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AGM-6009-1S 2013.9改正 殿 殿 標準撹拌機取扱説明書 (中型NTC形) 取付フランジ JIS10K 300AF以下

殿 標準撹拌機取扱説明書 竪 形 減 速 機 直 結 撹 拌 機6 3.各部の名称と概略の機能 撹拌機の各部の詳細及び使用部品、形状等につきましては納入図面を参照願います

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Page 1: 殿 標準撹拌機取扱説明書 竪 形 減 速 機 直 結 撹 拌 機6 3.各部の名称と概略の機能 撹拌機の各部の詳細及び使用部品、形状等につきましては納入図面を参照願います

AGM-6009-1S

2013.9改正

殿

殿

標準撹拌機取扱説明書

竪 形 減 速 機 直 結

低 速 撹 拌 機

(中型NTC形)

取付フランジ JIS10K 300AF以下

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はじめに

この度は株式会社ト-ケミ製「竪形減速機直結低速形撹拌機」を御採用いただきまして、

誠に有難うございます。

この取扱説明書は撹拌機をいつまでも支障なく御使用頂く為、据え付け、保守点検

及び分解、組立につきまして記載しております。据付・ご使用前に、ご一読の上で

運転操作、機器の取り扱いを頂きます様、お願い申し上げます。

取扱説明書に記載されている事項に従わず発生した事故、故障に対して弊社は一切の

責任は負えません。

本取扱説明書では人身事故につながる可能性が想定される事項は《警告》とし、

事故の起きうる危険性または機器の損傷や性能への影響が考えられ、運転中重大な支障が

生じる様な事項を《注意》として マ-クで記載しております。

※本機器製品の保証期間は、納入後一年間とさせて頂きます。

尚、本取扱説明書は実際にご使用になるお客様のお手元に大切に保存頂き、

活用されます様、宜しくお願い申し上げます。

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目 次

1.機器到着時の確認 4

2.撹拌機の概要 5

3.各部の名称と概略の機能 6

3-1)電動機及び減速機 6

3-2)撹拌機本体ケ-シング部 6

3-3)撹拌軸及び羽根 7

3-4)その他の項目 8

4・撹拌機の据付場所 8

4-1)据付場所の注意点 8

5.据付要領及び注意点 9

5-1)据付要領 10

5-2)据付作業時の注意点 12

5-3)運転時の注意点 12

6.保守点検 13

6-1)日常に行なう点検保守 14

6-2)日常の点検での問題と簡単な処理 14

6-3)保守 15

7.撹拌機の分解及び組立手順 15

7-1)分解手順 16

7-2)組立手順 17

7-3)機器分解時の注意点 19

8.その他の注意点 19

9.お問い合わせ 21

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1.機器到着時の確認

ご注文頂きました撹拌機がお手元に到着いたしました時点で、お手数ですが梱包個数

及び輸送中の損傷、脱落等の異常が生じていないか、確認をお願い致します。

梱包荷姿は撹拌機の形状、形式により、各々が異なっておりますが概略、下記の様な荷姿

となっております。

梱包個数につきましては運送送り状に記入されております。御確認を願います。

梱包要領

荷 姿 梱包内容

1)木枠スカシ梱包 撹拌機本体(300A準用フランジ以下)

撹拌羽根

減速機潤滑油(必要な機種のみ)

2)木枠スカシ梱包 撹拌軸(シャフト径φ50mm以上)

(カップリング接続方式)

その他特殊仕様で製作された撹拌軸及びライニング仕様の撹拌軸・羽根(一体構造)

は木枠スカシ梱包にて出荷しています。

《注意》

開梱後、次の事項を確認願います。

1) 撹拌機本体に貼付けされている機器銘板を確認して頂き、形式、電動機容量

その他の機器仕様の内容がご注文通りの製品である事を、照合・確認する。

2)輸送中の損傷、脱落及び個数等の欠品は生じていないか、確認する。

3)その他、異常な状況は起きていないか、確認する。

上記の件を含め、機器について不具合い箇所やご不信な点がありました場合は、

お手数ですが弊社営業担当者までご連絡をお願い致します。

特に撹拌軸の曲がり発生防止に万全を期して製作、厳重な検査をおこない、出荷管理

を行なっております。

撹拌機到着後の仮保管、据え付け作業におきましては、慎重な取り扱いを行って

頂き、損傷及び軸の曲がり等の事故が無い様にお願い致します。

開梱後の取り扱い、据え付け作業時には十分注意をお願い致します。

接液部(撹拌軸、羽根)がライニング仕様の場合は製作上、軸と羽根が一体となって

製作され取り扱い、据え付け等に面倒な点と、ライニング仕様の軸・羽根は衝撃に

対して非常に脆く、取り扱いに依っては破損事故が発生する恐れがあるために、

特に据付時等には注意が必要です。

ライニング仕様の撹拌軸、羽根部は注文生産となっております。

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2.撹拌機の概要

撹拌機は概略、下記の部分により全体が構成されております。

1)電動機及び減速機部(駆動部)

2)撹拌機本体ケ-シング部

3)撹拌軸及び羽根部

4)軸封部(シ-ルフランジ) 特殊仕様

5)その他(槽底軸受部等) 特殊仕様

この撹拌機は、撹拌タンク上面に専用据え付け架台を設けて、その架台上に撹拌機本体を

据え付け、本体の固定フランジを固定ボルトで架台に竪軸、直立に据え付けする形式の

低速形撹拌機です。

撹拌軸はタンク内に垂直に吊した状態で撹拌機本体と撹拌軸及び撹拌羽根を装着します。

撹拌軸の接続は特別な仕様を除き、フランジカップリングで本体と撹拌軸が嵌合接合され、

駆動部・回転部(軸・羽根)が一体化される構造となっています。

撹拌羽根は、撹拌軸先端より一定の間隔(羽根間距離)を保って1段ないし2段の羽根を

装着し、羽根形状としてはパドル翼(櫂形)を標準としております。

その他(タ-ビン翼、アンカ-翼、門形)の翼も採用されます。

撹拌機はタンク内の液体に接する部分を接液部(撹拌機軸、撹拌羽根)とタンク内で大気

に接する部分を接ガス部と称しています。

接液部には、撹拌される液質や発生するガスの腐食に対応出来る、金属材質や各種の材質

のライニングを施工して、対処しております。

但し、標準タイプの場合は本体主軸及びフランジカップリング迄の大気部に接する部分の

材質は基本的にS35C及びSS400を使用しております。

ライニング仕様で製作する撹拌軸と羽根は、溶接にて一体構造に製作された撹拌軸、羽根

の金属表面に耐蝕性、対摩耗性の優れた材料(ゴム , PE ,PTFE ,FRP、その他)を

選定、被覆加工し、撹拌対象液及び発生ガスよりこの部分を防蝕、またスラリ-に依る羽

根部の摩耗(研磨状況)を防止しています。

(撹拌軸と羽根は、溶接にて一体構造に製作される為、取り外しは不可能です)

また、タンク密閉構造で、槽内ガス、水蒸気等の大気中への拡散対策が必要な場合、

タンクノズル(架台)と撹拌機本体の間を密閉するために軸封方式を採用致します。

軸封部のシ-ル方式は目的、運転状況に適応した最適な構造と材質を選定しています。

機器に軸封部を装着した場合は機器形式記号内にP,N,M,W等の判別記号を附記して

表示しています。

軸封機構採用において、ライニング仕様に軸封方式が装着された場合の摺動部に液、ガス

に対応した材質の軸スリ-ブを装着しております。

軸材質が金属の場合も摺動による軸の摩耗を防止する目的で軸スリ-ブを採用する場合も

あります。

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3.各部の名称と概略の機能

撹拌機の各部の詳細及び使用部品、形状等につきましては納入図面を参照願います

この項では概略の各部の主要名称とその機能について記載します。

3-1)電動機及び減速機部

撹拌機の駆動動力源として出力容量1 .5~15Kw(4P)迄の低圧3相標準電動機

を使用しています。

電動機は、減速機メ-カ-住友重機械工業製電動機を採用しております。

減速機型式に依っては電動機メ-カ-指定が可能な減速機の型式もあります。

標準仕様電動機の外被構造は全閉外扇屋外形、絶縁階級は B 種絶縁( 0.75~ 22kW)。

その他、異電圧、防爆(安全増、耐圧)、等の電動機も型式によっては装着可能です。

減速機には、サイクロ減速機を採用しております。(内接式遊星歯車機構)

潤滑方式は、型式により各々異なりますが、グリ-ス封入方式(メンテナンスフリ-)と

オイル潤滑方式 2 種類の潤滑方式となります。

ご使用頂きます減速機は型式により潤滑方式が異なりますため、添付された取扱説明書で

確認し、潤滑油交換等の保守を行って下さい。

負荷運転時の電動機消費電流値はモ-タ-定挌電流値の範囲以内で運転ご使用下さい。

※使用される撹拌機のモ-タ-定挌電流値はモ-タ-銘板に記載されています。

叉、電動機、減速機及び撹拌機についての形式、各仕様は各々の機器部分に取付銘板

が貼付けられており、確認を願います。

3-2)撹拌機本体ケ-シング部

撹拌機の本体は、本体ケ-シング・主軸及び主軸を保持する軸受部(ベアリング)から

構成されております。

軸受部は、本体中間部に軸受部ケ-ス固定用フランジを設けて独立した軸受ケ-スを

この部分にセット固定しています。

使用するベアリングは、ユニット用玉軸受け内蔵、印ろう付丸フランジ形ユニット及び

円錐コロ軸受(型番3000ベアリング)内臓、特殊軸受ケースを採用し、主軸を保持

すると共に、運転・停止時に発生する負荷荷重に対応した構造となっています。

本体ケーシング取付フランジ (JIS10K 200AF 準用 )

ユニット用玉軸受け内蔵、印ろう付丸フランジ形ユニット

本体ケーシング取付フランジ (JIS 10K 250AF 準用・ JIS10K 300AF準用 )

円錐コロ軸受(型番3000ベアリング)内臓、特殊軸受ケース

ケ-シング下部は撹拌機を固定するための据付フランジ(JIS-10Kタイプ準用)と

なっております。ボルト&ナットを用いてタンク架台に固定します。

撹拌機本体ケ-シングは据付フランジ径がJIS10K-200A,250A,300A、

3 種類で、撹拌軸径φ50mm~ 80mm以下のタイプが特殊仕様の機種形式を除き、この

取扱説明書の該当説明機種となっています。

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軸受の潤滑油は、グリ-スを使用し軸受ユニット及び軸受カバ-に装着された、グリ-ス

ニップルより充填、補充を行います。

ケ-スのシ-ルはオイルシ-ルが上下カバ-に装着されて、グリ-スの漏洩及び雨水、塵

芥の浸入を防止している構造となっています。

主軸の上部側は減速機出力軸とインサートカップリング又は、筒割カップリングで接合

され減速機と一体化を図り、主軸下部側は撹拌軸との接続用フランジカップリングが

装着され、本体部を構成しています。

本体と各部品及び減速機との接続はすべて嵌合接合で組み立てられる構造となっています。

その他、各機種ともに軸封方式の採用、角座取付等により撹拌機形状及び形態が標準形式

と異なった仕様の場合もあります。

3-3)撹拌軸及び羽根

この部分は接液部と称され、撹拌する液質に対応できる材料を使用し、撹拌機の機構上で

最も重要な部分であります。取り扱いによっては撹拌性能低下及故障の要因となる恐れが

あり、特に取り扱いは注意を要する部分です。

撹拌機本体と撹拌軸の接合方式は主軸及び撹拌軸に装着されたフランジカップリングで

嵌合接続され、この接続方式によって減速機、撹拌機本体と撹拌軸が竪軸に一体で

組立形成されます。

《注意》

撹拌機のフランジカップリングには接続用ボルト・ナット等が附属されます。

撹拌機は振動を伴なう回転機器でありますので、据付時には附属接続ボルト、ナットを使

用し、確実な接合固定を実施してください。

又、運転稼動後 1 週間目及び 1 回/半年程度定期的にボルト・ナットの緩みの有無を

点検し、増し締め等の処置をお願い致します。

撹拌軸の先端、中間部には所定の撹拌羽根が装着されています。

羽根は2段装着の構成を標準として、軸先端と羽根径(d)の1~1 .5dの羽根間距を

保ち、上段の羽根を装着しています。

羽根形状は特殊仕様の場合を除き、基本的に2~4枚ピッチドパドルを採用しており、

装着される羽根形状、羽根径及び羽根設置位置等は撹拌目的、槽形状及び液質に依って各々

異なり最も適応する羽根を選択して装着しています。

羽根径が大きい場合(標準としてφ1001mm以上の場合)羽根部は羽根ボス部と羽根

ブレ-ドにセパレ-トされて、据付作業が容易に行える分離した構造を採用しております。

ライニング仕様の場合は撹拌軸、羽根が一体で形成されており、ライニング施工面は

衝撃に非常に弱く、取り扱い、据え付け作業には特別な注意が必要です。

羽根形状がセパレ-ト方式の場合にこれを接合するためのボルト&ナットの材質は

この部分の防蝕を考慮して、対応しています。

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《注意》

撹拌軸は製作過程で軸曲りには厳密な検査を行い、出荷しています。

機器到着後の仮保管や、据え付け作業及び試運転時の無負荷(空転)運転等による、

軸の曲がりが生じる恐れがある様な状況や作業は絶対避けて下さい。

3-4)その他の項目

標準仕様以外でその他の部品を装着した特殊仕様の部分説明は別途添付説明書を参照して

下さい。(軸封部、槽底軸受等の場合)

4.撹拌機の据付場所

撹拌機の据え付けられる環境は非常に湿気が多く、撹拌目的と液質に依っては、反応時に

発生するガスで腐食、発錆等が生じる等の悪条件下に設置される場合が有ります。

特殊な場合を除き標準的な、撹拌機設置場所として下記の条件内の場所に設置願います。

1)周囲温度 -10℃~40℃以内

2)周囲湿度 80%以下

3)周囲の雰囲気 腐食、爆発性ガスの無いこと

水蒸気の発生が無いこと

塵埃のない換気のよいこと

4-1)据付場所の注意点

1) 据付場所は運転、メンテナスンス及び安全性を考慮して周囲には十分な

スペ-スを確保して下さい。

2)機器の据付場所は、特定の運転管理者以外は立ち入り不可能環境とし、部外

一般者が立ち入り、撹拌機に触れる恐れがある場所は安全確保の設備(安全策、機器

カバ-等)を必ず装着して、安全対策を十分にお願い致します。

3)撹拌機は電気を動力源として駆動されており、比較的湿気の高い場所に設置されて

いる為、感電事故に注意して下さい。

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5.据付要領及び注意点

この撹拌機は、タンク上面の架台に撹拌軸を竪形直立に据え付け、本体取付フランジと

架台を、ボルトを使用し固定、撹拌軸はタンク内に垂直に吊りさげて本体主軸側カップリ

ングと撹拌軸を接合し、軸先端部に撹拌羽根(パドル翼)を1~2段装着します。

1段の場合は軸先端部、2段の羽根の場合は羽根径(d)の大凡1~1 .5dの羽根間距離

をもって装着する事を標準としております。通常ライニング仕様の接液部

(撹拌軸・羽根)を除き、撹拌軸・羽根は分割梱包され出荷致します。

撹拌軸側に羽根固定用座グリ穴又は羽根固定用キーがセットされております。

羽根ボスは軸に沿って挿入し、ねじ穴・キー溝、軸側座グリ穴・キーに合せ羽根固定

セットボルトを使用し確実に固定して下さい。六角ボルト、ロックナット付きの場合は

ボルト締付けと同時にナットにてロックをして下さい。

※ ライニング仕様の撹拌軸、羽根は、一体構造にて製作されています。

撹拌タンクの形状により撹拌機の据付位置が各々異なりますが、最適で標準的な据付位置

はタンク内に邪魔板の設置の有無あるいはタンク形状、運転目的、状況等により

異なった据付位置が必要となります。

タンクの代表的な形状で据付位置を考えてみますと、

タンク形状 据付位置 理 由

角 槽(矩形槽も含む) 中心 槽コ-ナ-部分が邪魔板効果

(バッフルプレ-ト)の役目を果たす為

に各辺に対して出来る限り等間隔の

中心点に撹拌機を据え付ける。

羽根と壁面との距離が各々、余り異なる

と壁面からの吐出反流の違いによる、

軸振れが生ずると恐れがあり撹拌効果も

減退する恐れあります。

円形槽(邪魔板設置) 中心 邪魔板(バッフルプレ-ト)効果により、

最適の乱流域が形成され、撹拌効果が大き

いが消費動力としては若干多く必要とする。

スラリ-濃度、比重が高い液の場合はタン

ク下部の邪魔板部分にスラッジの堆積が

生じる恐れがある為にこの部分には一部

邪魔板は設置しない。

邪魔板幅はタンク径(D)の約1/10D、

枚数は3~4枚の装着が最適である。

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円形槽(邪魔板なし) 偏芯 タンク中心位置より約羽根径(φd)以内

の距離を偏芯させて据え付ける。

(約250mm位迄)

偏芯据付をする事により羽根と同心円の流

れが、壁面距離の違いにより乱流域に

変わり、渦流の発生は減少する。

タンク中心位置に撹拌機を据付けた場合に

撹拌をする事で、吐出流がタンク壁面に

沿って旋回流となり羽根の回転と液の流れ

が円心流となってタンク内を回転して、

乱流が発生せず液自体の遠心力が働き、

タンク自体に搖れを生じ、羽根の吸込み

渦流によるタンク内の液の高低差が激し

く発生し、その反面、乱流域が生じない

為に撹拌効果は、低下し撹拌軸に対して

悪影響を与え、タンク及び撹拌機に振動

が生じる要因となる。

以上がタンク形状に対する撹拌機の標準的な据付方法の一例です。

《注意》

撹拌機据え付け架台は撹拌機が運転された時に発生するスラスト、ラジアル荷重及び

自重に対して十分耐え得る強度を有した架台であり、運転時に生じる撹拌軸の振動を

吸収すると共に、2次振動が生じる恐れのないタンク及び架台であることが撹拌機の

運転を支障なく操作出来る条件となります。

(撹拌機の運転動荷重は静荷重時の3倍以上を有する架台強度が必要となっています)

架台の水平、垂直度は撹拌軸に悪影響があるためにシム、ライナ-等を用いて極力調整を

お願いいたします。

5-1)据付要領

撹拌機の据え付けは、一定の方式はありませんが現場に合った最適な方法で行って下さい。

参考迄に簡単な要領を記載しますが設置の状況に依っては、据付方法が異なります。

1)撹拌機据え付け架台の水平、垂直を調整して、据え付け面の異物や付着物を除去し

清掃する。

2)撹拌軸を吊りあげてタンク内に搬入し、撹拌羽根(羽根ボス部)を軸の固定キ-位置

に合わせて装着する。

(セパレ-ト構造の場合は、羽根ボスを取り付け本体固定後にブレ-ドをセットする)

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3)キ-面には、羽根セット位置に合わせて皿モミ孔が加工され、この位置に合せて

セットボルトを用いて羽根を撹拌軸に完全にセットします。

(羽根の脱落防止のために必ず所定位置に合わせて装着願います、また軸と羽根の

接合はタンク外で行う場合があります)

4)撹拌軸を撹拌機据え付けプレ-トの開孔部を通して吊り上げて、カップリングの

フランジ部と架台プレ-トの間に角材を置き、角材の上にカップリングフランジ部を

利用して撹拌軸を架台上に吊り下げた状態で仮置きします。

(仮置きの為、軸の脱落の恐れがありますから十分注意して作業を行って下さい)

5)撹拌機本体を据付け架台上に吊り上げた状態で保持し、本体カップリングと

撹拌軸のカップリングの間隔を少しあけた状態でセットボルト位置を合わせます。

6)先ず、2本のセットボルトを用いてカップリングの対角線上の 2 箇所にハメアイ

嵌合に十分注意し、ボルトを平均に締めてゆき、カップリングの接合面が完全に

密着した状態まで仮締めをします。

(カップリング円周面は均等に約1mmの溝ができた状態で密着しています)

7)本体を一度吊り上げ、架台上の角材を取り外して、吊り上げた状態で残り、

4本のセットボルトを締めてセットして、更に確認の為にすべてのセットボルトを

増し締めをします。

8)撹拌機の据え付け方向、位置を決定し、本体取付ボルトを用いて架台に撹拌機を

固定する。

9)2)項にて撹拌軸にセットした撹拌羽根(羽根ボス部)がセパレ-ト方式の場合は、

羽根ブレ-ドを羽根ボス部に装着する。

(標準形で羽根径がφ1001mm以上の場合)

各ブレ-ドのプレ-ト上面が水平、高さを維持する様に調整してボルトで固定する。

10)撹拌軸取付後に羽根部に足を掛けたり、撹拌軸に梯子を掛けて軸の曲がりの要因と

なる様な作業は絶対に避けて下さい。

11)据え付け作業完了後、確認の為、再度各部のボルト&ナットの増し締めを行う。

12)手回しにて回転させ、撹拌軸の振れ及び撹拌機がスム-スに回転する事を確認する。

(モ-タ-のフアンカバ-を取り外して冷却扇を手回しする。)

13)タンク内部に作業工具や異物が残って無いことを確認して、試運転のために清水を

タンク内に注水して所定運転液面まで張る。(空転が生じない程度の液面まで)

14)回転方向は撹拌機上側より見て時計回転方向となります。

(本体銘板に表示があります)

《注意》

タンク内に液が所定の位置まであることを確認して撹拌機を運転する。

(回転方向チェックを行う場合、空運転厳禁の形式でタンク内に液が張れない

状況の場合は撹拌軸(シャフト)を取り外して運転する必要があります)

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5-2)据付作業時の注意点

1)機器の吊り上げ時に吊り上げられた機器の下に絶対は入らない様にして下さい。

吊り上げ、運搬時には急激な作業をしないでゆっくり行なって下さい。

2)据付作業時の吊り上げは、所定の吊ベルトを適正な箇所に均等になるよう

に吊り上げて下さい。据付作業は責任者の指示にもとづき、十分に安全を

確認して、確実な作業を行なって下さい。

3)撹拌機は重量物ですから、据え付け、運搬には特に注意をして下さい。

据え付け時に重量に対応した作業をお願い致します。

4)木枠梱包を吊り上げる時は、梱包底部に吊りベルトを掛けて均等に吊り上げられる

様に行ない、吊りベルトを木枠上部の板部に絶対に掛けて吊らないで下さい。

特に吊り上げ時の落下事故が生じない様に注意をお願いいたします。

5-3)運転時の注意点

撹拌機は、運転中に羽根から吐出される流速がタンク壁面や底面に当り、方向の異なる

乱流が発生して、タンク内を液流が循環して撹拌操作行います。

このために羽根からの流速は、一定ではなく乱流域のあるために羽根にあたる衝撃も異な

り、この影響で撹拌軸は常時微動ではありますが振幅しがら回転しております。

羽根は、液中でほぼ均等の負荷抵抗を受けて回転することにより撹拌軸がこの振れを

吸収してバランスを保って安定した運転がなされます。

《警告》

撹拌機は、構造上一部回転部が露出しているために運転中は絶対に

手や物が触れない様にご注意願います。

《注意》

電源結線完了後、回転方向チェックの為に運転される場合はタンク内に液が

所定の最低運転位置まであり、空運転しないことを確認して 運転するか、

撹拌軸を外して運転を行って下さい。

回転方向確認による空運転は、短時間のチェック作業ですが、撹拌軸の軸曲り事故

発生原因として一番多く、負荷運転時に軸振れが発見されて問題となる事が多々

有り、十分注意願います。 (空転可の機種は除く)

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2)空転可能な機種を除き、運転中液面変動を起こし、空転につながる様な運転操作は

禁止と致します。

液面変動液面が低下して羽根面を液が通過する時に羽根面に対して負荷抵抗が

不均一となり、撹拌軸に最大限に負荷がかかります。 この為に羽根がアンバランス

の状態となり、撹拌軸に対して大きな負担がかかり、軸の振れが発生し、液通過時

間の経過とともに軸振れが増大する恐れがあります。

通常運転時の最低液面は上段羽根の上面位置より羽根径(d)の1 .0d以上を

最低必要とします。(空転可の機種は除く)

運転時に発生する吸い込み渦流(ボルテックス)で羽根が大気中に露出する状況は

撹拌軸に対して大きな負担がかかり、危険な運転状態となり、事故の要因に

つながります。

3)減速機は形式により潤滑方式が異なりますが、オイル潤滑方式の減速機に関しては、

必ず運転前に減速機に潤滑油を充填して下さい。

《注意》

原則としてグリ-ス方式を除き、撹拌機出荷時は、潤滑油は総て排出して出荷して

おります。(輸送中潤滑油が機外に漏洩するため)

運転開始時にメ-カ-指定の潤滑油を所定油量だけ必ず充填して下さい。

運転開始時に必要な油量一回分は納入時に撹拌機と一緒に出荷してあります。

《警告》

機器に触る場合は必ず電源を切って運転を停止して行なって下さい。

保守、点検は撹拌機を十分理解され、機能を把握されている特定の

機器管理者か、または監督のもとで行なって下さい。

6.保守点検

撹拌機は、日常の簡単な目視や触感に依る点検事項と、径年摩耗に依る調整及び部品交換

を伴う保守作業があります。

日常の点検、保守は撹拌機が常に正常に運転されて、その運転ライフを延ばす為に

必要な作業です。

特に運転中に次の様な現象が発生した場合は、撹拌機になんらかの異常が生じた状況を

表わしていますので、撹拌機を停止し、早急な対処を願います。

1)通常の運転時と異なった運転音や振動が発生している。

2)軸受け部(ベアリング)やモ-タ-に異常な発熱が発生している。

(許容値 75℃以内)

3)モ-タ-がトリップして撹拌機が停止する。

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6-1)日常に行う点検保守

1)軸受け部の運転音と発熱状態は正常か(65℃以内)

2)モ-タ-の発熱と消費電流値は正常か(75℃以内 定挌電流値以内)

3)減速機部の発熱と運転音は正常か (75℃以内)

4)撹拌状態及び異常な振動発生の有無(正常な時と比較する)

5)軸受け部のベアリングに潤滑グリ-スの補給とグリ-ス漏洩の有無

(グリ-ス銘柄 ダフニ-エポネックス(出光興産) EP-2相当品)

(3カ月に1回位で約20g~30g位グリ-スポンプで注入する)

6)減速機のオイルゲ-ジによる油量の確認と油の汚れ状態

(減速機オイル潤滑方式の場合)

オイルはオイルゲ-ジの上側、赤線以上まで給油する。

(オイル JIS K2219 工業用ギヤ-油2種相当品)

(サイクロ減速機 ボンノックM100,150( JX 日鉱日石エネルギー)相当品)

以上が目視や触感による日常簡単に出来る点検、保守項目です

6-2)日常の点検での問題と簡単な対処

6-2-1)異常音や振動が生じている。

状 況 要 因 対 応

モ-タ-ケ-シングから発生 ベアリング不良 分解交換(経年摩耗による)

モ-タ-冷却ファンから発生 カバ-に接触 ファンカバ-を修正

減速機部から発生 潤滑油の不足 グリ-スまたはオイルの補充

潤滑油の老化 交換(経年摩耗)

メ-カ-の診断を受け対処

本体軸受け部から発生 ベアリング不良 分解交換(経年摩耗による)

短期間に発生 分解して原因を確認

潤滑油の不足 グリ-スの補充

潤滑油の漏洩 オイルシ-ルの径年摩耗、

グリ-スの液化(原因調査)

撹拌機に異常な振動がある 取付不良 固定ボルトを増し締めする

据付位置(点検して検討する)

軸振れに依る 原因を点検し撹拌軸を交換

羽根のバランス 羽根に異物が付着除去

羽根破損(原因を除去後交換)

取付位置が悪い(調整)

その他の異常な状態 2次振動が発生 要因を確認して対応する

架台に問題 補強

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6-2-2)異常な発熱が生じる

状 況 要 因 対 応

モ-タ-部に過熱がある 過負荷運転 負荷要因を除去する(液、羽根)

ベアリング破損 部品交換

絶縁不良 原因点検

減速機部に過熱がある 潤滑油の過不足 油量調整、補充交換

潤滑油の老化 交換

損傷、老化 メ-カ-の診断を受け対処

軸受け部に過熱がある ベアリング不良 部品交換

潤滑油不良 グリ-スの過不足

余分なグリ-ス量を除去、補充

その他の異常な状態 原因不明 状況や内容に応じて対処

6-3)保 守

この撹拌機は軸受部の軸受に潤滑油としてグリ-スの給油が必要です。

潤滑油としてグリ-スが充填されており、使用運転時間により差は有りますが、

定期的に3カ月に一度位の周期でグリース補給を行なって下さい。

減速機がオイル潤滑方式の場合は運転時間での消耗や老化に依る潤滑油の補充、

交換が必要です(減速機メ-カ-の取扱説明書を参照)。

撹拌機の使用される環境が屋外及びタンク上に設置されております関係で発生するガス

や水蒸気に依る悪条件下で運転されており、この面で保守として補修塗装が大切です。

基本的には上記以外では経年消耗による部品交換等の定期補修は必要です。

7.撹拌機の分解及び組立手順

この撹拌機は最適の使用方法と十分な保守を行うことにより、通常においては経年使用に

よる消耗部品の交換以外は通常では、大きなメンテナンス必要ほとんど有りません。

分解する場合は前もって交換する必要部品を準備して、作業を行って下さい。

使用されている消耗部品はほとんど市販されております。

機種、形式の違いはありますが特殊な場合を除き撹拌機の分解、組立に付きましてはほぼ

同じ作業内容となっております。

減速機部につきまして潤滑油等の保守管理以外はメ-カ-の処置判断及びメンテナンスに

委託して行って下さい。

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7-1)分 解 手 順

1)電源操作盤のスイッチを切って、運転停止の表示をする。

2)モ-タ-端子箱より電源ケ-ブルを外す。

(ケ-ブル端子接続に依る回転方向を確認記録しておく)

3) 撹拌機本体固定ボルトを緩めて外し、架台上面よりカップリングのセットボルト

が外せる位置まで仮に吊り上げる。

4)カップリングセットボルトを緩める。接合勘合部に隙間が出来る程度まで緩めて

おき、ボルトのうち2本を残して他のボルトはカップリングから外す。

5)カップリングフランジ面の下側に角材等を置き、本体を吊下げて撹拌軸を角材の

上に仮置きする。(落下防止に十分対処すること)

6)残った2本のカップリングセットボルトをカップリングより外し、撹拌機本体を

吊り上げ取り外す。

7)取り外した本体を作業性の良い平坦で分解中に異物の混入の恐れが無い場所に

適当な架台の上に立て仮置きする。

8)撹拌機本体の分解作業に入るが取り外した部品、ボルト類が紛失しない様に十分

注意する。

9)架台上に仮り置きしてある撹拌軸及び羽根は特に対処する必要のない場合は

カップリング面の錆、異物の除去清掃をして、そのままの状態で仮置きをする。

10)減速機から潤滑油を排出する。(潤滑油を排出してフラッシングする)

(減速機自体に異常がある場合は減速機メ-カ-にメンテナンスを依頼する)

11)減速機と本体主軸の接続用筒割カップリングのセットボルトを外して、

筒割カップリングを主軸及び減速機出力軸から取り外す。

(主軸、出力軸双方に固定キ-があります)

12)減速機固定ボルトを外し、撹拌機本体から減速機を取り外す。(勘合接続に注意)

13)撹拌機本体を逆に立てて(フランジ面が上)置き、カップリング固定ボルトを

緩め平座金(2眼座金)とともに主軸から外す。

カップリング構造は主軸径によって固定ボルトの本数が1~3本と異なっています。

(ボルト本数につきましては図面を参照確認願います)

14)ギャ-プ-ラ-を用いて主軸からカップリングを抜き取り外す。

(固定キ-の装着あり)

15)軸受に印ろう形丸フランジユニット使用し、軸受けにユニット用玉軸受使用

の場合はベアリングセットボルトを取り外す。

軸受ケ-ス(軸受ユニット)固定ボルトを外して撹拌機本体から軸受ケ-ス

(ボックス・ユニット)を主軸と共に取り外す。

(主軸の打痕傷、当り傷が生じない様に注意して作業をする)

※主軸上下方向、ケ-ス取付方向及びカバ-等を分解前に目印、合マ-クを記する。

16)主軸に付着した異物、汚れを除去する。(主軸からベアリングを抜きとる為)

17)軸受ケ-スの上下カバ-セットボルトを外して、主軸から抜き取り、

カバ-に装着されているオイルシ-ルをケ-スカバ-から取り外す。

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18)ケ-スカバ-に付着した汚れ、グリ-スを除去しておく。

19)軸受ケ-スから主軸を抜き取る。

主軸をケ-スから抜く方向は、上下方向性はありません。

ベアリング内輪は主軸にハメアイで装着されているために主軸と共に外れます。

主軸を抜き出す方向のベアリング側の外輪は主軸と一緒に抜けますがケ-ス内径と

公差仕上で組み立ててあるために主軸を抜く場合はケ-スを軽く叩いて抜く。

20)主軸に装着されているベアリングを上下方向にベアリング内輪を叩いて、各々取り

外す。(主軸のスラスト固定用鍔の両サイドに、上下から主軸にベアリングは挿入

されている)

21)軸受ケ-スの内側に残っているベアリング外輪をケ-スより抜き取る。

※ 上記 17)~ 21)項は円錐コロ軸受仕様の特殊軸ケースの分解に関して説明をして

おります。 軸受に印ろう形丸フランジユニット使用タイプは軸受の交換は、

アッセンブリ交換の為、上記作業は不要です。

22)ケ-ス、主軸に付着したグリ-スを除去し、洗浄油等で洗浄し、発生した錆、

汚れを完全に除去する。

23)撹拌機本体、カップリング、その他の再使用する各部品をを洗浄油等で洗浄して

付着した錆、異物及び油等を完全に除去し、補修をする。

(減速機も含めて整備する)

24)分解時に生じた、打痕傷やかえり等の組み立て時に不都合がある箇所は補修して

塗装面の剥離箇所等を補修する。

25)分解した各部品と交換する新しい交換部品と形式、型番等を確認のため、

現物照合を行い確認する。

7-2)組 立 手 順

組立手順は基本的に分解手順の逆の手順で行います。

そのためにこの項は組立時に注意すべき事項のみを記載いたします。

組み立てを開始する前に準備する点はつぎの通りです。

(1)交換部品は完全に揃っているか。

(2)消耗品(グリ-ス、補修塗料、潤滑油等)は準備されているか。

1)撹拌機本体ケ-シングと軸受け部及び減速機関係の位置調整はすべて嵌合構造と

なっており、嵌合箇所が完全に組み立てが行われますと位置調整はする必要は

ありません。

2)撹拌機本体と撹拌軸の接続はフランジカップリングで嵌合構造となっています。

嵌合いは主軸側が凹形、撹拌軸側が凸形で嵌合はH,h公差で機械加工され、主軸と

撹拌軸が一体化された状態で結合されており、組み立て時に双方のフランジ密着面

が完全に密着して嵌合接続していない場合は、撹拌軸が曲がって装着されて、

軸振れが生じる。

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嵌合、密着面をサンドペ-パ-やワイヤ-ブラシで清掃して、

発生した錆や付着物を完全に除去し、接合部や密着面は予め油等を塗布しておく。

3)カップリングは双方完全に接続された状態で外周面に1mmの溝の幅が均等に

形成された状態で正常な組み立てとなります。

4)主軸にベアリングを組み込む作業(挿入方向は固定鍔に対してハの字の形)

※ 円錐コロ軸受仕様の特殊軸ケースの分解に関して説明をしております。

軸受に印ろう形丸フランジユニット使用タイプは軸受の交換は、アッセンブリ交換

の為、以下の作業は不要です。

4-1)主軸にベアリングの内輪をスラスト固定用鍔の両サイドから挿入して、

装着します。

4-2)軸受ケ-スにベアリングの外輪を仮の位置にて片側のみ挿入し、

ケ-スカバ-を完全に取り付けセットします。

4-3)カバ-はケ-スにはめ込み、ボルトでセットしますが片側のみセットした

状態で仮に固定したベアリング外輪の位置を反対側から叩いて

(当てものをして)正常な位置に調整します。

(外輪やケ-ス内に絶対傷を付けないように十分注意して行う)

4-4)ケ-ス内とカバ-のオイルシ-ルにグリ-スを塗布しておきます。

(反対のカバ-のオイルシ-ルも同じ)

4 -5)装着したベアリングのコロ部分にグリ-スを十分塗布し、

軸の上下方向を確認してケ-スに挿入します。

4-6)ベアリング外輪をケ-スに装着して、当てものをして軽く叩き込む。

(主軸を手回しにて回しながら、硬くならない程度まで完全に挿入する)

4-7)ケ-スカバ-をセットするが上記同様にボルトを平均に締めて主軸が

軽く回る程度まで締め込む。

4-8)ケ-ス内の不足したグリ-スをグリ-スニップルより補充する。

4-9)ケ-スカバ-のボルトは平均に締め、主軸を手回しにて軽く回る事。

5)主軸を撹拌機本体に挿入装着する場合には減速機側から主軸を挿入します。

主軸両端部には各々カップリングを挿入取付する時にカップリング面を

直接叩かないでカップリングのセンタ-部分に適当な当てものをして、

何らかの保護をして行う。

6)カップリング固定ボルトの回り止め2眼座金の折返しを忘れずにする。

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7-3)機器分解時の注意点

《警告》

1. 撹拌接液部(羽根、シャフト等)は各種の有害な薬物を含んだ

液中で使用されており、この接液部分に直接触れる場合は危険防止の

為に十分な洗浄等の処置を行なった上で作業をして下さい。

状況によっては人身事故につながる危険性があります。

2. 撹拌使用設置場所は、槽上に設置されており、非常に作業性が

悪い状況下となっており保守、点検時に十分に対処して行なって下さい。

3. 撹拌シャフト及び撹拌羽根の分解撤去の為に槽内に入る必要性が生じた

場合は、槽内の酸素測定を行ない、安全確認をすると共に、槽内の残留

液の除去等の危険防止処置を行なった後、作業を開始して下さい。

(危険の無い状態まで洗浄する)

4. 撹拌機は、電源ケ-ブルをモ-タ-から取り外し、運転されない様に

対処するか、又は電源スイッチを切って、作業中の「運転停止」表示

を確実に行ない、作業中である事を周知徹底させての上で作業を

開始して下さい。

その他の注意点

1)運転時の注意

この形式の撹拌機の機種によっては運転中に空運転可能な機種がありますが、

基本的には空運転、空運転につながる様な、液面変動するような状況下での

運転操作は避けて下さい。

2)異常発生時の注意

撹拌機運転中に、異常音、異常振動及び異常な運転停止等が生じた場合は

すぐ電源を切って下さい。

完全に停止表示等の対処を行なった上で、原因を調べて下さい。

3)保守・点検時の注意

撹拌羽根に液中のスラッジやその他の異物が付着沈積及び巻き付き等が発生した

場合には羽根のアンバランスとなり軸振れ、軸曲りの要因となります。

定期的に槽内の水抜きを行ない、通常行なえない上記点検を行ない付着物の

除去及び洗浄を行なって下さい。

4)初期運転時の注意

減速機潤滑油を運転前に必ず所定油量給油して運転を開始する。

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5)潤滑油脂

この撹拌機に使用されている潤滑油(軸受部、減速機)は下記の通りです

減速機の潤滑油充填量は各減速機枠番により違いは有ります。

減速機取扱説明書を参照下さい。

5-1)軸受ベアリング部給油グリ-ス

ダフニ-エポネックスグリ-ス EP-2(出光製)相当品

5-2)グリース潤滑タイプ減速機(メンテナンスフリ-)

( 1 段減速機枠番 6060~ 6125)

(2段減速機枠番 6060DA~ 6125DA,DB)

BEN10-No.2(日本鉱油。この銘柄以外は使用不可)

5-3)オイル潤滑タイプ減速機

(1段減速機枠番 6130~ 6265)

(2段減速機枠番 6130DA~ 6265DA)

ボンノックM 100&150 相当品

(JIS K2219 工業用ギャ-油 2種相当品)

6)弊社工場へ修理返却時の注意

放射性液体を扱った機器は、適切な処置完了後、返送願います。

薬品の撹拌に使用された機器を修理等のために返送される場合は、付着した薬物類を

完全に除去をして安全な状態で返送願います。

7)不要となった機器・部品処分時の注意

撹拌機及び付属品や交換した部品等は一般ごみとして捨てないで下さい。

部品は特殊な廃棄物であり、注意する必要があります。

8)機器到着時、運転時の注意

撹拌機は輸送中の振動や、運転をしていますと取付ボルト等が緩んでくることが

あります。機器到着時や、運転時に定期的に必要に応じて増し締めをして下さい。

9)撹拌機長期保管時の注意

長期間保管される場合は、防錆対策も必要となってきます。

保管管理に十分留意願います。

撹拌シャフトは平坦な場所に適当な間隔で材木上に横置きし、シャフト上に

他の物を置かないで下さい。(シャフト曲がりの予防)

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9.問い合わせ

撹拌機に問題や疑問点が生じました場合は、お手数でも弊社営業所に

ご連絡願います。

その際、お手数でも下記の点につきまして御確認を頂き連絡頂ければ、十分対応

させて頂きます。

1)撹拌機の形式、製造番号(撹拌機本体部の銘板に記載されている項目)

2)トラブルの内容(判っている事項)

3)貴社との連絡方法および御担当者名

(弊社の撹拌機担当者が連絡さして頂きます)

減速機の取り扱いは、減速機メ-カ-の取扱説明書を参照して取り扱い、保守及び

メンテナンスをお願い致します。

特殊仕様で標準以外に他の付属部品が装着された場合も添付資料を参照して取り扱いを

願います。

尚、本取扱説明書は、標準品について記載しましたが内容につきまして、現物の

撹拌機と一部内容が異なる場合があります。

この点につきましてはお問い合わせ願います。

以上

大阪市淀川区田川北1丁目12番11号

電話 06-6301-3393