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平成17年の災害(台風14号災害等)について
資料4
1
台風7号
台風11号
台風14号
○平成17年度主な風水害による被害 災害別総括表 (平成17年10月17日17時現在消防庁発表資料を基に災害対策室作成)住家被害(棟) 非住家被害(棟)
全壊 半壊 一部破損 床上 床下 公共 その他
6 27~30 北陸地方等の大雨 1 4 175 559 3 794
7 1~37月1日からの梅雨前線による大雨
(中国地方、四国地方等)3 2 2 1 8 87 2,602 4
7 8~107月8日からの梅雨前線による大雨
(九州地方等)5 1 4 1 5 65 317 2
7 25~27 台風7号 2 38 25~26 台風11号 1 24 15 74 1 189 5~9 台風14号(9月4~5日の前線による大雨を含む) 26 3 883 1,949 2,792 9,333 12,499 102 2,428
35 6 889 1,952 2,835 9,675 16,051 106 3,24931,402 非住家被害計 3,35525,726
行方不明者数(人)
風水害計
住家被害計
床上床下計
月 日 事象死者数(人)
平成17年の風水害発生状況
1
2
台風第14号の概況
九州地方の総雨量の分布
えびの(えびの市)1,307mm
神門(南郷町)1,321mm
みかど
見立(日之影町)1,201mm
みたて
九州、中国、四国地方の各地では9月の月間平均雨量の2倍を超える雨量を観測した。また、総雨量では、宮崎県南郷村1,321ミリ、えびの
市1,307ミリ、日之影町1,201ミリ(アメダスデータ)と1,000ミリを超過。ひ の か げ
な ん ご う
出典:気象庁資料
10~20km/h
35~60km/h
上空
の強
風軸
台風第14号は山陰沖に抜けるまで勢力をほぼ維持したまま、ゆっくりとした速度で進行。
台風の暖かく湿った風が、九州山地の東側及び四国山地の南側にぶつかって上昇気流となり、発達した雨雲が長時間継続。
2
3
平成17年台風14号により危険水位を超えた1級河川
肱川江の川
高津川
太田川
大野川
球磨川
川内川肝属川
大淀川
番匠川
渡川(四万十川)
仁淀川
吉野川
宮崎
延岡
垂水
危険水位超過
ひじかわ
ごう
たかつ
おおた
によど
ばんじょう
わたり
おおよど
きもつき
せんだい
くま
たるみず
洪水により破堤等の災害や、浸水被害のある水位。
9月始めの台風14号は、勢力が強く速度が遅かったことから、広い範囲で長時間にわたり大雨をもたらし、多くの河川で危険水位を超過
その他、新宮川水系相野谷川(和歌山県)にて危険水位及び計画高水位を超過
おのだに
小丸川おまる
五ヶ瀬川ごかせ
水系名の 囲みは、計画高水位超過を表す。
4
台風14号による浸水被害 【大淀川】
大淀川では上流域で1,300ミリを超える雨※1を観測
計画高水位を最大53㎝、12時間超過※2し、宮崎市等で計4,227戸の浸水被害※3が発生※1:えびの観測所における総雨量:1,307ミリ等 ※2:柏田水位観測所の水位 ※3:H17.9.22現在宮崎県報告値
おおよどがわ
大淀川支川天神[てんじん]川(宮崎市富吉[とみよし]地区)の内水による浸水被害の状況
大淀川支川大谷川の越水による浸水被害(宮崎市下小松[しもこまつ]地区)
大淀川支川瓜田[うりた]川(高岡町麓[ふもと]地区)の内水による浸水被害の状況
支川大谷川堤防より越水
大淀川支川大谷川の越水状況
大淀川約50cm
大淀川左岸2.8km付近における水防活動状況4
5五ヶ瀬川支杭ヶ内[くいがうち]川(川島地区)の内水による浸水被害の状況
五ヶ瀬川支川西階[にししな]川(延岡市大貫[おおぬき]地区)の内水による浸水被害の状況
台風14号による浸水被害 【五ヶ瀬川】ごかせがわ
五ヶ瀬川の越水による浸水被害(延岡市岡富地区)
五ヶ瀬川では、上流域で1,300ミリを超える雨※1を観測
計画高水位を最大67㎝、6時間超過※2し、延岡市等で計1,805戸の浸水被害※3が発生※1:南郷村[なんごうそん]・神門[かんど]観測所における総雨量:1,321ミリ等 ※2:松山水位観測所の水位 ※3:H17.9.22現在宮崎県報告値
五ヶ瀬川の越水による浸水被害(延岡市岡富地区)
5
6
熊本県
宮崎県
鹿児島県
大分県
福岡県
佐賀県
長崎県
⑪山口県岩国市
17.9.9 8:0017.9.9 8:00現在現在
②大分県湯布院町
①大分県竹田市荻町
⑤鹿児島県垂水市新御堂
④鹿児島県垂水市新城
③鹿児島県垂水市新御堂
⑧宮崎県東臼杵郡 椎葉村
⑩宮崎県西臼杵郡 高千穂町
⑨西臼杵郡 高千穂町
⑦宮崎県北諸県郡 山之口町
⑥宮崎県北諸県郡 三股町切寄地区
⑫宮崎県椎葉村椎葉ダム上流
⑬宮崎県西郷村塚原ダム下流
人的被害発生箇所
大規模崩壊発生箇所(人的被害なし)
《① 竹田市 荻町 南河内地区(行方不明者2名) 土石流 》たけたし おぎまち なみかわうち
《② 湯布院町 下湯平地区(行方不明者1名) 土石流 》ゆふいんちょう しもゆのひら
《④ 垂水市新城小谷(死者3名)土石流 》たるみずししんじょうおたに
《⑥北諸県郡三股町 切寄地区 (死者2名) 地すべり》きたもろかたぐ ん みまたちょう きりよせ 《⑦ 北諸県郡山之口町 五反田地区(死者1名) 土石流》
きたもろかたぐ んやまのくちちょう ごたんだ
《⑧ 東臼杵郡 椎葉村 上椎葉地区 (死者3名) 土石流》
ひがしうすきぐ ん しいばそん かみしいば
《⑩ 西臼杵郡 高千穂町土呂久南地区(死者4名) 土石流》にしうすきぐん たかちほちょう とろくみなみ
《⑫椎葉村 岩屋戸ダム上流 (人的被害なし)》
しいばそん いわやと
《⑬ 西郷村 塚原ダム上流 (人的被害なし)》
さいごうそん つかばる
台風14号による主な土砂災害箇所の概要うち土砂災害土砂災害によるもの 2222名名
死者・行方不明者 2299名名
うち土砂災害土砂災害によるもの 2222名名
死者・行方不明者 2299名名
うち土砂災害土砂災害によるもの 2222名名
死者・行方不明者 2299名名
うち土砂災害土砂災害によるもの 2222名名
死者・行方不明者 2299名名台風14号による
《⑭田野町 鰐塚山周辺 (人的被害なし)》
たのちょう わにづかやま
岩屋戸ダム上流
⑭宮崎県宮崎郡田野町鰐塚山周辺
6
土石流 : 122件
がけ崩れ:200件地すべり: 30件
土砂災害発生件数
352件
H17.10.14現在
7
台風14号による土砂災害の概要
土砂災害で死者の出た箇所のうち災害発生前に避難勧告が発出されたのは1件のみ
土砂災害による死者・行方不明者22名のうち15名が65歳以上の高齢者
災害発生前 1件
災害発生後等 9件
災害発生前 1件
災害発生後等 9件
■被災者の約7割は高齢者
■避難勧告の遅れ
土砂災害で死者・行方不明者の出た11箇所のうち砂防施設があったのは1箇所のみ■砂防施設の不足
砂防施設あり 1件
砂防施設なし 10件
砂防施設あり 1件
砂防施設なし 10件
その他32%(7人) 高齢者68%(15人)その他32%(7人) 高齢者68%(15人)
■大規模崩壊の多発と天然ダムの発生宮崎県内で4箇所の大規模崩壊が発生し、天然ダムの形成・決壊跡も確認
砂防指定地・土砂災害警戒区域等の指定促進砂防指定地・土砂災害警戒区域等の指定促進
避難地・避難路等を保全・創出する砂防事業の 避難地・避難路等を保全・創出する砂防事業の
重点実施重点実施
避難勧告等の発出の促進避難勧告等の発出の促進
「大規模天然ダム対応マニュアル」の早期策定「大規模天然ダム対応マニュアル」の早期策定
流木災害対策を計画的・重点的に実施流木災害対策を計画的・重点的に実施
対応方針対応方針
8
1.特別警戒水位に到達した河川数と到達情報の通知回数
※)河川数は実数。
※)通知回数は延べ数。※)到達回数は、特別警戒水位の基準観測所において水位が特別警戒水位に到達した延べ数。
※)特別警戒水位:警戒水位を超える水位であって洪水による災害の発生を特に警戒すべき水位。
避難勧告の一つの目安となる水位として定められる。
台風14号通過に伴う特別警戒水位到達の通知の実施等
○調査期間:平成17年9月4日~平成17年9月8日
特別警戒水位:避難勧告の一つの目安になる水位
水位の予測が困難であるため、予め避難に要する時間等水位の予測が困難であるため、予め避難に要する時間等
をもとに避難の参考となる特別警戒水位を設定した上で情をもとに避難の参考となる特別警戒水位を設定した上で情報を提供。報を提供。
特別警戒水位特別警戒水位
警戒水位警戒水位水防団が出動する目安になる水位
(危険水位)
河川数 到達回数 通知回数避難勧告等発令河川数
938 125 158 149 42
特別警戒水位に到達水位情報周知河川
(特別警戒水位設定済み)
9
1.特別警戒水位到達情報の通知を実施しなかった理由
◇降雨の状況から水位低下が予想された。
◇既に特別警戒水位に到達し通知を実施していたが、その後、特別警戒
水位以下に水位が低下し再び超過したため。
◇災害対応に追われ、通知のタイミングを失った。
2.特別警戒水位到達情報の通知後、避難勧告等が発令されなかった理由
◇降雨予測、水位上昇の状況より判断した。
◇到達が深夜であり、道路状況の悪化等を踏まえ判断した。
◇事前に自主避難の呼びかけを徹底して行っており、特別警戒水位到達
後も河川等の状況を踏まえ、再度の自主避難呼びかけで対処できると
判断した。
◇水防団による現地確認により判断した。
特別警戒水位到達情報の通知および避難勧告等発令が実施されなかった理由(台風14号)※)都道府県に聴き取りした結果
10
-2
0
2
4
6
8
10
12
14
16 0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
16 20 24 4128 16 20 24 41289月5日 9月6日 9月6日 9月7日
(時)
(時)
9月5日 9月6日 9月6日 9月7日
水位(日之影橋)
(m)
対象:日之影町
16 20 24 4128 16 20 24 4128
時間雨量(日之影)
9/6 3:00 特別警戒水位到達
警戒水位 3.10m
特別警戒水位 5.30m
指定(通報)水位 0.80m
9/5 15:40 準備9/5 22:10 出動
危険水位相当水位 7.50m
9/6 0:30 避難勧告発令 日之影町 神影中・下
(29世帯、53人)今後の雨量見込み等総合的に勘案し早めに発令
宮崎県五ヶ瀬川の出水概況と発表情報の関係(日之影橋観測所) 五ヶ瀬川水系
9/6 7:00 避難勧告発令 日之影町 日之影中央地区川沿い等
(113世帯、263人)
9/6 3:05 特別警戒水位到達情報通知
9/6 8:00 避難勧告発令 日之影町 上川上・下
(10世帯、23人)
11
避難勧告発令の事例 (日之影町)
宮崎日日新聞
H17.10.5
日之影町の避難勧告地域と浸水地域
浸水地域
避難勧告発令地域
家屋浸水:79棟家屋損壊:65棟
日之影町に関する新聞記事
12
53人が小学校に避難
人家8戸が全壊人家8戸が全壊
避難勧告発令による人的被害回避の事例 (日之影町)
【宮崎県日之影町神影上地区】
土石流により人家8戸が全壊流出
事前に避難していたため人的被害なし
土石流は避難場所である小学校の直近で発生
避難場所の保全は急務!
朝日新聞 H17.9.15
13
東京都23区で発生した集中豪雨の概要
9月4日夕方から5日未明にかけて、台風周辺から前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、関東地方で大気の状態が不安定となり、関東地方
の南部で雨雲が急速に発達したため、東京都と埼玉県では局地的に1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降った。
次々と発生した積乱雲は発達しながら同じ方向に移動し、線状の降水域を形成。幅十数km程度の地域に集中した豪雨となった。
東京の集中豪雨時の解説図〔平成17年9月4日21時〕
0
20
40
60
80
100
120
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28
下井草雨量観測所
総雨量264mm
時間最大112mm/hr
出典:気象庁資料
レーダーエコー強度図(全国合成レーダー)
平成17年9月4日21時00分~5日00時00分
降り始めからの時間
13
14
神田川・環状七号線地下調節池
H3 ~
(H17.9暫定共用)
S62 ~ H8事業期間
善福寺川神田川2カ所取水施設
同左同左12.5mトンネル内径
2.5km2.0km4.5kmトンネル延長
30万m324万m354万m3貯留量
施
設概
要
第二期第一期全体計画
参考:地下調節池流入状況(H15撮影)
2. 台風14号に伴う集中豪雨時の経緯 9月4日の集中豪雨では、第一期区間に24万3千立方メートルの洪水を貯留し、浸水被害を軽減。 さらに、共用前の第二期区間に安全を確認の上、18万立方メートルの洪水を貯留。
3. 環状七号線地下調節池がなかった場合→ 更に約50ha、約2300戸の浸水被害が発生したと想定
環状七号線地下調節池が完成していた場合→ 更に約10ha、約450戸の浸水被害が軽減したと想定
新宿駅
中野駅高円寺駅
阿佐ヶ谷駅
荻窪駅
東中野駅
大久保
駅
JR中央線
江古田川
妙 正 寺 川
神 田 川
善 福 寺 川
(※)完成した場合のケースは地下調整池の能力をロス無く活用すると想定
地下調節池がない場合に浸水
したと想定される区域(約50ha、約2300戸)
1km
神田川取水口(第1期で供用)
善福寺川取水口(第2期:9/17より暫定供用)
妙正寺川取水口(第2期:整備中)
+
今回の浸水区域
(約55ha、約3000戸)⇒
方南橋水位観測所
第2期(H17.9.17暫定供用) 容量30万m3
第1期(H9供用)容量24万m3
地下調節池が完成していた場合に浸
水被害が軽減したと想定される区域(約10ha、約450戸)
神 田 川
45
10
50
0
20
40
60
80
100
120
現状 地下調節池なし 地下調節池完成
浸水
面積
(h
a)
今回の浸水面積:
約55ha約3,000戸
地下調節池がなかった場合の想定浸水面積:
約105ha約5,300戸
地下調節池が完成していた場合の
想定浸水面積:
約45ha約2,550戸
1. 事業概要 神田川・環状七号線地下調節池は、環状七号線の道路下に延長4.5km、内径12.5mのトンネルを建設し、ここに神田川と善福寺川の洪水約54万m3を貯留する施設。
15
約6.9m約5.3m
ミシシッピ川ポンチャートレーン湖
10m
0m
-10m
ニューオリンズ市街地
ハリケーン・カトリーナの特徴と被害2005/09/30
現在
進 路: 8月25日にフロリダ半島に上陸・横断し、 メキシコ湾に抜け、勢力を増した上で、
ニューオリンズ付近の海岸に再上陸勢 力: 最大時でカテゴリー5 (風速70m/s~、中心気圧920ミリバ-ル以下)
人 口: 48.4万人(2000年統計)面 積: 468km2(うち70%は海抜0m以下)
ニューオリンズ市概況
カトリーナ概況高 潮 7~8m(ポンチャートレーン湖の特殊堤の高さ:約5m)
浸水状況 市の約80%、16万戸(ニューオリンズ当局者による)
堤防の被害状況 湖岸堤防及び運河の特殊堤など19カ所で破堤死者数 約1,100人(9月27日時点)
被害総額 2,000億ドル(約22兆円)(政府・民間の試算)
被害状況
アトランタニューオリンズ
マイアミ
ニューオリンズ
ポンチャートレーン湖
バトンルージュ
ミシシッピ川→
100km
メキシコ湾
ガルフポート
ニューオリンズ周辺地図
ニューオリンズ市付近横断図(イメージ)
※米国ではハリケーンを風速等により分類 (NOAA)カテゴリー 風速 中心気圧TD <18m/sTS 18m/s~33m/sCat1 33m/s~42m/s 980mb~Cat2 43m/s~49m/s 965mb~979mbCat3 50m/s~58m/s 945mb~964mbCat4 59m/s~69m/s 920mb~944mbCat5 70m/s< ~920mb
高潮による水位上昇:7~8m
15
16堤体の破壊に伴い、土塊が10m程度移動 大量の砂が堤内地へ流入
住宅の流失(基礎のみが残存)
Flood Wallの倒壊
16
破壊されたFlood Wall
米ASCE調査位置図
ハリケーン・カトリーナによる被災状況
※米国土木学会調査団 (独)土木研究所 田中茂信氏による
17
④浸水した市街地中心部
ハリケーン・カトリーナによる被災状況②流された家屋・家具等
①倒壊したカジノ
③ゴミが散乱した市街地
17
18
ハリケーン・カトリーナによる被災状況①街全体の浸水状況
②街の中心地近くの通りが浸水
③街の大通りの浸水状況
18
19
東京湾(横浜市~千葉市) 伊勢湾(川越町~東海市) 大阪湾(芦屋市~大阪市)
1:50 0000
137° E
3 5° N
137° E
35°N
135°E
34°N
135°E
34°N
面積 116km2人口 176万人
面積 336km2人口 90万人
面積 124km2人口 138万人
1:500000
140°E
35°N
36°N
140°E
°N
°N
■:T.P.±0m以下■:朔望平均満潮位以下■:計画高潮位(HHWL)以下
※河川・湖沼等の水面の面積については含まない※国土数値情報をもとに作成 3次メッシュ(1km×1km)の標高情報が潮位を下回るものを図示 面積、人口の集計は3次メッシュデータにより行っている
ゼロメートル地帯の現状
三大湾における高潮危険地域
面積 577km2人口 404万人
三大湾合計
出典:国土地理院地図を元に国土交通省が作成
*面積、人口は朔望平均満潮位以下の数値