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平成 30 年度事業報告書 (平成 30 年 4 月 1 日~平成 31 年 3 月 31 日) 一般社団法人 日本銅センター

平成 30 年度事業報告書 - JCDA...平成30 年度事業報告書 (平成30年4 月1日~平成31 年3月31日) 一般社団法人 日本銅センター 目次 1. 活動履歴

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平成 30 年度事業報告書

(平成 30 年 4 月 1 日~平成 31 年 3 月 31 日)

一般社団法人 日本銅センター

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目次

1. 活動履歴

(1) 総会・理事会・届出・委員会関連 P. 2

(2) 国際銅協会(ICA)関連 P. 4

2. ICA/JCDA共同プロジェクト事業

(1) 最適導体サイズ設計プロジェクト P. 5

(2) 高効率モータ・機器普及促進プロジェクト P. 6

(3) 次世代冷媒対応細径銅管開発プロジェクト P. 7

(4) 変圧器・電力ケーブルプロジェクト P. 8

(5) 銅合金製魚網普及プロジェクト P. 8

(6) Communication プロジェクト P. 9

3. その他のプロジェクト事業

(1) Antimicrobial Copper プロジェクト P. 9

(2) 日本伸銅協会との連携事業 P.10

(ロードマップ作成及び共同研究開発プロジェクト)

4. 銅管・板条技術関係特別事業

(1) 銅管および継手開発事業 P.11

(2) 板・条技術開発普及事業 P.12

5. PR関係事業

(1) 情報発信事業 P.12

(2) 銅管特別広報事業 P.14

6. 日本銅センター賞表彰事業 P.14

<参考資料1> 作成資料一覧 P.14

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1. 活動履歴

(1) 総会・理事会・届出・委員会関連

1) 監事会(平成 30年 4月 24日)

東京・上野うさぎやビル・日本銅センター会議室において開催。岡本良二・権

田源太郎監事が出席し、平成 29年度の会計監査を行い、適正且つ正確であるこ

とが確認され承認された。

2) 業務委員会(平成 30年 4月 26日)

東京・上野うさぎやビル・日本銅センター会議室において開催。石井 敏文委

員長の司会により、次の議案について審議を行った。

議案 1.平成 29年度事業及び収支決算報告

2.第 45回日本銅センター賞受賞者の件

3) 平成 30年定時総会(平成 30年 5 月 31日)

「銀座東武ホテル」龍田の間において開催。中里 佳明日本銅センター会長の

司会により次の議案について審議された結果、定款第 18 条により原案通り決議

された。

議案 1.平成 29年度事業及び収支決算報告の件

2.役員改選の件

議案 2において新理事・監事が承認された。尚、恒例により 6月に予想される

企業等の人事異動に伴う一部役員の変更は本総会で承認を得たものとするとの

決議がなされた。

4) 5月度理事会(平成 30年 5月 31 日)

「銀座東武ホテル」龍田の間において開催。中里 佳明日本銅センター会長の

司会により次の議案について審議された結果、定款第 36 条により原案通り決議

された。

議案 1.平成 30年度正副会長、専務理事選定の件

2.その他

議案 1において会長 1名、副会長 2名及び専務理事が次の通り選出された。

会長 関口 明(日本鉱業協会会長・DOWA ホールディングス㈱ 代表取締役社長)

副会長 柴田 光義((一社)日本伸銅協会会長・古河電気工業㈱ 取締役会長)

副会長 伊藤 雅彦((一社)日本電線工業会会長・㈱フジクラ 取締役社長)

専務理事 亀井 隆徳((一社)日本伸銅協会・専務理事)

5) 臨時総会(平成 30年 7月 2日:紙上)

(一社)日本電線工業会より全正会員に対して、下記内容について提案書が発

送され、定款第 21条に基づき原案通り決議された。

議案 1.理事の一部変更の承認

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6/17付で伊藤理事が辞任し、小林理事が就任

6/17付で熊川理事が辞任し、白坂理事が就任

6) 平成 30年度第 2回理事会(平成 30年 7月 13日:紙上)

亀井専務理事より理事及び監事の全員に下記内容の提案書が発送され、定款第

37条に基づき原案通り決議された。

議案 1. 7/13 付で小林理事が副会長に就任

7) 臨時総会(平成 30年 9月 28日:紙上)

(一社)日本電線工業会及び日本鉱業協会より全正会員に対して、下記内容に

ついて提案書が発送され、定款第 21条に基づき原案通り決議された。

議案 1.理事の一部変更の承認

9/28付で関川理事が辞任し、飯嶋理事が就任

議案 2.理事の一部変更の承認

9/28付で石井理事が辞任し、諏訪邉理事が就任

8) 業務委員会(平成 30年 10月 18 日)

東京・上野うさぎやビル・日本銅センター会議室において開催。諏訪邉 武史

委員長の司会により、次の議案について審議を行った。

議案 1.平成 30年度上期事業報告

2.その他

9) 技術委員会(平成 30年 11月 1日)

東京・上野うさぎやビル・日本銅センター会議室において開催。三谷 洋二

委員長の司会により、次の議案について審議を行った。

議案 1.平成 30年度上期事業報告

2.2019 年 ICAプロジェクトについて

3.日本銅センター規格改定審議のための説明

10) 技術委員会(平成 31年 3月 13 日)

東京・上野うさぎやビル・日本銅センター会議室において開催。三谷 洋二

委員長の司会により、次の議案について審議を行った。

議案 1.平成 30年度事業計画(案)

11) 業務委員会(平成 31年 3月 19 日)

東京・上野うさぎやビル・日本銅センター会議室において開催。諏訪邉武史

委員長の司会により、次の議案について審議を行った。

議案 1.平成 31年度事業計画(案)

2.平成 31年度収支予算(案)

3.賛助会員新規加入の件

4.規程一部改定及び新規作成の件

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12) 3月度理事会(平成 30年 3月 26日)

東京・上野うさぎやビル・日本銅センター会議室において開催。関口 明

会長の司会により次の議案について審議された結果、原案通り決議された。

議案 1.平成 31年度事業計画(案)

2.平成 31年度収支予算(案)

3.平成 31年度定時総会議案(案)

4.賛助会員新規加入の件

5.規程一部改定及び新規作成の件

13)臨時総会(平成 30年 3月 27日)

東京・上野うさぎやビル・日本銅センター会議室において開催。関口 明

会長の司会により次の議案について審議された結果、原案通り承認された。

議案 1.平成 31年度事業計画(案)

2.平成 31年度収支予算(案)

14)官庁への報告届出等

・役員変更登記東京法務局手続完了(平成 29年 8月 1 日)

(2) 国際銅協会(ICA)関連

平成 30年度上期の ICA関連の来日及び海外出張は以下の通りである。

1) 平成 30年 4月 5-6日

ICA の Bob Dwyer、Alvin Chao が来日し、ICAメンバー3社の環境関係担当者と

HESD(Health Environment and Sustainable Development)Asia Steering

Committee Meeting 実施。

2) 平成 30年 4月 11-12日

ICAの Han が来日し、北陸電力と東京電力を往訪してヒアリング実施。

3) 平成 30年 5月 29-31日

ICAの Richard, Colin, Han, Chris, Clara, Charles, Alvin, Spring が来日し、

East Asia Mid-Year Meetingを開催。

4) 平成 30年 6月 26日

ICAの Han が来日し、2019年度の ICA予算について打ち合わせ実施。

5) 平成 30年 8月 7-10日

和田事務局長がヒートポンプ蓄熱センターに同行して CHPA(China Heat Pump Alliance)

annual meeting に出席。(於:杭州)

6) 平成 30年 8月 28-31日

和田事務局長が ARC 2018 Budget Review Meeting(於:香港)に出席。

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7) 平成 30年 9月 5-8日

和田事務局長がヒートポンプ蓄熱センターに同行して AHPNW Busan Workshop(於:釜山)

に出席。

8) 平成 30年 10月 21-26日

ICAの Han が来日し、DNV-GLの Karampekios と韓国木浦大学 Lim教授と共に、

「電線地中化ワークショップ」を東京、大阪、仙台、名古屋で開催。

9) 平成 30年 11月 9日

ICAの Alvin が来日し、メンバー3社を往訪して HESD Asia Steering Committee

について打合せ実施。

10) 平成 30年 11月 6日及び 7日

台湾のモータメーカである富田電機股有限公司、晟昌機電股有限公司及び装置

メーカである Foxnum社を日本パーカライジング及び同社台湾法人と共に訪問し、

高速回転時の効率低下を防ぐ保護被膜の PRを行った。

11) 平成 30年 12月 21日

ICAの Han が来日し、ヒートポンプ蓄熱センターを往訪して 3年目の共同プロジェクトの

内容について打合せ実施。

12) 平成 31年 2月 19-23日

和田事務局長が East & South East Asia Team Meeting(於:バンコク)に出

席。

13)平成 31年 3月 3-8日

和田事務局長が IWCC Technical Seminar(於:上海)に出席。

2. ICA/JCDA共同プロジェクト事業

(1) 最適導体サイズ設計(Environmental and Economic Cable Sizing)プロジェクト

1) プロジェクトの概要

我が国の工場やビル内の 600V CV-T ケーブルの導体サイズを 2 倍の太さにすれ

ば、現行約 4%の通電ロスが約 2%に半減、それに伴い発電電力量も 2%節減できる

ことから、結果として CO2 を約 1160 万 t(京都議定書の基準年度における日本

全国の総 CO2 排出量の 0.9%に相当)減らす効果が見込まれている。

そのためにケーブルのサイズアップを推進するものであり、これによる効果と

しては地球環境保護に加え、通電ロス減少による工場・建物のオーナーにとっ

ての電気料金(ランニングコスト)の節約、銅産業界にとってはサイズアップ

による銅需要増が見込まれる。本プロジェクトは(一社)日本電線工業会からの

提案により 2007年にスタートしており、プロジェクトの実行は日本電線工業会

及び(一社)電線総合技術センターが担当している。

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2) 進捗状況

ICAファンドを使った関係分野のエキスパート約 15名からなる MT20部会による

「環境配慮導体サイズ適正化の普及」活動を継続し、会議 3回実施。

電線総合技術センターと「異径ジョイント工法の開発」について委託調査研究

契約を締結し、電気設備学会関西支部にて調査研究を行い、結果を電気設備学

会誌に投稿。

電気と工事5月号に論文「メガソーラー構内配線の ECSO 設計に便利!!現場摘要

型計算ソフトの開発」が掲載。

メガソーラー発電所構内配線 ECSO 設計プログラムを日本電線工業協会の web

siteに掲載。英語版設計プログラムも作成済みで、近々web site に掲載予定。

IEC 国際規格化については 12 月に CDV(Committee Draft for Voting)投票が終

了し、その後 FDIS(Final Draft of International Standard)投票を経て、最速

で 2019年末に IS化予定。

2019 年の ICA ファンドにおける日本での Cable 関連のプロジェクトは、名称が

変更になり”Defense of Japanese Utility Cable”プロジェクトの一部として

本活動を継続予定。

(2) 高効率モータ・機器普及促進(Motor & Energy Efficient Equipment)プロジェクト

1) プロジェクトの概要・背景

アルミロータに比較して三相誘導電動機(モータ)高効率化への寄与が大きい

銅ロータは将来の IE4 規制対応技術として重要であることがモータメーカにも

認識されている。今後の市場展開に備えた、ダイカスト生産技術の確立・向上

は重要な課題である。

銅センターとしては、海外ダイカストメーカーでは取り組めないイ)銅ロータ

ーの品質や特性に与えるダイカスト条件究明及びロ)効率低下を抑制する保護

被膜の開発・市場化支援を行い、IE4規制時のダイカスト銅ロータ採用に備える。

また、変圧器やヒートポンプ技術を用いた高エネルギー効率製品の普及を促進

する事により、銅の需要拡大を図る。

2) 平成30年度に得られた成果

日本鉱業振興会助成金を活用し、㋑モータ設計に必要な「ダイカスト銅ロータ

の材料特性とダイカスト条件の相関」に関する研究および㋺ダイカスト品質向

上及び高強度銅ロータ開発に必要な基盤技術開発を佐藤鋳造研究所及び明石合

銅で実施した。

具体的成果として、銅ロータのミクロ組織、強度、含有酸素量、導電率変化に

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関する溶湯温度、ダイカスト速度、金型形状などの影響を調べ、結果を日本鋳

造工学会第172回全国講演大会で発表した。(10/14)。

添加元素によるロータの強度や導電率などの変化を調べ、高速回転に適した高

強度銅合金ロータ開発のためのダイカスト試験を行い、結果を取り纏め中であ

る。1回目の結果を受け、添加元素量を見直した第2回目のダイカスト試験を5月

に行う。

高速回転域での効率低下抑制薬剤(保護被膜)の市場化支援の一環として、ICA

台湾の要請により日本パーカライジング社と共に台湾メーカー(FUKUTA(EV用)、

Foxnum(EV及び家電)、Solpower(一般モータ))を訪問・支援した~11/6及び7、

於)台中市~。

「保護被膜塗布/未塗布ロータモータ」の比較試験を行い、得られた結果を

IPEC2018(2018年5月20日~24日、新潟県土岐市)において職能大山本教授、平原

助教、日本パーカ研究内田氏、ICA中国ダニエル氏が4件の論文として発表した。

この内容をベースとした「銅ロータ及び保護被膜」市場化支援パンフレットを

作成し、保護被膜付き銅ロータの市場化を支援した。

ヒートポンプ・蓄熱センターと共同Project(3年計画の2年目)を継続し、アジ

ア3ヶ国(日本、韓国、タイ)におけるヒートポンプ給湯器関連比較調査を早稲

田大学齋藤教授に委託して実施。

China Heat Pump Alliance annual meeting に参加し、欧州ヒートポンプ協会

等と情報交換を行った。

銅管の優れた熱伝導性のPRを織り込んだヒートポンプ給湯機(エコキュート)

の一般消費者向けパンフレットをヒートポンプセンターで作成(2,000部)

(3) 次世代冷媒対応細径銅管開発(Ultra Microgroove tube)プロジェクト

1) プロジェクトの概要

本プロジェクトは 2015年から正式にスタートしたプロジェクトであり、エアコ

ンの熱交換器における銅管からアルミマイクロチャンネルへの代替防衛を目的

としている。ルームエアコンに使用される主な銅管サイズはここ 20 年位で

9.5mmφ→7mmφ→6.35mmφと小径薄肉化が進んでおり、最近では 5mmφ、4mmφ

も広く使われ始めている。今後も地球温暖化対策として冷媒を削減するために

も更なる小径化の要求が強まると予想される。又、ICAでは電線と共にこの分野

におけるアルミへの素材代替対策が重要なテーマとなっており、低 GWP 次世代

冷媒で高性能を発揮する 4mmφ以下の内面溝付管を開発し、エアコンにおける銅

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管マーケットを防衛する。

2) 進捗状況

銅管メーカーから提供されたプロトタイプの外径 3.5mm, 3mm, 2.5mmφの内面溝

付管の単管での凝縮及び蒸発の伝熱性能・圧力損失を大学で測定中。

6 月に ACRA2018(Asian Conference on Refrigeration and Air-conditioning

於:札幌)で東京海洋大学より研究結果を発表。

7月に Purdue Conference( 於:Indiana)で東京海洋大学より研究結果を発表。

9月に日本冷凍空調学会年次大会(於:日大工学部)で東京海洋大学より研究結

果を発表。

11 月に大手エアコンメーカー5 社の熱交開発関係者を招待して、本プロジェク

トの研究結果を紹介する「細径銅管技術セミナー」開催。(参加者 24名)

(4) 変圧器・電力ケーブル(Transformer and Power Cables)プロジェクト

1) プロジェクトの概要

本プロジェクトは銅の重要な需要先である変圧器及び電力ケーブル市場におけ

るマーケットシェア維持が目的であり、East Asia全体のプロジェクトとして管

理されている。(2017年から日本にも予算配分)

2) 進捗状況

4月に北陸電力、東京電力を往訪し、国内全 10電力各社の送電系統、配電系統,

地中ケーブルにおける導体素材の使用状況及び素材選定経緯のヒアリング完了。

今回 10社との面談で得られた人脈を基に電力会社のメーリングリストを作成し、

今後電力ケーブルに関する情報の共有を図る。

10月に海外から 2人の専門家が来日し、導体材料の信頼性比較や海外での導入

事例を紹介する「電線地中化ワークショップ」を東京、仙台、大阪、名古屋の 4

都市で開催。(参加者計 60名、内電力会社 6名)

2019年から ICA新プロジェクト”Defense of Japanese Utility Cable”がスタ

ートし、電力ケーブルに関する活動はそちらに移行予定。

(5) 銅合金製魚網普及(Aquaculture)プロジェクト

1) プロジェクトの概要

本プロジェクトも 2015年からスタートしたプロジェクトであり、東日本大震災

で 壊 滅 的 な 被 害 を 受 け た 宮 城 県 志 津 川 湾 戸 倉 漁 協 銀 ザ ケ 部 会 の

ASC(Aquaculture Stewardship Council)認証取得をサポートするために、銅合

金製魚網の設置を図るものである。志津川湾では銀ザケの他にカキ、ホタテ、

ワカメ、ホヤ等多くの養殖場が密集しており、銅イオンのこれら海洋生物に対

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する毒性を定量的に把握する事により、今後規制される可能性の強い海洋にお

ける銅濃度がリーズナブルな値になるようワークする。

2) 進捗状況

EcoSea 社から中古魚網の提供及び技術指導のオファーがあったが、コストの点

で戸倉漁協銀ザケ養殖部会は銅合金製魚網の導入を断念した。

志津川湾の海水中銅濃度の季節変動を確認するために、8 月に 10 地点でサンプ

リング実施。

環境毒性化学環太平洋大会において志津川での調査結果を報告。(横浜国大)

今後は環境リスク評価の海域を変更して、産総研で研究を継続する予定。

本プロジェクトには一般財団法人日本鉱業振興会の研究助成金を活用中。

(6) Communications – Japanプロジェクト

1) プロジェクトの概要

Asia Communication Team の一員として ICA Asia 内での共同広報活動を行うと

共に、JCDA 独自の手法を使って効率的な広報活動を展開する。

2) 進捗状況

YouTubeに日本銅センターのアカウントを作成し、2011 年 11月から手持ちの映

像データに加え、ICAの映像データに字幕スーパーを入れてアップロードしてき

ている。今年度新たにアップロードした動画はなし。

2012年 5月に開設した日本銅センターとしての Facebookアカウントにはトピッ

クを順次掲載している(平成 30年度は 26回投稿)。

2016年に一新したホームページは随時更新し好評を得ており、平成 30年度のア

クセス数は月あたり昨年比 12%増の約 12,000回となった。

3. その他のプロジェクト事業

(1) Antimicrobial Copper プロジェクト

1)Cu+( )と CU STSR( )の殺菌銅活動の一体化とメンバー拡大

・参加メンバーへの活動状況のアンケート調査を実施し、活動展開中の参加メン

バー22社を集めてミーティングを開催し、メンバー間で情報交換を行った。

・2018年度の新規メンバー参加は Cu+で1社であった。CU STAR については

今後のメンバー候補会社や現行メンバー会社の殺菌効果試験等のバックアッ

プを行った。

2)Symbol Word「殺菌」に関する調査

活動の Symbol Word として使ってきている「殺菌」という語句について、東京

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都福祉保健局を訪問・聴取し、薬機法における広告としての扱いに関する知見

を得た。「殺菌」という語句は銅センターの活動にとってフィットしたもので

あるので、この語句を使う前提での注意点について整理するための情報収集を

継続した。

3)殺菌メカニズムの解明に関する大学の研究への支援

埼玉大学・金子教授の生物電子顕微鏡を使った細菌の直接観察による殺菌メカ

ニズム解明の研究を H31 年度日本鉱業振興会助成研究に推薦し、採択された。

(2) 日本伸銅協会との連携事業(ロードマップ作成及び共同研究開発プロジェクト)

伸銅協会会員企業14社による「新規技術開発検討会(以下検討会)」を中心とした新

技術開発・新規需要開拓に繋がる伸銅協会プロジェクトの推進に協力することによ

り、日本銅センターのミッションである銅および銅合金の新規需要開拓を進めてい

る。特に、「日本銅学会との連携を深めた共同技術開発活動」推進支援に注力し、下

記の結果を得た。

1) 共同技術開発

① H30 年度 NEDO 助成事業(新規採択テーマ)

「省エネルギー戦略に寄与する“ヘテロナノ”超高強度銅合金材の開発」を

テーマに戦略的省エネルギー技術革新プログラムの助成金交付決定を受

けた。4企業、5大学、助成金額 929百万円/交付決定 3年間分。

企業と大学間の共同研究契約、秘密保持契約などを締結し、プログラム

を開始した。SEMなどの高額分析機器 2台を大学に導入するなど、学への

高額助成を支援し、産学連携を深める一助とした。

② NEDO 事業以外の共同技術開発

新規技術開発検討会において、産・学のニーズ・シーズをマッチングさせた

共同研究として次の活動を実施している。

H29 年より 1年間、「溶融銅用起電力型水素センサ実用化研究」をテーマ

に名古屋工業大学と 5企業が共同研究を実施した。4企業が 1年間の研究

延長を希望し、センサ実用化に向けた研究を H31 年度も進める。

H31 年度に「溶融金属中介在物の気泡補足及び凝集に関する研究」をテー

マに、7企業と八戸工業高等専門学校とで共同技術開発を行う。

2) 共同市場調査

新規技術開発検討会で集約した 5 テーマに関し、市場調査、講演会による情報

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収集活動を行った。下表に示す。

2018年のユーザー訪問や講演会活動実績(下表)

年・月 訪問先/イベント 内容

2018年9月 水素脆化研究会 ・ 水素脆化に関する研究会に参加し、

内容をメンバーに報告した。

同年10月 自動車市場技術予測

カンファレンス2018

・ 検討会会員に資料を配信・情報

展開した。

2019年2月 自動車講演会 ・ EVを中心とした自動車の未来に

関する三菱総研講演会を実施した。

3) ロードマップ冊子改定作業

2016年策定の伸銅品技術戦略ロードマップ改定作業を進めた。特にロードマッ

プ冊子別紙 4~6の形状別「伸銅品技術ロードマップ」を見直し、重要技術課題

の内、取り組めている課題、取り組めていない課題、策定時に抽出し切れてい

なかった課題などをロードマップ冊子改定(作業)部会で討議し、今後の技術

開発に活かすこととした。5月 28 日までの発行を目指す。

4. 銅管・板条技術関係特別事業

(1) 銅管及び継手開発事業

委員会の構成変更を行い、課題(特に規格の制改定)を進めた。

1)銅管開発委員会活動(3社参加)

・吸収式冷凍機等に使用される銅管腐食対策

空気調和衛生工学会の小委員会に委員として参画、材料要因(銅管内面の

残留カーボン)以外に薬注、水処理システム管理等のガイドライン作成を

目標に進めてきたが、成果報告書としては課題整理のまとめに留まり、H31

年度以降、活動継続することとなった。

2)継手開発委員会活動(6社参加)

・冷媒用機械的管継手の規格化と公共建築工事標準仕様書への掲載

JCDA規格を制定し、公共建築工事標準仕様書への掲載を目指して国交省営繕

担当官の意見・要請を聴取しつつ進め、改修工事標準仕様書への掲載を実現

した。

・この JCDA 規格の規格認証を行うべく準備を進めた。

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(*)これまで別の JCDA規格で「工場認定」は行ってきているが、「認証」と

して不備な点も多いため、制度見直しから行って、当該 JCDA規格にまず

適用する。さらに殺菌銅 CU STAR への適用も計画している。

・銅管のろう付け技術の伝承の支援

例年同様、NPO給排水設備研究会主催・配管技能講習会等への支援(主とし

て金銭的な支援)を行うとともに、新たに東京都からの依頼による職業訓練

校指導員への硬ろう付け指導も実施した。

3)冷媒用被覆銅管委員会活動(10社参加)

・2018年 4 月より正規の委員会とし、冷媒用被覆銅管に関する JCDA規格(一般

用)の新規制定作業、冷媒用被覆銅管の施工マニュアル作成活動を進めた。

(2) 板・条技術関係特別事業

1) 銅板屋根構法普及委員会

日本建築学会が発刊している「建築工事標準仕様書」の第三次改定が 2019年度

に予定されており(前回改定は 2004 年)、改訂小委員会 WG に本委員会の委員 2

名と共に出席して銅屋根部門に関する改訂作業を実施し、最終改定案を提出し

た。(金属屋根協会殿と金属屋根ワーキンググループを作り、金属板葺、折板葺、

銅板葺、樋の各節を協力して改訂)

5. PR関係事業

(1) 情報発信事業

1) 機関紙「銅」誌

平成 30年 9月に第 186号、平成 31年 3月に第 187号を発刊(体裁:A4判オー

ルカラー16 頁)。

正会員、賛助会員をはじめ、全国の各種ユーザー及び教育機関などに配布した。

配布部数は 4,000部。

2) プレスリリース

日本伸銅協会と合同で定例記者会見を引き続き実施し、毎月開催。毎回、新聞

社10社程度が出席。主に ICA共同プロジェクトの進捗状況やその他展示会やセ

ミナー等のトピックスを紹介。

3) 経済産業省 子どもデー

平成 30年度は 8月 1,2日に開催された表記イベントに日本伸銅協会と共に出展

した。今回は金属の熱伝導性の差を体感しながら銅の特徴を実感してもらう実

験と、電線・磁石・電池を用いた簡単なリニアモーターカーに加え、銅を使っ

た製品の展示を行なった。新規に作成した子ども向けパンフレットも配布した。

また、初日には JX金属から銅の妖精キャラクター「カッパーくん」も訪れ、会

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場は大いに盛り上がった。

4)高機能金属展出展

・春の関西高機能金属展(5/9~11;インテックス大阪)及び冬の高機能金属展

(12/5~7;幕張メッセ)にブースを出展した。

春の関西高機能金属展 冬の高機能金属展(専門技術セミナー)

5)日本銅センターへの各種問い合わせへの対応

平成 30年度はメールでの問い合わせが 113件(法人 75 件、個人 38件)、電話

での問い合わせが 108件以上(法人 79件以上、個人 29 件以上)と、例年通り

各担当者が責任を持って対応した。

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(2) 銅管特別広報事業

Webマガジンのカパーストリームを逐次アップし、平成 30年度は 10月に

No.18、3月に No.19を発刊した。

6. 日本銅センター賞表彰事業

平成 30年 5 月 31日、銀座東武ホテルにおいて、第 45回日本銅センター賞の表彰

式が行われた。受賞者は次の通り。

受賞者 案件名

GPSSホールディングス株式会社

住友電気工業株式会社

メガソーラー発電所における電線太径化によ

り銅の需要促進に貢献

フレアーナガオ株式会社 長年に亘り熱交換器と関連製品に銅を使用し

需要促進に貢献

株式会社日本ピスコ 様々な空気圧機器の配管用継手に銅合金を使

用し需要促進に貢献

表彰式記念写真 ブロンズ像

<参考資料1>

広報関連出版物及びビデオ等

タイトル 内 容 発行年月

「銅」誌第 186号 銅センター機関誌(体裁:A4判オールカラー 16 頁) 2018年 9月

「銅」誌第 187号 銅センター機関誌(体裁:A4判オールカラー 16 頁) 2019年 3月

「銅ってすごい!」 子ども向けパンフレット(体裁:A4判変形オールカラー 16頁) 2018年 6月