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図面ビューを作成する この章では、Autodesk Inventor を使用して作成できる図面ビューのタイプについて説明しま す。 図面ビュー 図面ビューは、外部アセンブリ ファイルまたは外部パーツ ファイルから参照さ れ、自動的に更新されます。主に正投影図、補助投影図、詳細図、断面図、等角 図のマルチビューの図面を作成できます。 また、デザイン ビュー、ポジション、 詳細レベルなどのアセンブリ ビューのリプレゼンテーションから、ビューを作成 することもできます。 Autodesk Inventor は、必要に応じて隠線を計算して表示 します。 図面に最初に作成するビューは、ベース ビューです。 このベース ビューが、投影 図や補助投影図など、その後作成するビューのソース(作成元)となります。ベース ビューによって、詳細図以外の従属ビューの尺度が設定されます。また、ベース ビューに従属している正投影図の表示スタイルも設定されます。 パーツ モデルの場合は、通常、最初に作成するビューは、正面図や右側面図など の標準ビューになります。 : ドラフト ビューは、3D モデル表現を含まない特殊な図面ビューです。 ドラ フト ビューには、関連するスケッチが 1 つまたは複数存在します。関連するモデ ルがなくてもドラフト ビューを配置して図面を作成することができます。また、 モデルで欠落している細部をドラフト ビューを使用して作成することも可能です。 13 229

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図面ビューを作成する

この章では、Autodesk  Inventor を使用して作成できる図面ビューのタイプについて説明しま

す。

図面ビュー

図面ビューは、外部アセンブリファイルまたは外部パーツファイルから参照さ

れ、自動的に更新されます。主に正投影図、補助投影図、詳細図、断面図、等角

図のマルチビューの図面を作成できます。また、デザインビュー、ポジション、

詳細レベルなどのアセンブリビューのリプレゼンテーションから、ビューを作成

することもできます。 Autodesk Inventor は、必要に応じて隠線を計算して表示します。

図面に最初に作成するビューは、ベースビューです。このベースビューが、投影

図や補助投影図など、その後作成するビューのソース(作成元)となります。ベース

ビューによって、詳細図以外の従属ビューの尺度が設定されます。また、ベース

ビューに従属している正投影図の表示スタイルも設定されます。

パーツモデルの場合は、通常、最初に作成するビューは、正面図や右側面図など

の標準ビューになります。

注: ドラフトビューは、3D モデル表現を含まない特殊な図面ビューです。ドラフトビューには、関連するスケッチが 1 つまたは複数存在します。関連するモデルがなくてもドラフトビューを配置して図面を作成することができます。また、

モデルで欠落している細部をドラフトビューを使用して作成することも可能です。

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図面ビュータイプ

Autodesk Inventor では、[図面ビューパネル]ツールバーを使用して、各種ビューの作成、操作ができます。[図面ビューパネル]ツールバーの[ベースビュー]ボタンをクリックして、ベースビューを作成し、[図面ビュー]ダイアログボックスのオプションを設定します。ベースビューから投影図、補助投影図、オーバー

レイビュー、断面図、詳細図を作成します。

[投影図]ツールを使用すると、等角図も作成できます。投影図を配置するときは、プレビューを移動して、等角図に対する投影図の方向を変更します。

次の図面ビュータイプを使用できます。

ベースビューから目的の位置に投影します。投影図の方

向は、投影図とベースビューの関係によって決まりま

す。等角図を作成するには、このツールを使用します。

投影図

ベースビューのエッジや線分から投影します。作成され

るビューはベースビューに位置合わせされます。

補助投影図

ベースビュー、投影図、補助投影図、詳細図、または破

断図から、全断面図、半断面図、オフセット断面図、ま

断面図

たは位置合わせされた断面図を作成します。補助投影図

や部分図のビュー投影線も作成できます。断面図は、親

ビューに位置合わせされます。

ベースビュー、投影図、補助投影図、部分断面図、また

は破断図の特定の部分の詳細な図面ビューを作成して配

詳細図

置します。詳細図は、ベースビューに位置合わせされま

せん。

オーバーレイでは、ポジションリプレゼンテーションを

使用することにより、単一ビュー内のさまざまな位置に

オーバーレイビュー

アセンブリを表示します。各オーバーレイは、親ビュー

から独立しているデザインビューリプレゼンテーショ

ンを参照できます。

ドラフト用にアクティブに設定されたスケッチ環境で、

空のビューを作成します。ドラフトビューに AutoCAD 

ドラフトビュー

のデータをインポートしたり、ドラフトビューにあるエ

ンティティをコピーして同じ図面や別の図面に貼り付け

ることができます。

図面ビューを変更するには次の操作を使用します。

230 |第 13章 図面ビューを作成する

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コンポーネントのビューが図面の長さを超える場合や、

重要でないジオメトリ(シャフトの軸部など)が大きな領

域を占める場合に、ビューに破断図を作成します。

破断図

既存の図面ビュー内の隠れたパーツやフィーチャを表示

するため、選択した領域を材料から削除します。親ビュー

部分断面

は、部分断面の境界を定義したプロファイルを含むス

ケッチに関連付ける必要があります。

既存の図面ビューの境界をコントロールします。境界タ

イプ(矩形状または円形状)を設定し、切り抜きの境界を

指定します。

切り抜き

既存の図面ビューから、深さゼロの断面を作成します。

スライスは、選択したターゲットビュー内で行われま

す。

スライス

ベースビュー

新しい図面に最初に作成されるビューは、ベースビューになります。追加のベー

スビューを作成するには、[図面ビューパネル]の[ベースビュー]ボタンをクリックします。

投影図

ベースビューを作成した後、アクティブな製図規格に基づいて第一角図法また

は第三角図法によって投影図を作成できます。投影図には、正投影図と等角図

があります。このツールを一度アクティブにしておくだけで、複数のビューを作

成できます。

正投影図は、ベースビューに位置合わせされ、尺度と表示設定を継承します。

ベースビューを移動しても、ビューの位置合わせは保持されます。ベースビュー

の尺度を修正すると、投影図の尺度も変更されます。

注: 等角投影図は、ベースビューに位置合わせされません。ベースビューと同じ尺度を既定としますが、ベースビューの尺度を変更しても更新されません。

カーソルからのベースビューへの相対的な位置が、投影図の方向になります。

カーソルを移動すると、ビューのプレビューが表示されます。ビューを配置する

図面ビュータイプ | 231

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にはシート上の点をクリックします。右クリックして[作成]を選択するまで、ビューの位置を移動させることができます。

ビューを編集する

作成したビューは、編集可能です。ベースビューのパラメータを変更した場合、

従属ビューにも反映されます。従属ビューを編集して、従属ビューとベース

ビューとの関連付けを解除することもできます。これにより、従属ビューに、

ベースビューとは異なる尺度、スタイル、位置合わせを設定することができま

す。

ビューのパラメータを編集するには、ビューを選択し、右クリックして[ビューを編集]を選択して[図面ビュー]ダイアログボックスを開きます。

マルチビュー図面を作成する

マルチビュー図面には、各投影につき 1 つのビュー平面で 1 つのオブジェクトを表現する、単一平面の正投影図のセットが含まれます。たとえば、第一角図

法はマルチビュー投影セットの図面のひとつです。

ベースビュー

この演習では、ベースビューを作成し、次にビューを投影して、マルチビュー

の正投影図面を作成します。最後に、図面に等角図を追加します。

演習:ベースビューを作成する

1 プロジェクト tutorial_filesがアクティブな状態で、baseview-2.idwファイルを開きます。この図面ファイルには、図面枠と表題欄を記載した単一の

シートが含まれています。

2 [図面ビューパネル]の[ベースビュー]ツールをクリックします。 [図面ビュー]ダイアログボックスが表示されます。

3 [既存のファイルを開く]ボタンをクリックし、ビューのソースとして使用する basevsource.iptをダブルクリックします。

232 | 第 13章 図面ビューを作成する

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4 [方向]リストで[正面]が選択されていることを確認します。[尺度]を[1 : 1]に設定します。

5 [表示オプション]タブをクリックし、[すべてのモデル寸法]が選択されていないことを確認します。

6 ビューのプレビューを、シートの左下コーナーのゾーン B7 に配置します。ビューを配置するにはシートをクリックします。

ベースビュー | 233

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7 [図面ビューパネル]の[投影図]ツールをクリックします。

ベースビューをクリックし、カーソルを垂直に、ベースビューの上部まで

移動します。シートのゾーン E6 をクリックして、平面図を配置します。

8 カーソルをベースビューの右に移動します。シートのゾーン C2 をクリックして、右側面図を配置します。

9 右クリックし、右クリックメニューから[作成]を選択します。

次に、等角図を作成します。

10 パネルか[図面ビューパネル]ツールバーの[投影図]ツールをクリックします。

ベースビューをクリックし、カーソルを右側面図の上に移動します。シー

トのゾーン E3 をクリックして、等角図を配置します。

11 シートを右クリックし、[作成]を選択します。

234 | 第 13章 図面ビューを作成する

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図面は次の図のようになります。

断面図

Autodesk Inventor では、ベースビューから全断面図、半断面図、オフセット断面図、除去された断面図を作成できます。クロスハッチング、断面線、ラベ

ルは自動的に配置されます。

また、[断面図]ツールを使用して、補助投影図または部分図のビュー投影線を作成できます。既定では、断面図はベースビューに位置合わせされます。

位置合わせしないで断面図を配置するには、[Ctrl]を押したまま配置します。

ベースビューの断面線の矢印は、ベースビューに対する断面図の位置を自動的

に反映した向きになります。方向を反転する場合は、ビューをドラッグするか、

後で編集します。

複数のセグメントの断面線を表示するには、断面線をクリックして、右クリック

メニューで[すべての線を表示]オプションを無効にします。

断面図のラベルは、断面図を右クリックして[ビューを編集]を選択すると、いつでも編集できます。

断面図 | 235

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断面図を定義する

[断面図]ツールを使用して、断面図の投影線を定義します。カーソルをビュージオメトリの上に移動すると、切断線の位置や方向が推定配置されます。切断線

は、単一の直線セグメントか、複数のセグメントで構成されます。

ビュー投影線を定義すると、[断面図]ダイアログボックスが表示されます。

注: ビュー投影線に拘束を適用しない場合は、[Ctrl]キーを押してください。

この演習では、断面図、詳細図、補助投影図を作成します。

演習:断面図を作成する

1 プロジェクト tutorial_filesがアクティブな状態で、sectionview.idwファイルを開きます。この図面には、複数の正投影図と 1 つの等角図が含まれています。

2 標準ツールバーの[窓ズーム]ツールをクリックし、左上の平面図を囲んでズームします。

3 [図面ビューパネル]の[断面図]ツールをクリックします。

4 平面図の内側をクリックします。

カーソルをパーツの左エッジの中点に合わせます(A')。カーソルをクリックし、断面線の開始点を配置します。そこから投影線を伸ばします(A)。

236 | 第 13章 図面ビューを作成する

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5 パーツの中心を通過するように水平にドラッグし(B)、クリックして断面線の最初のセグメントを定義します。

6 カーソルをドラッグし、スロットの中心あたりに拘束を推定配置します(C')。

次に、直交拘束が配置されるまで水平にドラッグし(C)、クリックして断面線の 2 番目のセグメントを定義します。

7 パーツの右側まで水平にドラッグし(D)、クリックして断面線の最後のセグメントを作成します。

右クリックして[続行]を選択します。

投影線が定義され、[断面図]ダイアログボックスが表示されます。

8 縮小表示します。断面のプレビューをゾーン D6 にドラッグし、クリックして断面図を配置します。

9 断面図が図面に配置されました。

断面図 | 237

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注: 切断平面を配置するため拡大ズームした後、前のビューに戻るには、[F5]を押します。

補助投影図

Autodesk Inventor では、選択したビューの完全な補助投影図を作成、配置できます。補助投影図には、ベースビューで選択したエッジや線分が投影され、ベー

スビューに位置合わせされます。ベースビューで選択したエッジや線分によっ

て、投影方向が決まります。

補助投影図にはラベルが付けられ、ベースビューに対する投影線が表示されま

す。

[補助投影図]ツールを使用して、選択したビューの非直交ジオメトリに位置合わせされたビューを作成します。ベースビューを選択すると、[補助投影図]ダイアログボックスが表示されます。 [ラベル]、[尺度]、[表示]オプションを設定します。

注: 部分的な補助投影図を作成するには、補助投影図から除去するオブジェクトを選択し、右クリックして[表示設定]をオフに設定します。または、[断面図]ツールを使用して、ビューに表示するジオメトリだけを含む投影線を配置します。

補助投影図は、傾斜面のフィーチャをドキュメント化するのに必要です。

演習:補助投影図を作成する

1 正面図をクリックします。

2 [図面ビューパネル]の[補助投影図]ツールをクリックすると、[補助投影図]ダイアログボックスが開きます。

3 補助投影図を定義するエッジを選択します。

238 | 第 13章 図面ビューを作成する

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4 プレビューを左下に移動します。シートのゾーン B7 をクリックし、補助投影図を配置します。

詳細図

Autodesk Inventor では、図面ビューの特定の領域の詳細図を作成、配置できます。詳細図は、親ビューに位置合わせされずに作成されます。

既定では、詳細図の尺度は親ビューの尺度の倍ですが、任意の尺度を指定できま

す。

Autodesk Inventor では、詳細図と、その元となっている親ビューにラベルが付けられます。詳細図には、放射状または矩形状のフェンスを設定できます。

[詳細図]ツールを使用して、任意のビュー内で選択した領域の詳細図を作成します。詳細図として表示する領域を選択し、詳細図を任意の位置にドラッグしま

詳細図 | 239

Page 12: 図面ビューを作成する - In The Machine 日本語版 - オー …in-the-machine.weblogs.jp/3d_design/files/Adsk_Inventor...図面ビューを作成する この章では、Autodesk

す。親ビューを選択すると、[詳細図]ダイアログボックスが表示されます。 [ラベル]、[尺度]、[表示]オプションを設定します。

フェンスの中心点によって詳細図の位置が決まります。また、フェンスによって

表示する詳細図の範囲が決まります。右クリックしてフェンスの形状を選択し、

詳細図の中心点をクリックして、詳細図のフェンスを設定する点をクリックしま

す。

次の演習では、詳細図を作成して、拡大尺度で親ビューの選択領域を表示しま

す。

演習:詳細図を作成する

1 平面図を拡大表示します。

2 パネルか[図面ビューパネル]ツールバーから[詳細図]ツールをクリックします。平面図を選択して[詳細図]ダイアログボックスを開きます。

3 [フェンス形状]で[矩形状]を選択します。

4 [カットアウト形状]で[スムーズ]を選択します。

5 平面図をクリックして詳細図の中心を設定し、ドラッグしてフェンスのサ

イズを決定します。

240 | 第 13章 図面ビューを作成する

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6 プレビューを平面図の左にドラッグできる大きさに縮小表示し、クリック

します。

ビューが配置されます。必要な場合は、ビューの境界をクリックしてその

位置を調整します。

ファイルを保存しないで閉じるか、元のデータファイルを上書きしないよ

う、別の名前でファイルを保存します。

破断図

既存のベースビュー、投影図、断面図、詳細図、補助投影図で破断図を作成で

きます。既存のビューを選択し、破断図の外観を定義し、破断線を配置する

ビューの位置を指定します。破断図は元のビューの尺度を保持します。

[破断図]ツールを使用して、図面シート内に全体表示するため縮小すると重要な細部がわかりにくくなってしまうような、長いコンポーネントのビューを修正し

ます。ビューを選択し、破断線を配置して、除去する部分を指定します。

破断図 | 241

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破断図を作成するビューを選択すると、[破断図]ダイアログボックスが表示されます。破断スタイル、方向、ギャップ、記号のサイズ、破断線に表示する記号

の数を設定できます。

[スタイル 1](矩形状スタイル)、または[スタイル 2](構造状スタイル)を選択して、ビューに表示する破断線の外観を定義します。[方向]には、破断線の方向を指定します。[ギャップ]には、破断図を作成した後に残るセグメント間の距離を設定します。[記号]フィールドの値を調整して、各破断線に表示する破断記号の数を設定します。スライダコントロールを使用して、ギャップのサイズに応じて記

号のサイズを設定します。最後に、図面ビューをクリックして、各破断線の位置

を指定します。

ドラフトビュー

ドラフトビューは、3D モデル表現を必要としない特殊な図面ビューです。ドラフトビューには、関連するスケッチが 1 つまたは複数存在します。関連するモデルがなくてもドラフトビューを配置して図面を作成することができます。

また、モデルで欠落している細部をドラフトビューを使用して作成することも

可能です。

AutoCAD のファイルを Autodesk Inventor の図面にインポートすると、データはドラフトビューに配置されます。寸法、文字、およびその他の注記は図面シー

トに配置され、ジオメトリは関連するスケッチに配置されます。

ビューと断面を修正する

2 つのビューの相対的な位置を拘束できます。一方のビューがベースビューとして機能します。ベースビューを移動すると、位置合わせされたビューも移動

します。ビューが垂直に位置合わせされている場合、そのビューのベースビュー

に対する相対的な位置は、ベースビューの Y軸に沿った点に拘束されます。ビューが水平に位置合わせされている場合、ベースビューの X軸に沿った点に拘束されます。

連動位置合わせでは、ビューとベースビューの間に、相対的な配置角度が設定

されます。補助投影図は、連動位置合わせの一例です。このビューは、ベース

ビューの位置を変更しても、その位置合わせが維持されるように拘束されていま

す。

242 | 第 13章 図面ビューを作成する

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ビューの間の拘束を削除するには、位置合わせを削除するビューを選択します。

右クリックし、[位置合わせ] ➤ [独立]の順に選択します。

位置合わせが解除されたビューに、位置合わせを復元できます。再度このビュー

を選択し、右クリックして[位置合わせ] ➤ [水平]、[垂直]、または[連動]を選択します。位置合わせを設定するベースビューをクリックします。

注: 位置合わせが拘束されていない断面図を配置するには、[Ctrl]キーを押したままビューを配置します。

ビューを削除する

不要になったビューは削除できます。ベースビューを削除する場合、従属して

いる投影図と補助投影図は、削除することも保持することもできます。ただし、

断面図と詳細図はベースビューを必要とするため、保持できません。

ビューを削除するには、ビューを選択し、右クリックして[削除]を選択します。[ビューを削除]ダイアログボックスで、[>>]ボタンをクリックし、保持する従属ビューを選択します。

演習:ベースビューを削除する

1 プロジェクト tutorial_filesがアクティブな状態で、delbasev.idwファイルを開きます。図面には、正投影図が 3 つ、等角図と断面図が1 つずつ含まれています。

2 ブラウザで、[View1: view1-4.ipt]を右クリックし、[削除]を選択して[ビューを削除]ダイアログボックスを表示します。

ビューを削除する | 243

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3 [>>]ボタンをクリックしてダイアログボックスを展開します。 [従属ビュー]ボックスで、View2 をハイライト表示させて、[削除]列の[はい]をクリックして[いいえ]に切り替えます。

4 View3 に対しても同じ手順を繰り返します。

5 ベースビューを削除して、2 つの従属ビューを保持するには、[OK]をクリックします。

ビューを位置合わせする

位置合わせは、従属ビューとその親ビューの間の拘束関係です。位置合わせさ

れたビューは、必ず、その拘束条件に従って移動します。親ビューを移動する

と、位置合わせされたビューも移動して、位置合わせが維持されます。

ほとんどの従属ビューは位置合わせして作成しますが、位置合わせの追加、変

更、除去は可能です。従属ビューと親ビューの間に設定できる位置合わせには、

[垂直]、[水平]、[連動]、[独立]の 4 種類があります。

演習:ビューを位置合わせする

1 ゾーン B2 の投影図を選択し、右クリックして[位置合わせ] ➤ [独立]の順に選択します。

2 再度このビューを選択し、右クリックして[位置合わせ] ➤ [水平]の順に選択します。

3 断面図をベースビューとして選択します。

4 断面図を選択し、そのビューを正面図があった位置に垂直にドラッグしま

す。

右側面図が断面図に位置合わせされたままになっています。投影元のベー

スビューにはビューの方向を示すマークが追加され、投影図にはビューラ

244 | 第 13章 図面ビューを作成する

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ベルが追加されます。これにより、投影図の方向が示されて、ビューをど

の位置に移動してもビューの方向が維持されます。

5 等角図を右クリックし、[位置合わせ] ➤ [連動]の順に選択します。

6 断面図をベースビューとして選択します。

7 断面図を移動すると、等角図が断面図と一緒に移動することを確認します。

ハッチングパターンを編集する

ダブルハッチングを適用できます。また、断面図のハッチングパターンの以下

の項目を修正できます。

■ パターン

■ 角度

■ 線幅

■ 尺度

■ シフト

以下の手順に従って、断面図のハッチングパターンを編集し、ANSI 33 ハッチングパターンを使用して材料をブロンズで表現します。

演習:ハッチングパターンを修正する

1 断面図でハッチングパターンを右クリックし、[編集]を選択します。[ハッチングパターンを編集]ダイアログボックスが表示されます。

2 [パターン]のリストから、[ANSI 33]を選択して[OK] をクリックします。

ハッチングパターンを編集する | 245

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ファイルを保存しないで閉じるか、元のデータファイルを上書きしないよ

う、別の名前でファイルを保存します。

ビューを回転する

ビューを回転するには、エッジか角度を指定します。ビューは、すべてのスケッ

チを含むリジッドボディ(固定された単一コンポーネント)として回転します。

ビューを回転しても、注記とビューやモデルジオメトリとの関連付けは維持さ

れます。製図規格によっては、ビューが通常の位置から別の位置に回転したこと

を示す情報が、ビューのラベルに追加される場合があります。

注: ビューの回転時、断面図の面の切断線が更新されない場合、拘束も含め切断線を編集してください。これは、スケッチ編集と同様です。

ビューを移動する

ビューを移動するには、赤いビューの枠をクリックしてドラッグします。クロ

ス選択ウィンドウを使用すると、複数のビューを移動できます。クロス選択ウィ

ンドウを指定するには、マウスをクリックして右から左にドラッグし、再度ク

リックします。ビューの枠内でビューの全体もしくは一部が選択されます。選

択したビューを移動するには、赤いビューの枠のいずれかをクリックしてドラッ

グします。

246 | 第 13章 図面ビューを作成する

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アセンブリを複数のポジションで表示する

オーバーレイ図面ビューでは、ポジションリプレゼンテーションを使用するこ

とにより、単一ビュー内で、アセンブリをさまざまなポジションで表示すること

ができます。オーバーレイは、完全なベースビュー、投影図、補助投影図に対

して使用できます。各オーバーレイは、親ビューから独立しているデザイン

ビューリプレゼンテーションを参照できます。

図面ブラウザには、オーバーレイが親ビューの子ノードとして、「PosRepName:ViewNumber: ModelName」のように表示されます。オーバーレイノードを右クリックすると、オーバーレイによって設定されたポジションリプレゼンテー

ションを使用するモデルファイルが開きます。

オーバーレイビュー間に寸法を追加すると、コンポーネントが元の位置から別

のリプレゼンテーションに移動した距離や角度を表示できます。モデル位置を変

更した場合は、図面寸法が自動的に更新されます。

オーバーレイビューの使用に関するガイドラインを以下に示します。

■ アセンブリの場合は、対象のコンポーネントのみを含むデザインビューリ

プレゼンテーションを作成します。オーバーレイビューの場合は、デザイン

ビューリプレゼンテーションなどを指定します。

■ アセンブリの場合は、それぞれの位置を表示するために必要な数のポジショ

ンリプレゼンテーションを作成します。

■ オーバーレイビューの異なるポジションリプレゼンテーションを作成する

には、オーバーレイを削除し、オーバーレイの作成時に新しいポジションリ

プレゼンテーションを指定します。

図面ビューの作成に役立つヒント

■ 位置合わせされていない断面図を作成する。

[Ctrl]を押したまま断面図を配置すると、位置合わせが解除されます。

■ シート間でビューを移動する。

ブラウザでビューをクリックして、別のシートまでドラッグします。ビュー

をドロップするには、カーソルをシートの名前またはアイコンの上に置きま

す。

■ 図面間でビューやシートをコピーする。

アセンブリを複数のポジションで表示する | 247

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ビューまたはシートを右クリックし、[コピー]を選択します。別の図面に貼り付けます。

■ 図面を校正する。

図面上にスケッチを作図すると、図面にあるビューを実際に変更することな

く、スケッチを描いたり消したりして校正できます。

■ 編集ツールや共通コマンドにすばやくアクセスするには、右クリックメニュー

を使用する。

248 | 第 13章 図面ビューを作成する