の必要性が高

まっている。退院支援がないまま退院を迎えることで、再入院のリスクが高まるこ

とや在院日数の延長が問題点としてあげられている。4階病棟における退院支援は、

看護師個々が判断し実施されている現状があった。そこで、ハイリスク患者の問題

点を抽出し介入することで、在院日数の短縮ができるのではないかと考え、スクリ

ーニング票の導入をおこなった。その結果、在院日数の変化と今後の課題を明らか

にすることが出来たため、ここに報告する。

Ⅰ 研究方法

1.期間 平成 24年 7月 1日~平成 24年 8月 20日

2.対象 期間内に入院し、スクリーニング票を使用し退院した患者 48名

3.方法 作成した運用手順に沿い、スクリーニング票を対象の患者に使用。

看護師全員に導入前後で退院支援におけるアンケート調査を行う

Ⅱ 結果

全対象にスクリーニング票を使用し、22 名はハイリスク患者と選定出来た。

初回カンファレンス対象者は 45 名で看護師間での情報共有し、他職種介入が必

要な患者6名は依頼を行った。在院日数はスクリーニング票導入前の前年同月比

較では、7月は 3.4日の延長、8月は 4.3日の短縮が見られた。全対象の在院日

数は 12.4日、ハイリスク患者は 14.5日、それ以外は 10.7日であった。

アンケート結果では、「受け持ち看護師として意識して退院支援を行っていま

すか」では導入前後で変化はなかった。「今後も継続していきたいか」では継続

したいが 85%の回答であった。自由記載では「時間がかかる」「サービス内容や

患者家族の希望の詳細がかけない」「施設入所者の対象項目がない」との意見が

あった。

Ⅲ 結論

1.スクリーニング票の導入で、在院日数を短縮することができた。

2.スクリーニング票導入前後による看護師の退院支援における意識に変化は

なかった。

3.スクリーニング票の使用で、リスクの明確化ができた。

4.今後は医師を含めたカンファレンスを行いより明確な退院支援が必要である。

5.当病棟に合わせた項目や形式の改正が必要である。

Page 8: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題3

転倒・転落防止策の検討 ~対策表の作成・活用の試み、看護師の意識調査から~

森山病院 5階ナースステーション

○ 松原 真司 中美 早希 吉岡 ルミ

【はじめに】

現在、医療現場において転倒・転落が問題視されており、当病棟でも防止策を

講じているが転倒件数は減っていない。その背景には、看護チームが A・Bに分か

れていること、エイド・看護学生も患者様の対応に携わる中、情報共有が不十分

であり統一した対策が実施されていないことが要因として考えられた。私達はベ

ッドサイドで確認できる対策表を作成し、使用基準を定めて実施した。実施期間

終了後に意識調査を行い、転倒・転落事故防止に対する改善点を見いだせたので

ここに報告する。

Ⅰ.研究方法

1.実施期間 8月 1日~8月 30日

2.アンケート対象 看護師 26名 エイド 14名 意識調査対象 看護師 26名

3.方法 転倒・転落防止対策表活用方法:1)入院時に転倒・転落スコアシ

ートの危険度がⅡ以上の患者に対策表を実施 2)転倒事例を朝礼

で伝達 3)対策表を実施している患者を対象に週 1 回もしくは転

倒、危険行動時にカンファレンスを実施

意識調査:1)木下の自己評価表を用いて転倒・転落事故防止に関

する意識調査を対策表活用後に実施 2)同時に対策表・朝礼での伝

達・カンファレンス・転倒に関する自作の調査票による調査を実施

Ⅱ.結果

アンケート結果は「対策表があることで患者様の対応に迷うことはなくなった

か」については、看護師 92.3% 、 看護助手 100%がはいと回答。1年目 2年目 3~5年目 6~10年目 10~20年目 20年目以上

認識 3.52 3.61 3.61 3.8 3.86 3.5行動 2.75 3.06 3.18 3.09 3.09 3.37認識 3.16 3.5 3.33 3.45 3.5 3.75行動 2.18 1.96 2.81 2.51 2.59 2.75認識 3.75 3.54 3.7 3.66 3.66 3.58行動 2.37 2.29 2.79 2.75 2.75 2.58認識 3.06 3.35 3.31 3.56 3.75 3.37行動 2.8 2.5 2.77 2.75 2.67 2.95

セルフモニター

チームモニター

コミュニケーション

アウェアネス

Ⅲ.結論

1.対策表は転倒・転落予防策の統一には有効であった。

2.意識調査から個人の認識はあるが行動が伴っていなかった。

3.カンファレンスを充実させ、情報を共有することでチーム力を向上できる。

Page 9: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題4

患者様への負担が少ない陰部保清を目指して ~ウォッシュクリームを使用しての試み~

森山メモリアル病院 2階ナースステーション

○ 阿部 美紀 森江 恵

当病棟は 2時間ごとのオムツ交換が必要な患者が 8月 1日現在 43名おり、

その殆どが要介護4以上で、疼痛・麻痺・関節拘縮の身体的障害を抱えている。

そこで患者への負担の少ない陰部保清方法はないかと考えた。ウォッシュクリ

ームは汚れを浮き上がらせ軽く拭き取り保湿剤も含まれている為、乾燥を防ぐ

事が出来、尚且つオムツとの摩擦から皮膚を保護する利点がある。そこで、当

病棟はウォッシュクリームを使用し患者の清潔保持や身体的負担の軽減を得ら

れた結果をここに報告する。

Ⅰ 研究方法

1.研究期間:平成 24年 8月 1日~10月 31日

2.研究対象:オムツ排泄患者 10名

3.データー収集:所要時間の測定・アンケート調査

①8/6から 14日間微温湯での陰部洗浄実施

②8/20から 14日間ウォッシュクリームでの陰部清拭実施

Ⅱ 結果

1.所要時間:微温湯での陰部洗浄は平均 6~10分

ウォッシュクリーム清拭は平均 3~6分

2.アンケート結果(スタッフ 14名に実施)

・ウォッシュクリーム清拭の手技は簡単だったと答えた方:12名

・患者への負担は陰部洗浄の方が大きいと答えた方:9名

・物品の準備や手技的にも動線が短く手際良く援助が提供出来た。

・ウォッシュクリームは手技が簡単で誰でも同様に出来清潔が保てる。

Ⅲ 結論

1.クリームを使用した陰部清拭を行う事で疼痛・麻痺・拘縮がある患者の

援助が無理なく行えた。

2.微温湯を使用しない為、シーツを汚す事がなく交換による患者の負担が

減った。

3.クリーム清拭の手技が簡単で短時間で終える為患者の負担が少ない。

4.より良い看護を提供する為に、日頃からの皮膚の観察と適切な手技方法

を習得していく必要がある。

Page 10: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題5

新 し い 生 活 の 場 を 求 め て ~精神障害者支援の実践報告~

養護老人ホーム敬心園

支援員 篠木 こずえ

【はじめに】

敬心園では、最近、精神科病院での長期入院患者や、精神疾患により精神

科通院を継続している方の入所相談、依頼が増えている。

そうした方々が、新しい場所で新しい生活を作り上げていく過程とそれを

支援する職員との関わりについて報告する。

【方 法】

精神疾患を有した利用者の事例を基に、入所時から現在に至るまでの過程、

新環境の受容、周囲との関係構築、生活パターンの確立、病院との連携など

について分析し、導かれた結果から、困難ケースへのより適切な支援を検討

する。

【結 果】

鬱病や統合失調症などの治療を継続される方は、著しく社会性が欠如して

いる場合が少なくない。人との交わりを嫌い、生活にルールを作り、周囲と

協調せず淡々と日常を送る事で安心を得ている。

そうした方が、施設という新しい環境で快適に生活出来るようにするには、

個々に合った生活パターンの構築が不可欠で、それぞれの『こだわりポイン

ト』に寄り添う支援が必要である。

【結 論】

地域包括ケアシステムの構築が進められているものの、認知症高齢者や高

齢障害者、刑務所出所者など、様々な理由から地域での生活が困難な方々の

生活の場として、養護老人ホームは新しい存在意義を見出そうと努力してい

る。

私達職員は、個々のニーズに寄り添う支援を継続し、利用者一人一人の

QOL向上に努めたいと考える。

Page 11: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題6

義 務 教 育 を 受 け る 権 利 を 応 援 し て ~恒常的に移動支援を利用して通学できた事例~

旭川市障害総合相談支援センター あそーと

○ 紺野 あゆみ

【はじめに】

移動支援とは障害者が社会生活上必要不可欠な外出、及び余暇活動等

社会参加のための移動介護や付き添いをしてもらうサービスである。

しかし、通学時の恒常的な移動支援については利用が認められていな

い。

【事例】

インフルエンザ脳症の後遺症にて高次脳機能障害が残った 15歳の男

児の事例について紹介する。本人は、危険回避が出来ないので単独で

の行動は主治医から禁止されていた。本来なら通学に家族が付き添う

が、母親は難病(身障手帳1種1級)のため困難である。そこで通学の

手段の確保について母からあそーとに相談があった。

恒常的に移動支援が必要なケースとしてあそーとから旭川市自立支

援協議会に検討を提起した。サービスの必要性について、サービスWG

と旭川市障害福祉課障害事業係と協議を行い、恒常的移動支援の必要

性が認められ、ヘルパー同行のもと安全に通学する事が出来るように

なった。

【結果】

公的なサービスを受けることが出来るようになったことで、休むこ

となく通学ができるようになり、希望した公立高校にもみごと合格す

ることができた。その後移動支援を利用して通学の訓練を行い、現在

は移動支援を使わず一人でバス通学ができるようになり、意欲的に高

校生活を送っている。

自立支援協議会と行政のタイアップによる国の定める障害者福祉サ

ービス制度の垣根を乗り越えたサービス提供の具体例である。

Page 12: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題7

当院における救急搬送の現状についての考察 ~主として入院について~

森山病院 事務部医事課

○ 田中 邦夫 奥田 崇文 田母神 貴子

【はじめに】

当院は二次救急指定病院であり、日々多くの救急患者を受け入れている。

しかし、具体的な数字でその現状を認識する事はなかったように思われる。

ここで、改めて実際のデータを基に、当院の現状を確認していきたいと考

える。

【データ抽出期間】

平成24年9月~11月

【受け入れ人数について】

当院における月別の受け入れ人数の現状を、時間内・時間外や疾患別の分

類で確認し、また平成24年4月の診療報酬改定で新設された、夜間休日救

急搬送医学管理料についても触れていきたい。

【診療報酬について】

救急患者を受け入れた後の診療報酬について、今回は入院分を対象とし、

手術の有無も含め、1ヶ月当りどの程度、診療報酬の割合を占めているのか

を考察していきたい。

Page 13: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題8

大腿骨近位部骨折患者様の歩行再獲得までの経過について ~股関節可動域と歩行レベルに着目して~

森山病院 リハビリテーション部

○ 石田 真弓 今野 真和 齋藤 壽美恵

森山病院 事務部医事課

○ 新田 真奈美

【はじめに】

大腿骨近位部(頚部/転子部)骨折の発生数は、2007 年までの 15 年間で男

性は 1.7倍、女性は 2.0 倍に増加している。患者様にリハビリテーションを提供

している中で、入院前歩行能力再獲得に至らず退院となる患者様は少なくない。

歩行において股関節周囲の可動域や筋力が重要である。しかし、筋力を発揮

するために重要であるとされる筋の柔軟性に関しての報告は少ない。そこで今

回、関節可動域(以下 ROM)を用い、股関節の安定を図る股関節回旋筋の柔

軟性を評価し、歩行レベルとの関係について調査をしたので報告する。

【研究方法】

○対象

当院にて大腿骨近位部骨折に対し手術施行した患者様 2名(以下 a.b.)

〔条件〕①65歳以上 ②入院前に自立歩行可能 ③複数箇所の骨折がない

○調査内容

・一般情報(年齢、性別、疾患名、術式)

・患側股関節外旋、内旋の ROM (術後・退院時)

・歩行レベル(入院前・退院時)

【結果】

a.様 b.様

40° → 45° 股関節外旋 ROM(術後→退院時) 25° → 50°

40° → 45° 股関節内旋 ROM(術後→退院時) 15° → 25°

独歩自立→独歩自立 歩行レベル(入院前→退院時) 独歩自立→独歩自立

【結論】

・2名とも入院前歩行レベルを再獲得した。また回旋 ROM は改善していた。

・回旋 ROMの改善と歩行レベルは関係している可能性があるが、症例数が

少ないため、今回の結果では妥当性は低い。

・症例数を増やし、今後も継続した調査が必要である。

Page 14: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題9

当院における患者様の ADL評価と現状について ~急性期リハビリテーションにおける FIMの導入と結果・考察~

森山病院 リハビリテーション部

○ 西舘 潤 今野 真和

旭川医科大学病院 リハビリテーション科

○ 大田 哲生

【はじめに】

従来、当院のリハビリテーションにおいては患者様の明確な ADL の指標

が少なく、この度作業療法部門では他院や同法人内のリハビリテーション部

門をはじめ多く導入されている Functional Independence Measure (以下FIM)

の評価を今年度より当院においても導入し患者様の評価・治療にあたってき

た。FIMの導入により指標に基づく評価・治療に加え、当院における患者様

像を ADL や生活という観点でデータを収集し、各種分析ができたため報告

する。

【研究方法】

1.期 間 平成 24年 4月 1日~平成 24年 9月 30日

2.対 象 当院にて作業療法が処方された入院患者様 150名

(男性 77人 女性 73人)

3.内 容

年齢・疾患名・起算日(発症・受傷日)・処方日・退院日・転帰先・入

院時 FIMを比較し分析した。また当院作業療法を 30日以上実施された

患者様については退院時 FIMのデータを収集し検討した。

【結果】

① 介助量が多い(FIMの点数が低い)

② 自宅退院群の初期 FIM 点数は回復期・施設転帰群と比較し高い傾向が

ある

③ (介入期間が 30日以上あった患者様について)初期FIMと最終FIMには

運動項目では改善傾向がみられるが,認知項目では大きな変化ない

【結論】

今回、当院において FIMを導入することにより、従来不透明であった ADL

状況をはじめとする患者様像を明確にすることができた。また、転帰先等患

者様を検討する際にも重要な指標となりうること等が示唆された。

今後 FIM を院内でも有効に活用し,患者様により充実したリハビリテーシ

ョンを提供するために更に必要な評価や取り組みがあることも具体的となっ

た。

Page 15: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題10

病棟内移動レベル決定に影響を及ぼす評価について ~森山グループ理学療法士の実態調査をもとに~

森山メモリアル病院 リハビリテーション部

○ 高山 拓也 春名 弘一 小川 隆平

○ 長祖 雄司 村井 政俊

【はじめに】

EBM(根拠に基づいた医療)の必要性が求められる中、私達理学療法士(以

下 PT)がその使命を果たしているか疑問に感じた。EBM遂行には、データ

は必須である。今回は、現状として PT の最重要課題である“移動”に着目

し、中でも病棟内移動レベル決定における臨床評価指標(quality indicator:

以下 QI)の活用について実態調査した。

【対象・方法】

森山グループ PT41名(急性期 10名、回復期 16名、生活期 15名)を対象に

アンケート調査を行った。項目は経験年数、現在の所属で QI の活用の有無

と使用している QIの種類、病棟内移動レベル決定における QI活用以外の取

り組みについて調査した。

【結果】

経験年数での QI使用率を表 1に記す。現在の所属別での QI使用率の比較

は、急性期部門 50%、回復期部門 93.8%、生活期部門 41.7%であった。使

用しているQIの種類と使用率は10m歩行・Berg balance scale・Time up and

go において、高い傾向にあった。病棟内移動レベル決定における QI 活用以

外の取り組みは、認知機能検査が 39%、病棟スタッフとの情報交換による決

定が 19.5%であった。

表 1.経験年数と QI使用率

経験年数 1‐3 年目 4‐6 年目 7‐9 年目 10-12 年目 13‐15 年目 16 年‐

QI 使用率(%) 75.0 80.0 55.6 20.0 50.0 50.0

【考察】

QIはリハ医療の結果を客観的に示す指標である。活用方法としては、予後

予測、効果判定、移動レベルのカットオフ値の算出などに使用される。本調

査から、所属や個々に差があることが分かった。高いレベルでの標準的なリ

ハ医療を行うためには、これらのツールを使い、データベースを構築する必

要があると考える。移動レベルの決定においても、QIの活用などのプロセス

をチームで共有することにより、より連携の強化につながると考える。

Page 16: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題11

病棟内移動レベル決定に影響を及ぼす評価について ~BergBalanceScaleと病棟内移動レベルの相関性について~

森山メモリアル病院 リハビリテーション部

○ 村井 政俊 春名 弘一 小川 隆平

○ 長祖 雄司

【はじめに】

BergBalanceScale(以下 BBS)は高価な機器を用いずに利用できる総合バ

ランス検査であり、臨床での効果判定や治療方針の策定、予後予測、転倒の

スクリーニング検査に使われている。また、先の調査により、当院回復期病

棟理学療法士の BBS 使用率は 81.3%であった。今回は、先行研究で報告さ

れている BBS転倒カットオフ値 45点が、当院の病棟内移動レベル決定に活

用可能であるかを調査する目的で、後方視的調査を行った。

【対象と方法】

平成 24年 4月から 10月までに当院回復期病棟に入院した患者 38名(男性

9名、女性 29名)で、疾患別内訳は、脳血管疾患 7名、運動器疾患 28名、廃

用症候群 3名であった。退院時の歩行レベルを歩行自立群 14名、監視群 13

名、介助群 11名に分け、BBS平均値と標準偏差用いて BBS転倒カットオフ

値の視点から考察した。また、統計は mann-whitneyU 検定を用いて 1%未

満をもって有意とした。

【結果】

BBS得点は歩行自立群:51±4点(56-45)、監視群:39±8.8点(51-25)、

介助群:17±13点(35-4)点であった。それぞれの群に統計学的有意差を認

めた。

【考察】

自立群と介助群の傾向は標準偏差を含めても先行研究を強く支持する結果

となった。監視群の中には 45 点を超えているケースもある。自立に至らな

い理由として、認知機能の低下に伴う危険因子など転倒リスクがある。つま

り、病棟内移動レベル決定には、EBM(根拠に基づく医療)のある客観的な

評価指標と病棟での状況など主観的な評価を合わせた総合的な評価が必要と

なり、病棟との密な連携が必要である。

Page 17: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題12

薬剤の使用期限チェックに関する試み ~廃棄額減少をめざして~

森山病院 薬剤部

〇 髙澤 敬子 安藤 和子 西口 和久

○ 鈴木 久美子 中田 雅人 長谷川 愛子

○ 小黒 朋佳

【はじめに】

平成 24年 4月より森山病院の薬剤師が1名増員となった。

これを期に、従来、半年に1度の棚卸のときに実施していた薬剤部内の在庫

の期限チェックを、毎月実施し、期限切れの発生を減少できるよう体制を整え

ることにした。

【実施方法】

平成 24年4月第2週より開始。

薬剤部内の薬剤が保管されている棚、冷蔵庫などをあわせて14の区分にわ

ける。

毎月、区分毎に薬剤の使用期限を確認し、期限が切迫している薬剤を別表に

記入しておく。

【薬剤部の対応】

当院とメモリアル病院でそれぞれ動きがある薬剤を、双方で譲渡しあう。

メーカーが引き取り可能な特殊製剤の場合、メーカーに引き取りを打診する。

医師に対し処方依頼等を検討する。

やむを得ず期限切れになった薬剤は、月末に撤去し、新しく購入した薬剤に

置き換える。もしくは、事前に採用削除の提案を薬事委員会に議題として出す

か、臨時採用品の場合は申請医に打診して、期限切れと同時に採用削除とする。

【結論】

期限チェックを毎月行うようになってから

1.薬剤部内での廃棄額は減少傾向にある。

2.薬剤の動きの把握が容易になった。

3.品質チェックができるようになった。(例えば変色など)

4.適正在庫数をこまめに設定できるようになった。

などのメリットが生じ、引き続き使用期限チェックを毎月実施していく必要

性を確認した。

Page 18: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題13

経皮的頸動脈ステント留置術前後において脳神経超音波検査が

有用であった眼虚血症候群の 1例 ~経頭蓋内ドプラー法を用いた中大脳動脈と眼動脈血流の評価~

森山病院 検査部検査室1) ME室2) 視能訓練室3)

森山病院 脳神経外科4) 循環器内科5) 眼 科6)

○ 茨木康彦1) 石川清隆2) 西原智子3) 柴田勝康3)

○ 髙野勝信4) 渡辺剛助4) 櫻井寿郎4) 山田 豊5)

○ 佐藤 慎6)

【はじめに】

眼虚血症候群とは網膜動脈の循環障害による視力低下などの眼症状を呈し、

高頻度に頸動脈狭窄を伴うが、血行再建術により視力の回復がみられる。経

皮的頸動脈ステント留置術(CAS)治療の前後で経頭蓋内ドプラー(TCD)

法を用い、中大脳動脈(MCA)および眼動脈(OA)の血流評価する脳神経

超音波検査が有用であった1例を経験したので報告する。

【症 例】

80歳代、男性。主訴は意識障害、JCS1にて来院。頭部 CT、MRIでは脳

に異常はみられなかったが、MRAで両側頸部内頸動脈の高度狭窄を認めた。

入院中に視力低下を訴え、当院眼科を受診したところ、眼虚血症候群と診断

された。

【検 査】

治療前、視力は右(0.6)左(0.2)。蛍光眼底造影により左眼虚血症候群、

眼底検査で右網膜中心静脈閉塞と診断された。頸動脈超音波検査では両側頸

部内頸動脈の高度狭窄、TCDにて右 OAのドプラー血流の逆行性血流と 左

OAのドプラー血流速度の著明な低下を認めた。

【経 過】

両側頸動脈高度狭窄に対し CASによる血行再建を施行。術後、頸動脈超

音波検査では頸動脈狭窄と血流の改善がみられた。TCDにてMCAのドプラ

ー血流速度が増加し、さらに OAのドプラー血流では治療前にみられた右

OAの逆行性血流が順行性に転じ、左右の OAのドプラー血流速度が増加し

た。しかし視力は右(0.6)左(0.2)と改善はみられなかった。

【結 語】

CASを施行した結果として QOV(Quality of Vision)の予防に繋った本

例において、TCDによる頭蓋内および眼動脈血流の評価方法が簡便かつ無侵

襲的で、有用であった。

Page 19: ¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û - 森山病院'¨ >/>3 G à £¢ÝîÉ%Ê Û ÉߢÛÒí 6 7 ¥ ì >8 ¹ B >0>3 º >0 v >7 ¥ ( u ) 13:40 >| 17:3 0 >8 « ] ¢Ûå»Í¸Ý >8 >1 7u

演題14

小児陳旧性環軸椎回旋位固定に対する保存的治療 ~CTによる治療効果判定を用いて~

森山病院 整形外科

○ 青野 貴吉

旭川医科大学 整形外科

○ 小林 徹也 熱田 裕司 神保 静夫

【はじめに】

小児の環軸椎回旋位固定(AARF)は、早期に適切な治療を行えば速やかに

治癒することが多いが、陳旧例では整復困難・再脱臼により治療に難渋し、

全身麻酔下の整復あるいは手術といった侵襲の大きな治療を余儀なくされて

きた。今回我々は、小児の陳旧性 AARFに対し介達牽引と装具固定による保存

的治療を行った。

【対象と方法】

対象は、2008年以降に治療を行った小児陳旧性 AARFの 3例で、男 1例女 2

例、年齢は全例 8歳である。

入院時、頚椎中間位および最大矯正位で CTを撮影し、第 2頚椎に対する第

1頚椎の回旋角(C1-2角)を測定した。治療開始後 2~3週毎に CTで治療効

果を確認した。治療は 2kgの重錘で 40分牽引後 20分休憩を 1セットとした

1日 7セットの介達牽引を行い、C1-2角が 10°を超えた時点で牽引を中止し、

SOMI typeの装具を装着、退院とした。装具は C2椎間関節面がリモデリング

された時点で除去した。

【結果】

発症から本治療法開始までの期間は平均 2.7(2.0~3.2)ヶ月、平均経過

観察期間は 23.3(13.2~33.8)ヶ月であった。牽引期間は平均 6(5~8)週、

装具の装着期間は平均 4.2(3~6)ヶ月であった。最終調査時には全例で斜

頚や頚椎可動域制限を認めず、治癒が得られていた。

【結論】

小児の陳旧性 AARFに対し、介達牽引と装具固定による低侵襲な保存的治療

にて全例で治癒が得られた。