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一 サ 緒 イ に エ 旅 ン し ス よ の う フ !! ロ ン ティア へ · 実際の海底を見て岩石を採取し、その岩石の物理学的な解析を行って、

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学部長インタビュー…03

情報数理科学科…05

情報数理科学専攻(大学院)…09

物理科学科…11

物理科学専攻(大学院)…15

分子科学科…17

分子科学専攻(大学院)…21

生物科学科…23

生物科学専攻(大学院)…27

入試情報…29

◎ contents

サイエンスのフロンティアへ

一緒に旅しよう!!

2009年、サイエンス棟が誕生しました。 講義室、視聴覚室、実験室などを集約し、最新の設備とともに最高の研究環境を実現します。また、室内の可視化によって研究者・学生の安全性にも配慮した設計で各専門分野のさらなる追究をめざします。

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基礎科学の高度な専門的素養を

修得する過程を通して、論理的な

思考力とコミュニケーション能力

を磨きます。

情報数理科学専攻(前期課程12名・後期課程3名)

物理科学専攻(前期課程12名・後期課程3名)

生物科学専攻(前期課程14名・後期課程3名)

分子科学専攻(前期課程12名・後期課程3名)

情報数理科学科(募集定員30名)

物理科学科(募集定員30名)

分子科学科(募集定員30名)

生物科学科(募集定員35名)

理 学 部

基礎科学をさらに深く学び、サイ

エンスのフロンティアを切り拓く

研究にとりくみます。

学部における教育・研究内容と緊

密に連携したカリキュラムが整備

されています。

大学院理学系研究科博士前期課程・博士後期課程

※大阪府立大学では、理学系研究科について、入学定員を改定することにしています。詳細については、決まり次第、大阪府立大学ホームページでお知らせします。

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理学系研究科長・理学部長

前川寛和 教授

真理を追究する

想像力豊かな人材の育成を

めざします。

■大阪府立大学理学部・理学系研究科の 試み

 大阪府立大学理学部 ・理学系研究科では、さまざまな新しい

試みを実施しています。たとえば、理学部物理科学科では、「演示

学生実験」というものを行っています。これは、創造力豊かな

人材の育成をめざした、学生が自由な発想でものを作るという、

いわゆるものづくりの実験で、理学部の全学科への拡大を検討

しているところです。

 また、理学系研究科では、大学院GP「ヘテロ・リレーション

による理学系人材育成」という、大学院生が海外の研究者と

触れ合うことを目的としたプログラムが進行中です。

想像力豊かな人材を育てる「演示学生実験」で地域社会にも貢献

 必修科目の基礎演習、総合演習では、学生がアイデアを出し

合い、色々なものを作って、小学生や中学生に紹介するという

ことを行っています。中でも、『色オルゴール』は、2008年に

キャンパスベンチャーグランプリ大阪エリアで新技術部門優秀賞、

『サイフォン式液循環装置』は、2009年に大賞を受賞し、特許も

出願しています。これが大学近辺でもかなり有名になっていま

して、大学で演示学生実験を開催しますと、子供さんや御家族

の方が大勢来られて、皆さん楽しまれています。

 他にも直接学生が小学校や中学校に出かけて行くというデリ

バリー科学実験を行ったり、実験キットを作成し、それを配達

したり、というようなことも始めています。

 大学の地域貢献度ランキングで、大阪府立大学は 66 位から

4位に浮上しましたが、演示学生実験はその大きなきっかけの

ひとつになりました。

■私と理学との出会い

 子供の頃から理科全般に興味があり、特に昆虫採取や植物採取

が好きだったのですが、大学で勉強をするうちに、数ある講義

の中で面白かった地球科学に興味を持つようになりました。大学

の卒業研究では地球科学、特に地質学の研究をテーマにし、東北や

北海道の山を一人で歩きまわり、地質図を作成しました。そこ

から私の研究はスタートしました。

研究船で水深5000�の世界へ:

地球科学の現象を明らかにする

 地球の表層部というのは、

厚さ100キロメートル程度の

十数枚の堅い板で覆われてい

ます。その板のことをプレート

というのですが、プレートは互

いに移動し地殻変動を引き起

こします。プレートが沈み込ん

でいるところに日本列島があ

ります。プレートの沈み込みは地震や火山活動など色々な現象

を引き起こしますが、沈み込み帯内部で起こる地球科学の現

象やそのメカニズムを、野外調査や海洋底研究で明らかにすると

いう研究をしています。

 具体的には、世界で一番深いマリアナ海溝のチャレンジャー

海淵の周辺地域で「しんかい 6500」という潜水調査船に乗り、

実際の海底を見て岩石を採取し、その岩石の物理学的な解析を行って、

その成因を調べるという研究を行っています。

 研究船でマリアナ海域に行くと、いつもほっとします。マリ

アナの海っていうのは、本当に紺碧の青ですごくきれいですよ。

潜水船で海に潜ると、魚やタコといった生物がたくさん見られ

ます。水深5000メートルの海底でもナマコがはった跡がたくさ

んあります。

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地球科学の目で見る:「宝石の星、地球」

 地球について、別の角度から見てみ

ましょう。私たちは、地球の表層部、

地殻の上に住んでいます。この岩石

はほんの薄皮で、卵を地球であると

すると卵の殻よりもずっと薄いもの

が地殻です。ひとたび地球の中心部

に入るとマントルと核があります。

実は、このマントルというのは宝石でできているといっても

いいと思います。

 マントル上層部はオリーブ色をした8月の誕生石ペリドット

が占めていて、もっと深いところでは、より美しいスピネルや

ペロブスカイトで構成されています。ですから、地球を割ると

宝石がぱらぱらぱら、と…。これらの鉱物は基本的にマグネシ

ウムとケイ素と酸素でできていて、核は鉄でできていますので、

結果として地球の 90%は、マグネシウムとケイ素、酸素、鉄、

この4つの元素でできていることになります。この地球のシン

プルさは、私たちの宇宙が 137億年前に始まった時に決まって

いたといえます。

■「理学」とは何か

 「理学」というのは基本的に真理の探求をめざす学問分野です。

これがどうしてそういうふうになるのか、どうしてできたのか、

といったような謎を解きたい、真実を知りたい、それだけの思

いで研究するという要素の強い分野だと思います。

 人類というのは誕生以来、ずっと真理の探求を繰り返してきて、

その積み重ねが今の文明・文化を築きあげました。『理学』は人

の役にたつ実学からはほど遠いと思われがちですが、長い目で

見た時に、実は人間とは切り離すことができない文明・文化を

築きあげた学問分野そのものだと思います。

受験生へのメッセージ

 平成 17 年に3大学が統合して新しい大学がスタートしまし

たが、学生の学力も、研究力も順調に伸びています。これを

さらに強化する、より良い大学にする、というために大学改革

を行いますが、理学の重要性は決して変わりませんので、ぜひ

入学して、私たちと一緒に勉強し、理学の世界を楽しんでくだ

さい。

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Department of Mathematics and Information Sciences

真理の探究によるソリューション創出― 情報科学と数理科学で新時代を切り拓く ―

情報数理科学科とは?

在、我々が直面している問題の多くは非

常に複雑であり、理論的な側面と実践的

な側面の両方から考えないと解決できません。

そのためには数学的な洞察力とコンピュータ

を駆使した解析能力の両方を兼ね備えている

必要があります。本学科では、数学(数理科学)

と情報科学の2分野を並列したコース制をとら

ずに、融合領域というべき情報数理分野に重点

を置き、数理科学と情報科学が相互に連携する

教育課程を編成しています。これにより物事の

根本を論理的に捉える力と発展的に応用でき

る創造力を修得することができます。

情報数理科学の扉はすぐそこに!

情報満載!

地球規模に拡がる情報と人

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Department of Mathematics and Information Sciences

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4回生

大和 雅英さん

在校生からのメッセージ

情報数理科学科の風景

総合演習 卒業研究発表会

情報処理実習 ST(S������ T������)制 (ST制は先輩が後輩を指導する制度です)

なぜこの学科を選んだのですか?

あらゆる分野の基礎となる数学を深く学ん

でみたいという思いと、さらに、学んだ数学

の理論や培われた論理的な思考能力が、情

報処理能力とともに身につけることで、現

代のIT社会に生かせるのではないかと思っ

たからです。また、教員免許の取得を目指し

ていたのもこの学科を選んだ理由です。

入学してみて、学科の雰囲気、印象、面白

いと思う所は何ですか?

1学年の人数が35人前後と少数であり、また、

学科全体のイベントが多く、上回生や先生

方との交流も盛んで、とてもフレンドリー

な雰囲気だと思います。また、お互いに教え

あって理解を深め、わからないところはST

制を利用して先輩に教えてもらったりと、

勉強面でも充実しています。外国人教員に

よる特別講義があり情報数理科学の様々

な分野について関心をもつことができま

す。

大学に入って面白いと感じた科目はど

れですか?

どの科目も面白く感じられます。数学分

野では、解法をマスターして問題を解く

ことが中心だった高校までの数学とは

違い、時間をかけてじっくりと考えな

がら、自分の中に新しく数学の体系を

つくっていくところに面白さを感じます。

また、グラフ理論や統計学といった高校

まであまり扱われなかった数学を学び、

とても新鮮でした。情報分野の科目では、

プログラミングの授業や、今のIT社会の

中にある諸問題を解くために必要な基

礎知識を学び、高校までに習うことがで

きないものでとても興味をひかれます。

夢や目標を聞かせて下さい

もし解決できたなら、今の生活がもっと

よくなるような未解決問題がまだまだ世

の中にはたくさんあります。そういった問

題を、数学の理論とコンピュータを使って

解決できるようになることが今の夢です。

最後にこれからこの学科を目指す高校生へ

メッセージをお願いします

本学科の先生方は、学生の学ぶ意欲を大

切にしてくれ、そのやる気に応えてくだ

さいます。だから、やればやった分だけ、

自分の伸びを感じられる学科だと思いま

す。数学と情報の両方を学ぶことは自分

の強みになると思います。情報数理科学

科で学び、社会で活躍できる人を目指し

てください。

学科風景・在学生メッセージ

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大学院 理学系研究科情報数理科学専攻

卒業研究

幅広い専門科目の中から興味ある分野とその関連分野の科目を選択して学びます。

教員免許(情報(高校)・数学(中学、高校))取得に必要な科目についても学べます。

数理論理学計算科学

情報数学

確率モデルソフトウェア科学

知識科学解析学

数理計画法 データ科学

情報数理科学ゼミナール情報数理科学総合演習

融合領域を中心に数学や情報科学の専門分野へのシームレスな展開を促す入門的な科目について学びます。

情報代数計算科学

離散数学

知識科学概論データ科学計算機概論

位相空間論データ構造とアルゴリズム

情報数理科学の基礎となる科目について学びます。

解析学基礎解析学基礎演習集合と論理

線形代数データ処理

統計学基礎情報基礎、演習

― 厳密な数学力としなやかな応用力 ―カリキュラム

カリキュラム・教員インタビュー

林 利治先生

先生へインタビュー

林 利治先生に直撃!

情報数理科学科って、どんなことが学べるんですか?情報と数理科学(数学)を学ぶんですか?

数学が好きですが、数学を学ぶことはできますか?

学科紹介(前ページ)にもありますが、情報科学と数理科学を連携させてそれらの融合領域を

中心に学んでいきます。選択できる科目が多くなる3年生では、数学が好きな人は数理科学(数

学)の科目をたくさん選ぶこともできます。情報が好きな人は情報科学の科目をたくさん選ぶ

こともできます。

情報科学と数理科学の融合領域を中心に学ぶことは分かりました。

でも融合領域ってどんな分野ですか?それを学ぶとどんな役に立つのですか?

融合領域の科目として、コンピュータによって問題を解くときに必要な計算時間に関係する

計算の複雑さなどを学ぶ「計算科学」、データの影にかくれた真実をあぶりだすことを目的と

する「データ科学」、在庫管理や輸送問題など実践的な問題をモデル化したり、その問題の最適な解を見出す方法を学ぶ「数

理計画法」や「情報数学」などがあります。どれもコンピュータを使う実践的なアプローチと論理的な思考力が身につきます。

最後に、この学科の特色のある科目を教えてください。

教員が正しい知識を教えるという授業とはまったく異なり、学生が主体となり、みずから取り組むテーマを見出し、試行錯

誤的に問題を発見し、さらには問題解決へと続く過程を、学生間でのディスカッションやチームでの作業を通じて実施、体

験するプロジェクト創生型の科目(総合演習)があります。

単なる知識の詰め込みではなく、実践的な問題への応用力が身につきます。

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■ 中学校教諭1種免許状(数学)

■ 高等学校教諭1種免許状(数学)

■ 高等学校教諭1種免許状(情報)

取得できる資格

成績が非常に良いと認められた学生は、大学で

3年間学んだ後4年次を飛び越えて大学院へ進

学することができます。

飛び級

成績が非常に良いと認められた学生は、3年間

で大学を卒業し、学士の資格を得ることができ

ます。

早期卒業について

 民間 日本電気、三菱電機、シャープ、日本IBM、NTT

西日本、トヨタ自動車、日立製作所、NTTドコモ関西、

NTTコミュニケーションズ、NTTデータ関西、大阪ガス、

京セラ、セコム、リクルート、パナソニックシステム、オー

ジス総研、東芝情報システム、NECシステムテクノロジー、

キヤノンITソリューションズ、丸紅ソリューション、オー

ビック、みずほフィナンシャルグループ、三菱東京UFJ

銀行、三井住友銀行、りそなホールディングス、日興コー

ディアル証券、他(順不同)

官公庁 大阪府、高槻市、和泉市、大阪国税局など

大学院進学 本学大学院、大阪大学、京都大学、

      北海道大学など

※本学科/専攻の前身である、総合科学部数理・情報科

学科の卒業生と、理学系研究科数理・情報科学専攻修

了生の進路情報を含みます。

おもな就職・進学先

より詳しい情報は、    

■ ウェブの検索とアルゴリズム

■ 計算可能と計算不可能

■ 自然の中の数学

■ コンピュータで何ができるか

■ 2項定理と関数の展開

■ データがかたる統計学

 ー統計のおもろいとこ聞けまっせー

■ 数学的に表現しよう

■ 数え上げと対角線論法

■ 円周上のデータで統計しよう

■ 並列処理でコンピュータを高速化するには?

■ 零因子と行列分解

■ カオスは巡る

 ー北京で蝶が羽ばたけば ニューヨークで嵐が起こるー

■ 直線とは何ですか。0はいくら足しても0ですか。

■ 情報ってなんだろう?

■ 身近な誤り検出・誤り訂正符号

■ 微分するとは?微分を通して速度、加速度を見てみよう

■ 素因数分解の意外な使い道

■ 数学短編小説「博士が愛したNP完全問題」

■ コンピュータと話すには?

         など、好評連載中!

情報数理科学科 検索

http://www.mi.s.osakafu-u.ac.jp/lec/mi-lecture.html

情報数理科学科では、主に高校生や一般の方々を対象にした読み物「情報数理科学講座」をインターネット

上で公開しています。情報数理科学って何?という素朴な疑問にお答えしようと、先生方の研究に関連

したトピックを「わかりやすく解説」しています。

1つの記事は 読み切り短編!です。この機会に、是非お楽しみ下さい!

情報数理科学講座開講中!

掲載中のトピック

資格・就職など

進路情報など

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Department of Mathematics and Information Sciences

いつも新時代を切り拓くのは情報数理科学― フォン・ノイマン、クロード・シャノン、

情報科学の先駆者は同時に数理科学の達人でもあった ―

http://www.mi.s.osakafu-u.ac.jp/

博士前期課程2年

木野 歩佳さん

先輩からのメッセージ

 私は、情報科学と数理科学の融合領域である情報数理科学の

分野で、組合せ最適化に関する研究に取り組んでいます。

具体的には、組合せ最適化の手法を用いて、パズルやゲームを数

式で表現し、コンピュータで答えを求める方法を研究しています。

 このように情報科学の分野でも、数学の論理的な考え方で問

題を捉えて数式で表現し問題を解決するので、研究には数学は

必要で、数学なしでは研究を進めることはできません。

 また、ゼミでの発表などを通して自分の考えを説明するプレ

ゼン能力など、社会に出ると必要になる能力を研究室メンバー

とともに高めることができるのはもちろんですが、私がパズル

やゲームを研究の対象としているように、社会に出るとできそうもない自分の好きなこと

や気になることを研究の対象にできることも大学院の魅力です。

 でも研究ばかりしていても息が詰まってしまいます…。なので、遊ぶときは遊びます。研

究室のメンバーとボーリングに行ったりテニスをしたり、旅行に出かけることもあります。

また、情報数理科学科の先輩や後輩との交流も多くみんなでBBQをすることもあります。情

報科学を学びたい、数理科学を学びたい、両方学びたい、でも学生だからたまには遊びたい

という人にとって、充実した学生生活を楽しむことができると思います。

専攻は、数理科学と情報科学の融合領域である情報

数理学を核として、基礎数理学と情報科学を含めた

3つの学問分野が一体となり、数理科学と情報科学の

融合領域の教育研究を推進することに特色があります。

 情報数理学は「情報」を対象とする数理科学の分野と

情報科学の基礎理論分野からなり、符号・暗号理論、計算

理論やデータ解析等から構成されます。基礎数理学は

きわめて体系的な学問である数学と密接に関連する学問

分野であり、他の諸科学と深い関係を保ちつつ発展して

きました。このような数学の理論と計算機への応用に

特徴があります。情報科学は情報システムの構築をめざ

す情報工学とは異なり、数理的手法に裏打ちされた情報

科学の理論的体系化と同時に実際的なソフト開発に力点

をおいています。

 上記3分野を連携した教育研究を通して、数理的な洞察力とコンピュータを駆使したモデル化能力の両方を兼ね備えた人材

の養成を行います。本専攻修了者は、数理的洞察力と高度な情報処理能力をもって、大学・研究機関、 民間企業等、各方面で

の活躍が期待されます。

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最近の修士論文のテーマ例

研究事例紹介

Department of Mathematics and Information Sciences

■ 幾何学的変換に耐性のある電子透かしに関する研究

■ A �������� �������� �� ������ ����� ��� ��� ��������� ��������

■ 縮約ウェブグラフにおける構造マイニングとスケールフリー性について

■ メタ学習支援のためのモデル指向システム開発

■ ガンマ分布における�����パラメータの最尤推定量の改良

■ 結び目のアレキサンダー多項式とその応用について

■ 株式売買に手数料が必要な時のアメリカンオプションの価格付け

20世紀半ば、ゲーデルとコーエンにより「連続体濃度(実数全体の集合の濃度)

は可算濃度より大きい最小の濃度である」ことを主張する連続体仮説は、通常の

数学の枠組みから独立であることが証明されました。連続体濃度が可算濃度よ

り大きいことはカントールによって証明されています。実数の集合論は、 コー

エンが用いた手法を応用することで、連続体濃度と可算濃度の中間の濃度をも

つ実数の部分集合の性質を調べることを目的としています。

実数の集合論

ウェブページのリンク構造を表すモデルにウェブグラフがあります。ウェブ構造

マイニングは、ウェブグラフにもとづきウェブ上で特定の話題に共通の興味を持

つコミュニティの発見などを目指す研究です。このときコミュニティやその核と

なるページ集合は、ウェブグラフで密あるいは特徴的な部分構造を構成すると考

えられ、 それらを列挙することで構造マイニングを行なうアプローチがあります。

この研究では、実際のウェブグラフから新たな頻出部分構造を発見し、それらを列

挙するアルゴリズムを設計・実装した上で、実際のデータから重要な意味を持つと

考えられるコミュニティの発見などに成功しました。

ウェブのリンク構造にもとづくデータマイニング

データマイニングは、大量のデータからそこに潜んでいる有益な知識をコンピュ

ータを使って発掘する技術です。例えば、顧客の購買データから「おむつを買いに来

た男の人は、ビールを買うことが多い」といったデータを発掘します。購買データに

潜んでいるこうした潜在的な知識をうまく発掘することができれば、おむつの売

り場とビールの売り場を近づけることで、売り上げがさらにアップすることも期

待できます。このような知識を発掘するソフトウェアは帰納アプリケーションと

呼ばれます。この研究では、自分の目的に応じた帰納アプリケーションをプログラ

ミングに不慣れな人でも容易に作ることができるシステムの開発を行っています。

マイニングオントロジーに基づく帰納アプリケーションの開発支援

研究事例紹介・修士論文

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自然科学における最も著名な国際雑誌N�����に掲載されるような独創的な物理科学の研究から、それに基づく開発研究を目指すベンチャーの起業まで

1年次では、専門基礎科目として数学と物理学、化学、宇宙地

球科学、生物科学などの幅広い分野にわたる自然科学の基礎

を学びます。

―宇宙・地球からナノサイズの世界まで―

新しい物理現象の発見と機構解明を行う

2年次からは、講義と演習、実験を組み合わせたカリキュラム

のもとで、力学、電磁気学、量子力学、統計物理学など、物理学

の基礎を徹底的に学びます。これにより、論理的な思考法を修

得するとともに、将来、様々な物理科学の分野での研究が可能

となる基礎的な知識の修得を目指します。また、理論的、実験

的手法とともに、コンピュータを用いた計算物理の基礎も学

びます。さらに、卒業研究への接続として、いくつかの専門分

野の科目を選択して履修します。

Department of Physical Science

▲色素をドープした有機半導体薄膜に紫外光をあてたときの発光

▲変成岩の褶曲構造

▲星形成領域の観測に使用している電波望遠鏡と観測結果

理科学科では、自然現象、特に物理現象の解明とその背後に

ある基礎的な原理・法則の発見、およびその応用を目指して

います。光、電子、原子、分子などが主役となって多彩な現象を示す

ミクロな世界から地球、宇宙のマクロな世界までを対象としていま

す。本学科では、自然科学の根底に横たわる物理科学の基礎を学び

ます。ある現象がどのようにし

て起きるのか、どのような法則に

基づいているのかを認識するた

めに、実験的、理論的手法を学習

するとともに、論理的な思考方法

の修得に努めます。『N�����から

V������まで』を合言葉に、将来、

自然科学に関連した様々な分野で広く活躍できる人材を養成することを目指して

います。物理科学科は進取の精神と熱意あるみなさんをお待ちしています。

1年次

2年次以降

 本学科では、物理科学の基礎・基本を学ぶことに徹し、本格的な専門分野に関する学習は主として大学院理

学系研究科ですることになります。卒業研究では、未解決な問題への取り組み方を実践的に学びます。

 また、4年間にわたり、現代の自然科学の研究に欠くことのできない英語の勉強に、物理科学の話題を通し

て取り組みます。

http://www.p.s.osakafu-u.ac.jp/

カリキュラム

Curriculum

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12

1年次

物理学

化学

生物学

宇宙地球科学

解析学・線形代数

物理学実験

2年次・3年次

力学

電磁気学

計算物理学

物理数学

量子力学

統計物理学

固体物理学

地球物質科学

宇宙物理学

地殻進化学

構造地質学

物理科学総合演習

物理科学専門実験

4年次

卒業研究

物理科学演習

物理科学特殊講義

[電磁気学

電磁気学は古典物理学の一分野で、

電気と磁気の性質や相互関係を明

らかにする学問です。現在でも、世

の中にある電気・電子製品は電磁

気学の法則に従って動作しており、

また、身の回りで起こる全ての電

磁気現象はこれによって説明する

ことができます。

[計算物理学

物理現象を記述する方程式が実際にどの

ような振る舞いを示すかを知るためには、

物理量を数値で表すことが不可欠です。

さらに、コンピュータの発達に伴い、自然

現象を模した計算により法則性を探るこ

とは、科学の研究において重要な手段となっ

ています。この科目では、精度良く、また

効率的に数値計算を実行する手法を学ぶ

とともに、計算機を用いた実習を行います。

[量子力学

量子力学は、現在人類が到達した唯

一の力学法則です。その基本原理は

シュレーディンガー方程式で記述

されています。この原理は、相対性

原理が速度の限界を示したと同様に、

われわれの認識の限界が存在する

ことを明らかにしています。

巨視的世界の現象と非常に異なる

電子や原子などの微視的現象の振

る舞いは、この基本原理によって説

明されます。

[宇宙物理学

私たちの宇宙はビックバンで始まり、現

在も膨張を続けています。その証拠とい

える観測的事実が続々と見つけられてき

ています。電波での3Kマイクロ波背景放

射の発見が決定打となり、宇宙年齢は

137億年であることがわかりました。こ

うしてビックバンの宇宙論が確立しまし

た。銀河はビックバン後にいつ生まれたか、

現在研究されています。写真は、M51銀河

(国立天文台提供)

[物理科学専門実験

講義や実験などで習得した物理科

学の専門知識を基に、学生が自ら

実験課題を企画提案し、その実験

結果を学生および教員の前で演示

実験・発表を行うことにより、物理

科学の知識を一層深めるだけでなく、

プレゼンテーション能力やコミュ

ニケーション能力を養います。

物理科学科の

おもな授業科目

Department of Physical Science

科目の概要

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溝口幸司 教授 光物性分野

 物理科学科では、物理

現象を含めた自然現象の

解明と基礎的な原理・法

則の発見、および、その応

用を目指して、教育・研究

を行っています。「物理学」

の基礎から応用に至るま

での幅広い分野の教育・

研究を一貫性をもって遂

行する事により、物理現

象に対する探究心、論理

的思考力、洞察力、そして、創造力を修養することを目指して

います。特に、授業科目に関しては、力学、電磁気学、物理数学、

量子力学、および、統計力学を基本科目とし、物性物理、宇宙物

理、地球科学の内容を学ぶことができます。

 物理科学科は、宇宙物理学分野、地球科学分野、そして、物性

物理学分野から構成されています。その物性物理学分野には、

物性理論、構造物性、分子磁性、光物性などの研究室があります。

我々の光物性研究室では、種々の実験装置を用いて、物質の光

学的性質(光と物質との相互作用)を様々な視点から調べ、新規

機能性を有する物質の探索や作製をしています。古代から続く

「光に対する問い」は、問いかけの内容が変遷しつつも現在も続

いており、今後も新たな様相を呈して継続されて行くでしょう。

また、現代の物性研究は日夜発展しており、21世紀においては

新しい局面を迎えると考えられています。21世紀における物

性研究の発展に対し、君たちも一翼を担ってみませんか。我々

と一緒に発見の喜びを共有しましょう。

 最後に、大学生活の4年間は長いようで非常に短い時間です。

どのように大学生活を過ごすかは自分自身の行動で決まります。

充実した大学生活を送ることができることを願っています。

大西利和 教授 宇宙物理学分野

 天体からは我々の目には見えない様々な種類(波長)の電磁

波も放射されています。天体の性質を知るためには、物質から

どのような電磁波が放出されるのかを物理学的に理解する必

要があり、その知識をもとに様々な波長での観測を行い、天体

の性質を明らかにします。天文学の歴史は、様々な波長の電磁

波の検出システム開発の歴史と言ってもいいでしょう。

 恒星は宇宙の最も基本的な構成要素の一つであり、その進化

を追うことは宇宙の進化を明らかにする上で非常に重要です。

星・惑星形成のもとになる星間ガス・ダストからは、主にミリ波・

サブミリ波・赤外線にかけての電磁波が放出されます。最近の

高性能望遠鏡・検出器開発により、サブミリ波(波長1��以下の

電波)での観測が急速に発展してきました。この波長帯では、星

が形成される直前・直後の高密度・高温の星間ガスを集中的に

観測することが可能になり、天体形成のメカニズムの解明が急

速に進んでいます。観測条件のよい、南米チリのアタカマ高地(標

高5000�)が世界的なサブミリ波観測の中心となっています。

NANTEN2、 ASTEといったサブミリ波望遠鏡も始動し、2013年

には合計66台の望遠鏡

を有するアルマ望遠鏡

が完成する予定です(2011

年から部分運用開始)。

 AKARI、 S������などの赤

外線天文衛星の観測結

果との比較研究も多く

の成果をあげています。

H�������、 P����等、赤外線-

サブミリ波天文衛星の打ち上げも2009年中に予定されており、

天体形成の研究が劇的に進みます。このようにエキサイティン

グな状況の今、皆さんと一緒に研究できることを楽しみにして

います。

震や火山など地球は現在も活

発に活動しています。また、地

下深部の高温高圧条件で形成され激

しく褶曲した岩石が高い山脈の頂上

に分布することからも地球が大規模

に動いていることが分かります。た

とえば日本列島には、さまざまな時

代に形成された火成岩・変成岩・堆積

岩などが分布しており、何億年にも

わたるプレートの沈み込み・火山活動・

変成作用を含む長い歴史を経て現在

の状態に至っていることが分かります。

私たちのグループは地表・海底・地下

から採取した岩石を偏光顕微鏡・電

子顕微鏡・X線回折装置・磁力計など

の装置を用いて解析しています。岩

石に記録された過去の地球や地球内

部の情報を読み取ることにより、地

球内部や表層で起こったいろいろな

現象の解明に取り組んでいます。

業研究では、それぞれの研究テー

マにそって、野外調査や室内実

験などの内容・方法を自ら計画し、研

究を進めていきます。また、地球で起

こるさまざまな現象は互いに関連し、

地球全体としてひとつの巨大なシス

テムを構成していると考えられます。

それを理解するためには広い視野が

必要で、そのためにも強い好奇心と

何事にも丹念に取り組む姿勢が求め

られます。

地球科学グループの場合

▲かんらん岩の偏光顕微鏡写真

教員からのメッセージ

Message

卒業研究

Thesis

Department of Physical Science

教員メッセージ・卒業研究

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物理科学科の卒業生は、その半数

以上が大学院理学系研究科に進

学しており、また、企業をはじめ

多方面で活躍しています。近年の

卒業生の就職先には次のような

企業があります。

(理学系研究科物理科学専攻および物理科学科卒業者のデータです)

 私たち理学部物理科学科では、1回生の間は物理学だけではなく、

幅広い科学の知識を身につけるために化学や生物の勉強もします。

2回生、3回生と上がるにつれて、力学、電磁気学、量子論や宇宙

物理学、地球物理学といった様々なより専門的な勉強をします。

毎週行う実験では、高等学校で学んだ内容も含む基礎的な実験

だけでなく、大学の専門科目の講義で学んだ理論を実証するよう

な専門的な実験まで、様々なテーマを扱います。

 また、新しく理学部の校舎も建てられ、今まで以上に設備も整い、

より良い環境で学習・研究ができるようになりました。

 学科の学生たちは皆、物理に興味を持ち、やる気のある人も多く、

非常によい雰囲気の中で学生生活を送っています。物理についてもっと

知りたい、学びたいという人は、是非物理科学科で一緒に学びましょう。

平成19年度入学

粟津友哉さん

今澤貴史さん大学院理学系研究科

物理科学専攻

平成18年度大学院博士前期課程

修了(アドソル日進株式会社)

吉村亜里沙さん

卒業後の進路

Foresight

先輩からのメッセージ

Message

 私は在学中、構造物性研究室で原子がどのように配列して

物質を構成しているかということを研究していました。最先端

の実験装置と新しい解析手法を用いて、今まで誰も知らなかった

構造を自分の手で明らかにすることはとても楽しく、充実した

研究生活を送ることができました。現在は、大学で研究した内容

とは少し離れた情報サービス産業という分野の仕事をしていま

すが、大学で身につけた理科の基礎や、科学的な視点で物事を

考える力は会社でも役に立っていますし、これからも他の仲間

にはない私の特技になると思います。

 私たち物理科学専攻では、原子レベルのミクロな世界から地球

や宇宙という大きいスケールの物理を扱っています。私の所属し

ている分子磁性研究室では、学生自らによって今まで世の中になかっ

た新規物質を作製し、様々な実験的手法によりその物質の性質を

詳細に調べています。このようにして、物質が示す新しい現象や

性質を深く掘り下げ、その起源を解明するべく研究を進めています。

実験設備も充実しており、実際に研究を行う中で知りたいことを

調べる際に不自由を感じたことはありません。他大学との共同研

究も盛んに行っていて、多くの有識者と意見を交換し研究の質を

高めています。さらに、海外とも交流も盛んで、外国人教員を招

聘し、英語の講義を聴くだけでなく、直接会話をする機会も多く

あります。それだけでなく、私の場合、昨年夏にアメリカ合衆国

のフロリダ大学に3ヶ月間留学する機会を与えていただき、金銭

的な心配なしに多くの経験を積むこともできました。

 このような恵まれた環境で研究を行うことにより、物理につい

ての学識だけでなく、論理的に物事を考える能力も得ることができ、

今後どのような道に進んだとしても、その道で活躍できる人間に

成長できると確信しています。また、知的探求心が満たされるこ

とは、人間にとって最も大きな喜びの一つであると私は考えてい

ますが、当専攻はその喜びを得ることができる専攻であると思い

ます。

進路・先輩メッセージ

アドソル日進、いけうち、NEC、NTT研究所、大阪真空機器製作所、カテナ、京セラミタ、

JAバンク大阪、住友化学、大日本スクリーン製造、TDK、凸版印刷、トヨタテクニカル

ディベロップメント、日本IBM、日本電信電話、日立システムアンドサービス、日立

製作所、富士通関西中部ネットテック、三井生命保険、三菱マテリアル、村田製作所、

高校教員など

おもな就職先

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―宇宙・地球からナノサイズの世界まで―

新しい物理現象の発見と機構解明を行う

Department of Physical Science

物 理科学専攻では、物理科学科で修得したことを基礎として、 より深い専

門知識の修得および、新たな事象の発見と、これに対する緻密な論理的

思考・洞察力を養うことを目指して教育・研究活動を展開します。そして、物

性物理学、宇宙物理学、地球科学いずれの分野においてもその最先端の研究

活動の一翼を担うことになります。これ

らの活動を通して、課題を解決する高い

能力の養成だけでなく、論文・学会発表な

どコミュニケーション能力も高め、国際

的に活躍できる高度専門技術者・研究者

の育成を目指します。

物 性 理 論

物性理論

寺岡義博 ・ 田中 智 ・ 神吉一樹

分 子 磁 性

分子磁性

細越裕子

光 物 性

光物性

溝口幸司・河相武利・大畠悟郎

10兆分の1秒のパルス幅を持つパルスレーザーによる時間分解反射率測定装置

物性理論、あるいは、理論物理学の目指すところは、この自然現象に対する合理的な理解を得ることです。これまで、物質の

究極要素は何かを問い続けることから、素粒子の発見へと導かれました。さらに、これらの素粒子群が従う基本法則を明ら

かにすることで、ニュートン力学、あるいは量子力学という基本法則が明らかにされました。しかしながら、これらの素粒子

レベルの自然の理解は、私たち生命体を含む巨視的物質の働きを理解するための初めの一里塚に過ぎません。私たちの前に

は広大肥沃な未開拓の分野が広がっています。私たち理論グループは、微視的な力学原理に基づいて、生命体を含む進化発

展し続ける世界のあり方を理解することを目的として研究を行っています。

光物性では、種々の実験装置を用いて、物質の光学的性質を調べたり、新たな光

機能を有する物質の探索や作成を行ったりしています。物質に光を照射し、反射・

透過・吸収そして発光スペクトルを測定し、物質内の電子、正孔(電子の抜け孔)、

励起子(クーロン結合による電子−正孔の対)などの様子を調べることを目的

に研究を行っています。また、非常に早い時間領域(約1兆分の1秒のオーダー)

での、物質内の電子、励起子や原子の振る舞いを調べています。

物質の磁気的性質に関する実験的研究を行っています。電子スピンの集団

が織りなす多彩な現象は量子力学的法則によって理解されます。新しい物

理現象の発見をめざし、「新しい物理は新しい物質によって拓かれる」とい

う立場で、物質合成に力を入れ、さらに低温・強磁場・高圧下における磁気測

定を行っています。

研究分野の紹介

Research area

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※1総合教育研究機構所属 ※2工学研究科所属

Department of Physical Science

研究分野紹介

表面物性

面物性

梅澤憲司※1・上浦良友※1

P� (111) 表面原子像(大きさは13.3A×14.4A)

固体表面構造を原子レベル(0.1A以下の分解能)で解析しています。金属、絶縁体、半導体の表面

第1〜3原子層におけるエピタキシャル成長に関する研究を行っています。超高真空下(10-8P�)

に試料を設置し、低速イオンビーム散乱、原子ビーム散乱、低速電子線回折を使います。装置は

オリジナルで電子回路設計、プログラムによる機械制御も行います。また、共同研究で、STMや

SP���ー8の放射光、LEEM/PEEM、RBS/C�������� も利用しています。

構造物性

構造物性

木舩 弘一※1・久保田佳基・石橋広記

ナノ細孔に吸着した水素分子の電子密度分布(A���. C���. I��. E�. 2005)

結晶を構成する原子の配列を、X線や電子線などの回折現象を利用して調べています。

高輝度放射光を利用することにより、化学結合の情報までも含めた精密な結晶構造を

知ることができます。世の中では、エネルギー変換や貯蔵材料、光や磁気による記録材

料など様々な面白い性質を持った物質が合成されています。精密な結晶構造はこれら

の物性の解明に重要な情報を提供します。

地球科学

地球科学

前川寛和 ・ 石井和彦 ・ 伊藤康人

過去から現在にいたる地球の運動とダイナミクスを、

おもに岩石や地層に記録されている変成作用・変形作用・

古地磁気などの情報を読み取ることによって調べて

います。

(写真上)さや状褶曲

(写真左)有人潜水調査船「しんかい6500」

量子物性

量子物性

森 茂生※2

遷移金属酸化物におけるd電子が作り出す新しい量子物性(巨大磁気抵

抗効果、金属−絶縁体転移、電荷秩序、電気磁気効果)に着目し、その構造

と物性について研究を進めています。特に、透過型電子顕微鏡のもつ高

い空間分解能を利用し、ナノスケールでの構造(結晶構造・分域構造、磁

区構造)やその外場(温度、磁場、電場)による構造変化について研究して

います。

(写真上)ストライプ状の磁区構造

(写真右)透過型電子顕微鏡

宇宙物理学

宇宙物理学

小川英夫・大西利和・村岡和幸

光では見る事のできない「星が誕生する現場 = 星間分子雲」を、電波望

遠鏡を用いて観測し、星が誕生する仕組みを明らかにすることを目指

して研究を行っています。また、観測に使用する電波望遠鏡などの装置

も、自分達で開発しています。

(写真左)開発中の直径1.85�電波望遠鏡。観測周波数は 100-350 GH�

(写真右)星間分子雲の観測結果。等高線が密になっている所で星が生まれている。

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分子科学科とは?

Key Point

分子科学科への招待

Introduction

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―「化学」をキーワードに新しい分子の合成と 性質の解明、新しい化学反応の開拓にとりくむ―

Department of Chemistry

子科学科では、「化学 (C��������) 」をキーワードとして、様々な物質の

示す多様な構造と性質を実験と理論の両面から解明するとともに、美

しい構造や優れた機能を有する新しい物質を設計し、創造するサイエンス

を学びます。物質を構成する基本単位である分子の合成・構造・反応性・機能・

物性を探求する分子科学は、あらゆる先端科学の基盤となる科学です。また、

資源、環境、エネルギーといった人類が直面する様々な課題を解決するうえ

で中心的役割を果たすものと考えられています。

 旺盛な知的好奇心とフレッシュな感性に満ち溢れたみなさん!大好きな

化学を学ぶことを通して、サイエンスのフロンティアを一緒に旅してみま

せんか。

講義風景

大学図書館

生協食堂

http://www.c.s.osakafu-u.ac.jp/

9:00

12:30

16:00

13:00

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分子科学科ではどのようなことを学ぶのか

「明

■無機化学演習

■有機化学演習

■物理化学演習など

■分子科学実験

■分子科学課題実験など

■無機化学

■有機化学

■物理化学

■化学英語

■分子構造解析など

◆分子科学を学ぶ基礎となる化学、数学、物理学、生物学および英語、情報系科目などを学びます。

分子科学科のコア科目群

◆多彩な分野の研究室のいずれかに所属し第一線の分子科学研究をおこないます。

◆基礎から発展的内容まで、段階的・系統的に学ぶカリキュラムが用意されています。

◆講義・実験・演習が互いに密接に連携をとりつつ進行します。

◆英語文献を読むためのトレーニングを通年

 で実施します。

学部教育の集大成

◆急速に進歩を続ける分子科学をさらに深く学ぶと共に、最先端の分子科学研究にとりくみます。

最先端の分子科学の世界へ!最先端の分子科学の世界へ!

実験

演習

講義

分子機能科学分野

分子解析科学分野

分子創製科学分野

分子科学専攻

大学院理学系研究科

卒業研究

専門基礎科目

基盤科目

学科専門科目

子科学科では、無機化学・有機化学・

物理化学、分析化学などを中心に、

物質そのものの科学である分子科

学を学んでいきます。百あまりの元素が様々

に組み合わさって構成される分子たちの

示す多彩な構造や性質を、個々の事実の単

なる羅列として暗記するのではなく、「な

ぜこのような構造をしているのか」、「どう

してこのような機能・性質が現れるのか」

を考え、理解することを重視しています。

さらにそれらをふまえて、学部4年次の卒

業研究では、新しい構造や性質を有する分

子の設計と合成、新しい化学反応の開拓、

分子の示す性質の理論的解明といった最

先端の研究にとりくみます。

業では、講義・演習に加えて豊富

な実験メニューが準備されており、

教科書にとりあげられている化

学反応や現象を実際に体験しながら学ん

でいくことができるようになっています。

これらの科目を履修することを通して、分

子科学はもとより、様々な関連分野や応用

領域へ踏み込んでいくことのできるしっ

かりとした基礎力を身につけるとともに、

「論理的な思考力」と「明快にコミュニケー

ションをとる能力」とを鍛錬するカリキュ

ラムが編成されています。※

快にコミュニケーションをとる

能力」のトレーニングでは、ツー

ルとしての英語力とその基盤と

なる国語力とを特に重視しています。化学

の英文テキストや英語化学論文を読んで

内容を的確に把握し、わかりやすい日本語

で表現する訓練を、2学年次から4年次ま

で継続的に実施します。

年次での卒業研究を終えると卒

業生の大部分は大学院に進学し

ます。大学院には分子科学科での

教育プログラムと密接に連携した大学院

分子科学専攻のカリキュラムが整備され

ています。学部4年次と大学院(博士前期

課程・後期課程)とを通じて最先端の分子

科学研究に携わりつつ、高度な専門知識と

技術とを身につける体制が整えられてい

ます。

分子科学科の特色

Feature

Department of Chemistry

学科の特色

※分子科学科の授業時間割(学年毎、学期毎)、各科目の内容や講義資料、レポート課題等を ホームページで公開しています。分子科学科での学びの一端を疑似体験してみませんか? 

http://www.c.s.osakafu-u.ac.jp/curriculum/curriculum.html

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分子機能科学分分

分子創製科学分分分子解析科学分野

分子創製科学分野

分子解析科学分分

分子機能科学分野

理論化学研究室

物理化学研究室

計算化学研究室

有機反応化学研究室

有機合成化学研究室

物理有機化学研究室

有機金属化学

/錯体化学研究室

マイクロ化学

/生体触媒化学研究室

機能分子設計学

機能物質科学

3年次前期までに履修する実験科目(化学実験、分子

科学実験Ⅰ・Ⅱ)では、受講生全員が同じテーマの実験

を行ないます。これに対して、3年次後期に履修する

「分子科学課題実習」では、受講生が以下に示す分子科

学科の各研究室に分かれ、研究室毎に異なるテーマの

実験を実施します。分子科学課題実習は、翌年度(学部

4年次)に履修する「卒業研究」への接続科目として位置

づけられており、分子科学課題実習を履修した研究室で、

引き続き卒業研究を行うことが前提となっています。

→各研究室の概要は21〜22ページをご覧下さい。

3年次後期から、研究室での実験がスタート

Research area

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Department of Chemistry

分野紹介

−個性あふれる様々な研究室で、3年次から実験を実施します−

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卒業研究(4年次)・卒業後の進路など

先輩からのメッセージ

Message

Department of Chemistry

進路・先輩メッセージ

大学院博士後期課程、花王、住友ゴム、新神戸電機、

ダイキン工業、ダスキン、東海ゴム、東ソー、トクヤマ、

ナガセケムテックス、ユニチャーム、ワールドインテックス

卒業研究

卒業後の進路

2010年3月修了者の進路

(大学院分子科学専攻博士前期課程・全13名)

卒業生(学部・大学院)の詳しい進路情報をホームページで公開しています。  http://www.c.s.osakafu-u.ac.jp/career/career.htm

 学部卒業生の大部分は大学院・博士前期課程(2年間)に進学します。そ

して、科学と技術とが急速に進展を続ける現代において、社会に出て様々

な分野に進んでいく基盤となるしっかりした基礎力にさらに磨きをかけ

ます。

 博士前期課程修了者の大部分は、化学系を中心に、エネルギー、製薬、化

粧品、電器、機械など様々な業種のメーカーに就職し、主として研究・開発

の担い手として活躍しています。また修了者の一部は博士後期課程(3年間)

に進学して、ひき続き最先端の分子科学研究にとりくみ、博士号取得後は

化学系企業や各種研究機関で研究活動の中核的な存在となっています。

 私は高校時代から興味のあった化学を

もっと学びたいと思い、理学部の分子科

学科に進学しました。まだ高校生だった

ころは、化学といえば専ら教科書に載っ

ている現象や化学反応を覚えたりするこ

とに必死でした。しかし大学生になって

からは、講義に加えて自らが主体となって学生実験を行うことで、

実際にそれらの現象を体験することができます。そして、これ

らのカリキュラムを通じてより深く化学を理解することができ、

すごくわくわくします。

 こうした日々を積み重ねることによって、自分が成長したと

思うことは、常に「なぜ?」という好奇心を持ち、自ら進んで問題

に取り組むようになれたことです。

 皆さんもサイエンスを通して自分自身を磨き、この分子科学科

から新たな世界へ一歩踏み出してみませんか!

臼井靖弘さん

分子科学科・3回生

幸前彰敏さん

 私は分子科学科の前身である物質科学科に入

学し、分子科学専攻の博士前期課程では理論化

学を専攻していました。研究は、コンピュータに

よるシミュレーションを主に行っていました。 「化学なのにコンピュータ?」

と思う人もいるかもしれません。私も大学に入るまでは化学はフラスコとビー

カーで白衣を着て行うというイメージしか持っていませんでした。しかし、

化学はそれだけではないということを分子科学科では学ぶことができました。

 化学にはたくさんの分野があり、分子科学科ではさまざまな分野の勉強を

することができます。そのどれもが非常に興味深く、化学の奥深さを感じる

ことができるものばかりでした。そして、それを教えてくれる先生方もとて

も熱心で、時には厳しく時にはやさしく、学生に近い目線で教育に取り組ん

でくれます。個人的に研究室を訪問し質問をしたり、実験をさせてもらえる

など、学生の希望にも応えてくれる柔軟性も持っています。また、勉強ばかり

ではなく、ときには先生方や先輩たちと酒を酌み交わしながら忌憚のない話

に花を咲かせることもありました。そういった環境の中で、化学の知識だけで

なく、社会人へのステップアップに必要な全てのことを学べたように思います。

 分子科学科で学べば、また今までとは違った化学を知ることができるに違

いありません。化学が好きで、少しでも興味のあるみなさん。ぜひ分子科学科

に来て下さい!

大学院分子科学専攻博士前期課程2008年3月修了

国際化工勤務

 4年生になると、教員

の個人指導の下、一人

一人個別のテーマを設

定して卒業研究を行い

ます。最新の研究設備

を思う存分活用し、新

しい機能性分子の合成や、

新しい化学反応の開拓、

物質の構造と機能との相関の解明など、様々な切り口から化学結

合や化学反応の本質的理解をめざす第一線の分子科学研究にとり

くみます。当初思ってもいなかった新しい現象と出会う可能性を

秘めた、サイエンスのフロンティアへと踏み込んでいくのです。

 卒業研究は、4年間の学部教育の集大成であるとともに、大学院

博士前期課程(分子科学専攻)においてより高度な専門的教育

を受け、研究活動を展開するための基盤でもあります。模範解答

は誰も知らない未知の問題に対してどのようにとりくみ、どのよう

に道を切り拓いていくか。問題解決にむけてどのような実験をおこ

ない、その結果どのような現象を観測し、それらを基に何をどのよ

うに考えて次の展開に結びつけるか。教員や先輩の大学院生たち

とディスカッションしながら卒業研究を進めていく過程を通して、

論理的な思考力と明快にコミュニケーションをとる能力を磨きます。

 卒業研究で得られた成果は、

国内外の様々な学会や学術論

文雑誌に発表します。分子科

学科から世界にむけて新しい

サイエンスの情報を発信して

いくのです。そしてその担い

手は・・・、そう、あなた自身です。

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有機反応化学

有機合成化学

物理有機化学

新しい有機化学反応の開拓と応用

生物活性を有する天然有機化合物の合成研究

高度にフッ素化された化合物の合成と応用

分 子科学専攻では、以下に示す3分野(分子創製科学、分

子機能科学、分子解析科学)のそれぞれに関連研究グルー

プを有機的に配置し、分子の構造と機能の解明、およびそれ

に指針を得た有用分子の設計と新たな機能創成をめざした

教育・研究を行います。

 前期課程では分子科学の基盤となる専門講義科目に加え、

外国人のゲストプロフェッサーの英語による講義を受け、

英語でのマンツーマンディスカッションを行う「サイエンス

コミュニケーション」および、各自の研究テーマとその背景

についての解説ならびに議論を行う「研究企画ゼミナール1」

を履修します。後期課程では研究の企画・立案能力を鍛錬

するために「研究企画ゼミナール2」を実施します。また、

前期・後期課程のいずれにおいても、最先端の分子科学研究

に参画することを通して高度かつ実践的な研究トレーニング

を実施するとともに、「分子科学特別演習」により世界の分

子科学の最新研究動向に習熟するとともにディスカッション

能力を鍛錬します。

 環境問題やエネルギー問題など人類が共通して直面する

課題の解決に分子科学の果たす役割はますます大きくなっ

ています。また、基礎科学の高度化に伴い、分子科学と既存

の学問分野との間に、ナノ科学などをはじめとする様々な

学際領域が急速に拡大を続けています。本専攻では、物質科

学の根幹である分子科学の高度な専門的素養を修得するこ

とを中心にすえ、それらを基盤として新しい学際的な領域

へも踏み込んでいくことのできる基礎力と、科学の応用面

への視野とを身につけた人材を養成します。

 大学院修了者の就職先としては、化学を中心に製薬、食品、

バイオ、エネルギー、材料、環境関連などの幅広い諸分野の

民間企業や、教員、公務員があげられます。後期課程では上

述の各方面での就職に加え、国内外でさらに上級研究者と

しての研鑽を積み、大学や各種研究機関で職を得ることが

期待されます。

教授・柳 日馨 准教授・福山高英 助教・植田光洋

教授・豊田真弘 助教・牧野泰士

准教授・松原 浩 

De

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try

研究分野・研究室

Research group

Department of Chemistry

分子創製科学分分

豊富な炭素資源である一酸化炭素やアルケン、アルキンを用い、

ラジカル種や遷移金属の特性を活かして、社会に有用な有機化合

物を合成するための新反応の開発を行っています。さらに、新しい

反応メディア(フルオラス溶媒、イオン液体)や反応デバイス(マイ

クロリアクター)による環境調和型(グリーン)化学反応の開拓にも

とりくんでいます。

有機合成化学の醍醐味の一つは天然有機化合物の合成です。私たちは、ヒトの病気の治

療薬になり得るような生物活性を持つ天然有機化合物の中で、複雑な3次元構造を有

する分子の合成に挑戦しています。さらに、天然有機化合物を効率よく合成するための

新しい反応や方法論の開発も行っています。

フッ素で高度に置換された有機物は一般的な溶媒や有機物と混和

せず、新たな相(フルオラス相)を形成します。この性質(フルオラ

ス性)を利用する新たな反応剤や反応場、および機能性材料の開発

研究を行っています。

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Department of Chemistry

22

有機金属化学/錯体化学

有機金属クラスター錯体の創成と反応性

教授・松坂裕之 講師・竹本 真

分子機能科学分野

分子機能科学分分

有機化合物と無機化合物の双方の特長を融合した新たな分子の合成と機能開拓にとりくん

でいます。特に、分子内に複数の金属中心を有する「有機金属クラスター錯体」の合成と

反応性の解明を目指しています。

機能分子設計学

不斉合成、及び高次構造を有する有機分子の精密合成

准教授・神川 憲

医薬品や香料などを化学合成する場合に必要な基盤技術である不斉合成法

の開発に取り組んでいます。また、人類にとって有益な機能を発現する人工

有機分子を精密に作りあげることを目指しています。

マイクロ化学/生体触媒化学

マイクロフロ−型反応装置を用いた効率的化学反応の開拓

教授・佐藤正明  講師・小島秀夫

幅が数μmから数百μm(1μm=10 -6m)のきわめて微細な溝の中を通しな

がら化学反応を行う装置である「マイクロリアクター」を活用し、フラスコ内

で行う場合と比較してはるかに効率的ă選択的な化学反応を実現することに

とりくんでいます。

機能物質科学

複合機能性を有する有機分子材料の開拓と物性解明

准教授・藤原秀紀

導電性や光応答性、磁性などの優れた機能性を有する新しい有機分子材料の

開拓とその物性解明を行っています。

理論化学

物理化学

化学反応理論

原子・分子・イオン化学

教授・小関史朗

教授・早川滋雄 助教・岩本賢一 助教・藤原亮正

理論計算により、分子の電子状態や、分子の示すさまざまな性質の解明、機能性材

料の設計に取り組んでいます。さらに、新しい理論計算プログラムの開発も行っ

ています。

質量分析という分析手法を活用して、分子やイオンの性質の解明にとりくんでい

ます。特に、独自に開発した「電荷逆転質量分析法」を用い、電子移動のメカニズム

や励起分子、励起ラジカルの性質を調べています。さらに、原子や分子が複数個集

合した微量粒子(クラスター)の反応性の解明も行っています。

計算化学 准教授・麻田俊雄

子 合

複雑な分子の集合体、およびタンパク質や酵素などの生体分子について、量子化

学計算や動力学シミュレーションなどを行い、多種多様な物性の発現機構や反応

のメカニズムの解明をめざしています。イソアロキサジン環の分子軌道

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23

生物科学科とは?

学科の特徴

−ミクロからマクロの眼で視て、   生命の普遍性と多様性の謎に迫る−

さんは何故生物科学科を目指すのでしょうか?小さい頃にテレビで

みた生命現象の神秘、生物紀行のおもしろさ、野外で見かけた様々な

動植物の不思議、それとも現在の目を見張るようなバイオテクノロジーの数々、

など様々な要因があることでしょう。理学部の教員一同は、皆さんのこれらの

様々な生物科学に対する興味を大切にしながら、最先端のライフサイエンス

を習得できるように、これまでに無いモダンな教育システムの構築を目指し

ています。

れらで得られた基礎知識を基に、主に3年次からは皆さんの興味のある専門の講義や実験・実習を選択して、学問を深

めていくことが出来るようになっています。4年次における卒業研究で一つのテーマを構築し、それを自分でやり遂げ

ることができれば、研究結果の如何にかかわらず人生の一つの節目となるでしょう。我々生物科学科教員一同は、これらの

体験が、大学院で、また就職先で大いに役に立つことを願い、またそれが実現できるような教育を目指しています。

Department of Biological Science

▲酵素免疫測定法による抗原抗体反応の解析

物の示す様々な生命現象は実に不可思議

です。この生命現象のしくみを、ミクロな

原子からマクロな生物個体や生態系までの様々

なレベルで明らかにしていくのが、生物科学の

おもしろさです。生物科学科では、種を越えて

存在する普遍的な生命反応のしくみを理解す

るとともに、環境に応じて進化した生物の多様

性についても学習し、生命とは何か、を考えます。

21世紀は生物・生命科学の時代といわれていま

す。生物科学科には、あなたの興味を大切にし

ながら生物科学のスペシャリストになるため

の教育研究環境が整備されています。

物科学習得という塔を建てようとすると、まず基礎がしっかりしてい

なければなりません。またすそ野が広いほど高い塔を建てることが出

来ます。野外の観察や生物の分類に興味のある人も、その基礎にある様々な生命現象の原理に関する知識が無ければ、その

理解は浅薄なものになってしまいます。生物科学科では、2年次までに生物学に関する体系的な幅広い基礎知識の習得を

目指しています。これらに必要なカリキュラムには、分子生物学から生態学までの講義と生物科学実験が組み込まれています。

またライフサイエンスに必要な最新の分析手法に関する機器分析学なども含まれています。

http://www.b.s.osakafu-u.ac.jp/

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24

主要な必須科目 主要な選択科目

おもな講義項目

先輩からのメッセージ

分子生物学

細胞生物学

生化学

生態学

生物統計学

生物科学外書講読

生物科学実験

生物科学演習

卒業研究 など 

タンパク質化学

生物有機化学

基礎物理化学

放射線生物学

遺伝学

機器分析学

植物生理学

数理生態学

微生物学

生物系統分類学

野外実習 など

▲生化学の講義

講義項目・先輩メッセージ

 私は「生物学が好き」という理由だけで理学部・生物科学科を受験しました。

正直「こんな曖昧な理由で進路を決めて大丈夫かなぁ?」と不安でした。でも、

今では「あの志望理由で十分やったなあ」と思います。学びたい学問があるから

大学に行く。いろんな事を学んでいるうちに、将来なりたい自分がみえてくる。

意外と多くの人が、こんな感じだと思います。だから、生物学が好きな人は、

是非本学の理学部・生物科学科に来て下さい。

 本学の良いところは、実験機器が充実しているところだと私は思います。皆

さんも、恵まれた実験設備のもとで、私たちと一緒に生物学を学びましょう。

皆さんを、新入生として迎えられる日を楽しみにしています。

 現在、私は生体材料としての利用に向けた、タンパク質の研究を行っています。

一口にタンパク質の研究と言っても、私の場合は細胞を培養したり、タンパク質

ゲルの力学的特性を調べたりするなど、生物学の知識以外にも物理・化学の幅広い

知識が要求されます。勉強と試行錯誤の繰り返しですが、このような研究生活を

日々過ごすことで、必要なスキルを身につけながら成長していることが実感でき

ます。結果が出ないことも多々あります。しかし、今まで誰も見たことのない

ものを自分がこの目で見ているという実感は、やはり研究の醍醐味であり、また

苦労した分、良い結果が出たときは格別の感動があります。

 研究室での生活は非常に充実しています。それは研究室から府大全体までを

取り巻く環境と雰囲気の良さにあると思います。

生物科学専攻・

博士課程前期2年

斉藤雄介さん

生物科学専攻・

博士課程前期1年

内野達也さん

Department of Biological Science

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教育分野(中学校及び

高等学校教諭一種免

許状取得可能)に職

を得て教育・啓蒙

活動に貢献する。

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Page 29: 一 サ 緒 イ に エ 旅 ン し ス よ の う フ !! ロ ン ティア へ · 実際の海底を見て岩石を採取し、その岩石の物理学的な解析を行って、

研究分野紹介

植物ホルモンをはじめとする植物生理活性物質の役割や植物ー微生物共生系におけるシグナル交換や物質交換につい

て研究しています。

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後期日程

平成23年度理学部入学者選抜(一般選抜)

前期日程

情報数理科学科(後期5名)

物理科学科(後期5名)

分子科学科(後期5名)

生物科学科(後期6名)

大学入試センター試験の利用教科・科目名

個別学力検査等の教科・科目名等 備 考学科名(募集定員)

29

情報数理科学科(前期22名)

物理科学科(前期22名)

分子科学科(前期22名)

生物科学科(前期25名)

[5教科7科目]

国語:国語

地歴・公民:世A、世B、日A、日B、地理A、

地理B、現社、倫、政経から1

数学:数Ⅰ・数Aと

数Ⅱ・数B、工、簿・会、情報から1

理科:物Ⅰ、化Ⅰ、生Ⅰ、地学Ⅰから2

外国語:英、独、仏、中、韓から1

数学:数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B(数列・ベクトル)・数C(行列とその応用・式と曲線)

理科:物Ⅰ・物Ⅱ、化Ⅰ・化Ⅱ、生Ⅰ・生Ⅱから2

外国語:英Ⅰ・英Ⅱ・リーディング・ライティング

数学:数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B(数列・ベクトル)・数C(行列とその応用、式と曲線)

理科:物Ⅰ・物Ⅱと 化Ⅰ・化Ⅱ、生Ⅰ・生Ⅱから1

外国語:英Ⅰ・英Ⅱ・リーディング・ライティング

数学:数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B(数列・ベクトル)・数C(行列とその応用、式と曲線)

理科:化Ⅰ・化Ⅱと 物Ⅰ・物Ⅱ、生Ⅰ・生Ⅱから1

外国語:英Ⅰ・英Ⅱ・リーディング・ライティング

数学:数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B(数列・ベクトル)・数C(行列とその応用、式と曲線)

理科:物Ⅰ・物Ⅱ、化Ⅰ・化Ⅱ、生Ⅰ・生Ⅱから2

外国語:英Ⅰ・英Ⅱ・リーディング・ライティング

大学入試センター試験の

「地歴・公民」について2

科目を受験した場合は得

点の高いものを採用する。

また、同試験の「理科」に

ついて、3科目受験した

場合は、得点の高いもの

から2科目を採用する。

大学入試センター試験の利用教科・科目名

個別学力検査等の教科・科目名等 備 考学科名(募集定員)

(英語はリスニングを課す)

(英語はリスニングを課す)

(英語はリスニングを課す)

(英語はリスニングを課す)

[1教科1科目]

外国語:英、独、仏、中、韓から1

[2教科3科目]

数学: 数Ⅰ・数Aと

 数Ⅱ・数B、工、簿・会、情報から1

外国語:英、独、仏、中、韓から1

[3教科4科目]数学: 数Ⅰ・数Aと 数Ⅱ・数B、工、簿・会、情報から1

理科:物Ⅰ、化Ⅰ、地学Ⅰから 1

外国語:英、独、仏、中、韓から1

数学:数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B(数列・ベクトル)・

数C(行列とその応用・式と曲線)

理科:物Ⅰ・物Ⅱ

 

外国語:英Ⅰ・英Ⅱ・リーディング・ライティング

 

 

 

理科:生Ⅰ・生Ⅱ

大学入試センター試験の

「理科」について、3科

目受験した場合は、得点

の高いものから2科目を

採用する。

 

大学入試センター試験の

「理科」について、2科

目受験した場合は、得点

の高いものを採用する。

注1:大学入試センター試験の科目のうち、「工業数理基礎」、「簿記・会計」、「情報関係基礎」を選択解答できる者は、高等学校(中等教育学校を含む。)において履修した(見込み)者及び文部科学大

臣の指定を受けた専修学校高等課程の学科の修了(見込み)者に限る。

注2:個別学力検査の科目のうち、理科の出題範囲は次のとおりとする。

「物理Ⅰ・物理Ⅱ」:物理Ⅰ、及び物理Ⅱ(「力と運動」「電気と磁気」。「物質と原子」のうち「原子、分子の運動(熱力学を含む)」)から出題する。

「化学Ⅰ・化学Ⅱ」:化学Ⅰ、及び化学Ⅱ(「物質の構造と化学平衡」)から出題する。 ただし、化学Ⅱでは、題材として「生活と物質」、「生命と物質」の内容を用いることはあり得る。

「生物Ⅰ・生物Ⅱ」:生物Ⅰ、及び生物Ⅱから出題する。 ただし、生物Ⅱにおける「生物の分類と進化」、「生物の集団」の内容を主として含む問題を出題する場合は、当該内容に関する基本的概

        念の理解やものの見方、考え方を問う総合問題とするか、あるいは選択問題にする、などの配慮を行う。

(英語はリスニングを課す)

[3教科5科目]数学: 数Ⅰ・数Aと

 数Ⅱ・数B、工、簿・会、情報から1

理科:物Ⅰ、化Ⅰ、生Ⅰ、地学Ⅰから2

外国語:英、独、仏、中、韓から1

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特別選抜方法(推薦入学)

理学部 情報数理科学科、物理科学科、分子科学科、生物科学科

情報数理科学科   3名

物理科学科     3名

分子科学科     3名

生物科学科     4名

調査書、出身学校長の推薦書、志願理由書及び平成23年度大学入試センター試験成績により総合判定します。

エ.平成23年度大学入試センター試験を受験した者(受験を要する教科・科目は下記の 選抜方法等欄に示すとおりであり、理学部の一般選抜において大学入試センター 試験の受験を要する教科・科目と異なります。)

オ. 合格した場合は、入学することを確約できる者

(2)1高等学校等で推薦できる人数は、1学科につき大阪府内の高等学校等は2名以内、その他の高等学校等は1名とします。

募 集 人 員

出 願 要 件

〒599−8531 堺市中区学園町1番1号    大阪府立大学 学生センター入試課  電話(入試課直通):(072)254−9117、(072)254−9202

問 い 合 わ せ 先

選 抜 方 法 等

実施学部・学科名

学     科     名

情 報 数 理 科 学 科

物 理 科 学 科

分 子 科 学 科

生 物 科 学 科

教   科 ・ 科   目

数学・・・数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学C

数学・・・数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学C

理科・・・物理Ⅰ、物理Ⅱ

数学・・・数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学C

理科・・・化学Ⅰ、化学Ⅱ

数学・・・数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学C

理科・・・物理Ⅰ、物理Ⅱ、化学Ⅰ、化学Ⅱ、生物Ⅰ、生物Ⅱ、地学Ⅰ、地学Ⅱのうち2科目

教 科国 語

数 学

理 科(2科目)

外 国 語

合 計 合 計(4教科6科目)

科目名等国語

数学Ⅰ・数学A数学Ⅱ・数学B

物理Ⅰ化学Ⅰ生物Ⅰ地学Ⅰ英語

リスニング

配 点2 0 01 5 01 5 01 0 01 0 01 0 01 0 02 4 06 0

小 計2 0 0

3 0 0

2 0 0

3 0 0

1 , 0 0 0

配 点2 0 01 0 01 0 01 0 01 0 01 0 01 0 01 6 04 0

小 計2 0 0

2 0 0

2 0 0

2 0 0

8 0 0

* 履修内容が上記科目に相当する科目を含む。

30

大学入試センター試験の利用教科・科目名

物理科学科・分子科学科・生物科学科

情報数理科学科 「理科」について3科目受験した場合は、

得点の高いものから2科目を採用する。

日程は6月下旬に公表予定です。

(1)出願できるのは、本学部の当該学科へ入学することを第一に希望する者で、次の各号のいずれにも該当する者に限ります。

ア.平成23年3月に高等学校等を卒業見込みの者<※> (留学等により平成22年4月1日以降に高等学校等の卒業を認められた(見込み)者を含む。)

イ.学力だけでなく、人物・能力において特に優れ、勉学意欲があり出身学校長が責任をもって推薦できる者

ウ.当該学科が指定する次表のそれぞれの教科・科目を履修(見込みを含む)している者

<※> 高等学校等とは、日本国内に設置された下記に該当する教育機関をいう。

① 高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)

②学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第150条第2号から第4号及び第7号の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があ

 ると認められる者が在籍する教育機関。 ただし、同条第7号「大学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者」により出願する場 合は、事前に資格審査を行います。

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