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2013 8 回マニフェスト大賞 「優秀成果賞」及び「審査委員会特別賞」受賞 平成 26 年度 Vol.(通算 129 号) 健康寿命をのばす ~健康づくりへの取組~ 平成 26 8月 横浜市会 議会局政策調査課 編集・発行

健康寿命をのばす - Yokohama2018/08/09  · 世界保健機関(WHO)は健康寿命(Healthy Life Expectancy-HALE)を「健康な 状態で生きられる寿命」と説明しています。WHOでは「世界保健統計」において194

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2013第 8回マニフェスト大賞

「優秀成果賞」及び「審査委員会特別賞」受賞

平成 26年度 Vol.2

(通算 129号)

健康寿命をのばす

~健康づくりへの取組~

平成 26 年 8月

横浜市会 議会局政策調査課 編集・発行

1 健康寿命とその背景

(1)健康寿命とは ……P 1

(2)背景

ア 平均寿命・健康寿命の国際比較 ……P 2

イ 日本における健康をとりまく状況 ……P 5

ウ 都道府県別の健康をとりまく状況 ……P12

2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

(1)健康増進法 ……P 18

参 考 医療制度改革大綱 (平成13年11月29日策定) ……P 20

参 考 「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)及び

「日本再興戦略」改訂2014(平成26年6月24日閣議決定)……P 22

(2)二十一世紀における第二次国民健康づくり運動「健康日本21(第2次)」…P 27

コラム スマート・ライフ・プロジェクトについて ……P 36

(3)神奈川県の取組

ア 県民健康づくり運動「かながわ健康プラン21(第2次)」 ……P 38

イ ヘルスケア・ニューフロンティアの推進 ……P 40

3 横浜市の取組

(1)横浜市における健康をとりまく状況 ……P 47

(2)横浜市の取組 ……P 55

ア 「100万人の健康づくり戦略」から「370万人の健康づくり」へ ……P 56

イ 第2期健康横浜21 ……P 58

コラム ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは ……P 66

コラム 健診・検診について ……P 67

ウ よこはま健康アクション ……P 69

現地レポート 元気づくりステーションについて ……P 73

4 他都市・企業の取組

(1)第2回健康寿命をのばそう!アワード 受賞団体の取組

ア 株式会社タニタ

集団健康づくりのパッケージ『タニタの健康プログラム』の展開 ……P 75

イ 広島県呉市 糖尿病性腎症等重症化予防事業/はじめよう!減塩生活 ……P 79

(2)国内の特色ある取組

ア 静岡県「健康寿命日本一に向けたふじのくにの挑戦」 ……P 81

イ 長野県松本市「健康寿命延伸都市・松本」 ……P 85

5 参考図書一覧 ……P 90

目 次

「健康に長生きしたい」とはだれもが願うことではないでしょうか。

平成 26 年6月 24 日に閣議決定された「日本再興戦略 2014 改訂」において、3つのアク

ションプランのうちの「戦略市場創造プラン」のテーマ1として「国民の『健康寿命』の延伸」

が挙げられています。

また、横浜市の「新たな中期計画の基本的方向」においても「370 万人の健康づくり」とし

て、健康寿命日本一を目指すとされ、平成 26 年の秋からは「よこはまウォーキングポイント」

事業が実施される予定です。

本稿では、健康寿命に関する背景や国、県、本市及び他都市等の動向を御紹介します。

1 健康寿命とその背景 (1) 健康寿命とは

人々の健康状態をはかる指標としては平均寿命が代表的な指標とされてきました。しかし、

衛生状態の改善や医療技術の進歩などによって、特に先進国においては、平均寿命の延伸が見

られました。それと同時に心身の機能障害などのために日常生活に支障を抱える人々の増大に

直面しています。1970 年代ごろ生存の「量」だけでなく「質」を反映した指標として「健康

寿命」という概念が提唱され、1990 年代より世界的に普及していきました。

世界保健機関(WHO)の定義

世界保健機関(WHO)は健康寿命(Healthy Life Expectancy-HALE)を「健康な

状態で生きられる寿命」と説明しています。WHOでは「世界保健統計」において 194

か国の健康寿命を独自の方法で算出しています。

厚生労働省「健康日本 21」における定義

厚生労働省の「健康日本 21」(後述)において、健康寿命は「健康上の問題で日常生活

が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。

〈健康に関する法令、計画等の概要図〉

健 康 寿 命 を の ば す ~ 健 康 づ く り へ の 取 組 ~

健康増進法

(平成15 年5月施行)【P18】

スマートライフプロジェクト

(平成23 年~)【P36】

ヘルスケア・ニューフロンティア

の推進【P40】

《 国

《神奈川県》

《横浜市》

新たな中期計画の基本的方向

重点テーマ2 370 万人の健康づくり【P56】

「健康日本21(第二次)」

(平成24 年7月)【P27】

「かながわ健康プラン21(第2次)」

(平成25 年度~)【P38】

≪目標達成を加速するための取組≫ よこはま健康アクション【P69】

「第2期健康横浜21」

(平成25 年度~)【P58】

- 1 -

T21
テキストボックス
1 健康寿命とその背景

(2) 背景

ア 平均寿命・健康寿命等の国際比較

WHOが発行している「世界保健統計 2014」によると、日本は平均寿命では男性が8

位、女性が1位です。健康寿命については男性が3位、女性は1位といずれも上位に位置

しています。

<平均寿命の上位 10 か国(2012 年)〉

男性 女性

順位 国名 平均寿命 順位 国名 平均寿命

1 アイスランド 81.2 1 日本 87.0

2 スイス 80.7 2 スペイン 85.1

3 オーストラリア 80.5 3 スイス 85.1

4 イスラエル 80.2 4 シンガポール 85.1

5 シンガポール 80.2 5 イタリア 85.0

6 ニュージーランド 80.2 6 フランス 84.9

7 イタリア 80.2 7 オーストラリア 84.6

8 日本 80.0 8 韓国 84.6

9 スウェーデン 80.0 9 ルクセンブルグ 84.1

10 ルクセンブルグ 79.7 10 ポルトガル 84.0

※人口が 25 万人以下の国については除いています。 出所:WHO世界保健統計 2014

〈健康寿命の上位 10 位までの国(2012 年)〉

男性 女性

順位 国名 健康寿命 順位 国名 健康寿命

1 シンガポール 74 1 シンガポール 77

2 キプロス 73 日本 77

3 日本 72 3 キプロス 76

アイスランド 72 4 韓国 75

サン マリノ 72 スペイン 75

6 ニュージーランド 71 6 フランス 74

スイス 71 イタリア 74

イタリア 71 オーストラリア 74

オーストラリア 71 スイス 74

カナダ 71 10 スロベニア 73

イスラエル 71 ドイツ 73

スペイン 71 フィンランド 73

スウェーデン 71 アイルランド 73

14 イギリス 70 ギリシア 73

韓国 70 ポルトガル 73

ドイツ 70 カナダ 73

ノルウェイ 70 ニュージーランド 73

ルクセンブルグ 70 スウェーデン 73

マルタ 70 オーストラリア 73

オランダ 70 アイスランド 73

アイルランド 70 ルクセンブルグ 73

イスラエル 73

ベルギー 73

※人口が 25 万人以下の国については除いています。出所:WHO世界保健統計 2014

- 2 -

高齢化率の国際比較

平成 25 年版高齢社会白書(内閣府編)によると、平成 22(2010) 年の世界の総人口は

68 億 9,589 万人であり、72(2060)年には96 億 1,519 万人になると見込まれています。

総人口に占める 65 歳以上の人の割合(高齢化率)は、昭和 25(1950)年の 5.2%から平

成 22(2010)年には 7.6%に上昇していますが、さらに 72(2060)年には 18.3%にまで

上昇するものと見込まれており、今後半世紀で高齢化が急速に進展することになります。

出所:内閣府 平成 25 年版 高齢社会白書

- 3 -

T21
テキストボックス
1 健康寿命とその背景

平成 25 年版高齢社会白書(内閣府編)により、先進諸国の高齢化率を比較してみると、日本

は 1980 年代までは下位、90 年代にはほぼ中位であったが、平成17(2005)年には最も

高い水準となり、世界のどの国もこれまで経験したことのない高齢社会を迎えています。また、

高齢化の速度について、高齢化率が 7%を超えてからその倍の 14%に達するまでの所要年数(倍

化年数)によって比較すると、フランスが 126 年、スウェーデンが85 年、比較的短いドイツ

が 40 年、イギリスが46 年であるのに対し、日本は、昭和 45(1970)年に 7%を超えると、

その 24 年後の平成 6(1994)年には 14%に達しています。このように、日本の高齢化は、

世界に例をみない速度で進行しています。

出所:内閣府 平成 25 年版 高齢社会白書

- 4 -

イ 日本における健康をとりまく状況

平均寿命の推移

日本における平均寿命は、統計のある大正 10~14 年と平成 22 年を比べると男性が

42.1 歳から 79.6 歳へ約 1.9 倍、女性が 43.2 歳から 86.4 歳と2倍に伸びています。

最新である平成 25 年の平均寿命をみると、男性がはじめて 80 歳を超え、過去最高を更

新しました。女性も 86.6 歳となり過去最高を更新し、日本の平均寿命は男性・女性ともに

世界トップクラスになっています。

出所:大正 10 年~平成 22 年:平成 22 年都道府県別生命表

平成 23 年~25 年:平成 25 年簡易生命表の概況

女性

男性

平均寿命の推移

- 5 -

T21
テキストボックス
1 健康寿命とその背景

健康寿命の推移

健康寿命について、平成 13 年と平成 22 年を比べると、男性が 69.40 年から 70.42 年と

1.02 年、女性が 72.65 年から 73.62 年と 0.97 年延びています。

同じ期間の平均寿命の伸長をみてみると、男性が 78.07 年から 79.55 年と 1.48 年、女性

が 84.93 年から 86.30 年へと 1.37 年延びています

出所:厚生労働科学研究費補助金

「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」

女性

男性

- 6 -

高齢化率の推移

日本における高齢化率(総人口に占める 65 歳以上の人口の割合)は、昭和 45 年に高齢化

社会の基準である7%を超え、その後、平成6年には高齢社会である 14%を超えています。

そして、平成 19 年には超高齢社会とされる21%を超え、平成 21 年には 23.02%と人口の

5人に1人以上が 65 歳以上になっています。(横浜市の高齢化率の推移については 53 ペー

ジ参照)

出所:総務省統計局人口推計

(%) 人口と高齢化率の推移

- 7 -

T21
テキストボックス
1 健康寿命とその背景

国民医療費の推移

国民医療費については統計のある昭和 30 年代から右肩上がりに増加しており、平成 23 年

度には 38 兆 5850 億円に上り、国内総生産(GDP)の 8.15%を占め、国民所得に占める

比率は 11.13%に上っています。

出所:厚生労働省 平成23 年度 国民医療費の概況

(%) 国民医療費の推移

- 8 -

年齢階級別医療費

国民医療費を年齢階層別にみてみると、65 歳以上が 55.6%と半数以上を占めています。さ

らに、65 歳以上の内訳をみると、70 歳以上がその 8 割近くを占めています。

出所:厚生労働省 平成23 年度 国民医療費の概況

65歳未満

(44.4%)

65歳以上

(55.6%)

70歳以上

(79.8.%)

- 9 -

T21
テキストボックス
1 健康寿命とその背景

要介護認定者数・介護費の推移

公的介護保険制度が始まった平成 12 年度からの 12 年間で、要介護認定者の数は約 2.4 倍に

なっています。それに伴い、介護費用については 11 年間で約 2.3 倍に増加しています。

※経過的とは、平成18 年4月の介護保険制度の改正時に旧制度の「要支援」の認定有効期間が残っている被保険者。

出所:厚生労働省資料

- 10 -

リスク要因別の関連死亡者数

リスク要因別の関連死亡者数をみると、喫煙が日本人の疾病と死亡の原因として、最大かつ

回避可能な単一の原因になっています。また、リスク要因の上位は喫煙、高血圧、運動不足な

ど生活習慣に関するものが占めています。

出所:「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料 」

厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会・次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会

- 11 -

T21
テキストボックス
1 健康寿命とその背景

ウ 都道府県別の健康をとりまく状況

都道府県別平均寿命比較

平成 22 年都道府県別の平均寿命は、男性が80.88 歳、女性が 87.18 歳で男女とも

長野県が1位になっています。神奈川県は男性が 80.25 歳で5位、女性が 86.63 歳で

15 位と、全国平均を上回っています。

出所:平成22 年都道府県別生命表

- 12 -

都道府県別平均寿命の推移(男性)

昭和 40 年からの平均寿命の推移をみてみると、男性は昭和 50 年までは東京都が1位、平

成7年から直近まで長野県が1位になっています。神奈川県は、昭和 40 年から上位 6 位以内

の位置にあります。

出所:平成22 年都道府県別生命表の概況

都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命

… 全 国 67.74 … 全 国 71.79 … 全 国 74.95 … 全 国 76.70 … 全 国 77.71 … 全 国 78.79 … 全 国 79.59(76.72)

1 東 京 69.84 1 東 京 73.19 1 沖 縄 76.34 1 長 野 78.08 1 長 野 78.90 1 長 野 79.84 1 長 野 80.882 京 都 69.18 2 神奈川 72.95 2 長 野 75.91 2 福 井 77.51 2 福 井 78.55 2 滋 賀 79.60 2 滋 賀 80.583 神奈川 69.05 3 京 都 72.63 3 福 井 75.64 3 熊 本 77.31 3 奈 良 78.36 3 神奈川 79.52 3 福 井 80.474 愛 知 69.00 4 長 野 72.40 4 香 川 75.61 4 沖 縄 77.22 4 熊 本 78.29 4 福 井 79.47 4 熊 本 80.295 岐 阜 68.90 5 愛 知 72.39 5 東 京 75.60 5 静 岡 77.22 5 神奈川 78.24 5 東 京 79.36 5 神奈川 80.25

6 岡 山 68.68 6 静 岡 72.32 6 神奈川 75.59 6 神奈川 77.20 6 滋 賀 78.19 6 静 岡 79.35 6 京 都 80.217 三 重 68.61 7 岡 山 72.25 7 岐 阜 75.53 7 岐 阜 77.17 7 京 都 78.15 7 京 都 79.34 7 奈 良 80.147 広 島 68.61 8 福 井 72.21 8 静 岡 75.48 8 石 川 77.16 8 静 岡 78.15 8 石 川 79.26 8 大 分 80.069 長 野 68.45 9 岐 阜 72.18 9 愛 知 75.44 9 富 山 77.16 9 岐 阜 78.10 9 奈 良 79.25 9 山 形 79.9710 兵 庫 68.29 10 沖 縄 72.15 10 京 都 75.39 10 奈 良 77.14 10 埼 玉 78.05 10 熊 本 79.22 10 静 岡 79.95

11 静 岡 68.21 11 広 島 72.04 11 滋 賀 75.34 11 京 都 77.14 11 千 葉 78.05 11 岡 山 79.22 11 岐 阜 79.9212 大 阪 68.02 12 奈 良 72.00 12 島 根 75.30 12 滋 賀 77.13 12 富 山 78.03 12 富 山 79.07 12 広 島 79.9113 奈 良 67.97 13 千 葉 71.99 13 石 川 75.28 13 香 川 77.12 13 愛 知 78.01 13 広 島 79.06 13 千 葉 79.8814 福 井 67.96 14 香 川 71.91 13 岡 山 75.28 14 岡 山 77.03 14 香 川 77.99 14 愛 知 79.05 14 東 京 79.8215 愛 媛 67.81 15 埼 玉 71.88 15 千 葉 75.27 15 宮 城 77.00 15 東 京 77.98 15 埼 玉 79.05 15 岡 山 79.77

16 島 根 67.77 16 兵 庫 71.82 16 熊 本 75.24 16 山 形 76.99 16 石 川 77.96 16 岐 阜 79.00 16 香 川 79.7317 和歌山 67.75 17 三 重 71.75 17 埼 玉 75.20 17 新 潟 76.98 17 大 分 77.91 17 大 分 78.99 17 愛 知 79.7118 千 葉 67.71 18 山 梨 71.66 18 広 島 75.19 18 群 馬 76.98 18 三 重 77.90 18 千 葉 78.95 18 石 川 79.7119 香 川 67.67 19 石 川 71.63 19 宮 城 75.11 19 埼 玉 76.95 19 山 梨 77.90 19 香 川 78.91 19 富 山 79.7120 山 梨 67.56 20 大 阪 71.60 19 群 馬 75.11 20 東 京 76.91 20 群 馬 77.86 20 三 重 78.90 20 宮 崎 79.70

21 北海道 67.46 21 島 根 71.55 21 山 梨 75.02 21 愛 知 76.90 21 岡 山 77.80 21 山 梨 78.89 21 三 重 79.6822 鹿児島 67.36 22 滋 賀 71.51 22 山 形 74.99 22 島 根 76.90 22 広 島 77.76 22 群 馬 78.78 22 宮 城 79.6523 群 馬 67.34 23 宮 城 71.50 23 三 重 74.87 23 千 葉 76.89 23 宮 城 77.71 23 新 潟 78.75 23 埼 玉 79.6224 福 岡 67.32 24 北海道 71.46 23 奈 良 74.87 24 大 分 76.83 24 山 形 77.69 24 兵 庫 78.72 24 兵 庫 79.5925 山 口 67.30 25 鳥 取 71.42 25 新 潟 74.83 25 山 梨 76.82 25 新 潟 77.66 25 沖 縄 78.64 25 山 梨 79.54

26 宮 城 67.29 26 福 岡 71.41 26 大 分 74.82 26 広 島 76.77 26 沖 縄 77.64 26 宮 崎 78.62 26 島 根 79.5127 埼 玉 67.26 27 熊 本 71.36 27 富 山 74.81 27 三 重 76.76 27 兵 庫 77.57 27 宮 城 78.60 27 新 潟 79.4727 滋 賀 67.26 28 和歌山 71.25 28 愛 媛 74.75 28 北海道 76.56 28 北海道 77.55 28 山 形 78.54 28 徳 島 79.4429 新 潟 67.18 28 愛 媛 71.25 29 北海道 74.50 29 宮 崎 76.53 29 島 根 77.54 29 島 根 78.49 29 群 馬 79.4029 鳥 取 67.18 30 群 馬 71.23 30 兵 庫 74.47 30 福 島 76.47 30 宮 崎 77.42 30 茨 城 78.35 30 沖 縄 79.40

29 熊 本 67.18 31 山 口 71.20 31 山 口 74.45 31 愛 媛 76.43 31 鳥 取 77.39 31 福 岡 78.35 31 福 岡 79.3032 石 川 67.14 32 新 潟 71.14 32 鳥 取 74.40 32 山 口 76.36 32 愛 媛 77.30 32 佐 賀 78.31 32 佐 賀 79.2833 茨 城 66.99 33 富 山 71.11 33 宮 崎 74.39 33 岩 手 76.35 33 長 崎 77.21 33 北海道 78.30 33 鹿児島 79.2134 高 知 66.94 34 佐 賀 71.10 34 福 島 74.38 34 茨 城 76.32 34 福 岡 77.21 34 鳥 取 78.26 34 北海道 79.1735 宮 崎 66.93 35 大 分 71.03 35 栃 木 74.36 35 佐 賀 76.26 35 茨 城 77.20 35 愛 媛 78.25 35 愛 媛 79.13

36 大 分 66.83 36 山 形 70.96 36 茨 城 74.35 36 徳 島 76.21 36 徳 島 77.19 36 大 阪 78.21 36 茨 城 79.0937 富 山 66.70 37 宮 崎 70.75 36 徳 島 74.35 37 高 知 76.18 37 福 島 77.18 37 長 崎 78.13 37 和歌山 79.0738 徳 島 66.69 38 長 崎 70.74 38 佐 賀 74.32 38 長 崎 76.15 38 栃 木 77.14 38 山 口 78.11 38 栃 木 79.0638 佐 賀 66.69 39 福 島 70.71 39 岩 手 74.27 39 鹿児島 76.13 39 岩 手 77.09 39 徳 島 78.09 39 山 口 79.0340 山 形 66.49 39 徳 島 70.71 40 和歌山 74.19 40 福 岡 76.12 40 山 口 77.03 40 栃 木 78.01 40 鳥 取 79.01

41 栃 木 66.47 41 栃 木 70.61 40 福 岡 74.19 41 栃 木 76.12 41 和歌山 77.01 41 和歌山 77.97 41 大 阪 78.9942 福 島 66.46 42 茨 城 70.58 42 秋 田 74.12 42 鳥 取 76.09 42 鹿児島 76.98 42 福 島 77.97 42 高 知 78.9143 長 崎 66.29 43 鹿児島 70.54 43 長 崎 74.09 43 和歌山 76.07 43 大 阪 76.97 43 鹿児島 77.97 43 長 崎 78.8844 岩 手 65.87 44 岩 手 70.27 43 鹿児島 74.09 44 秋 田 75.92 44 佐 賀 76.95 44 高 知 77.93 44 福 島 78.8445 秋 田 65.39 45 高 知 70.20 45 高 知 74.04 45 大 阪 75.90 45 高 知 76.85 45 岩 手 77.81 45 岩 手 78.53

46 青 森 65.32 46 秋 田 70.17 46 大 阪 74.01 46 兵 庫 75.54 46 秋 田 76.81 46 秋 田 77.44 46 秋 田 78.22(76.10)

47 青 森 69.69 47 青 森 73.05 47 青 森 74.71 47 青 森 75.67 47 青 森 76.27 47 青 森 77.28注1:昭和40年には沖縄は含まない。  2:( )内の数値は、阪神・淡路大震災の影響を除去した場合の数値である。

(単位:年)

順位昭和40年 昭和50年 昭和60年 平成7年 平成17年 平成22年

順位 順位 順位 順位 順位 順位平成12年

- 13 -

T21
テキストボックス
1 健康寿命とその背景

都道府県別平均寿命の推移(女性)

女性については平成 17 年までは沖縄県が1位ですが、平成 22 年には長野県が1位になり男

女ともに平均寿命が日本一になっています。神奈川県は、昭和 60 年までは上位に位置していま

したが、平成 7 年に 25 位に転落し、そこから徐々に順位を上げています。

出所:平成22 年都道府県別生命表の概況

都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命 都道府県 平均寿命

… 全 国 72.92 … 全 国 77.01 … 全 国 80.75 … 全 国 83.22 … 全 国 84.62 … 全 国 85.75 … 全 国 86.35(83.26)

1 東 京 74.70 1 沖 縄 78.96 1 沖 縄 83.70 1 沖 縄 85.08 1 沖 縄 86.01 1 沖 縄 86.88 1 長 野 87.182 神奈川 74.08 2 東 京 77.89 2 島 根 81.60 2 熊 本 84.39 2 福 井 85.39 2 島 根 86.57 2 島 根 87.083 静 岡 74.07 3 神奈川 77.85 3 熊 本 81.47 3 島 根 84.03 3 長 野 85.31 3 熊 本 86.54 3 沖 縄 87.024 岡 山 74.03 4 岡 山 77.76 4 静 岡 81.37 4 長 野 83.89 4 熊 本 85.30 4 岡 山 86.49 4 熊 本 86.985 広 島 73.93 5 静 岡 77.64 5 岡 山 81.31 5 富 山 83.86 5 島 根 85.30 5 長 野 86.48 5 新 潟 86.96

6 京 都 73.75 6 島 根 77.53 6 香 川 81.28 6 岡 山 83.81 6 岡 山 85.25 6 石 川 86.46 6 広 島 86.947 愛 知 73.67 7 広 島 77.48 7 神奈川 81.22 7 静 岡 83.70 7 富 山 85.24 7 富 山 86.32 7 福 井 86.948 和歌山 73.57 8 鳥 取 77.45 8 山 口 81.16 8 山 梨 83.67 8 山 梨 85.21 8 鳥 取 86.27 8 岡 山 86.939 兵 庫 73.48 9 福 岡 77.44 9 長 野 81.13 9 広 島 83.66 9 新 潟 85.19 9 新 潟 86.27 9 大 分 86.9110 鳥 取 73.39 10 山 梨 77.43 10 鳥 取 81.11 10 宮 崎 83.66 10 石 川 85.18 10 広 島 86.27 10 富 山 86.75

11 三 重 73.32 11 京 都 77.30 11 東 京 81.09 11 新 潟 83.66 11 宮 崎 85.09 11 福 井 86.25 11 石 川 86.7511 高 知 73.32 12 山 口 77.27 12 福 井 81.01 12 福 井 83.63 12 広 島 85.09 12 山 梨 86.17 12 滋 賀 86.6913 大 阪 73.30 13 兵 庫 77.13 12 愛 媛 81.01 13 大 分 83.61 13 佐 賀 85.07 13 滋 賀 86.17 13 山 梨 86.6513 愛 媛 73.30 14 香 川 77.12 14 高 知 80.97 14 鳥 取 83.59 14 静 岡 84.95 14 宮 崎 86.11 14 京 都 86.6515 千 葉 73.29 15 千 葉 77.07 15 山 梨 80.94 15 山 口 83.57 15 滋 賀 84.92 15 大 分 86.06 15 神奈川 86.63

15 山 梨 73.29 16 宮 城 77.00 15 広 島 80.94 16 高 知 83.57 16 鳥 取 84.91 16 静 岡 86.06 16 宮 崎 86.6117 宮 城 73.19 16 長 野 77.00 15 佐 賀 80.94 17 石 川 83.54 17 香 川 84.85 17 佐 賀 86.04 17 奈 良 86.6018 香 川 73.16 18 愛 媛 76.91 18 福 岡 80.91 18 香 川 83.47 18 北海道 84.84 18 神奈川 86.03 18 佐 賀 86.5819 福 岡 73.11 19 熊 本 76.89 19 石 川 80.89 19 京 都 83.44 19 長 崎 84.81 19 京 都 85.92 19 愛 媛 86.5420 岐 阜 73.03 20 三 重 76.84 20 千 葉 80.88 20 福 岡 83.44 20 京 都 84.81 20 香 川 85.89 20 福 岡 86.48

21 島 根 73.01 21 佐 賀 76.83 21 山 形 80.86 21 佐 賀 83.43 21 奈 良 84.80 21 高 知 85.87 21 高 知 86.4722 山 口 72.98 22 福 井 76.81 21 新 潟 80.86 22 北海道 83.41 22 高 知 84.76 22 長 崎 85.85 22 東 京 86.3923 奈 良 72.89 22 和歌山 76.81 23 宮 崎 80.84 23 岩 手 83.41 23 神奈川 84.74 23 福 岡 85.84 23 宮 城 86.3924 福 井 72.87 24 宮 崎 76.77 24 長 崎 80.81 24 鹿児島 83.36 24 宮 城 84.74 24 奈 良 85.84 24 香 川 86.3425 北海道 72.82 25 新 潟 76.76 25 富 山 80.80 25 神奈川 83.35 25 大 分 84.69 25 北海道 85.78 25 北海道 86.30

26 長 野 72.81 25 奈 良 76.76 26 岩 手 80.69 26 宮 城 83.32 26 鹿児島 84.68 26 宮 城 85.75 26 長 崎 86.3027 鹿児島 72.71 27 北海道 76.74 26 宮 城 80.69 27 愛 媛 83.28 27 福 岡 84.62 27 山 形 85.72 27 鹿児島 86.2828 佐 賀 72.65 28 大 分 76.73 28 京 都 80.68 28 長 崎 83.23 28 山 口 84.61 28 東 京 85.70 28 山 形 86.2829 熊 本 72.60 29 愛 知 76.63 29 埼 玉 80.65 29 山 形 83.23 29 岩 手 84.60 29 鹿児島 85.70 29 岐 阜 86.2630 茨 城 72.52 30 埼 玉 76.61 30 滋 賀 80.63 30 滋 賀 83.20 30 愛 媛 84.57 30 徳 島 85.67 30 三 重 86.25

31 滋 賀 72.48 31 石 川 76.58 31 三 重 80.61 31 千 葉 83.19 31 山 形 84.57 31 愛 媛 85.64 31 愛 知 86.2232 埼 玉 72.45 32 大 阪 76.57 32 大 分 80.58 32 徳 島 83.17 32 千 葉 84.51 32 山 口 85.63 32 静 岡 86.2232 宮 崎 72.45 33 富 山 76.56 33 徳 島 80.56 33 東 京 83.12 33 徳 島 84.49 33 兵 庫 85.62 33 徳 島 86.2134 栃 木 72.44 34 鹿児島 76.53 34 愛 知 80.51 34 群 馬 83.12 34 三 重 84.49 34 三 重 85.58 34 千 葉 86.2035 石 川 72.40 35 青 森 76.50 35 北海道 80.42 35 秋 田 83.12 35 群 馬 84.47 35 岐 阜 85.56 35 兵 庫 86.14

36 群 馬 72.38 35 高 知 76.50 36 兵 庫 80.40 36 三 重 83.02 36 東 京 84.38 36 千 葉 85.49 36 鳥 取 86.0837 新 潟 72.19 37 滋 賀 76.47 37 群 馬 80.39 37 岐 阜 83.00 37 埼 玉 84.34 37 岩 手 85.49 37 山 口 86.0738 徳 島 72.14 38 長 崎 76.46 38 鹿児島 80.34 38 奈 良 82.96 38 兵 庫 84.34 38 群 馬 85.47 38 福 島 86.0539 大 分 72.07 39 群 馬 76.42 39 岐 阜 80.31 39 福 島 82.93 39 岐 阜 84.33 39 福 島 85.45 39 秋 田 85.9340 長 崎 72.06 40 岐 阜 76.41 40 秋 田 80.29 40 埼 玉 82.92 40 秋 田 84.32 40 愛 知 85.40 40 大 阪 85.93

41 福 島 72.04 41 山 形 76.35 41 奈 良 80.27 41 茨 城 82.87 41 和歌山 84.23 41 和歌山 85.34 41 群 馬 85.9141 富 山 72.04 41 福 島 76.35 42 福 島 80.25 42 愛 知 82.80 42 愛 知 84.22 42 埼 玉 85.29 42 埼 玉 85.8843 山 形 71.94 43 栃 木 76.31 43 和歌山 80.13 43 栃 木 82.76 43 福 島 84.21 43 茨 城 85.26 43 岩 手 85.8644 青 森 71.77 44 岩 手 76.20 44 栃 木 79.98 44 和歌山 82.71 44 茨 城 84.21 44 大 阪 85.20 44 茨 城 85.8345 岩 手 71.58 45 茨 城 76.12 45 茨 城 79.97 45 大 阪 82.52 45 栃 木 84.04 45 秋 田 85.19 45 和歌山 85.69

46 秋 田 71.24 46 徳 島 76.00 46 青 森 79.90 46 青 森 82.51 46 大 阪 84.01 46 栃 木 85.03 46 栃 木 85.6647 秋 田 75.86 47 大 阪 79.84 47 兵 庫 81.83 47 青 森 83.69 47 青 森 84.80 47 青 森 85.34

(82.68)注1:昭和40年には沖縄は含まない。  2:( )内の数値は、阪神・淡路大震災の影響を除去した場合の数値である。

(単位:年)

順位昭和40年

順位昭和50年

順位昭和60年

順位平成7年

順位平成12年

順位平成17年

順位平成22年

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都道府県別健康寿命

平成 22 年における都道府県別の健康寿命は、男性では愛知県の71.74 歳、女性は静岡県の

75.32 歳が最長です。神奈川県は男性が 70.90 歳で 12 位、女性は 74.36 歳で 13 位です。

平均寿命と健康寿命の全国平均とを比較すると、男性は 9.17 歳、女性は 12.73 歳の差があ

ります。

出所:厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」

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1 健康寿命とその背景

都道府県別医療費

厚生労働省による医療費の地域差分析によると、神奈川県の一人当たり実績医療費は年間42

万円で 41 番目です。年齢補正後でも 33 位と、全国平均と比べると低い水準になっています。

○医療費の地域差の要因としては(1) 人口の年齢構成、(2) 病床数等医療供給体制、(3) 健康活

動の状況、健康に対する意識、(4) 受診行動、(5) 住民の生活習慣、(6) 医療機関側の診療パ

ターンなど様々である。

○「地域差指数」とは、地域の1人当たり医療費について(1) の人口の年齢構成の相違による分

を補正し、指数化(全国を1)したものである。

出所:厚生労働省 平成23年度 医療費の地域差分析

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出所:厚生労働省 平成23年度 医療費の地域差分析

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1 健康寿命とその背景

2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組 この章では、健康に関する法律である健康増進法について概観し、国や神奈川県の健康づく

りに関する計画や取組について御紹介します。

(1) 健康増進法 (平成 14 年 8 月 2 日法律第 103 号, 最近改正:平成 25 年 6 月 28 日法律第 70 号)

健康増進法は、平成 13 年 11 月に政府・与党社会保障改革協議会において策定され

た「医療制度改革大綱」の法的基盤として平成 14 年に制定、平成15 年に施行されま

した。「国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民

の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向

上を図ること」を目的としています。

健康増進法 (平成14 年8 月2 日法律第103 号)

(最近改正:平成25 年6月28 日法律第70 号)

第一章 総則(第一条―第六条)

第二章 基本方針等(第七条―第九条)

第三章 国民健康・栄養調査等(第十条―第十六条)

第四章 保健指導等(第十七条―第十九条の四)

第五章 特定給食施設等

第一節 特定給食施設における栄養管理(第二十条―第二十四条)

第二節 受動喫煙の防止(第二十五条)

第六章 特別用途表示、栄養表示基準等(第二十六条―第三十三条)

第七章 雑則(第三十四条・第三十五条)

第八章 罰則(第三十六条―第四十条)

附則

健康増進法の概要

第1章 総則

(1)目的

国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、

国民の健康の増進を図るための措置を講じ、国民保健の向上を図る。

(2)責務

① 国民 健康な生活習慣の重要性に対し関心と理解を深め、生涯にわたり、

自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努める。

② 国及び地方公共団体 健康の増進に関する正しい知識の普及、情報の収

集・整理・分析・提供、研究の推進、人材の養成・資質の向上を図る

とともに、関係者に対し、必要な技術的援助を与えることに努める。

③ 健康増進事業実施者(保険者、事業者、市町村、学校等) 健康相談等

国民の健康の増進のための事業を積極的に推進するよう努める。

(3)国、地方公共団体、健康増進事業実施者、医療機関その他の関係者の連携

及び協力

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第2章 基本方針等(「健康日本21」の法制化)

(1)基本方針

国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本方針を厚生労働大臣 が策定。 ① 国民の健康の増進の推進に関する基本的な方向

② 国民の健康の増進の目標に関する事項

③ 都道府県健康増進計画及び市町村健康増進計画の策定に関する基本的事項

④ 国民健康・栄養調査その他の調査・研究に関する基本的事項

⑤ 健康増進事業実施者間の連携及び協力に関する基本的事項

⑥ 食生活、運動、休養、喫煙、飲酒、歯の健康保持その他の生活習慣に

関する正しい知識の普及に関する事項

⑦ その他国民の健康の増進の推進に関する重要事項

(2)都道府県健康増進計画及び市町村健康増進計画(住民の健康の増進の推進 に関する施策についての計画)の策定。

(3)健康診査の実施等に関する指針

生涯を通じた健康自己管理を支援するため、健康増進事業実施者による健

康診査の実施及びその結果の通知、健康手帳の交付その他の措置に関する指針を厚生労働大臣が

策定。

第3章 国民健康・栄養調査等

(1)国民健康・栄養調査を実施(現行の栄養改善法による国民栄養調査を拡充)

(2)生活習慣病の発生状況の把握

国及び地方公共団体は、生活習慣とがん、循環器病その他の生活習慣病と

の相関関係を明らかにするため、生活習慣病の発生状況の把握に努める。

第4章 保健指導等

市町村 栄養改善その他の生活習慣の改善に関する事項についての相談・保

健指導

都道府県等 特に専門的な知識・技術を必要とする栄養指導等の保健指導

(現行の栄養改善法による市町村の栄養相談等及び都道府県等の専門的な

栄養指導等に関する規定を拡充)

第5章 特定給食施設等

(1)特定給食施設における栄養管理(現行の栄養改善法による集団給食施設に

おける栄養管理の規定を引き継ぐとともに、所要の規定を整備)

(2)受動喫煙の防止

学校、官公庁施設等多数の者が利用する施設を管理する者は、受動喫煙を

防止するために必要な措置を講ずるよう努める。

第6章 特別用途表示及び栄養表示基準

現行の栄養改善法による特別用途表示制度及び栄養表示基準制度を引き継

ぐ。

附則

(1)施行期日

公布日(平成14年8月2日)から9月を超えない範囲内で政令で定める

日(平成15年5月1日)

(健康診査の実施等に関する指針に関する規定については、公布の日から

2年を超えない範囲内で政令で定める日)

(2)各法の改正

医療保険各法を改正し、保健事業の適切かつ有効な実施を図るための指針

を定める。

栄養改善法は廃止する。

【厚生労働省/健康増進法の概要について】

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/12/dl/s1202-4g.pdf

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

参考 医療制度改革大綱 (平成 13 年 11 月 29日策定)

医療制度改革大綱は、「医療制度を取り巻く環境は大きく変化しており、将来にわたり、

医療制度を持続可能な制度へと再構築していくために、その構造的な改革が求められてい

る」という基本的視点のもと、政府・与党社会保障改革協議会において策定されました。

医療制度改革大綱(抜粋)

平成13年11月29日

政府・与党社会保障改革協議会

I 医療制度改革の基本的視点と将来方向

我が国で国民皆保険が実現して以来、医療保険制度は、年々整備の進んだ医療提供体制とともに、国民

の「安心」と生活の「安定」を支え、世界最高水準の平均寿命や高い保健医療水準を実現してきた。

しかしながら、急速な高齢化、経済の低迷、医療技術の進歩、国民の意識の変化など、医療制度を取り

巻く環境は大きく変化しており、将来にわたり、医療制度を持続可能な制度へと再構築していくために、

その構造的な改革が求められている。

医療制度改革は、国民生活に直結する重要課題であり、改革の理念・今後の医療制度の目指すべき姿を

明らかにし、国民の理解を得ながら、進めていく必要がある。

特に、我が国の医療保険制度の将来像を考える場合、一元化を含む医療保険制度の在り方、高齢化のピ

ーク時を視野に入れた高齢者医療制度の在り方、医療環境の変化に対応した診療報酬体系の在り方等は、

極めて重要かつ基本的な課題であり、その方向性を明らかにしていく必要がある。

(1) 基本的視点

医療制度改革の中心的課題は、国民皆保険体制やフリーアクセスの原則を堅持しつつ、高齢化の進展等

により増大する老人医療費を深刻に受け止め、保険料、患者負担、公費という限られた財源の中で、将来

とも良質な医療を確保し、持続可能な皆保険制度に再構築していくことができるかである。

このためには、まず、医療費の適正化や医療提供体制の効率化を進めていくことが重要であり、保健医

療システムや診療報酬体系について、全般にわたる基本的な見直しを進めていく。

その上で、持続可能な医療保険制度としていくためには、給付と負担について、公平が図られ、国民の

納得が得られることが重要である。こうした観点から、医療保険制度の在り方、保険料の在り方、患者負

担の在り方、公費の在り方について見直しを進める。

(2) 医療制度の将来方向

1.医療保険制度の一元化等

医療保険制度の一元化を将来の方向とすることは、一つの有力な考え方であり、これについて具体的な

検討を開始し、一定期間内に結論を得ることとする。

まず、一元化に当たっては、被用者保険、国民健康保険、高齢者医療各制度の在り方について国民的合

意を得ることが必要である。

また、その一段階として、被用者保険、国民健康保険それぞれについて、具体的な目標等を示しつつ、

保険者の統合・再編を促進するものとする。

被用者保険については、保険者の自立性・自主性を尊重しつつ、保険者数の集約化を図る。そのため、

保険者に対する大幅な規制緩和等を進める。また、財政事情が厳しい小規模組合の統合等を図る。

国民健康保険については、保険者の規模の拡大を図るため、市町村合併推進の取組みと併せて、広域化

等のための支援措置を講じる。また、国民健康保険の構造的な課題に対し、保険者の財政基盤強化の観点

から、財政支援制度の創設や都道府県単位での保険者間の財政調整の拡充を図る。

2.新しい高齢者医療制度の創設

高齢者医療制度については、高齢化のピーク時を視野に入れて、その基本的性格、財源構成、介護保険

との関係、中心的な論点となっている拠出金の取扱い等について論議を進め、できるだけ速やかに新たな

制度創設の実現を目指す。

この新しい制度は、75歳以上の者を対象とし、高齢者自らが負担能力に応じて保険料の負担をするこ

とを基本としつつ、保険制度間の公平な負担が確保されることを目指す。その際、現役世代の支援と公費

の適切な組み合わせを図るとともに、必要な財源の確保を目指す。また、介護保険スタート後の高齢者医

療制度と介護保険制度の関係の明確化を図る。

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3.診療報酬体系

診療報酬体系については、近年の急速な医療技術の進歩や医療提供体制の変化に十分対応できていな

い、また、現在の体系が施行されて以降、累次の改定を経る中で、過度に複雑になっているといった指摘

もあることから、あるべき医療の姿を踏まえ見直すとともに、医療技術や医療機関の運営コストが適切に

反映されるよう、透明性の高い体系へと見直しを進める。

II 保健医療システムの改革

(1) 健康づくり・疾病予防の推進

健康寿命の延伸、生活の質の向上を実現するため、健康づくりや疾病予防を積極的に推進する。そのため、早急に法的基盤を含め環境整備を進める。

(2) 医療提供体制の改革

医療提供体制については、限られた資源を最も有効に活用できる体制を構築し、情報の開示に基づく患

者の選択を尊重しながら、医療の質の向上と効率化を図り、国民の医療に対する安心と信頼を確保する。

当面、以下のような具体的な施策について、目標、時期、国の講ずべき施策をできる限り明確に示しな

がら、推進する。

電子カルテ・レセプト電算化などの医療の IT 化の推進

電子カルテ等について目標と達成年次を年内に策定し、その実現に向けた支援措置を講じる。

医療に係る広告規制の緩和や国民に対する医療機関情報の提供の推進

医療に係る広告規制の緩和を今年度中に実施するとともに、医療機関情報の提供の充実を図る。

診療ガイドラインの策定などEBM(根拠に基づく医療)の推進

EBM に基づく標準的診療ガイドラインを優先順位に沿って計画的に策定するとともに、早急にデータ

ベースの構築を図る。

医療機関の経営の近代化・効率化のための早期検討

医療機関の経営の近代化・効率化のための方策について、早期に検討を行い、必要な措置を講じる。医

療法人の理事長要件については、今年度内に更に緩和する。

(後略)

【医療制度改革大綱(平成 13 年 11 月 29 日 政府・与党社会保障改革協議会)】

http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2001/1129syakai.html

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

参考 「日本再興戦略」(平成 25 年6月 14 日閣議決定)及び

「日本再興戦略」改訂 2014(平成 26 年6月 24日閣議決定)

1 「日本再興戦略-JAPAN is BACKー」(平成 25 年6月 14 日閣議決定)

平成 25 年 6 月 14 日、日本経済の再生に向けた「3本の矢」のうちの3本目の矢である、

成長戦略、「日本再興戦略-JAPAN is BACKー」が閣議決定されました。

日本再興戦略においては、「日本産業再興プラン」、「戦略市場創造プラン」、「国際展開戦略」

の3つのアクションプランを掲げています。

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3つのアクションプランのうちの「戦略市場創造プラン」のテーマ1として国民の「健康寿命」

の延伸が挙げられています。

「戦略市場創造プラン」テーマ1

2030 年のあるべき姿

① 効果的な予防サービスや健康管理の充実により、健やかに生活し、老いるこ

とができる社会

② 医療関連産業の活性化により、必要な世界最先端の医療等が受けられる社会

③ 病気やけがをしても、良質な医療・介護へのアクセスにより、早く社会に復

帰できる社会

KPIとして以下の3点があげられています。

《KPI》2020 年までに国民の健康寿命を1歳以上延伸

《KPI》2020 年までにメタボ人口を2008 年度比25%減

《KPI》2020 年までに健診受診率(40~74 歳)を80%(特定健診を含む)

※KPI(Key Performance Indicators):重要業績評価指標

社会像 : 予防から治療、早期在宅復帰に至る適正なケアサイクルの確立

戦略分野: 健康増進・予防サービス、生活支援サービス、医薬品・医療機器、高齢者

向け住宅等

市場規模: 国内 26 兆円(2020 年)、 37 兆円(2030 年) Cf. 16 兆円(現在)

海外 311 兆円(2020 年)、525 兆円(2030 年) Cf.163 兆円

雇用規模: 160 万人(2020 年)、223 万人(2030 年) Cf.73 万人

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

〈中短期行程表(抜粋)〉

【首相官邸/成長戦略で、明るい日本に! ≪詳細版≫】

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seicho_senryaku2013.html

【首相官邸/日本再興戦略(本文)】

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/saikou_jpn.pdf

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2 「日本再興戦略」改訂 2014 -未来への挑戦-(平成 26 年6月 24 日閣議決定)

アベノミクス「三本の矢」により始まりつつある経済の好循環を一過性のものに終わらせず、

持続的な成長軌道につなげるべく、平成 26 年 6 月 24 日、「日本再興戦略」改訂 2014 を閣

議決定しました。

今回の改訂では、昨年の成長戦略で残された課題としていた、 労働市場改革、農業の生産性

拡大、医療・介護分野の成長産業化等の分野にフォーカスして、解決の方向性を提示しました。

改訂の基本的考え方

この1年間、「3本の矢」によってもたらされた変化を一過性のものに終わらせず、経済の好循

環を引き続き回転させていく。

そのため、日本の「稼ぐ力=収益力」を強化。同時に、「日本再興戦略」で残された課題(働き

方、医療、農業等)にも対応。

デフレ状況から脱却しつつある今こそがラストチャンス。企業経営者や国民一人一人に、具体的

な行動を促していく。

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

戦略市場創造プラン テーマ1:国民の「健康寿命」の延伸

(1)KPI の主な進捗状況

《KPI》 「2020 年までに国民の健康寿命を1歳以上延伸【男性70.42 歳、女性73.62 歳(2010

年)】」⇒平均寿命について、2012 年:男性 79.94 歳、女性 86.41 歳【男性 79.55

歳、女性86.30 歳(2010 年)】

《KPI》「2020 年までにメタボ人口を2008 年度比25%減【1400 万人(2008 年度)】」

⇒2011 年度:2008 年度比9.7%減

《KPI》「2020 年までに健診受診率(40~74 歳)を80%(特定健診を含む)【67.7%(2010

年)】」 ⇒特定健診受診率について、2011 年度:44.7%【43.2%(2010 年度)】

※KPI(Key Performance Indicators):重要業績評価指標

(2)施策の主な進捗状況

(健康産業に関するグレーゾーン解消を推進)

(一般用医薬品のインターネット販売を実現)

(医療分野の研究開発の司令塔を創設)

(先進医療の評価の迅速化等を推進)

(3)新たに講ずべき具体的施策

①効率的で質の高いサービス提供体制の確立

・非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)の創設 等

②公的保険外のサービス産業の活性化

・個人・保険者・経営者等への健康・予防インセンティブの付与 等

③保険給付対象範囲の整理・検討

・保険外併用療養費制度の拡大 等

④医療介護の ICT 化

・健康・医療分野における ICT 化に係る基盤整備 等

【首相官邸/成長戦略で、明るい日本に! ≪詳細版≫】

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seicho_senryaku2013.html

【首相官邸/「日本再興戦略」改訂2014(本文)】

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/honbun2JP.pdf

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(2)二十一世紀における第二次国民健康づくり対策「健康日本 21(第二次)」

(平成 24 年 7 月 10 日厚生労働大臣告示)

「健康日本 21」は健康増進法7条に基づき「国民の健康の増進の総合的な推進を図る

ための基本的な方針」として厚生労働大臣が定めるものです。概要を御紹介します。

二十一世紀における第二次国民健康づくり対策「健康日本 21(第二次)」の概要

この方針は、21 世紀の我が国において少子高齢化や疾病構造の変化が進む中で、生活習慣及び社会

環境の改善を通じて、子どもから高齢者まで全ての国民が共に支え合いながら希望や生きがいを持ち、

ライフステージ(乳幼児期、青壮年期、高齢期等の人の生涯における各段階をいう。)に応じて、健や

かで心豊かに生活できる活力ある社会を実現し、その結果、社会保障制度が持続可能なものとなるよう、

国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な事項を示し、平成25 年度から平成34 年度ま

での「二十一世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」を推進する。

計画期間

平成25 年度から10 年間

対象

子どもから高齢者まですべての国民

基本的な方向性

1「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」

2「生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底」

3「社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上」

4「健康を支え、守るための社会環境の整備」

5「栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び生

活環境の改善」

目標

前述の5つの基本的な方向性に沿って、計53 項目の目標を設定。

目標設定後5年を目途に中間評価、10 年後に最終評価をおこなう。

〈健康日本21 参考資料(背景)〉

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※NCD((Non-communicable disease):非感染性疾患

※COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease):慢性閉塞性肺疾患

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〈健康日本21 参考資料(概要)〉

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

1.健康寿命の延伸と健康格差の縮小

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2.主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底

3.社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

4.健康を支え、守るための社会環境の整備

5.食生活、運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善

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【厚生労働省/ 健康日本 21(第二次)参考資料スライド集】

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html �

※平成 26 年版厚生労働白書でも、第1部のテーマとして「健康長寿社会の実現に向けて」が

取り上げられています。こちらもあわせてご参照ください。

【厚生労働省/ 平成26年版厚生労働白書 健康長寿社会の実現に向けて~健康・予防元年~】

http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14/

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

コラム スマート・ライフ・プロジェクトについて

スマート・ライフ・プロジェクトとは、「健康寿命をのばそう!」をスローガンに、国民全体が人生の最

後まで元気で健康で楽しく毎日が送れることを目標とした国民運動です。「運動」、「食生活」、「禁煙」の3

分野を中心に、具体的なアクションの呼びかけを、プロジェクトに参画する企業・団体・自治体と協力・

連携をしながら推進するプロジェクトです。

1 背景と経緯

世界有数の長寿国となったわが国が、今後めざすべき方向は、単なる長寿ではなく「健康寿命(=日常

的に介護を必要としないで自立した生活ができる生存期間)」を延ばすことにある。

厚生労働省は、政策の重点を予防へと移し、国民の健康寿命を延ばすため、「健康日本21」の傘下事業

として、主に生活習慣病の予防を目的とした「すこやか生活習慣国民運動」を平成 20 年度から実施し、

「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」を推進してきた。

2 「Smart Life Project」の概要

平成 20 年度から実施してきた、「すこやか生活習慣国民運動」を更に普及、発展させるため、 幅広い

企業連携を主体とした取り組みを、「Smart Life Project」として立ち上げる。

この中で、「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」の取り組みを推進するために、各分野の中で取り組みや

すい象徴的な3つのアクションを設定し、そのネーミングとロゴを作成した。今後、企業・団体と連携し

ながら、統一したメッセージを発信していく。

3 具体的な取り組み

(1)公式WEB サイトの開設

公式 WEB サイトで、連携企業・団体の登録やロゴ、啓発ポスター、ダウンロードツールの提供および

「Smart Life Project」に関する各種情報を提供。

【開設日】平成23 年2月17 日

【URL】http://www.smartlife.go.jp

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(2)ロゴマークの活用促進

連携企業・団体において、社内啓発や企業活動を通じた生活者への啓発活動のために、ロゴマークを活

用。

(3)啓発用ポスターの活用促進

連携企業・団体において、社員向けの啓発のために、タレントの長谷川理恵さんを起用した社内掲出用

ポスターを活用。

(4)「Smart Life Project Week(スマート ライフ プロジェクト ウィーク)」の実施

企業・団体、エリア、メディアと連携し、「Smart Life Project」を啓発するための各種イベント、キャ

ンペーン、 媒体掲出、WEB 発信等を集中的に展開する「Smart Life Project Week」を開催。

(5)連携企業・団体の登録

平成23 年2月17 日(木)から、連携企業・団体の登録を開始。

公式WEB サイトで参加登録応募用紙をダウンロードし、記入・資料添付のうえ、事務局へ郵送。

さらに、平成 24 年度からは「健康寿命をのばそう!アワード」を開催。3つのテーマ(適度な運動・適

切な食生活・禁煙)を中心に、生活習慣病予防・健康増進に資する優れた企業・団体・自治体等を表彰し

ています。(「健康寿命をのばそう!アワード」について、詳しくは第4章をご参照ください。)

【厚生労働省/健康寿命を延ばすための

「Smart Life Project(スマート ライフ プロジェクト)」を開始(平成 23 年2月 17 日)】

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000012r37.html

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

(3)神奈川県の取組

ア 県民健康づくり運動「かながわ健康プラン21(第2次)」

「かながわ健康プラン 21(第二次)」は健康増進法8条に基づき「住民の健康の増

進の推進に関する施策についての基本的な計画」として都道府県が定めるものです。以

下、概要を御紹介します。

二十一世紀における第二次国民健康づくり対策「健康日本 21(第二次)」の概要

今後、神奈川県では、全国を上回るスピードで高齢化が急速に進行することか

ら、健康づくりを推進していく必要があります。

そのため、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間であ

る「健康寿命」を延ばし、誰もが健康で生き生きとした自分らしい生活が送れる

ように、県民一人ひとりの取組みや社会全体の取組みを掲げた「かながわ健康プ

ラン21(第2次)」を策定し、健康づくりを推進してまいります。

計画期間

平成 25 年度から 10 年間

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具体的な目標

(1) 健康寿命の延伸と健康格差の縮小

1 平均寿命の延伸の増加分を上回る健康寿命の延伸をはかる

2 県内の各地域の健康格差の縮小をはかる

こうしたことにより、「健康寿命 日本一」を目指します。

(2)社会全体での取組み

ア 主な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底

イ 社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上

ウ 健康を支え、守るための社会環境の整備

エ 栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、飲酒、喫煙

及び歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善の促進(未病を治す取組み)

(3)個人の取組み目標

「(新)かながわ健康づくり 10 か条」~健康は一日にしてならず~

1 適正体重をキープしよう

2 おいしく、楽しく、きちんと食べよう

3 体を動かそう

4 ぐっすり眠って、休養を取ろう

5 ストレスをためないようにしよう

6 たばこを吸わない・やめよう

7 お酒は自分にあった量を。飲みすぎに注意

8 いつまでもおいしく食べるための歯と口腔づくり

9 若い時から健康や生活習慣をチェックしよう

10 健康づくりのコツは仲間づくり

【神奈川県/県民健康づくり運動について】

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f5895/#naiyo

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

イ ヘルスケア・ニューフロンティアの推進

ヘルスケア・ニューフロンティアとは、超高齢社会の到来という急激な社会変化を乗り切

り、誰もが元気で長生きできる社会を目指す神奈川の新たなプロジェクトです。神奈川県では、

二つのアプローチでこの課題を解決したいと考えています。以下、概要を御紹介します。

ヘルスケア・ニューフロンティアとは

超高齢者社会という課題を解決するための二つのアプローチ

アプローチ① 未病を治す

一つは、未病を治すというアプローチです。心身の状態は、健康か病気かという二つにわ

かれるものではありません。健康と病気の間にはグラデーション(緩やかな変化)の部分が

あります。これが未病という状態で、東洋医学には昔からある考え方です。いつまでも健康

であるためには医食農同源の発想で、日ごろの生活習慣から未病を治していく必要があるの

です。

アプローチ② 最先端医療・最新技術の追求

もう一つは、最先端医療や最新技術の追求というアプローチです。iPS 細胞に代表されるよ

うに、日本には世界をリードする基礎研究が多くあります。これを革新的な医療として実用化

し、産業として育てます。その中心となるのが「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総

合特区」や「さがみロボット産業特区」です。

国家戦略特区の活用

また、国家戦略特区を活用し、この二つのアプローチを融合することにより、個別化医療を

実現し、健康寿命を延ばし、誰もが元気で長生きできる社会を目指します。また、最先端の医

療の分野を切り拓き、未病産業や最先端医療関連産業など新しいビジネスモデルを生み出して

世界に発信します。

【神奈川県/ヘルスケア・ニューフロンティアとは】

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/p795742.html

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以下、神奈川県のヘルスケア・ニューフロンティアの具体的な取組を御紹介します。

アプローチ① 未病を治す

神奈川県では平成 26 年1月 8 日に「未病を治すかながわ宣言」を発表し、これに基づいて、「未

病を治す」取組みをおこなっています。

未病を治すかながわ宣言

全国有数の速さで超高齢社会が進展する神奈川。今のままでは、医療や介護をはじめ今

の社会システムが早晩持ちこたえられなくなるのは明らかです。

そうならないために今、私たちがなすべきは、健康寿命を伸ばし、高齢になっても誰も

が生き生きと健康に暮らし、長生きして幸せだったという社会を実現することです。

最近の研究では、生活習慣病や要介護状態(虚弱化とも言われています)になる過程が

解明され、それを未然に防ぐ方法も明らかになってきています。

そのため、神奈川県は、特定の疾患の予防・治療に止まらず、心身の状態を整え改善す

る「未病を治す」取組みを進めることとしました。

これは、食や運動、社会参加など、ライフスタイルの見直しにより、人々の健康を維持

しより良い状態にしていこうとするものです。

神奈川県は、健康寿命日本一を目指し、広く、この宣言への賛同と参画を呼びかけます。

平成 26 年1月 8 日

神奈川県知事 黒岩 祐治

【神奈川県/未病を治すかながわ宣言】

http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/681815.pdf

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

「未病を治すかながわ宣言協力活動登録制度」

1 制度の趣旨・目的

未病を治すかながわ宣言協力活動登録制度は、平成 26 年1月8日に発表した「未

病を治すかながわ宣言」に基づき、「未病を治す」取組みを企業や団体など、幅広い

主体の方々と共に進めるために創設された制度です。

「未病を治すかながわ宣言」の趣旨に賛同していただいた企業・団体等の「未病

を治す」活動を、「未病を治すかながわ宣言協力活動」として登録し、広くお知らせ

することにより、県民の皆さんが、身近な場所で「未病を治す」ことに関する情報

が入手できたり、「未病を治す」取組みを体験できるようにすることを目的としてい

ます。

なお、本制度は、企業・団体等が行う「未病を治すかながわ宣言」に協力する

活動を県において登録するもので、県が企業・団体等に対し一定の評価を与え、保

証又は推奨するものではありません。

2 登録対象

規模や業種は問わず、趣旨に賛同する企業・団体等の活動を幅広く対象とし募集

します。

「未病を治すかながわ宣言協力活動」とは、例えば、次のような活動を想定して

います。

「食」の取組み

〇 県が開発した医食農同源メニューの提供

〇 メニューへの栄養成分表示(エネルギー、脂質、食塩など)

「運動」の取組み

〇 ウォーキング等健康イベントの開催

〇 フィットネス無料体験イベント等の定期開催

〇 チャレンジデーへの協賛、協力

「社会参加」の取組み

〇 地域活動情報の提供、活動の紹介

〇 高齢者の食事会等、ふれあいイベントの開催

「未病の見える化」「癒し」など、様々な取組み

〇 健康機器体験コーナーの設置、健康チェック・健康相談の実施

〇 情報誌等への「未病を治す」必要性を周知する記事の掲載

3 登録団体等の責務

活動を登録した団体等には、次の事項についてご協力いただきます。

〇店頭等への「未病を治すかながわ宣言協力活動」を行っていることの表示

〇県や市町村が提供する健康づくりに関する情報の発信

〇特定健診やがん検診等の受信促進への協力

また、上記活動の内容について、年に一度県に報告していただきます。

【神奈川県/未病を治すかながわ宣言協力活動登録制度】

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f480290/p754591.html

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アプローチ② 最先端医療・最新技術の追求

「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」

健康・未病産業と最先端医療関連産業の創出による経済成長プラン

~ヘルスケア・ニューフロンティアの実現に向けて~ (国家戦略特区)

神奈川県・横浜市・川崎市は共同で、平成 23 年 12 月に国際戦略総合特区の指定を受け、

京浜臨海部の強みを活かしたライフイノベーションを推進しています。

こうした中、国から「日本経済を停滞から再生に導く」ことを目的とした国家戦略特区の

提案募集があり、平成25 年9月に、3団体が共同して「健康・未病産業と最先端医療関連

産業の創出による経済成長プラン~ヘルスケア・ニューフロンティアの実現に向けて~」を

提出したところです。

その後、国においては、国家戦略特別区域法を制定し、国家戦略特別区域基本方針の策定

を行うなど、国家戦略特別区域の指定に向けた検討を進めてきました。

平成 26 年3月 28 日、内閣総理大臣を議長とする第4回国家戦略特別区域諮問会議が開

催され、東京都・神奈川県の全部又は一部など※を国家戦略特別区域とする区域案が発表さ

れました。

※指定範囲については、全部又は一部のどちらとするかを含め、今後、関係地方公共団体の意見を聴

いて、政令により定められます。

1 目標

規制緩和等を通じて健康・医療市場のビジネス環境を整備し、革新的な新規ビジネス

モデルを確立する。これにより、民間主導で健康・未病関連の新市場・新産業を創出し、

国内需要の喚起、成功モデルの海外展開など、経済成長を牽引する好循環モデルを実現

する。さらに、ナノテクノロジーやものづくり技術等の活用により、世界に先駆けて高

付加価値製品を実用化することで、日本経済の再生を実現する。

2 重点的に取り組む施策

(1)健康・未病産業の創出

超高齢社会においては、医療ニーズの拡大や医療コストの増加が懸念されているこ

とから、健康の維持・増進に向けた取組みや治療が難しい疾患の早期診断技術の確立、

日常生活や身近な場所における健康情報の収集・分析・提供などを通じ、健康・未病

産業を創出する。

(2)最先端医療関連産業の創出

最先端医療の研究・開発を進める大学、研究機関と京浜工業地帯を核とした高度な

ものづくり企業が双方の強みを最大限活かして、これまでにない高付加価値型の医薬

品・医療機器の実用化を図ることなどにより、最先端医療関連産業を創出する。

(3)イノベーションを生み出す基盤構築

国内外の人材・情報の交流の場の整備や、国際的医療人材の養成、ベンチャー企業

等への資金供給の拡大、大規模情報システムの導入促進などにより、イノベーション

を生み出す基盤を構築する。

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

3 規制緩和に期待する効果と求める主な項目

(1)健康・未病産業など、新たな産業創出が期待できる項目

・機能性食品の機能性表示認証の緩和

・個人の健康・医療情報活用のためのルールの早期整備 等

(2)ドラッグラグ・デバイスラグの解消など、医薬品・医療機器の早期の市場展開が期待

できる項目

・再生・細胞医療の薬事承認制度の規制緩和

・臨床試験に係る手続きの簡素化及び第Ⅱ相、Ⅲ相臨床試験の新たな専用病床制度の創

設 等

(3)高度な研究開発の促進が期待できる項目

・外国人医療人材の国内での医療従事緩和

・優秀な外国人人材等の出入国管理上の優遇措置の拡大 等

【参考:①プロジェクト別の主な事業内容】

Ⅰ 健康・未病産業の創出

Ⅱ 最先端医療産業の創出

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Ⅲ イノベーションを生み出す基盤構築

【参考:②国家戦略特区の概要】

・本年6月に閣議決定された「日本再興戦略」において位置づけられた国家戦略特区は、

国家戦略としてふさわしいプロジェクトを推進することにより、「民間投資の喚起によ

り日本経済を停滞から再生へ」導くことを目的としています。

・提案は「国家戦略ワーキンググループ」によるヒアリングを経て、内閣総理大臣を長

として設置される「国家戦略特区諮問会議」において 10 月中旬に決定される予定で

す。

【神奈川県/国家戦略特区 健康・未病産業と最先端医療関連産業の創出による

経済成長プラン~ヘルスケア・ニューフロンティアの実現に向けて~】

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/p730177.html

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2 健康増進法及び国と神奈川県の計画・取組

アプローチ② 最先端医療・最新技術の追求

「さがみロボット産業特区」

神奈川県では、「さがみロボット産業特区」の取組によって、生活支援ロボットの実用化・

普及を通じた地域の安全・安心の実現を目指しています。

「さがみロボット産業特区 -ロボットで支える県民のいのち-」の概要

特区制度を活用し、生活支援ロボットの実用化や普及を促進するとともに、関連企業の集

積を進めます。

生活支援ロボットの実用化・普及を通じて、高齢化社会における介護負担の増加や災害時

の捜索など、県民が直面する課題を解決し、県民生活の安全・安心の実現と地域経済の活

性化を図ります。

ロボット体験施設が続々オープン!

住宅メーカーや開発事業者の協力で、県民の皆様が生活仕様の空間の中において、生活

支援ロボットを体験できる施設をオープンいたしました。

これらの施設は、住宅展示場内のモデルハウスや実際に開発・販売されている住宅・街区

に生活支援ロボットを設置し、身近に触れたり動かしたりできるロボットのショールーム

です。

厚木会場:厚木住宅公園 (所在地 厚木市妻田西 1-9-28)

相模原会場:相模原住宅公園(所在地 相模原市中央区向陽町 1-17)

長津田会場:サンクタスシティ長津田みなみ台カーサ販売センター付近

(所在地 横浜市緑区長津田みなみ台二丁目 12-20 他)

【神奈川県/さがみロボット産業特区】

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/p730177.html

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3 横浜市の取組 この章では横浜市における健康をとりまく状況と横浜市の取組を御紹介します。

(1)横浜市における健康をとりまく状況

政令市 平均寿命

平成 22 年の市町村別生命表によると、政令市の中で横浜市民の平均寿命は男性が 80.3

歳で5番目、女性が 86.8 歳で7番目になっています。

出所:厚生労働省市区町村別生命表(平成 22 年)

(年)

(年)

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3 横浜市の取組

政令市 健康寿命と日常生活に制限のある期間の平均

平成 22 年の健康寿命について政令市別でみると横浜市民は男性が 70.93 歳で6番目、

女性が 74.14 歳で5番目に位置しています。平均寿命と健康寿命の差である「日常生活に

制限のある期間の平均」は横浜市の男性が 9.50 年、女性が 12.81 年と女性の方が長くな

っています。

※平成22 年の調査のため、熊本市は含まれていません。

出所:厚生労働科学研究費補助金分担研究報告書「健康寿命の指標化に関する研究」

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政令市 老齢人口比率・介護保険の状況

横浜市の老齢人口比率は政令市では6番目に低くなっています。介護保険の1号被保険者

数は政令市で最も多いですが、要介護認定審査判定件数は大阪市に次いで2番目の件数です。

単位 % 人 人 人 人 件 %

札幌市 22.1 122,840 100,304 200,943 424,087 75,033 17.7

仙台市 20.0 58,932 49,123 98,817 206,872 38,848 18.8

さいたま市 20.4 76,873 66,461 110,370 253,704 36,863 14.5

千葉市 22.1 65,453 57,637 88,831 958,161 31,804 15.0

川崎市 17.8 74,448 63,678 115,779 253,905 44,081 17.4

横浜市 21.3 224,480 198,723 363,925 787,128 128,207 16.2

相模原市 21.2 47,634 41,593 61,161 150,388 21,719 14.5

新潟市 24.7 52,477 44,710 101,520 198,707 35,299 17.8

静岡市 25.9 49,988 45,511 90,791 186,290 28,799 15.5

浜松市 23.6 51,154 44,872 96,145 192,171 30,918 16.1

名古屋市 22.6 139,478 124,729 239,574 503,781 88,212 17.5

京都市 25.1 101,853 90,143 176,666 1,470,742 67,018 19.0

大阪市 24.0 175,614 162,315 305,303 643,232 152,245 24.4

堺市 24.0 60,796 54,617 88,727 204,140 45,101 22.1

神戸市 24.2 103,535 90,404 180,981 374,920 79,292 21.1

岡山市 22.9 44,804 36,482 79,570 160,856 33,319 20.7

広島市 21.4 75,808 61,032 115,778 252,618 46,510 18.4

北九州市 26.2 66,242 61,160 129,913 257,315 58,502 22.7

福岡市 18.5 77,773 64,212 128,200 1,459,411 52,793 19.5

熊本市 22.1 42,139 35,336 84,305 161,780 34,668 21.4

注記のないものについては平成25年4月1日現在※仙台市:(1)ウ 保険料徴収率は、平成24年度のデータ。※さいたま市:(1)ア 平成25年3月末のデータ。 (1)ウ 平成24年度決算値のデータ。※千葉市:(1)ア 平成25年3月末のデータ。 (1)イ 第5期計画基準額のデータ。 (1)ウ 現年分のみで算定。※相模原市:(1)ア、(2) については、平成25年3月末時点のデータ。※名古屋市: (1)ウ、(2)平成24年度データ。※堺市:(1) ア、ウは、平成25年3月31日現在※広島市:(1)ア被保険者数は平成25年3月末の数値であり、ウ 保険料徴収率は平成24年度現年分の数値。※福岡市:(1)、(2)については、平成24年度末データ。

要介護認定審

査判定件数

/被保険者数

区分

(1)第1号被保険者

ア 被保険者数イ 保険料

(年額:基準額)

ウ 保険料

徴収率

人 円 %

423,048 55,873 98.3

207,085 61,700 98.4

253,427 58,559 96.1

211,376 58,644 98.3

253,585 60,173 98.3

788,968 60,000 95.9

150,292 59,400 98.3

198,559 71,400 97.7

186,100 60,000 97.0

192,171 60,600 98.9

502,768 65,280 98.8

352,028 65,280 98.3

624,254 70,764 97.3

204,213 64,190 98.1

374,966 62,406 98.3

160,995 66,240 96.8

252,502 66,448 98.6

257,682 63,240 98.0

270,241 64,344 98.0

(2)要介護認

定審査判定

件数

161,772 63,360 94.6

(1)老年人口

比率65歳~69歳 70歳~74歳 75歳~ 総数

出所:平成24年度決算編 指定都市基本施策比較検討調

- 49 -

T21
テキストボックス
3 横浜市の取組

横浜市における平均寿命・健康寿命の推移

横浜市における健康寿命について、16 年と 22 年を比べると、男性は 69.66 年から

70.93 年へと 1.27 年、女性は 71.17 年から 74.14 年へと 2.97 年延びています。同期

間の平均寿命の延びをみると、男性は 1.16 年、女性は 1.45 年延びており、健康寿命の増

加分が平均寿命の増加分よりも大きい結果でした。

※算出方法が異なるため、厚生労働省市区町村別生命表の数値とは一致しない。

- 50 -

出所:第2期健康横浜21計画書及びよこはま健康アクション Stage1 パンフレットより

(国民生活基礎調査を基礎データとし算出)

- 51 -

T21
テキストボックス
3 横浜市の取組

行政区別平均寿命

平成 22 年の市町村別生命表によると、男性では都筑区が最も高く青葉区、港南区が続い

ています。女性は青葉区が最も高く、次いで緑区、泉区となっています。平均寿命のもっと

も高い区と低い区の差は男性が 5.0 年、女性が2.4 年となっています。

出所:厚生労働省市区町村別生命表(H22)

- 52 -

横浜市における人口と高齢化率の推移

横浜市における人口は統計のある昭和 22 年から右肩上がりに増加しています。高齢化率

は全国平均よりはやや低い値になっていますが、年々増加しています。

出所:横浜市統計ポータルサイト「人口動態と年齢別人口」

- 53 -

T21
テキストボックス
3 横浜市の取組

横浜市における人口と高齢化率の将来推計

横浜市の将来人口推計をみると、人口については平成 32 年から減少に転じる予測です。

高齢化率は平成 31 年に 25.0%と4人に1人が高齢者になり、平成 47 年には 30.4%と約

3人に1人が高齢者になる予測がされています。

出所:横浜市将来人口推計

- 54 -

(2)横浜市の取組

「第 2 期健康横浜 21 」を加速させ、活力ある横浜を築くため、企業や地域等と連携した

都市型の健康づくりモデルを創出し、オール横浜で「健康寿命日本一」を目指します。

健康寿命日本一実現のための推進施策 体系図

■市民の健康づくり推進事業

◎健康横浜21推進事業

「食生活」「運動」「歯・口腔」「喫煙・飲酒」「休養・こころ」「がん検診の普及」「特定健診の普及」の7分野の取組

◎地域人材育成・活動支援支援

保健活動推進員、食生活等改善推進員等、町ぐるみ支援事業

■食育推進事業

・食育の普及・啓発(食育プロモーションの展開、食育イベントの開催)

・推進組織「横浜市食育フォーラム」

重点テーマ2 370万人の健康づくり【ねらい:370万、民と12万事業所で「健康寿命日本一」を実現する】

■よこはま健康スタイル推進事業

・ウォーキングポイント

・健康スタンプラリー

・シニアボランティアポイント■地域におけるシニアパワー発揮推進事業

■ロコモ啓発事業

新たな

中期計画

(基本的

方向)

寿

歩く等健康行動

の誘発

取組テーマ①

生活習慣の改善

取組テーマ②

生活習慣の重症化予防

■特定検診事業

・受診勧奨

・特定保健指導事業

食育の推進【中期】

●よこはま保健医療プラン ●横浜市食育推進計画 ●横浜市地域福祉保健計画

●横浜市高齢者保健福祉計画・介護事業計画 ●横浜市国民健康保険特定検診等実施計画

・普及・啓発の講演会等開催

・定期健康診断の受診勧奨

・事業所における健康相談・保健指導

の充実

■ヘルスデータ活用事業

■健康キャラバン事業■健康経営企業応援事業

■企業と協働する市民の健康づくり ■よこはまウェルネスプロモーション

■疾病に重症化予防事業

■生活保護受給者等の

健康支援事業

医療費等抑制対策

◎かがやけ横浜こども青少年プラン後期計画 <こども青少年局>◎体力アップよこはま2020プラン◎学校における食育推進計画 <教育委員会>◎横浜市スポーツ推進計画 <市民局>(市民局)

(教育委員会)

~活力ある横浜を創る健康づくり~・健康医療情報の活用

・生活困窮者等への健康向上に向けた支援

・民間企業等との連携による健康関連サービス創出

・健康生きがいづくり

~シニアパワーの発揮 シニアの活躍による活

力ある地域社会の実現~・気軽に地域貢献ができる仕組み作り

・多世代にわたる就労・社会参加の場

よこはま健康アクション推進事業

目標達成を加速させる取組

健康横浜21計画 【目標:健康寿命の延伸】

よこはま健康アクション (「健康寿命日本一」のための健康福祉局の実行計画)

■がん検診事業

・胃がん・肺がん・大腸がん

・子宮がん・乳がん

・前立腺検査

がん検診

、民の健康づくり推進事業【中期】

職域との連携

特定検診(国保)受診勧奨

ロコモティブ・シンドロームの一及

健康行動への社会環境の誘発

働く世代への

健康行動の誘発施策基盤の整備

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T21
テキストボックス
3 横浜市の取組

ア 「100 万人の健康づくり戦略」(中期4か年計画 2010~2013)から、

「370 万人の健康づくり」(新たな中期計画の基本的方向)へ

中期4か年計画 2010~2013 では『100 万人の健康づくり戦略』として壮年期から

高齢期を中心に健康づくりを進めていくことが盛り込まれています。今年度中の策定が予

定されている「新たな中期計画」の基本的方向(平成 26 年1月公表)では、『370 万人

の健康づくり』として、横浜市の 370 万市民と 12 万事業所で「健康寿命日本一」を実

現するということが盛り込まれています。以下、概要を御紹介します。

≪新たな中期計画の基本的方向(平成 26 年1月)≫

1 ねらい

「誰もが安心と希望を実感でき、人も企業も輝く横浜」の実現を目指す

2 計画の構成

未来のまちづくり戦略(8つの重点テーマ)

2025 年の目指すべき姿に向け、未来の横浜を切り拓く骨太の戦略

基本政策(36 施策)

計画期間の4年間における主要な政策分野の施策の方向性・取組

行財政運営

政策を進めるにあたっての土台となる、持続可能な行財政運営の取組

「健康寿命」の位置づけ

重点テーマ2 370 万人の健康づくり(抜粋)

ねらい ~370 万市民と 12 万事業所で「健康寿命日本一」を実現する~

市民一人ひとりが自分にあった健康づくりやスポーツを楽しみ、地域で交流し、また自立

した生活を送ることができる社会に向け、「健康」を軸とした新たなまちづくりを進め、民間

企業や市民団体と協働し、健康・予防を重視した取組により「健康寿命日本一」を目指します。

◆活力ある横浜を創る健康づくり

新たな健康施策を、経済の分野などとも連携して幅広く展開し、全市民が健康づくりに取

り組むまちづくりを進めます。よこはまウォーキングポイント事業の実施や健康医療情報の

活用、身近な地域におけるスポーツや文化芸術等を通じた健康・生きがいづくりを推進しま

す。また、生活に困難を抱える方々に対する健康向上・経済的自立への支援や、シニア層を

中心とした多世代にわたる就労・社会参加の場づくりに取り組みます。さらに、民間企業等

との連携による新たな健康関連サービスの創出を図ります。

◆シニアパワーの発揮 シニアの活躍による活力ある地域社会の実現

気軽に地域貢献ができる仕組みや、就業に関する機会や情報の提供機能などにより、高齢

者の活動の場を広げ、地域や企業等において、横浜の元気づくりの主役として、また多様な

働き手としても活躍することで、生涯現役社会を実現します。

施策 15 健康づくりと健康危機管理などによる市民の安心確保

■施策の考え方(抜粋)

・市民一人ひとりの健康寿命を延ばすために、「第2期健康横浜 21 計画」(25~34 年度)

などに掲げる健康づくりや生活習慣の改善を推進するとともに、よこはまウォーキング

ポイント事業など楽しみながら継続できる取組を進めます。 ※新たな中期計画(素案)の公表は、平成 26 年9月ごろの予定です。

【横浜市/新たな中期計画の基本的方向(平成 26 年1月)】

http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/chuki2014-/

- 56 -

≪中期4か年計画 2010~2013≫

1 位置づけ

横浜市では、18 年 6 月に、横浜の 20 年(概ね 2025 年頃)を展望した市政

の根本となる指針として、「横浜市基本構想」(長期ビジョン)を策定しました。

中期 4 か年計画は、基本構想が掲げる目指すべき都市像の実現に向けた政策や

工程を具体化する、22 年度を初年度とした、25 年度までの 4 か年計画です。

2 基本理念

「つながるしあわせ」~安心と活力があふれるまち・横浜~

長い歴史の中で蓄積された多くの財産(市民活動、港や都心部の景観、企業の

集積など)が、互いの強みをいかし、新しい「つながり」を創ることにより、大

きな相乗効果を生み出し、社会的課題の解決や、新しい価値の創造を促し、「安心

と活力」を生み出していきます。

3 計画の構成

本市の未来図、横浜版成長戦略、基本政策、行財政運営の 4 つから構成されて

います。

4 横浜版成長戦略

戦略4 「100 万人の健康づくり戦略」

~高齢者がいつまでもいきいきと活躍できる地域社会づくり~

ねらい

高齢者の豊かな人生経験や様々な社会貢献活動への積極的な関与は、地域社会の活力を

生み出す源です。10 年後には横浜市民の 4 人に 1 人に当たる 96 万人が 65 歳以上の

高齢者になると予測されています。

高齢者が毎日の生活の舞台である身近な地域において、障害や持病の有無にかかわらず

いきいきと暮らす姿、子どもたちや若い世代とも交流しながら活動的な生活を送る姿こそ

が、これからの地域社会の活力そのものです。

市民一人ひとりが、壮年期から高齢期に至るまで楽しみながら健康を維持し、地域の高

齢者・障害者等を支える活動にも幅広く参加できる仕組みづくりを進めることが重要で

す。

高齢者の健康づくりに積極的に取り組み、誰もがいつまでもいきいきと活躍できる健康

長寿日本一の都市を目指します。

キーワードは…「楽しさ」・「喜び」「達成感」

100 万人の「運動・スポーツ」戦略

100 万人の「アクティブ・ライフ」戦略

100 万人の「楽しく食事・栄養バランス」戦略

100 万人の「社会貢献活動への参加支援」戦略

【政策局政策課/横浜市中期4か年計画 2010~2013】

http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/newplan/

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T21
テキストボックス
3 横浜市の取組

イ 第2期健康横浜21 「健康」の概念は広く、感染症などの疾病やこころの健康など、さまざまな課題があ

りますが、市民のもっとも大きな健康課題の1つである生活習慣病に着目し、今後 10

年間の健康づくりの指針となる「第2期健康横浜 21」を策定しました。

この計画は健康増進法第8条に基づく、「市町村健康増進計画」であり、国が進める「健

康日本21(第2次)」の地方計画です。以下、概要を御紹介します。

「第2期健康横浜 21」の概要

計画期間

平成 25 年度から 10 年間

基本理念

すべての市民を対象に乳幼児期から高齢期まで継続して、

生活習慣の改善や、生活習慣病の重症化予防を行うことで、

いくつになってもできるだけ自立した生活を送ることのできる市民を増やします。

基本目標

10 年間にわたり健康寿命を延ばします。

取組テーマ

(1) 生活習慣の改善

「食生活」「歯・口腔」「喫煙・飲酒」「運動」「休養・こころ」の5つの分野から

取組を進めます。

(2) 生活習慣病の重症化予防

がん検診、特定健診の普及を進めます。

ライフステージ別行動目標

(1)育ち・学びの世代(乳幼児期~青年期)

① 3食しっかり食べる

② しっかり噛んで食後は歯磨き

③ 受動喫煙を避ける

④ 毎日楽しくからだを動かす

(2) 働き・子育て世代(成人期)

① 野菜たっぷり・塩分少なめ

② バランスよく食べる

③ 定期的に歯のチェック

④ 禁煙にチャレンジ

⑤ お酒は適量

⑥ あと1,000 歩歩く

⑦ 定期的に運動する

⑧ 睡眠とってしっかり休養

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(3) 稔りの世代(高齢期)

① 野菜たっぷり・塩分少なめ

② バランスよく食べる

③ 「口から食べる」を維持する

④ 定期的に歯のチェック

⑤ 禁煙にチャレンジ

⑥ お酒は適量

⑦ 歩く・外出する

⑧ 睡眠とってしっかり休養

⑨ 定期的にがん検診を受ける

⑩ 1年に1回特定健診を受ける

評価

29 年度に中間評価、33 年度に最終評価を行います。

26 項目の目標値と 81 項目のモニタリング項目をもって評価を行います

特色

① ライフステージに合わせた取組

年齢、就学、就業などの影響を考慮し、3つのライフステージ別に行動目標

と目標値を設定します。

■育ち・学びの世代(乳幼児期~青年期)

■働き・子育て世代(成人期)

■稔りの世代(高齢期)

②「きっかけづくり」と「継続支援」を目指した取組を進めます。

③区の特性をふまえ、さまざまな関係期間とともに取り組みを進めます。

・人口構造、世帯構造、疾病状況などの区の特性に応じた取組

・関係機関が目標設定し、情報共有しながら具体的取組につながることを

目指します。

国計画と同じ点と異なる点

健康寿命の延伸を計画全体の基本目標としていること、生活習慣病の予防と重症

化予防を重視していること、ライフステージ別の生活習慣の改善や社会環境の整備

を行うことなど、基本的な方向性は国と同様の内容になっています。

異なる点としては、以下の点などが挙げられます。

①国が挙げている、都道府県間健康格差の縮小に対応する内容として、横浜市では、

人口構造、世帯構造、疾病状況等区の特性を考慮した取組を推進すること

②生活習慣病の重症化予防については、よこはま保健医療プランなど関連計画との

整合性を図り、がん検診や特定健診の受診率向上に焦点をあてた取組を行うこと

【横浜市/【計画内容】健康横浜21】

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kenyoko21/plan/

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T21
テキストボックス
3 横浜市の取組

市町村健康増進計画である「第2期健康横浜21」を発表したことに伴い、各区の特性に

応じた取組や事業を展開するための基礎データの収集を目的として、「健康に関する市民意識

調査」を実施しました。市全体及び性別・年代別・区別の集計を行っているため、それぞれ

の特性に応じた施策づくりに活かすとともに、健康関連産業等による活用も期待されます。

w 平成25年度 健康に関する市民意識調査

調査の概要

(1)調査の対象及び回収数

ア 横浜市内に居住する20~59 歳の男女 15,519 人【インターネット調査による調査】

イ 横浜市内に居住する60~69 歳の男女 1,284 人

【郵送による調査(2,700 人) 回収率 47.5%】

計 16,803 人

(2)調査期間

平成 25 年 8 月 30 日~9 月 14 日

(3)設問分野

健康状態、健康管理、食生活、運動習慣、たばこ、受動喫煙、飲酒、歯科保健、

心の健康、ソーシャルキャピタル等 全 47 問(20~59 歳では 46 問)

調査結果のポイント

(1)第2期健康横浜21計画のそれぞれの取組分野「食生活」「歯・口腔」「喫煙・飲酒」

「運動」「休養・こころ」の5つの分野における生活習慣改善のアプローチと「がん検

診・健康診査の普及」において、年代や男女の違い、また行政区による差も認められ

た。

○ 女性は、食生活や歯科保健への関心が高く、実際の健康行動にも反映されている傾向

があり、男性は 20 歳代~40 歳代で日常的に運動している割合が多い。

○ 男性は退職、女性は子育て期の終了に伴い健康意識の高まりや健康行動が増加する傾

向があるなど、年代により変化がみられた。

(2)男女とも、「自分が健康である」と回答した割合が最も少ない年代は 50 歳代、「睡眠

による充分な休養がとれていない」と回答した割合が最も多かったのは 40 歳代であ

った。また、糖尿病の診断を受けた経験がある男性が、50 歳代では 40 歳代の2倍

となるなど、「働き盛り世代」の健康問題が明らかになった。

【健康福祉局保健事業課

/平成25年度 健康に関する市民意識調査 結果発表(記者発表資料)】

http://www.city.yokohama.jp/ne/news/press/201403/20140319-025-18577.html�

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以下、調査結果の一部を御紹介します。

【食生活】

「朝食の摂取状況」クロス集計 性別・年齢別

「ほとんど毎日食べる」と回答した人の割合は、男女とも年代が上がるにつれ増加していた。

※飲み物やサプリメント等を取った場合は、「食べる」に含みません。

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テキストボックス
3 横浜市の取組

【喫煙・飲酒】

「喫煙習慣について①」 クロス集計 性別・年齢別

喫煙習慣がある人(「現在も毎日吸っている」または「現在も時々吸っている」と回答した人)

は男女とも 40 歳代で最も多くなっていた。どの年代でも女性より男性の方が多く、特に 50

歳代では 17.8 ポイント上回っていた。

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【喫煙・飲酒】

「禁煙の意向について」 クロス集計 性別・年齢別

喫煙習慣がある人のうち「今すぐやめたい」「3カ月以内にやめたい」や「6カ月以内にやめ

たい」と回答した人の割合は、男性では 20 歳代で最も多く、50歳代にかけて減少し、60

歳代で再び増加していた。女性は年代が上がるにつれ減少していた。

- 63 -

T21
テキストボックス
3 横浜市の取組

【喫煙・飲酒】

生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者(1 日の純アルコール量が男性 40g程度

以上、女性 20g以上の者)の割合[純アルコール量 20gはビール中ビン1本程度]

男性では、20 歳代から 50 歳代にかけて増加したのち、60 歳代では減少に転じていた。

女性では、20 歳代から 40 歳代にかけて増加したのち、50 歳代以降減少に転じていた。

また 20 歳代から 30 歳代では女性が男性を上回っていたが、40 歳代以降は男性が上回

り、特に 50 歳代では6.8 ポイント上回っていた。

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【運動】

「一回 30 分以上、週に2回以上の運動について」クロス集計 性別・年齢別

「やっている」と回答した人の割合は、男性では年代による有意義な差(統計学的に意味の

有る差)は見られなかった。女性では 20 歳代から 30 歳代にかけて減少し、その後 60 歳

代にかけて増加する傾向が見られた。

【健康福祉局保健事業課・横浜市衛生研究所

/ 平成 25 年度 健康に関する市民意識調査-調査結果報告書-】

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kenyoko21/survey/

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T21
テキストボックス
3 横浜市の取組

コラム ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは

ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運

動器のいずれか、あるいは複数に障害が起こり、歩行や日常生活に何らかの障害をきたし

ている状態をいいます。進行すると介護が必要になるリスクが高くなります。

健康日本21(第2次)では平成 34 年までに「ロコモティブシンドローム」の認知度

80%を目標にしています。平成 24 年度のロコモティブシンドローム生活者意識調査に

よると 36.1%の認知度でした。

ロコモ度チェック

次の症状が1つでもあてはまる人は、ロコモティブシンドロームの疑いがあります。

□片脚立ちで靴下がはけない

□家の中でつまずいたりすべったりする

□階段を上がるのに手すりが必要である

□家のやや重い仕事が困難である

□1リットルの牛乳パック2個程度を買い物して持ち帰るのが難しい

□15 分ぐらい続けて歩くことができない

□横断歩道を青信号で渡りきれない

ロコモ予防法

「ロコトレ(ロコモーショントレーニング)」

自分に合った安全な方法で、まず「片脚立ち」と「スクワット」を始めましょう。

詳しいトレーニング方法は→ https://locomo-joa.jp/check/locotre/pdf/locotre.pdf

「食生活」

・メタボもやせすぎも要注意!正しい食生活で運動器の健康を守りましょう。

・「5 大栄養素」を1 日3 回の食事からバランスよく摂ることが大切です。

・栄養バランスは、1 週間の中でととのえても大丈夫。無理なくそろえるのが続けるコツです。

・献立に変化をつけたり、大勢で食卓を囲んだり…楽しく食べる工夫をしましょう!

【日本整形外科学会公認ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト/

ロコモチャレンジ!】 https://locomo-joa.jp/

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コラム 健診・検診について

日本人の生活習慣の変化や高齢者の増加等により、近年、糖尿病等の生活習慣病の有病者・

予備群が増加しており、生活習慣病を原因とする死亡は、全体の約6割にものぼると推計さ

れています。

特定健診制度は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診です。平

成 20 年4月から、40~74 歳となる医療保険の加入者を対象に実施されています。がん検

診は健康増進法(平成14 年法律第 103 号)第 19 条の2に基づく健康増進事業として市町

村が実施しています。また、歯周疾患検診については平成16年度から40歳及び50歳の

者から60歳及び70歳を対象に受診できるよう体制が整備されています。

特定健康診査とは

日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、40歳から74歳までの方を対象

に、メタボリックシンドロームに着目した健診を行います。

特定保健指導とは

特定健診の結果から、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効

果が多く期待できる方に対して、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が生活習慣を見直すサポ

ートをします。

健診受診率(横浜市国民健康保険加入者)

特定健診の受診率は平成20 年度から20%前後で推移しています。男女別にみると、女性の方が高

い傾向にあります。

(単位 人)

計 男 女 計 受診率 男 受診率 女 受診率

平成20年度 565,389 263,005 302,384 125,674 22.2% 49,430 18.8% 76,244 25.2%

平成21年度 573,608 266,157 307,451 117,155 20.4% 45,346 17.0% 71,809 23.4%

平成22年度 576,184 267,716 308,468 111,524 19.4% 43,239 16.2% 68,285 22.1%

平成23年度 591,342 277,494 313,848 116,256 19.7% 45,624 16.4% 70,632 22.5%

年 度健診対象者数 健診受診者数

出所:横浜市統計書 特定健康診査実施状況

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3 横浜市の取組

がん検診

がん検診は、がんの予防及び早期発見のために重要です。がん検診については、健康増進法(平成

14 年法律第103 号)第19 条の2に基づく健康増進事業として市町村が実施しています。厚生労働

省では、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(厚生労働省健康局長通知)を定め、

同指針に基づく検診を推進しています。

がん検診受診率 横浜市におけるがん検診の受診率は、胃がん健診については、全国や政令市平均と同様の受診率に

なっていますが、肺がん検診、大腸がん検診については低い状況がみられます。乳がん検診、子宮が

ん検診については全国や政令市と比較しても高い状況です。

胃がん 肺がん 大腸がん 乳がん 子宮がん

横浜市 32.0% 20.8% 21.7% 41.5% 39.6%全国 32.3% 24.7% 26.0% 39.1% 37.7%

19政令市平均 32.6% 24.0% 24.7% 38.4% 37.3%

出所:第2期健康横浜21 計画書(国民生活基礎調査H22) 歯周疾患健診

高齢期における健康を維持し、食べる楽しみを享受できるよう、歯の喪失を予防することを目的と

して、歯周疾患健診が実施されています。

【厚生労働省/医療制度改革に関する情報 特定健康診査・特定保健指導に関するもの】

http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02a.html

【厚生労働省/がん検診】

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan_kenshin.html l

【横浜市/健康横浜21】

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kenyoko21/plan/

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ウ よこはま健康アクション

よこはま健康アクションは、健康横浜 21 の目標達成を加速するために、平成 26 年

度から新たに取り組む事業です。

市民の健康行動を誘発する魅力あるプロモーションや、企業と連携し、従業員や市民

の健康づくりを後押しする取組、疾病の重症化予防など、全市域で健康づくりのムーブ

メントを起こす取組を進めます。

具体的には下記の10 項目の取組を行います。

(1)市民の健康づくりに意欲的な企業をパートナーとする推進組織の設立準備

(2 )市民の健康行動を誘発する魅力あるプロモーションの実施

(3 )地域で、社会参加やつながりを通じて健康づくりを推進する地域人材や職員の育成

(4) シニアパワーが発揮される社会参加の環境づくり

(5) 従業員の鍵康づくりに取り組む「健康経営企業」応援事業の実施

(6 )糖尿病等の重症化予坊の個別指導等

(7 )生活保護受給者等への健康支援

(8 ) ヘルスデータを分析・活用する環境整備

(9)高齢者の健康づくり応援事業(ロコモ予防)

上記 9 項目に下記『よこはま健康スタイルの実施』を加えた 10 項目を実施します。

『よこはま健康スタイルの実施』

1 よこはまウォーキングポイントの導入

40 歳以上の市民を対象に、歩数計を持ってウォーキングに取り組んでいただき、歩数

に応じてポイントがたまる仕絶みを、民間事業者と共同で 11 月頃に実施します。

2 よこはま健康スタンプラリーの実施

子どもから高齢者まで、健診や健藤づくり等を通じて、ポイントがたまる事業を 11

月頃に実施します。

3 よこはまシニアボランティアポイントの実施

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3 横浜市の取組

よこはま健康アクションの具体的な取組内容

健康寿命日本一の横浜をめざして進める健康アクション『10 の事業』

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【健康福祉局/よこはま健康アクション Stage1】

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/

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3 横浜市の取組

『よこはま健康スタイル』

市民が自常生活の中で、楽しみながら継続して健康づくりや社会参加に取り組み、そ

の活動に応じてポイントがたまる事業を重層的に実施していきます。

(1)よこはまウォーキングポイントの導入

40 歳以上の市民を対象に、歩数計を持ってウォーキングに取り組んでいただき、歩数

に応じてポイントがたまる仕絶みを、民間事業者と共同で 11 月頃に実施します。

(2 )よこはま健康スタンプラリーの実施

子どもから高齢者まで、健診や健藤づくり等を通じて、ポイントがたまる事業を 11

月頃に実施します。

(3 )よこはまシニアボランティアポイントの実施

【健康福祉局/よこはま健康アクション Stage1】

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/

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現地レポート 元気づくりステーションについて

元気づくりステーションは第5期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画で取り組

んでいる事業です。高齢者が地域の中でつながりながら、健康で生きがいのある活動的な生

活を送ることができるように、地域の活動や地域の資源を把握し、地域の特性を生かして、

介護予防のグループ活動として「元気づくりステーション」を広めます。

具体的には、高齢者が歩いて行くことができる身近な場所で、健康づくり・介護予防に取

り組むことができるよう「元気づくりステーション」を立ち上げ、活動支援や活動を担う地

域の人材育成を行います。

第2期健康横浜 21 においても、元気づくりステーション事業と連携を図り、高齢者の健

康づくりを推進します。

実際に、元気づくりステーションのひとつである港南区の笑話会を訪問し、活動に参加さ

せていただいたり、運営者や参加者のお話を伺ったりしてきましたので、次のページで御紹

介します。

【横浜市/健康横浜21 コラム⑨】

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kenyoko21/plan/

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3 横浜市の取組

笑話会(しょうわかい)

【場所】大久保東中西町内会館(港南区)

【活動曜日・時間】毎月第1、第2金曜日 午後1時 30 分~3時

【参加者数】20 人~30 人(男性 10 人、女性 20 人)

【活動内容】認知症予防ゲームを中心に、ハマチャン体操等の軽体操を毎回取り入れている。

またお茶菓子を用意し、談笑の時間を設けている。歯科や栄養、認知症予防、上

手な入浴の仕方の健康講座を実施。また港南区の活動発表会に参加し、報告とゲ

ームの紹介を行った。

【運営体制】大久保東、中、西、三町内会の民生委員及び友愛会、地域のボランティアで運営

している。運動・レク指導も会員が行っている。

【特徴等】スリーAの精神であるやさしさのシャワーを意識し、「明るく、頭を使って、あき

らめない」をモットーに、楽しいゲームを行い、笑いの絶えない会となっている。

また、機能低下で欠席がちになった方へ、会の方がていねいに声かけをすることで

継続参加ができ、介護予防活動となっている。

町内会館の一室で、この日は 10 名余りの方々が集まって活動していました。まず自己紹介

をしてから、歌にあわせてゲームなどを行いました。休憩時間には、お茶とお茶菓子をいただ

きながら、参加者同士で談笑しました。その後、手遊びや指遊び、簡単なストレッチを行いま

した。

終始和やかな雰囲気で、参加者はゲームを楽しんでいました。みなさん顔見知りのようで、

休憩時間は会話を楽しんでいました。ある参加者の方は、ラジオ体操の指導者の資格取得を目

指して勉強をされているとのことで、健康への意識が高さに驚きました。

地域ケアプラザや区役所の職員も参加していましたが、基本的には会を運営されている方々

が中心に活動を進めていました。

代表の方にお話しを伺うと、課題としてゲームの進め方と参加者を増やすことを挙げられて

いて、町内の掲示板にポスターを掲示したり、民生委員として地域の方々に声かけをされたり

工夫をされているそうです。

「楽しく」「仲間と一緒に」というのが参加を継続させるポイントだと感じました。また、

運営されている方々も勉強熱心で、その熱意が活気のある活動につながっていると感じまし

た。

休憩時間中

ゲームの様子

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4 他都市・企業の取組 (1)第2回健康寿命をのばそう!アワード 受賞団体の取組

厚生労働省では、平成24 年度よりスマート・ライフ・プロジェクトの一環として、生活

習慣病予防の啓発活動の奨励・普及を図ることを目的とした表彰制度を創設しました。

従業員や職員、住民に対して、生活習慣病予防の啓発、健康増進のための優れた取組をし

ている企業などから 137 件(企業 60 件、団体 49 件、自治体 28 件)の応募を受け、有識

者による評価委員会で審査・選出された取組事例から厚生労働大臣賞、厚生労働省健康局長

賞を決定しました。

〈第 2 回健康寿命をのばそう!アワード実施概要〉

主催 スマート・ライフ・プロジェクト

後援 健康日本21推進全国連絡協議会

応募対象

生活習慣病予防の啓発活動及び健康寿命をのばすことを目的とす

る優れた取り組みを行っている企業・団体・自治体

※平成 24 年9月 1 日~平成 25 年 8 月 30 日までに実施された

活動が対象

募集部門 ①企業部門 ②団体部門 ③自治体部門

表彰

厚生労働大臣 最優秀賞(1 件)/企業部門優秀賞(1件)/団体部門優秀

賞(1件)/自治体部門優秀賞(1件)

厚生労働省健康局長 企業部門最良賞(5 件以内)/団体部門最良賞(5件

以内)/自治体部門最良賞(5件以内)

ア 厚生労働大臣最優秀賞

株式会社タニタ 集団健康づくりのパッケージ『タニタの健康プログラム』の展開

【取組・事業実施目的】

社員の健康が企業の成長に寄与する「健康経営」の考えでスタート 社員の健康は企業のポテンシャルを向上させるという健康経営的な考えで、福利厚生の一環として

2009 年より通信機能を備えた歩数計・体組成計・血圧計の各計測機器及びインターネットを活用し

た健康管理の取り組みである「タニタ健康プログラム」をスター卜させた。

【取組・事業の概要と特徴】

「からだの見える化」で健康的な生活習慣への行動変容を促進 本プログラムは、各計測機器を活用して I からだの状態を見える化」することで本人の行動変容を

促し、正しい生活習慣に導く事を狙いとしている。プログラムの流れは、全社員に配布された歩数計

をはじめ、体組成計や血圧計で計測するだけで、自動的に計測データがインターネットを経由して専

用サーバに蓄積され、いつでもスマートフォンやパソコンで確認できる。また、これらのデータをも

とに管理栄養士等の専門スタッフから適切なアドバイスを受けることができる。このほか、モチベー

ション維持のため歩数を競うイベントを開催したり、週1 回の体組成計測を義務化したりするなどの

施策を行っている。これにより、PDCA(計画・実行・検証・改善)体制を構築し、「からだの見える化」

による健康づくりを実現している。

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4 他都市・企業の取組

【健康寿命をのばすポイント】

メタボ社員の減少と約 9%の医療費の削減を実現 取り組みの成果として、本プログラムを導入した際、導入から半年間で、社員全体の平均体重が

3.6kg、平均体脂肪率が 1.7%減少した事が確認された。また、メタボ社員を減少させると共に年間

の医療費を導入前の 2008 年度と 2010 年度を比較し約 9%(弊社所属健康保険組合比で 18%)の

削減を実現。具体的には、弊社での2 年間における医療費削減額は約540 万円となり、本プログラ

ムへの投資経費約250 万円を大きく上回りコストダウンに成功している。

さらに、本プログラムの狙いである正しい生活習慣を身につけた社員が年々増加している事から、

長期的な視点で更なる医療費削減効果が期待できる。この取り組みは平成24 年度版厚生労働白書に

てメタボ解消成功事例(職場編)として紹介されている。現在では、この様に一定の費用対効果が検証

出来たため、本プログラムをパッケージ化し外販を開始。自治体や企業、健康保険組合など導入が進

んでいる。

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4 他都市・企業の取組

【総務省/ICT 超高齢社会構想会議ワーキンググループ(第 2 回)資料】

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict_cho-koureika/02ryutsu02_03000096.html�

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イ 自治体部門 厚生労働大臣優秀賞 広島県呉市 糖尿病性腎症等重症化予防事業/はじめよう!減塩生活

呉市糖尿病性胃症等重症化予防事業

【取組・事業実施目的】

慢性疾病管理の新しいかたち~保険者機能を発揮した、地域でささえる糖尿病セルフ

マネジメント~ 高い高齢化率、増大する医療費といった背景の中、呉市は生活習慣病予防の推進によって

「「絆」と「活力」を創造する都市・くれ」を目指しています。本事業では、糖尿病性腎症等か

ら人工透析導入への重症化を防止し、被保険者及び、その家族の QOL の維持向上を図ること

を目的としています。

【取組・事業の概要と特徴】 糖尿病性腎症等で通院する呉市国民健康保険被保険者に対して、医療保険者が中心となって、

主治医や広島大学大学院等と連携し、疾病への自己管理能力を高めるプログラムを提供する連

携システムを構築しました。また、低たんぱく食等の食事療法を

学ぶ料理教室、糖尿病予防講演会、患者家族会「呉そらまめの会」への支援も行っています。

プログラム修了者の臨床データは維持改善し、人工透析導入者はいないという結果を得ていま

す。

【健康寿命をのばすポイント】

医療者・学術機関・医療保険者等との連携によるアプローチが患者の自己管理能力の向上に

寄与したものと捉えています。

呉市糖尿病性腎症等重症化予防事業 地域連携システム イメージ図

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4 他都市・企業の取組

はじめよう!減塩生活

【取組・事業実施目的】

塩の摂り方を本気で考え、日常生活に減塩・適塩の意識を高め行動する「呉モデル」 呉市は、がん・心疾患・脳血管疾患による死亡率が、全国平均よりも高い地域です。「市民の

皆さんの健康寿命を延ばしたい!」。その実現に向けて、高血圧の要因でもある塩の過剰摂取に

着目した健康づくりを開始しました。

【取組・事業の概要と特徴】

減塩プロジェクトの 3 つの柱 ① 塩いいね!キャンペーン(減塩教室や講演会,広報等により減塩意識を高める。)

呉市は、がん・心疾患・脳血管疾患による死亡率が、全国平均よりも高い地域です。

② カラダよろこぶ!減塩プログラム(特定健診に推定食塩摂取量検査を同時実施。塩分と血圧から

みたハイリスク者へ減塩に特化したカリキユラムと個別フォローによる支援をしながら、食生

活改善を促す。)

③ 減塩でおいしい!食育(保育所・幼稚園・学校等と連携し、子どもの頃からの薄昧の必要性を啓

発し、子どもから大人へ向けた食育の推進。)

【健康寿命をのばすポイント】 減塩の取り組みは始まったばかりですが、本ブロジェエク卜により、減塩を市全体で支える

仕組みを整え、家庭に薄味が浸透し、市内どこでも減塩生活ができる地域づくり。いつまでも

「おいしい」が継続できるよう、意識付けや実銭につなげるための環境づくり。減塩プログラ

ムによる、受診者への動機付け・実践につながる取り組み。市全体の食塩摂取量の現状把握に

努め、食生活改善のための企画立案。さらに、保育所・学校・教育委員会等と連携し、子ども

の頃からの減塩の必要性を啓発し、保護者への意識付け。

その他、地域医療や給食施設、飲食店の減塩メニュー、減塩給食,地産地消など横々な分野と

連携し地域全体に減塩効果が表れるよう取り組んでいきます。

【厚生労働省/第 2 回健康寿命をのばそう!アワード表彰式 受賞者一覧】

http://www.smartlife.go.jp/award_winner_02

【呉市/はじめよう!減塩生活】

http://www.city.kure.hiroshima.jp/~sukoyaka/gennenn/genen.html

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(2)国内の特色ある取組

平成 22 年の都道府県別健康寿命が男女を合わせると全国で1位になった静岡県と、

平成 22 年の平均寿命が男女ともに1位になった長野県の中でも、健康寿命の延伸に力

を入れて取り組んでいる松本市の取組を御紹介します。

ア 静岡県「健康寿命日本一に向けたふじのくにの挑戦」

静岡県は厚生労働省が発表した平成 22 年都道府県別「健康寿命」において、女性が

全国1位、男性が全国2位、男女を合わせると全国1位になりました。静岡県では平成

24 年度から「ふじのくに健康長寿プロジェクト」を新たに策定し、その推進に取り組

んでいます。同プロジェクトでは①「ふじ33プログラム」の普及、②健康長寿の研究、

③企業表彰制度、④健康マイレージ事業の4事業が柱として掲げられています。こうし

た独自の施策とその成果が評価され、平成 24 年に開催された「健康寿命をのばそう!

アワード」で「第1回 厚生労働大臣最優秀賞」を受賞しました。

第1回健康寿命をのばそう! アワード 受賞プロジェクト事例のご紹介より

「健康寿命日本一に向けたふじのくにの挑戦」

【取組・事業実施自的】

健康寿命日本一に向けた 2 つの目標 富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりに取り組む静岡県では、健康寿命日本一の実現

に向け、子どもから高齢者に至るまで明るく元気に過ごせる健康づくりを推進している。

目標に掲げているのは、高齢者でも健康で自立して暮らすことができる「健康寿命の延伸」

と、健やかで、心豊かに生活できる「生活の質の向上」の2 つ。その実践に当たっては、

次第に失われつつあるご近所付き合いや、世代間の交流に着目し、健康を支える地域コミ

ュニティの相互扶助機能の強化を進めている。このほか、県全体を挙げた健康づくりを加

速させるために、民間企業や関係団体等との協働を図る仕組みづくりにも取り組んでい

る。

【取組・事業の概要と特徴】

健康長寿の関する研究と 49 万人の特定健診データの分析 静岡県が 10 年間で 22,000 人を対象に行った高齢者コホー卜調査によって適切な

食生活、社会参加を実施している人は、していない人に比べて、死亡率が約 1/2 となる

ことがわかった。この調査結果をもとに静岡県では、適度な運動・適切な食生活・禁煙・

社会参加の要素を盛り込んだ、県独自の生活習慣改善プログラム「ふじ33 プログラム」

を開発。

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4 他都市・企業の取組

また、市町村や医療保険者の協力を得て49 万人の特定健診データを分析し、その結果を

市町村の健康づくりに役立つように「見える化」した市町村別健康マップを作成した。さら

に、市町村等へのきめ細かい支援として、市町村別健康寿命「お達者度」を独自に算出した

り、民間企業の参画を得た健康マイレージ等の事業展開を行っている。

特定健診データ(49 万人)データ分析

(出典:平成22 年度特定健診・特定保健指導に係る健診等データ報告書第2版)

【健康寿命をのばすポイント】

着実に成果を挙げる、「ふじ 33 プログラム」実践教室 こうした静岡県独自の生活習慣改善プログラム「ふじ33 プログラム」の実践教室では、

教室継続率93.6%、平均歩数1.232 歩増加、バランス能力18%向上、食塩摂取量6%

減少等の健康寿命延伸に直接かかわる効果が得られている。また、前述の「お達者度」の

算定や「市町村別健康マップ」の作成を通じて、高血圧症や喫煙状況等、市町村がそれぞ

れ抱える健康面での課題を明らかにすることができ、個々の課題に対応した健康づくり事

業の実施に繋げている。さらに、こうした教室の継続的な開催や健康マイレージ事業の実

施等を通じて、これまで、健康に関心の薄かった県民各層にも健康づくりの輪が広がるこ

とが今後大いに期待されている。

【厚生労働省/第1回健康寿命をのばそう!アワード表彰式 受賞者一覧】

http://www.smartlife.go.jp/award_winner

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同賞を受賞した取組の要である「ふじ33プログラム」を中心に静岡県での取組を御紹介し

ます。

静岡県 ふじのくに健康長寿プロジェクト

「ふじ33プログラム」 「ふじ33プログラム」とは県内の40~64歳を対象とした健康づくりプログラムで、「ふ」

は「普段の生活」、「じ」は「実行可能な」、「33」はそれぞれ「運動・食生活・社会参加の3つ

の分野」と「3人1組で3カ月実践する」という意味が込められています。

1. 自らの生活習慣、健康状態について、自己チェック表や測定により把握

2. 運動・食生活・社会参加の3 分野について、目標(行動メニュー)を設定すると

ともに、3 人で共通の目標(行動メニュー)を設定

3. 3 人で励ましあいながら、3 ヶ月実践

4. 再度、自らの状態をチェックし、新たな目標を設定《富士山を登るように、自らの

レベルアップを実感しながら行う生活習慣改善》

ふじ 33 プログラム実践教室 静岡県総合健康センターではふじ 33 プログラム実践教室の開催支援を行っています。平

成24 年度には109 名が参加しました。

その他の取組 〇健康長寿の研究

静岡県は平成22 年度にはじめて県民49 万人分の特定健診データの分析を行い、市町村別や

保険者種類別に健康状態を「見える化」し、公表しました。さらに県では平成24 年度より、厚

生労働科学研究班が算出した「65 歳から、元気で自立して暮らせる期間」を示す市町村別の「お

達者度」を全国に先駆けて公表しています。

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4 他都市・企業の取組

〇企業表彰制度

積極的に健康づくりに取り組む企業を表彰する「健康づくり活動に関する知事褒賞」制度を

創設。初年度に受賞した5社の事例集が作成され、社員全員で行うボランティア活動や禁煙し

たい仲間を応援するキャンペーンなど、ユニークな取り組みが紹介されています。

〇健康マイレージ事業

市民の健康づくりの取組に対してポイントを付与する「ふじのくに健康いきいきカード」を

発行し、協力店でカードを提示する特典が受けられる制度です。カードの製作費を県が負担し、

各市町での事業をバックアップしています。

【静岡県/みんなで実践する健康づくり「ふじ 33 プログラム」】

http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-430/kenzou/fuji33/main.html

【生活と政策をつなぐ広報誌 「厚生労働省」 2013.9 月号】

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イ 長野県松本市「健康寿命延伸都市・松本」

松本市は平成 23 年に松本市総合計画において「健康寿命延伸都市・松本」を目指すべき将

来の都市像として掲げるとともに、「健康」を「より良い状態を保つこと」として位置付けて、

まちづくりを進めていくこととしています。その取組を御紹介します。

第1回健康寿命をのばそう! アワード 受賞プロジェクト事例のご紹介より

「健康寿命延伸都市・松本」をめざして

【取組・事業実施自的】

時代を先取りする都市モデルを地方から世界に発信 世界で類を見ない超少子・高齢社会に日本が向かっている中、松本市は時代を先取りす

る新たな都市モデルとして[健康寿命延伸都市・松本]を推進している。「健康寿命」を「健

康で自立して暮らすことができ、明るく元気に生活し、実り豊かで、満足できる生涯の期

間」と再定義し、そのうえで超少子・高齢型の人口減少社会で基礎自治体が取り組むべき

もっとも基本的な目標を、「赤ちゃんからお年寄りまでが健康長寿を全うすること」と設

定。目標実現に向けた街づくりに積極的に取り組んでいる。そして、この新たな都市モデ

ルを、地方都市松本から全国へ、さらに、同じく近い将来、超少子・高齢化が進み、人口

減少社会を迎える世界中の各都市へ向けて発信している。

【取組・事業の概要と特徴】

健康増進と産業力の強化で持続可能な市民社会の形成を 「健康寿命延伸都市・松本」の創造は、街づくりの全ての分野で「健康」を切り口に進

められている。「健康」を「より良い状態を保つこと」と捉え、「人の健康」はもとより、

「生活」「環境」「経済」「教育・文化」「地域」の 6 分野においてより良い状態を保つ試

みを進め、「身体的、精神的、さらに社会的に健康」な都市づくりを目指している。その

実現に向けては、保健、医療、福祉の充実強化に加え、地元大学と協働した「子どもの生

活習慣改善事業」や、市内企業と連携した「がん検診推進事業」等を進めているほか、新

たな産業の創出を図る「世界健康首都会議」を開催。市民の健康を維持増進すると共に、

産業力の強化を図り、持続可能な市民社会の形成に取り組んでいる。

【健康寿命をのばすポイント】

さまざまな分野で「健康寿命延伸」を目指す、松本市の取り組み 他の自治体に先駆ける、先見性をそなえた取り組み事例として挙げられるのが、「子ど

もの生活習慣改善事業」「地域で支えあう自殺予防相談事業」であり、「若いときからの認

知症予防事業」「タバコと向き合う松本スタイル」等の事業である。また、街づくりの全

分野が「健康寿命延伸」を目指しており、社会的な健康をめざす観点から、関連企業の誘

致や健康器具の開発活用、健康と観光の融合等にも積極的に取り組んでいる。さらに、意

識の高い市民活動を背景とする豊かなソーシャルキャピタルとの連携は、地域住民が主体

となり、地域の文化財や広場をつなぐウォーキングコースを設定する「市民歩こう運動と

いった自主的活動となって結実し、全市的な広がりを見せている。

【厚生労働省/第1回健康寿命をのばそう!アワード表彰式 受賞者一覧】

http://www.smartlife.go.jp/award_winner

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4 他都市・企業の取組

「健康寿命延伸都市・松本」の創造をめざして パンフレットより

「健康寿命延伸都市・松本」の創造の基本理念 松本市は、松本市総合計画(基本構想2020・第9次基本計画)において、「健康寿命延伸都市・

松本」を目指すべき将来の都市像として掲げています。

「健康寿命延伸都市・松本」の創造の基本理念は、量から質へと発想を転換し、市民一人ひとり

の「命」と「暮らし」を大切に考え、だれもがいきいきと暮らせるまちづくりに向け、「健康寿命」

の延伸を目指していくことです。

その実現のため、健康を核として、経済、産業、観光、教育、環境、都市基盤など様々な分野

が連携し、「心と体」の健康づくりと「暮らし」の環境づくりを一体的に進めます。

そして、互いに助けあい、学びあい、安心して暮らせる持続可能なまち、夢と希望にあふれ、

住んでよかった、住んでみたいと思えるまちを、主役である市民と行政との協働で、お互いさま

の精神をもって創造していきます。

松本市総合計画の「基本構想 2020」に掲げた将来の都市像「健康寿命延伸都市・松本」の創造

を目指し、次の6つのまちづくりの基本目標を定めました。

この基本目標では、「健康」を「より良い状態を保つこと」と捉え、人の健康を基礎に生活、地域、

環境、経済、教育・文化という6つの健康の実現に向けて、様々な分野が連携して総合的に進めて

いきます。

総合的な政策として推進 できる限り健康で自立した生活を送ることにより、自分らしい「暮らしの質」、「人生の質」の

向上を目指す一方、たとえ医療や介護が必要になっても、安心して心豊かに生活できる環境の整

備を進めます。

また、赤ちゃんからお年寄りまで、すべてのライフステージにおいて、従来の保健、医療、福

祉分野はもちろんのこと、今まで関連の薄かった領域まで視野を広げ、私たちを取り巻くあらゆ

る環境を整え、将来を見据えた総合的な政策として推進し、市を挙げて戦略的に取り組んで、成

熟型社会の都市モデルとして、松本市から世界へ発信していきます。

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将来の都市像「健康寿命延伸都市・松本」 松本市総合計画の「基本構想 2020」に掲げた将来の都市像「健康寿命延伸都市・松本」の創

造を目指し、次の6つのまちづくりの基本目標を定めました。

この基本目標では、「健康」を「より良い状態を保つこと」と捉え、人の健康を基礎に生活、地

域、環境、経済、教育・文化という6つの健康の実現に向けて、様々な分野が連携して総合的に

進めていきます。 ≪まちづくりの基本目標≫

【人の健康】 だれもが健康でいきいきと暮らすまち

【生活の健康】 一人ひとりが輝き大切にされるまち

【地域の健康】 安全・安心で支え合いの心がつなぐまち

【環境の健康】 人にやさしい環境を保全し自然と共生するまち

【経済の健康】 魅力と活力にあふれにぎわいを生むまち

【教育・文化の健康】 ともに学びあい人と文化を育むまち

健康寿命を伸ばすために 松本市では、「基本構想2020」で定める将来の都市像とまちづくりの基本目標、また、「第9 次

基本計画」で定めるまちづくりの基本施策の実現に向け、次の主な取組みを進めていきます。

[心と体の健康づくり]

①人の健康 生活習慣病予防対策の推進、市民歩こう運動の推進、自殺予防専用相談

「いのちのきずな松本」の充実 など

②生活の健康 平和教育の充実、人権学習の推進、介護支援事業の推進、あるぷキッズ支援事

業 など

③地域の健康 各種講座等の開催による市民活動の支援・促進、ふれあい健康教室の推進など

④環境の健康 こどもエコクラブ事業への支援、環境教育の推進・支援 など

⑤経済の健康 家族団らん手づくり料理を楽しむ日事業、食育・地産地消推進事業 など

⑥教育・文化の健康 各種健康スポーツ教室・大会の開催、文化芸術活動の推進 など

[暮らしの環境づくり]

①人の健康 プラチナ世代の相談窓口「とまり木」の機能の強化、市民農園事業 など

②生活の健康 ひとり暮らし高齢者対策の検討、保育園・幼稚園施設設備事業 など

③地域の健康 地域コミュニティづくりの推進、多世代同居促進策の検討 など

④環境の健康 再生可能なエネルギー活用の推進、次世代交通政策の推進、ごみ減量対策事業

の推進 など

⑤経済の健康 まちなか居住の推進、地場産業振興事業、健康寿命延伸新需要創造事業 など

⑥教育・文化の健康 学校サポート(学校応援団) 事業、公民館大規模改修、基幹博物館整備

事業 など

【長野県・松本市/「健康寿命延伸都市・松本」を創造します】

http://www.city.matsumoto.nagano.jp/kenko/kenkojumyo/kenkoujumyo.html

右の図は、市民の皆さんをはじめ、地域、

企業、大学、行政が一体となって6 つの健康

づくりを進め、「健康寿命延伸都市・松本」を

目指すことをイメージしたものです。

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4 他都市・企業の取組

松本市のおこなっている特徴的な事業(抜粋)

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【長野県・松本市/総合型講座「健康寿命延伸都市・松本」の創造をめざして第2回講座

http://www.city.matsumoto.nagano.jp/kodomo/syogaigakusyu/kouza/00sougou.html �

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4 他都市・企業の取組

● 参考図書一覧

市会図書室では、健康に関連する次のような資料を配架(配架予定も含みます)し、閲覧・

貸出を行っております。ぜひ御活用ください。

世界一長寿な都市はどこにある?―食・健康・ライフスタイル

いま世界で都市化の波が、伝統的な長寿地域を崩壊させる一方、それまで

長寿地域と思われなかった大都市の一部が長寿番付の上位に現われてきて

いる。著者は世界25 カ国で健康状態を調査をし、長寿と食との関係を明ら

かにしてきた。その豊富なデータを元に、病理学者の視点から、現代の都市

と長寿の関係を探究してゆく。

◇著 者:家森 幸男

◇出版社:岩波書店

◇発 行:平成23 年6月

健康・老化・寿命―人といのちの文化誌

本書は、がんと狭心症を体験した著者が、歴史と生物進化の視点から、遺

伝子と病原微生物の狩人たちの人間ドラマを背景に描く、臨場感あふれる医

学物語である。生と死をめぐる文学作品や映画の名場面が知的好奇心に彩り

を添える。

◇著 者:黒木 登志夫

◇出版社:中公新書

◇発 行:平成19 年5月

健康寿命

“健康寿命”―からだもこころも健康。自立した日常生活のできるよろこ

び。そんな長生きをめざして…。寿命の科学にたずさわる気鋭の研究者が、

丹念なフィールドワークと数多くのデータをもとに、高齢化社会を自立して

生きたいと願う現代人のために書き下ろした待望の書。

◇著 者:辻 一郎

◇出版社:麦秋社

◇発 行:平成10 年6月

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月刊『厚生労働』

◇発行所:株式会社日本医療企画

◇編集協力:厚生労働省

高齢社会白書

◇出版社: 印刷通販

◇編集:内閣府

世界保健統計

◇発行:WHO

厚生労働省の政策は、「国民生活の保障・向上」と「経済の発展」をめざし

ており、国民の誰にとっても関わりの深い分野を取り扱っています。

月刊『厚生労働』は、身近なこれらの政策が今後どう変わり、私たちの暮ら

しにどんな影響を及ぼすのか、さまざまな制度をどのように活用すればいい

のか、分かりやすく伝えます。

※本稿では以下の号を参照しています。

厚生労働 2013.9月号

厚生労働 2013.12月号

厚生労働 2014.2月号

高齢社会白書は、高齢社会対策基本法に基づき、平成8 年から毎年政府が

国会に提出している年次報告書であり、高齢化の状況や政府が講じた高齢社

会対策の実施の状況、また、高齢化の状況を考慮して講じようとする施策に

ついて明らかにしているものです。

参照URL:http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html

「世界保健統計」はWHOが毎年発行している報告書で、WHO加盟国 194

か国について最新の保健統計データを提供しています。

参照URL:

http://www.who.int/gho/publications/world_health_statistics/en/

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5 参考図書一覧

あとがき 平成26年6月に閣議決定された「日本再興戦略2014改訂」において、「国民の

『健康寿命』の延伸」が挙げられています。横浜市でも平成26年1月に示された新

たな中期計画の基本的方向に重点テーマとして「370万人の健康づくり」が盛り込

まれています。

その背景には、日本が超高齢社会をむかえ、医療費や介護費の増大が社会全体の課

題になっていることがあります。一方で、健康関連産業は成長産業として期待されて

います。横浜市が神奈川県、川崎市と共同で推進している京浜臨海部ライフイノベー

ション国際戦略総合特区は区域内だけではなく国全体の成長をリードするべく取り

組まれています。

また、横浜市では「よこはまウォーキングポイント」や「よこはま健康スタンプラ

リー」など楽しみながら健康づくりができる事業が実施されます。個人としては、年

を重ねても「楽しく健康的な自分らしい生活」を送りたいというのは誰もが願うこと

ではないでしょうか。健康づくりのイベントに参加したり、「あと10分歩く」「お

酒はワイン2杯まで」「がん検診を受ける」などまずは気軽に始められることから始

めてみようと思います。

今回は他都市や企業の取組や、現場を訪れてのレポートも盛り込みました。少しで

も参考になれば幸いです。(A.T.)

平成26 年6月12 日に経済産業省地下1 階にオープン。

タニタの管理栄養士監修の定食を含む、ヘルシーメニューを提供しています。

「KENKO 食堂」

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