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様式1 1 / 43 様式1 都市計画提案書 1.提案者(団体) 氏名(団体名) 東急建設株式会社 代表取締役 飯 塚 恒 生 連絡先 電話:03-5466-5144 FAX:03-5466-5142 上郷開発プロジェクト 住所 〒150-8340 東京都渋谷区渋谷一丁目16番14号 2.土地情報 場所 横浜市栄区上郷町猿田514番1外 面積 約31.9ha 筆数 669筆(公共用地含む) 土地所有者等の数 82人(公共用地含まず) 区域区分 市街化調整区域 (一部、市街化区域) 用途地域 無指定 (一部、第一種低層住宅専用地域(建ぺい率50%、容積率80%) その他の制限等 (一部、高度地区(最高限)第一種、緑化地域)

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様式1 1 / 43

様式1

都市計画提案書

1.提案者(団体)

氏名(団体名) 東急建設株式会社 代表取締役 飯 塚 恒 生

連絡先 電話:03-5466-5144 FAX:03-5466-5142

上郷開発プロジェクト

住所 〒150-8340

東京都渋谷区渋谷一丁目16番14号

2.土地情報

場所 横浜市栄区上郷町猿田514番1外

面積 約31.9ha

筆数 669筆(公共用地含む)

土地所有者等の数 82人(公共用地含まず)

区域区分 市街化調整区域

(一部、市街化区域)

用途地域 無指定

(一部、第一種低層住宅専用地域(建ぺい率50%、容積率80%)

その他の制限等 (一部、高度地区(最高限)第一種、緑化地域)

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3.計画立案の経緯等

3-1 計画提案の目的

3-1-1 提案区域の現状

本地区は、JR 根岸線港南台駅から約 1 ㎞の徒歩圏に含まれかつ、都市計画道路 3・3・

11 号環状 3号線(以下、環状 3 号線、という)と都市計画道路 3・4・3号環状 4 号線

(以下、環状 4号線、という)を結ぶ幹線道路である都市計画道路 3・3・14 号舞岡上

郷線(以下、舞岡上郷線、という)沿いの利便性の高い地区である。また、環状 4 号

線沿いに広がる栄区東上郷町、桂台、庄戸、野七里など郊外型住宅地と港南台駅の徒

歩圏をつなぐ結節点でもあります。

また、本地区の南東側には小川アメニティを中心とした豊かな自然環境が良好な状

態で保存されており、『瀬上市民の森』等の円海山周辺緑地への玄関口として、一年

を通して来訪者が絶えない区域であり、自然環境や生物多様性の保全に重要な役割を

果たすべき地区になっています。

(図 1)位置図

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3-1-2 提案区域の課題

○ 栄区(高齢化率 26.3%)は横浜市の中でも人口減少と高齢化が急速に進んでいる

地区となっています(図2)。特に本地区の南部に位置する東上郷町(高齢化率

34.3%)、庄戸(高齢化率 46.3%)、野七里(高齢化率 37.9%)の郊外型住宅地では

その傾向が顕著となっています。

○ 生活を支える小売店舗数もこれに呼応する形で減少を続け(表1参照)、これらに

よる地域社会の衰退が懸念される状況になっています。

○ 本地区を含む栄区は、本市の他の区に比べ、人口に対する医療施設が少ない状況

にあり、高齢者だけでなく、子育ての世代にとっても不便な状況となっています。

(表2参照)

○ 本地区内の農家においても高齢化は進んでおり、後継者不足も深刻化しています。

農地を抱える地権者は農業の継続に不安を抱えています。

○ 舞岡上郷線の当地区内の部分は、2車線による暫定供用となっています。

(図 2)駅からの利便性による区分ごとの人口等の増加率図

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項目

年次

小売業店舗数 売場面積(㎡) 店舗当り売場面積

(㎡/店)

人口当たり売り場面

積(㎡/千人)

栄区 横浜市 栄区 横浜市 栄区 横浜市 栄区 横浜市

H9 493 24,473 49,302 2,448,638 100.0 100.1 408.5 737.1

H11 502 24,629 51,156 2,658,995 101.9 108.0 429.6 788.1

H14 472 22,859 46,044 2,756,641 97.6 120.6 384.6 794.1

H16 459 22,004 45,938 2,809,693 100.1 127.7 372.2 794.9

H19 377 20,398 44,674 2,881,304 118.5 141.3 355.7 798.8

商業統計調査

項目

年次

小売業店舗数 売場面積(㎡) 店舗当り売場面積

(㎡/店)

人口当たり売り場面

積(㎡/千人)

栄区 横浜市 栄区 横浜市 栄区 横浜市 栄区 横浜市

H24 259 13,657 44,777 2,675,519 172.9 195.9 356.2 725.2

経済センサス―活動調査

(表 1)小売り商業の立地状況

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(表 2)栄区の医療施設

(図 3)栄区の公共施設分布図

施設数 病床数 人口千人当たり病床数

病院 一般診療所 歯科診療所 病院 一般診療所 合計 栄区 横浜市

H17 2 64 45 561 97 658 12.9 19.6

H18 2 65 49 561 107 668 13.0 19.7

H19 2 71 49 561 80 641 12.2 19.3

H20 2 69 51 536 80 616 11.6 19.0

H21 2 72 51 536 61 597 11.1 18.5

H22 2 70 51 536 61 597 11.0 18.2

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3-1-3 上位計画による位置付けと整合性

3-1-3-(1)都市計画区域マスタープラン及び市町村マスタープランにおける位

置付け

まず、「横浜国際港都建設計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」(平成

22年3月告示)の中で、本市の「都市づくりの基本理念」について、 ・ 自然環境や都市景観など地域の特性に応じたまちづくりを市民自らが愛着を持っ

て行うことにより、豊かな生活環境のある快適で暮らしやすい都市を目指す。 ・ 人と自然が共生し、環境と経済の好循環を実現する都市の姿を世界に発信するこ

とで、環境の港を目指す。 としていますが、本計画はその理念に沿って行うものとします。 また、昨年(平成25年)3月に策定された「横浜市都市計画マスタープラン・全体構

想」において、「目指すべき都市構造」として「郊外部の鉄道駅を中心としたコンパク

トな市街地を基本とした地域構造」を掲げています。

この中で、駅徒歩圏(おおむね1キロメートル圏)について、「現状の土地利用を踏ま

えつつ、駅周辺(生活拠点)への利便性を生かした良好な住宅市街地を形成するなど、

土地の有効活用を図ります。」としています(P9図 駅を中心としたコンパクトな市街

地イメージ(郊外部の地域構造) 参照)。

さらに、平成16年12月に策定された、「横浜市都市計画マスタープラン・栄区プラン

においては、本地区周辺について、「舞岡上郷線周辺については、港南台駅徒歩圏にあ

り利便性が高いことから、今後、土地利用の転換が想定されます。その際には、瀬上市

民の森等と一体となった良好な緑地・水辺環境の保全をはかりながら、地域活性化に貢

献するような計画的なまちづくりへの誘導を進めます。」と位置付けています。

本提案はこれらの方針に基づき、後述するような、市街地の整備と自然的環境の保全

と創出のバランスに配慮したまちづくりを提案するものです。

市街地の整備に当たっては区域区分を変更し、現在市街化調整区域となっている区域

を市街化区域にすることが必要となります。 これについて、「横浜国際港都建設計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」

(平成22年3月告示)では、「市街化調整区域の土地利用の方針」の中で、「骨格的な都

市基盤施設等の整備にあたっては、無秩序な市街化を防止しつつ、周辺土地利用の計画

的な保全、誘導を行う。」としております。本提案は、舞岡上郷線の拡幅整備とともに

計画的な土地利用と周辺環境の保全のバランスを保つ土地利用を提案する内容となって

おり、この記述に整合しています。 また、「横浜市都市計画マスタープラン・全体構想」では、「コンパクトな市街地形

成を目指すために、都市の成長や活性化など、横浜市の施策に資する計画的な市街地整

備が確実な区域」ついて市街化調整区域から市街化区域への編入を行う、とされていま

すので、上記のように上位計画の位置付けに基づいて行われる本提案による区域区分の

変更は可能であると考えます。

なお、区域区分の変更は、次期予定の新しい「横浜国際港都建設計画 都市計画区域の

整備、開発及び保全の方針」に基づいて行われることを前提としており、変更の時期は

次期線引きの全市見直しと同時を希望しています。

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資料1 横浜国際港都建設計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(抜粋)

1 都市計画の目標

(1) 都市づくりの基本理念

「交流拠点都市」、「活力創造都市」、「生活快適都市」、「環境行動都市」、「安

全安心都市」の5つの柱に支えられた都市像である『市民力と創造力により新しい「横

浜らしさ」を生み出す都市』を目指して都市づくりを進める。

ア 世界の知が集まる交流拠点都市

新しい文化芸術や先進的技術を生み出し、特色ある都市の創造性を発信することで、

世界の知識と知恵の拠点を目指す。

イ 新たな活躍の場を開拓する活力創造都市

高度な技術や人の集積による都市の創造力と新しい就業の場の創出により、人も企

業も躍動する活力あふれる都市を目指す。

ウ 多様な働き方や暮らしができる生活快適都市

個人の価値観に応じて、働きながら地域や家庭で心豊かな生活を送ることができる

ような生き生き暮らせるライフスタイルを実現するとともに、自然環境や都市景観な

ど地域の特性に応じたまちづくりを市民自らが愛着を持って行うことにより、豊かな

生活環境のある快適で暮らしやすい都市を目指す。

エ 市民の知恵がつくる環境行動都市

世界から環境に関する情報や技術、人が集まり、その交流の中から新たな環境技術

や取組を生み出すとともに、人と自然が共生し、環境と経済の好循環を実現する都市

の姿を世界に発信することで、環境の港を目指す。

オ いつまでも安心して暮らせる安全安心都市

一人ひとりの知恵と行動力を結集しつつ、セーフティネットの行き届いた社会の仕

組みをつくりあげていくことにより、いつまでも心豊かに暮らせる都市を目指す。

3 主要な都市計画の決定の方針

(1) 土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針

⑤ 市街化調整区域の土地利用の方針

都市に潤いを与える貴重な緑地や農地を中心に保全し、市民が自然に親しみ、レクリ

エーションの場として利活用を図るなど、開発を基本的に抑制し、市街化調整区域の地

域特性に応じた土地利用を実現する。また、骨格的な都市基盤施設等の整備にあたって

は、無秩序な市街化を防止しつつ、周辺土地利用の計画的な保全、誘導を行う。

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資料2 横浜市都市計画マスタープラン・全体構想(抜粋)

第3章 都市づくりの基本理念と目標 3 都市構造 (2)都市構造の考え方

ウ 目指すべき都市構造 ② 郊外部の鉄道駅を中心としたコンパクトな市街地を基本とした地域構造

○郊外部の鉄道駅を中心として、郊外住宅地の都市基盤や地域交通、地形の状況

など、地域特性に応じた圏域を形成します。そのうえで、鉄道駅周辺において、

圏域の人口規模や人口構成等に応じた機能集積(商業・業務施設、行政サービ

ス施設、福祉施設、医療施設、集合住宅等)と基盤整備を図り、個性ある生活

拠点を形成します。

○駅徒歩圏(おおむね 1 キロメートル圏)については、現状の土地利用を踏まえ

つつ、駅周辺(生活拠点)への利便性を生かした良好な住宅市街地を形成する

など、土地の有効活用を図ります。

○駅から離れた郊外住宅地は、緑豊かな自然環境を生かしつつ、土地利用の整

序・転換、地域の公共交通維持・活性化、日常的な買物・サービス施設等の整

備・誘導を図り、豊かな住宅市街地を形成します。

○なお、郊外部の駅周辺の生活拠点は、大きく次の三つに分類できます。

(図-52(P.66)参照)

◆主要な生活拠点

これまでの商業等のストックを有し、交通ネットワークの主要な拠点

◆駅勢圏が大きい郊外部の生活拠点

駅を中心としたバスなどの地域交通ネットワークを有し、駅周辺利用者の

圏域(駅勢圏)が比較的大きい郊外部の生活拠点

◆駅勢圏が小さい郊外部の生活拠点

駅周辺利用者の多くが徒歩や自転車でアクセスしている駅周辺利用者の

圏域(駅勢圏)が比較的小さい郊外部の生活拠点

○鉄道駅周辺と駅から離れた郊外住宅地を連絡する、地域交通ネットワークを形

成します。

○鉄道沿線ごとに近接する圏域においては、その連携や機能分担についても考慮

します。

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第4章 部門別の方針 1 土地利用の方針 1-2 区域区分の方針 (1)区域区分設定の基本的考え方

区域区分設定の基本的な考え方は次のとおりとします。 市街化区域の規模は、地域特性、市街化動向等に配慮しつつ、適正に想定された

人口等を適切に収容し得るものとします。 なお、少子高齢社会の更なる進展や、低炭素社会、集約型都市構造などの新たな

政策課題に対応していくため、区域区分の制度を活用し、豊かな自然環境を包含し

た活力ある都市の実現を図る必要があります。 市街化区域においては、計画的な開発・再開発を誘導しつつ、都市基盤の整備を

図ることとします。また、緑地・農地等については、貴重なオープンスペースとし

て保全・活用を図ります。これらの緑地・農地等が都市的土地利用に転換される場

合には、周辺土地利用と調和が図られるようにします。 市街化調整区域においては、緑地の保全・創出と都市農業の振興を基本とします。 市街化調整区域から市街化区域への編入については、コンパクトな市街地形成を

目指すために、都市の成長や活性化など、横浜市の施策に資する計画的な市街地整

備が確実な区域や既に市街化区域と同等の水準で開発・整備されている区域等につ

いて行うこととします。 一方、緑地や農地で長期にわたり存続すると見込まれ、市街化区域の整備に支障

のないものは、積極的に市街化調整区域への編入に努めるものとします。

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資料 3 横浜市都市計画マスタープラン・栄区プラン(抜粋)

III まちづくりの方針

[1]テーマ別まちづくり方針

【テーマ3】 市街地整備・住環境

方針5 新規事業における周辺環境との調和

3-5-1 周辺環境に配慮した計画の誘導 新たな土地利用転換及び市街地等の更新がなされる場合については、周囲の環境

への影響を十分に考慮したまちづくりへの誘導をはかります。 舞岡上郷線周辺については、港南台駅徒歩圏にあり利便性が高いことから、今後、

土地利用の転換が想定されます。その際には、瀬上市民の森等と一体となった良好

な緑地・水辺環境の保全をはかりながら、地域活性化に貢献するような計画的なま

ちづくりへの誘導を進めます。 田谷地区においては「(仮称)栄インターチェンジ・ジャンクション」の設置が

予定されており、事業実施にあたっては、営農環境、自然環境、住環境との調和や、

交通利便性の向上等を考慮したまちづくりを検討します。

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III まちづくりの方針

[2]地区別まちづくりの目標と方針 (7)上郷B地区

現在、市街化調整区域となっている舞岡上郷線周辺については、港南台駅徒歩圏

にあり、利便性が高いことから、土地利用転換の可能性があります。その際には、

緑地の保全とともに、地域活性化に貢献するような計画的なまちづくりが求められ

ています。

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3-1-3-(2)その他の上位計画との整合

1.横浜市 環境未来都市計画

2.横浜市 防災計画震災対策編

3.水と緑の基本計画

以上の計画を受け¨まちづくり¨の計画段階で、「地区計画」を定め、地区のま

ちづくり目標、土利用の方針、地区整備計画を明確にし、良好で持続可能な市街地

環境を計画的に形成し、まちなみの景観や生物生息環境への影響を 小限にすると

ともに持続可能なまちづくりのための組織作りとその運営を行います。

市街地に関しては、沿道部の見える位置に積極的な緑化をするとともに、緑地と

しての位置づけがない場所においても、既存の緑をできる限り残す計画とします。

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4.横浜みどりアップ計画(新規・拡充施策)

舞岡上郷線の東側では、特別緑地保全地区に接する農地については里山の保全を

目指し都市施設の公園を配置します。

舞岡上郷線の西側では、沿道部等見える位置に積極的な植栽をするほか、緑地と

して位置付けていない場所においても、既存の緑を残すようガイドラインで誘導し

ます。

また、生物多様性に関しては「生物多様性行動計画 ヨコハマbプラン」に適合す

るようにします。

5.生物多様性行動計画 ヨコハマbプラン

特別緑地保全地区に接する農地については里山の保全を目指し都市施設の公園に

することや、特別緑地保全地区の敷地境界部からの荒廃の抑止を考慮した隣接部整

備、開発地区の建築物の敷地内の緑化等により、持続的に自然環境と調和できるよ

う、まちづくり組織等による自然環境管理※1など、生物多様性に資する自然環境の

保全に配慮した計画とします。 ※1:植生・生物種のモニタリング

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3-1-4 課題と上位計画を踏まえたまちづくり提案

3-1-4-(1)提案する都市のコンセプト

「市街地の整備と自然的環境の保全と創出のバランスに配慮したまちづくり」

① 自然環境等の保全と創出

・ 残された豊かな自然的環境を保全しつつ、市街地整備の中で新たな自然的環境を創

出し、地域の魅力アップにつなげます。

② 安心、安全のまちづくり

・ 本地域において不足している医療施設を誘致します。

・ 地権者の協力の下、地域防災の拠点を整備します。

③ 地域の活性化に資する“にぎわい”の創出

・ 舞岡上郷線沿道に“にぎわい”を創出し、港南台から環状3号線に連なる“にぎわ

い”を環状4号線につなげ、上郷町を中心とする郊外型住宅地の活性化の一助としま

す。

④ 環境に配慮したまちづくり

~鉄道駅を中心としたコンパクトなまちづくり、低炭素・省エネルギー型まちづくり)~

・ 先に述べた上位計画による位置付けに基づき、JR港南台駅からおおむね1kmの範囲

内にある本地区を徒歩圏のフリンジと位置付け、将来的には郊外部住宅地からの移転

先の候補となりえるような魅力的で持続可能な住宅地を整備します。

・ 本提案区域内における建築物については再生可能エネルギーを積極的に導入し、ま

た全施設においてCASBEEで高ランクとなるような計画を目指します。

⑤ 地域交通の円滑化

・ 市街地整備に合わせて、市街地整備に伴う交通量の増加に対し商業施設の開発交通

量も見込んだ上で、将来交通量を予測し、周辺道路交差点の影響の調査、予測、評価

及び交通管理者等との十分な調整を行いながら、道路拡幅、交差点改良などを実施し、

地域交通の円滑化を図ります。

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3-1-3-(2) 土地利用計画

舞岡上郷線の、良好な樹林地と多様な水生生物の生息地である小川アメニティを中心とした

エリア“自然的環境の保全を図るエリア”、 JR港南台駅からおおむね1kmに位置する舞岡上

郷線の北西側のエリアを“地域の活性化に資する持続可能な市街地のエリア”、これら2つの

エリアに挟まれ、舞岡上郷線の南西に接するエリアを“グリーン・ゲート・ゾーン”と位置付

け(図4参照)、次のとおり、土地利用を図ります。

① 自然的環境の保全を図るエリア

◯ 舞岡上郷線の南東、円海山近郊緑地保全地区から連なる良好な樹林地を保全します。

◯ 上記の樹林地の南北に位置する農地を中心とした区域を、都市施設の公園とします。

② 地域の活性化に資する持続可能な市街地のエリア(図5参照)

◯ 舞岡上郷線沿道のエリア(A1~4)生活利便施設を中心とした中層建築物を配置しま

す。

◯ この内、A1地区では商業施設を核とした延べ床面積10,000m2を超えない程度の規模の

施設を誘致します。

◯ A1地区に誘致する施設に、地域防災拠点(防災備蓄基地、災害時緊急避難者受入施設)

を併設します。

◯ A1地区に誘致する施設に、環境配慮型の建築物の維持についての相談窓口(住まいの

相談室)を併設します(提案者が運営)。

◯ A2地区には、医療施設(クリニックモール)を誘致します。

◯ この他、A1~4地区の建築物の歩道に面した部分についてはにぎわいを創出すること

のできる施設を誘導します。

◯ A1~4地区に隣接するB地区は、戸建て住宅地とし、地区計画などで多世代に支持さ

れる優良な住環境の創出し、持続可能なまちづくりを目指します。

◯ D地区とその外周部は、現存する樹林を保全するエリアとし、地区計画において緑地の

保全のための制限区域とこれに連なる特別緑地保全地区とします。

③ グリーン・ゲート・ゾーン

(図5参照)

◯ 舞岡上郷線の東側に位置するグリーン・ゲート・ゾーン(C1~2地区)は、『瀬上市

民の森』等の円海山周辺緑地への玄関口として、同緑地の魅力アップ及び来訪者の快適性

の創出を図ります。

◯ 舞岡上郷線に接道する区域(C1地区)に、緑のインフォメーション等の情報発信と地

域の環境活動を支援する場所としての「緑の利用を高める公益的な施設」を提案します。

◯ “地域の活性化に資する持続可能な市街地のエリア”整備するために必要な調整池を、

多自然型雨水調整池となるよう検討します。(C2地区)

◯ 調整池の設置に伴い、現存する水路を南側に移設します。その際、その構造を多自然型

水路とし、流域を親水広場となるよう検討します。(C2地区)

◯ 生物多様性保全の観点から、現存する水路に生息する生き物の移動を徹底します。

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(図 4)土地利用イメージ図 1

(図 5)土地利用イメージ図 2

舞岡上郷線 地域の活性化に資する持続可能な

市街地整備エリア

グリーン・ゲート・ゾーン

自然的環境の保全を図るエリア

樹林地 住宅地

樹林地

住宅地

店舗・事務所・

共同住宅地

住宅地

医療施設地

商業施設地

店舗・事務所・

共同住宅地 緑の利用を高める公益的な用地

水辺環境資源地

特別緑地保全地区

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3-1-4-(3) 整備または配置を予定している主な施設

整備、配置される施設等 導入目的 周辺地域への貢献

都市施設の公園(風致公園)

(瀬上自然公園 (仮称))

・現状の自然環境を残した公園

・憩いの場、レクリエーションの場

・ホタル観賞などの市民のレクリエーシ

ョン活用

都市施設の公園(風致公園)

(上郷里山公園 (仮称))

・農地の形態利用による学習の場の検討

・応急仮設住宅建設候補地

特別緑地保全地区 ・無秩序な市街地化の防止

・良好な景観の保全、動植物の生息

地、生育地の保全等

・円海山周辺に位置する瀬上市民の森に

連なる樹林地の保全の担保により地域

住民の健全な生活環境を確保

地区施設の公園

(C1地区)

・休息・語らいの場・子供の遊び場

・背後に控える緑地帯へのネットワ

ーク形成

・災害時一時的に避難可能

多自然型雨水調整池

多自然型水路等

・生物多様性の確保 ・環境学習の場となるよう検討

医療施設(概ね3診療科)

(クリニックモール)

(A2地区)

・身近な、かかりつけ医の配置(フ

ァミリードクター(家族全員のカ

ルテが把握できる)導入へ)

・地域に不足する医療施設の配置

・災害時の応急医療

・災害時の医薬品備蓄

地域防災拠点

(防災備蓄基地)

(A1地区)

=提案者が誘導

・地域の「減災」と「人命優先の対

策強化」の推進

・防災備蓄庫機能の付加

住まい等に関する各種相談

室(A1地区)

・住まいに係る各種相談受付、防災・

防犯教育の実施

・周辺地域からも住まいに係る各種相談

受付

商業施設

(A1地区)

・買い物の利便性の向上

・地域に不足する業態を中心とした、

中・小規模小売店舗の配置

沿道店舗・住宅・事務所 ・地域のにぎわい、活性化

・定住人口の誘導(約600人)

・災害時の支援連携

戸建(低層)住宅 ・再生可能エネルギーを積極的に取

入れた、次世代型居住・持続性あ

るコミュニティの実現

・定住人口の誘導(約300人)

・多世代型居住・持続性あるコミュニテ

ィを実現する、まちづくりモデルを提供

舞岡上郷線(神奈中車庫前交

差点改良含む)

・拡幅整備(22m)

・神奈中車庫前交差点改良による渋

滞緩和整備

・環状3号線と環状4号線を結ぶ幹線道

路の拡幅整備による交通ネットワーク

の充実

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(図 6)自然環境資源の保全と活用のイメージ図

様式1 19 / 43

(図 7)住み続けられるまちのイメージ図2

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◇ 計画施設及び建築物の概要 ◇

■クリニックモール(A2地区)

概要:延床約2,800㎡、ファミリードクター制度目標、

・3~4診療科目予定(内科、整形外科等予定)

・CASBEE横浜A以上、地区計画:緑化率20%

・災害時は、クリニックモールを中心とした、被災者に対応できる応急医療や医

療品の備蓄が可能な施設とする。行政等の協力の下、地域防災の医療拠点(複

数診療科目における災害等での応急手当等ができる場所)となるよう推進しま

す。

・再生可能エネルギーを積極的に取り入れます。

■商業施設(A1地区)

概要:商業床面積10,000㎡以下

・想定する業態:ホームセンター

・扱う商品の想定:地域防災拠点を包含する施設としてふさわしい防災用品や、

豊かな自然環境へのエントランスにあたる立地にふさわしいアウトドア用

品、 自然観察に必要な商品、CASBEEによる評価や再生可能エネルギーを導

入した建築物の維持・管理に必要な商品など、この地区、この計画地ならで

はの商品を中心とした品揃えとします。

・CASBEE横浜A以上、地区計画:緑化率25%。

・災害時は、地域防災支援施設(地域住民・来訪者対象)として、緊急備蓄庫

機能を付加します。

・再生可能エネルギーを積極的に取り入れる。

・併設して、住まい等に関する各種相談室を設け、災害時には情報発信拠点を

担う目標とします。

※「住まい等に関する各種相談室」では、まちづくり協議会の意見を反映し、

同地区での適切な建築物のアドバイスを行います。

・駐車場については、ホタルの観賞来訪者に対し季節期限限定で開放します。

■沿道店舗・住宅・事務所(A3、4地区)

概要:合計 延床約27,000㎡

・地域のにぎわい、活性化、定住人口の誘導を目標とし、持続可能性に配慮し

ます。

・地区計画:緑化率20%。

・災害時は、店舗等は支援ステーション(行政との災害協定を締結を想定)を担

う予定します。

・再生可能エネルギーを積極的に取り入れます。

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■環境型戸建(低層)住宅(B地区)

概要:敷地面積 低制限150㎡、約85戸予定、戸建CASBEE届出推奨。

・地区計画:緑化率15%。

・災害時は、「自助・共助(近隣(商業施設)エネルギー融通、避難等情報場所

(=まちづくり組織にて対応)、が可能となるまちづくりを目指します。

・戸建住宅(低層住宅)については、再生可能エネルギーを積極的に取り入れ(太

陽光発電システム)、自然採光、通風を有効に活かした間取り建設等を奨励し、

脱温暖化モデル街区を目指し、支援します

・「多世代型交流の場」の一環として、塀や生け垣でがっちり囲まれた家並みで

なく、各家の雰囲気が表出し、近所の人が立ち話等ができ、庭や縁側を介した

交流が生まれるよう「住まい等に関する相談室」にて推進します。

■緑の利用を高める公益的な施設(提案)(C1地区;舞岡上郷線沿道)

概要:・地区計画:緑化率20%。

・自然とのふれあいを通じ、交流機会の創出、生きがいの提供や健康増進機会の

提供の場で、緑のインフォメーション等の情報発信場所として、地域の為の活

動施設として提案します。

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3-1-4-(4) 環境に配慮したまちづくり

温暖化に代表される地球環境問題は 早軽視することはできない状況にあり、平成24

年12月に「都市の低炭素化の促進に関する法律」が施行されるなど、まちづくりにおい

て当然配慮しなければならない事項となっています。

本計画も、次のとおり、地球環境問題に対し十分に配慮した計画とします。

◯ 生物多様性の保全への 大限の配慮

・自然的環境の保全エリアにあっては、ホタルを始めとした現存する動植物の生息

環境を保全するよう 大限の配慮をします。

・地域の活性化に資する持続可能な市街地のエリア、グリーン・ゲート・ゾーンの

整備に当たっては、それぞれのエリアにおいて、現在生息する希少な動植物や大

径木などについては、環境アセスメントに則り、自然的環境の保全エリアへの移

植を徹底します。

・グリーン・ゲート・ゾーンに整備される調整池、及び流路を変更する水路瀬上沢)

については、それぞれ多自然型の整備を行い、新たな生物の生息環境を創出しま

す。

・地域の活性化に資する持続可能な市街地のエリアの緑化に当たっては、飛翔生物

などの飛来を促すような樹種を選定するなど、様々な形で生物多様性保持に配慮

します。

○ 再生可能エネルギーの積極導入

本計画で導入する建築物においては積極的に再生可能エネルギーを導入します。

また、その維持のために宅地整備後もエリアマネジメントによる管理を検討し、建

築物の改築に当たっては、その時点での 新の技術を導入するよう恒久的に促してい

きます。なお、導入率は10%以上とします。

○ 高ランクCASBEEの導入

建築物の低炭素化、省エネルギー化を促進するため、すべての建築物における可能

な限りCASBEEで高ランクとなるような計画とします。

導入の目標は次のとおりとします。

・ 事業者が建築を予定する施設(A1,2地区) :A以上

・ その他届出が必要な施設(A3,4地区) :B+以上

・ 戸建(低層)住宅等届出の必要の無い施設(B地区) :届出推奨

◯ 電気自動車用急速充電器の設置

商業施設の駐車場や戸建住宅各戸に電気自動車用急速充電器を設置し、平常時は電気

自動車の普及を推進しCO2排出量削減を行い、ガソリン供給が滞る災害時は、電気自動車

を通じての家庭電気機器へ電気供給が可能とします。

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(図 8)CASBEE導入イメージ図

以上の内容を踏まえ、次のとおり都市計画を提案します。

事業者が整備するクリニックモール・商業施設

CASBEE A以上

戸建(低層)住宅

戸建CASBEE届出推奨

沿道施設

CASBEE B+以上

沿道施設

CASBEE B+以上

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3-1-5 都市計画提案の内容

◯ 区域区分【変更】

市街化調整区域 → 市街化区域 約12.5ha

先進的な市街地整備エリア並びにグリーン・ゲート・ゾーンについては、平成22

年3月の「横浜国際港都建設計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」(以

下 整開保)において特定保留フレームとして位置づけられていないが、本提案は、

現行の整開保の趣旨「骨格的な都市基盤施設等の整備にあたっては無秩序な市街化

を防止しつつ周辺土地利用の計画的な保全・誘導を行う」に適合し、都市計画マス

タープラン等の上位計画に適合してその実現を図るものです。

従って、第7回の整開保の変更時に人口フレームを含めて適合することを前提とし

ており、具体的な都市計画変更の時期は、第7回の整開保と同時期とすることを希

望します。

(図 9) エリア別表

◯ 用途地域【変更】

区域区分の変更する区域には、都市計画道路や地区内幹線道路との関係を考慮し、

周辺の住環境との調和と地区の市街地像を踏まえた用途地域を変更します。

・無指定 → 第一種低層住居専用地域 (80/50) 面積約5.5ha

第一種低層住居専用地域 (60/40) 面積約3.1ha

準住居地域 (200/60)面積約3.9ha

本計画では、隣接の緑化地域及び住宅地と一連の繋がりを保つように第一種低層

住居専用地域は個々に容積・建ペイ率を設定します。

舞岡上郷線

地域の活性化に資する持続可能な

市街地整備エリア

グリーン・ゲート・ゾーン

自然的環境の保全を図るエリア

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◯ 高度地区【変更】

用途地域の変更された区域には、建築物の高さの 高限度を定める高度地区を変更

します。

・無指定 → 高限第1種高度地区 面積約8.6ha

高限第4種高度地区 面積約3.9ha

本計画では、第一種低層住居専用地域は周辺の緑地及び生物に配慮して高さ10mを

超えない制限を設定します。

◯ 防火地域及び準防火地域【変更】

用途地域の指定された区域(第一種低層住居専用地域は除く)には、建築物の防火

構造を定める防火地域及び準防火地域を変更します。

・無指定 → 準防火地域 面積約3.9ha

本計画では、準防火地域を指定し緑の中の市街地として防火性を確保設定。

◯ 緑化地域【変更】

用途地域の変更された区域の内、住居系用途地域には、建築物の敷地内に緑化を推

進するため、緑化地域を変更します。

・無指定 → 緑化地域 面積約 約12.5ha

◯ 特別緑地保全地区【決定】

瀬上市民の森に連担する樹林地とこれに連なる一部介在農地等を特別緑地保全地

区に決定します。

・上郷町石原特別緑地保全地区(仮称) 面積約10.8ha

舞岡上郷線西側で区域外の緑地と景観上一体となって良好な樹林地について特別

緑地保全地区に決定します。

・上郷町深田特別緑地保全地区(仮称) 面積約0.4ha

◯ 都市施設の公園【変更】

「上郷町小川アメニティ」(瀬上沢)に隣接した草地については、市民が自然に親

しみ、レクリエーションの場として利活用できる都市施設の公園とします。

瀬上自然公園(仮称) 面積約3.8ha(風致公園)

特別緑地保全地区に指定する樹林地に囲まれた丘陵部の農地については、里山の自

然の再生を目指し、現状の地形を活かした都市施設の公園とします。

上郷里山公園(仮称) 面積約4.1ha(風致公園)

◯ 地区計画【決定】

■ 区域区分を変更する区域については、港南台駅を中心として環境に配慮したコンパクトな

市街地形成に向け、提案する土地利用を計画的に誘導するとともに生物多様性に配慮し

た緑豊かな周辺環境と調和した市街地を形成するため、地区計画を定めます。

・面積約 約12.5ha