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目次
2.1 循環型生産の概念
2.2 ライフサイクルオプションと部品リユースの課題
2.3 ライフサイクルシミュレーション(LCS)2.4 実験の手順
2.5 考察とレポートの作成
2.1 循環型生産の概念
3LCELCELCELCE 従来型ものづくりパラダイムの限界
従来の生産においては,資源無限大,マーケット無限大を前提とし,高品質の製品を低価格で提供することに力を注いでいた.
しかし,資源・エネルギの枯渇,環境負荷の増大により,このような大量生産,大量消費社会の前提条件は成立し得なくなっている.
生産システム
資源
エネルギ
資源
エネルギ
資源
エネルギ
資源
4LCELCELCELCE 社会経済システムにおける循環の組込み
環境省編,平成14年版 環境白書より(一部変更)
自然環境には,元来循環が組込まれており,それによりシステムの持続性が保たれるようになっている.
これに対して,社会経済システムでは,自然環境から資源を採取し,製品を生産し,使用後に廃棄物として環境に戻していた.この量が,自然環境の許容量を越えてしまったことが現在の資源・環境問題を引起している.
この解決策として,社会経済システム内に循環を組み込むことで,QoL (Quality of Life) を維持しつつ環境負荷を低減しようというのが,循環型生産の概念である.
大気
土壌 水
生態系
廃棄
排出
採取
環境負荷
社会経済システムにおける循環
自然環境における循環
生産
使用
流通
EoL
2.2 ライフサイクルオプションと部品リユースの課題
6LCELCELCELCE 多様な循環-ライフサイクルオプション-
破砕
材料リサイクル
廃棄物
エネルギリカバリ
焼却
製品製造
使用・
運用
原料エネルギ
素材製造
部品製造
配送・設置
分解
部品リユース
製品リユース
回収
メンテナンス
循環の形態は多様.
循環型生産におけるモノの循環には,種々の方法(ライフサイクルオプション)がある.
対象製品・部品ごとに,適切なオプションを選択する必要がある.
この実験では,これらのライフサイクルオプションのうち部品リユースについて考えてみる.
7LCELCELCELCE 部品リユース・材料リサイクルの例
-レンズ付きフィルムの場合-
富士フイルム 社会・環境レポート2003
• 効果的な循環が行われている製品の例としては,レンズ付きフィルムが良く知られている.
• ここでは,本体,レンズ,ストロボ,電池などの部品がリユースされている.
• ただし,使用者が手にするカバー部は材料リサイクルされる.
2.3 ライフサイクルシミュレーション(LCS)
9LCELCELCELCE ライフサイクルシミュレーション (LCS)
LCSにおける主な設定
以下のような項目を設定することで,様々な状況でのシミュレーションを行うことができる.
対象製品(複数)とその構成部品
構成部品ごとのライフサイクルオプション
複数製品間の部品共通化
製品の製造・販売期間
製品の機能寿命と部品の物理寿命
循環型生産における,製品/部品/材料の流れを評価するための
シミュレーション.
部品製造 製品製造 販売
使用
回収分解・再生
新造部品
リユース部品
10LCELCELCELCE LCSによるリユースの評価
部品リユースの効果を評価するためには,使用者がいつどのくらいの製品を使用中止するかを予測することが必要である.ここでは,使用段階にある製品が,一定の寿命分布にしたがって使用中止になると考える.寿命分布にはワイブル分布を仮定する.
回収された製品は,分解・再生工程で分解され,対象部品が取り出される.そのうち,再使用可能なだけの余寿命が残っている部品をリユース部品として再生処理し,製品製造工程に送る.
部品製造 製品製造 販売
使用
回収分解・再生
新造部品
リユース部品
製品回収量の見積り
再使用可否判定(余寿命の見積り)
販売量の見積り
11LCELCELCELCE LCSの実行
部品製造 製品製造 販売
使用
回収分解・再生
新造部品
リユース部品
• シミュレーションは,与えた需要量パターンに応じて実行される.(本実験では需要量は,毎月3,000個で一定とする.)
• 基本的には,製品製造はプル方式,分解・再生はプッシュ方式で管理される.
1-m
t ηtm
尺度パラメータ:形状パラメータ:m使用時間: t
それぞれ,ワイブル分布に従うとする(パラメータは自由に設定可能). 使用中止要因としては以下の
2つがあるとする.
製品の機能寿命
部品の物理寿命
12LCELCELCELCE LCSにおける部品の再使用性の評価
部品再使用可能条件は以下の式で判定する.
余寿命(=B10ライフー使用量)>製品設計寿命
製品設計寿命
部品1
部品2再使用可
部品3 再使用不可
部品のB10 ライフ
使用量 余寿命
2.4 実験の手順
14LCELCELCELCE 今週の実験の目的と手順
実験の目的:
今週の実験では,一定の製品を製造し続ける場合を考える.
回収製品から取り出した部品がリユース可能であるか否かは,部品の余寿命が製品の設計寿命より長いか否かによる.
したがって,リユースできる部品の総量は,部品の寿命(ここではB10ライフを使う)によって変化することになる.
これをライフサイクルシミュレーション(LCS)で確認することが本実験の目的である.
実験の手順:
(0) 準備
(1) 基本設定でのLCSの実行
(2) 部品寿命を変化させてLCSを実行
(3) 班のデータのまとめ
(4) シミュレーション結果の評価
• 製品機能寿命(MTTF) 0.5年• 製品設計寿命(機能寿命の2倍) 1.0年• 部品寿命(B10ライフ) 3.0年
15LCELCELCELCE (0) 準備
準備:
1. “C:¥RecycleSim” のショートカットをデスクトップに作成
2. “¥¥LABFSRV01¥common¥経営システム入門実B¥LCE¥第2週¥第2週取得ファイル”内のファイル6点を“C:¥RecycleSim” 内にコピーする.
その際,RecyclSimUOC.dllは上書きを行う
取得ファイル
16LCELCELCELCE (1) 基本設定でのLCSの実行
①シミュレーションソフトの起動
デスクトップ上のアイコンから,リサイクルシミュレーションを開く
(“C:¥RecycleSim”内にコピーした ”1製品.prj” をクリックしてシミュレータを起動しないこと.以後も ”*.prj” をクリックしてシミュレータを起動することは不可.)
17LCELCELCELCE (1) 基本設定でのLCSの実行②製品情報ファイルを開く
1. ファイル⇒開く LCSのメニューバーで左端のマイコンピュータをクリック
“C:¥RecycleSim”内の”1製品.prj”を選択し,開くをクリック.
2. 右図のような製品構成が表示される
18LCELCELCELCE (1) 基本設定でのLCSの実行
③ワイブルパラメータの変更
この画面では,製品・部品の構成が表示されるが,それぞれのワイブルパラメータ,mを変更することで,製品・部品の寿命設定を行うことができる.ただし,基本設定では,何も変えずに”次へ”をクリックする.
基本設定では部品の寿命を3年と設定しているため,何も変えずに(:55000,m:3のまま)進める.
部品1をクリックすると右側に部品特性のパラメータが表示される
①
②
設定した, m に従ってB10ライフ(部品寿命)が決定される.※単位は時間(h)
19LCELCELCELCE(1) 基本設定でのLCSの実行④その他の画面
生産管理情報の定義 使用パターンの管理製造・販売期間の定義
次へ 次へ 次へ
C:¥RecyleSim¥Result内に結果が出力される(デス
クトップのショートカット内)
フォルダ名は実行時刻
変更不要⇒時間の確認[単位:日] 変更不要変更不要
OKシミュレーション実行
“使用量分布幅”には1(月)を入力
20LCELCELCELCE (1)基本設定でのLCSの実行
⑤必要項目の抽出-1
シミュレーションによって得られた出力結果には、本実験には必要のない大量のデータが含まれているため、本実験に必要な項目だけを抜き取る作業を行う(p.22,23)
今回の実験には必要のないデータも含む
評価に必要な項目だけを抜き取る
項 目
製品販売量
回収量
部品新造部品投入量
リユース部品投入量
抜き取られる項目
.xls
.xls
21LCELCELCELCE (1)基本設定でのLCSの実行
⑥必要項目の抽出-2
(1) LABFSRV01上の「LCE第2週基本設定
プログラム」をフォルダごとデスクトップにコピーする.
(2) コピーしたフォルダに“C:¥RecycleSim¥Result”内にある以下の2つのシミュレーション実行結果ファイルをコピーする.
UOCinfo_部品1.xlsUOCinfo_製品1.xls
(3) 第2週基本設定プログラム.exeを実行する (4) 実行ボタンを押す
22LCELCELCELCE (1)基本設定でのLCSの実行
⑦必要項目の抽出‐3
(6)「処理が完了しました」が表示されたら、×ボタンを押して閉じる
(7)第2週基本設定テンプレート.xlsが更新される(※このファイルを使って次頁以降の評価を行う)
(5)メッセージが表示された場合は「はい(Y)をクリックする
23LCELCELCELCE (1)基本設定でのLCSの実行
⑧出力結果から評価を行う
リユース部品使用率 製造した製品のうち,リユース部品を使用した割合.
平均部品使用回数 一つの部品が製造に使われる回数の平均値.リユースされないと
きは1.
平均寿命活用率 部品が有している寿命のうち実際に使用された割合.例えば,1年
の寿命を持つ部品が6ヶ月で廃棄されたとすると,寿命活用率は50%になる.
リユース部品投入量新造部品投入量
リユース部品投入量リユース部品使用率
新造部品投入量
リユース部品投入量)(新造部品投入量平均部品使用回数
)(B10 単位:月ライフ部品の新造部品投入量
期の幅(単位:月)市場にある台数平均寿命活用率
出力されたシミュレーション結果から以下の値を計算し評価を行う
24LCELCELCELCE (2)部品寿命を変化させてLCSを実行-1
次に基本設定から,部品寿命を変化させて,シミュレーションを実行する.
製品機能寿命(MTTF) 0.5年 製品設計寿命(機能寿命の2倍) 1.0年 部品寿命(B10ライフ) 3.0年
基本設定
部品寿命が1.0, 1.5, 2.0, 2.5, 3.0年の場
合について,班で分担してシミュレーションを行う。(ただし3.0年は基本設定として実行済み)
25LCELCELCELCE LCS
部品製造 製品製造 販売
使用
回収分解・再生
新造部品
リユース部品
26LCELCELCELCE LCSにおける部品の再使用性の評価
部品再使用可能条件は以下の式で判定する.
余寿命(=B10ライフー使用量)>製品設計寿命
製品設計寿命
部品1
部品2再使用可
部品3 再使用不可
部品のB10 ライフ
使用量 余寿命
27LCELCELCELCE (2)部品寿命を変化させてLCSを実行-2
部品寿命を変更するためには,Weibullパラメータを変える.
部品のB10ライフが設定したい値になるように,と m を設定する. 今回の実験では,m を3に固定してをB10ライフが目標の値になるように
調整する.
部品1を選択
B10ライフはここで確認(単位は時間)
パラメータの設定ができたら,その他は基本設定と同様に画面を進めて実行する
変更するパラメータ
(どの月も1ヶ月30日として計算する)
班内で分担して作業すること
こちらも1製品.prjを使うことを注意.
28LCELCELCELCE (3)班ごとのデータの抽出-1
部品寿命2.0年
部品寿命1.0年
部品寿命1.5年
部品寿命2.5年
部品寿命3.0年
○班
1
1.5
2
2.5
3
¥¥LABFSRV01¥common¥経営システム入門実験B¥LCE¥第2週¥LCE第2週データ共有プログラム
各自が得たシミュレータ実行結果ファイルのうち,UOCinfo_製品1.xlsとUOCinfo_部品1.xls を,サーバ上の ¥¥LABFSRV01¥common¥経営システム入門実験B¥LCE¥第2週¥LCE第2週データ共有プログラム の各班ごとに用意したフォルダに入れる.
29LCELCELCELCE (3)班ごとのデータの抽出-2
班の代表1名が作業すること
(1)自分の班のフォルダの”第2週データ共有プログラム.exe”を実行する
(2)実行ボタンを押す
(3)メッセージが表示された場合は「はい(Y)」をクリックする
30LCELCELCELCE
(5)第2週データ共有結果.xlsが出力される
(4)「処理が完了しました」が表示されたら、×ボタンを押して閉じる
班の代表1名が作業すること
(3)班ごとのデータの抽出-3
(6)第2週データ共有結果.xlsを各人が自分のPCにコピーしてそれぞれ以下の作業を行う
31LCELCELCELCE (3)班ごとのデータの抽出-4
「1.5」フォルダに入れた
ファイルから抜き取られたデータ
「2」フォルダに入れたファ
イルから抜き取られたデータ
「1」フォルダに入れたファ
イルから抜き取られたデータ
1.5 2
32LCELCELCELCE (4)シミュレーション結果の評価
① 設定した部品寿命ごとに,経過時間に対するリユース部品使用率を計算し,グラフ化する.
② 各部品寿命ごとの平均リユース部品使用率を計算し,部品寿命を横軸にしたグラフを作成する.
③ 各部品寿命ごとに,平均部品使用回数を計算し,部品寿命を横軸にしたグラフを作成する.
④ 各部品寿命ごとに,平均寿命活用率を計算し,部品寿命を横軸にしたグラフを作成する.
全員がそれぞれ独自に作業すること
2.5 考察とレポートの作成
34LCELCELCELCE 考察とレポートの作成(1)
レポートに記載するデータ
各部品寿命における,時間経過に対するリユース部品使用率の変化を示すグラフ(1つのグラフに,部品寿命1, 1.5, 2, 2.5, 3年の場合を表示する)
部品寿命の変化に対する平均リユース部品使用率の変化を示すグラフ
部品寿命の変化に対する平均部品使用回数の変化を示すグラフ
部品寿命の変化に対する平均寿命活用率の変化を示すグラフ
考察内容
リユース部品使用率の時間変化パターンが,部品寿命によってどのように変化するかを調べ,その変化の理由を考察する.
例えば,なぜ部品寿命1年の場合は,リユース部品使用率がゼロになるのか,
なぜ立ち上がり部分の曲線は,部品寿命によらずに同じ変化を示すのか,なぜ,部品寿命が2年,2.5年,3年のときは波打つのかなどについて考えてみる.
平均リユース部品使用率と平均部品使用回数について考察する.
平均寿命活用率のグラフについて考察する.
例えば,なぜ,平均寿命活用率は,平均リユース部品使用率や回数と異なり単調増加にならないのかなどについて考えてみる.
リユースの効果はどのような観点から評価すべきか,そのためにはどのような指標または指標の組合せにすればよいかについて考察する.
35LCELCELCELCE 考察とレポートの作成(2)
レポートの提出
レポートはワードで作成し,配布される表紙をつけて提出する.
レポートの提出と同時に作成したExcelファイル(第2週データ共有結果.xls)を,“¥¥LABFSRV01¥common¥経営システム入門実験B ¥LCE¥第2週¥第2週提出”フォルダに提出する.(ファイル名は,半角の学籍番号(例:
1X17C001)とする.)
Excelファイルは必ず時間内に提出する.
レポートが実験時間内に完成しない場合は,11月27日(月)9:00までに実験
室に提出する.