19
面接における “変わり者”と評価バイアス 関西大学 千葉ゼミナール 古川 渚彩 三浦 永太郎 岡﨑

01 incolle presen - Kansai Uchibat/semi/2016/01inc_presen.pdfB1 B2 A B3 B4 B5 B6 B7 B8 B9 B3, B4への評価の平均<B5〜B9への評価の平均 B1, B2への評価の平均>B3,

  • Upload
    others

  • View
    5

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

面接における“変わり者”と評価バイアス

関西大学 千葉ゼミナール古川 渚彩

三浦 永太郎

岡﨑 真

プレゼン大会において最初のプレゼンターに最大の評価点を付けることができるでしょうか?

2

1人の“変わり者”に影響を受けて評価が変わったことは、ありませんか?

3

面接における“変わり者”の影響を、

論理的かつ実証的にテストする!

面接における“変わり者”の影響は?

面接の順番によって評価は変わる?

本論の目的

4

“変わり者”は、他の受験者の評価を歪ませるかも!?

対比効果

今城・瀧本・Wang(2013)は、面接において、ある受験者への評価が、直前の受験者への評価から遠ざかる対比効果が生じることを示した。

順序効果

人物の印象評価において、最初に提示された情報が重要性を持つ初頭効果と、最後に提示された情報が重要性を持つ新近効果がある。

面接についての現状

企業の人事担当者へのインタビュー

面接官が1日に面接する人数:8〜15名面接の評価基準:7〜8個ある。どの基準を使っているかは曖昧。

特徴的な人物は採用するか:採用コンセプトによって異なる。

5

A B2B1 B3 B4

Aへの評価≒B1〜B4への評価の平均

B1〜B4への評価の平均≒ B5〜B9への評価の平均仮説2

36.00

数字は平均値

33.54

仮説1

B7B6 B8 B9B5

類似B群

32.30

Aが序盤

A特徴的な受験者

仮説1・2 〔Aが序盤の場合〕

6

AB2B1 B3 B4 B7B6 B8 B9B5

B3, B4への評価の平均< B5〜B9への評価の平均

B1, B2への評価の平均> B3, B4への評価の平均

Aへの評価>B1〜B4への評価の平均仮説3

仮説4

仮説5

37.44 32.30

数字は平均値

35.13 29.12

Aへの評価>B1〜B4への評価の平均

Aが中盤 類似B群

仮説3・4・5 〔Aが中盤の場合〕

7

AB2B1 B3 B4 B7B6 B8 B9B5

B1〜B4への評価の平均<Aへの評価

B1〜B4への評価の平均< B5〜B9への評価の平均

仮説6

仮説7

32.82 32.30

数字は平均値

32.76

Aが終盤 類似B群

仮説6・7 〔Aが終盤の場合〕

8

①志望動機②私を代表するエピソード③グループ活動での役割と問題への対処方法④大学時代に最も注力したこと⑤入社して成し遂げたいこと

5シナリオ(類似した受験者)

1シナリオ(特徴的な受験者)計6シナリオ

を演じてもらった。

「明るさ」を採用 ・・・誰にでも獲得できる特徴で、面接においては少数な属性!

和田・若林(1991)

実験 〔ビデオの作成〕

シナリオ

9

補足架空の飲料製造企業の新卒採用の面接官を想定。面接官2人で1人の受験者を面接。近畿地方および九州地方在住の成人73人であり、有効回答は65人(89.04%)であった。

質問紙への記入(1分)

評価の話し合い(3分)

面接ビデオ視聴(7分)

質問紙の修正(1分)

1 432

①〜③を5回繰り返す

・・・

実験 〔手順〕

実験の流れ

10

質問紙の内容1. 志望度合2. 対人印象3. コミュニケーション能力4. 協調性5. リーダーシップ6. 目標達成志向7. 成長志向

操作チェック実験の操作が適切だったのかを確認。

実験 〔質問紙 1/2〕

和田・若林(1991)

11

A B2B1 B3 B4

AB2B1 B3 B4

AB2B1 B3 B4

B7B6 B8 B9

1. Aの評価2. B1〜B4の評価の平均

B5

8つの変数を生成し、Tukey法を伴った多重比較分析を実施。

実験 〔質問紙 2/2〕

3. Aの評価4. B1とB2の評価の平均5. B3とB4の評価の平均

6. Aの評価7. B1〜B4の評価の平均

8. B5〜B9の評価の平均

12

A B2B1 B3 B4

Aへの評価≒B1〜B4への評価の平均

B1〜B4への評価の平均≒ B5〜B9への評価の平均仮説2

結果:非有意→支持

結果:非有意→支持

36.00

数字は平均値

33.54

仮説1

B7B6 B8 B9B5

類似B群

32.30

分析結果 〔仮説1・2: Aが序盤の場合〕

Aが序盤

A特徴的な受験者

13

AB2B1 B3 B4 B7B6 B8 B9B5

B3, B4への評価の平均< B5〜B9への評価の平均

B1, B2への評価の平均> B3, B4への評価の平均

Aへの評価>B1〜B4への評価の平均

結果:5%水準で有意→支持

結果:1%水準で有意→支持

結果:非有意→不支持

仮説3

仮説4

仮説5

37.44 32.30

数字は平均値

35.13 29.12

Aへの評価>B1〜B4への評価の平均

分析結果 〔仮説3・4・5: Aが中盤の場合〕

Aが中盤 類似B群

14

AB2B1 B3 B4 B7B6 B8 B9B5

B1〜B4への評価の平均<Aへの評価

B1〜B4への評価の平均< B5〜B9への評価の平均

仮説6

結果:非有意→不支持

仮説7

32.82 32.30

数字は平均値

32.76

分析結果 〔仮説6・7: Aが終盤の場合〕

結果:非有意→不支持

Aが終盤 類似B群

15

結果

受験者が類似していれば、評価は変動しない!

まとめ 〔企業への提案〕

16

提案

中盤での特徴的な受験者Aによる評価の変化=「中盤効果」の発見!

Aやその後の受験者への評価に対して、重み付けの数値を算出する!

結果

提案 類似する受験者をソートする!

結果

まとめ 〔受験者への提案〕

17

提案

面接を受ける人は、ライバルへの「統一化」とライバルとの「差別化」の使い分けが重要!

面接の順序を選べるとき・・・序盤を選ぶときは「統一化」を、中盤を選ぶときは「差別化」を!

面接の順序を選べないとき・・・序盤であると気付いたら「統一化」を、中盤であると気付いたら「差別化」を、終盤であると気付いたら・・・・・・

4. 特徴的な受験者が1人/複数という条件を追加する。

3. 履歴書といった事前情報の有無という条件を追加する。

2. 受験者の人数についての条件を追加する。

1. 面接官同士の相互作用(話し合い)がある/ないという条件を追加する。

・・・

まとめ 〔今後の展望〕

18

ご清聴ありがとうございました!