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09 電界効果トランジスタ (2) MOS FET (2-1) MOSキャパシタ 電子デバイス工学

電子デバイス工学 - Tatsuru Shirafuji キャパシタの理解 MIS FET の動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを

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Page 1: 電子デバイス工学 - Tatsuru Shirafuji キャパシタの理解 MIS FET の動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを

09 電界効果トランジスタ

(2) MOS FET (2-1) MOSキャパシタ

電子デバイス工学

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金属-絶縁体-半導体 電界効果トランジスタ

Ln-sourceGate

Polysilicon or metal

Gate width, ZOxide

n-drain

p-substrate

n-typesemiconductor

金属 Metal 絶縁体 Insulator 半導体 Semiconductor

MIS FET

Insulator

金属 Metal 酸化物 Oxide 半導体 Semiconductor

MOS FET

半導体としてSiを用い,その酸化物SiO2を絶縁体として用いたものが主流であったため,MOSとも呼ばれる

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p-type body, B

Channel length

Channelregion

Field oxideSilicon dioxide

SiO2SiO2

Metal sourcecontact

S D

Gate, Gn-type polysilicon

Depositedinsulator

n+ n+

p+

}

dox

L

Metal sourcecontact

Source Drain

MOS FETの断面図

どうやって作るか?は,「プロセス技術」の講にて紹介

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VG

GS D

n+ n+

VG

GS D

n+ n+

ID

VD

VG

GS D

n+ n+

ID

VD

MIS FETの基本

コンデンサの片側に電圧を印加すると異符号の電荷がもう片方に誘起されるのと同様に,ゲート電圧を印加すると半導体側に電子が誘起される.

ドレイン電圧を印加すれば,この電子が電流の担い手となってドレイン電流が流れる.ドレイン電圧が低いときは,ドレイン電流はドレイン電圧にほぼ比例する.

ドレイン電圧をある程度大きくするとピンチオフが起こり,ドレイン電流はそれ以上増加しなくなる(ゲート電圧にのみ依存するゲート電圧でドレイン電流を制御=増幅作用).

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MIS キャパシタの理解

MIS FETの動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを理解すること,に相当する.MIS構造は,一種のコンデンサ構造となっている.このコンデンサの半導体側にどのように電荷が誘起されるのかを理解することがMIS FETの動作を理解することにつながる.

COX

Metal

Insulator(Oxide)

Semiconductor

VG<0

yOX

COX

VG=0

yOX

yD

CFBS

CFBS<COX

COX

CD

VG>0

Depletion

yOX

yD

CD<COX

COX

CD

VG>>0

Weak inversion

Depletion

yOX

yD

CD<COX

COX

CI

VG>>>0

Strong inversion

Depletion

yOX

yDMax

CI>>COX

Page 6: 電子デバイス工学 - Tatsuru Shirafuji キャパシタの理解 MIS FET の動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを

MIS キャパシタのVG依存性

MIS

Ca

pa

cit

an

ce COX

CFB Low Freq.

High Freq.

Accumulation Depletion Strong inversion

0Gate voltage

Weak inversion

蓄積領域 空 乏 領 域

強い反転領域 弱 い 反 転 領 域

COX

Metal

Insulator(Oxide)

Semiconductor

VG<0

yOX

COX

VG=0

yOX

yD

CFBS

CFBS<COX

COX

CD

VG>0

Depletion

yOX

yD

CD<COX

COX

CD

VG>>0

Weak inversion

Depletion

yOX

yD

CD<COX

COX

CI

VG>>>0

Strong inversion

Depletion

yOX

yDMax

CI>>COX

Page 7: 電子デバイス工学 - Tatsuru Shirafuji キャパシタの理解 MIS FET の動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを

qΦM

qΦB

qΦS

EF

EC

EV

Ei

金属 絶縁体 p形半導体

エネルギーバンド図で考える

これらを接合するとどうなるか?

注) 金属と半導体の仕事関数は同じと 仮定している. 同じで無い場合は,後ほど....

Page 8: 電子デバイス工学 - Tatsuru Shirafuji キャパシタの理解 MIS FET の動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを

MISキャパシタの VG依存性の概要

(定性的説明)

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各種VGにおけるバンド図

qVG

M I S(p-type)

VG<0Accumulation

ρ

y

yOX

EC

EV

Ei

EFqφF

qφS

y0

QS=Qi∝exp(-qφ/2kT)

qφOX

qφ(y)

VG=0Flat band

ρ

y

yOX

EC

EV

Ei

EFqφF qVG

VG>0Depletion

DepletionLayer

NA

ρ

yyD

qφF

qφOX

yOX

QS=QD=-qNAyD

QM

Ei

EF

EC

EV

qφS

qφ(y)

ρ

y

QDMax=-qNAyDMax

QS=Qi+QDMax

QM

yDMax

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

qVG

VG>>>0Strong Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

yOX

qφSEF

EiqφF

Ei(y)

EC

EV

qφ(y)

qVG

VG>>0Weak Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

ρ

y

yOX

qφSEF

Ei

QD=-qNAyD

QS=Qi+QD

QM

qφF

Ei(y)

yD

EC

EV

qφ(y)

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

Page 10: 電子デバイス工学 - Tatsuru Shirafuji キャパシタの理解 MIS FET の動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを

VG<0の時 蓄積状態

イオン化したアクセプタだけというのは存在しない(空乏層形成せず) p形半導体は,導電率の低い単なる導体として振る舞う. 絶縁物を金属(導体)とp形半導体(導体)ではさんだコンデンサの構造となっている. コンデンサの容量は,絶縁体の厚さと絶縁体の誘電率によって決まる.VG依存無し.

COX = εOXε0 / yOX

MIS

Ca

pa

cit

an

ce COX

CFB Low Freq.

High Freq.

Accumulation Depletion Inversion

0Gate voltage

qVG

M I S(p-type)

VG<0Accumulation

ρ

y

yOX

EC

EV

Ei

EFqφF

qφS

y0

QS=Qi∝exp(-qφ/2kT)

qφOX

qφ(y)

COX

Metal

Insulator(Oxide)

Semiconductor

VG<0

yOX

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COXCFB

on Depletion I

0Gate voltage

VG=0の時 フラットバンド状態

VG=0Flat band

ρ

y

yOX

EC

EV

Ei

EFqφF 空乏近似の場合

実際

p形半導体を完全に導体と見なしてしまう場合には,VG=0の時の容量もCOXとなる. しかし,実際には,少し下がる. 何故?詳細は,後ほど.

COX

VG=0

yOX

yD

CFBS

CFBS<COX

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MIS

Ca

pa

cit

an

ce COX

CFB Low Freq.

High Freq.

Accumulation Depletion Inversion

0Gate voltage

VG>0の時 空乏状態

VG>のときとは逆向きにバンドが曲がるので,界面付近の正孔がいなくなる. イオン化したアクセプタ(負)が残留 空乏層形成=コンデンサCD 空乏層yDが広がる 空乏容量CD=εSε0/yDは減少

絶縁体のコンデンサ(一定)と空乏層のコンデンサ(VG大でCD小)の直列接続 qVG

VG>0Depletion

DepletionLayer

NA

ρ

yyD

qφF

qφOX

yOX

QS=QD=-qNAyD

QM

Ei

EF

EC

EV

qφS

qφ(y)

COX

CD

VG>0

Depletion

yOX

yD

CD<COX

※ CD<COX の場合

合成容量COXCD/(COX+CD)も減少※

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MIS

Ca

pa

cit

an

ce COX

CFB Low Freq.

High Freq.

Accumulation Depletion Inversion

0Gate voltage

VG>>0の時 弱い反転状態

バンドが曲がりが大きくなると,界面付近では,フェルミ準位がバンドギャップの中央より上にくる. 伝導帯の電子密度が増加し始める.

蓄積電荷密度は空乏層のイオン化アクセプタ密度と反転で現れた電子密度の和であるが,まだ,電子密度が少ないため,このときは,まだ,半導体の容量は空乏層容量によって支配されている.

COX

CD

VG>>0

Weak inversion

Depletion

yOX

yD

CD<COX

そのため,VGの増加によって空乏層幅yDは更に増加する.そのため,空乏容量CDが更に減少.

よって,COXとCDの直列合成容量は,VGの増加とともに更に減少する.

qVG

VG>>0Weak Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

ρ

y

yOX

qφSEF

Ei

QD=-qNAyD

QS=Qi+QD

QM

qφF

Ei(y)

yD

EC

EV

qφ(y)

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

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MIS

Ca

pa

cit

an

ce COX

CFB Low Freq.

High Freq.

Accumulation Depletion Inversion

0Gate voltage

VG>>>0の時(低周波) 強い反転状態

バンドが曲がりが大きくなると,界面付近では,フェルミ準位がバンドギャップの中央より上にくる. 伝導帯の電子密度が指数関数的に増加.

蓄積電荷密度QSも指数関数的に増加するため,その微分容量CI=dQS/dVも指数関数的に増加(CI>>COX).

コンデンサの直列接続合成容量は,小さい容量で制限されるため※,合成容量は再びCOXに戻る.

COX

CI

VG>>>0

Strong inversion

Depletion

yOX

yDMax

CI>>COX

ρ

y

QDMax=-qNAyDMax

QS=Qi+QDMax

QM

yDMax

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

qVG

VG>>>0Strong Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

yOX

qφSEF

EiqφF

Ei(y)

EC

EV

qφ(y)

OX

OX

IOX

11

111

CC

CC

C

=

+=

Page 15: 電子デバイス工学 - Tatsuru Shirafuji キャパシタの理解 MIS FET の動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを

VG>>>0の時(高周波) 強い反転状態

MIS

Ca

pa

cit

an

ce COX

CFB Low Freq.

High Freq.

Accumulation Depletion Inversion

0Gate voltage

バンドが曲がりが大きくなると,界面付近では,フェルミ準位がバンドギャップの中央より上にくる. 伝導帯の電子密度が指数関数的に増加.

蓄積電荷密度QSも指数関数的に増加するため,その微分容量CI=dQS/dVも指数関数的に増加(CI>>COX).

ではあるが,このVGにおいて微分容量計測のために用いる微小電圧=dVsin(ωt)の周波数が高いと,反転層内における電子の発生とその再結合による消滅によって決まる電荷密度の増減(dQS)がdVに対して追従しなくなる(dQS/dV~0).

そのため,空乏層容量成分CDのみが寄与することになり,VGを増大しても,再びCOXに戻ることが無い.

具体的な周波数は? SiO2/Si系: 低周波領域=5~100 Hz以下 高周波領域=それ以上

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MISキャパシタの VG依存性の詳細 絶縁体と接する半導体の表面(界面)のフェルミ準位は,印加するVGの符号や大きさによって,バンドギャップの中央よりも「上になったり」「下になったり」する.これにより,界面付近のキャリアの密度が大幅に変わる.これを理論的に解析し,チャネル形成機構を理解する.

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準備 バンドギャップの中央を基準とした

諸量の標記

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)()( ii yEEyq −=ϕ

準備1:Eiを基準とする

反転により供給される電子の密度を求める(ついでに正孔も).その際,反転の判定をする基準となるのが,

「フェルミ準位EFがバンドギャップの中央Eiより下か?,上か?」 なので,反転層解析では,バンドギャップの中央を「真性フェルミ準位(Ei)」と名付け,諸量をEiを基準として式で表す.そして,実際のフェルミ準位EFがEiよりも上か,下かで,その式がどのように変わるかを見ることで,反転状況を解析する.

FiF EEq −=ϕ

Eiを基準としたバンドの曲がり度合い

Eiを基準としたフェルミ準位

φはEiのところをゼロとする.

( ))()( FFi yqEyE ϕϕ −=−

EF, Ei(y), φ(y), φFの間に成り立つ関係式(後で使う)

qVG

VG>>>0Strong Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

yOX

qφSEF

EiqφF

Ei(y)

EC

EV

qφ(y)

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=

i

AF ln

nN

qkTϕ

Eiを基準とした場合,フェルミ準位φFは以下のようになる.

−−==

kTEENNp VF

VAp0 expp形中の熱平衡状態の正孔密度は

p形中のフェルミ準位がEiになっ たとすると,その時の正孔密度は 真性半導体のそれ(ni)であるから,

−−=

kTEENn Vi

Vi exp

これらからNVを消去すれば,

−−=

+−−−=

kTEE

kTEEEE

nN iFViVF

i

A expexp

FFi ϕqEE =− であることから,

=

kTnN F

i

A exp ϕ

=

i

AF ln

nN

qkTϕ

準備2:フェルミ準位

qVG

VG>>>0Strong Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

yOX

qφSEF

EiqφF

Ei(y)

EC

EV

qφ(y)

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準備3:キャリア密度

界面(y=0)におけるキャリアの符号の反転を理論的に解析するために,任意の深さyの場所におけるキャリア密度を,Eiを基準として表すと以下のようになる.

( ) ( )

=

−−=

kTyqnyp

kTyqnyn )(exp)(,)(exp)( F

iF

iϕϕϕϕ

フェルミ準位がEi(バンドギャップの中央)にあるときは,真性領域に相当するので,キャリアの密度は電子・正孔ともに,n=p=niである.実際のフェルミ準位はEiからqφFだけ下がったところにあるため,真性の場合よりも正孔の存在確率が大きく,電子の存在確率が小さくなる.ポテンシャル差qφFによってどれだけ存在確率が増えるか(減るか)を表すのがボルツマン因子であったから,フェルミ準位の位置が

バンドが曲がった領域については,フェルミ準位のバンドギャップ中央からのずれは,以下のようなyの関数となる.

=

−=

kTqnp

kTqnn F

iF

i exp,exp ϕϕ

( ))()( FFi yqEyE ϕϕ −=−

となっている場合の伝導帯の電子と価電子帯の正孔の密度は, FFi ϕqEE =−

従って,このときの伝導帯の電子と価電子帯の正孔の密度は,

( ) ( )

=

−−=

kTyqnyp

kTyqnyn )(exp)(,)(exp)( F

iF

iϕϕϕϕ

qVG

VG>>>0Strong Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

yOX

qφSEF

EiqφF

Ei(y)

EC

EV

qφ(y)

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蓄積状態 (VG<0)

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VG<0(蓄積状態)の解析 (蓄積電荷量)

VG<0の状態では,φS<0であるから,|φS|が増加すると,

( ) ( )

−−=

=kT

qnpkT

qnn FSiS

FSiS exp,exp ϕϕϕϕ

nSは指数関数的に減少,pSは指数関数的に増加

蓄積電荷密度は,ポアソンの式を解き,界面での電界ESを求め,ガウスの定理を適用することにより,以下のように求められる.

−=

kTqqkTpQ2

exp2 Sp00SS

ϕεε

=

kTqnp F

ip0 exp ϕ但し,

即ち,蓄積電荷密度も|φS|の増加とともに,指数関数的に増加する.

導出は次スライドを参照

qVG

M I S(p-type)

VG<0Accumulation

ρ

y

yOX

EC

EV

Ei

EFqφF

qφS

y0

QS=Qi∝exp(-qφ/2kT)

qφOX

qφ(y)

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0S2

2 )(dd

εερϕ y

y−=

−=

−−==

0

)(exp))((exp)()( p0F

i kTyqqp

kTyqqnyqpy

ϕϕϕρ

−−≈

−−=

kTqkTp

kTqkTp

E2

exp2

1exp2 S

0S

p0S

0S

p0S

ϕεε

ϕεε

−=−=

kTqkTpEQ2

exp2 Sp00SS0SS

ϕεεεε

VG<0(蓄積状態)の解析 (蓄積電荷密度の導出)

y=0からφ(y)=0となるyまで

φ(y)=0となるyより外側(電荷中性)

=

kTqnp F

ip0 exp ϕ

dφ/dy を微分方程式の両辺に掛けると,左辺の積分は以下のように変換される.

2S

020000

2

2

21

21d

ddd

ddd

dd

dd

ddd

dd

dd

SSSSS

EEEEyy

yyyy

yyy E

E−=

==

=

= ∫∫∫∫ ϕϕϕ

ϕϕϕϕϕϕ

ここで,E = - dφ/dyを使っており, y=0ではE(0)=ES, φ(y)=0となるyでE(y)=0としている. 左辺については,

−−=

−=

−−=

−− ∫∫ kT

qkTpkTqkTp

kTqqp

yykT

yqqp y S

0S

p00

0S

p00

0S

p00

0S

p0 exp1expdexpddd)(exp

SS

0 ϕεε

ϕεε

ϕϕεε

ϕϕεε ϕ

ϕ

よって,φS<0で,|φS|>>1とすれば,

半導体界面の単位面積にてガウスの定理を適用すれば,界面の蓄積電荷密度(面密度)が次式のように求められる.

∫= dS0SS EQ εε

ガウスの定理

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フラットバンド状態 (VG=0)

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D

0SFBS λ

εε=C

A

0SD qNq

kT εελ =

VG=0(フラットバンド状態)の解析 (フラットバンド容量)

簡単な理論でいけば,電圧ゼロの状態における容量もCOXであるハズ.なぜ実際は,少し下がるのか?

COXCFB

on Depletion I

0Gate voltage

空乏近似の場合

実際

CV測定は,微分容量を測定している.VGなるバイアスを印加しつつ,微小な電圧δVsin(ωt)のような電圧を印加し,C=δQ/δVにて容量を求めている.

この電圧によって正孔が動いたときを考えよう.

マクロに見れば,半導体内は,イオン化アクセプタ(正電荷)密度がNAで正孔(正電荷)密度がpp0=NAとなっており,電荷中性である.

しかし,有る長さより小さいレベルでみると,電圧によって正孔が移動したことによって正孔不在のところがあることに気づく.

このように異符号の荷電粒子の集まりにおいて,電荷中性には見えなくなるような長さを「デバイ長」という(これについては,「固体物性」を参照されたし).

従って,このデバイ長(λD)程度の厚みを持ち,誘電率として半導体の誘電率を持った容量成分が界面に存在する,ということになる.

D

0SD qNq

kT εελ =n形の場合は,

MOS全体の容量は,COXとこのCFBSとの直列容量になるため,VG=0における容量は,簡単な空乏近似の場合に導き出されるCOXよりも若干小さくなる.

OX

0OXOX y

C εε=

D

0SFBS λ

εε=C

OXFBS

OXFBSFB CC

CCC+

=

OXFBS

OXFBSFB CC

CCC+

=

Page 26: 電子デバイス工学 - Tatsuru Shirafuji キャパシタの理解 MIS FET の動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを

λD

マクロに見ても界面の電荷不均一は見えない

拡大すると,微小振幅の低周波電圧を印加したときの界面の電荷不均一が見えてくる.

おおよそデバイ長くらいの厚さの半導体部分が微分容量に効いてくる.

~30 nm

~1

20

nm

48

0 n

m

~1

0 u

m

~30 nm

界面の電荷不均一の様子 (マクロレベル vs. ミクロレベル)

Page 27: 電子デバイス工学 - Tatsuru Shirafuji キャパシタの理解 MIS FET の動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを

デバイ長の具体的数値例

シリコンの格子定数: 0.543 nm シリコン間の距離: 0.3 nm(10個で 3 nm,100個で 30 nm) デバイ長: 数10 nm

デバイ長を30 nmとすれば,シリコン原子数では,100個分.

S. M. Sze and Kwok K. Ng: Physics of Semiconductor Devices 3rd Ed. (2007, Wiley Interscience, New Jersey) p.86.

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空乏状態 (VG>0)

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0S2

2 )(dd

εερϕ y

y−= )0()( DA yyNy ≤≤−=ρ

2

D

2D

0S

A 12

)(

−=

yyyqNy

εεϕ

0)(D

D =−=ydx

dyE ϕ

0)( D =≤ yyϕ 半導体右端GND

空乏層以外 電界ゼロ

VG>0(空乏状態)の解析 (空乏層幅)

φはEiのところをゼロとする.

S)0( ϕϕ ==y 半導体界面電位

ポアソンの式を解き,空乏層幅yDを出す. 蓄積電荷量を計算できる.

2D

0S

AS 2

yqNεε

ϕ =

φ(0)=φSを用いると,空乏層幅yDは,

より, A

S0SD

2qN

y ϕεε=

qVG

VG>0Depletion

DepletionLayer

NA

ρ

yyD

qφF

qφOX

yOX

QS=QD=-qNAyD

QM

Ei

EF

EC

EV

qφS

qφ(y)

Page 30: 電子デバイス工学 - Tatsuru Shirafuji キャパシタの理解 MIS FET の動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを

VG>0(空乏状態)の解析 (界面の電荷量)

A

S0SD

2qN

y ϕεε=空乏層幅は,

空乏層に存在する電荷はイオン化アクセプタ(負電荷)のみと近似できるので,空乏層全体の電荷量は,

qVG

VG>0Depletion

DepletionLayer

NA

ρ

yyD

qφF

qφOX

yOX

QS=QD=-qNAyD

QM

Ei

EF

EC

EV

qφS

qφ(y)

SA0SDAD 2 ϕεε qNyqNQ −=−=

空乏層の容量CDは,空乏層幅yDを用いて,

S

A0S

D

0SD 2ϕ

εεεε qNy

C ==

OX

0OXOX y

C εε=酸化層の容量

COX

CD

VG>0

Depletion

yOX

yD

と直列接続した合成容量は,

OXD

OXD

CCCCC+

=

即ち,φSの増加とともに減少する.

となり,φSの増加に伴い,COXよりも小さくなる.

Page 31: 電子デバイス工学 - Tatsuru Shirafuji キャパシタの理解 MIS FET の動作特性の理解は,ゲート電圧やドレイン電圧によってチャネルがどのように形成されるかを

反転状態 (VG>0, VG>>0)

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( ) ( )

−−=

=kT

qnpkT

qnn FSiS

FSiS exp,exp ϕϕϕϕ

Eiを基準としたエネルギー準位パラメータにて電子と正孔の密度のy軸方向(深さ方向)の依存性は,次式であることを既に導いた(準備3にて).

反転層解析 (界面 y=0 のキャリア密度)

( ) ( )

=

−−=

kTyqnyp

kTyqnyn )(exp)(,)(exp)( F

iF

iϕϕϕϕ

以下では,VGを徐々に増加させていったときに,バンドの曲がりによって生じるq(φS-φF)の符号の正・負(φFよりEiが上か・下か)に分けて,界面に存在するキャリア密度を考察する.

半導体・絶縁体界面(y=0)では,φ(0)=φSとなる.そのときのキャリア密度は,単純にy=0として,

ρ

y

QDMax=-qNAyDMax

QS=Qi+QDMax

QM

yDMax

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

qVG

VG>>>0Strong Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

yOX

qφSEF

EiqφF

Ei(y)

EC

EV

qφ(y)

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=

i

AF ln

nN

qkTϕ

VG=0のフラットバンド状態では,φS=0であるから,

=

−=

kTqnp

kTqnn F

iSF

iS exp,exp ϕϕ

ASA

2i

S , NpNnn ==

( ) ( )

−−=

=kT

qnpkT

qnn FSiS

FSiS exp,exp ϕϕϕϕ

であったことを利用すると,

これは,p形半導体の熱平衡状態のキャリア密度であり,基準をEiにしたからといって答えが変わるわけではないことが確認できる.

フラットバンド状態 φS=0 キャリア密度

SS pn <<

VG=0Flat band

ρ

y

yOX

EC

EV

Ei

EFqφF

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φF>φS>0の場合には,

( ) ( )

−−=

=kT

qnpkT

qnn FSiS

FSiS exp,exp ϕϕϕϕ

であるから,nSとpSの大小関係は,

となる.この状態では,まだ反転は起こっておらず,p形半導体のすべての領域にて,電子の密度よりも,正孔の密度の方が多い. φSが更に大きくなり,φFに到達すると,以下に述べるようにnS=pSの状態(真性半導体の状態)に到達する.

空乏状態 φF > φS > 0 キャリア密度

SS pn <

0FS <−ϕϕ

qVG

VG>0Depletion

DepletionLayer

NA

ρ

yyD

qφF

qφOX

yOX

QS=QD=-qNAyD

QM

Ei

EF

EC

EV

qφS

qφ(y)

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φS=φFの場合には,

真性半導体状態 φS = φF キャリア密度

( ) ( )

−−=

=kT

qnpkT

qnn FSiS

FSiS exp,exp ϕϕϕϕ

となり,界面は,真性半導体と同じ状態になっている.

−=

=

kTnp

kTnn 0exp,0exp iSiS

即ち, iSiS , npnn ==

φS=φFとは,Ei=EF(フェルミ準位がバンドギャップの中央)のことであるから,当たり前と言えば,当たり前の結果ではある.

SS pn =

qVG

VG>0Depletion

DepletionLayer

NA

ρ

yyD

qφF

qφOX

yOX

QS=QD=-qNAyD

QM

Ei

EF

EC

EV

qφS

qφ(y)

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φS>φFの場合には,

弱い反転状態 φS > φF キャリア密度

( ) ( )

−−=

=kT

qnpkT

qnn FSiS

FSiS exp,exp ϕϕϕϕ

0FS >−ϕϕ

であるから,nSとpSの大小関係が反転し,

SS pn >

となる. 即ち,p形半導体中であるにもかかわらず,界面では,正孔密度よりも電子密度の方が多くなるのである.但し,イオン化アクセプタの密度と比べると,まだ小さいため,蓄積電荷密度は,空乏層のイオン化アクセプタの密度で支配されている.そのため,この状態を「弱い反転状態」といっている.

qVG

VG>>0Weak Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

ρ

y

yOX

qφSEF

Ei

QD=-qNAyD

QS=Qi+QD

QM

qφF

Ei(y)

yD

EC

EV

qφ(y)

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

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強い反転状態 φS ≧ 2φF キャリア密度

更にφSが増加すると,

( ) ( )

−−=

=kT

qnpkT

qnn FSiS

FSiS exp,exp ϕϕϕϕ

という状況になる.

nSは指数関数的に増加,pSは指数関数的に減少

特に,φS=2φFの場合には,

−=

=

kTqnp

kTqnn F

iSF

iS exp,exp ϕϕ

A

iSAS ,

NnpNn ==

即ち,

=

i

AF ln

nN

qkTϕ を用いれば,

SS pn >>

となり,p形半導体中なのに,n形半導体のようなキャリア密度となる.これを「強い反転状態」といっている.

ρ

y

QDMax=-qNAyDMax

QS=Qi+QDMax

QM

yDMax

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

qVG

VG>>>0Strong Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

yOX

qφSEF

EiqφF

Ei(y)

EC

EV

qφ(y)

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強い反転状態 (空乏層の状態) φS>2φFでは,金属側の蓄積電荷密度の増分ΔQMに対応する半導体側の蓄積電荷密度の増分は,指数関数的に増加する電子が担うため,ΔQM~ΔQIとなる.従って,空乏層のイオン化アクセプタが担う電荷QDは,φS=2φFで与えられる最大値(QDMax)以上に増えることが無い.

A

F0SDMax

)2(2qN

y ϕεε=

であるから,空乏容量に蓄積される最大値電荷密度は,

FA0SDMaxADMax 22 ϕεε qNyqNQ −=−=

ρ

y

QDMax=-qNAyDMax

QS=Qi+QDMax

QM

yDMax

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

qVG

VG>>>0Strong Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

yOX

qφSEF

EiqφF

Ei(y)

EC

EV

qφ(y)

φS=2φFにおける空乏層幅は,

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NA

ρ

y

ρ

yyD

QS=QD=-qNAyD

QM

y

EEOX

ES

QD=-qNAyD

QS=Qi+QD

QM

y

φVG

φS

-yOXyD

yD

yD

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

y

E

EOXES

y

φ

VG

φS

-yOXyDMax

yDMax

y

E

EOX ES

y

φVG

φS

-yOXyDMax

yDMax

ρ

y

QDMax=-qNAyDMax

QS=Qi+QDMax

QM

yDMax

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

ここだけ増える

こちらは打ち止め

強い反転状態 (空乏層の状態)

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強い反転状態 (反転層の蓄積電荷密度と容量)

−=

kTqkTnQ2

exp2 Sp00SI

ϕεε

反転層の蓄積電荷密度は,蓄積状態の時と同様にポアソンの式から計算することができる.

−=

kTqnn F

ip0 exp ϕ但し,

即ち,蓄積電荷密度はφSの増加とともに,指数関数的に増加する.QI>>QDMaxであるため,反転時の全蓄積電荷密度は,

導出は次スライドを参照

このときの微分容量CI = |dQS/dV|≒|dQI/dV| = |dQI/dφS|は, IDMaxIS QQQQ ≈+=

=

kTq

kTqn

C2

exp2

S2

p00SI

ϕεε

CI>>COXとなるため,合成容量は,

OXIOX

1111CCCC

≈+=OXCC ≈

COX

CI

CI>>COX

ρ

y

QDMax=-qNAyDMax

QS=Qi+QDMax

QM

yDMax

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

qVG

VG>>>0Strong Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

yOX

qφSEF

EiqφF

Ei(y)

EC

EV

qφ(y)

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強い反転状態 (蓄積電荷密度の導出)

0S2

2 )(dd

εερϕ y

y−=

−=

=−=0

)(exp))((exp)()( p0F

i kTyqqn

kTyqqnyqny

ϕϕϕρ

=

kTqkTn

kTqkTn

E2

exp2

1exp2 S

0S

p0S

0S

p0S

ϕεε

ϕεε

−=−=

kTqkTnEQ2

exp2 Sp00SS0SI

ϕεεεε

y=0からφ(y)=0となるyまで

φ(y)=0となるyより外側(電荷中性)

−=

kTqnn F

ip0 exp ϕ

dφ/dy を微分方程式の両辺に掛けると,左辺の積分は以下のように変換される.

ここで,E = - dφ/dyを使っており, y=0ではE(0)=ES, φ(y)=0となるyでE(y)=0としている. 左辺については,

よって,φS>0で,φS>>1とすれば,

半導体界面の単位面積にてガウスの定理を適用すれば,反転層界面の蓄積電荷密度QI(面密度)が次式のように求められる.

∫= dS0SI EQ εε

ガウスの定理

空乏層のイオン化アクセプタ密度は,反転で現れた電子密度よりも十分小さいと仮定

2S

020000

2

2

21

21d

ddd

ddd

dd

dd

ddd

dd

dd

SSSSS

EEEEyy

yyyy

yyy E

E−=

==

=

= ∫∫∫∫ ϕϕϕ

ϕϕϕϕϕϕ

−=

=

=

∫∫ kTqkTn

kTqkTn

kTqqn

yykT

yqqn y S

0S

p00

0S

p00

0S

p00

0S

p0 exp1expdexpddd)(exp

SS

0 ϕεε

ϕεε

ϕϕεε

ϕϕεε ϕ

ϕ

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MOS構造の容量と蓄積電荷密度 (まとめ)

蓄積領域 空乏領域 強い反転領域

弱い反転領域

MIS

Ca

pa

cit

an

ce COX

CFB Low Freq.

High Freq.

Accumulation Depletion Strong inversion

0Gate voltage

Weak inversion

10 –9–0.4 –0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

10 –8

10 –7

10 –6

10 –5

10 –4

∝exp(q|φS|/2kT) ∝exp(qφS/2kT)

accumulation depletion weakinversion

stronginversion

|QS|(

C/c

m2 )

φS (V)

∝φS1/2

QS<0

QS>0

φF

2φF

蓄積領域 空乏領域 強い

反転領域

弱い 反転 領域

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理想MIS構造のしきい値電圧 VTI

反転が始まる半導体表面電位φSは2φFだが,MIS FETの動作を解釈する上では,反転が始まるゲート電圧VGの方が重要.次回のために,それを導いておこう.

VGとφSの関係

qVG

VG>>0Weak Inversion

DepletionLayer

InversionLayer

ρ

y

yOX

qφSEF

Ei

QD=-qNAyD

QS=Qi+QD

QM

qφF

Ei(y)

yD

EC

EV

qφ(y)

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

ゲートに印加された電圧は,強い反転が本格的になるまでは,絶縁膜層と空乏層で分割されている.

OXSG ϕϕ +=V

COX

CD

VG>>0

Weak inversion

Depletion

yOX

yD

CD<COX

φOX

φS

従って,強い反転が開始するφS=2φFにおけるφOXを導き出せば,そのときのVGが閾値電圧VTIとなる.

次のスライド

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理想MIS構造のしきい値電圧 VTI

10 –9–0.4 –0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

10 –8

10 –7

10 –6

10 –5

10 –4

∝exp(q|φS|/2kT) ∝exp(qφS/2kT)

accumulation depletion weakinversion

stronginversion

|QS|(

C/c

m2 )

φS (V)

∝φS1/2

QS<0

QS>0

φF

2φF

空乏状態から反転状態に切り替わるφS=2φFの状態では,表面蓄積電荷密度は,(まだ反転が十分では無いため)空乏層に蓄積されたイオン化アクセプタ密度で支配されている(反転以降はもう増えないが).

FA0S

DMaxIDMaxSM

22)(

ϕεε qNQQQQQ

=

−≈+−=−=

QDMax

従って, φS=2φFにおける蓄積電荷密度は,

ρ

y

QD=-qNAyD

QS=Qi+QD

QM

yD

Qi∝-exp(-qφ/2kT)

従って, φS=2φFにおけるVG=VTIは,

OX

FA0SFTI

222CqN

Vϕεε

ϕ +=

OX

0OXOX y

C εε=

ここで,酸化膜の容量COXは以下の通りである.

OX

MFOXSTI 2

CQV +=+= ϕϕϕ より,

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MOSキャパシタ(まとめ)

OX

FA0SFTI

222CqN

Vϕεε

ϕ +=

反転が起こるゲート電圧(閾値電圧)