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1 第23回総会と記念イベント 「玉 会」 総 日時 11月14日(土) 朝9時30分 橋本駅集合 午前の部 11月の植物モニタリング・水生生物調査 午後の部 総 会 14 時~17 時 九度山町旭1集会所 記念講演 ※講師依頼中 各チームからの20年度活動報告 総 会 総会時の懇親会は、鶴屋(旧「藪椿」)にて、11 月 3 日(祝日)に昼食会として開催します。 「恋野の散策と懇親会」 秋の恋野の里地・棚田田園を探訪 集合場所:橋本駅改札口周辺 時間:11月3日(火・祝日)午前 9 時 30 分 参加される方は、食事の予約の都合で、事前に事務局までお申込みください。 ※新型コロナウィルス感染症への対策として、ご参加の際は、マスクまたは フェイスシールドの 着用をお願いいたします。また体調不良の方はご参加を ご遠慮ください。 玉川峡(紀伊丹生川)を守る会会報 第133 号 2020 年 11 月 1 日 森下 TEL・FAX 0721-63-5423 事務局 井奥 恵三 TEL・FAX 0736-36-1504 E-mail : [email protected] http://www5a.biglobe.ne.jp/∼kiinyu/ 第133 号の内容 ・P1 総会の案内 ・P2 川の清掃活動 高野山森林鉄道の跡ハイキングお知らせ ・P3 玉川峡の環境保全に関する意見交換会 ・P3 石津川での天然アユ遡上の取り組み ・P6 水質調査報告 ・P8 古道調査報告 ~筒香の滝~ ・P9 2020年度里山保全作業活動報告 ・P11 モニタリングサイト 1000 里地調査の報告

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    第23回総会と記念イベント

    「玉 川 峡 を 守 る 会」 総 会

    日時 11月14日(土) 朝9時30分 橋本駅集合

    午前の部 11月の植物モニタリング・水生生物調査

    午後の部 総 会 14 時~17 時 九度山町旭1集会所 記念講演 ※講師依頼中

    各チームからの20年度活動報告 総 会

    総会時の懇親会は、鶴屋(旧「藪椿」)にて、11月 3日(祝日)に昼食会として開催します。

    「恋野の散策と懇親会」 秋の恋野の里地・棚田田園を探訪

    集合場所:橋本駅改札口周辺 時間:11月3日(火・祝日)午前 9時 30 分

    参加される方は、食事の予約の都合で、事前に事務局までお申込みください。

    ※新型コロナウィルス感染症への対策として、ご参加の際は、マスクまたは フェイスシールドの

    着用をお願いいたします。また体調不良の方はご参加を ご遠慮ください。

    玉川峡(紀伊丹生川)を守る会会報

    第133号 2020 年 11 月 1 日 代 表 森下 健 TEL・FAX 0721-63-5423 事務局 井奥 恵三 TEL・FAX 0736-36-1504 E-mail : [email protected] http://www5a.biglobe.ne.jp/∼kiinyu/

    ■ 第133 号の内容 ・P1 総会の案内 ・P2 川の清掃活動

    高野山森林鉄道の跡ハイキングお知らせ ・P3 玉川峡の環境保全に関する意見交換会 ・P3 石津川での天然アユ遡上の取り組み ・P6 水質調査報告 ・P8 古道調査報告 ~筒香の滝~ ・P9 2020年度里山保全作業活動報告 ・P11 モニタリングサイト 1000 里地調査の報告

  • 2

    川 の 清 掃 活 動 2020 年 8 月 26 日(水)

    報告 石川純二

    8 月 26日、九度山町主催の清掃活動が実施さ

    れました。例年通り、早朝7時にさえもんに集

    合し、観光協会の坂本副会長の挨拶と平坂職員

    の説明の後、4班に分れて清掃活動を実施。今

    回はトイレの清掃も実施しました。本会からは

    5 名が参加して、丹生の滝から下流に向かって

    進行し、さえもんまでを担当しました。

    常日頃から、九度山町観光協会によって美化活

    動が行われており、車窓からはゴミ一つないよ

    うにも見えますが、河原に降りればかなりのゴ

    ミがありました。

    9 時過ぎに終了しました。その後、さえもんで

    お茶やコーヒーをいただき、参加者の方からはスイカやメロンをごちそうになり、忌憚のない団欒の場

    になりました。 九度山町の職員の方々と住民の方々の常日頃からの信頼感があふれていました。

    古道ハイキングのお知らせ

    明治時代から昭和 34 年まで活躍した高野山森林鉄道の跡(トロッコ道)を

    ゆっくり歩きませんか。

    日時:11月19日木曜日 午前 10 時~午後 3 時ごろまで

    集合:午前10時 九度山町役場前(九度山駅から徒歩 10 分)

    コース:九度山町役場→高野下駅→下古沢駅→上古沢駅(約 7.7km)

    持ち物:弁当、飲み物、雨具、マスク、防寒具、手袋、タオル、おやつ等

    解散:午後3時(予定) 上古沢駅

    連絡先:森下健 TEL/FAX0721-63-5423 野中雅弘 TEL0736-54-3188

  • 3

    玉川峡の環境保全に関する意見交換会

    報告 森下 健

    9月19日(土)午後にやどり温泉いやしの湯において、玉川峡を愛する会会長の上西進氏の呼びか

    けにより、高野町企画室長中尾氏、高野町会議員新谷氏(筒香在住)、本会から石川氏、福島氏、森下の

    3人が参加して意見交換会が行われました。

    上西氏から玉川峡の銘石の石泥棒の話や、流域の各種の魚や川の生物の減少とかかわって、過去にさ

    かのぼって上流からのゴミの不法投棄や産廃場・養

    豚場などからの汚染の問題の経過や行政の対応など

    が報告されました。

    本会から石川氏が 2010 年からスタートした流域

    三市町によるスマイルリバー制度の取り組みの紹介

    がされ、上流部の高野町と下流部の九度山町、橋本

    市が実施している清掃活動などを通じて協力連携が

    進むよう意見が出され、前向きな意見の交流がなさ

    れた。筒香の新谷氏は上流にも昔はウナギや(コガ

    タ)サンショウウオがたくさん生息していたという

    話や本会からは上流域の堰の調査をしたが、今は使

    われていない堰が多く、不要な堰は撤去してアユやウナギの遡上を促す川にしてはと提案しました。公

    的な会ではありませんがお忙しい中、高野町の中尾室長や新谷氏に来ていただき、下流の関係団体の意

    見を聞いていただき、有意義な意見交換会となり今後の流域の連携を確認しました。

    ―内容は、石川氏が記録された写真とメモをもとに、まとめたものです―

    大津川、石津川での天然アユ遡上の取り組み(1)

    報告 太田勝之

    第 21 回総会(2018 年)にて、大阪府と協働で、既存の堰の撤去や魚道の設置の取り組みを紹介しま

    したが、今年もさらに成果があったので追加報告する。

    石津川(大阪府堺市) 大阪府堺市を流れる 2 級河川。2 面張りの普段は水量も少ない都市河川ですが、

    下流には毎年アユの遡上が確認できるほど水質が改善されて

    きた。しかし、多くの井堰(農業用水の堰)や落差工(治水

    のための段差を設ける工法)が、アユの遡上を妨げている。

    私の所属するボランティアグループ「石津川にアユを」では、

    大阪府と清掃活動や観察会、環境イベントへの協力など、常

    時、多くの連携活動を行い信頼関係ができています。

    前報告のように、四出湯井堰への魚道設置を設計段階から協

    力して行い、さらに上流の大鳥井堰(水利権放棄)を護岸補

    強の工事と共に撤去してもらうことになりました。 四出湯井堰魚道

  • 4

    < 石 津 川 の 堰 >

    大鳥井堰は、鋼鉄ゲートが起き上がる方式で農業用だが、利用実績もなかった。

    倒れた状態のゲートが流れに突き出し、落差は小さいが 2 段の段差が生物の遡上の障害となっていた。

    石津川は全域で護岸の補強工事を順次進めており、

    2018 年にちょうどこの部分の工事があり、袋詰め

    玉石と呼ぶ、ナイロンネットに岩を詰め込んだも

    のを堰下流に配置して落差を解消とゲートの撤去

    をお願いすると快く行ってくれた。

    とても厚い鋼鉄ゲートのため、全長の約半分の溶断が行われ、下流の段差には袋詰め玉石を川幅にわた

    り設置した。

    四出湯井堰

    大鳥井堰

    改修前の大鳥井堰

    袋詰め玉石 袋詰め玉石設置作業

  • 5

    そして、2020 年の今年の春に、再びこの箇所の護岸工事があり、同時に大鳥井堰の撤去も計画になった。

    大阪府土木にその工事内容を確認、全面スロープとするとのこと。また、今年は川幅の左岸半分を施工

    し、翌年、残りの右岸を施工とのこと。

    今回は、コンサルタントによる設計なので、これで施工させてほしいとのことで、ゆずった。

    規則正しいまばらな石の配置のため、スロープ面上は均

    一な早く浅い流れとなり、遊泳力の弱い生物にはつらい

    ように見える。

    スロープ面上に緩急ができるように粗密を使い分けた石

    の配置が必要である。

    来年は、それを強く要望していく予定である。

    要望のみでなく、その効果確認は市民団体の役割であり、

    調査も定期的に実施している。

    しかし、工事が入った年のアユの遡上はこれまでも少な

    く、例年、多くを遡上確認している下流でさえもアユは

    ほとんど見られず、工事の無い年での調査に期待したい

    が、護岸工事は、しばらく毎年行われるとのこと。

    それでも、その変化は注視していく予定である。

    次号では、大阪の大津川での取り組みを報告する。

    清 澄 美 鮎 ~鮎釣りは石を釣れ~

    鮎は、秋に河川で産まれたあとすぐに海まで下り、冬の間は沿岸部でプラン

    クトンを食べながら育ち、そして春になると再び川を遡上しはじめます。河

    川では川底の石や岩に付着したアカ(藍藻、緑藻、珪藻)を食べてどんどん

    大きくなります。この時、良質

    なアカを確保するために自分

    だけの縄張りを作ります。そこ

    へ入ってきた他のアユを追い払うという性質を利用し、体当た

    りしてくるアユをハリに掛ける釣りが「友釣り」です。

    アユがアカを食べているところは川底の石が磨かれていて、縄

    張りアユがいるので友釣りの好ポイントになり、アユ釣り師は

    石を中心にポイントを探します。

    秋になると脂がのった子持ちアユが掛かり、一番美味しい時期です。

    今年も何度か通った神納川・五百瀬では、10月でも美味しいアユがたくさん釣れました。(記:井奥)

    石津川下流のアユ(もっと上流まで上らせたい)

    撤去後のスロープ魚道

  • 6

    2020度 水 質 調 査 報 告

    報告 水質調査チーム 石川(記)

    調査実施日 2020 年 10 月 18(日) 参 加 者 森下、野中、城戸、福島、岸、石川 6名 順不同、敬称略

    調査項目 1.本年の調査項目(2項目)共立理化学研究所製「パックテスト」による。 PH(ピーエッチまたはペーハー)、COD(科学的酸素要求量)

    の 2 項目(昨年同様)

    2.不法投棄ゴミの確認

    3.何度も続いた雨による被害状況確認

    調査コース

    橋本駅集合 → 富貴 → 岩 滝のくび(滝)視察 → 明神岩視察 → 河合橋 →

    (9:00) (9:40) (10:30) (12:00) (12:20)

    やどり温泉(検査・昼食)→ 丹生の滝合流点 → 赤瀬橋(検査) →

    (13:30) ①~④4 か所分検査 (13:50) (14:30) ⑤~⑧4 か所分検査

    紀ノ川合流点・紀ノ川本流

    (15:06 終了)⑨~⑩2 か所分検査

    今回は、参加者の日程調整上、例年より早い時期に実施した為、紅葉を見ることは

    出来なかったが、森下代表のガイドで、筒香にある地元の人しか知らないであろう

    滝を視察することができた。

    結果要約

    1. 昨日の雨で幾分増水し、少し濁りがあったが、調査に支障はなかった。CODは、富貴の養豚場

    (現在は操業していない)からの排水路(調査ポイント①)のみ「3」を示し、それ以外の調査

    ポイントでは、すべて「2」を示し、例年同様「少し汚染がある」程度であった。

    2. PHはほとんどの調査ポイントで「7」の中性を示した。丹生の滝からの流入点(調査ポイント

    ⑤)のみ「7.5」を示したが、概ね誤差の範囲かと推測する。

    3. 不法投棄ゴミは、河合橋でゴルフセットが 2 つ放棄されていた。高野町役場に連絡して

    回収していただく(写真参照) 河川に沿って不法投棄ゴミがないか確認したが、例年通りプラ

    スチック系のゴミがわずかながら見受けられたがまとまった不法投棄ゴミはなかった。

    明神岩降口付近 参加メンバー 紀ノ川流入点・紀ノ川本流のPH測定

  • 7

    CODの測定例(4 か所同時測定) 河合橋でのゴルフセット 2 つ放置

    注)

    PH(ピーエッチまたはペーハー) 酸性、中性、アルカリ性の度合いを示す

    酸性 ←←← 7 →→→ アルカリ性

    小さい 中性 大きい

    COD(科学的酸素要求量)Chemical Oxygen Demand

    水中の有機物を分解するのに必要な酸素の量(数値が大きい程汚染が大きい)

    水質調査データ 10 月 18 日(日)天候:曇のち晴、水量:やや増水、濁り:少しあり

    項目比色時間 単位 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩

    時間帯 ー ー 9:40 9:50 12:20 12:20 13:50 13:50 14:30 14:30 14:50 14:50

    気温 ー ℃ 18 18 17 17 16 16 18 19 17 20

    水温 ー ℃ 15 15 13 13 15 15 15 16 16 17

    PH 20秒 ー 7 7 7 7 7.5 7 7 7 7 7

    COD 5分mg/リッ

    トル 3 2 2 2 2 2 2 2 2 ー

    補記

    赤瀬橋の玉川峡側(調査ポイント⑦)でCODが例年にない高い値(悪い)結果となったが

    再調査した結果、例年通りであることが確認できた。原因は特定できない。再調査の為、パック

    テストを一つ使用したので、紀ノ川本流の調査を取りやめた。

    以上

  • 8

    古 道 調 査 報 告

    筒 香 の 滝

    森下 健

    この夏、玉川峡の上流の筒香にある滝を訪れました。

    滝に造詣の深い児嶋弘幸さんと玉川峡を探索したおり

    に、地元の方にその場所を教えてもらいました。地元

    の人は「滝さん」と呼んでいるそうです。『玉川四十八

    石』には名前が載っていない滝です。弘法大師伝説の

    あるミソ石のそばを流れる小石谷の奥にその滝はあり

    ました。

    滝へ行く道は細いながらもはっきりしており、坂道

    を少し登り、滝の姿が

    見え始める手前の平ら

    な場所に小さな滝の遥

    拝所がありました(写

    真左)。滝の方に向かっ

    て石の土台があり、そ

    こには祠があったようです。「滝さん」という名からも

    わかるように、村の大切な水源地でもある滝をご神体

    として祀る日本の自然信仰の原点ともいえる施設が今

    も残っていることに感動しました。 滝はそこからさ

    らに 200mほど急坂を登ったところに滝の末端がありました。高さは 20mぐらいで大岩壁の間を静かに

    流れる姿は神々しく感じられます。滝のまわりには可憐なイワタバコの花がたくさん咲いていました。

    この滝の名はどこかに紹介されていないかと探したら、高野町が発行している『高野山の今と昔』の

    第 2 部の筒香の絵図にその名がありました。享保十四年(1719)の3枚の絵図に「滝の頸」、「たきのく

    び」「岩 たきの首」それぞれ名が記されていました。「滝の首」とは変わった名前でどんな理由でつけ

    たのか興味が湧きました。筒香のすぐ近くの高野町富貴と五條市西吉野町の境に「鳩の首峠」という地

    名があるのを思い出しました。児嶋弘幸さんが執筆した『山と高原地図 高野山・熊野古道』の地図に

    載っています。また、児嶋さんから『十津川郷村誌』の中の「小手山村村誌」にも「滝の首」という地

    名があると教えてもらいました。これも上記の 2020 年版の地図に載っており、児嶋さんはそこの地名

    は「滝の落ち口付近を指しているようです。」と教えてく

    れました。

    そこで、撮ってきた「滝さん」の写真をよく見ると、

    この滝は2段になっており、中央部の岩壁のU字型の落

    ち口の形がまさに「滝の首」ではないかと直感しました

    (写真左)。「滝の首」とは滝の水流によって長い間に岩

    壁が侵食され首のように見える地形と滝のことを指して

    いるのではないかと思われます。新たな魅力ある滝を見

    つけることができ、玉川峡(紀伊丹生川)流域の奥深い豊かな自然に魅せられています。

    ※写真は 10 月に再度訪れた時に撮影したものです。

  • 9

    2020年度里山保全作業活動報告 2020年10月1日

    里山保全作業チーム 野中雅弘

    日付 参 加

    作業内容

    2019年11月24日 2名 鹿除けネット内のカシ、サカキ等の常緑樹、竹の間

    セリバオオレンの周りの熊笹の刈り取り。

    結実したササユリの種を鹿除けネット内に蒔く。

    12月15日 5名 昼過ぎまで植物モニタリング調査。

    カマドで火をおこしての昼食後、斜面の落石防止に

    並べてあった杉の木を運び、丸太橋の補強をする。

    2020年1月26日 4名 昼過ぎまで植物モニタリング調査。 雨がやんだが演習林内は濡れてすべりやすいため、

    予定していた間伐作業は中止。

    東さん宅隣接畑のタカサゴユリの種の摘み取り。

    2月23日 5名 いつも駐車している場所の草、低木の刈り取り。

    道具小屋横の階段手すりを、杭を打って補修。

    ヒノキ2本をチェーンソーで切り、畑まで運びおろ

    し玉切りにして一輪車で運ぶ。

    3月22日 6名 カマドで火をたいての昼食をはさみ、植物モニタリ

    ング終了後、先月運んで乾かしておいた木のマキ割

    り。

    4月19日 5名 植物モニタリング調査終了後、2組に分かれて作業 川原でゴミ拾いをし、以前から仮置きしていたゴミ

    も一緒に車に積み、帰りに役場まで運ぶ。

    鹿除けネット内に侵入されて草木を食べられていた

    ため、ネットの下に丸太、石を置いて防ぐ。

    5月24日 4名 家で育てたクヌギ、エノキ、ムクの苗木8本を、鹿

    除けネット内に植樹する。

    小鹿に入られないよう、セリバオオレン周りの鹿除

    け柵の補強、コショウノキの金網の下の隙間を塞ぐ。

    10m×10mの毎木調査地で樹高、幹太さの測定。

    6月28日 2名 道具小屋下の階段ステップ1段の付け替え。

    杭を打ち込み手すりの補強。

    高クラ手前に生えていたイワナンテンに鹿除けネッ

    トを取り付ける。

    東さん宅でマキ割り。

    7月26日 大雨のため中止

    8月 活動ナシ 9月27日 4名 丸太橋が朽ちてきて折れて通行危険なため、山側の

    土を削って迂回路を作る。

  • 10

    丸太橋山側にう回路設置 9月 27日

    カシの木3本を間伐し、作業小屋下の階段の手すり、

    足踏み木に利用して付け替え。

    水パイプ近くの坂道を歩きやすいように土を削って

    足場を作る。

    10月25日

    毎月行っている通常の作業とは別に4月5日に5名が参加して、草刈り機3台を使って黒河道途中に

    ある美砂子谷の休耕田の斜面の草刈りを行い、貴重な植物が生育しやすい環境を維持できるようにした。 地主さんが田の回りの広範囲をイノシシ、鹿に侵入されないようトタン板で塞いでいるが、 ところどころ外れたり壊されたりして侵入されており、鹿による食害、イノシシによる土を掘り起こし

    ての土砂崩れが目立つようになっている。 これら侵入個所に新たに鉄筋を打ち込み、両側からトタン板を挟んで針金も使用してしっかりと補強を

    した。 年に数回、どういう状態になっているか植物観察を兼ねて状況確認に行ければいいのだが、4月の1回

    だけしか活動できていない。 演習林ではシカの食害が相変わらずひどく、数年前と比べると植物が激減してしまった。

    あたり一面に咲いていた早春のシロバナショウジョウバカマ、初夏のキヨスミギボウシ 秋の訪れを教えてくれるアキチョウジ等が、このままでは絶滅しそうになっている。 昨年2か所を鹿除けネットで囲い、セリバオオレンの回りは木の柵を取り付けた効果があり、冬の間鹿

    の食害がなかったと喜んでいたら、3月頃にネットや柵の下の隙間から小鹿が侵入したようで、アオキ

    他の植物が食われて痛々しい姿になっていた。 4月、5月の作業でネット下に石や丸太を置いて隙間を塞ぎ、木の柵を取り付けて補強をして鹿に侵入

    されないように対策をした。 春になって山全体に草が多く生えて来て食べ物に困らないせいか、それ以降は鹿の被害は見受けられな

    い。 なんとかこのまま被害にあわずに冬を無事に乗り切って欲しいと祈るばかりである。 昔の土砂崩れ後に何本も丸太を渡して橋をかけているところは、古い丸太が少しずつ朽ちてきて危な

    くなっているものから交換をしてきた。 しかし約5mの長さの丸太が必要なため、人数の多い時に皆で

    力を合わせて苦労して丸太を運んで交換をしてきた。 今までは丸太が少し沈む程度で歩けていたが、9月の植物モニ

    タリング調査の時に突如丸太が折れてしまい、先頭を歩いてい

    た玉川さんが足を踏み外して落ちそうになった。 このままでは危険で事故が起こるため、翌週の作業で山側の土

    を削って迂回路を作った。大きな石が多くて苦戦するかと覚悟

    していたが、ほとんど石がなくて割合簡単に短時間で 立派な迂回路を作ることが出来た。これならばもっと前に作れ

    ばよかったと、腰が痛くなりながら皆で運んだ苦労、あれはい

    ったい何だったんだろうかと思った次第。 来年度の作業も主に鹿の食害から草花を守ることを中心にしていこうと思う。

    保護したい一定区間をネットで囲って、鹿に侵入されないようにする方法が比較的安く、効果的に出来

    そうだと思える。 そして激減している草花をネット内に移植し、保護して数を回復させ以前のような姿を復活させたい。

  • 11

    「モニタリングサイト 1000 里地調査」の報告

    (確認種のデータは紙面の都合で未掲載です。写真も含め詳細は事務局までメールでお問い合わせ下さい)

    井奥恵三

    2020年8月 モニ1000 記録 参加者6名

    調査日時:2020 年8月23日(日) 天気:晴れ 気温 26℃

    今年は8月になり晴天が続き、玉川峡の水量もたいへん少な

    く、マスクをしながら酷暑の中のモニタリングになりました。

    モニタリング開始前に、新田様や参加者の皆様で、当会の活動

    に多大な協力や援助をいただき7月にお亡くなりになった宇佐

    美秀昭様のご自宅に、弔問に伺いました。 また当日はアユの

    網入れの解禁日で、例年ならアユまつりを開催する日ですが、

    今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、中止になり

    ました。

    秋の草花が開花する時期になり、7月のモニタリングに比べ

    て、各区間とも確認種が大幅に増えました。A区間は、道沿いはタカサゴユリがたくさん開花し、すっ

    かり玉川峡に定着し、日本の夏の花になってしまいました。今後

    種ができるまでに駆除作業をする予定です。秋の花が咲きだし、

    フユイチゴ、ミズヒキ、キンミズヒキ、ミズタマソウ、マツカゼ

    ソウ、オトコエシなどが蕾や花をつけていました。

    換羽の時期で野鳥の姿は見えませんが、ミンミンゼミやヒグラシ

    の声と共に、道路上をウスバキトンボが盛んに飛び交い、夏の季

    節を感じます。 まめ街道沿いのB・C区間は、サワオトギリ、

    ヒメキンミズヒキ、コヤブタバコなど黄色い秋の花が印象に残り

    ました。 途中、日本最大級のモンキアゲハの飛翔やクロコノマ

    チョウの幼虫も見つけ、南方系のチョウが勢力を広げてきたよう

    です。涼しい玉川峡も最近は暑く感じるようになり、平均気温の

    上昇と関係があるのかもしれません。C区間の河原は、以前たく

    さん確認できシカの食害で減少した、トンボソウやチダケサシを

    探し、やっと一株ずつ見つけ美しい姿を写真に残しました。ノコ

    ンギクも開花し、モニタリング区間は秋らしくなってきました。

    D区間では、コヤブタバコ、ヒメガンクビソウ、サジガンクビソ

    ウなど秋の花が確認できました。E区間も、秋の花が咲きだし、

    7月に比べ確認種は大幅に増えました。 水田の耕作放棄から年数がたち、乾燥してきた影響か、ダン

    ドボロギクやアメリカタカサブロウ、玉川さんから後日説明があったケナシヒメムカシヨモギなど、外

    来帰化植物が増えてきたようです。8月の晴天続きで、湿地再生地も水が無くなり、トンボ類が心配さ

    れましたが、ヒメアカネがたくさん確認でき、今後同じような環境にいるハッチョウトンボが確認でき

    ればと、期待されます。

    2020年9月 モニ1000 記録 参加者5名

    調査日時:2020 年 9月 20日(日) 天気:曇り一時晴れ 気温 10時:16℃ コロナ禍ではありながらシルバーウイーク4連休で、玉川峡の道路はキャンプ客や高野山へ向かう観

    光客で賑わい、北又へ向かうA区間道路も絶えず車が通り、和歌山県立自然公園の魅力を求め、たくさ

    んの人々が集まっています。

  • 12

    彼岸になり今夏の猛暑も収まり開始時刻の気温は16℃と涼しく、南

    へ渡るヒヨドリの群れの賑やかな声に、夏の名残のヒグラシやミンミ

    ンゼミの声が混ざり、秋の花も一斉に開花をはじめ、季節の移ろいを

    感じる1日です。

    確認種は8月に比べ大幅に増え、先に玉川様から報告がありましたが、

    新しく確認したヤマジノホトトギス、ムカゴイラクサの花や、ケナシ

    ヒメムカシヨモギの見分け方、ヒメジソとイヌコウジュの違いなど、

    今回も色々教えていただきながらの長時間の調査になりました。

    A区間は、秋の花が一斉に開花し53種も確認され、オトコエシ・ゲンノショウコ・キツネノゴマ・イヌ

    コウジュ・マツカゼソウなど秋らしい風情のある花や、クワクサ・エノキグサなど地味な小さい花たちが

    印象に残りました。相変わらずシカの食害で小さな個体が多い

    ですが、臭気でシカが食べないマツカゼソウは斜面の上に繁茂

    し目立つ存在になりました。シカは紀の川を超え北上したよう

    で、大阪府河内長野市でも最近3頭の家族が確認され、今後和

    泉山脈の植物被害も気になります。

    この時期、まめ街道ぞいB・C区間で期待したアキチョウジや

    ヨシノアザミはほとんど確認できず、D区間ではシカ除けネッ

    トの中にチゴユリの実をつけた個体一つをやっと確認できたの

    みで、里山作業を通じて昔の環境を取り戻したいものです。

    C区間の河原の日当たりの良い場所はアケボノソウが満開です。今回初めてヤマジノホトトギスの美し

    い花が見られましたが、昨年はD・C区間でアキチョウジやミョウガの花やササユリの実を確認したが、

    残念ながら今年は見られず、シカ対策を進める必要を感じます。

    E区間では、保護しているリンドウは元気がなく開花は期待薄です。また8月の日照りで湿地再生地は

    水が干上がった影響か昨年に比べ開花の確認種が少なく、ツルボも

    花が小さく、チョウやトンボ類も少なく感じました。

    花には、たくさんの昆虫がやってきて蜜を得て、同時に花粉を付

    け植物の繁殖を助けています。

    最近の研究(昆虫の絶滅に関する科学者から人類への警告)では、

    絶滅の危機に直面している世界の動植物 100万種の約半数は昆虫だ

    とする報告が発表されました。昆虫の消失は人類にとって大惨事と

    なる可能性があると、研究は警告しています。昆虫は受粉、栄養循

    環、害虫駆除などの「かけがえのない貢献の提供者」で、虫媒(昆虫による受粉媒介)を必要とする作

    物には年間2350億~5770億ドル(約25兆8000億~63兆4000億円)の経済的価値があるといわれます。

    たくさんの昆虫を育てる玉川峡の環境を守ることは、私たちの未来を守ることではないでしょうか。

    会員 宇佐美秀昭様ご逝去

    本会の会員で長年、世話人・会計監査を務めていただきました宇佐美秀昭様が7月2日に享年87

    歳で永眠されました。今年の1月ご自宅にお寄りした時には、中の部屋に通していただいて車椅子

    でしたが、お元気な様子で奥様とともにしばらく歓談をしました。玉川峡を守る会のことなどもと

    ても懐かしがり、明晰で闊達な話しぶりは健在でした。それから半年後に突然の悲しいお知らせに

    驚いています。総会の議長を務めてくださり、穏やかで温かい中で総会の議事がテキパキと進んだ

    姿が思いだされます。ご冥福をお祈りいたします。

    届きました娘さんの宇佐美順代様からのお葉書です。

    コロナ過の中でしたが家族の見守る中、やすらかなやすらかな最後でした。 生前中には玉川峡

    を守る会に参加させて頂き、皆様とお出会いし楽しい経験をできたことを常に喜んでおりました。

    ここに生前のご厚誼を深謝し心より御礼申し上げます。 (記:森下)