農林生産学科・農業生産学コース

動物生産学分野

動物生産学分野では・・・・・・

人間の食料として重要である動物性食品を生産する家畜の 飼養・飼料・生理に関する研究を行っています！

特に、反すう家畜であるウシとヒツジを対象とした研究を主に行っています。

反すう胃を持っているウシやヒツジは、草や穀物を食べて肉や牛乳を生産する力を持っている魅力的な家畜です。 本研究室では、反すう家畜の改善・飼料開発に必要な飼料元となる草や

穀物、食品加工副産物などの利用性を検討する事と共に、家畜の遺伝・生理的な現象を解明することにより、効率的な畜産物生産を実現させることを 目標とした研究を行っています。

平成24年１月現在、研究室は教授1名、助教1名（一戸俊義、宋相憲）合わせて２名が在籍し、目下進行中の研究概要および研究担当者は以下の通りです。

教官の紹介

教授：一戸 俊義 （Professor : Ichinohe Toshiyoshi） ・専門分野－動物栄養学 ・主な授業科目－動物栄養学など ・兼任－鳥取大学大学院連合農学研究科（博士課程） ・教官研究室－生物資源科学部2号館４４６号室 ・TEL－0852-32-6581（教官研究室）

・E-mail－toshi@life.shimane-u.ac.jp

＜略歴＞

1988. 13 北海道大学農学部畜産学科卒業 1990. 13 1北海道大学大学院農学研究科修士課程 修了 1993. 13 1北海道大学大学院農学研究科博士後期課程 修了 1993. 14 島根大学助手農学部 1995. 15 島根大学助教授農学部 1996. 12 文部省短期在外研究員（連合王国 ロウエット研究所） 2007. 14 島根大学准教授生物資源科学部 2009. 4 島根大学教授生物資源科学部

農林生産学科・農業生産学コース

＜著書・学術論文＞ （過去5カ年：2007–2011）

Caroline C. Wambui, Sada Ando, Shaukat A. Abdulrazak, Isaac M. Osuga and Toshiyoshi Ichinohe, In vitro assessment of

ruminal fermentation characteristics of tropical browse mixtures supplemented with yeast. Grassland Science (in press)

一戸俊義・閻 宏・宋 乃平, 寧夏回族自治区塩池県において灘羊繁殖雌に給与される夏期飼料の飼料価値. 日本緬羊研究会誌

48:7–12. 2011.

一戸俊義・粟野貴子・徐 暁鋒・宋 乃平, 寧夏回族自治区中部乾燥帯において灘羊繁殖雌に給与される冬期慣行飼料の飼料価値.

日本緬羊研究会誌 47:20–27. 2010.

藤原 勉・一戸俊義, ヒツジの成長に伴う採食・反芻行動の変化. 日本緬羊研究会誌 47:1–7. 2010.

Caroline C. Wambui, Takako Awano, Sada Ando, Shaukat A. Abdulrazak and Toshiyoshi Ichinohe, Effect of yeast

supplementation on in vitro ruminal degradability of selected browse species from Kenya. Journal of Food, Agriculture and

Environment 8: 553–557. 2010.

丸山敬弘・花房尚徳・一戸俊義, 維持レベル飼養下における代謝タンパク質の変動供給が成メンヨウの窒素出納に及ぼす影響. 日本緬羊研究会誌 46:5–11. 2009.

Toshiyoshi ICHINOHE and Tsutomu FUJIHARA, Effect of flow parameters of rumen digesta on effective degradability and

microbial yield in sheep. Animal Science Journal 80:387–397. 2009.

一戸俊義・齊藤慎哉・藤原 勉, 反芻胃内分解同調の差異がメンヨウの窒素利用に及ぼす影響.

日本緬羊研究会誌 45:1–7. 2008.

著書・学術論文 つづき

D. J. Mtui, M. N. Shem, F. P. Lekule, T. Ichinohe and T. Fujihara, Evaluation of chemical composition and in vitro gas

production of browses collected from Tanzania. Journal of Food, Agriculture and Environment 6: 191–195. 2008.

I. M. Osuga, C. C. Wambui, S. A. Abdulrazak, T. Ichinohe and T. Fujihara, Evaluation of nutritive value and palatability by

goats and sheep of selected browse foliages from semi-arid area of Kenya. Animal Science Journal 79: 582－589. 2008.

T. Ichinohe and T. Fujihara, Adaptive changes in microbial synthesis and nitrogen balance with progressing dietary feeding

period in sheep fed diets differing in their ruminal degradation synchronicity between nitrogen and organic matter. Animal

Science Journal 79: 322－331. 2008.

C. D. K. Rubanza, M. N. Shem, T. Ichinohe and T. Fujihara, Quantification and characterisation of condensed tannin of

selected indigenous browse tree species leaves of north-western Tanzania. Journal of Food, Agriculture and Environment 6:

145－149. 2008.

I.M. Osuga, C.N. Maindi, S.A. Abdulrazak, N. Nishino, T. Ichinohe and T. Fujihara, Potential nutritive value and tannin bioassay

of selected Acacia species from Kenya. Journal of the Science of Food and Agriculture

87: 1533－1538. 2007.

C. D. K. Rubanza, M. N. Shem, R. Otsyina, S. S. Bakengesa, T. Ichinohe and T. Fujihara, Effects of Acacia nilotica, A.

polyacantha and Leucaena leucocephala leaf meal supplementation on performance of Small East African goats fed native

pasture hay basal forages. Small Ruminant Research 70: 165－173. 2007.

C. D. K. Rubanza, M. N. Shem, S. S. Bakengesa, T. Ichinohe and T. Fujihara, The content of protein, fiber and minerals of

leaves of selected Acacia species indigenous to north-western Tanzania. Archives of Animal Nutrition 61:151－156. 2007.

一戸俊義, 3章 養分要求量（Ⅱ）3.1 水分要求量 日本飼養標準乳牛（2006年版） (ISBN 978–4–901311–44–1 C3061). pp 37－41.

（社）中央畜産会. 編集：独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構. 2007.

助教：宋 相憲（Assistant Professor : Song, SangHoun） ・専門分野 － 動物生理学 ・主な授業科目 － 農業生産学基礎実験など ・教官研究室 － 生物資源科学部2号館438号室 ・TEL － 0852-32-6594（教官研究室） ・E-mail － sanghoun_song@life.shimane-u.ac.jp

教官の紹介

2005. 112 尚志大学（サンジ大学；Sangji University, 大韓民国）

生命資源科学大学 動物資源学科 卒業

2008. 113 1信州大学大学院農学研究科修士課程 修了

2011. 113 東北大学大学院農学研究科博士後期課程 修了

2011. 15 東北大学大学院農学研究科博士後研究員

2011. 10 島根大学生物資源科学部農業生産学科助教

＜略歴＞

＜著書・学術論文＞ Yutaka SUZUKI, Sang-Houn SONG, Katsuyoshi SATO, Kyoung-Ha SO, Astrid ARDIYANTI, Shun KITAYAMA, Yeon-Hee Hong, Sung-Dae Lee, Ki-Choon CHOI, Akihiko HAGINO, Kazuo KATOH and Sang-gun ROH. Chemerin analog regulates energy metabolism in sheep. Anim. Sci. 2011 Ohtani Y, Yonezawa T, Song SH, Takahashi T, Ardiyanti A; Sato K, Hagino A, Roh SG, Katoh K. 2010. Gene expression and hormonal regulation of adiponectin and its receptors in bovine mammary gland and mammary epithelial cells. Anim. Sci. J. 82:99-106 Song SH, Fukui K, Nakajima K, Kozakai T, Sasaki S, Roh SG, Katoh K. 2010. Cloning, expression analysis, and regulatory mechanisms of bovine chemerin receptor. Domest Anim Endocrinol. 39 (2), p.97-105, Aug 2010. Song SH, Hong YH, Sasaki S, Roh SG, Katoh K. 2009. Prostatic androgen-repressed message-1 as a regulator of dipocyte differentiation in the mouse. Tohoku J Exp Med. 2009 Dec;219(4):311-7. Iga T, Satoh T, Yamamoto S, Fukui K, Song SH, Choi KC, Roh SG, Sasaki S. 2009. Differential action of trans-10, cis-12 conjugated linoleic acid on adipocyte differentiation of ovine and 3T3-L1 preadipocytes. Asian-Aust. J. Anim. Sci. Vol. 22 No. 11 : 1566 Roh SG, Song SH, Choi KC, Katoh K, Wittamer V, Parmentier M, Sasaki S. 2007. Chemerin - A New adipokine that modulates adipogenesis via its own receptor. Biochem. Biophys. Res. Commun. 362(4):1013-8. Gotoh C, Hong YH, Iga T, Hishikawa D, Suzuki Y, Song SH, Choi KC, Adachi T, Hirasawa A, Tsujimoto G, Sasaki S, Roh SG. 2007. The regulation of adipogenesis through GPR120. Biochem. Biophys. Res. Commun. 354(2):591-597. Hong YH, Ogihara Y, Hishikawa D, Gotoh C, Iga T, Suzuki Y, Song SH, Nakajima K, Kozakai T, Sasaki S, Roh SG. 2006. Molecular cloning and expression analysis of cDNA encoding bovine adipogenin. Animal Science Journal. 77:613-619. Hong YH, Hishikawa D, Miyahara H, Nishimura Y, Tsuzuki H, Gotoh C, Iga T, Suzuki Y, Song SH, Choi KC, Lee HG, Sasaki S, Roh SG. 2005. Up-regulation of the claudin-6 gene in adipogenesis. Biosci. Biotechnol. Biochem. 69(11): 2117-2121.

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研究内容(一戸）

農林生産学科・農業生産学コース

1. 飼料用米を用いた肉用牛生産に関する研究 島根県畜産技術センター（出雲市）の肉用牛研究グループと共同で黒毛和種牛の生産についての研究を行っています。 2. 飼料イネを用いた乳生産に関する研究 島根県畜産技術センターの酪農・環境グループと共同でホルスタイン種乳牛の生産についての研究を行っています。 3. 反芻動物の窒素利用に関する研究 反芻動物栄養で特徴的なのは、飼料タンパク質が微生物（細菌、プロトゾア）体タンパク質への形質変換される事です。微生物体タンパク質は飼料タンパク質より栄養価が優れているため、反芻胃内での微生物体タンパク質生産量をいかに高めるかが重要となります。微生物体タンパク質の生産量およびその利用を量的に把握することが畜産分野で重要な課題となっています。動物生産学研究室では、尿中に排泄されるプリン誘導体を指示物質とし、小腸以降で吸収・代謝された微生物体タンパク質量を推定する手法を確立しています。目下、反芻胃内容物の移動と微生物体タンパク質生産量の関連について、検討を行っています。 4. 飼料成分の反芻胃内発酵同調に関する研究 牛飼料中の各種栄養素の反芻胃内発酵の様相は各々異なり、かつ相互に密接に関連して進行することが想定されますが、それを査定する方法は確立されていません。反芻胃内成分発酵の同期化の程度について、ナイロンバッグ法やin vitro法を用いて査定しています。得られた結果から、簡便に成分発酵の同期化の程度を推定するための数学モデルの開発および牧草に含まれる反芻胃内分解の阻害因子の特定に関する調査を行っています。近年、反芻胃内発行同調の研究を発展させ、飼料の変動給与方法に関する研究を行っています。 5.中国寧夏回族自治区における在来緬羊の生産成績向上に関する研究 在来緬羊（灘羊；タンヨウ）の周年的な栄養について給与飼料の栄養価査定および、栄養生理学方面の研究を寧夏大学農学院と共同で実施しています。 現在のところ、基礎的な調査は終了し、今後は、現地（中国）での動物実験の実施を計画中でいます。 6. 反芻行動発現のメカニズムに関する研究 牛、メンヨウ、ヤギは、食べた飼料を吐き戻し、再び咀嚼します。この行動を反芻といいます。反芻行動を引き起こすメカニズムとその栄養学的意義についての研究を行っています。

研究内容（宋）

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１．反すう家畜由来培養細胞の作成および、増殖・分化・脂質蓄積に関連する新規遺伝子の探索と機能解析

２．未知の飼料資源の調査および、生産因子における栄養・生理的な機能性の検証

反すう家畜体内から生産される食肉や牛乳などの畜産物を生産する器官は、骨格筋とその中に含まれている脂肪組織、そして、乳腺組織があげられる。特に、産肉量は筋細胞の増殖、食肉の質を判断する脂肪含量は、脂肪細胞の脂質蓄積、そして、乳生産においては、乳腺細胞の分化・発達が深く関連し、これらのメカニズムを解明するためには細胞レベルでの遺伝子発現や、内分泌因子の機能を解析することは重要とされている。本研究室では、反すう動物の生産関連組織由来の培養細胞を作成し、分子生物学的な手法を用いて、細胞の増殖・分化・成熟に関連する新規遺伝子を分離・同定し、選抜された遺伝子の機能を解析することを目標とし、現在、準備中である。

１の実験から得られた遺伝子群が、実際の畜産現場で利用されるためには、これらの遺伝子の発現をを制御することが重要である。 本グループでは、山間地域に放置されている牧草や食品加工副産物に着目し、新たな飼料資源としての機能性を評価することによる機能性飼料の開発を目標とした研究を行っている。

学生メンバー紹介

D3 Caroline C. Wambui

M1 籔内 省吾

B4 細羽 桂太 B4 那須 元

B4 渡邊 翠 B3 足立 祐美子

B3 大野 友之 B3 深町 郁李

B3 占部 広恵

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2012年1月現在

研究室アルバム

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